JP6567584B2 - 電気化学反応装置 - Google Patents

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Description

実施形態の発明は、電気化学反応装置に関する。
近年、エネルギー問題と環境問題の両方の観点から、太陽光などの再生可能エネルギーを電気エネルギーに変換して利用するだけでなく、それを貯蔵し且つ運搬可能な状態に変換することが非常に望まれている。この要望に対して、植物による光合成のように太陽光を用いて化学物質を生成する人工光合成技術の研究開発が進められている。この技術により、再生可能エネルギーを貯蔵可能な燃料として貯蔵する可能性もでき、また、工業原料となる化学物質を生成することにより、価値を生み出すことも期待される。
太陽光などの再生可能エネルギーを用いて化学物質を生成する装置として、例えば発電所やごみ処理所からの二酸化炭素(CO)を還元するカソードと、水(HO)を酸化するアノードとを具備する電気化学反応装置が知られている。カソードでは、例えば二酸化炭素を還元して一酸化炭素(CO)等の炭素化合物を生成する。このような電気化学反応装置を、セル形態(電解セルともいう)により実現する場合、例えばPolymer Electric Fuel Cell(PEFC)等の燃料電池に類似する形態により実現することが有効であると考えられる。しかしながら、この場合、PEFCが有する課題に類似する課題が生じる場合がある。
欧州特許出願公開第2996184号明細書 特開2009−080948号公報 特開2010−205450号公報
Advanced Materials 2015, 27, 6317−6322
実施形態の発明が解決しようとする課題は、電気化学反応装置の反応効率を向上させることである。
実施形態の電気化学反応装置は、水を酸化して酸素を生成するアノード部と、二酸化炭素を還元して炭素化合物および水素を生成するカソード部と、アノード部とカソード部とを分離するセパレータと、アノード部およびカソード部に電気的に接続された電源と、を具備する。カソード部は、導電面を有する導電体と、導電面に接する第1の表面と、第2の表面と、第1の表面および第2の表面の少なくとも一つに接する第1の多孔質部と、第1の表面および第2の表面の少なくとも一つに接する第2の多孔質部と、を有し、第2の多孔質部の内壁と水との接触角が第1の多孔質部の内壁と水との接触角よりも高い多孔質体と、第2の表面に担持された、二酸化炭素を還元するための還元触媒と、還元触媒に面し、水を含有する電解液を流すために設けられた電解液流路と、第1の多孔質部に面し、水および水蒸気の少なくとも一つを第1の多孔質部の内部からカソード部の外部に排出するために設けられた第1の流路と、第2の多孔質部に面し、二酸化炭素をカソード部の外部から第2の多孔質部の内部に流入し且つ炭素化合物および水素の少なくとも一つを第2の多孔質部の内部からカソード部の外部に流出させるために設けられた第2の流路と、を備える。
電気化学反応装置の構造例を示す模式図である。 カソード部の構造例を示す断面模式図である。 図2に示すカソード部の一部の拡大図である。 導電体の構造例を示す斜視模式図である。 図4の線分X−Yにおける断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 カソード部の他の構造例を示す断面模式図である。 シミュレーション用のカソード部の構造モデルを説明するための図である。 図12に示す領域100の拡大図である。 排水特性のシミュレーション結果を示す図である。 排水特性のシミュレーション結果を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的であり、例えば各構成要素の厚さ、幅等の寸法は実際の構成要素の寸法と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付け、説明を省略する場合がある。
図1は、実施形態の電気化学反応装置の構造例を示す断面模式図である。電気化学反応装置は、アノード部10と、カソード部20と、セパレータ30と、電源40と、を具備する。
アノード部10は、水(HO)を酸化して酸素や水素イオンを生成する、もしくは水酸化物イオン(OH)を酸化して水や酸素を生成することができる。アノード部10は、集電体11と、導電体12と、多孔質体13と、流路14と、を備える。
集電体11は、電源40に電気的に接続される。集電体11は、化学反応性が低く、かつ導電性が高い材料を含むことが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属材料、カーボン等が挙げられる。
導電体12は、集電体11に電気的に接続される。導電体12は、多孔質体13に面する溝を有する。導電体12は、流路板としての機能を有する。導電体12としては、化学反応性が低く、かつ導電性が高い材料を用いることが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属材料、カーボン等が挙げられる。
多孔質体13は、アノードの少なくとも一部を構成する。多孔質体13は、ガス拡散層としての機能を有する。多孔質体13は、例えばメッシュ材、パンチング材、多孔体、金属繊維焼結体等の多孔構造を有する基材を備えている。基材は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)等の金属やこれら金属を少なくとも1つ含む合金(例えばSUS)等の金属材料で構成してもよい。
多孔質体13は、表面に担持された酸化触媒を有する。酸化触媒の例は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)等の金属、それらの金属を含む合金や金属間化合物、酸化マンガン(Mn−O)、酸化イリジウム(Ir−O)、酸化ニッケル(Ni−O)、酸化コバルト(Co−O)、酸化鉄(Fe−O)、酸化スズ(Sn−O)、酸化インジウム(In−O)、酸化ルテニウム(Ru−O)、酸化リチウム(Li−O)、酸化ランタン(La−O)等の二元系金属酸化物、Ni−Co−O、Ni−Fe−O、La−Co−O、Ni−La−O、Sr−Fe−O等の三元系金属酸化物、Pb−Ru−Ir−O、La−Sr−Co−O等の四元系金属酸化物、Ru錯体やFe錯体等の金属錯体等を含む。
酸化触媒は、多孔質体13の表面に付着もしくは積層して触媒層を形成することが好ましい。酸化触媒は、酸化反応を高める上でナノ粒子、ナノ構造体、ナノワイヤ等を有することが好ましい。ナノ構造体とは、触媒材料の表面にナノスケールの凹凸を形成した構造体である
流路14は、導電体12の溝および多孔質体13に囲まれた空間を含む。流路14は、水等の酸化される物質を含む電解液を流すための電解液流路としての機能を有する。
カソード部20は、二酸化炭素(CO)を還元して炭素化合物や水素を生成することができる。カソード部20は、集電体21と、導電体22と、支持体23と、多孔質体24と、流路板25と、流路26と、流路27と、流路28と、を備える。
集電体21は、電源40に電気的に接続される。集電体21は、化学反応性が低く、かつ導電性が高い材料を含むことが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属材料、カーボン等が挙げられる。
図2は、カソード部20の一部を示す断面模式図であり、図3は、図2の一部の拡大図である。導電体22は、導電面22aを有する。導電体22は、例えば水に対する耐食性が高い導電性材料を含む。導電体22は、例えばTiやSUS等の金属材料、カーボン等を含む。
導電体22は、複数の溝221と、複数の溝221の一つと複数の溝221の他の一つとを接続する開口222と、複数の溝223と、を有する。溝223は、複数の溝221の一つと複数の溝221の他の一つとの間に配置される。開口222は、溝223と離間し且つ重畳する。すなわち、開口222は溝223と3次元的(立体的)に交差する。
図4は、導電体22の構造例を示す斜視模式図である。図5は、図4に示す導電体22の線分X−Yにおける断面模式図である。図4および図5に示す導電体22では、溝221、開口222、および溝223の少なくとも一つが導電面22aに沿ってサーペンタイン状に延在する。これに限定されず、溝221、開口222、および溝223の少なくとも一つは、導電面22aに沿って櫛状または渦巻状に延在してもよい。
溝221および開口222は、多孔質体24から流入される水をカソード部20の外部に排出するための排出口224に接続される。溝223は、二酸化炭素をカソード部20の外部から多孔質体24の内部に流入するための流入口225および二酸化炭素および生成物を多孔質体24の内部からカソード部20の外部に流出させるための流出口226に接続される。上記流入は例えば流量コントローラ等により制御され、流出、および排出は、例えばポンプ等により制御されてもよい。
導電体22は、化学反応性が低く、かつ導電性が高い材料を含む金属板であることが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属板が挙げられる。電気化学反応装置内の液体と気体の気密性を保持するために十分な圧力で挟み込む必要があるので、金属板の厚さは、その材料に応じ、挟み込む際の圧力によって湾曲しない程度であるとよい。また、上記金属板により挟み込む際、金属板に孔を設け、そこにネジを通すと、そのネジをナットで留めることによりセル全体の構造を保持し、さらに上記ネジを均等に締め付けることで、機密性及びセル性能に最適な締め付け圧を再現できるようにするとよい。ネジ孔は、上記金属板面内の周囲や中央など、機密性及びセル性能に最適な締め付け圧を再現できる数及び位置にするとよい。
導電体22は、例えば第1の金属板と第2の金属板との積層体により形成されてもよい。第1の金属板は開口222を構成する溝を有し、第2の金属板は、溝223と、厚さ方向に貫通し且つ溝221を構成する開口と、を有する。第2の金属板の開口は第1の金属板の溝に面する。これにより、溝221、開口222、および溝223が形成される。
溝221、開口222、および溝223は、金属板の一部を切削することにより形成されてもよい。これは、金属板が十分厚い場合に有効である。あるいは、金属板が薄い場合は、マスクによるパターニングと化学的エッチングにより形成されてもよい。どの手法を選択するかは、金属板の湾曲等による変形を最小限に留める手法を選ぶとよい。
溝221、溝223は、例えば溝を掘る深さを変えることにより形成されてもよい。化学的エッチングにより作製する場合は、二回以上のパターニング工程で金属板をエッチングする深さを変えて、形成されてもよい。金属板を貫通しない場合は、例えば溝を掘る深さを変えず、金属板を貫通しない溝を作製するとよい。あるいは、化学的エッチングにより作製する場合は、一回のパターニング工程で金属板をエッチングし、金属板を貫通しない深さまで溝を作製するとよい。
支持体23は、多孔質体24を支持する機能を有する。支持体23は、例えば開口を有し、当該開口に多孔質体24が配置される。なお、支持体23の開口は、支持体23の外部に接続されてもよい。
多孔質体24は、カソードの少なくとも一部を構成する。多孔質体24は、ガス拡散層としての機能を有する。多孔質体24は、導電面22aに接する表面241を有する多孔質層24aと、表面241の反対側に表面242を有する多孔質層24bとの積層体を有する。多孔質層24bの空孔率は、多孔質層24aの空孔率と異なることが好ましい。多孔質層24aは、例えばカーボンペーパやカーボンクロス等により構成される。多孔質層24bは、例えばカーボンペーパやカーボンクロスより孔径が小さい多孔質体により構成される。
多孔質層24aは、溝221に面する多孔質部243aと、溝223に面する多孔質部244aと、を有する。多孔質層24bは、多孔質部243aに接する多孔質部243bと、多孔質部244aに接する多孔質部244bと、を有する。すなわち、多孔質体24は、多孔質部243aおよび多孔質部243bを含む多孔質部243と、多孔質部244aおよび多孔質部244bを含む多孔質部244と、を有する。多孔質部243は、表面241および表面242の少なくとも一つに接する。多孔質部244は、表面241および表面242の少なくとも一つに接する。多孔質部243、244は、空孔部を有する。空孔部の少なくとも一部は、表面241から表面242まで連通する。
多孔質部244の内壁と水との接触角Aは、多孔質部243の内壁と水との接触角Bよりも大きい(A>B>90°)。すなわち、多孔質部244は、多孔質部243よりも高い疎水性を有する。なお、A>Bであるため多孔質部243の電気伝導率は、多孔質部244の電気伝導率よりも高い。
多孔質部243と多孔質部244との間に接触角分布を形成する方法としては、例えば多孔質部244の内壁の表面に疎水性膜を形成する方法が挙げられる。疎水性膜は、例えば、市販のガス拡散層にHydrophobic Fluoropolymerを塗布し、マスクで覆い、電子ビームで照射し、Hydrophilic Monomer溶液に浸す手法によりで形成されてもよい。Hydrophobic Fluoropolymerの例は、Fluorinated Ethylene Propylene、およびN−vinylformamide等を含む。疎水性膜は、多孔質部244をマスクで覆い、マスク越しに撥水性材料を塗布することにより形成されてもよい。撥水性材料の例は、Polytetrafluoroethylene(PTFE)等を含む。撥水性材料は、スプレー噴射により塗布されてもよい。
表面242は、担持された還元触媒245を含む。このとき、還元触媒245を表面242上に設けられた触媒層とみなしてもよい。還元触媒245は、二酸化炭素を還元して炭素化合物および水素の少なくとも一つを生成するために設けられる。還元触媒245は、過電圧を減少させることが可能な触媒材料で構成することが好ましい。そのような材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、鉛(Pb)、錫(Sn)等の金属、それらの金属を少なくとも1つ含む合金や金属間化合物等の金属材料、炭素(C)、グラフェン、CNT(カーボンナノチューブ)、フラーレン、ケッチェンブラック等の炭素材料、Ru錯体やRe錯体等の金属錯体が挙げられる。還元触媒245には、板状、メッシュ状、ワイヤ状、粒子状、多孔質状、薄膜状、島状等の各種形状を適用することができる。
流路板25は、流路26としての機能を有する開口を有する。流路26は、還元触媒245に面する。流路26は、少なくとも水を含有する電解液を流すために設けられている。よって、流路26は、電解液流路としての機能を有する。流路板25は、化学反応性が低く、かつ導電性を有しない材料を含むことが好ましい。そのような材料としては、アクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂等の絶縁樹脂材料が挙げられる。なお、流路26に流れる電解液に含まれる水の量や電解液成分を変えることで、酸化還元反応性を変化させ、還元される物質の選択性や生成する化学物質の割合を変えることができる。
電解液は、少なくとも水(HO)を含む溶液であることが好ましい。二酸化炭素(CO)は、流路28から供給されるため、電解液は二酸化炭素(CO)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。アノード部10側の電解液とカソード部20側の電解液には、同一の溶液を適用してもよいし、異なる溶液を適用してもよい。電解液として用いる水を含む溶液としては、例えば任意の電解質を含む水溶液が挙げられる。電解質を含む水溶液としては、例えば水酸化物イオン(OH)、水素イオン(H)、カリウムイオン(K)、ナトリウムイオン(Na)、リチウムイオン(Li)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、硝酸イオン(NO )、硫酸イオン(SO 2−)、リン酸イオン(PO 2−)、ホウ酸イオン(BO 3−)、および炭酸水素イオン(HCO )から選ばれる少なくとも1つのイオンを含む水溶液が挙げられる。溶液の電気的な抵抗を低減するためには、電解液として、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の電解質を高濃度に溶解させたアルカリ溶液を用いることが好ましい。
電解液には、イミダゾリウムイオンやピリジニウムイオン等の陽イオンと、BF やPF 等の陰イオンとの塩からなり、幅広い温度範囲で液体状態であるイオン液体もしくはその水溶液を用いてもよい。その他の電解液としては、エタノールアミン、イミダゾール、ピリジン等のアミン溶液もしくはその水溶液が挙げられる。アミンは、一級アミン、二級アミン、三級アミンのいずれでもかまわない。
流路27は、多孔質部243aに面する。すなわち、流路27は、多孔質部243の内部の空孔部に連通する。流路27は、水および水蒸気の少なくとも一つを多孔質部243からカソード部20の外部に排出するために設けられている。すなわち、流路27は排出路としての機能を有する。
図1ないし図3に示す流路27は、溝221、開口222、および多孔質部243aに囲まれた空間を含む。なお、流路27は、多孔質部243aに面していれば他の位置に設けられてもよい。
流路28は、多孔質部244aに面する。すなわち、流路28は、多孔質部244aの内部の空孔部に連通する。流路28は、二酸化炭素をカソード部20の外部から多孔質部244の内部に流入し、且つ還元反応により生成される炭素化合物および水素の少なくとも一つを多孔質部244の内部からカソード部20の外部に流出させるために設けられている。よって、流路28は、流体流路としての機能を有する。なお、流路26を介して供給される電解液の流量や、流路28を介して導入される二酸化炭素等の被還元物質の圧力を変えることで、多孔質体24の内部を通過する水のフラックスを変えることができる。
図1ないし図3に示す流路28は、溝223および多孔質部244aに囲まれた空間を含む。よって、流路28は、流路27に離間して重畳する。すなわち、流路28は、流路27に三次元的(立体的)に交差する。なお、流路28は、多孔質部244aに面していれば他の位置に設けられてもよい。
流路27の最小径D1は、流路28の最小径D2よりも狭いことが好ましい。最小径D1は、例えば流路27の長さ方向(図4では溝221の長さ方向)に垂直な方向の最小幅である。最小径D2は、例えば流路28の長さ方向(図4では溝223の長さ方向)に垂直な方向の最小幅である。最小径D2が最小径D1と同じ値の場合、導電面22aと多孔質体24との接触面積が減少するため、導電体22と多孔質体24との間の電気抵抗が増加する懸念がある。また、導電体22と多孔質体24との接触部近傍は水が溜まりやすく、当該接触部と流路27との距離が長いと当該接触部近傍内の水が流路27に到達するまでの時間がかかり、結果的に排水に時間を要してしまい、流路27の機能を十分に活用できない懸念がある。
流路27および流路28の少なくとも一つは、導電面22aに沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在してもよい。流路27および流路28の少なくとも一つの長さ方向の断面形状は、液体・気体の流れを乱流にする形状でなければ、特に限定されない。
セパレータ30は、アノード部10とカソード部20との間でイオンを移動させることができ、且つアノード部10とカソード部20とを分離することが可能なイオン交換膜等で構成される。イオン交換膜としては、例えばナフィオンやフレミオンのようなカチオン交換膜、ネオセプタやセレミオンのようなアニオン交換膜を使用することができる。後述するように、電解液としてアルカリ溶液を使用し、主として水酸化物イオン(OH)の移動を想定した場合、セパレータ30はアニオン交換膜で構成することが好ましい。ただし、イオン交換膜以外にもアノード部10とカソード部20との間でイオンを移動させることが可能な材料であれば、ガラスフィルタ、多孔質高分子膜、多孔質絶縁材料等をセパレータ30に適用してもよい。
電源40は、アノード部10およびカソード部20に電気的に接続される。電源40とアノード部10との間、および電源40とカソード部20との間は例えば配線で接続されていてもよい。電源40は、光電変換素子、系統電源、蓄電池等の電源装置または風力、水力、地熱、潮汐力等の再生可能エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部を含む。例えば、光電変換素子は、照射された太陽光等の光のエネルギーにより電荷分離を行う機能を有する。光電変換素子の例は、pin接合型太陽電池、pn接合型太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、多接合型太陽電池、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む。
次に、実施形態の電気化学反応装置の動作について説明する。ここでは、炭素化合物として一酸化炭素(CO)を生成する場合について、主として説明するが、二酸化炭素の還元生成物としての炭素化合物は一酸化炭素に限られるものではない。炭素化合物は、前述したようにメタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、エチレングリコール(C)等であってもよく、さらに還元生成物である一酸化炭素をさらに還元し、上記したような有機化合物を生成してもよい。また、電気化学反応装置による反応過程としては、主に水素イオン(H)を生成する場合と、主に水酸化物イオン(OH)を生成する場合とが考えられるが、これら反応過程のいずれかに限定されるものではない。
まず、主に水(HO)を酸化して水素イオン(H)を生成する場合の反応過程について述べる。アノード部10とカソード部20との間に電源40から電流を供給すると、アノード部10で水(HO)の酸化反応が生じる。具体的には、下記の(1)式に示すように、電解液中に含まれるHOが酸化されて、酸素(O)と水素イオン(H)とが生成される。
2HO → 4H+O+4e …(1)
アノード部10で生成されたHは、アノード部10内に存在する電解液、セパレータ30、および流路26内の電解液を移動し、カソード部20に到達する。電源40からカソード部20に供給される電流に基づく電子(e)とカソード部20に移動したHとによって、二酸化炭素(CO)の還元反応が生じる。具体的には、下記の(2)式に示すように、カソード部20に供給されたCOが還元されてCOが生成される。
2CO+4H+4e → 2CO+2HO …(2)
次に、主に二酸化炭素(CO)を還元して水酸化物イオン(OH)を生成する場合の反応過程について述べる。アノード部10とカソード部20との間に電源40から電流を供給すると、カソード部20において、下記の(3)式に示すように、水(HO)と二酸化炭素(CO)が還元されて、一酸化炭素(CO)と水酸化物イオン(OH)とが生成される。水酸化物イオン(OH)はアノード部10に拡散し、下記の(4)式に示すように、水酸化物イオン(OH)が酸化されて酸素(O)が生成される。
2CO+2HO+4e → 2CO+4OH …(3)
4OH → 2HO+O+4e …(4)
上述した主に水素イオン(H)が生成する反応過程、および主に水酸化物イオン(OH)が生成する反応過程のいずれにおいても、アノード部10では酸素(O)が生成される。
還元反応において、気体と液体とを効率的に分離しなければ、例えば還元触媒が水に埋もれ、反応効率が落ちる、いわゆるフラッディング現象が起きる。水等が流れる流路と二酸化炭素等が流れる流路を同じ部材に形成する場合、気体供給不足と、導電面と多孔質体との接触面の近傍で排水の遅れが生じることにより、還元触媒のフラッディング現象が生じて反応効率が低下する。仮に、導電面と多孔質体との接触面積を小さくしても抵抗と排水遅延の問題が残る。
これに対し、実施形態の電気化学反応装置では、水及び水蒸気を流すための流路を設け、多孔質体に親水性多孔質部と疎水性多孔質部を形成し、多孔質体内部の水および水蒸気をカソード部の外部に効率的に排出することにより還元反応の効率を高めることができる。また導電面と多孔質体との接触面積を大きくすることができる。
カソード部20の構造例は、図1ないし図5を参照して説明した構造に限定されない。図6ないし図11は、カソード部20の他の構造例の一部を示す断面模式図である。なお、図1ないし図11に示すカソード部20の構造の少なくとも一部同士を適宜組み合わせてもよい。また、図6ないし図11に示すカソード部20の他の構造例の説明として図1ないし図5に示す構造の説明を適宜援用することができる。
図6に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質体24が溝221に面する溝246を備える点が異なる。溝246は、例えば多孔質部243に設けられる。溝246は、溝221に沿ってサーペンタイン状、櫛歯状、または渦巻状に延在していてもよい。図6に示す構造において、流路27は、溝221、開口222、および溝246に囲まれた空間を含む。
図7に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質部243および多孔質部244の位置が異なり、溝221、開口222、溝223を有しておらず、導電体22が多孔質部244に面する溝227を備え、多孔質体24が多孔質部243に面する開口247を備える点が異なる。図7に示す構造において、流路27は、開口247に囲まれた空間を含み、流路28は、溝227および多孔質部244に囲まれた空間を含む。開口247は、カソード部20の外部に接続する。溝227および開口247の少なくとも一つは、導電面22aまたは表面241に沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在していてもよい。
図8に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質部243および多孔質部244の位置が異なり、溝221、開口222、溝223を有しておらず、導電体22が多孔質部244に面する溝228を備え、多孔質体24が多孔質部243に面する開口248を備える点が異なる。多孔質部243は、多孔質体24の側面に接する。開口248は、カソード部20の外部に接続する。溝228および開口248の少なくとも一つは、導電面22aまたは表面241に沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在していてもよい。図8に示す構造において、流路27は、溝228および多孔質部243に囲まれた空間を含み、流路28は、開口248に囲まれた空間を含む。
図9に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質部243および多孔質部244の位置が異なり、溝221、開口222、溝223を有しておらず、多孔質体24が多孔質部243に面する開口247と多孔質部244に面する開口248とを備える点が異なる。開口247および開口248は、カソード部20の外部に接続する。開口247および開口248の少なくとも一つは、表面241に沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在していてもよい。図9に示す構造において、流路27は、開口247に囲まれた空間を含み、流路28は、開口248に囲まれた空間を含む。
図10に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質部243および多孔質部244の位置が異なり、溝221、開口222、溝223を有しておらず、導電体22が多孔質部243に面する溝228を備え、多孔質部244が多孔質体24の側面に接し、支持体23と多孔質部244との間に多孔質部244に面する空隙230を備える点が異なる。溝228は、導電面22aに沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在していてもよい。空隙230は、例えばカソード部20の外部に接続される。図10に示す構造において、流路27は、溝228および多孔質部243に囲まれた空間を含み、流路28は、空隙230に囲まれた空間を含む。
図11に示すカソード部20は、図2に示す構造と比較して、多孔質部243および多孔質部244の位置が異なり、溝221、開口222、溝223を有しておらず、導電体22が多孔質部244に面する溝227を備え、支持体23と多孔質部243との間に多孔質部243に面する空隙230を備える点が異なる。溝227は、導電面22aに沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在していてもよい。空隙230は、例えばカソード部20の外部に接続される。図11に示す構造において、流路27は、空隙230に囲まれた空間を含み、流路28は、溝227および多孔質部244に囲まれた空間を含む。
本実施例では、電気化学反応装置用カソード部の排水特性を評価するためのシミュレーションを行った。図12はシミュレーション用のカソード部の構造モデルを説明するための図である。図13は、図12に示す領域100の拡大図である。横軸はモデル構造の断面における面方向を表し、縦軸はモデル構造の断面における厚さ方向を表す。カソード部の構造モデルは、上記実施形態の電気化学反応装置と同様に、導電面(CONDUCTIVE SURFACE)を有する導電体と、第1の多孔質部と第2の多孔質部とを含む多孔質体と、第1の多孔質部に面する第1の流路(FIRST PATH)と、第2の多孔質部に面する第2の流路(SECOND PATH)と、を備える。多孔質体は、第1の多孔質層と第2の多孔質層との積層体により構成される。第1の流路は水が流れる流路であり、第2の流路には二酸化炭素等の気体が流れる流路である。さらに、上記モデル構造は、図12に示すように、複数の第2の流路の間に第1の流路を有する領域と、複数の第2の流路の間に第1の流路を有しない領域とを有する。
シミュレーションに用いられる各パラメータを以下のように設定した。第1の多孔質層の厚さを300μmに設定した。第2の多孔質層の厚さを30μmに設定した。水の密度を20℃で998kg/mに設定した。第1の多孔質層の空孔率を0.6に設定した。第2の多孔質層の空孔率を0.4に設定した。第1の多孔質層の面方向における透水率を1.5×10−13に設定した。第1の多孔質層の厚さ方向における透水率を1.5×10−13に設定した。第2の多孔質層の面方向における透水率を3×10−14に設定した。第2の多孔質層の厚さ方向における透水率を3×10−14に設定した。水の粘度を20℃で1×10−3Pa・sに設定した。空気と水との接触面における表面張力を20℃で0.0727N/mに設定した。第1の多孔質層の第1の多孔質部の内壁と水との接触角を100度に設定した。第1の多孔質層の第2の多孔質部の内壁と水との接触角を110度に設定した。第2の多孔質層の第1の多孔質部の内壁と水との接触角を100度に設定した。第2の多孔質層の第2の多孔質部の内壁と水との接触角を110度に設定した。空気圧を0Paに設定した。動作電流密度を2×10A/mに設定した。ファラデー定数を96485Cに設定した。水の分子量を0.018kg/molに設定した。
(実施例1)
第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有しない上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図14に示す。図14の横軸は、モデル構造の厚さ方向の断面における面方向の位置Xを表し、縦軸は、水飽和度または水圧分布を表す。また、破線は、位置Xと水圧分布との関係を示す曲線であり、実線は位置Xと水飽和度との関係を示す曲線である。図14からわかるように、第1の流路を有する領域では、第1の流路を介して水が排出されて圧力勾配が小さくなり、水飽和度も小さくなった。多孔質体の中の水は、水圧が低い方へ向かって流れるが、第1の流路を設けることにより、導電面近傍の水圧勾配が小さくなり、第2の流路に流れる水の量が減った。
(実際例2)
第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有する上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図15に示す。図15からわかるように、接触角分布を設けることにより、第1の流路での水圧が大きく低下するため水は第1の流路を介して流れやすくなり、第1の流路での水飽和度もまた小さくなった。
(実施例3〜5)
第2の流路を導電面に沿ってサーペンタイン状(実施例3)、櫛状(実施例4)、渦巻状(実施例5)にそれぞれ延在させ、第1の流路の最小径を第2の流路の最小径よりも狭くし、且つ第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有しない上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図14に示す。図14からわかるように、第1の流路を有する領域では、第1の流路を介して水が排出されて圧力勾配が小さくなり、水飽和度も小さくなった。多孔質体の中の水は、水圧が低い方へ向かって流れるが、第1の流路を設けることにより、導電面近傍の水圧勾配が小さくなり、第2の流路に流れる水の量が減った。
(実施例6〜8)
第2の流路を導電面に沿ってサーペンタイン状(実施例6)、櫛状(実施例7)、渦巻状(実施例8)に延在させ、第1の流路の最小径を第2の流路の最小径よりも狭くし、且つ第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有する上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図15に示す。図15からわかるように、接触角分布を設けることにより、第1の流路での水圧が大きく低下するため水は第1の流路を介して流れやすくなり、第1の流路での水飽和度もまた小さくなった。
(実施例9〜11)
第1の流路を導電面に沿ってサーペンタイン状(実施例9)、櫛状(実施例10)、渦巻状(実施例11)にそれぞれ延在させ、第1の流路の最小径を第2の流路の最小径よりも狭くし、且つ第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有しない上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図14に示す。図14からわかるように、第1の流路を有する領域では、第1の流路を介して水が排出されて圧力勾配が小さくなり、水飽和度も小さくなった。多孔質体の中の水は、水圧が低い方へ向かって流れるが、第1の流路を設けることにより、導電面近傍の水圧勾配が小さくなり、第2の流路に流れる水の量が減った。
(実施例12〜14)
第1の流路を導電面に沿ってサーペンタイン状(実施例12)、櫛状(実施例13)、渦巻状(実施例14)にそれぞれ延在させ、第1の流路の最小径を第2の流路の最小径よりも狭くし、且つ第1の多孔質部と第2の多孔質部との間に接触角分布を有する上記モデル構造でシミュレーションを行った。排水特性のシミュレーション結果を図15に示す。図15からわかるように、接触角分布を設けることにより、第1の流路での水圧が大きく低下するため水は第1の流路を介して流れやすくなり、第1の流路での水飽和度もまた小さくなった。
上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…アノード部、11…集電体、12…導電体、13…多孔質体、14…流路、20…カソード部、21…集電体、22…導電体、22a…導電面、23…支持体、24…多孔質体、24a…多孔質層、24b…多孔質層、25…流路板、26…流路、27…流路、28…流路、30…セパレータ、40…電源、100…領域、221…溝、222…開口、223…溝、224…排出口、225…流入口、226…流出口、227…溝、228…溝、230…空隙、241…表面、242…表面、243…多孔質部、243a…多孔質部、243b…多孔質部、244…多孔質部、244a…多孔質部、244b…多孔質部、245…還元触媒、246…溝、247…開口、248…開口。

Claims (12)

  1. 水を酸化して酸素を生成するアノード部と、
    二酸化炭素を還元して炭素化合物および水素を生成するカソード部と、
    前記アノード部と前記カソード部とを分離するセパレータと、
    前記アノード部および前記カソード部に電気的に接続された電源と、を具備し、
    前記カソード部は、
    導電面を有する導電体と、
    前記導電面に接する第1の表面と、第2の表面と、前記第1の表面および前記第2の表面の少なくとも一つに接する第1の多孔質部と、前記第1の表面および前記第2の表面の少なくとも一つに接する第2の多孔質部と、を有し、前記第2の多孔質部の内壁と前記水との接触角が前記第1の多孔質部の内壁と前記水との接触角よりも高い多孔質体と、
    前記第2の表面に担持された、二酸化炭素を還元するための還元触媒と、
    前記還元触媒に面し、前記水を含有する電解液を流すために設けられた電解液流路と、
    前記第1の多孔質部に面し、前記水および水蒸気の少なくとも一つを前記第1の多孔質部の内部から前記カソード部の外部に排出するために設けられた第1の流路と、
    前記第2の多孔質部に面し、前記二酸化炭素を前記カソード部の外部から前記第2の多孔質部の内部に流入し且つ前記炭素化合物および前記水素の少なくとも一つを前記第2の多孔質部の内部から前記カソード部の外部に流出させるために設けられた第2の流路と、を備える、電気化学反応装置。
  2. 前記導電体は、前記第1の多孔質部に面する複数の第1の溝と、前記導電体の内部で前記複数の第1の溝の一つと前記複数の第1の溝の他の一つとを接続する開口と、前記複数の第1の溝の一つと前記複数の第1の溝の他の一つとの間に配置され且つ前記第2の多孔質部に面する第2の溝と、を有し、
    前記第1の流路は、前記第1の溝、前記開口、および前記第1の多孔質部に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記第2の溝および前記第2の多孔質部に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  3. 前記第1の溝および第2の溝の少なくとも一つは、前記導電面に沿ってサーペンタイン状、櫛状、または渦巻状に延在する、請求項2に記載の電気化学反応装置。
  4. 前記導電体は、前記第1の多孔質部に面する複数の第1の溝と、前記導電体の内部で前記複数の第1の溝の一つと前記複数の第1の溝の他の一つとを接続する開口と、前記複数の第1の溝の一つと前記複数の第1の溝の他の一つとの間に配置され且つ前記第2の多孔質部に面する第2の溝と、を有し、
    前記多孔質体は、前記第1の溝に面する第3の溝を有し、
    前記第1の流路は、前記第1の溝、前記開口、および前記第3の溝に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記第2の溝および前記第2の多孔質部に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  5. 前記多孔質体は、前記第1の多孔質部に面する複数の開口を有し、
    前記導電体は、前記複数の開口の一つと前記複数の開口の他の一つとの間に配置され且つ前記第2の多孔質部に面する溝を有し、
    前記第1の流路は、前記開口に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記溝および前記第2の多孔質部に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  6. 前記多孔質体は、前記第2の多孔質部に面する複数の開口を有し、
    前記導電体は、前記複数の開口の一つと前記複数の開口の他の一つとの間に配置され且つ前記第1の多孔質部に面する溝を有し、
    前記第1の流路は、前記溝および前記第1の多孔質部に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記開口に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  7. 前記多孔質体は、前記第1の多孔質部に面する第1の開口と、前記第2の多孔質部に面する第2の開口と、を有し、
    前記第1の流路は、前記第1の開口に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記第2の開口に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  8. 前記カソード部は、前記多孔質体を配置するための開口を有する支持体をさらに備え、
    前記導電体は、前記第1の多孔質部に面する溝を有し、
    前記第1の流路は、前記溝および前記第1の多孔質部に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記第2の多孔質部および前記支持体に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  9. 前記カソード部は、前記多孔質体を配置するための開口を有する支持体をさらに備え、
    前記導電体は、前記第2の多孔質部に面する溝を有し、
    前記第1の流路は、前記第1の多孔質部および前記支持体に囲まれた空間を含み、
    前記第2の流路は、前記溝および前記第2の多孔質部に囲まれた空間を含む、請求項1に記載の電気化学反応装置。
  10. 前記第1の流路の最小径は、前記第2の流路の最小径よりも狭い、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の電気化学反応装置。
  11. 前記多孔質体は、
    前記第1の表面を有する第1の多孔質層と、
    前記第1の多孔質層に積層され、前記第2の表面を有する第2の多孔質層と、を有し、
    前記第2の多孔質層の空孔率は、前記第1の多孔質層の空孔率と異なる、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の電気化学反応装置。
  12. 前記炭素化合物は、一酸化炭素を含む、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の電気化学反応装置。
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