JP6857111B2 - 重合体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、重合体及びその製造方法に関する。
ビニル単量体を重合して得た重合体は様々な用途に用いられており、特に多様な物性要求に応える目的で、2種以上のビニル単量体を共重合して得た重合体が広く用いられている。しかし、2種以上のビニル単量体を混合して共重合させると、各単量体単位が有する特性が平均化され、目的の物性が得られにくい傾向にある。2種以上の重合体を混合しても、それら重合体同士が均一に混ざり合わないことで、各重合体の単量体単位が有する特性が充分に得られないことが多い。
各単量体単位の特性が発現されやすい重合体として、ブロック共重合体が知られている。ブロック共重合体は、通常のラジカル重合では得られないため、リビングラジカル重合法が用いられる。リビングラジカル重合法によれば、分子量分布を制御しつつブロック共重合体を製造できるが、重合に特殊な化合物や金属触媒を使用する。そのため、それらの化合物や触媒を除去する工程が必要であり、工業的には煩雑である。
ブロック共重合体の製造方法としては、重合可能な官能基を有する高分子量単量体であるマクロモノマーを用いる方法も知られている(例えば、特許文献1)。しかし、マクロモノマーを用いる方法では、得られるブロック共重合体の分子量分布が大きく、前記ブロック共重合体の相構造を高度に制御することが難しい。
国際公開第2015/056668号
本発明は、分子量分布が小さく、相構造をより高度に制御でき、簡便に製造できる重合体、及び重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]下記式(I)で表される重合体。
Figure 0006857111
(式(I)中、R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
a1〜Xan及びXb1〜Xbmは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
nは2〜10,000の整数である。
mは2〜10,000の整数である。)
[2]下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)由来の構造を有する、[1]に記載の重合体。
Figure 0006857111
(式(II)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
nは2〜10,000の整数である。)
[3]前記Yが、ヨウ素化合物(a−2)又はラジカル重合開始剤由来の基である、[1]又は[2]に記載の重合体。
[4]前記ヨウ素化合物(a−2)が、ハロゲン化ヨウ素、有機ヨウ素化物及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[3]に記載の重合体。
[5]前記ラジカル重合開始剤が、アゾ系ラジカル重合開始剤又は過酸化物系ラジカル重合開始剤である、[3]又は[4]に記載の重合体。
[6]下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合する、重合体の製造方法。
Figure 0006857111
(式(II)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
nは2〜10,000の整数である。)
[7]下記式(III)で表されるマクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)とを反応させて前記マクロ開始剤(A)を得る、[6]に記載の重合体の製造方法。
Figure 0006857111
(式(III)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
nは2〜10,000の整数である。)
[8]前記ヨウ素化合物(a−2)が、ハロゲン化ヨウ素、有機ヨウ素化物及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[7]に記載の重合体の製造方法。
[9]前記マクロモノマー(a−1)と前記ヨウ素化合物(a−2)をラジカル重合開始剤の存在下に反応させて前記マクロ開始剤(A)を得る、[7]又は[8]に記載の重合体の製造方法。
[10]前記ラジカル重合開始剤が、アゾ系ラジカル重合開始剤又は過酸化物系ラジカル重合開始剤である、[9]に記載の重合体の製造方法。
[11]前記マクロ開始剤(A)と、下記触媒(C1)〜(C6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒又は前記触媒(C2)の炭化水素化合物(C)との存在下に前記ビニル単量体(B)をラジカル重合する、[6]〜[11]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
触媒(C1):ハロゲン化物イオンと、前記ハロゲン化物イオンとイオン結合を形成したカチオン状態の非金属原子とを含む非金属化合物。
触媒(C2):炭素原子と、前記炭素原子に直接結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む化合物、又は前記化合物の前駆体となる炭化水素化合物。
触媒(C3):窒素原子、リン原子、硫黄原子又は酸素原子を有し、酸化還元性を有する有機化合物。
触媒(C4):エチレン、アセチレン、オリゴアセチレン、ポリアセチレン、フラーレン、カーボンナノチューブ、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物。
触媒(C5):ハロゲン化アルカリ金属化合物又はハロゲン化アルカリ土類金属化合物。
触媒(C6):前記触媒(C1)〜(C5)以外のリン化合物、含窒素化合物及び含酸素化合物からなる群から選ばれる化合物。
本発明によれば、分子量分布が小さく、相構造をより高度に制御できる重合体を簡便に製造できる。
<重合体>
本発明の重合体は、下記式(I)で表される。式(I)中、「・・・」は単量体単位が重合している状態を表す。
Figure 0006857111
式(I)中、R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。Xa1〜Xan及びXb1〜Xbmは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。nは2〜10,000の整数である。mは2〜10,000の整数である。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基は、置換基を有していてもよい。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmは、アルキル基及びシクロアルキル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アルキル基がより好ましい。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmのアルキル基としては、炭素数1〜20の分岐又は直鎖アルキル基を例示できる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基を例示できる。アルキル基としては、入手のしやすさから、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmのシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基を例示できる。具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基を例示できる。シクロアルキル基としては、入手のしやすさから、シクロプロピル基、シクロブチル基、アダマンチル基が好ましい。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmのアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基を例示できる。炭素数6〜18のアリール基の具体例としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基を例示できる。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの複素環基としては、炭素数5〜18の複素環基を例示できる。複素環基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を例示できる。複素環基の具体例としては、γ−ラクトン基、ε−カプロラクトン基、モルフォリン基を例示できる。
R又はRa1〜Ranにおける置換基としては、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アコキシカルボニル基(−COOR’)、カルバモイル基(−CONR’R’’)、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基(−NR’R’’)、ハロゲン原子、アリル基、エポキシ基、アルコキシ基(−OR’)、及び親水性もしくはイオン性を示す基を例示できる。なお、R’又はR’’は、それぞれ独立して、Rと同様の基(ただし、複素環基を除く。)である。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの置換基としてのアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基を例示できる。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの置換基としてのカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基を例示できる。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基を例示でき、具体例としては、メトキシ基を例示できる。
R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmの置換基としての親水性又はイオン性を示す基としては、カルボキシ基のアルカリ塩又はスルホキシル基のアルカリ塩、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基等のポリ(アルキレンオキシド)基、四級アンモニウム塩基等のカチオン性置換基を例示できる。
a1〜Xan及びXb1〜Xbmは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、メチル基が好ましい。
Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OY’)又はエステル基(−OCOY’)である。なお、Y’は、それぞれ独立して、Rと同様の基(ただし、複素環基を除く。)である。
Yのアルキル基、アリール基は、置換基を有していてもよい。Yの基の置換基としては、R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmで挙げた置換基と同じ基を例示できる。
Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基(フラグメント)であり、公知のラジカル重合で得られる重合体の末端基と同様の基を例示できる。
nは重合体1分子中におけるRa1〜Ran及びXa1〜Xanを有する単量体単位の数を意味する。nは、2〜10,000の整数であり、10〜1,000の整数が好ましく、30〜500の整数がより好ましい。
mは重合体1分子中におけるRb1〜Rbm及びXb1〜Xbmを有する単量体単位の数を意味する。nは、2〜10,000の整数であり、10〜1,000の整数が好ましく、30〜500の整数がより好ましい。
本発明の重合体は、下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)由来の構造を有することが好ましい。すなわち、前記式(I)で表される重合体における、R、Ra1〜Ran、Y、及びXa1〜Xanを有する単量体単位を含む構造が、下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)由来の構造であることが好ましい。
式(II)中、「・・・」は単量体単位が重合している状態を表す。マクロ開始剤(A)は、ポリ(メタ)アクリレートセグメントの一方の末端にラジカル重合開始可能な炭素原子−ヨウ素原子結合を有する。
Figure 0006857111
式(II)中のR、Ra1〜Ran、Y、Z、n、Xa1〜Xanは、式(I)のR、Ra1〜Ran、Y、Z、n、Xa1〜Xanと同じである。
式(I)及び式(II)におけるYは、ヨウ素化合物(a−2)又はラジカル重合開始剤由来の基であることが好ましい。すなわち、Yは、後述するマクロ開始剤(A)の製造において使用するヨウ素化合物(a−2)又はラジカル重合開始剤由来の基であることが好ましい。Yの基となり得るヨウ素化合物(a−2)又はラジカル重合開始剤については後述する。
本発明の重合体は、ブロック共重合体であることが好ましい。例えば、Ra1〜Ran及びXa1〜Xanがそれぞれ同一の基又は原子であり、Rb1〜RbmがRa1〜Ran以外の同一の基又は原子であり、Xb1〜Xbma1〜Xan以外の基又は原子であるブロック共重合体を例示できる。
本発明の重合体の質量平均分子量(以下、「Mw」とも記す。)は、7,500〜1,250,000が好ましく、12,500〜500,000がより好ましい。重合体のMwが前記範囲の下限値以上であれば、重合体を成形して得られる成形体の機械強度が良好となる傾向にある。重合体のMwが前記範囲の上限値以下であれば、成形体を得るために必要な溶解性、溶融粘度を得ることができる。
本発明の重合体の数平均分子量(以下、「Mn」とも記す。)は、3,000〜500,000が好ましく、5,000〜200,000がより好ましい。重合体のMnが前記範囲の下限値以上であれば、重合体を成形して得られる成形体の機械強度が良好となる傾向にある。重合体のMnが前記範囲の上限値以下であれば、成形体を得るために必要な溶解性、溶融粘度を得ることができる。
本発明の重合体の分子量分布(以下、「Mw/Mn」とも記す。)は、1.1〜3.0が好ましく、1.1〜2.5がより好ましい。重合体のMw/Mnが前記範囲の上限値以下であれば、重合体の相構造を高度に制御しやすい。
重合体のMw及びMnは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用し、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の検量線から算出した値である。
本発明の重合体の用途は、特に限定されず、樹脂添加剤、塗料用組成物、リソグラフィー用重合体を例示できる。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、マクロ開始剤(A)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合して重合体を得る方法である。本発明の重合体の製造方法により、前記した本発明の重合体が得られる。本発明では、ラジカル生長末端に形成されるヨウ素原子−炭素原子結合からのヨウ素原子の均一解離反応が促進され、重合体の収率が向上する点から、マクロ開始剤(A)と、後述の触媒(C)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合することが好ましい。ラジカル重合には溶媒(D)を使用してもよい。
なお、「マクロ開始剤」とは、重合開始可能な官能基を有する高分子量の重合開始剤を意味する。「ビニル単量体」とは、少なくとも1つのビニル基(炭素−炭素不飽和二重結合)を含む化合物を意味する。
例えば、マクロ開始剤(A)及びビニル単量体(B)と、必要に応じて使用する触媒(C)、溶媒(D)を混合して組成物を調製し、ラジカル重合を行う。
重合方法は、特に限定されず、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法を例示できる。
重合温度は、重合速度の点から、0〜150℃が好ましく、重合制御の点から、20〜120℃がより好ましい。
重合時間は、特に限定されず、例えば、0.5〜24時間とすることができる。
重合反応は、空気存在下で行ってもよいが、ラジカル重合の効率の点から、窒素やアルゴン等の不活性ガスで空気を置換した条件下で行うことが好ましい。
[マクロ開始剤(A)]
マクロ開始剤(A)は、下記式(III)で表されるマクロモノマー(a−1)と、ヨウ素化合物(a−2)とを反応させることで得られる。例えば、マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)を溶剤中で混合し、加熱等によって付加反応させる方法でマクロ開始剤(A)が得られる。式(III)中、「・・・」は単量体単位が重合している状態を表す。マクロモノマー(a−1)は、ポリ(メタ)アクリレートセグメントの一方の末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する基を有する。
Figure 0006857111
式(III)中のR、Ra1〜Ran、Y、Z、n、Xa1〜Xanは、式(I)のR、Ra1〜Ran、Y、Z、n、Xa1〜Xanと同じである。
マクロモノマー(a−1)においては、合成しやすさの点から、Xa1〜Xanの半数以上がメチル基であることが好ましい。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソブトキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレートを例示できる。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」を示す。
また、ビニル単量体としては、プラクセルFM(商品名、(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加単量体、ダイセル化学社製)、ブレンマーPME−100(商品名、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が2であるもの)、日油社製)、ブレンマーPME−200(商品名、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が4であるもの)、日油社製)、ブレンマーPME−400(商品名、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が9であるもの)、日油社製)、ブレンマー50POEP−800B(商品名、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート(エチレングリコールの連鎖が8であり、プロピレングリコールの連鎖が6であるもの)、日油社製)及びブレンマー20ANEP−600(商品名、ノニルフェノキシ(エチレングリコール−ポリプロピレングリコール)モノアクリレート、日油社製)、ブレンマーAME−100(商品名、日油社製)、ブレンマーAME−200(商品名、日油社製)及びブレンマー50AOEP−800B(商品名、日油社製)を例示できる。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体としては、単量体の入手のしやすさの点では、メタクリレートが好ましい。
メタクリレートとしては、重合体の透明性の点から、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートが好ましく、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体は、耐滞留劣化性に優れた重合体を得る点では、メタクリレートの他に、アクリレートを含むことが好ましい。
アクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートが好ましく、入手しやすさの点から、メチルアクリレートが好ましい。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体は、メタクリレートとアクリレート以外の他のビニル単量体を含んでもよい。
他のビニル単量体としては、不飽和カルボン酸が好ましい。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸を例示できる。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体の合計のうちのメタクリレートの含有量としては、重合体の耐滞留劣化性の点から、ビニル単量体の総質量に対して、80〜99.5質量%が好ましく、82〜99質量%が好ましく、84〜99質量%がさらに好ましく、85〜99質量%が特に好ましい。
マクロモノマー(a−1)中のメタクリレート単位の割合は、マクロモノマー(a−1)の全単位に対して、80〜99.5質量%が好ましく、82〜99質量%が好ましく、84〜99質量%がさらに好ましく、85〜99質量%が特に好ましい。
マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体の合計のうちのアクリレートの含有量としては、ビニル単量体の総質量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
マクロモノマー(a−1)中のアクリレート単位の割合は、マクロモノマー(a−1)の全単位に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
マクロモノマー(a−1)のMnは、1,000〜1,000,000が好ましい。マクロモノマー(a−1)のMnが前記範囲の下限値以上であれば、重合体の物性、特に機械物性が良好となる傾向がある。マクロモノマー(a−1)のMnは、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。また、マクロモノマー(a−1)のMnは、500,000以下がより好ましく、300,000以下がさらに好ましい。
マクロモノマー(a−1)のMw/Mnは、1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.0がより好ましい。
マクロモノマー(a−1)のMw及びMnは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用し、PMMAの検量線から算出した値である。
マクロモノマー(a−1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
マクロモノマー(a−1)の製造方法としては、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(米国特許4680352号明細書)、α−ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開第88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(特開昭60−133007号公報、米国特許第5147952号明細書)及び熱分解による方法(特開平11−240854号公報)を例示できる。
マクロモノマー(a−1)の製造方法としては、製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点から、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。連鎖移動定数の高いコバルト連鎖移動剤を用いることにより、少量で分子量が制御されたマクロモノマー(a−1)が得られる。
コバルト連鎖移動剤を用いてマクロモノマー(a−1)を製造する方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の水系分散重合法を例示できる。これらの中で、マクロモノマー(a−1)の回収工程の簡略化の点から、懸濁重合法、乳化重合法等の水系分散重合法が好ましく、懸濁重合が特に好ましい。
コバルト連鎖移動剤としては、米国特許第4680352号明細書に記載されたものを使用できる。コバルト連鎖移動剤としては、酢酸コバルト(II)とジフェニルグリオキシムと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体との反応によって得られる一価のコバルト錯体を使用してもよい。
コバルト連鎖移動剤の使用量は、マクロモノマー(a−1)の製造に使用されるビニル単量体の合計量に対して、0.1〜50ppmが好ましく、1〜25ppmがより好ましい。
マクロモノマー(a−1)を溶液重合法で得る際に使用される溶剤としては、トルエン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;アセトン等のケトン系溶剤;メタノール等のアルコール系溶剤;アセトニトリル等のニトリル系溶剤;酢酸エチル等のビニルエステル系溶剤;エチレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;及び超臨界二酸化炭素を例示できる。溶剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
マクロモノマー(a−1)の製造方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
分散剤と、水溶性塩と、ビニル単量体と、コバルト連鎖移動剤と、重合開始剤とを含む原料組成物を調製する。前記原料組成物を70〜100℃で2〜7時間懸濁重合し、マクロモノマー(a−1)を含む水性懸濁液を調製する。得られた水性懸濁液からマクロモノマー(a−1)を濾過して回収する。
ヨウ素化合物(a−2)との反応には、前記の方法で製造したマクロモノマー(a−1)を回収、精製した粉体状物を使用してもよく、懸濁重合で製造したマクロモノマー(a−1)を含む水性懸濁液をそのまま使用してもよい。
分散剤としては、ポリ(メタ)アクリレートのアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリルスルホアルキルのアルカリ金属塩;ケン化度70〜100%のポリビニルアルコール:メチルセルロース;澱粉;ヒドロキシアパタイトが好ましい。分散剤は水溶液の形態で用いてもよい。水溶液の形態の分散剤の固形分濃度は、30〜60質量%が好ましい。
水溶性塩としては、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウムを例示でき、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムが好ましく、硫酸ナトリウムが特に好ましい。
マクロモノマー(a−1)は、市販品を用いてもよい。マクロモノマー(a−1)の市販品としては、エルバサイト(ELVACITE;登録商標)シリーズ(ルーサイトインターナショナル社製)を例示できる。
ヨウ素化合物(a−2)としては、ハロゲン化ヨウ素、有機ヨウ素化物、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ヨウ素化合物(a−2)として有機ヨウ素化物又はヨウ素を使用する場合、マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)の反応には、ラジカル供給源としてラジカル重合開始剤を併用することが好ましい。
ハロゲン化ヨウ素としては、一フッ化ヨウ素、一臭化ヨウ素、一塩化ヨウ素を例示できる。
有機ヨウ素化物としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル等のヨウ化アルキル;ヨウ化フェニル、ヨウ化ナフチル等のヨウ化アリール;ヨードイソブチロニトリル、2−ヨード−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2−ヨード−2−フェニル酢酸エチル等の置換基を有するヨウ化アルキルを例示できる。
マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)の反応に用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ系ラジカル重合開始剤又は過酸化物系ラジカル重合開始剤が好ましい。
アゾ系ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)を例示できる。
過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドを例示できる。
ラジカル重合開始剤としては、入手しやすさの点から、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)が好ましい。
有機ヨウ素化物を用いる場合、ヨウ素原子−炭素原子結合のヨウ素原子を引き抜く目的で、後述の触媒(C)を添加することが好ましい。触媒(C)を添加することにより、炭素原子−ヨウ素原子結合からのヨウ素原子の均一解離反応が促進され、マクロモノマー(a−1)へのラジカル付加の頻度が上がり、マクロ開始剤(A)の収率が向上する。
マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)の反応における触媒(C)の使用量は、有機ヨウ素化物のヨウ素原子1モルに対して、0.001モル以上が好ましく、0.005モル以上がより好ましく、0.01モル以上がさらに好ましい。また、反応制御の点から、触媒(C)の使用量は、有機ヨウ素化物のヨウ素原子1モルに対して、4モル以下が好ましく、3.5モル以下がより好ましく、2モル以下がさらに好ましい。
マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)の反応温度は、40〜130℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。
マクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)の反応時間は、0.5〜24時間が好ましく、1〜12時間がより好ましい。
マクロ開始剤(A)を前記した方法で製造した場合、マクロ開始剤(A)の製造後にそのままビニル単量体(B)を混合して重合を行ってもよく、再沈殿等の方法によってマクロ開始剤(A)を一度回収し、改めてビニル単量体(B)と混合して重合を行ってもよい。
[ビニル単量体(B)]
ビニル単量体(B)としては、マクロモノマー(a−1)を得るためのビニル単量体として挙げたものと同じものを例示できる。
ビニル単量体(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル単量体(B)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートがより好ましい。
[触媒(C)]
本発明では、マクロ開始剤(A)と、触媒(C)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合することが好ましい。これにより、ラジカル生長末端に形成されるヨウ素原子−炭素原子結合からのヨウ素原子の均一解離反応が促進され、重合体の収率が向上する。
触媒(C)は、以下の触媒(C1)〜(C6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒又は前記触媒の炭化水素化合物である。
触媒(C1):ハロゲン化物イオンと、前記ハロゲン化物イオンとイオン結合を形成したカチオン状態の非金属原子とを含む非金属化合物。
触媒(C2):炭素原子と、前記炭素原子に直接結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む化合物(以下、「化合物(C21)」とも記す。)、又は前記化合物(C21)の前駆体となる炭化水素化合物。
触媒(C3):窒素原子、リン原子、硫黄原子又は酸素原子を有し、酸化還元性を有する有機化合物。
触媒(C4):エチレン、アセチレン、オリゴアセチレン、ポリアセチレン、フラーレン、カーボンナノチューブ、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物。
触媒(C5):ハロゲン化アルカリ金属化合物又はハロゲン化アルカリ土類金属化合物。
触媒(C6):前記触媒(C1)〜(C5)以外のリン化合物、含窒素化合物及び含酸素化合物からなる群から選ばれる化合物。
触媒(C1)としては、以下の化合物を例示できる。
非金属原子として窒素原子を有する非金属化合物としては、イミダゾール塩化合物、ピリジン塩化合物、4級アミン塩化合物、及びこれらの誘導体を例示できる。
イミダゾール塩化合物としては、1−メチル−3−メチル−イミダゾリウムヨーダイド(EMIZI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド(EMIZBr)を例示できる。
ピリジン塩化合物としては、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨーダイド(CMPI)を例示できる。
4級アミン塩化合物としては、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(BNI)、テトラブチルアンモニウムトリヨーダイド(BNI3)、テトラブチルアンモニウムブロモジヨーダイド(BNBrI2)を例示できる。
非金属原子としてリン原子を有する非金属化合物としては、メチルトリブチルホスホニウム ヨーダイド(BMPI)等のホスホニウム塩化合物、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド(PPI)、及びその誘導体を例示できる。
非金属原子として硫黄原子を有する非金属化合物としては、トリブチルスルホニウムヨーダイド(BSI)、及びその誘導体を例示できる。
非金属原子としてヨウ素原子を有する非金属化合物としては、ジフェニルヨードニウムヨーダイド(PII)を例示できる。
2種類の非金属原子を有する非金属化合物としては、ヘキサフェニルジホスファゼニウムクロリド(PPNCl)、及びその誘導体を例示できる。
触媒(C2)としては、以下の化合物を例示できる。
化合物(C21)としては、ハロゲン化炭素(CI等)、ハロゲン化アルキル((CHCI、(CHCI、CHCI等)、ハロゲン化アリール(ヨウ化ジフェニルメタン等)、ハロゲン化ヘテロアリールを例示できる。
化合物(C21)の前駆体となる炭化水素化合物としては、化合物(C21)中の炭素原子に結合したハロゲン原子を水素原子に置換した化合物を例示できる。
例えば、炭素原子に、1つ又は2つの水素原子と、2つ又は3つのラジカル安定化用置換基が結合している化合物が好ましい。ラジカル安定化用置換基としては、中心元素の炭素原子とともに共鳴構造を形成する置換基が好ましい。中心元素の炭素原子には、水素原子及びラジカル安定化用置換基以外の他の置換基が1つ結合していてもよいが、他の置換基が中心元素の炭素原子に結合していないことが好ましい。
触媒(C3)は、窒素原子、リン原子、硫黄原子又は酸素原子を有し、酸化還元性を有する有機化合物である。
窒素原子を有する有機化合物としては、トリアルキルアミン(トリエチルアミン、トリブチルアミン等)、テトラキスジメチルアミノエテン(TDAE)、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカントリブチルホスフィン(TDME)を例示できる。ホール輸送能を有する有機化合物を使用してもよい。また、フタル酸イミド類、ピリジン類、ビピリジン類、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、エチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルジアミノメタン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−(メチルアミノ)エチル)アミン、ヘマトポルフィリン、及びこれらの誘導体を使用してもよい。
リン原子を有する有機化合物としては、トリアルキルホスフィン(トリエチルホスフィン等)、トリアリールホスフィン(トリフェニルホスフィン等)、ホスホン酸、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、及びこれらの誘導体を例示できる。
硫黄原子を有する有機化合物としては、チオフェン、オリゴチオフェン、ポリチオフェン、テトラチオフルバレン(TTF)、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン(BTTF)、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、及びこれらの誘導体を例示できる。
酸素原子を有する有機化合物としては、フラン、オリゴフラン、ポリフラン、及びそれらの誘導体を例示できる。
触媒(C4)は、エチレン、アセチレン、オリゴアセチレン、ポリアセチレン、フラーレン、カーボンナノチューブといった中心元素として炭素原子を有する化合物、及びそれらの誘導体である。
触媒(C5)におけるハロゲン化アルカリ金属化合物のアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムを例示できる。ハロゲン化アルカリ土類金属化合物のアルカリ土類金属原子としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムを例示できる。これらの中でも、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウムが好ましく、ナトリウム、カリウムが特に好ましい。
ハロゲン化アルカリ金属化合物及びハロゲン化アルカリ土類金属化合物に含まれるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示できる。これらの中でも、分子量分布を狭くしやすい点から、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、ヨウ素原子が特に好ましい。
ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムを例示できる。
ハロゲン化アルカリ土類金属化合物としては、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウムを例示できる。
触媒(C6)としては、以下の化合物を例示できる。
リン化合物としては、亜リン酸エステル、フォスフィネート系化合物を例示できる。
亜リン酸エステルとしては、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、ジベンジルフォスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)フォスファイト、ジアリルフォスファイト、エチレンフォスファイトを例示できる。
フォスフィネート系化合物としては、ジパーフロロエチルフォスフィネート、エトキシフェニルフォスフィネート、フェニルフェノキシフォスフィネート、エトキシメチルフォスフィネート、フェノキシメチルフォスフィネートを例示できる。
リン化合物としては、入手のしやすさ、溶解性の点から、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトが好ましい。これらのリン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含窒素化合物としては、イミド系化合物を例示できる。
イミド系化合物としては、スクシンイミド、2,2−ジメチルスクシンイミド、α,α−ジメチル−β−メチルスクシンイミド、3−エチル−3−メチル−2,5−ピロリジンジオン、シス−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、5−メチルヘキサヒドロイソインドール−1,3−ジオン、2−フェニルスクシンイミド、α−メチル−α−フェニルスクシンイミド、2,3−ジアセトキシスクシンイミド、マレイミド、フタルイミド、4−メチルフタルイミド、N−クロロフタルイミド、N−ブロモフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、2,3−ナフタレンカルボキシイミド、ピロメリットジイミド、5−ブロモイソインドール−1,3−ジオン、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド(NIS)を例示できる。
含窒素化合物としては、入手のしやすさ、溶解性の点から、スクシンイミド、フタルイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、NISが好ましい。これらの含窒素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含酸素化合物としては、フェノール性水酸基を有するフェノール系化合物、フェノール性水酸基のヨウ素化物であるアイオドオキシフェニル化合物、ビタミン類を例示できる。
フェノール系化合物としては、フェノール、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、t−ブチルフェノール、t−ブチルメチルフェノール、カテコール、レゾルシン、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、ジ−t−ブチルメトキシフェノール、ヒドロキシスチレンを重合した重合体又はそのヒドロキシフェニル基担持重合体微粒子を例示できる。これらは保存のための重合禁止剤としても使用できる。
アイオドオキシフェニル化合物としては、チモールアイオダイドを例示できる。
ビタミン類としては、ビタミンC、ビタミンEを例示できる。
含酸素化合物としては、入手のしやすさ、溶解性の点から、フェノール、カテコール、ビタミンC、ビタミンEが好ましい。これらの含酸素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル単量体(B)のラジカル重合における触媒(C)の使用量は、マクロ開始剤(A)1モルに対して、0.01モル以上が好ましく、0.05モル以上がより好ましく、0.2モル以上がさらに好ましい。また、触媒(C)の使用量は、重合制御の点から、マクロ開始剤(A)1モルに対して、100モル以下が好ましく、50モル以下がより好ましく、20モル以下がさらに好ましい。
[溶媒(D)]
溶媒(D)としては、前記したマクロモノマー(a−1)の重合で挙げた溶剤と同様の溶剤を例示できる。
溶媒(D)を用いる場合、溶媒(D)の使用量は、ビニル単量体(B)100質量部に対して、30質量部以上700質量部以下が好ましい。
本発明の重合体の製造方法では、ブロック共重合体を製造することが好ましい。例えば、同一のビニル単量体単位を連続して有するマクロ開始剤(A)の存在下に、マクロ開始剤(A)の製造に用いられたビニル単量体以外の同一のビニル単量体(B)を重合してブロック共重合体を製造する方法を例示できる。
以上説明したように、本発明では、マクロ開始剤(A)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合するため、分子量分布が小さい重合体が得られる。また、本発明では、リビングラジカル重合法で用いられる特殊な化合物や金属触媒を使用しないため、それらを除去する工程が不必要であり、重合体の製造が簡便である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、「eq」は「モル当量」を示す。
[数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)]
GPC(Shodex社製、「GPC−101」)を使用し、PMMAの検量線からMn及びMw/Mnを算出した。測定条件は、以下のとおりとした。
カラム:2本のShodex KF−804L(8.0mm×300mm)の直列接続、
溶離液:テトラヒドロフラン、
測定温度:40℃、
流速:1.0mL/分。
[略称]
本実施例における略称は、以下のとおりである。
MMA:メチルメタクリレート(東京化成工業社製)、
BA:n−ブチルアクリレート(東京化成工業社製)、
BNI:テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(東京化成工業社製)、
ONI:テトラ−n−オクチルアンモニウムヨージド(東京化成工業社製)、
EPh−I:2−ヨード−2−フェニル酢酸エチル(東京化成工業社製)、
ELVACITE:PMMAマクロモノマー(ルーサイトインターナショナル社製、ELVACITE 1010、Mn=3,900)、
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(東京化成工業社製)、
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(東京化成工業社製)。
[製造例1]マクロ開始剤(A−1)の合成
マクロモノマー(a−1)としてELVACITE、ヨウ素化合物(a−2)としてEPh−I、ラジカル重合開始剤としてV−65を用い、マクロモノマー(a−1)に対してヨウ素化合物(a−2)を1.5eq、ラジカル重合開始剤を0.2eqの割合で酢酸ブチルに加えて混合し、固形分濃度が約35質量%の原料組成物を調製した。
前記原料組成物をガラス製反応容器に移し、気相をアルゴンガスで置換した後、撹拌しながら55℃で24時間反応させ、マクロ開始剤(A−1)を得た。反応率は60%であった。
[製造例2]マクロ開始剤(A−2)の合成
マクロモノマー(a−1)に対してヨウ素化合物(a−2)を1.1eq、ラジカル重合開始剤を0.3eqに変更し、さらに触媒(C)としてONIを1eq加えて組成物を調製し、重合時間を6時間とした以外は、製造例1と同様にしてマクロ開始剤(A−2)を得た。反応率は51%であった。
[実施例1]
マクロ開始剤(A−1)、ビニル単量体(B)としてMMA、触媒(C)としてBNIを各成分が表1に示す割合となるように溶解して混合し、ガラス製反応容器に移し、気相をアルゴンガスで置換した後、撹拌しながら、70℃で5時間ラジカル重合し、重合体を得た。
[実施例2]
ビニル単量体(B)をBAに変更し、各成分の割合を表1に示すとおりに変更し、重合温度を110℃、重合時間を24時間に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。
[実施例3]
マクロ開始剤(A−1)の代わりにマクロ開始剤(A−2)を使用した以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。
[実施例4]
マクロ開始剤(A−1)をマクロ開始剤(A−2)、ビニル単量体(B)をBAに変更し、各成分の割合を表1に示すとおりに変更し、重合温度を110℃、重合時間を24時間に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。
[比較例1]
マクロモノマー(a−1)としてELVACITE、ビニル単量体(B)としてBA、ラジカル重合開始剤としてAIBNを各成分が表1に示す割合となるように溶解して混合し、ガラス製反応容器に移し、気相をアルゴンガスで置換した後、撹拌しながら、110℃で12時間ラジカル重合し、重合体を得た。
各例の重合組成及び分子量分布の測定結果を表1に示す。
Figure 0006857111
表1に示すように、マクロ開始剤(A−1)の存在下に重合した実施例1〜4の重合体は、マクロ開始剤(A−1)の代わりにマクロモノマー(a−1)を用いた比較例1の重合体に比べて、分子量分布が小さかった。

Claims (11)

  1. 下記式(I)で表される重合体。
    Figure 0006857111
    (式(I)中、R、Ra1〜Ran及びRb1〜Rbmは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
    Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
    Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
    a1〜Xan及びXb1〜Xbmは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    nは2〜10,000の整数である。
    mは2〜10,000の整数である。)
  2. 下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)由来の構造を有する、請求項1に記載の重合体。
    Figure 0006857111
    (式(II)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
    Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
    Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
    a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    nは2〜10,000の整数である。)
  3. 前記Yが、ヨウ素化合物(a−2)又はラジカル重合開始剤由来の基である、請求項1又は2に記載の重合体。
  4. 前記ヨウ素化合物(a−2)が、ハロゲン化ヨウ素、有機ヨウ素化物及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の重合体。
  5. 前記ラジカル重合開始剤が、アゾ系ラジカル重合開始剤又は過酸化物系ラジカル重合開始剤である、請求項3又は4に記載の重合体。
  6. 下記式(II)で表されるマクロ開始剤(A)の存在下にビニル単量体(B)をラジカル重合する、重合体の製造方法。
    Figure 0006857111
    (式(II)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
    Yは、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基又はエステル基である。
    Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
    a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    nは2〜10,000の整数である。)
  7. 下記式(III)で表されるマクロモノマー(a−1)とヨウ素化合物(a−2)とを反応させて前記マクロ開始剤(A)を得る、請求項6に記載の重合体の製造方法。
    Figure 0006857111
    (式(III)中、R及びRa1〜Ranは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
    Zは、水素原子又はラジカル重合開始剤由来の基である。
    a1〜Xanは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    nは2〜10,000の整数である。)
  8. 前記ヨウ素化合物(a−2)が、ハロゲン化ヨウ素、有機ヨウ素化物及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の重合体の製造方法。
  9. 前記マクロモノマー(a−1)と前記ヨウ素化合物(a−2)をラジカル重合開始剤の存在下に反応させて前記マクロ開始剤(A)を得る、請求項7又は8に記載の重合体の製造方法。
  10. 前記ラジカル重合開始剤が、アゾ系ラジカル重合開始剤又は過酸化物系ラジカル重合開始剤である、請求項9に記載の重合体の製造方法。
  11. 前記マクロ開始剤(A)と、下記触媒(C1)〜(C6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒又は前記触媒(C2)の前駆体となる炭化水素化合物(C)との存在下に前記ビニル単量体(B)をラジカル重合する、請求項6〜10のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
    触媒(C1):ハロゲン化物イオンと、前記ハロゲン化物イオンとイオン結合を形成したカチオン状態の非金属原子とを含む非金属化合物。
    触媒(C2):炭素原子と、前記炭素原子に直接結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む化合物、又は前記化合物の前駆体となる炭化水素化合物。
    触媒(C3):窒素原子、リン原子、硫黄原子又は酸素原子を有し、酸化還元性を有する有機化合物
    触媒(C4):エチレン、アセチレン、オリゴアセチレン、ポリアセチレン、フラーレン、カーボンナノチューブ、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物。
    触媒(C5):ハロゲン化アルカリ金属化合物又はハロゲン化アルカリ土類金属化合物。
    触媒(C6):前記触媒(C1)〜(C5)以外のリン化合物、含窒素化合物及び含酸素化合物からなる群から選ばれる化合物。
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