JP6566428B2 - 生体関連物質等の採取具及び採取キット - Google Patents

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Description

本発明は、医療機関や食品、医薬品等の製造工場などで生体関連物質を検査する場合に使用される生体関連物質の採取具及び採取キットに係り、特に微生物やウイルス等の微小な生体関連物質の採取に適した生体関連物質の採取具及び採取キットに関する。または、本発明は、光ファイバー用コネクタ等の光学機器の汚れを拭き取る拭取り具に関する。
生体関連物質の検査には、長年用いられている培養法と、遺伝子工学の発展に伴い普及した迅速法とが実施されている。迅速法は、培養法に比べて短時間で検査結果が得られるため、再生医療現場、食品工場、環境中の微生物等の生体関連物質の検査に採用されている。迅速法とは、環境中の装置、配管内等に付着している微量の微生物やウイルス等の生体関連物質を拭取具で採取し、生体関連物質から核酸(DNAまたはRNA)を抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により核酸を増幅して迅速測定器(リアルタイムPCR装置等)を用いて、生体関連物質を分析・解析するものである。
生体関連物質を採取するために、拭取用のスワブ(拭取り器具)が用いられている。なお、スワブとは、芯材、繊維、樹脂等の拭取り部からなる微生物拭取り器具である。このような微生物拭取り器具が特許文献1に開示されている。特許文献1は、拭き取り用含浸体を、リン酸緩衝液等の溶液の入った容器内に収容した構造の環境微生物検査用の拭取り器具である。光ファイバー用コネクタ等の光学機器において、光学要素の露出面(光ファイバーの端面)及びその周囲の汚れを除去するためにも、上述したような拭取用のスワブを用いた光コネクタクリーナが提供されている。
特開2011−69778号公報
特許文献1に開示された拭取り器具では、検査部位の生体関連物質に直接触れて採取する拭き取り体として綿を玉状にまるめた綿球が使用されていたため、拭き取り面積が小さく一度の拭き取り操作で拭き取れる生体関連物質の拭き取り量も少なくなっていた。また、綿球自体が溶液及び生体関連物質を吸収して保持するため、拭取り器具から取り出せる生体関連物質の絶対量が少なくなるおそれも生じていた。また、従来のスワブに用いる拭き取り体としては、綿球の他に、繊維袋を芯材端部に被せて固定したものが用いられている。このような、繊維袋の拭き取り面は、拭き取りの際にずれ易いだけでなく、拭き取り面の内面と芯材端部との間に空間が生じて、この空間に採取された生体関連物質を含む溶液が溜まるため、検査の際に拭取り器具から生体関連物質の回収率が低くなるおそれが生じていた。
さらに、従来のスワブは、培養法で用いることを前提としていたため、スワブ自体に夾雑物が比較的多く含まれている。従来のスワブは使用前に滅菌処理が行われるが、滅菌処理ではDNA等の核酸を十分に分解することができなかった。なお、培養法では滅菌処理が行われていれば、残存DNAは増幅されないため問題は生じなかった。しかしながら、このようなスワブを迅速法に使用すると、夾雑物中の残存DNAがPCRで増幅・検出されるため、正確な検査が困難になるおそれが生じていた。
そこで、本発明は、生体関連物質を効率よく回収して検査に提供できる生体関連物質の採採取具及び採取キットの提供を目的とする。または、本発明は、夾雑物が比較的少ない生体関連物質の採取キットの提供を目的とする。
または、本発明は、光ファイバー用コネクタ等の光学機器に対して、簡易な構造で光学要素の露出面(端面)及びその周囲の汚れを除去する拭取り具の提供を目的とする。
本発明の各態様は次の通り構成される。
(態様1)検体を採取するための採取具であって、前記採取具は、扁平な本体と、前記本体の先端領域側の幅広な表面に溶着または融着された極細繊維布から構成される採取面とを備える、採取具。(態様2)態様1に記載の検体の採取具において、前記極細繊維布は、繊維径が0.7μm〜8μmである、検体の採取具。(態様3)態様1または2に記載の検体の採取キットにおいて、前記極細繊維布は、前記本体の表面に熱溶着または超音波溶着される、検体の採取具。(態様4)態様3に記載の検体の採取具において、前記極細繊維布は、前記本体の表面にホットメルト接着剤を介して溶着または融着される、検体の採取具。
(態様5)態様1〜4のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記本体は、可撓性樹脂から形成される、検体の採取具。(態様6)態様1〜5のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記採取面は、前記本体の前記先端領域側の上面及び/または下面に設けられる、検体の採取具。(態様7)態様1〜6のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記採取面は、前記本体の表面に対して傾斜した傾斜面を備える、検体の採取具。(態様8)態様1〜7のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記採取面を含む前記採取具の末端領域は、ヘラ状に形成される、検体の採取具。(態様9)態様1〜8のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記採取具は、その長手方向に沿って延びる1つまたは複数のリブを備える、検体の採取具。
(態様10)態様9に記載の検体の採取具において、前記リブは、前記採取具の上面及び/または下面に形成される、検体の採取具。(態様11)態様9または10に記載の検体の採取具において、前記リブは、前記採取面に向かって傾斜する前記傾斜面を備える、検体の採取具。(態様12)態様1〜11のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記採取面は複数の採取面であり、当該複数の採取面は、それぞれ前記本体から分離可能である、検体の採取具。(態様13)態様12に記載の検体の採取具において、前記複数の採取面は、当該複数の採取面を前記本体から分離するための摘み部をそれぞれ備える、検体の採取具。(態様14)態様12又は13に記載の検体の採取具において、前記摘み部は、前記本体から離れて延在する、検体の採取具。
(態様15)態様13又は14に記載の検体の採取具において、前記複数の採取面のそれぞれが、前記本体の上面及び/又は下面に摘み部を備える、検体の採取具。(態様16)態様12〜15のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記複数の採取面は、前記本体の前記表面上で互いに並行に延在する、検体の採取具。(態様17)態様1〜16のいずれか1項に記載の検体の採取具において、前記検体が、生体関連物質、有機物、及び無機物を含む、検体の採取具
(態様18)態様1〜17のいずれか1項に記載の採取具と、前記採取具を収容可能な容器と、前記採取具を保持した状態で前記容器内に前記採取具を密閉するキャップとを備える、検体の採取キット。(態様19)態様18に記載の検体の採取キットにおいて、前記本体がその末端に接続端部を備え、前記キャップが前記接続端部を取り付けるための取付開口部を備える、検体の採取具。(態様20)態様18または19に記載の検体の採取キットに、物理処理及び/または化学処理を施すことにより夾雑物を除去することを特徴とする、検体の採取キットを製造する方法。
(態様21)汚れを拭き取るための拭取り具であって、前記拭取り具は、本体と、前記本体の端部から延長する延長部と、前記延長部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部の表面に設けられた拭取り面とを備え、前記拭き取り面が、前記表面に溶着または融着された極細繊維布から構成される、拭取り具。(態様22)態様21に記載の拭取り具であって、前記延長部の表面に前記拭取り面が設けられる、拭取り具。(態様23)態様21又は22に記載の拭取り具であって、前記湾曲部は、前記拭取り具の前記湾曲部を被拭取り面に押圧すると変形して前記被拭取り面との接触領域が増加するような可撓性を有する、拭取り具。(態様24)態様21〜23のいずれか1項に記載の拭取り具を用いて、光ファイバー用コネクタの内面を拭き取る、光ファイバー用コネクタの拭き取り方法。
本発明は、検体を効率よく採取し検査に提供する検体の採取具及び採取キットを提供することができる。または、本発明は、夾雑物が比較的少ない検体の採取キットを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る採取キットを示す分解斜視図である。 図1の採取具の(a)上面図及び(b)側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る採取具の(a)上面図、(b)側面図、(c)後端面図である。 本発明の第3の実施形態に係る採取具の(a)上面図、(b)側面図、(c)下面図、及び(d)後端面図である。 本発明の各実施形態に用いる極細繊維の電子顕微鏡写真である。 第1の実施形態及び比較例による液中パーティクルの測定結果を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る採取具の(a)上面図、(b)側面図、及び(c)下面図である。 本発明の第5の実施形態に係る採取具の側面図である。 本発明の第6の実施形態に係る採取具の側面図である。 本発明の第7の実施形態に係る拭取り具の(a)正面図、(b)側面図、(c)上面図である。 図10の拭取り具を用いて光ファイバーの接続部を掃除する状態を示す側面図である。
本発明の検体の採取具及び採取キットに係る各実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付し適宜説明を省略する。また、本発明の各実施形態に係る生体関連物質の採取具は、汚れ拭取り具とすることもできる。さらに、本発明の第7の実施形態に係る拭取具は、生体関連物質等の採取具とすることもできる。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態に係る生体関連物質の採取キット1の全体構成を説明する。図1に示すように、採取キット1は、一端が閉塞され、内部に所定量の希釈液が充填される容器3と、容器3の開口部5に対して着脱可能に装着されるキャップ15と、キャップ15に装着される採取具(スワブ)80とから構成される。キャップ15は、容器3の開口部5に対して着脱可能に装着される。キャップ15は、採取具80の接続端部84を保持する取付開口部11と、取付開口部11の円筒状空間を通って生体関連物質を含んだ希釈液を外部に取り出す排出口13とを備える。採取具80の接続端部84は、キャップ15の取付開口部11に圧入して固定される。
キャップ15は、一端が閉塞された一例として円筒状の部材で、閉塞された一端には、上述した排出口13が形成されている。また、排出口13が形成されているキャップ15の一端には、ヒンジ33を介して蓋体35が開閉可能な状態で取り付けられている。蓋体35は、キャップ15とほぼ同径の一端が閉塞された短寸の円筒状の部材によって構成されており、蓋体35の閉塞された一端の内面には、排出口13に嵌る栓37が内方に向かって突出状態で設けられている。
また、キャップ15の側胴部の内周には、容器3の雄ネジ部6と噛み合う雌ネジ39が形成されている。キャップ15の閉塞された一端の内面には、採取具80の接続端部84を保持する取付開口部11が内方に向かって突出状態で設けられている。なお、キャップ15、ヒンジ33、及び蓋体35は、一例として上述した容器3と同材料の一体成形品によって構成されており、ヒンジ33については、柔軟な曲げ変形を可能にするために、他の部位よりも肉薄に形成されていることが望ましい。
第1の実施形態の採取キット1に取り付けられた採取具80の構成を説明する。図2に示すように、採取具80は、細長い板状の本体(扁平な芯材)82と、本体82の一方の末端領域に形成された接続端部84と、本体82の他方の末端領域に形成された拭取り面または採取面(拭取り体)86とから構成される。拭取り面86は、本体82の先端領域側の幅広な表面(上面及び下面)の全体にわたって溶着または融着された極細繊維布から構成される。図2(a)に示すように、接続端部84は、x方向の幅が本体82の幅より狭く形成されている。図2(b)に示すように、本体82の拭取り面86に傾斜面87を形成することにより、鋭角な先端部87aが形成される。本体82の先端部87aを含む末端領域はヘラ形状である。
拭取り面86は、本体82の下面82aから傾斜面87を介して本体82の上面82bまで連続的に形成されている。本体82及び接続端部84は、好ましくは、拭取り時に力を加えても折れにくい可撓性樹脂、例えば、ポリプロピレン(PP)等により一体形成することができる。拭取り面86は、樹脂製の極細繊維布を扁平な本体82に、溶着または融着することにより構成される。具体的には、ホットメルト(無溶剤型接着剤)を用いて、極細繊維布を本体82の表面に熱溶着または超音波溶着することにより、極細繊維布を拭取り面86として本体82と一体化する(貼り付ける)ことができる。この極細繊維布としては、好ましくは核酸またはタンパク質等を含む生体関連物質を繊維表面で絡め取ることができる極細繊維ニットを用いることができる。
極細繊維には、ポリエステル繊維(PET)等を用いることができる。極細繊維の平均繊維径は、好ましくは0.7μm〜8μm、より好ましくは1μm〜5μm、さらに好ましくは2μmとすることができる。図5に2μmの繊維径を有する極細繊維布の電子顕微鏡写真を示す。図5において(a)は極細繊維布の表面写真、(b)極細繊維布の断面写真、(c)は極細繊維布の拡大断面写真である。このような繊維径の極細繊維布を用いることにより、綿等の通常繊維(15μm程度の繊維径)に比べて、極細繊維は繊維隙間で異物と共存する微生物を効率よく確実に採取することができる。極細繊維としては、好ましくは長繊維のポリエステルを用いることができる。採取キット1または採取具(スラブ)80をクリーンルーム内で化学処理及び物理処理を行って密閉した状態で出荷することが好ましい。化学処理は、例えば、夾雑物(特に核酸)を酸化分解することである。物理処理は、例えば、純水中で超音波洗浄を行った後、純水で洗浄することである。
採取具80の製造方法を、工程1〜4にしたがって説明する。(工程1)極細繊維布と、台紙付きのホットメルト接着剤をアイロンで溶着する。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂である。一般にホットメルトはPP、PE等には接着しにくいが、東亜合成株式会社が提供するホットメルト接着剤である、アロンメルトシリーズの変性オレフィン系接着剤は、PP、PE等に接着が可能であるため、これを用いて熱溶着を行うことができる。アイロン(加熱具)としては、加熱の際に繊維全体が溶解することを防止するために、剣山型アイロンを用いることができる。剣山型アイロンは、等間隔で配置された複数の針を備えている。このような剣山型アイロンを用いることにより、等間隔に配置された複数の溶着点で極際繊維布を本体に溶着することができる。
(工程2)ホットメルト付の極細繊維布をレーザー加工機でカットする。レーザー出力とスピード調整でカット端面の硬さを調節することができる。(工程3)カットしたホットメルト付き極細繊維布をPP製の本体82(スワブ芯材)に熱溶着する。(工程4)扁平な本体82に、極細繊維布の裏面すべてをホットメルトで接着させる。これによって、市販品のように繊維袋を芯材に被せて拭取り面を構成していないため、拭取り面の一部が拭取り時に「動く」、または「ずれる」ことはない。
第1の実施形態の採取具80は、拭取り面86を用いて平面上に存在する、生体関連物質である微小対象物(微生物を含む異物、バイオフィルム等)を採取する(拭き取る、または掻き取る)ことができる。さらに、先端部が鋭角なヘラ状の先端部87aによって、被検査物品の隅にある微小対象物を採取しやすくなる。
第1の実施形態の採取具は、極細繊維を採取部(スワブ)の本体(芯材)に溶着するため、従来のように、袋状繊維布を芯材に被せる場合に比べて、密着性が高くなり、繊維布と芯材との間に不要な空間が生じにくくなり、採集した対象物が容器内の溶液に効率よく移動するため、生体関連物質の回収率が向上する。従来の袋状繊維布を芯材に被せる場合は、採取された生体関連物質が袋内に留まり袋外に出にくいと考えられる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係る生体関連物質の採取具を図3を用いて説明する。第2の実施形態の採取キットは、採取具の構造以外は第1の実施形態の採取キットと同じであるため、同じ部分の説明は省略する。
図3に示すように、第2の実施形態の採取キットは、採取具80Aを備える。採取具80Aは、本体82の長手方向に沿って延びる、下面リブ89及び上面リブ88を備える。下面リブ89は、本体下面82aから下方に突出し、接続端部84から本体82の中央までy方向に連続的に形成される。下面リブ89は、拭取り面86側向かって傾斜する傾斜面89aを備える。上面リブ88は、本体上面82bから上方に突出して、接続端部84から拭取り面86の直前または近傍まで連続的に形成される。上面リブ88は、拭取り面86側向かって傾斜する傾斜面88aを備える。
リブ88、89は、採取具80Aと一体成形することができる。採取具80Aがリブ88、89を備えることにより、採取具80Aの成形時に、採取具80Aの本体82が反り返る等、本体82に歪みが生じることを防止できる。第2の実施形態において、リブは2つ設けたがこれに限定されず、上面または下面の一方に1つのリブを設けたり、3つ以上のリブを設けたりすることも可能である。リブ88、89に傾斜面88a、89aを設けることにより、拭取り面86側の弾性を高めて採取(拭き取り、または掻き取り)を容易にすることができる。接続端部84側までリブ88、89を設けることにより接続端部84の剛性が向上するため、キャップ15の取付開口部11に対して採取具80Aの接続端部84を圧入して剛直に固定することができる。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態に係る生体関連物質の採取具を図4を用いて説明する。第3の実施形態の採取キットは、採取具の構造以外は第1の実施形態の採取キットと同じであるため、同じ部分の説明は省略する。図4に第3の実施形態の採取具80Bを示す。第3の実施形態の採取具80Bは、基本的に第2の実施形態の採取具80Aと同様な構造であるが各部のサイズ及び形状が相違する。採取具80Bの傾斜部87のy方向長さ(例えば10mm)は、採取具80Aの傾斜部87のy方向長さ(例えば5mm)よりも大きくなっている。リブ88、89のx方向厚みは、0.8mmとすることができる。採取具80Bは各コーナー部が面取りされて丸くなっている点で、採取具80Aとは相違する。
一般に微生物のサイズは、0.2μm〜数十μmと言われている。微生物は単独の存在ではなく、栄養源である食品片や微生物が作るバイオフィルム等に付着していることが多い。配管等のバイオフィルムは配管内壁面に固着しており簡単には採取しにくい。本発明の第1及び第2の実施形態の採取具80、80A、80Bは、本体82を扁平にすることにより拭き取り面積を拡大し拭取り機能を向上することができる。
第2の実施形態の採取具80A、及び第3の実施形態の採取具80Bは、図1に示したキャップ15に装着される。生体関連物質を採取する際、採取具80Aまたは80Bをキャップ15に装着した状態で用いる。この状態で、キャップ15を手に持ち、採取具80Aまたは80Bの拭取り面86を、壁面等の物品の表面に押し当てて生体県連物質を拭き取る。このように押し当てる際、採取具80Aまたは80Bは、接続端部84から拭取り面86の直前または近傍までリブを有するため、採取具全体としてはリブにより剛性を保ちつつ、リブが存在しない拭取り面86には拭き取りまたは採取に適切な弾性を与えることができる。また、リブの長さ及び/または厚さを調整すること、リブの傾斜面の傾斜角度を調整すること、及び/またはリブを設ける数を調整するが可能である。このような調整により、採取具を形成する樹脂材料を変更することなく、採取具の剛性及び拭取り面の弾性を任意に調整することができる。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態に係る生体関連物質の採取キットを説明する。第4の実施形態の採取キットは、採取具の拭取り面の構造以外は第3の実施形態の採取キットと同じであるため、共通する部分の説明は省略する。図7に示すように、第4の実施形態の採取具80Cは、y方向(長手方向)に延びる2つに分割された拭取り面または採取面(拭取り体)86a、86aを備える。2つの拭取り面86a、86aは、本体82の上面82b側から傾斜面87を介して下面82aまでの並行に延在している。図7(a)及び(b)に示すように、拭取り面86aは、それぞれ、本体82の上面82b側において、リブ88の傾斜面88aの近傍に、第1の摘み部86bを備えている。
拭取り面86a及び摘み部86bは、第1の実施形態で述べた極細繊維布から一体的に構成されている。拭取り面86aが本体82の上面82bに溶着または接着されるものの、摘み部86bは、本体82に溶着または接着されず、本体82から離れる方向に延在している。拭取り面86aは、第1の摘み部86b側から引き剥がせる程度に弱く本体82に溶着または接着されている。採取具80Cを用いて生体関連物質を拭き取った後に、それぞれの第1の摘み部86bを、滅菌したピンセット又は手袋で摘まんで、それぞれの拭取り面82aを、本体82から引きはがすことができる。これによって、それぞれの拭取り面82aに拭き取られた生体関連物質又は検体を独立して保管または検査をすることができる。なお、第1の摘み部86bの表面を圧縮又は加熱して、隙間の少ない表面に加工することにより、第1の摘み部86bをメモスペースとすることができる。メモスペースには、ボールペン等の筆記具で、検体の情報(採取の場所や日時)を記入することもできるため、拭取り面86aを引き剥がした後に、検定の特定が容易となる。
〔第5の実施形態〕
第5の実施形態に係る生体関連物質の採取具を説明する。第5の実施形態の拭取り具は、第4の実施形態の拭取り具の変形であるため、第4の実施形態と共通する部分の説明は省略する。図8に示す第5の実施形態の拭取り具80Dは、本体82の下面82a側に、2つの第2の摘み部86cを備えている。採取具80Dを用いて生体関連物質を拭き取った後に、拭取り面82aの第1の摘み部86b及び/又は第2の摘み部86cを摘まんで、拭取り面82aを、本体82から引き剥がす(分離する)ことができる。第5の実施形態では、第1の摘み部86b及び第2の摘み部86c側(上面82b及び下面82a側)から拭取り面82aを引き剥がすことができるため、引き剥がす際に拭取り面82aに係る応力をより小さくすることができる
〔第6の実施形態〕
第6の実施形態に係る生体関連物質の採取具を説明する。第6の実施形態の拭取り具は、第5の実施形態の拭取り具の変形であるため、第5の実施形態と共通する部分の説明は省略する。図9の第6の実施形態の拭取り具80Eは、本体82の下面82a側に、2つの第2の摘み部86cを備えるが、本体82の上面82b側に、第1の摘み部86cを備えていない。第5の実施形態では、本体82の上面82b側に、第1の摘み部86cを備えていないため、拭き取り時に第1の摘み部86cが邪魔にならない。
〔第7の実施形態〕
第7の実施形態に係る汚れの拭取り具(スティッククリーナー)を説明する。図10に示すように、拭取り具100は、円柱状の本体110と、本体110の末端から長手方向に延長される延長部120と、延長部120の末端に形成される湾曲部140とから構成されている。本体110、延長部120、及び湾曲部140は、好ましくは、ポリプロピレン等の可撓性を有する樹脂から一体成型される。さらに、拭取り具100は、その表面に拭取り面150が設けられている。拭取り面150は、第1の実施形態で述べたPET製の極細繊維布から構成される。この極細繊維布が、本体110末端の曲面、延長部120の外側面、及び湾曲部140の外側面に、それぞれ溶着または接着されることにより、拭取り面150を形成する。
第7の実施形態の拭き取り具100は、光学機器の狭い部分の拭き取りに適合する。例えば、図11に示すように、光ファイバー用コネクタの汚れの拭き取りに好適である。図11には、光ファイバー用コネクタ300が示されている。コネクタ300は、筒状のレセプタクル310と、レセプタクル310内部に圧入されるフェルール320と、フェルール320の中心を延びる光ファイバー330とから構成され、フェルール320及び光ファイバー330(光学機器)には、他の光ファイバー及びフェルールと接続される端面(露出面)340が形成されている。
拭取り具100は、拭き取り時に、図11(a)に示すように、レセプタクル310の開口側からコネクタ300の内部に挿入される。挿入中に、延長部120側の拭取り面150をレセプタクル310の内面に接触した状態で長手方向(軸方向)に移動することにより、レセプタクル310の内面の汚れを拭き取ることができる。さらに、拭き取り具100の湾曲部140側の拭取り面150を光ファイバー330の端面340に押圧すると、湾曲部140が押し潰されて平坦になり、湾曲部140側の拭取り面150と光ファイバー330の端面340との接触面積が増大する。この押し潰された状態で、図11(c)に示すように、拭取り具100の本体110を回転させると、光ファイバー330の端面340に拭取り面150が擦り付けられ、端面340の塵芥等の汚れを効率よく拭き取ることができる。
このように拭取り具100は、回転と上下動により、拭取り面(繊維の接触面)で、レセプタクル内面及び光ファイバーの端面(コア)の汚れを拭き取ることができる。また、第7の実施形態において、拭取り具100は、本体110、延長部120、及び湾曲部140が一体成型され、拭取り面150を構成する極細繊維が延長部120、及び湾曲部140に溶着されるため、拭取り具100の構造及び製造工程が簡易化されて、製造コストを低減できる。
本発明の各実施形態において、採取キット1は希釈液を備えた、ウエット型の採取キットしたが、これに限定されず、希釈液を備えない、ドライ型の採取キットとすることもできる。ドライ型の採取キットとした場合は、希釈液を保持する必要がなくなるため、容器3をより薄く形成することができる。例えば、ドライ型の採取キットとした場合、容器3は、内部に乾燥剤を配置した密封可能な袋状容器とすることができる。ドライ型の採取キットとすることにより、拭き取った生体関連物質が分解または腐敗することを防止できる。
本発明の各実施形態において、生体関連物質を拭き取るものとしたが、拭き取る対象は、生体関連物質に限定されず、有機物、無機物、または放射性核種等の、任意の検体を拭き取るために、各実施形態の拭取り具及び拭取りキットを用いることができる。
第4〜第6の実施形態において、独立して引き剥がせる2つの拭取り面(採取面)86aを備えるとしたが、これらの拭取り面は、2つに限定されず複数の拭取り面(採取面)を並行に配置することもできる。
第1の実施形態の採取具(スワブ)80と、第1及び第2の比較例の市販スワブとの比較実験を行った。第1の実施形態のスワブ80は、PP製の扁平な板状の本体(芯材)と、PET製の極細繊維ニットを芯材に溶着した拭取り面とを備え、比較実験前に化学処理、物理処理(超音波洗浄)を行った。第1の比較例のスワブは、市販品であり、芯材と、芯材の先端に被されたPET製のニット袋とを備え、比較実験前に化学処理、物理処理(超音波洗浄)を行った。第2の比較例のスワブは、第1の比較例とは異なる市販品であり、芯材と、芯材の先端に被されたPET製のニット袋とを備え、比較実験前に化学処理、物理処理を行わなかった。
上述した第1の実施形態、第1及び第2の比較例、の各スワブについて、液中パーティクル測定器を用いて液中パーティクルを測定した。測定結果を表1及び2に示すとともに、図6のグラフに表示する。第1の実施形態のスワブのパーティクル数が第1及び第2の比較例と比べて、一番少ない値となり不純物が少ないことが示された。なお、第1の実施形態及び第1の比較例は、比較実験前に化学処理及び物理処理を行ったため、未処理の第2の比較例に比べて、パーティクル数の値が顕著に小さいことが示された。これによって、化学処理及び物理処理がパーティクル数の低減に有効であることが示された。
1 採取キット
3 容器
11 取付開口部
15 キャップ
80 採取具(スワブ)
82 本体(芯材)
84 接続端部
86 拭取り面
87 傾斜面
88 上面リブ
89 下面リブ
80A 採取具(スワブ)
80B 採取具(スワブ)

Claims (2)

  1. 検体を採取するための採取具であって、
    前記採取具は、上面および下面を有する扁平な本体と、前記本体の先端領域側の幅広な表面に溶着または融着された極細繊維布から構成される採取面とを備え、
    前記採取面は、対向する前記上面に対して傾斜した前記下面に形成される傾斜面を備え、前記傾斜面を形成することにより、前記本体に鋭角な先端部が形成され
    前記採取具は、その長手方向に沿って延びる1つまたは複数のリブを備え、前記リブは、前記採取具の上面及び/または下面に形成される、検体の採取具。
  2. 検体を採取するための採取具であって、
    前記採取具は、上面および下面を有する扁平な本体と、前記本体の先端領域側の幅広な表面に溶着または融着された極細繊維布から構成される採取面とを備え、
    前記採取面は、対向する前記上面に対して傾斜した前記下面に形成される傾斜面を備え、前記傾斜面を形成することにより、前記本体に鋭角な先端部が形成され
    前記採取面は複数の採取面であり、当該複数の採取面は、それぞれ前記本体から分離可能であり、前記複数の採取面は、当該複数の採取面を前記本体から分離するための摘み部をそれぞれ備える、検体の採取具。
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