JP6566258B2 - 感圧転写修正テープ - Google Patents

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本発明は、紙面などに誤って記録された文字などを隠蔽修正するために使用される感圧転写修正テープに関する。
従来、ボールペン、万年筆、サインペン、マーカーペン等の筆記具による筆記やレーザープリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等による印刷物、PPCコピーによるコピー描線、感圧複写物等、消しゴムでは消せないものを消去する際には、自動巻き取り機構を持った手持ちタイプの感圧転写修正テープが提供されている。これらの感圧転写修正テープは基材の一方の面に離型層を設け、もう一方の面に離型層、隠蔽層、粘着層を順次設けた3層構造となっている3層型が主流となっている。
また、コストダウンを目的として、基材の一方の面に離型層を設け、もう一方の面に隠蔽層、粘着層を順次設けた2層構造となっている2層型の感圧転写修正テープも提案されている。例えば特許文献1には、隠蔽層に特定の樹脂と、着色顔料を非常に高い比率で含有する2層型感圧転写修正テープが提案されている。
前記2層型感圧転写修正テープは離型層が無く、さらに隠蔽層中の着色顔料の含有量が非常に高い比率であるため、転写を行う際には隠蔽層が凝集剥離する。この凝集剥離面は凹凸であるがゆえにインクの吸収性に富み、良好な再筆記性を提供できる。
前記2層型感圧転写修正テープは隠蔽層が凝集剥離して転写をおこなうが、このために隠蔽層を崩れやすく、言い換えれば内部凝集力を低く設計する必要がある。この結果、2層型感圧転写修正テープにおいては離型性を確保した上で、転写した隠蔽層の内部凝集力が低いことによる問題点、例えば転写時のひび割れや粉落ち等を解決する必要がある。
特許文献1においては、隠蔽層のバインダー樹脂中に凝集力の高い特定の樹脂を含有させることで離型性とひび割れ、粉落ち等の解消を両立させている。しかしながら、本発明者が実験を行った結果、特許文献1の構成では普通紙上の通常の筆記やコピー描線等の修正は行えるが、例えばボンド紙等の平滑度の低い用紙や、ボールペン等を使用して強い筆圧で書かれた筆記痕、修正テープで修正を行った際に転写した修正テープで生じる段差、等の比較的大きな凹凸に転写を行った場合は転写した修正テープにひび割れが発生することが判明した。また、修正テープを重ねて転写しようとした場合、下になった修正テープの隠蔽層が崩れやすいため、上から転写したテープが剥がれてしまい、重ね転写が出来ないという不具合も判明した。
さらに近年では、先端のボール径が直径0.3mm以下の、従来の一般品より小径のボールを使用したいわゆる極細ボールペンが普及してきている。これら極細ボールペンでは必然的にボール先端の単位面積当たりの圧力は従来品より高くなる。このような極細ボールペンを用いて、転写した修正テープ上に再筆記を行った場合、特許文献1における修正テープでは筆圧により転写した隠蔽層が崩れてしまい、隠蔽した部分が露出したり、崩れた隠蔽層がボールに付着し、結果として筆記を阻害するなどの不具合があることも判明した。
これらの不具合は、隠蔽層の内部凝集力が不足していることに起因しているが、内部凝集力をあげるために単純に隠蔽層中のバインダー樹脂比率を上げると、隠蔽層が基材から剥離しにくくなるため離型性が低下してしまう。よって2層型の感圧転写修正テープとしては十分満足のいくものは従来得られていない。
特開2000−108591号公報
本発明の目的は、従来の2層型感圧転写修正テープでは対応できなかった比較的大きな凹凸に転写しても転写した修正テープにひび割れが発生せず、重ね転写が可能で再筆記性に優れた、2層型感圧転写修正テープを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、隠蔽層に熱可塑性エラストマーとロジン変性マレイン酸樹脂を含有し、前記熱可塑性エラストマーと前記ロジン変性マレイン酸樹脂の比率を特定の値とすることで、隠蔽層に基材からの離型性をある程度持たせた上で、柔軟性と内部凝集力を持たせることができることを見出し、前記の比較的大きな凹凸に転写を行ってもひび割れが発生しないことを見出した。またこの隠蔽層では基材からの離型性が不十分であるが、本発明者はこの隠蔽層にさらにポリエチレンワックス粒子を含有させると、隠蔽層が基材から剥離して転写ができ、前記ひび割れや重ね転写を良好な状態に保ったままで、転写面を非光沢のインク吸収性に富み、再筆記性にすぐれる状態にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明は、基材の一方の面に離型層が設けられ、もう一方の面に隠蔽層、粘着層がこの順で設けられた感圧転写修正テープにおいて、前記隠蔽層が、酸価が100〜300KOHmg/gであるロジン変性マレイン酸樹脂と、熱可塑性エラストマーと、ポリエチレンワックス粒子と、着色剤からなり、前記隠蔽層中に、前記ロジン変性マレイン酸樹脂を4.0〜12.0重量%、前記熱可塑性エラストマーを3.2〜15.0重量%、前記ポリエチレンワックス粒子を5.0〜15.0重量%、前記着色剤を58.0〜87.8重量%含有し、かつ前記ロジン変性マレイン酸樹脂と前記熱可塑性エラストマーの重量比が1:0.8〜1:1.25の範囲であることを特徴とする感圧転写修正テープである。
第2発明は、前記隠蔽層中の前記ポリエチレンワックス粒子の平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする第1発明に記載の感圧転写修正テープである。
第3発明は、前記隠蔽層中の前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマー樹脂であることを特徴とする第1発明または第2発明に記載の感圧転写修正テープである。
本発明によれば、従来の2層型感圧転写修正テープでは対応できなかった比較的大きな凹凸に転写しても転写した修正テープにひび割れが発生せず、重ね転写が可能で再筆記性に優れた、2層型感圧転写修正テープを提供できる。
(基材)
本発明の基材としては、一般に感圧転写修正テープの基材として用いられているものが適宜使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製フィルムが好適である。なかでも強度面からPETフィルムが特に好ましい。基材の厚みとしては3〜25μmが好ましく、6〜18μmがより好ましい。基材の厚みが3μm未満になると、機械的な強度が低下して基材切れを起こしたり、離型層や隠蔽層、粘着層の塗工時の取り扱いが困難となり生産性の低下を招く。また、基材の厚みが25μmを超えると修正テープの長尺化が困難になる。
(離型層)
本発明における離型層は、感圧転写修正テープを巻回して保存した際に粘着層と基材とが接着することを防止するために設ける。離型層はシリコーン系樹脂やフッ素系樹脂単体、または剥離調整剤、有機や無機の粒子等の添加剤を前記樹脂と混合した離型剤を基材に塗工して設ける。離型層の厚さは0.1〜3.0μmが好適で、0.5〜1.0μmがより好適である。離型層の厚みが0.1μm未満であると、所定の性能を発揮することが困難になる。厚みが3.0μmを超えるとコスト的に不利となる。
(隠蔽層)
本発明における隠蔽層は、熱可塑性エラストマーと、ロジン変性マレイン酸樹脂と、ポリエチレンワックス粒子と、着色剤とその他分散剤等の添加剤からなるものである。
本発明における前記隠蔽層中の着色剤としては、通常修正する対象物は白色の紙であることから、白色顔料を用いる。しかし、対象物が白色以外のときは、隠蔽層を対象物の地色とほぼ同色に着色し、修正部分が他の部分と比べて目立たないようにするのが好ましい。白色顔料としては、隠蔽力が優れている点から酸化チタンが主として用いられる。酸化チタンの粒子径は0.1〜1.0μm程度のものが好ましい。
白色顔料として、酸化チタン以外に多孔質の体質顔料を併用してもよい。例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素(シリカ)、ならびにセライト、クレー、タルク等の鉱物粒子が使用できる。これら体質顔料の粒子径は、1〜15μm程度のものが好ましい。
白色顔料に加えて色彩を調整するための色彩調整剤を混合してもよい。例えば、アルミニウム粉末、銅粉末、真鍮粉末、有色顔料、染料などが挙げられる。
白色顔料以外の有色顔料としては、チタンイエロー、酸化鉄系、群青、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、黄鉛、クロムバーミリオン、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料、アゾレーキ系、ハンザ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ピラゾロン系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、イソインドリノン系などの有機顔料が挙げられる。
隠蔽層における着色剤の含有量は、58.0〜87.8重量%の範囲が好ましい。このうち酸化チタンの含有量は隠蔽層中の40.0〜60.0重量%、また、多孔質の体質顔料の含有量は隠蔽層中の18.0〜27.8重量%の範囲とするのが好ましい。
前記隠蔽層中のバインダー樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂と熱可塑性エラストマーを必須成分とする。前記ロジン変性マレイン酸樹脂は、無水マレイン酸をロジンと共重合させた生成物を多価アルコールでエステル化したポリマーであり、前記無水マレイン酸をマレイン酸やフマル酸に代えて得られる樹脂も含まれる。例えば、ロジン変性マレイン酸樹脂には、ロジンと無水マレイン酸と多価アルコールとの反応生成物以外にも、ロジンとマレイン酸と多価アルコールとの反応生成物や、ロジンとフマル酸と多価アルコールとの反応生成物等も含まれる。
前記ロジンとしては、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等が挙げられる。また、前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
なお、ロジンに対するマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸の量、多価アルコールの種類、量および反応時間を変えることにより、ロジン変性マレイン酸樹脂の酸価を調整することができるが、本発明においては酸価が100〜300KOHmg/gであることが好ましい。酸価が100KOHmg/g未満であると基材からの隠蔽層の離型性が低下する。酸価が300KOHmg/gを超えると、ロジン変性マレイン酸樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性が低下して分離してしまい、隠蔽層に柔軟性と内部凝集力を持たせることができなくなる。
前記熱可塑性エラストマーとしてはウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、環化ゴム、スチレン系エラストマー樹脂などが挙げられるが、中でもスチレン系エラストマー樹脂が好ましく、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して用いる。
内部凝集力と離型性を確保するためには前記ロジン変性マレイン酸樹脂の隠蔽層中の含有量が4.0〜12.0重量%、前記熱可塑性エラストマーの隠蔽層中の含有量が3.2〜15.0重量%の範囲が好適であり、かつ前記ロジン変性マレイン酸樹脂と熱可塑性エラストマーの隠蔽層中における重量比率が1:0.8〜1:1.25の範囲内であることが好ましい。各樹脂の含有量をこの範囲とすることで、前記の比較的大きな凹凸に隠蔽層を転写してもひび割れを生じない2層型感圧転写修正テープとすることができる。熱可塑性エラストマーの重量比率がロジン変性マレイン酸樹脂の0.8倍未満になると、隠蔽層の内部凝集力が低下し、前記の比較的大きな凹凸に転写したときのひび割れ等の不具合が発生する。熱可塑性エラストマーの重量比率がロジン変性マレイン酸樹脂の1.25倍を超えると隠蔽層が切れにくくなる。
また、前記隠蔽層中のバインダー樹脂には、本発明の機能を低下させない範囲で、他の樹脂を含有することができる。例えばウレタン系、アクリル系、ビニル系、オレフィン系などの樹脂が挙げられる。
本発明における前記隠蔽層中のポリエチレンワックス粒子は、本発明の目的である良好な転写性と良好な再筆記性を同時に発現するためには、粒子の前記隠蔽層中での含有量が5.0〜15.0重量%の範囲にあり、且つ平均粒子径が3〜10μmであることが好ましい。含有量が5.0重量%未満だと、隠蔽層を基材から剥離させる効果が得られにくくなる。含有量が15.0%を超えると隠蔽層の隠蔽力が低下する。平均粒子径が3μm未満になると粒子の製造コストが上がってしまう。平均粒子径が10μmを超えると隠蔽層の内部凝集力が過度に低下し、前記の比較的大きな凹凸に転写したときにひび割れ等の不具合が発生する。
また、前記ポリエチレンワックス粒子の融点は60℃以上が好ましい。さらに好ましくは80℃以上である。融点60℃未満のポリエチレンワックス粒子を使用すると、感圧転写修正テープを長期保管した場合や高温環境下にさらした場合においてポリエチレンワックスが粘着層表面に析出し、転写阻害の原因となる。
本発明の隠蔽層中には、必要に応じて分散剤等の添加物を添加しても良い。
前記隠蔽層の乾燥後の厚さは15〜40μmが好適であり、18〜35μmがより好適である。厚さが15μm未満では隠蔽力が不足する。また厚さが40μmを超えると、転写の際の切断性が低下する。さらに修正部分と未修正部分の境界の段差が大きくなるため、修正部分が目立ったり、修正後の用紙をコピーしたときに前記境界の段差が影となってコピーされて見苦しくなる傾向がある。
(粘着層)
本発明における粘着層に用いる粘着剤としては、たとえばアクリル樹脂系、ロジン系、ゴム系、ビニルエーテル樹脂系、ポリイソブチレン系などの粘着剤が使用できる。また必要に応じて粘着力調整剤、添加剤、無機/有機微粒子などを混合することもできる。粘着層の乾燥後の厚さは1.5〜4.5μmの範囲が好ましい。
粘着層は、粘着剤の有機溶剤溶液、有機溶剤分散液、水性溶液または水性分散液(エマルジョンを含む)を隠蔽層上に塗工、乾燥することによって形成できる。とくに水性溶液または水性分散液の形態で塗工するのが好ましい。それはこれらを用いると、すでに形成されている隠蔽層の再溶解が生じないためである。水性溶液または水性分散液の形態の場合は、湿潤剤または界面活性剤を配合してもよい。
本発明の感圧転写修正テープは、前述の手持ちタイプの転写具で好適に使用できる。
(実施例)
以下、実施例1〜9及び比較例1〜4を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(離型層の作製)
厚さ12μmのPETフィルムの片面(A面)に、下記に示すシリコーン樹脂液を乾燥後の膜厚が0.5μmになるように塗工し、乾燥して離型層を形成した。
シリコーン樹脂液組成
成 分 重量部
シリコーン系樹脂 20.0
白金触媒 0.2
トルエン 80.0
PETフィルムのもう一方の面(B面)には、隠蔽層、粘着層が順次積層される。
(感圧転写修正テープの作製)
前記離型層を形成したPETフィルムの離型層を塗工したのとは別の面(B面)に、表1に示す隠蔽層塗工液の材料を分散機で20分間混合して調製した隠蔽層塗工液1〜12を、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗工し、乾燥して隠蔽層を形成した。
Figure 0006566258
注1:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体
注2:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
注3:エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸樹脂
さらに、前記隠蔽層の上にゴム系溶剤型粘着剤(東洋インキ製、固形分40重量%)、またはアクリル系水性粘着剤(日本カーバイド製、固形分20重量%)を乾燥後の厚みが3.0μmになるようにそれぞれ塗工し、乾燥して粘着層を形成して、表2に示す実施例1〜9及び比較例1〜4の感圧転写修正シートを作製した。
得られた感圧転写修正シートを幅5mmに切断して直径13mmの繰出しコアに巻取り、パンケーキ状の感圧転写修正テープを得た。
前記実施例1〜9及び比較例1〜4の感圧転写修正テープについて、次に述べる評価を行った。
(凹凸への転写ひび割れ性評価)
まず、パンケーキ状の感圧転写修正テープを、市販の手持ちタイプの塗膜転写具(フジコピアン株式会社製インスタライト3)に装着する。次に、φ1.0mmの油性ボールペンを用いて筆記荷重200gfで螺旋を10本描き凹凸を設けたPPC用紙を作成する。最後に、転写荷重300gf、転写速度3m/minで塗膜転写具を螺旋を描いた紙上を走行させ、転写された修正塗膜の状態を目視観察し、次の基準により評価した。
劣 ×−△−○−◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:ひび割れの発生はない。
○:2箇所以下でひび割れ発生した。
△:4箇所以下でひび割れ発生した。
×:修正塗膜全面にひび割れが発生した。
(切断性評価)
まず、パンケーキ状の感圧転写修正テープを、市販の手持ちタイプの塗膜転写具(フジコピアン株式会社製インスタライト3)に装着する。次に、転写荷重300gf、転写速度3m/minでPPC用紙上に5回転写を行い、転写を終了させるために転写具を押さえた最終押さえ位置で隠蔽層が切断したかしないか、切断した場合には隠蔽層が最終押さえ位置よりも1mm以上はみ出して転写されたかを目視観察し、次の基準により評価した。
劣 ×−△−○−◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:1mm以上のはみ出しはなかった。
○:1mm以上のはみ出しが2回以下あった。
△:1mm以上のはみ出しが3回以上あった
×:転写層が切断できない。
(インク吸収性評価)
まず、パンケーキ状の感圧転写修正テープを、市販の手持ちタイプの塗膜転写具(フジコピアン株式会社製インスタライト3)に装着する。次に、PPC用紙上に転写荷重300gf、転写速度3m/minで塗膜転写具を走行させて転写を行い、転写された修正塗膜上に、先端のボール直径が0.5mmの水性ボールペン(PILOT社製Vcorn)を用いて筆記荷重160gfで螺旋を3本描き、筆記後すぐに指で修正塗膜上をなぞる。なぞった後の筆記した線の状態を目視観察し、次の基準により評価した。
劣 ×−△−○−◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:インクが吸収され、螺旋に汚れがない。
○:吸収されていないインクが僅かに残留し、螺旋に僅かな汚れ見られる。
△:吸収されていないインクが多く残留し、螺旋が明らかに汚れる。
×:インクが吸収されておらず、螺旋がひどく汚れる。
(極細ボールペンでの再筆記性評価)
まず、パンケーキ状の感圧転写修正テープを、市販の手持ちタイプの塗膜転写具(フジコピアン株式会社製インスタライト3)に装着する。次に、PPC用紙上に転写荷重300gf、転写速度3m/minで塗膜転写具を走行させて転写を行い、転写された修正塗膜上に、先端のボール直径が0.28mmの水性ゲルボールペン(三菱鉛筆社製uni−ballSigNo)を用いて筆記荷重160gfで螺旋を3本描き、螺旋を描いた修正塗膜の状態を目視観察し、次の基準により評価した。
劣 ×−△−○−◎ 優 ○以上が実用領域である。
◎:修正塗膜に削れが見られない。
○:修正塗膜に僅かな削れが見られる。
△:修正塗膜に大きな削れが見られる。
×:ペン先に詰まりが生じて、極細ボールペンでは筆記できない。
前記各評価結果を表2に示す。
Figure 0006566258

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に離型層が設けられ、もう一方の面に隠蔽層、粘着層がこの順で設けられた感圧転写修正テープにおいて、前記隠蔽層が、酸価が100〜300KOHmg/gであるロジン変性マレイン酸樹脂と、熱可塑性エラストマーと、ポリエチレンワックス粒子と、着色剤からなり、前記隠蔽層中に、前記ロジン変性マレイン酸樹脂を4.0〜12.0重量%、前記熱可塑性エラストマーを3.2〜15.0重量%、前記ポリエチレンワックス粒子を5.0〜15.0重量%、前記着色剤を58.0〜87.8重量%含有し、かつ前記ロジン変性マレイン酸樹脂と前記熱可塑性エラストマーの重量比が1:0.8〜1:1.25の範囲であることを特徴とする感圧転写修正テープ。
  2. 前記隠蔽層中の前記ポリエチレンワックス粒子の平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の感圧転写修正テープ。
  3. 前記隠蔽層中の前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマー樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感圧転写修正テープ。
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