JP6567220B1 - レーダ装置および目標距離計測方法 - Google Patents

レーダ装置および目標距離計測方法 Download PDF

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Abstract

レーダ装置(1)が、パルス内変調を施した送信信号を空間に放射して、空間内の目標で反射された送信信号に基づいて生成された受信信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、ゲート処理後の信号に対して復調処理を行い、復調処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、周波数領域の信号の強度に基づいて目標候補を検出し、目標候補の距離を算出する。

Description

本発明は、目標距離を計測するレーダ装置および目標距離計測方法に関する。
例えば、特許文献1に記載されたレーダ装置は、送信高周波信号を空中に放射し、目標で反射された送信高周波信号を受信する。従来のレーダ装置は、受信高周波信号に対して異なるゲート幅の受信ゲートを設定して和信号および差信号を生成し、和信号と差信号の比と、目標までの距離(以下、目標距離と記載する)との関係を示すディスクリパターンを用いて、目標距離を計測する。
特開昭60−164275号公報
特許文献1に記載された従来のレーダ装置では、受信ゲート内に複数の目標が存在する場合に、複数の目標の状況(例えば、目標間の振幅の差または目標間の距離の差)ごとにディスクリパターンが異なるため、複数の目標のそれぞれの目標距離が誤って計測されるという課題があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、受信ゲート内に複数の目標が存在しても目標距離を正確に計測できるレーダ装置および目標距離計測方法を得ることを目的とする。
本発明に係るレーダ装置は、送信部、受信部、ゲート処理部、復調処理部、周波数領域変換部、高精度化処理部、目標候補検出部および目標候補距離算出部を備える。送信部は、パルス内変調を施した送信高周波信号を出力する。受信部は、空間内の目標で反射された送高周波信号の反射波を受信し、受信された受信高周波信号に基づいて受信ビデオ信号を生成する。ゲート処理部は、受信部により生成された受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られたゲート処理後の信号を生成する。復調処理部は、複数の受信ゲート毎にゲート処理部により生成されたゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づいて復調処理を行い、複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた復調処理後の信号を生成する。周波数領域変換理部は、複数の受信ゲート毎に復調処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、ドップラ周波数を含む周波数領域の信号を生成する。高精度化処理部が、複数の受信ゲートに対応する複数の周波数領域の信号に対してドップラ周波数を含む周波数領域のサンプリング番号毎に周波数領域変換処理を行い、周波数領域変換処理後の信号に対して、周波数領域変換点数よりも多い変換点数で逆周波数領域変換処理を行い、逆周波数領域変換処理後の信号を生成する。目標候補検出部は、逆周波数領域変換処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出する。目標候補距離算出部は、目標候補検出部によって検出された目標候補の距離を算出する。この構成において、周波数領域変換部が、ゲート処理部によって設定されたそれぞれの受信ゲートの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号に対応する復調後の信号から周波数領域変換処理を開始する
本発明によれば、パルス内変調を施した送信信号を空間に放射し、空間内の目標で反射された送信信号に基づいて生成された受信信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、ゲート処理後の信号に対して復調処理を行い、復調処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、周波数領域の信号の強度に基づいて目標候補を検出し、目標候補の距離を算出する。これにより、受信ゲート内に複数の目標が存在しても目標距離を正確に計測することができる。
実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における送信部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における受信部の構成を示すブロック図である。 図4Aは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図4Bは、実施の形態1に係るレーダ装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。 図6Aは、実施の形態1における信号処理部による処理の概要を示す模式図である。図6Bは、同じ速度νの複数の目標に対応する周波数領域の信号を示す図である。図6Cは、速度νの目標に対応する周波数領域の信号のゲート番号方向の波形を示す図である。図6Dは、速度νの目標に対応する逆周波数領域変換処理後の信号の距離方向の波形を示す図である。 実施の形態1における送信部の動作を示すフローチャートである。 送信RF信号の波形を示す図である。 実施の形態1における受信部の動作を示すフローチャートである。 受信ビデオ信号の波形を示す図である。 実施の形態1における信号処理部の動作を示すフローチャートである。 ゲート番号nの受信ゲートとサンプリング番号m’との関係を示す図である。 図13Aは、受信ビデオ信号の波形を示す図である。図13Bは、受信ゲートG6に対応するゲート処理後の信号の波形を示す図である。図13Cは、受信ゲートG7に対応するゲート処理後の信号の波形を示す図である。図13Dは、受信ゲートG8に対応するゲート処理後の信号の波形を示す図である。 図14Aは、受信ビデオ信号の波形を示す図である。図14Bは、受信ゲートG6に対応する復調処理後の信号の波形を示す図である。図14Cは、受信ゲートG7に対応する復調処理後の信号の波形を示す図である。図14Dは、受信ゲートG8に対応する復調処理後の信号の波形を示す図である。 図15Aは、送信信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度の複数の目標に対応する周波数領域の信号の観測値の波形を示す図である。図15Bは、送信信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度の目標ごとの周波数領域の信号の波形を示す図である。図15Cは、送信信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度の複数の目標に対応する周波数領域の信号の観測値の波形を示す図である。図15Dは、送信信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度の目標ごとの周波数領域の信号の波形を示す図である。 図16Aは、受信ビデオ信号の波形を示す図である。図16Bは、送信信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度の目標ごとの周波数領域の信号の観測値のゲート番号方向の波形を示す図である。図16Cは、送信信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度の目標ごとの周波数領域の信号の観測値のゲート番号方向の波形を示す図である。 図17Aは、受信ゲート内にある同じ速度の目標のそれぞれに対応する周波数領域の信号の波形を示す図である。図17Bは、受信ゲート内にある同じ速度の目標のそれぞれに対応する逆周波数領域変換処理後の信号の波形を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置1の構成を示すブロック図である。レーダ装置1は、パルス内変調を施した送信高周波信号(以下、送信RF信号と記載する)を空間に放射し、空間内の目標で反射された送信RF信号を受信高周波信号(以下、受信RF信号と記載する)として受信し、当該受信RF信号から生成した受信ビデオ信号に基づいて、観測対象となり得る目標候補の距離を算出する。
図1に示すように、レーダ装置1は、空中線2、送信部3、送受切替部4、受信部5、信号処理部6および表示器7を備える。信号処理部6は、ゲート処理部60、復調処理部61、フィルタ処理部62、周波数領域変換部63、高精度化処理部64、目標候補検出部65および目標候補距離算出部66を備える。なお、信号処理部6は、フィルタ処理部62および高精度化処理部64のいずれかまたは両方を備えなくてもよい。
空中線2は、送受切替部4から入力した送信RF信号を空間に放射する。送信部3は、パルス内変調を施した送信RF信号を送受切替部4に出力する。送受切替部4は、送信部3から設定されたタイミングで送信部3から空中線2への送信RF信号の出力と空中線2から受信部5への受信RF信号の出力を切り替える。
空中線2は、空間内の目標で反射された送信RF信号の反射波が入射されて受信する。受信部5は、空中線2によって受信された受信RF信号を入力し、当該受信RF信号に基づいて受信ビデオ信号を生成する。信号処理部6は、受信部5から入力した受信ビデオ信号に基づいて目標候補の距離を算出し、算出した目標候補の距離を表示器7に出力する。表示器7は、目標候補の距離に関する情報を表示する。目標候補の距離に関する情報には、例えば、目標候補ごとに設定された目標番号とレーダ装置1から目標候補までの距離を示す情報とが含まれる。
ゲート処理部60は、受信部5から受信ビデオ信号を入力し、受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を施すことで、ゲート処理後の信号を生成する。復調処理部61は、ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づき復調処理を行い、復調処理後の信号を生成する。フィルタ処理部62は、復調処理後の信号に対して帯域通過フィルタ処理を行い、帯域通過フィルタ処理後の信号を生成する。
周波数領域変換部63は、帯域通過フィルタ処理後の信号に対して周波数領域変換処理を行い、周波数領域の信号を生成する。また、信号処理部6がフィルタ処理部62を備えない場合、周波数領域変換部63は、復調処理部61から復調処理後の信号を入力して、復調処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、周波数領域の信号を生成する。
高精度化処理部64は、周波数領域の信号に対して高精度化処理を行い、高精度化処理後の信号を生成する変換処理部である。高精度化処理とは、複数の受信ゲートに対応する複数の周波数領域の信号に対して周波数領域変換処理を行い、さらに周波数領域変換処理後の信号に対して周波数領域変換点数よりも多い点数で逆周波数領域変換処理を行う処理である。高精度化処理後の信号は、上記逆周波数領域変換処理後の信号である。
目標候補検出部65は、高精度化処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出する。なお、信号処理部6が高精度化処理部64を備えない場合、目標候補検出部65は、周波数領域変換部63から入力した周波数領域の信号の強度に基づいて目標候補を検出する。目標候補距離算出部66は、目標候補検出部65によって検出された目標候補の距離を算出する。
図2は、送信部3の構成を示すブロック図である。図2に示すように、送信部3は、送信機30、パルス内変調器31、パルス変調器32および局部発振器33を備える。送信機30は、パルス内変調器31によって生成されたパルス内変調後の送信RF信号を、送受切替部4を通して空中線2に出力する。
パルス内変調器31は、パルス変調器32によって生成されたパルス変調処理後の送信RF信号に対してパルス内変調を施して、パルス内変調後の送信RF信号を生成する。パルス変調器32は、局部発振器33から入力した局部発振信号に対してパルス変調を施して、パルス変調後の送信RF信号を生成する。局部発振器33は、局部発振信号を発生して、図1に示した受信部5と、パルス変調器32とに出力する。
図3は、受信部5の構成を示すブロック図である。図3に示すように、受信部5は、受信機50およびA/D変換器51を備える。受信機50は、空中線2で受信された受信RF信号を、送受切替部4を通して入力する。受信機50は、局部発振器33から入力した局部発振信号に基づいて受信RF信号をダウンコンバートし、さらに信号処理を行って、受信ビデオ信号を生成する。信号処理には、例えば、帯域通過フィルタ処理、増幅処理および位相検波処理が含まれる。
受信機50によって生成された受信ビデオ信号は、A/D変換器51に出力される。A/D変換器51は、受信機50から入力した受信ビデオ信号をデジタル信号に変換して、変換後の受信ビデオ信号を信号処理部6へ出力する。
次に、レーダ装置1の機能を実現するハードウェア構成について説明する。
レーダ装置1における、送信部3、受信部5、および信号処理部6の機能は、処理回路によって実現される。すなわち、レーダ装置1は、図5を用いて後述するステップST1からステップST9までの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
図4Aは、レーダ装置1の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図4Bは、レーダ装置1の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。図4Aおよび図4Bにおいて、空中線100は、図1に示した空中線2であり、表示器101は、図1に示した表示器7である。入出力インタフェース102は、図1に示した送信部3から空中線100への送信RF信号の出力と、空中線100から図1に示した受信部5への反射RF信号の出力とを中継するインタフェースである。すなわち、入出力インタフェース102は、図1に示した送受切替部4の機能を有する。さらに、入出力インタフェース102は、表示器101への出力信号を中継するインタフェースとしても機能する。
外部記憶装置103は、図1に示した信号処理部6が行う信号処理に用いられる各種の設定データおよび信号データを記憶する記憶装置である。例えば、外部記憶装置103には、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)といった、揮発性メモリ、ハードディスクドライブ装置(HDD)またはソリッドステートドライブ装置(SSD)を用いてもよい。また、オペレーティングシステム(OS)を含むプログラムを外部記憶装置103に記憶してもよい。さらに、外部記憶装置103に、図4Bに示すメモリ107を構築してもよい。外部記憶装置103は、レーダ装置1とは独立して設けられて、レーダ装置1から通信接続が可能な記憶装置、例えば、クラウド上に設けられた記憶装置であってもよい。
信号路105は、信号データが伝送されるバスであり、図4Aにおいて、入出力インタフェース102、外部記憶装置103および処理回路104は、信号路105によって、相互に接続されている。また、図4Bでは、信号路105によって入出力インタフェース102、外部記憶装置103、プロセッサ106およびメモリ107が相互に接続されている。
処理回路が、図4Aに示す専用のハードウェアの処理回路104である場合、処理回路104は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。レーダ装置1における送信部3、受信部5および信号処理部6の機能を、別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
処理回路が、図4Bに示すプロセッサ106である場合、レーダ装置1における、送信部3、受信部5および信号処理部6の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。なお、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ107に記憶される。
プロセッサ106は、メモリ107に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、レーダ装置1における、送信部3、受信部5および信号処理部6の機能を実現する。すなわち、レーダ装置1は、プロセッサ106によって実行されるときに、図5に示すステップST1からステップST9までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ107を備える。これらのプログラムは、送信部3、受信部5および信号処理部6の手順または方法をコンピュータに実行させる。メモリ107は、コンピュータを、送信部3、受信部5および信号処理部6として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
メモリ107には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically−EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
送信部3、受信部5および信号処理部6の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、送信部3および受信部5は、専用のハードウェアである処理回路104で機能を実現し、信号処理部6は、プロセッサ106がメモリ107に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能を実現する。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせにより上記機能を実現することができる。
次に動作について説明する。
図5は、実施の形態1に係るレーダ装置1の動作を示すフローチャートであり、実施の形態1に係る目標距離計測方法を示している。なお、パルス内変調には、パルス内符号変調およびパルス内周波数変調がある。以降ではパルス内符号変調を例に挙げて説明する。また、図6Aは、信号処理部6による処理の概要を示す模式図である。図6Bは、同じ速度νの複数の目標に対応する周波数領域の信号を示す図である。図6Cは、速度νの目標に対応する周波数領域の信号のゲート番号方向の波形を示す図である。図6Dは、速度νの目標に対応する逆周波数領域変換処理後の信号(高精度化処理後の信号)の距離方向の波形を示す図である。
送信部3が、パルス内符号変調を施した送信RF信号を送受切替部4に出力する(ステップST1)。送受切替部4は、送信部3から設定されたタイミングで、送信RF信号を空中線2に出力する。空中線2は、送受切替部4から入力した送信RF信号を空間に放射する。空間内の目標で反射された送信RF信号の反射波は空中線2によって受信される。
受信部5は、空中線2によって受信された信号を受信RF信号として入力し、受信RF信号に基づいて受信ビデオ信号を生成する(ステップST2)。受信部5によって生成された受信ビデオ信号は、信号処理部6に出力される。
信号処理部6が備えるゲート処理部60が、受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、ゲート処理後の信号を生成する(ステップST3)。
ゲート番号nは、受信ゲートの位置を示す番号であり、例えば、図6Aに示すようにゲート番号n=0,1,2,・・・,N−1に対応するそれぞれの位置に受信ゲートが設定される。
次に、復調処理部61が、ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づき復調処理を行い、復調後の信号を生成する(ステップST4)。図6Aに示すように、復調処理部61が、受信ゲートごとに、受信ゲート内にある受信ビデオ信号の符号復調を行う。
フィルタ処理部62は、復調処理後の信号に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の信号を生成する(ステップST5)。図6Aに示すように、フィルタ処理部62は、受信ゲートごとに、復調処理後の信号に対して狭帯域フィルタ処理を行う。
周波数領域変換部63は、フィルタ処理後の信号に対して周波数領域変換処理を行い、周波数領域の信号を生成する(ステップST6)。例えば、周波数領域変換部63は、図6Aに示すように、受信ゲートごとにフィルタ処理された信号に対して高速フーリエ変換(以下、FFTと記載する)を行う。周波数領域の信号は、ドップラ周波数、すなわち速度νと、受信ゲート間隔に対応する距離に関する情報とを含む信号である。図6Bに示す信号の波形は、同じ速度νの複数の目標のそれぞれに対応する周波数領域の信号の波形である。速度νの目標に対応する周波数領域の信号は、図6Cに示すようにゲート番号方向のスペクトル波形を有しており、目標距離に近い受信ゲートのゲート番号nで最大電力となって、当該目標の測距可能となる。
高精度化処理部64は、周波数領域変換部63によって生成された周波数領域の信号に対して高精度化処理を行い、高精度化処理後の信号を生成する(ステップST7)。
例えば、高精度化処理部64は、図6Aに示すように、ゲート番号n=0,1,2,・・・,N−1のそれぞれの受信ゲートに対応する複数の周波数領域の信号に対して、FFT処理を行う。次に、高精度化処理部64は、FFT処理後の信号に対して、FFTの点数よりも多い点数で逆高速フーリエ変換(以下、IFFTと記載する)を行う。
高精度化処理によって距離方向のサンプリング間隔が細分化されるので、周波数領域の信号が高精度にサンプリングされる。高精度化処理後の信号の波形は、図6Dに示すように目標距離の近くで最大のピークとなる。高精度化処理部64によって生成された高精度化処理後の信号は、目標候補検出部65へ出力される。
目標候補検出部65は、高精度化処理後の信号の強度に基づいて、目標候補の検出処理を行う(ステップST8)。この後、目標候補距離算出部66は、目標候補検出部65によって検出された目標候補の距離を算出する(ステップST9)。表示器7は、目標候補距離算出部66から入力した目標候補の距離に関する情報を表示する。
次に、送信部3の動作の詳細について説明する。
図7は、送信部3の動作を示すフローチャートであり、図5のステップST1の処理の詳細を示している。図8は、送信RF信号Tx(t)の波形を示す図である。
局部発振器33は、下記式(1)に示す一定の周波数の局部発振信号L(t)を生成する(ステップST1a)。局部発振器33によって生成された局部発振信号L(t)は、受信部5およびパルス変調器32に出力される。下記式(1)において、tは時刻であり、Aは局部発振信号L(t)の振幅であり、fは送信周波数である。さらに、φは局部発振信号L(t)の初期位相であり、Tobsは観測時間であり、jは虚数単位である。

Figure 0006567220
パルス変調器32は、局部発振信号L(t)に対して、予め設定されたパルス繰り返し周期Tpriおよびパルス幅Tを用いて下記式(2)に従うパルス変調処理を行い、パルス変調後の送信RF信号Txpls(t)を生成する(ステップST2a)。パルス変調器32によって生成された送信RF信号Txpls(t)は、パルス内変調器31へ出力される。hは、ヒット番号であり、Hは、ヒット数である。

Figure 0006567220
ヒット数Hは、下記式(3)で表される。floor(X)は、変数Xの小数点以下を切り捨てた整数を意味する。

Figure 0006567220
パルス内変調器31は、送信RF信号Txpls(t)に対して、予め設定されたパルス繰り返し周期Tpri、パルス幅Tおよびパルス内変調φMod(t)を用いて、下記式(4)に従うパルス内変調を行うことで、送信RF信号Tx(t)を生成する(ステップST3a)。図8に示す送信パルスaは、送信RF信号Tx(t)の送信パルスである。

Figure 0006567220
送信RF信号Tx(t)のパルス内変調符号bは、下記式(5)に示す4ビットのバーカコードで表されるパルス内変調符号である。ここでは、1ビットがサブパルス幅であるものとする。パルス内変調符号bのビット数は、4ビット以外であってもよい。送信RF信号Txpls(t)に施すパルス内変調は、多値の符号変調であってもよいし、パルス内周波数変調であってもよい。

Figure 0006567220
送信機30は、パルス変調器32から入力した送信RF信号Tx(t)を送受切替部4に出力する(ステップST4a)。送受切替部4は、送信部3から入力した送信RF信号Tx(t)を空中線2に出力する。空中線2は、送信RF信号Tx(t)を空中(空間)に放射する。
次に、受信部5の動作の詳細について説明する。
図9は、受信部5の動作を示すフローチャートであり、図5のステップST2の処理の詳細を示している。図10は、受信ビデオ信号V(m’)の波形を示す図である。
空中の目標で反射された送信RF信号は、空中線2に入射される。空中線2に入射された信号は、下記式(6)で表される受信RF信号Rx(t)として受信機50に出力される(ステップST1b)。下記式(6)において、ntgtは目標番号であり、Ntgtは目標数である。

Figure 0006567220
上記式(6)に含まれる目標番号ntgtの目標に対応する受信RF信号Rxntgt(t)は、下記式(7)で表される。下記式(7)において、AR,ntgtは受信RF信号Rxntgt(t)の振幅であり、R0,ntgtは目標番号ntgtの目標についての初期目標相対距離であり、vntgtは目標番号ntgtの目標についての目標相対速度である。cは光速である。

Figure 0006567220
受信機50は、上記式(1)で表される局部発振信号L(t)を用いて、空中線2から入力した受信RF信号Rx(t)をダウンコンバートし、さらに、帯域通過フィルタを通過させた後、増幅および位相検波といった信号処理を行う(ステップST2b)。これにより、下記式(8)で表される受信ビデオ信号V(t)が生成される。受信機50によって生成された受信ビデオ信号V(t)は、A/D変換器51に出力される。

Figure 0006567220
上記式(8)のV0,ntgt(t)は、下記式(9)で表される目標番号ntgtの目標に対応する受信ビデオ信号である。また、AV,ntgtは目標番号ntgtの目標に対応する受信ビデオ信号V0,ntgt(t)の振幅である。

Figure 0006567220
A/D変換器51は、受信機50から入力した受信ビデオ信号V(t)をA/D変換することで、下記式(10)で表される受信ビデオ信号V(m’)を生成する(ステップST3b)。A/D変換器51によって生成された受信ビデオ信号V(m’)は信号処理部6に出力される。m’はサンプリング番号であり、M’はサンプリング数である。

Figure 0006567220
上記式(10)に含まれるV0,tgt(m’)は、目標番号ntgtの目標に対応する受信ビデオ信号V0,tgt(t)をA/D変換した受信ビデオ信号である。受信ビデオ信号V0,tgt(m’)は、下記式(11)で表される。下記式(11)において、Δtは、A/D変換された受信ビデオ信号V0,tgt(m’)のサンプリング間隔である。受信ビデオ信号V(m’)(図10に示す受信ビデオ信号c)は、サンプリングされた信号となる。

Figure 0006567220
複数の目標がある場合、受信ビデオ信号V(m’)には、送信RF信号が複数の目標のそれぞれで反射した信号に基づいて生成された複数の受信ビデオ信号が合成されている。例えば、図10に示す受信ビデオ信号cには、目標番号(1)の目標に対応する受信ビデオ信号c1と目標番号(2)の目標に対応する受信ビデオ信号c2とが合成されている。受信ビデオ信号c1にはパルス内変調符号c1’が設定されており、受信ビデオ信号c2にはパルス内変調符号c2’が設定されている。図10において、mod(X,Y)は、変数Xを変数Yで割った後の剰余である。
次に、信号処理部6の動作の詳細について説明する。
図11は、信号処理部6の動作を示すフローチャートであって、図5のステップST3からステップST9までの処理の詳細を示している。
信号処理部6は、受信部5が備えるA/D変換器51から受信ビデオ信号V(m’)を入力する。信号処理部6が備えるゲート処理部60は、受信ビデオ信号V(m’)に対して、予め設定されたゲートスライド量Δmおよびゲート幅を用いて、下記式(12)に従って、ゲート処理後の信号V(n,m’)を生成する(ステップST1c)。ここで、Mpriは、パルス繰り返し周期Tpri内のサンプリング数であり、Mは、パルス内サンプリング数である。

Figure 0006567220
図12は、ゲート番号nの受信ゲートとサンプリング番号m’との関係を示す図である。図12に示す例では、ゲート処理部60がゲート幅をパルス幅Tとみなしてゲート処理を行っている。なお、ゲートの位置およびゲート幅は、任意に設定された値であってもよい。また、ゲート処理部60は、複数の受信ゲートのそれぞれをパルス幅Tよりも短いゲート幅で設定してもよい。ゲート処理部60は、N個の受信ゲートを、ゲートスライド量Δmごとの間隔で、ゲート番号n=0,1,2,・・・,N−1に対応するそれぞれの時間軸上の位置に設定する。
図13Aは、受信ビデオ信号cの波形を示す図である。図13Bは、受信ゲートG6に対応するゲート処理後の信号dの波形を示す図である。図13Cは、受信ゲートG7に対応するゲート処理後の信号eの波形を示す図である。図13Dは、受信ゲートG8に対応するゲート処理後の信号fの波形を示す図である。ゲート処理部60は、図13Aに示す受信ビデオ信号cを入力すると、当該受信ビデオ信号cに対して、受信ゲートG6、受信ゲートG7および受信ゲートG8を設定してゲート処理を行う。このゲート処理により、図13Bに示すゲート処理後の信号dが生成され、図13Cに示すゲート処理後の信号eが生成され、図13Dに示すゲート処理後の信号fが生成される。
また、ゲート処理後の信号は、V(n,m’)で表すことができる。ゲート処理後の信号dは、ゲート処理後の信号V(6,m’)であり、ゲート処理後の信号eは、ゲート処理後の信号V(7,m’)であり、ゲート処理後の信号fは、ゲート処理後の信号V(8,m’)である。複数の目標が存在する場合、ゲート処理後の信号V(n,m’)には、複数の目標のそれぞれに対応する複数のゲート処理後の信号が合成されている。
例えば、目標番号(1)の目標と目標番号(2)の目標とが存在する場合、ゲート処理後の信号dには、図13Bに示すように、目標番号(1)の目標に対応するゲート処理後の信号d1と、目標番号(2)の目標に対応するゲート処理後の信号d2とが合成されている。また、ゲート処理後の信号d1にはパルス内変調符号d1’が含まれ、ゲート処理後の信号d2にはパルス内変調符号d2’が含まれる。
ゲート処理後の信号eには、図13Cに示すように、目標番号(1)の目標に対応するゲート処理後の信号e1と、目標番号(2)の目標に対応するゲート処理後の信号e2とが合成されている。また、ゲート処理後の信号e1にはパルス内変調符号e1’が含まれ、ゲート処理後の信号e2にはパルス内変調符号e2’が含まれる。
ゲート処理後の信号fには、図13Dに示すように、目標番号(1)の目標に対応するゲート処理後の信号f1と、目標番号(2)の目標に対応するゲート処理後の信号f2とが合成されている。また、ゲート処理後の信号f1にはパルス内変調符号f1’が含まれ、ゲート処理後の信号f2にはパルス内変調符号f2’が含まれる。
また、受信ゲートG7は、受信ゲートG6からゲートスライド量Δmスライドされたゲートであり、受信ゲートG8は、受信ゲートG7からゲートスライド量Δmスライドされたゲートである。ゲート処理部60がゲート処理を行うことにより、受信ゲート以外の雑音の影響を受けなくなるため、周波数領域変換部63によって生成された周波数領域の信号における信号対雑音比(以下、SNRと記載する)が向上し、目標検出性能が向上したレーダ装置1を得ることができる。
ここで、図11の説明に戻る。
続いて、復調処理部61は、ゲート処理部60によって生成されたゲート処理後の信号V(n,m’)に対して、パルス内復調Dφ(n,m’)に基づき、下記式(13)に従った復調処理を行うことで、復調処理後の信号VG,D(n,m’)を生成する(ステップST2c)。

Figure 0006567220
復調処理部61は、パルス内変調符号を復調するため、下記式(14)に従ってパルス内復調Dφ(n,m’)を算出し、復調処理に用いる。

Figure 0006567220
図14Aは、受信ビデオ信号cの波形を示す図である。図14Bは、受信ゲートG6に対応する復調処理後の信号gの波形を示す図である。図14Cは、受信ゲートG7に対応する復調処理後の信号hの波形を示す図である。図14Dは、受信ゲートG8に対応する復調処理後の信号iの波形を示す図である。復調処理部61は、図13Bに示したゲート処理後の信号dに対して復調処理を行うことで、図14Bに示す復調処理後の信号gを生成する。また、復調処理部61は、図13Cに示したゲート処理後の信号eに対して復調処理を行うことで、図14Cに示す復調処理後の信号hを生成する。復調処理部61は、図13Dに示したゲート処理後の信号fに対して復調処理を行うことで、図14Dに示す復調処理後の信号iを生成する。
また、復調処理後の信号は、VG,D(n,m’)で表すことができる。復調処理後の信号gは、復調処理後の信号VG,D(6,m’)であり、復調処理後の信号hは、復調処理後の信号VG,D(7,m’)であり、復調処理後の信号iは、復調処理後の信号VG,D(8,m’)である。目標番号ntgtの目標に対応する受信RF信号に基づいて生成された復調処理後の信号V0,ntgt,D(n,m’)は、下記式(15)で表すことができる。下記式(15)において、V0,ntgt(n,m’)は、目標番号ntgtの目標に対応する受信RF信号に基づいて生成されたゲート処理後の信号であり、φMod,D(n,m’)は、復調処理後の符号である。

Figure 0006567220
図14Bに示すように、受信ゲートG6内にある目標番号(1)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号g1では、パルス内変調符号d1’とパルス内復調符号とがともに一致するため、無変調g1’となる。復調処理後の信号g1は、周波数領域変換部63によって周波数領域の信号に変換されるときにコヒーレントに積分される。
一方、受信ゲートG6内にある目標番号(2)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号g2は、パルス内変調符号d2’とパルス内復調符号が一致しないため、変調符号g2’が残る。変調符号g2’が残った復調処理後の信号g2は、周波数領域の信号に変換されたときにコヒーレントに積分されない。受信ゲートG6においては、復調処理後の信号g1がコヒーレントに積分され、目標番号(1)の目標が分離可能である。
図14Cに示すように、受信ゲートG7内にある目標番号(1)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号h1では、パルス内変調符号h1’とパルス内復調符号とが一致しないため、変調符号h1’が残る。受信ゲートG7内にある目標番号(2)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号h2では、パルス内変調符号h2’とパルス内復調符号とが一致しないため、変調符号h2’が残る。これにより、復調処理後の信号h1およびh2は、周波数領域の信号に変換されるときにコヒーレントに積分されない。
図14Dに示すように、受信ゲートG8内にある目標番号(1)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号i1では、パルス内変調符号i1’とパルス内復調符号とが一致しないため、変調符号i1’が残る。一方、受信ゲートG8内にある目標番号(2)の目標の受信RF信号に対応する復調処理後の信号i2では、パルス内変調符号f2’とパルス内復調符号とがともに一致するため、無変調i2’となる。復調処理後の信号f2は、周波数領域変換部63によって周波数領域の信号に変換されるときにコヒーレントに積分される。受信ゲートG8においては、復調処理後の信号f2がコヒーレントに積分され、目標番号(2)の目標が分離可能である。
このように変調が残った復調処理後の信号はコヒーレントに積分されないが、無変調となった復調処理後の信号はコヒーレントに積分されるため、レーダ装置1の目標分離性能が向上する。レーダ装置1では、送信信号にパルス内符号変調を施すことで、1つの受信ゲート内に複数の目標が存在しても、ゲートスライド量Δm以下の分解能で目標分離が可能である。復調処理部61によって生成された復調処理後の信号VG,D(n,m’)は、フィルタ処理部62に出力される。
ここで、図11の説明に戻る。
続いて、フィルタ処理部62は、復調処理後の信号VG,D(n,m’)に対して、周波数領域の中心スペクトル周辺の帯域の信号を通過させる狭帯域フィルタ処理を行い、狭帯域フィルタ処理後の信号を生成する(ステップST3c)。狭帯域フィルタ処理後の信号VG,D,f(n,m)は下記式(16)で表される。下記式(16)において、mは狭帯域フィルタ処理後の信号のサンプリング番号であり、Mは狭帯域フィルタ処理後の信号のサンプリング数である。

Figure 0006567220
上記式(16)において、VG,D,f,ntgt(n,m)は、下記式(17)で表される狭帯域フィルタ処理後の信号であり、ゲート番号nの受信ゲート内にある目標番号ntgtの目標に対応している。また、AnG,ntgtは、狭帯域フィルタ処理後の信号VG,D,f,ntgt(n,m)の振幅である。狭帯域フィルタ処理を行うことで、復調処理後の信号の周波数領域の中心スペクトルの情報を損なわずに、サンプリング間隔が粗いサンプリングが可能となる。信号点数が減少して信号処理での演算量が低減されるため、ハードウェア規模が小さいレーダ装置1を実現できる。

Figure 0006567220
ゲート処理後の信号V(n,m’)は、受信ゲート間での時刻の同期がとられており、復調処理後の信号VG,D(n,m’)についても、受信ゲート間における時刻の同期はとられている。このため、フィルタ処理部62は、複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻(同じサンプリング番号)から狭帯域フィルタ処理を開始する。これにより、狭帯域フィルタ処理後の信号VG,D,f(n,m)について受信ゲート間で時刻の同期がとられる。狭帯域フィルタ処理後の信号VG,D,f(n,m)は周波数領域変換部63に出力される。信号処理部6がフィルタ処理部62を備えない場合、復調処理部61によって生成された復調処理後の信号が周波数領域変換部63に出力される。
次に、周波数領域変換部63は、フィルタ処理部62から入力した狭帯域フィルタ処理後の信号VG,D,f(n,m)に対して、下記式(18)に従う周波数領域変換処理を行い、周波数領域の信号f(n,k)を生成する(ステップST4c)。ただし、下記式(18)において、kは、周波数領域のサンプリング番号であり、Mfftは、周波数領域変換点数である。周波数領域変換処理に、下記式(18)に示す離散フーリエ変換を用いたが、FFTまたはチャープz変換を用いて周波数領域変換処理を行ってもよい。

Figure 0006567220
また、信号処理部6がフィルタ処理部62を備えていない場合、周波数領域変換部63は、復調処理部61から入力した復調処理後の信号に対して、同様に、上記式(18)に従う周波数領域変換処理を行うことで、周波数領域の信号f(n,k)を生成する。周波数領域変換部63によって生成された周波数領域の信号f(n,k)は、高精度化処理部64に出力される。
周波数領域の信号f(n,k)は、図6Bに示したように、速度νとゲート間隔の距離の情報とを含む信号である。また、図6Cに示したように、速度νの目標に対応する周波数領域の信号は、ゲート番号方向の波形を有している。この波形は、目標距離に近い受信ゲートで最大電力を示し、受信ゲート内の当該信号を用いた目標の測距が可能である。復調処理後の信号に対してフィルタ処理が施されると、パルスの形状が無くなり、正弦波に変換されるが、周波数領域の信号に変換することで、受信ゲート間で電力が変化する信号となる。これにより、パルス幅Tよりも接近した目標同士の分離が可能となる。
図15Aは、送信RF信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの複数の目標に対応する周波数領域の信号の観測値の波形を示す図である。図15Aにおいて、実線で示す波形は、ゲート番号nのゲート開始ビンm(n−1),m(n),m(n+1),m(n+2)のそれぞれにおける、周波数領域の信号の観測値の波形である。これらの周波数領域の信号は、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号と目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号が合成されている。
図15Bは、送信RF信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの目標ごとの周波数領域の信号の波形を示す図である。図15Bにおいて、破線で示す波形は、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形であり、一点破線で示す波形は、目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形である。目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形は、ゲート開始ビンm(n)に対応する距離で最大電力となっているが、その他のゲート開始ビンに対応する距離でも高い電力となっている。目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形は、ゲート開始ビンm(n+1)に対応する距離で最大電力となっているが、その他のゲート開始ビンに対応する距離でも高い電力となっている。
図15Cは、送信RF信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの複数の目標に対応する周波数領域の信号の観測値の波形を示す図である。ゲート番号nのゲート開始ビンm(n−1),m(n),m(n+1),m(n+2)のそれぞれにおける、周波数領域の信号の観測値の波形である。これらの周波数領域の信号には、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号と目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号とが合成されている。
図15Dは、送信RF信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの目標ごとの周波数領域の信号の波形を示す図である。図15Dにおいて、破線で示す波形は、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形であり、一点破線で示す波形は、目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形である。目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形は、ゲート開始ビンm(n)に対応する距離で最大電力となり、その他のゲート開始ビンに対応する距離では比較的低い電力となっている。目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形は、ゲート開始ビンm(n+1)に対応する距離で最大電力となり、その他のゲート開始ビンに対応する距離では比較的低い電力となっている。
図16Aは、受信ビデオ信号cの波形を示す図である。図16Bは、送信信号がパルス内変調されていない場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの目標ごとの周波数領域の信号の観測値のゲート番号方向の波形を示す図である。図16Bにおいて、波形j1は、パルス内変調されていない送信RF信号が受信されて得られた受信ビデオ信号c1に基づいて生成された周波数領域の信号の波形である。波形j2は、パルス内変調されていない送信RF信号が受信されて得られた受信ビデオ信号c2に基づいて生成された周波数領域の信号の波形である。目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形j1は、ゲート番号n=6の受信ゲートで最大電力となっているが、隣接する受信ゲートでも高い電力となっている。同様に、目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形j2は、ゲート番号n=8の受信ゲートで最大電力となっているが、隣接する受信ゲートでも高い電力となっている。
図16Cは、送信RF信号がパルス内変調された場合における、受信ゲート内にある同じ速度νの目標ごとの周波数領域の信号の観測値のゲート番号方向の波形を示す図である。図16Cにおいて、波形k1は、パルス内変調された送信RF信号が受信されて得られた受信ビデオ信号c1に基づいて生成された周波数領域の信号の波形である。波形k2は、パルス内変調された送信RF信号が受信されて得られた受信ビデオ信号c2に基づいて生成された周波数領域の信号の波形である。目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形k1は、ゲート番号n=6の受信ゲートで最大電力となり、隣接する受信ゲートでは低い電力となっている。同様に、目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形k2は、ゲート番号n=8の受信ゲートで最大電力となり、隣接する受信ゲートでは低い電力となっている。
送信信号にパルス内変調を施していない場合は、同じ速度の複数の目標が存在すると、図15A、図15Bおよび図16Bに示すように、レーダ装置における距離分解能が低くなり、目標の測距性能が劣化する。一方、送信信号にパルス内変調を施した場合、受信信号に対して、ゲート処理、復調処理、フィルタ処理および周波数領域変換処理を行うことにより、図15C、図15Dおよび図16Cに示すように、レーダ装置における距離分解能が向上し、目標の測距性能が向上する。
送信信号にパルス内変調を施していない場合のレーダ装置の距離分解能Δτと、送信信号にパルス内変調を施した場合のレーダ装置の距離分解能Δτとの間には、下記式(19)の関係が成り立つ。下記式(19)に示すように、距離分解能Δτは、距離分解能Δτよりも高分解能である。送信信号にパルス内変調を施していない場合のレーダ装置の測距精度τ0,accuracyと、送信信号にパルス内変調を施した場合のレーダ装置の測距精度τb,accuracyとの間には、下記式(20)の関係が成り立つ。下記式(20)に示すように、測距精度τb,accuracyは、測距精度τ0,accuracyよりも高精度である。下記式(20)において、snrは信号対雑音比である。

Figure 0006567220
さらに、ゲート番号nの受信ゲート内の目標番号ntgtの目標に対応する周波数領域の信号fd,ntgt(n,k)は、下記式(21)で表される。下記式(21)において下記式(22)に示す関係が成立すると、周波数領域の信号fd,ntgt(n,k)は、振幅最大値を示す。なお、下記式(22)において、kpeakは、振幅最大値を示す周波数領域の信号fd,ntgt(n,k)のサンプリング番号kである。

Figure 0006567220
図13Bに示したように、ゲート番号n=6の受信ゲートG6の通過開始は、サンプリング番号m’=6からである。また、図13Dに示したように、ゲート番号n=8の受信ゲートG8の通過開始は、サンプリング番号m’=8からである。ゲート処理部60によるゲート処理では、複数の受信ゲートの通過開始時刻は互いに異なるが、ゲート処理後の信号V(n,m’)および狭帯域フィルタ処理後の信号V(n,m)は、受信ゲート間で時刻の同期がとられている。
また、周波数領域変換部63は、上記式(18)に示したように、複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻(同じサンプリング番号)から周波数領域変換処理を開始する。復調処理部61は、ゲート処理後の信号に対して復調処理を行い、パルス内変調符号が復調される。このため、レーダ装置1では、複数の目標のそれぞれに対応する周波数領域の信号が振幅最大値を示すサンプリング番号kpeakが変化しないような制御が可能である。
ここで、図11の説明に戻る。
続いて、高精度化処理部64は、周波数領域変換部63から入力した周波数領域の信号f(n,k)に対して高精度化処理を行い、高精度化処理後の信号を生成する(ステップST5c)。例えば、高精度化処理部64は、複数の受信ゲートのそれぞれに対応する周波数領域の信号f(n,k)に対して、下記式(23)に従うフーリエ変換処理を行うことで、周波数領域の信号fd,G(q,k)を生成する。ただし、下記式(23)において、NG,fftはフーリエ変換点数(ゲート間の周波数領域変換点数)であり、qはフーリエ変換処理後の信号のサンプリング番号である。

Figure 0006567220
高精度化処理部64は、周波数領域の信号fd,G(q,k)に対して、下記式(24)に従う逆フーリエ変換処理を、下記式(25)に示すようにフーリエ変換点数NG,fftよりも多い変換点数NG,ifftで行い、高精度化処理後の信号f’d,G(qifft,k)を生成する。下記式(24)および下記式(25)において、NG,ifftは、逆フーリエ変換点数(逆周波数領域変換点数)であり、高精度化処理後の信号の距離方向のサンプリング数に相当する。qifftは、高精度化処理後の信号の距離方向のサンプリング番号である。

Figure 0006567220
例えば、逆フーリエ変換点数NG,ifftがフーリエ変換点数NG,fftのNG,multi倍である場合、高精度化処理後の信号f’d,G(qifft,k)における距離サンプリング間隔Δτb,ifftは、下記式(26)に示すようにΔmの1/NG,multiとなる。このように距離サンプリング間隔はΔmからΔτb,ifftに細分化される。

Figure 0006567220
図17Aは、受信ゲート内にある同じ速度の目標のそれぞれに対応する周波数領域の信号の波形を示す図である。図17Aにおいて、ゲート番号nの受信ゲートは、パルス幅Tの1/4のゲート幅を有している。破線で示す波形L1は、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号の波形であり、一点破線で示す波形L2は、目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号の波形である。
目標番号(1)の目標の距離は、ゲート番号n=6に対応するサブパルスの中央に相当する距離であり、目標番号(2)の目標の距離は、ゲート番号n=7に対応するサブパルスの中央に相当する距離である。目標番号(1)の目標と目標番号(2)の目標とがパルス幅Tよりも接近している場合、これらの目標のそれぞれに対応する周波数領域の信号にフィルタ形状損失が発生する。これにより、図17Aに示すように、周波数領域の信号に積分損失が発生し、これらの目標の検出と分離が困難になる。
図17Bは、受信ゲート内にある同じ速度の目標のそれぞれに対応する高精度化処理後の信号の波形を示す図である。図17Bにおいて、ゲート番号nに対応する距離サンプリング間隔はΔmからΔτb,ifftに細分化されている。実線で示す波形m1は、目標番号(1)の目標に対応する高精度化処理後の信号の波形であり、一点破線で示す波形m2は、目標番号(2)の目標に対応する高精度化処理後の信号の波形である。目標番号(1)の目標の距離は、ゲート番号n=6に対応するサブパルスの中央に相当する距離であり、目標番号(2)の目標の距離は、ゲート番号n=7に対応するサブパルスの中央に相当する距離である。
図17Bに示すように、目標番号(1)の目標に対応する周波数領域の信号と目標番号(2)の目標に対応する周波数領域の信号とに高精度化処理を行うことで、距離サンプリング間隔がΔτb,ifftに細分化される。これにより、目標番号(1)の目標と目標番号(2)の目標とがパルス幅Tよりも接近しても周波数領域の信号に積分損失せず、これらの目標の検出と分離が可能である。
高精度化処理部64によって生成された高精度化処理後の信号f’d,G(qifft,k)は、目標候補検出部65に出力される。なお、信号処理部6が高精度化処理部64を備えていない場合は、目標候補検出部65は、周波数領域変換部63から周波数領域の信号f(n,k)を入力する。
目標候補検出部65は、高精度化処理後の信号f’d,G(qifft,k)の強度に基づいて目標候補を検出する(ステップST6c)。例えば、目標候補検出部65は、セル平均−定誤警報確率(CA−CFAR)処理を用いて目標候補を検出する。CA−CFAR処理においては、誤警報確率Pfaが一定の指定値になるように目標候補が検出される。このため、目標候補検出部65は、目標候補の誤検出を制御することができるので、雑音をなるべく検出せずに、高精度化処理後の信号または周波数領域の信号の強度に基づいて目標候補を検出することが可能である。また、目標候補検出部65は、信号強度に基づいて目標候補を検出するので、目標候補に対応する信号の強度を制御することができ、信号の強度に基づく距離精度が得られる。
この後、目標候補検出部65は、高精度化処理部64から入力した高精度化処理後の信号f’d,G(qifft,k)と、CA−CFAR処理で検出した目標番号ntgtの目標候補に対応する、高精度化処理後の信号の距離方向のサンプリング番号qifft,ntgtおよび速度方向のサンプリング番号kntgtとを、目標候補距離算出部66に出力する。高精度化処理後の信号の距離方向のサンプリング番号qifft,ntgtと速度方向のサンプリング番号kntgtとによって、図6Aに示した一連の処理で得られる信号の距離方向の値と速度方向の値とが特定される(図6Aに示した距離と速度の関係を参照)。
信号処理部6が高精度化処理部64を備えない場合、目標候補検出部65は、周波数領域変換部63によって生成された周波数領域の信号f(n,k)の強度に基づいて目標候補を検出する。目標候補検出部65は、周波数領域変換部63から入力した周波数領域の信号f(n,k)と、CA−CFAR処理で検出した目標番号ntgtの目標候補に対応する、周波数領域の信号のゲート番号nG,ntgtおよび速度方向のサンプリング番号kntgtとを、目標候補距離算出部66に出力する。
目標候補距離算出部66は、目標候補検出部65によって検出された目標番号ntgtの目標候補の距離R’0,ntgtを、下記式(27)に従って算出する(ステップST7c)。目標候補距離算出部66によって算出された距離R’0,ntgtは、表示器7に出力される。表示器7は、目標候補距離算出部66から入力した目標番号ntgtの目標候補の距離R’0,ntgtを、目標情報として画面上に表示する。

Figure 0006567220
信号処理部6が高精度化処理部64を備えない場合、目標候補距離算出部66は、目標候補検出部65によって検出された目標番号ntgtの目標候補の距離R’0,ntgtを、下記式(28)に従って算出する。目標候補距離算出部66によって算出された距離R’0,ntgtは、表示器7に出力される。表示器7は、目標候補距離算出部66から入力した目標番号ntgtの目標候補の距離R’0,ntgtを、目標情報として画面上に表示する。

Figure 0006567220
目標候補の速度を表示する場合は、目標候補距離算出部66は、目標番号ntgtの目標候補の速度v’ntgtを下記式(29)に従って算出してもよい。目標候補距離算出部66によって算出されたv’ntgtは、表示器7に出力される。表示器7は、目標候補距離算出部66から入力した目標番号ntgtの目標候補の速度v’ntgtを、目標候補として画面上に表示する。

Figure 0006567220
以上のように、実施の形態1に係るレーダ装置1は、パルス内変調を施した送信RF信号を空間に放射して、空間内の目標で反射された送信RF信号に基づいて生成された受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、ゲート処理後の信号に対して復調処理を行い、復調処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、周波数領域の信号の強度に基づいて目標候補を検出し、目標候補の距離を算出する。これによって、受信ゲート内に複数の目標が存在する場合であっても、目標距離を正確に計測することができる。複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行うことで、受信ゲート間での雑音の影響が抑圧され、レーダ装置1の目標検出性能が向上する。
実施の形態1に係るレーダ装置1は、周波数領域変換部63によって生成された周波数領域の信号に対して高精度化処理を行うことで、高精度化処理後の信号を生成する高精度化処理部64を備える。目標候補検出部65は、高精度化処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出する。高精度化処理によってフィルタ形状損失が低減されるので、レーダ装置1の目標検出性能が向上し、目標分離性能も向上する。
実施の形態1に係るレーダ装置1は、復調処理後の信号に対して帯域通過フィルタ処理を行い、帯域通過フィルタ処理後の信号を生成するフィルタ処理部62を備える。周波数領域変換部63は、帯域通過フィルタ処理後の信号に対して周波数領域変換を行い、周波数領域の信号を生成する。帯域通過フィルタ処理を行うことで、サンプリング間隔が粗いサンプリングが可能となる。これにより、信号点数が減少して信号処理での演算量が低減されるため、ハードウェア規模が小さいレーダ装置1を実現できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係るレーダ装置は、受信ゲート内に複数の目標が存在する場合であっても目標距離を正確に計測することができるので、各種のレーダ装置に利用可能である。
1 レーダ装置、2,100 空中線、3 送信部、4 送受切替部、5 受信部、6 信号処理部、7,101 表示器、30 送信機、31 パルス内変調器、32 パルス変調器、33 局部発振器、50 受信機、51 A/D変換器、60 ゲート処理部、61 復調処理部、62 フィルタ処理部、63 周波数領域変換部、64 高精度化処理部、65 目標候補検出部、66 目標候補距離算出部、102 入出力インタフェース、103 外部記憶装置、104 処理回路、105 信号路、106 プロセッサ、107 メモリ。

Claims (7)

  1. パルス内変調を施した送信高周波信号を出力する送信部と、
    空間内の目標で反射された前記送信高周波信号の反射波を受信し、受信された受信高周波信号に基づいて受信ビデオ信号を生成する受信部と、
    前記受信部により生成された受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られたゲート処理後の信号を生成するゲート処理部と、
    前記複数の受信ゲート毎に前記ゲート処理部により生成された前記ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づいて復調処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた復調処理後の信号を生成する復調処理部と、
    前記複数の受信ゲート毎に前記復調処理後の信号に対して周波数領域変換処理を行い、ドップラ周波数を含む周波数領域の信号を生成する周波数領域変換部と、
    前記複数の受信ゲートに対応する複数の前記周波数領域の信号に対して前記ドップラ周波数を含む周波数領域のサンプリング番号毎に周波数領域変換処理を行い、前記周波数領域変換処理後の信号に対して、周波数領域変換点数よりも多い変換点数で逆周波数領域変換処理を行い、逆周波数領域変換処理後の信号を生成する高精度化処理部と、
    前記逆周波数領域変換処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出する目標候補検出部と、
    前記目標候補検出部によって検出された目標候補の距離を算出する目標候補距離算出部と、
    を備え、
    前記周波数領域変換部は、前記ゲート処理部によって設定されたそれぞれの受信ゲートの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号に対応する前記復調処理後の信号から周波数領域変換処理を開始すること
    を特徴するレーダ装置。
  2. 前記送信部は、パルス内符号変調を施した前記送信高周波信号を生成すること
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記送信部は、パルス内周波数変調を施した前記送信高周波信号を生成すること
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記ゲート処理部は、前記複数の受信ゲートのそれぞれをパルス幅よりも短い間隔で設定すること
    を特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  5. パルス内変調を施した送信高周波信号を出力する送信部と、
    空間内の目標で反射された前記送信高周波信号の反射波を受信し、受信された受信高周波信号に基づいて受信ビデオ信号を生成する受信部と、
    前記受信部により生成された受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られたゲート処理後の信号を生成するゲート処理部と、
    前記複数の受信ゲート毎に前記ゲート処理部により生成された前記ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づいて復調処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた復調処理後の信号を生成する復調処理部と、
    前記複数の受信ゲート毎に前記復調処理部により生成された復調処理後の信号に対して、前記複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号から帯域通過フィルタ処理を開始し、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた帯域通過フィルタ処理後の信号を生成するフィルタ処理部と、
    前記複数の受信ゲート毎に前記フィルタ処理部により生成された帯域通過フィルタ処理後の信号に対して、前記複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号から周波数領域変換処理を開始しドップラ周波数を含む周波数領域の信号を生成する周波数領域変換部と、
    前記周波数領域変換部により生成された前記複数の受信ゲートに対応する複数の前記周波数領域の信号に対して前記ドップラ周波数を含む周波数領域のサンプリング番号毎に周波数領域変換処理を行い、前記周波数領域変換処理後の信号に対して、周波数領域変換点数よりも多い変換点数で逆周波数領域変換処理を行い、逆周波数領域変換処理後の信号を生成する高精度化処理部と、
    前記高精度化処理部により生成された前記逆周波数領域変換処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出する目標候補検出部と、
    前記目標候補検出部によって検出された目標候補の距離を算出する目標候補距離算出部と、
    備えたレーダ装置。
  6. 送信部が、パルス内変調を施した送信高周波信号を出力するステップと、
    受信部が、空間内の目標で反射された前記送信高周波信号の反射波を受信し、受信された受信高周波信号に基づいて受信ビデオ信号を生成するステップと、
    ゲート処理部が、前記受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られたゲート処理後の信号を生成するステップと、
    復調処理部が、前記複数の受信ゲート毎に前記ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づいて復調処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた復調処理後の信号を生成するステップと、
    周波数領域変換部が、前記複数の受信ゲート毎に前記復調処理後の信号に対して、前記複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号から周波数領域変換処理を開始しドップラ周波数を含む周波数領域の信号を生成するステップと、
    高精度化処理部が、前記複数の受信ゲートに対応する複数の前記周波数領域の信号に対して前記ドップラ周波数を含む周波数領域のサンプリング番号毎に周波数領域変換処理を行い、前記周波数領域変換処理後の信号に対して、周波数領域変換点数よりも多い変換点数で逆周波数領域変換処理を行い、逆周波数領域変換処理後の信号を生成するステップと、
    目標候補検出部が、前記逆周波数領域変換処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出するステップと、
    目標候補距離算出部が、前記目標候補検出部によって検出された目標候補の距離を算出するステップと、
    備えた目標距離計測方法。
  7. 送信部が、パルス内変調を施した送信高周波信号を出力するステップと、
    受信部が、空間内の目標で反射された前記送信高周波信号の反射波を受信し、受信された受信高周波信号に基づいて受信ビデオ信号を生成するステップと、
    ゲート処理部が、前記受信ビデオ信号に対して複数の受信ゲートを設定したゲート処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られたゲート処理後の信号を生成するステップと、
    復調処理部が、前記複数の受信ゲート毎に前記ゲート処理後の信号に対してパルス内変調に基づいて復調処理を行い、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた復調処理後の信号を生成するステップと、
    フィルタ処理部が、前記複数の受信ゲート毎に前記復調処理後の信号に対して、前記複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号から帯域通過フィルタ処理を開始し、前記複数の受信ゲート間での時刻の同期が取られた帯域通過フィルタ処理後の信号を生成するステップと、
    周波数領域変換部が、前記複数の受信ゲート毎に前記帯域通過フィルタ処理後の信号に対して、前記複数の受信ゲートのそれぞれの位置によらずに、同時刻のサンプリング番号から周波数領域変換処理を開始しドップラ周波数を含む周波数領域の信号を生成するステップと、
    高精度化処理部が、前記複数の受信ゲートに対応する複数の前記周波数領域の信号に対して前記ドップラ周波数を含む周波数領域のサンプリング番号毎に周波数領域変換処理を行い、前記周波数領域変換処理後の信号に対して、周波数領域変換点数よりも多い変換点数で逆周波数領域変換処理を行い、逆周波数領域変換処理後の信号を生成するステップと、
    目標候補検出部が、前記逆周波数領域変換処理後の信号の強度に基づいて目標候補を検出するステップと、
    目標候補距離算出部が、前記目標候補検出部によって検出された目標候補の距離を算出するステップと、
    備えた目標距離計測方法。
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