JP6568433B2 - セラミックヒーターの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックヒーターの製造方法に関する。
芯材と該芯材を被覆する絶縁層との間に、高融点金属からなる抵抗発熱体が埋設されたセラミックヒーターは、自動車用の酸素センサーやグローシステム等における発熱源として、また、半導体加熱用ヒーター及び石油ファンヒーター等の石油気化器用熱源等として、広範囲に使用されている。
特許文献1〜3には、このような用途に使用されるセラミックヒーターの製造方法が開示されており、具体的には、絶縁層となるグリーンシート(絶縁材料層)にヒーターパターンを形成し、このグリーンシートを円柱状等のセラミック基体(芯材)に巻き付けた後、脱脂及び焼成を行うことによりセラミックヒーターを製造する方法が記載されている。
例えば、特許文献3に記載の方法では、スクリーン印刷により、アルミナ粉末とバインダー樹脂と溶剤とを含むペーストを用いてグリーンシートを形成し、その上にスクリーン印刷により導体ペースト層(ヒーターパターン)を形成した後、アルミナ等のセラミック粉末とバインダー樹脂と溶剤とを含むペーストを重ねてスクリーン印刷し、さらに、グリーンシートを乾燥させる。続いて、離型フィルムを剥離することによりグリーンシートの積層体を作製し、この積層体を円柱状の芯材に巻き付けた後、脱脂及び焼成を行うことにより、セラミックヒーターを製造する。
特開平10−214675号公報 特開平11−273841号公報 特開2002−75596号公報
特許文献1〜3に記載の方法によりセラミックヒーターを製造する際、芯材に巻き付けられた絶縁材料層(グリーンシート)が脱脂及び焼成前に芯材から剥離することを防止するため、絶縁材料層には、一定の粘着性を有することが求められている。
しかし、特許文献3に記載の方法により複数のセラミックヒーターを製造する際、絶縁材料層が巻き付けられた芯材を脱脂及び焼成すると、焼成後、セラミックヒーターが他のセラミックヒーター又は焼成用治具に付着するという問題があった。
上記の問題を解決するため、絶縁材料層が巻き付けられた芯材を一定の間隔で縦置き可能な治具を使用することにより、他のセラミックヒーター又は治具と接触しないようにするという方法が考えられる。また、絶縁材料層を芯材に巻き付けた後、脱脂及び焼成前に芯材を事前に乾燥させることにより、絶縁材料層の外表面側の粘着性を低下させるという方法も考えられる。
これらの方法により、焼成後におけるセラミックヒーターへの付着を防止することはできるものの、治具とセラミックヒーターとの脱着の作業が必要となったり、絶縁材料層を芯材に巻き付けた後に乾燥工程が必要となったりするため、作業時間および生産時間がかかり、セラミックヒーターの生産性を向上させることが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑み、絶縁材料層と芯材との接着性を確保しつつ、セラミックヒーターの付着に伴う不具合を防止し、生産性を向上できるセラミックヒーターの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のセラミックヒーターの製造方法は、
ヒーターパターンを被覆する絶縁材料層を形成するセラミックヒーターの製造方法であって、
円柱形状又は円筒形状の芯材の側面に、ヒーターパターンを形成するヒーターパターン形成工程と、
絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物を、塗工、乾燥することにより、第1主面および第2主面からなるシート状で、かつ、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成する絶縁材料層形成工程と、
上記絶縁材料層の第1主面が芯材を被覆するように、上記絶縁材料層を上記芯材の側面に巻き付ける巻付工程とを含むことを特徴とする。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成すること、及び、粘着力の高い第1主面が芯材を被覆するように絶縁材料層を芯材の側面に巻き付けることを特徴としている。
芯材を被覆する絶縁材料層の第1主面は一定の粘着力を有するため、絶縁材料層と芯材との接着性を確保することができる。さらに、セラミックヒーターの外表面側の第2主面の粘着力が第1主面の10%未満であるため、後工程においてセラミックヒーターが他のセラミックヒーター又は治具に付着することを防止できる。
その結果、従来技術で必要であったセラミックヒーターへの付着を防止するための治具の使用及び絶縁材料層を芯材に巻き付けた後の乾燥工程が不要となり、製造工程全体の時間を短縮することができる。したがって、本発明のセラミックヒーターの製造方法では、セラミックヒーターの生産性を向上させることができる。
本明細書において、絶縁材料層の各主面の粘着力とは、絶縁材料層を形成するための原料組成物を用いて作製されたシートの、JIS Z 0237(2009)に基づいて70℃で測定される粘着力を意味し、実際のセラミックヒーターの製造工程において、原料組成物を乾燥させる温度が70℃に限定されるものではない。したがって、原料組成物を乾燥させる温度が70℃以外であっても、JIS Z 0237(2009)に基づいて70℃で測定されるサンプルシートの粘着力が上記の関係を満たせば、本発明の範囲に含まれるものとする。
絶縁材料層と芯材との接着性の確保およびセラミックヒーターの生産性の観点から、上記絶縁材料層の第1主面の粘着力は、0.01〜10N/10mm(70℃)であることが好ましい。
上記原料組成物全体に対する上記バインダー樹脂の配合量は、8.0〜16.0体積%であることが好ましい。また、上記原料組成物中の上記絶縁性セラミック粉末に対する上記バインダー樹脂の配合割合は、体積比で、バインダー樹脂/絶縁性セラミック粉末=0.20〜0.42であることが好ましい。バインダー樹脂の配合量、及び、絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
バインダー樹脂の配合量、及び、絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力を第1主面の粘着力の10%未満とできる理由は明らかではないが、以下のように考えられる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、離型フィルム等の離型材上に、絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物をシート状に塗工し、原料組成物が離型材上に塗工された状態のままで乾燥を行うことにより、絶縁材料層を形成する。このとき、絶縁材料層が離型材に接する面が第1主面となり、その反対面が第2主面となる。
この方法では、乾燥時、第2主面の表層から原料組成物中の溶剤が揮発し、その後、第1主面に向かって原料組成物中の溶剤が段階的に揮発すると考えられる。そうすると、形成される絶縁材料層において、第1主面側から第2主面側に向かって原料組成物中の溶剤の含有量が段階的に減少する。その結果、第1主面の粘着力が高くなり、第2主面の粘着力が低くなると考えられる。
ここで、原料組成物中のバインダー樹脂の配合量が少なすぎる場合には、第1主面の粘着力が小さくなりすぎ、一方、原料組成物中のバインダー樹脂の配合量が多すぎる場合には、第2主面の粘着力が大きくなりすぎるため、第1主面と第2主面との間で粘着力の差を大きくすることが困難となる。そのため、バインダー樹脂の配合量、及び、絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が上記範囲にあることが好ましい。
本明細書において、バインダー樹脂の体積とは、バインダー樹脂の固形分の体積を意味する。
上記絶縁材料層形成工程において、上記原料組成物の乾燥温度は、60〜140℃であることが好ましい。原料組成物の乾燥温度が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、上記ヒーターパターン形成工程において、弾性体からなる平板状の転写用部材の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷により、所定のヒーターパターンを印刷するヒーターパターン印刷工程と、上記ヒーターパターンが印刷された上記転写用部材の表面に芯材を転動させることにより、上記ヒーターパターンを上記芯材の表面に転写する転写工程と、上記芯材の表面に転写された上記ヒーターパターンを乾燥させるヒーターパターン乾燥工程とを行うことができる。
上記方法によれば、芯材の側面にヒーターパターンを比較的容易に形成することができ、上記セラミックヒーターの生産性をさらに向上させることができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、ヒーターパターンを有する芯材に絶縁材料層を巻き付ける巻付工程の後、ヒーターパターン及び絶縁材料層の脱脂及び焼成を行うことができる。これにより、ヒーターパターンはヒーター部、リード部及び接続端子部となり、絶縁材料層は絶縁層となる。
芯材がセラミック製である場合、焼成することにより、ヒーターパターンをヒーター部、リード部及び接続端子部に、絶縁材料層を絶縁層にすることができる。
また、芯材が絶縁材料層を形成するための材料と同じ材料を用いて形成した焼成前の成形体である場合、焼成によりヒーター部、リード部、接続端子部及び絶縁層を形成することができるとともに、焼成によりセラミック製の芯材を形成することもできる。
焼成後の上記絶縁層の厚さは、50〜300μmであることが好ましい。絶縁層の厚さが上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法は、上記絶縁層から露出した接続端子部の表面に不動態層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
不動態層を形成することによって、露出した接続端子部の腐食が防止され、長期間の使用に適したセラミックヒーターとすることができる。
図1(a)は、本発明のセラミックヒーターの製造方法により得られるセラミックヒーターの一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示したセラミックヒーターのA−A線断面図である。 図2は、本発明のセラミックヒーターの製造方法により得られるセラミックヒーターの別の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、ヒーターパターン印刷工程の一例を模式的に示す側面図であり、図3(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。 図4(a)は、転写工程の一例を模式的に示す側面図であり、図4(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。 図5は、ヒーターパターン形成工程を経て、側面にヒーターパターンが転写された芯材を示す斜視図である。 図6は、絶縁材料層形成工程の一例を模式的に示す側面図である。 図7は、剥離工程の一例を模式的に示す側面図である。 図8(a)は、巻付工程の一例を模式的に示す側面図であり、図8(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。
(発明の詳細な説明)
[セラミックヒーター]
まず、本発明のセラミックヒーターの製造方法により得られるセラミックヒーターについて説明する。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターは、円柱形状又は円筒形状の芯材と、該芯材の側面に形成された絶縁層と、上記芯材と上記絶縁層との間に介在された所定パターンのヒーター部、リード部、及び表面に露出した接続端子部とからなる。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいては、中心部分に開口を有する円筒形状の芯材の側面にヒーター部、リード部及び接続端子部が設けられ、ヒーター部及びリード部を被覆するように絶縁層が形成されていることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、接続端子部は外部に露出していることが好ましい。露出した接続端子部を電源に接続することにより、ヒーター部が発熱し、ヒーターとして機能する。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいては、露出した接続端子部にろう材を介してリード端子を接続、固定してもよい。
セラミックヒーターの構成について、さらに詳述する。
図1(a)は、本発明のセラミックヒーターの製造方法により得られるセラミックヒーターの一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示したセラミックヒーターのA−A線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すセラミックヒーター10においては、円筒形状の芯材11の側面にヒーター部13、リード部14及び接続端子部15が設けられ、ヒーター部13及びリード部14を被覆するように絶縁層12が形成されている。すなわち、ヒーター部13及びリード部14は、芯材11と絶縁層12との間に介在されている。また、芯材11は、中心部分に開口19が形成されている。
接続端子部15は外部に露出しており、この露出した接続端子部15を電源に接続することにより、ヒーター部13が発熱し、ヒーターとして機能する。
図2は、本発明のセラミックヒーターの製造方法により得られるセラミックヒーターの別の一例を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、露出した接続端子部15にろう材を介してリード端子16を接続、固定してもよい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、焼成後の絶縁層の厚さは、50〜300μmであることが好ましく、160〜260μmであることがより好ましい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、絶縁層の組成は特に限定されないが、Alを88〜95重量%、焼結助剤として、SiOを3〜10重量%、MgOを0.4〜1.0重量%、CaOを1.0〜2.5重量%を含有するアルミナセラミックからなることが好ましい。また、上記組成はアルミナを主原料とする例であるが、アルミナに代わる主原料として、ジルコニア、ムライト、コージェライト等の酸化物セラミック、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物セラミック、炭化ケイ素等の炭化物セラミックを用いてもよい。絶縁層中に上記SiO、MgO等が焼結助剤として含有されているのは、アルミナセラミックの焼結温度をあまり上げずに緻密な焼結体を形成するためである。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、芯材を構成する材料は、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミック等が挙げられる。窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられ、炭化物セラミックとしては、例えば、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられ、酸化物セラミックとしては、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等が挙げられる。これらの中では、絶縁層と同じ材料である酸化物セラミックが好ましく、アルミナを含むセラミックがより好ましく、アルミナがさらに好ましい。この場合、芯材と絶縁層との間で熱膨張率が同じとなるので、温度が変化してもクラック等が発生しにくい。
図1(a)及び図2では、芯材11の形状は、中心部分に開口19を有する円筒形状であるが、本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、芯材の形状は、中心部分に開口を有しない円柱形状でもよい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、芯材の直径は、2.0〜4.0mmであることが好ましい。また、円筒形状の中心に形成される開口の直径は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、ヒーター部の抵抗発熱体を構成する高融点金属としては、例えば、W、Mo、Ta、Nb、Ti、Re、Ni、Cr等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、W、Reが好ましい。さらに、上記以外の成分として、Al等のセラミックが少量含まれていてもよい。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターにおいて、リード部及び接続端子部を構成する部材は、ヒーター部を構成する部材と同じ組成であることが好ましい。リード部及び接続端子部では、ヒーター部よりも線幅を広げるか、複数本の線を並列で接続することにより、抵抗を低くしているため、発熱量は低い。
[セラミックヒーターの製造方法]
次に、本発明のセラミックヒーターの製造方法について説明する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法は、ヒーターパターンを被覆する絶縁材料層を形成するセラミックヒーターの製造方法であって、円柱形状又は円筒形状の芯材の側面に、ヒーターパターンを形成するヒーターパターン形成工程と、絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物を、塗工、乾燥することにより、第1主面および第2主面からなるシート状で、かつ、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成する絶縁材料層形成工程と、上記絶縁材料層の第1主面が芯材を被覆するように、上記絶縁材料層を上記芯材の側面に巻き付ける巻付工程とを含む。
(ヒーターパターン形成工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターン形成工程では、ヒーター部、リード部及び接続端子部となるヒーターパターンを芯材の側面に形成する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターンを形成する方法は特に限定されないが、例えば、転写用部材の表面にヒーターパターンを一旦印刷した後、印刷したヒーターパターンを芯材の表面に転写する方法が挙げられる。
中でも、弾性体からなる平板状の転写用部材の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷により、所定のヒーターパターンを印刷するヒーターパターン印刷工程と、上記ヒーターパターンが印刷された上記転写用部材の表面に芯材を転動させることにより、上記ヒーターパターンを上記芯材の表面に転写する転写工程と、上記芯材の表面に転写された上記ヒーターパターンを乾燥させるヒーターパターン乾燥工程とを行うことが好ましい。
上記方法によれば、芯材の側面にヒーターパターンを比較的容易に形成することができ、セラミックヒーターの生産性をさらに向上させることができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターン形成工程では、まず、弾性体からなる平板状の転写用部材の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷により、所定のヒーターパターンを印刷するヒーターパターン印刷工程を行うことが好ましい。ヒーターパターン印刷工程では、例えば、スクリーンメッシュを備え、所定のヒーターパターン状の孔が形成されたマスクを準備し、スクレーパーで上記孔に導体ペーストを充填した後、弾性体からなる平板状の転写用部材の上にマスクをセットし、スキージを用いて転写用部材の表面にヒーターパターンを印刷する。印刷する導体ペースト層の厚さは、10〜50μmが好ましい。
ヒーターパターン印刷工程について、さらに詳述する。
図3(a)は、ヒーターパターン印刷工程の一例を模式的に示す側面図であり、図3(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、弾性体からなる平板状の転写用部材21の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷によりヒーター部となるヒーターパターン13、リード部となるヒーターパターン14及び接続端子部となるヒーターパターン15(以下、ヒーターパターン13、14、15という)を印刷する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、導体ペーストは、W、Mo、Ta、Nb、Ti、Re、Ni及びCrの高融点金属からなる群から選ばれた少なくとも1種と、Al等のセラミック成分とバインダー樹脂と溶剤とを含んでいることが好ましい。バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられ、溶剤としては、アセトン、トルエン、エタノール、プロパノール、テルピネオール、キシレン、酢酸エチル等が挙げられる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、導体ペーストに含まれるW等の高融点金属の平均粒径は、0.5〜10μmが好ましく、上記導体ペーストの粘度は、10〜200Pa・sが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、転写用部材は、導体ペースト等を良好に印刷することができ、かつ、後の転写工程で転写を良好に行うことができるように、適当な濡れ性を有するとともに、弾性を有するものが好ましい。転写用部材の材料としては、ゴム等のエラストマーが好ましく、シリコンゴムがより好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターン形成工程では、ヒーターパターン印刷工程の後、ヒーターパターンが印刷された転写用部材の表面に芯材を転動させることにより、ヒーターパターンを芯材の側面に転写する転写工程を行うことが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、転写工程では、芯材の両端面に、芯材を軸支し、回転させることが可能な軸支部材を当接させて軸支し、転写用部材の表面に芯材の側面を接触させた後、転写用部材の表面に芯材を転動させることが好ましい。この際、芯材が自由に回転できる状態で軸支し、転写部材の表面に平行な方向に移動させ、転写用部材の表面上を芯材を回転させてヒーターパターンを転写するか、又は、軸支部材を表面に平行な方向に移動させる際、芯材の円周の長さとなる距離を移動するように、回転速度と移動速度を同期させて芯材を回転させ、ヒーターパターンの転写を行うことが好ましい。上述のとおり、芯材は、円筒形状であってもよく、円柱形状であってもよい。
転写工程について、さらに詳述する。
図4(a)は、転写工程の一例を模式的に示す側面図であり、図4(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、ヒーターパターン13、14、15が印刷された転写用部材21の表面に芯材11を転動させることにより、ヒーターパターン13、14、15を芯材11の表面に転写する。
具体的には、芯材11の両端面に、芯材11を軸支し、回転させることが可能な軸支部材(図示せず)を当接させて軸支し、転写用部材21の表面に芯材11の側面を接触させた後、転写用部材21の表面に芯材11を転動させる。この際、芯材11が自由に回転できる状態で軸支し、転写部材21の表面に平行な方向に移動させ、転写用部材21の表面上を芯材11を回転させてヒーターパターン13、14、15を転写するか、又は、軸支部材を表面に平行な方向に移動させる際、芯材11の円周の長さとなる距離を移動するように、回転速度と移動速度を同期させて芯材11を回転させ、ヒーターパターン13、14、15の転写を行う。芯材11は、円筒形状であってもよく、円柱形状であってもよい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、芯材は、絶縁材料層を形成するための材料と同じ材料を用いて形成した焼成前の成形体であってもよい。この場合には、押出成形等により円柱形状又は円筒形状の成形体を作製した後、乾燥させることにより、転動可能な硬さを有するものとし、これを用いる。
また、芯材は、絶縁材料層を形成するための材料と同じ材料を用いて製造したセラミック製のものであってもよい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターン形成工程では、転写工程の後、芯材の側面に転写されたヒーターパターンを乾燥させるヒーターパターン乾燥工程を行うことが好ましい。ヒーターパターンが形成された芯材の乾燥を行うことにより、ヒーターパターンが芯材の表面に密着し、芯材の表面から剥がれることがない。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターンの乾燥条件は、乾燥温度40〜180℃、乾燥時間1〜30分間が好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、ヒーターパターンを形成する方法は上記の方法に限定されず、他の方法であってもよい。例えば、芯材の側面にヒーターパターンを直接形成する方法であってもよい。
図5は、ヒーターパターン形成工程を経て、側面にヒーターパターンが転写された芯材を示す斜視図である。ヒーターパターンが形成された芯材の乾燥を行うことにより、ヒーターパターン13、14、15が芯材11の表面に密着し、芯材11の表面から剥がれることがない。
(絶縁材料層形成工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層形成工程では、絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物をシート状に離型材上に塗工した後、離型材上の原料組成物を乾燥させることにより、絶縁層となる絶縁材料層を形成する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、絶縁材料層が離型材に接する面を第1主面、その反対面を第2主面とすると、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力よりも低いことを特徴としており、具体的には、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成することを特徴としている。
上述のとおり、絶縁材料層の各主面の粘着力とは、絶縁材料層を形成するための原料組成物を用いて作製されたシートの、JIS Z 0237(2009)に基づいて70℃で測定される粘着力を意味し、実際のセラミックヒーターの製造工程において、原料組成物を乾燥させる温度が70℃に限定されるものではない。
絶縁材料層形成工程について、さらに詳述する。
図6は、絶縁材料層形成工程の一例を模式的に示す側面図である。
図6に示すように、絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物を、シート状に離型材31上に塗工した後、離型材31上の原料組成物を乾燥させることにより、絶縁材料層30を形成する。
乾燥後の絶縁材料層30においては、離型材31と反対側の第2主面S2の粘着力が、離型材31側の第1主面S1の粘着力よりも低くなっている。具体的には、第2主面S2の粘着力が、第1主面S1の粘着力の10%未満となっている。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層の第2主面の粘着力は、第1主面の粘着力の10%未満であり、好ましくは1%未満であり、より好ましくは0.1%未満である。第2主面の粘着力を、第1主面の粘着力の10%未満とすることにより、焼成後、セラミックヒーターが他のセラミックヒーター又は治具に付着することを防止できる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層の第1主面の粘着力は、0.01N/10mm以上であることが好ましく、0.05N/10mm以上であることがより好ましく、2N/10mm以上であることがさらに好ましい。また、絶縁材料層の第1主面の粘着力は、10N/10mm以下であることが好ましい。絶縁材料層の第1主面の粘着力が上記範囲であれば、脱脂及び焼成前における絶縁材料層と芯材との接着性を確保することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層の第2主面の粘着力は、第1主面の10%未満である限り特に限定されないが、0.1N/10mm未満であることが好ましく、0.05N/10mm未満であることがより好ましく、0.01N/10mm未満であることがさらに好ましい。絶縁材料層の第2主面の粘着力が0.1N/10mm未満であれば、焼成後、セラミックヒーターが他のセラミックヒーター又は治具に付着することを防止できる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物を離型材上に塗工する際には、スクリーン印刷を用いることができる。例えば、メッシュを有し、絶縁材料層の形に孔が形成されたマスクを用い、ベタのパターンである絶縁材料層を形成する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、離型材は、原料組成物を良好に塗工することができ、かつ、後の剥離工程で離型材の剥離を良好に行うことができるように、適当な離型性を有するものが好ましい。離型材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物は、絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含む。バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられ、溶剤としては、アセトン、トルエン、エタノール、プロパノール、テルピネオール、キシレン、酢酸エチル等が挙げられる。原料組成物には、リン酸エステル等の分散剤が添加されていてもよい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁性セラミック粉末を構成するセラミックの種類としては特に限定されず、例えば、芯材を構成する材料として説明した酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミック等が挙げられる。これらの中では、芯材と同じ材料である酸化物セラミックが好ましく、アルミナを含むセラミックがより好ましく、アルミナがさらに好ましい。この場合、芯材と絶縁層との間で熱膨張率が同じとなるので、温度が変化してもクラック等が発生しにくい。また、絶縁性セラミック粉末には、焼結助剤として、SiO粒子、MgO粒子、CaO粒子等が添加されていることが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物全体に対する絶縁性セラミック粉末の配合量は、30〜60体積%であることが好ましく、35〜45体積%であることがより好ましい。絶縁性セラミック粉末の配合量が上記範囲にある場合、焼成後に得られる絶縁層が良好な絶縁性を有する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量は、8.0〜16.0体積%であることが好ましく、9.0〜16.0体積%であることがより好ましく、12.0〜16.0体積%であることがさらに好ましい。バインダー樹脂の配合量が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
本明細書において、バインダー樹脂の体積とは、バインダー樹脂の固形分の体積を意味する。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合は、体積比で、バインダー樹脂/絶縁性セラミック粉末=0.20〜0.42であることが好ましく、0.23〜0.42であることがより好ましく、0.31〜0.42であることがさらに好ましい。絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
上記のとおり、本発明のセラミックヒーターの製造方法では、乾燥時、第2主面の表層から原料組成物中の溶剤が揮発し、その後、第1主面に向かって原料組成物中の溶剤が段階的に揮発すると考えられる。そのため、形成される絶縁材料層において、第1主面側から第2主面側に向かって原料組成物中の溶剤の含有量が段階的に減少する結果、第1主面の粘着力が高くなり、第2主面の粘着力が低くなると考えられる。
原料組成物中のバインダー樹脂の配合量が少なすぎる場合には、第1主面の粘着力が小さくなりすぎ、一方、原料組成物中のバインダー樹脂の配合量が多すぎる場合には、第2主面の粘着力が大きくなりすぎるため、第1主面と第2主面との間で粘着力の差を大きくすることが困難となる。そのため、バインダー樹脂の配合量、及び、絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が上記範囲にあることが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層を形成するための原料組成物としては、例えば、焼結助剤を含む絶縁性セラミック粉末を30〜60体積%、バインダー樹脂を8.0〜16.0体積%、溶剤を30〜50体積%含有するペースト状のものを用いることができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物を乾燥させる温度(原料組成物の乾燥温度ともいう)は、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。原料組成物の乾燥温度が上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、原料組成物を乾燥させる時間(原料組成物の乾燥時間ともいう)は、3〜30分間であることが好ましく、5〜20分間であることがより好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、絶縁材料層の厚さは、焼成後に50〜300μmとなる厚さが好ましく、160〜260μmとなる厚さがより好ましい。絶縁層の厚さが上記範囲にある場合、絶縁材料層の第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を容易に形成することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成する方法は、上述したバインダー樹脂の配合量、絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合等を調整する方法に限定されない。例えば、バインダー樹脂の配合量の異なる原料組成物を複数種類準備し、第1主面側のバインダー樹脂の配合量が多く、第2主面側のバインダー樹脂の配合量が少なくなるように絶縁材料層を形成してもよい。
(剥離工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法においては、剥離工程として、乾燥後の絶縁材料層から離型材を剥離する。例えば、乾燥後の絶縁材料層が下側になるように台の上に載置した後、台に形成された貫通孔を介した空気の吸引力等を利用して絶縁材料層を台に固定し、離型材を剥離する。
剥離工程について、さらに詳述する。
図7は、剥離工程の一例を模式的に示す側面図である。
図7に示すように、乾燥後の絶縁材料層30が下側になるように台32の上に載置した後、例えば、台32に形成された貫通孔(図示せず)を介した空気の吸引力等を利用して絶縁材料層30を台32に固定し、離型材31を剥離する。
(巻付工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、巻付工程では、絶縁材料層を芯材の側面に巻き付ける。この際、焼成後のセラミックヒーターにおいて、芯材の側面に形成されたヒーター部及びリード部が絶縁層に覆われ、かつ、接続端子部が絶縁層から露出するように、絶縁材料層を芯材の側面に巻き付ける。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、離型材が剥離された後の絶縁材料層の第1主面(すなわち、粘着力が相対的に高い主面)が芯材を被覆するように絶縁材料層を芯材の側面に巻き付けることを特徴としている。芯材と接する絶縁材料層の第1主面は一定の粘着力を有するため、第1主面が芯材を被覆するように巻き付けることにより、絶縁材料層と芯材との接着性を確保することができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、上述のとおり、セラミックヒーターの外表面側の第2主面の粘着力が第1主面の10%未満であるため、後工程においてセラミックヒーターが他のセラミックヒーター又は治具に付着することを防止できる。
その結果、従来技術で必要であったセラミックヒーターへの付着を防止するための治具の使用及び絶縁材料層を芯材に巻き付けた後の乾燥工程が不要となり、製造工程全体の時間を短縮することができる。したがって、本発明のセラミックヒーターの製造方法では、セラミックヒーターの生産性を向上させることができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、巻付工程では、平板の上に、絶縁材料層を第1主面が上側になるように載置し、その上に芯材を載置し、芯材を転動させることにより、絶縁材料層を芯材に巻き付けることが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、巻付工程では、接続端子部となるヒーターパターンが外部と露出するように絶縁材料層を芯材に巻き付けることが好ましい。この際、芯材の両端面に、芯材を軸支し、回転させることができる軸支部材を当接させて軸支し、絶縁材料層の表面に芯材を転動させることにより絶縁材料層を芯材の側面に巻き付ける方法を用いることができる。
巻付工程について、さらに詳述する。
図8(a)は、巻付工程の一例を模式的に示す側面図であり、図8(b)は、上記工程を模式的に示す平面図である。
図8(a)及び図8(b)に示すように、平板33の上に、絶縁材料層30を第1主面S1が上側になるように載置し、その上に芯材11を載置し、芯材11を転動させることにより、絶縁材料層30を芯材に巻き付ける。
図8(a)及び図8(b)に示すように、接続端子部となるヒーターパターン15が外部と露出するように絶縁材料層30を芯材11に巻き付ける。この際、芯材11の両端面に、芯材11を軸支し、回転させることができる軸支部材(図示せず)を当接させて軸支し、絶縁材料層30の表面に芯材11を転動させることにより絶縁材料層30を芯材11の側面に巻き付ける方法を用いることができる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法においては、大面積の絶縁材料層を形成し、所定の形状にカットした後、絶縁材料層を芯材の側面に巻き付けてもよい。また、芯材の円周よりも長い絶縁材料層を形成し、絶縁材料層を複数周にわたって巻き付けてもよい。
(脱脂工程及び焼成工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、巻付工程の後、ヒーターパターン及び絶縁材料層の脱脂及び焼成を行う。これにより、ヒーターパターンがヒーター部、リード部及び接続端子部となり、絶縁材料層は絶縁層となる。
芯材がセラミック製である場合、脱脂及び焼成による変化はないが、芯材が絶縁材料層を形成するための材料と同じ材料を用いて形成した焼成前の成形体である場合、脱脂及び焼成によりセラミック製の芯材となる。
本発明のセラミックヒーターの製造方法において、脱脂条件としては、80〜1000℃、1〜48時間が挙げられ、焼成条件としては、1000〜1700℃、1〜20時間が挙げられる。脱脂工程は、酸素含有雰囲気で行うことが好ましく、焼成工程は、不活性雰囲気で行うことが好ましい。
本発明のセラミックヒーターの製造方法においては、上記工程により、ヒーター部及びリード部が絶縁層に覆われ、接続端子部が絶縁層から露出するように、芯材上に絶縁層が形成されて、ヒーターとして機能するセラミックヒーターを製造することができる。
(不動態層形成工程)
本発明のセラミックヒーターの製造方法では、給電部を構成する電極の劣化を防止するために、絶縁層から露出した接続端子部の表面に不動態層を形成してもよい。例えば、絶縁層から露出した接続端子部に、めっき法等の方法を用いることにより、Ni、Cr、Au、Ag、Pd等からなる不動態層を形成することができる。
本発明の製造方法により得られるセラミックヒーターは、通電することにより、ヒーター部を構成する抵抗発熱体が発熱し、目的の温度になるように対象となる部材を加熱することができる。
(実施例)
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[セラミックヒーターの製造]
(実施例1)
(ヒーターパターン形成工程)
W78重量部、Reを19重量部、Al3重量部の導電体成分100重量部に対して、バインダー樹脂としてアクリル樹脂を6重量部、溶剤としてアセトンを7重量部含有する導体ペーストを調製した。シリコンゴムからなる板状の転写用部材の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷によりヒーター部となるヒーターパターン、リード部となるヒーターパターン及び接続端子部となるヒーターパターンを印刷した。印刷された導体ペースト層の厚さは、35μmであった。
芯材として、直径が3.2mm、長さが58mmで、中心に直径が1.0mmの開口を有する円筒形状のものを用いた。芯材は、Alを92.5重量%、焼結助剤として、SiOを5.8重量%、MgOを0.5重量%、CaOを1.2重量%含有する密度率97%のセラミックからなる。ヒーターパターンが印刷された転写用部材の表面に芯材を転動させることにより、ヒーターパターンを芯材の側面に転写した。その後、ヒーターパターンが印刷された芯材を80℃で30分間乾燥させた。
(絶縁材料層形成工程)
絶縁性セラミック粉末として、焼結助剤のSiO、MgO等を含むAlを38.5体積%、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を13.5体積%、溶剤としてテルピネオールを47.5体積%含有するペースト状の原料組成物を調製した。原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合は、体積比で、バインダー樹脂/絶縁性セラミック粉末=0.35である。
離型材であるPETフィルム上に、原料組成物を用いて絶縁材料層をシート状に形成した後、120℃で10分間乾燥することにより、焼成後の厚さが200μmとなるように絶縁材料層を形成した。
(剥離工程)
乾燥後の絶縁材料層から離型材を剥離した。
(巻付工程)
ヒーターパターンの転写方法と同様の方法により、離型材を剥離した後の絶縁材料層の第1主面(離型材側の主面)が芯材側に配置されるように、ヒーターパターンが形成された芯材の側面に絶縁材料層を巻き付けた。
(脱脂工程及び焼成工程)
ヒーターパターンが形成された芯材の側面に絶縁材料層を巻き付けたものを、酸素雰囲気中、500℃で2時間加熱して脱脂した。その後、不活性ガス雰囲気中、1600℃で1時間焼成し、ヒーター部、リード部及び接続端子部を形成するとともに、厚さが200μmの絶縁層を形成した。
(不動態層形成工程)
この後、外部に露出した接続端子部に対し、無電解Niめっき及び電解Crめっきを施し、不動態層を形成した。
以上の工程を経て、セラミックヒーターを製造した。
(実施例2)
絶縁材料層形成工程において、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量を15.0体積%とし、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合を0.39とした以外は、実施例1と同様に絶縁材料層を形成し、セラミックヒーターを製造した。
(実施例3)
絶縁材料層形成工程において、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量を9.2体積%とし、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合を0.24とした以外は、実施例1と同様に絶縁材料層を形成し、セラミックヒーターを製造した。
(比較例1)
絶縁材料層形成工程において、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量を16.7体積%とし、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合を0.43とした以外は、実施例1と同様に絶縁材料層を形成し、セラミックヒーターを製造した。
(比較例2)
絶縁材料層形成工程において、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量を5.3体積%とし、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合を0.14とした以外は、実施例1と同様に絶縁材料層を形成し、セラミックヒーターを製造した。
[評価]
1.芯材への巻付性
各実施例及び比較例で形成した絶縁材料層を用いて、各実施例および比較例と同じ条件で3本ずつ芯材に巻き付けた。絶縁材料層を巻き付けた後、芯材が倒れないよう垂直に固定した。30分経った後、絶縁材料層の状態を目視で観察し、絶縁材料層の剥がれ及び割れの有無を確認した。3本とも剥がれ及び割れが確認されなかった場合を良好とし、少なくとも1本に剥がれ又は割れが確認された場合を不良とした。その結果を表1に示す。
2.焼成用治具への付着
各実施例及び比較例において、絶縁材料層が巻き付けられた芯材(脱脂工程及び焼成工程前のもの)を3本用意し、それらをセラミック製の焼成用治具に横置きし、常温で1日間静置した。その後、絶縁材料層が巻き付けられた芯材を焼成用治具に横置きした状態で脱脂及び焼成を行い、焼成後のセラミックヒーターが焼成用治具に付着しているか否かを確認した。このとき、3本のセラミックヒーターが焼成用治具に付着していない場合を「付着:無」とし、少なくとも1本のセラミックヒーターが焼成用治具に付着した場合を「付着:有」と判断した。その結果を表1に示す。
3.絶縁材料層の粘着力測定
実施例1、比較例1及び比較例2の各絶縁材料層について、JIS Z 0237(2009)に基づき、絶縁材料層の第1主面及び第2主面の粘着力を測定した。まず、実施例1、比較例1及び比較例2の各条件で絶縁材料層を形成し、幅24mm、長さ200mmに切り出すことにより、サンプルシートを作製した。サンプルシートを試験板(ステンレス板)に貼り付け、試験板から180°方向に引き剥がすのに要する力を測定した。貼り付け時の温度を70℃とした。実施例1、比較例1及び比較例2の各絶縁材料層の第1主面の粘着力、第2主面の粘着力、及び、第1主面の粘着力に対する第2主面の粘着力の割合(第2主面/第1主面×100%)を表2に示す。なお、粘着力測定の結果が0.001N/10mmより小さい場合、表2には「<0.001」と記載し、粘着力を0.001N/10mmとした。また、絶縁材料層が割れる等の不具合が発生した場合には、粘着力:測定不可とし、粘着力の割合:算出不可とした。
Figure 0006568433
Figure 0006568433
表1の結果より、実施例1〜3においては、「巻付性:良好」であり、「焼成用冶具への付着:無」であった。また、表2の結果より、実施例1においては、第1主面の粘着力に対する第2主面の粘着力の割合が0.04%であった。
これらの結果から、実施例1〜3で得られた絶縁材料層は、セラミックヒーターを製造するのに適正があることが確認された。なお、実施例1では粘着力の割合が10%未満であり、表1における実施例1〜3の結果が同等であることから、実施例2および実施例3においても粘着力の割合が10%未満であると判断した。
一方、比較例1においては、表1より、「巻付性:良好」であるが、「焼成用冶具への付着:有」であり、表2より、第1主面の粘着力に対する第2主面の粘着力の割合が59.1%であった。
これらの結果から、比較例1で得られた絶縁材料層は、第2主面の粘着力が適切でないことが確認され、粘着力の割合が10%以上であることがその要因であると判断した。
さらに、比較例2においては、表1より、「焼成用冶具への付着:無」であるが、「巻付性:不良」であり、表2より、「粘着力:測定不可」および「粘着力の割合:算出不可」であった。
これらの結果から、比較例2で得られた絶縁材料層は、第1主面の粘着力が適切でないことが確認された。
実施例1〜3の結果より、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量が8.0〜16.0体積%であることが最適な範囲であるともいえ、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が0.20〜0.42であることが最適な範囲であるともいえる。
これらの結果を踏まえて再考すると、原料組成物全体に対するバインダー樹脂の配合量が8.0〜16.0体積%である場合、第1主面の粘着力に対する第2主面の粘着力の割合が10%未満となり、絶縁材料層の第1主面が芯材を被覆する粘着力が適正であり、第2主面の焼成冶具への付着を抑制することができると推定される。
言い換えると、原料組成物中の絶縁性セラミック粉末に対するバインダー樹脂の配合割合が0.20〜0.42である場合、第1主面の粘着力に対する第2主面の粘着力の割合が10%未満となり、絶縁材料層の第1主面が芯材を被覆する粘着力が適正であり、第2主面の焼成冶具への付着を抑制することができると推定される。
10 セラミックヒーター
11 芯材
12 絶縁層
13 ヒーター部(ヒーターパターン)
14 リード部(ヒーターパターン)
15 接続端子部(ヒーターパターン)
21 転写用部材
30 絶縁材料層
31 離型材
S1 絶縁材料層の第1主面
S2 絶縁材料層の第2主面

Claims (9)

  1. ヒーターパターンを被覆する絶縁材料層を形成するセラミックヒーターの製造方法であって、
    円柱形状又は円筒形状の芯材の側面に、ヒーターパターンを形成するヒーターパターン形成工程と、
    絶縁性セラミック粉末、バインダー樹脂及び溶剤を含むペースト状原料組成物を、塗工、乾燥することにより、第1主面および第2主面からなるシート状で、かつ、第2主面の粘着力が第1主面の粘着力の10%未満である絶縁材料層を形成する絶縁材料層形成工程と、
    前記絶縁材料層の第1主面が芯材を被覆するように、前記絶縁材料層を前記芯材の側面に巻き付ける巻付工程とを含むことを特徴とするセラミックヒーターの製造方法。
  2. 前記絶縁材料層の第1主面の粘着力は、0.01〜10N/10mm(70℃)である請求項1に記載のセラミックヒーターの製造方法。
  3. 前記原料組成物全体に対する前記バインダー樹脂の配合量は、8.0〜16.0体積%である請求項1又は2に記載のセラミックヒーターの製造方法。
  4. 前記原料組成物中の前記絶縁性セラミック粉末に対する前記バインダー樹脂の配合割合は、体積比で、バインダー樹脂/絶縁性セラミック粉末=0.20〜0.42である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒーターの製造方法。
  5. 前記絶縁材料層形成工程において、前記原料組成物の乾燥温度は、60〜140℃である請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックヒーターの製造方法。
  6. 前記ヒーターパターン形成工程は、
    弾性体からなる平板状の転写用部材の表面に、導体ペーストを用い、スクリーン印刷により、所定のヒーターパターンを印刷するヒーターパターン印刷工程と、
    前記ヒーターパターンが印刷された前記転写用部材の表面に芯材を転動させることにより、前記ヒーターパターンを前記芯材の表面に転写する転写工程と、
    前記芯材の表面に転写された前記ヒーターパターンを乾燥させるヒーターパターン乾燥工程とを含む請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックヒーターの製造方法。
  7. 前記巻付工程の後、前記ヒーターパターン及び前記絶縁材料層の脱脂及び焼成を行うことにより、前記ヒーターパターンはヒーター部、リード部及び接続端子部となり、前記絶縁材料層は絶縁層となる請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックヒーターの製造方法。
  8. 焼成後の前記絶縁層の厚さは、50〜300μmである請求項7に記載のセラミックヒーターの製造方法。
  9. 前記絶縁層から露出した接続端子部の表面に不動態層を形成する工程をさらに含む請求項7又は8に記載のセラミックヒーターの製造方法。
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