JP2009286975A - 油性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラスや、金属や、プラスチック表面のような非吸収面に形成した筆跡に対し水や有機溶剤が付与されても消去されにくい筆跡を有する油性インキ組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 着色剤0.1〜50重量%と、有機溶剤5〜90重量%と、ニトロセルロース1〜20%と、チタンキレート化合物2〜25%とを少なくとも含むことを特徴とする油性インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラスや、金属や、プラスチック表面のような非吸収面に形成した筆跡も、水や有機溶剤が付与されても消去されにくい筆跡を提供する油性インキ組成物に関する。
従来、油性インキを使用する筆記具は、水性インキを使用した筆記具と比較して、筆跡の消え難さや、ガラスや金属、プラスチック表面などの非吸収面に対する筆記性能が優れており、特に、繊維の収束体をペン先としたマーキングペンは、一般的にボールペンよりも太い筆跡が得られると供に、非吸収面に対する筆記性能が優れ、広く使用されている
このような、油性インキを使用した筆記具における非吸収面に対する筆跡の定着性については、インキ中に添加する樹脂の種類や量について広く検討が行われており、例えば、ロジン、ロジン変性グリセリンエステル、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノールグリセリンエステルなどのロジン系樹脂、エチルセルロース、アセチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、石油系樹脂、ポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などを添加してインキ組成物を筆記面に接着させる方法が提案されている。(特許文献1〜3参照)
特開昭61−15108号公報 特開昭61−46508号公報 特開平3−49947号公報
上記のように樹脂を検討した油性インキの場合、筆跡皮膜の形成やその皮膜による筆跡の筆記面への定着は添加されている樹脂が乾燥時に凝集する作用の程度に依存するため、十分な定着性を得るためにはある程度分子量の大きい樹脂を選定する必要がある。しかしながら、近年では例えばキシレンのように比較的高分子量の樹脂まで溶解できる溶剤は安全面からインキに使用することが制限されており、インキに添加できる樹脂の種類や分子量はインキに用いる溶剤への溶解性により制限されるものになっている。その結果、従来よりも低分子量で溶解性の良い樹脂を選択せざるを得ないため、筆記面に対して筆跡の十分な定着性が得にくくなっている。例えば、以前から広くインキ組成物に使用されているニトロセルロースはアルコール類やエーテル類など多くの溶剤に対して溶解性が良く、筆記面上では乾燥時に筆跡皮膜を形成し、筆跡に定着性を付与するものであるが、非吸収面上に筆記した場合、例えば潤滑油などの有機溶剤に触れると、溶剤に対して溶解性の良い樹脂であるために筆跡が溶解したり、水に浸かると分子量が小さく十分に筆記面に吸着できていないために剥離し易かった。
本発明は、着色剤と、有機溶剤と、ニトロセルロースと、チタンキレート化合物とを含有する油性インキ組成物を要旨とするものである。
ニトロセルロースは有機溶剤に対する溶解性が良いという利点を有し、インキ中では溶解・分散状態にあるが、筆記面に塗布され、インキ溶剤が蒸発すると樹脂膜を形成して着色剤を覆うと共に、筆記面に吸着して筆跡に定着性を付与するものである。さらにチタンキレート化合物を併用した場合、インキ中ではニトロセルロースと同様に分散状態にありインキ粘度の上昇や目詰まりなどは生じないが、筆記面に塗布されてインキ溶剤の蒸発と共に自身のアルキル鎖とニトロセルロースの水酸基が置換することでアルキル鎖を放出してニトロセルロースを重合させることができる。この作用により、チタンを中心にニトロセルロースは高分子量化して単独使用の場合よりも大きな定着力を有することができる。さらに筆跡上でニトロセルロースが高分子量化することにより筆跡に耐用剤性が付与される。
また、チタンキレート化合物の配位子が、炭素数5〜7のアルキル基またはアシル基をであることが好ましい。炭素数が4以下のアルキル基またはアシル基である場合、ニトロセルロースの重合よりも脱離したアルキル基またはアシル基の成分の揮発が先に進み、目標とする定着性が得られなかったり、繊維の収束体をペン先としたマーキングペンでは経時的にペン先のインキが乾燥し、チタンキレート化合物のアルキル鎖が揮発することによって繊維の収束体の中でニトロセルロースの重合が生起し易く、ペン先の固化が進行してインキ吐出の減少が生じ易い。逆に炭素数が8以上のアルキル基またはアシル基である場合には筆跡上でチタンキレート化合物のアルキル鎖が揮発し難く、目標とする定着性を得難くなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
着色材としては、染料及び/又は顔料が使用できる。
染料としては、油性染料ならば何れも用いることができるが、そのインキ溶剤への溶解性を考慮した上で使用するものである。その一例を挙げる。
具体的には、ニグロシンベ−スEE、同EEL、同EX、同EXBP、同EB、オイルイエロー101、同107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、同GR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、同BOS オイルブラックHBB、同860、同BS、バリファストイエロー1101、同1105、同3108、同4120、バリファストオレンジ2210、同3209、同3210、バリファストレッド1306、同1308、同1355、同1360、同2303、同2320、同3304、同3306、同3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、同3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、同1605、同1607、同1631、同2606、同2610、同2620、バリファストバイオレット1701、同1702、バリファストブラック1802、同1807、同3804、同3806,同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド102、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、同GRLHスペシャル、同C−2GH、同C−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、同GRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、同BEH、同GRLHスペシャル、同C−GH、同C−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、同C−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、同RH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、同2BNH、同C−RH、同BPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、同3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、同MH、同RLH、同GMHスペシャル、同BHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、同521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、同6、同10、同12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業(株)製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、同FSスペシャルA、同2020、同109、同215、ALイエロー1106D、同3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、同C−132、同C−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、同C−733(以上、中央合成化学(株)製)、オレオゾールファストイエロー2G、同GCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、同RL(以上、田岡化学工業(株)製)、サビニールイエロー2GLS、同RLS、同2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、同GLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製、スイス国)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製、英国)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600(以上、BASF社製、独国)などが挙げられる。
顔料としては、従来公知の顔料が使用でき、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げると、TITONE SR−1、同650、同R62N、同R3L、同R7E(以上、堺化学工業(株)製)、クロノスKR−310、同KR−380、同480(以上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同R−602、同R−960、同R−931(以上、デュポン(株)製)、TITANIXJR301、同JR805、同JR602、同JR701、同JR800(以上、テイカ(株)製)などの酸化チタン、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2,同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11,#50、#52、#45、#44、#40、#33,#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、RAVEN7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22,同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900,同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、低次性酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫酸ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。
また、本発明に係る油性インキ組成物では、着色剤に顔料を用いる場合、分散剤を併用することできる。尚、着色剤に隠蔽性の高い酸化チタン、溶剤に低極性炭化水素で沸点40〜150℃の揮発性溶剤を使用すれば修正液としても使用できる。
更に、顔料を油溶性樹脂に分散した顔料チップを用いることは、顔料インキ製造上有利なことである。具体的には、NC790ホワイト、L1/8レッドF3RK−70、同ブラックMA100、同イエローN1F、同オレンジ501、同ブラウン5R、同ブルーKLG、NCL1/8バイオレットPRL50(太平化学社(製))などが挙げられる。
上記の染料及び顔料といった着色剤は、単独或いは他との組み合わせにより使用でき、その使用量は色調などによっても異なるが、少ない場合はインキの発色が悪くなり、多い場合は着色剤が溶解不良や分散不足となり各種不具合が発生するため、油性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上50重量%以下が好ましい。
本発明の油性インキ組成物の着色剤に顔料を用いる場合には顔料の分散性向上の為に、従来一般に用いられている高分子分散剤や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などで一般に顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成分とした共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分とした共重合体などの油溶性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら油溶性高分子及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、少ない場合は添加する目的である分散効果が弱く、多い場合は油性インキ組成物中の各組成物の溶解バランスを崩してしまい各種不具合が発生する懸念があるため、油性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上15重量%以下が好ましい。
溶剤又は分散媒として主に有機溶剤を使用するが、ニトロセルロースとチタンキレート化合物を溶解し得るものである必要がある。具体的には、アセトン、ジメチルケトン、ジフェニルケトンなどケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテートなどエーテル類、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなど脂環式化合物、トルエン、ベンゼンなどの芳香族化合物などが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。さらに、その使用量は、少ない場合は油性インキ組成物中の各組成物の溶解不足や分散不足により不溶・凝集物が発生し、多い場合はインキ粘度が上昇して吐出が減少したり、インキ収容管内でニトロセルロースの重合が生起するなど各種不具合が発生するため、油性インキ組成物全量に対して5重量%〜90重量%が好ましい。
また、修正液とする場合は、隠蔽する筆跡を溶解しにくい低極性の溶剤を用いることが好ましく、具体的には、ノルマルヘキサン(沸点68.7℃)、イソペンタン、ノルマルヘプタン(沸点98.4℃)、ノルマルオクタンなど脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン(沸点49.2℃)、メチルシクロペンタン(沸点71.8℃)、シクロヘキサン(沸点80.0℃)、メチルシクロヘキサン(沸点100.9℃)、エチルシクロヘキサン(沸点132℃)等の脂環族炭化水素系溶剤が挙げられ、更にその他、エクソールDSP 100/140(初留点102℃、乾点138℃)、同D30(初留点141℃、乾点172℃)、同D40(初留点153℃、乾点196℃)、同D80(初留点204℃、乾点230℃)、同D110(初留点243℃、終点272℃)、同D130(初留点277℃、終点310℃)、アイソパーC(初留点97℃、乾点104℃)、同E(初留点115℃、乾点138℃)、同G(初留点156℃、乾点175℃)、同H(初留点176℃、乾点192℃)、同L(初留点188℃、乾点210℃)、同M(初留点208℃、乾点254℃)(以上、エクソン化学(株)製)などの脂肪族炭化水素系溶剤の混合品などが挙げられる。これらは、単独もしくは混合して使用可能であり、その使用量は塗布液全量に対して30〜95重量%が好ましい。
チタンキレート化合物としてはインキ溶剤に可溶であり、4価で4つ〜6つの配位子をもつものであれば、特に制限を受けるものではなく、具体的には、テトライソプロポキシチタネート(配位子の炭素数3)、テトラノルマルブトキシチタネート(配位子が炭素数4のアルキル基)、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド(配位子が炭素数8のアルキル基)、テトラヘキシルチタネート(配位子の炭素数6のアルキル基)、テトラヘプチルチタネート(配位子が炭素数7のアルキル基)、チタンテトラアセチルアセトナート(配位子が炭素数5のアシル基)、チタンエチルアセトアセテート(配位子が炭素数7のアシル基)、チタンテトラヘプチレングリコレート(配位子が炭素数7のアシル基)、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)(配位子が炭素数8のアルキル基及びアシル基)、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)(配位子が炭素数3のアルキル基及び炭素数6のトリエタノールアミノ基)などが挙げられる。これらのチタンキレート化合物は1種を単独で、または2種以上を併用することができる。添加量としては油性インキ組成物全量に対して1重量%〜25重量%が好ましい。
ニトロセルロースは顔料分散及び、筆跡の定着性付与のために用いるものであり、顔料を予備分散しカラーチップとして利用しやすい形態になっているのが利用上好ましい。ニトロセルロースは高分子量のものが顔料分散に用いられるが、分子量が大きすぎると溶解度や分散力が低下するため、1万〜10万の分子量のものが好ましく利用される。添加量が少ないと筆跡に十分な定着性が付与されず、多すぎてもインキ粘度の上昇を生じるため、添加量としては油性インキ組成物全量に対して1重量%〜20重量%が好ましい。
また、本発明ではチタンキレート化合物とニトロセルロースの重量比を1:2.6〜1:1の範囲に配合することが望ましい。ニトロセルロースに対してチタンキレート化合物の量が少ないと筆跡上で十分にニトロセルロースの重合が進行せず、逆にチタンが多過ぎても一定以上の効果は得られず、更に過剰な場合はニトロセルロースの重合に関与しない余剰分のチタンキレート化合物が筆跡上に浮き出て筆跡表面に凹凸を生じることがある。
定着性付与を目的としてニトロセルロース以外の樹脂を併用することも可能である。これらの樹脂は本発明の油性インキ組成物に使用する有機溶剤に可溶なものであれば、特に種類を限定されるものではない。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、エチレンイミン樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル樹脂、マレイン酸樹脂、マレイミド樹脂、ロジンエステルとその塩、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性グリセリンエステル、ロジン変性フェノールマレイン酸エステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾニトリル樹脂、テルペンジフェノール、テルペンフェノール共重合体、ケトン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。市販されているものとしては、テスラック2158−100(日立ポリマー(株)製)、フタルキッドDX615(50重量%キシレン溶液、日立化成(株)製)などのアルキド樹脂、アクリロイドB66、同B67(以上、英国、ロームアンドハース社製)などのアクリル樹脂、カリフレックスTR−1107(シェル化学(株)製)、タフプレンA、アサプレンT−431(以上、旭化学工業(株)製)などのスチレン系エラストマー、スミテートRB−11(住友化学工業(株)製)、エバフレックス150(三井ポリケミカル(株)製)などのエチレン・酢酸ビニル共重合体などを例示できる。
これらの併用する樹脂は、添加量が少ないと筆跡に十分な定着性の向上が発現されず、多過ぎてもインキ粘度の上昇を生じるため、添加量としては油性インキ組成物全量に対して1重量%〜20重量%が好ましい。
また、本件のインキをボールペンに用いる場合にはペン先のボールとボールホルダーの摩擦抵抗を小さくしてボールが円滑に回転するようにし、ボール受け座の磨耗を抑制するため、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸やそれらの誘導体などの潤滑剤を使用することができる。
本発明のインキを製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ターボミキサーなどの攪拌機やボールミル、サンドグラインダー、スピードラインミル、ロールミル等の分散機により混合分散し、必要に応じてメッシュやろ過器などで粗
大粒子を除去することによって容易に得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 50.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(ロジンエステル、大日本インキ化学工業(株)製)
9.0重量部
NCチップ790ホワイト(白色顔料75%、ニトロセルロース10%、他15%、太平化学(株)製) 13.0重量部
L1/8バイオレットRN(紫色顔料50%、ニトロセルロース35%、他15%、太平化学(株)製) 4.0重量部
オルガチックスTC−401(チタンテトラアセチルアセトネート75%、イソプロピルアルコール25%、マツモトファインケミカル(株)製) 15.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、紫色インキを得た。
(実施例2)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 10.0重量部
エステルガムH(水素添加ロジンエステル、荒川化学工業(株)製) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8レッドF3RT−70AT(赤色顔料45%、ニトロセルロース45%、その他10%、太平化学製品(株)製) 6.0重量部
オルガチックスTC−401(前述) 8.0重量部
上記成分を攪拌機にて混合し、赤色インキを得た。
(実施例3)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 60.0重量部
エチルシクロヘキサン 12.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8バイオレットRN(前述) 4.0重量部
オルガチックスTC−401(前述) 3.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、紫色インキを得た。
(実施例4)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8ブルーKLG(青色顔料40%、ニトロセルロース42%、その他18%)
7.0重量部
オルガチックスTC−401(前述) 8.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、青色インキを得た。
(実施例5)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 20.0重量部
オルガチックスTC−401(前述) 10.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、白色インキを得た。
(実施例6)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 10.0重量部
エステルガムH(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8レッドF3RT−70AT(前述) 6.0重量部
オルガチックスTC−100(チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、マツモトファインケミカル(株)製) 8.0重量部
上記成分を攪拌機にて混合し、赤色インキを得た。
(実施例7)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8ブルーKLG(前述) 7.0重量部
オルガチックスTA−25(チタンテトラノルマルブトキシド、マツモトファインケミカル(株)製) 8.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、青色インキを得た。
(実施例8)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8ブルーKLG(前述) 7.0重量部
オルガチックスTC−200(チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)、マツモトファインケミカル(株)製) 8.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、青色インキを得た。
(実施例9)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55.0重量部
エチルシクロヘキサン 9.0重量部
ベッカサイト1111(前述) 8.0重量部
NCチップ790ホワイト(前述) 13.0重量部
L1/8ブルーKLG(前述) 7.0重量部
オルガチックスTC−400(チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、マツモトファインケミカル(株)製) 8.0重量部
上記成分を撹拌機にて混合し、青色インキを得た。
(比較例1)
実施例1において、オルガチックスTC−401に代えて、同量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにした以外は、実施例1と同様になして紫色のインキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例2において、オルガチックスTC−401に代えて、同量のエステルガムHにした以外は、実施例2と同様になして赤色のインキ組成物を得た。
(比較例3)
実施例3において、NCチップ790ホワイト13.0重量部に代えて、同量のFUJIASホワイト165(顔料分75%、ニトロセルロース0%、ブチラール樹脂25%)にし、L1/8バイオレットRN4.0重量部に代えて、同量のFUJIASバイオレット945(顔料分50%、ニトロセルロース0%、ブチラール樹脂50%)にした以外は、実施例3と同様になして紫色のインキ組成物を得た。
上記、実施例1〜8、比較例1〜3で得た油性インキ組成物を、アクリル繊維収束体からなるペン先を有し、軸体内部に攪拌体を有する油性マーキングペンであるぺんてる(株)製ペイントマーカー(製品符号MMP20)に6.0g充填して試験用筆記具を得た。
(筆跡の耐粘着テープ耐久性能)
実施例1〜8、比較例1〜3の試験用筆記具によりアルミ板、鉄板、ガラス板上に直線を3本隙間ができないように筆記し、30分間放置後、その筆跡上にカッターナイフで縦・横1mm間隔で100マスの格子ができるように傷を付け、粘着テープを筆跡上に貼り付け、上から500g重の錘を1分間載せてから剥がし、100マス中で剥がれずに残った筆跡のマスの数を数えて粘着テープへの筆跡剥がれやすさを比較した。
(筆跡の耐溶剤性)
実施例1〜8、比較例1〜3の試験用筆記具によりアルミ板、鉄板、ガラス板上に直線を3本隙間ができないように筆記し、30分間放置後に筆跡上にアセトンを滴下して筆跡の溶解・流れ出しについて比較を行った。
○:筆跡が全く流れない。
△:筆跡の一部が溶解する。
×:筆跡の全体が溶解する。
(ガラス板上での筆跡耐水性)
実施例1〜8、比較例1〜3の試験用筆記具によりガラス板上に直線を3本隙間がないように筆記し、30分間放置後、その筆跡上にカッターナイフで縦・横1mm間隔で100マスの格子ができるように傷を付け、ガラス板を水道水の入ったトレーに30分間浸漬させ、取り出した後100マス中で剥がれずに残った筆跡のマスの数を数えて耐水性について比較を行った。

Claims (2)

  1. 着色剤と、有機溶剤と、ニトロセルロースと、チタンキレート化合物とを含有する油性インキ組成物。
  2. 前記のチタンキレート化合物の配位子が、炭素数5〜7のアルキル基またはアシル基をである請求項1記載の油性インキ組成物。
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