以下、本発明の一実施形態による作業機械の下部走行体2について、図1〜図12を参照して説明する。なお、作業機械は、例えばクレーンや油圧ショベル等である。
本実施形態による作業機械の下部走行体2は、作業アタッチメントや運転室等を備えた上部旋回体(図略)をその上に搭載した状態で自走するものである。下部走行体2は、クローラ式であり、図1に示すように、トラックフレーム3と、右側クローラフレーム4と、左側クローラフレーム5と、右側クローラ6と、左側クローラ7と、右側クローラ駆動装置8と、左側クローラ駆動装置9と、駆動装置10と、を備える。
なお、以下の説明において、「前側」は、下部走行体2が前進する側を意味し、「後側」は、下部走行体2が後進する側を意味する。また、「左右方向」は、「前後方向」及び上部旋回体の旋回軸(縦軸)に直交する方向を意味する。また、「右側」は、下部走行体2を後側から前側へ向かって見た場合の右側を意味し、「左側」は、下部走行体2を後側から前側へ向かって見た場合の左側を意味する。
トラックフレーム3は、上部旋回体(図略)を下から支持するとともに、右側クローラフレーム4と左側クローラフレーム5をそれらが左右方向に移動可能となるように支持するフレームである。トラックフレーム3は、図1に示すように、台座部12と、前右側アクスル14と、前左側アクスル16と、後右側アクスル18と、後左側アクスル20と、を備える。
台座部12は、トラックフレーム3のベースとなる部分であり、上部旋回体(図略)が回転自在となるようにその上部旋回体を下から支持する部分である。台座部12は、トラックフレーム3の中央部に配置されている。
前右側アクスル14と後右側アクスル18は、右側クローラフレーム4が左右方向に移動可能となるようにその右側クローラフレーム4を支持するものであり、前左側アクスル16と後左側アクスル20は、左側クローラフレーム5が左右方向に移動可能となるようにその左側クローラフレーム5を支持するものである。前右側アクスル14と後右側アクスル18は、台座部12の前後に分かれて設けられ、台座部12の左右方向の中心から右側へ左右方向に沿って延びて台座部12の右方へ突出している。また、前左側アクスル16と後左側アクスル20は、台座部12の前後に分かれて設けられ、台座部12の左右方向の中心から左側へ左右方向に沿って延びて台座部12の左方へ突出している。
前右側アクスル14は、後述の右側拡縮状態における前右側アクチュエータ69(図1及び図2参照)を収容する前右側収容空間21(図5参照)を形成する。前右側収容空間21は、前側及び右側が開口している。前右側アクスル14は、水平且つ左右方向に延びて前右側収容空間21の上側を遮る上板22と、水平且つ左右方向に延びて前右側収容空間21の下側を遮る下板23と、上板22及び下板23に対して垂直に配置されてその上端縁が上板22に接合されるとともにその下端縁が下板23に接合され、前右側収容空間21の後側を遮る後板24(図6参照)とを有する。すなわち、前右側収容空間21は、上板22、下板23及び後板24によって囲まれた空間である。
前右側アクスル14の左端寄りの位置には、図1に示すように軸ピン25が設けられている。軸ピン25は、図5に示すように、上板22及び下板23に対して垂直方向、すなわち上下方向に延びるように上板22及び下板23に取り付けられている。
下板23には、拡縮位置ロック孔23a(図1参照)と昇降位置ロック孔23b(図1参照)が形成されている。拡縮位置ロック孔23aは、後述する前右側支持部材71を前右側拡縮位置で固定するために用いられ、昇降位置ロック孔23bは、後述する前右側支持部材71を前右側昇降位置で固定するために用いられる。拡縮位置ロック孔23aは、前右側支持部材71が前右側拡縮位置に配置されたときに後述する取付板79のロック用孔79b(図12参照)と上下方向から見て重なる位置に設けられている。昇降位置ロック孔23bは、前右側支持部材71が前右側昇降位置に配置されたときに後述するロック用孔79bと上下方向から見て重なる位置に設けられている。
前左側アクスル16(図1参照)は、前右側アクスル14と左右対称となるように構成されている。前左側アクスル16は、後述の左側拡縮状態における前左側アクチュエータ101(図1及び図2参照)を収容する前左側収容空間27(図5参照)を形成する。前左側アクスル16は、前右側アクスル14の上板22、下板23及び後板24に対応する上板28、下板29(図5参照)及び後板(図略)を有する。
前左側アクスル16の右端寄りの位置には、図1に示すように軸ピン31が設けられている。軸ピン31は、前右側アクスル14に設けられた軸ピン25と同様の形態で前左側アクスル16の上板28及び下板29に取り付けられている(図5参照)。
下板29には、拡縮位置ロック孔29a(図1参照)と昇降位置ロック孔29b(図1参照)が形成されている。拡縮位置ロック孔29aは、前右側アクスル14の拡縮位置ロック孔23aと同様のものであり、昇降位置ロック孔29bは、前右側アクスル14の昇降位置ロック孔23bと同様のものである。
後右側アクスル18(図1参照)は、前右側アクスル14と前後対称となるように構成されている。後右側アクスル18は、後述の右側拡縮状態における後右側アクチュエータ87(図1及び図2参照)を収容する後右側収容空間33を形成する。後右側アクスル18は、前右側アクスル14の上板22、下板23及び後板24と前後対称に構成された上板34、下板35及び前板36(図7参照)を有する。
後右側アクスル18の左端寄りの位置には、図1に示すように軸ピン37が設けられている。軸ピン37は、前右側アクスル14に設けられた軸ピン25と同様の形態で後右側アクスル18の上板34及び下板35に取り付けられている。
後右側アクスル18の下板35には、拡縮位置ロック孔35a(図1参照)と昇降位置ロック孔35b(図1参照)が形成されている。拡縮位置ロック孔35aは、前右側アクスル14の拡縮位置ロック孔23aと同様のものであり、昇降位置ロック孔35bは、前右側アクスル14の昇降位置ロック孔23bと同様のものである。
後左側アクスル20(図1参照)は、後右側アクスル18と左右対称となるように構成されているとともに、前左側アクスル16と前後対称となるように構成されている。後左側アクスル20は、後述の左側拡縮状態における後左側アクチュエータ110(図1及び図2参照)を収容する後左側収容空間39を形成する。後左側アクスル20は、後右側アクスル18の上板34、下板35及び前板36と左右対称に構成された上板(図略)、下板(図略)及び前板(図略)を有する。
後左側アクスル20の右端寄りの位置には、図1に示すように軸ピン43が設けられている。軸ピン43は、後右側アクスル18に設けられた軸ピン37と同様の形態で後左側アクスル20の上板及び下板に取り付けられている。
後左側アクスル20の下板には、拡縮位置ロック孔41a(図1参照)と昇降位置ロック孔41b(図1参照)が形成されている。拡縮位置ロック孔41aは、後右側アクスル18の拡縮位置ロック孔35aと同様のものであり、昇降位置ロック孔41bは、後右側アクスル18の昇降位置ロック孔35bと同様のものである。
右側クローラフレーム4(図1参照)は、トラックフレーム3の右側に設けられている。すなわち、右側クローラフレーム4は、下部走行体2の右側部に位置する。右側クローラフレーム4は、前右側アクスル14よりも前側から後右側アクスル18よりも後側に亘って前後方向に延びている。右側クローラフレーム4の前右側アクスル14に対応する位置には、当該右側クローラフレーム4を左右方向に貫通する前側貫通孔45が形成されている。右側クローラフレーム4の後右側アクスル18に対応する位置には、当該右側クローラフレーム4を左右方向に貫通する後側貫通孔46が形成されている。前側貫通孔45に前右側アクスル14が挿入されるとともに、後側貫通孔46に後右側アクスル18が挿入され、その状態で、右側クローラフレーム4が前右側アクスル14及び後右側アクスル18に沿って左右方向に移動可能となっている。
右側クローラフレーム4は、下部走行体2の左右方向の幅の拡縮時に後述の前右側油圧シリンダ70の前右側結合部74に結合されてその前右側油圧シリンダ70により駆動される右側フレーム前側被駆動部47と、同拡縮時に後述の後右側油圧シリンダ88の後右側結合部91に結合されてその後右側油圧シリンダ88により駆動される右側フレーム後側被駆動部48とを備える。以下、下部走行体2の左右方向の幅の拡縮時のことを単に下部走行体2の幅拡縮時と称する。
右側フレーム前側被駆動部47は、右側クローラフレーム4のうち前右側アクスル14によって支持される範囲内に設けられている。具体的には、右側フレーム前側被駆動部47は、前右側アクスル14が挿入される前側貫通孔45内の右端部に設けられている。また、右側フレーム後側被駆動部48は、右側クローラフレーム4のうち後右側アクスル18によって支持される範囲内に設けられている。具体的には、右側フレーム後側被駆動部48は、後右側アクスル18が挿入される後側貫通孔46内の右端部に設けられている。
右側フレーム前側被駆動部47は、図5に示すように、その内側に前右側結合部74を受け入れ可能に構成されているとともに、受け入れた前右側結合部74とピン結合可能に構成されている。具体的に、右側フレーム前側被駆動部47には、当該右側フレーム前側被駆動部47を上下方向に貫通し、前右側結合部74を結合するための取付ピン72を挿入可能なピン孔が形成されている。また、右側フレーム後側被駆動部48(図1参照)は、右側フレーム前側被駆動部47と同様、その内側に後右側結合部91を受け入れ可能に構成されているとともに、受け入れた後右側結合部91とピン結合可能に構成されている。
右側クローラ6は、右側クローラフレーム4の上下及び前後を覆うように右側クローラフレーム4の外周に設けられている。右側クローラ6は、後述のように右側クローラ駆動装置8により右側クローラフレーム4の周りを周回運動するように駆動されることにより下部走行体2の自走のための駆動力を生成するものである。
右側クローラ駆動装置8(図1参照)は、右側クローラフレーム4に取り付けられており、右側クローラ6が右側クローラフレーム4の周りを周回運動するようにその右側クローラ6を駆動する。右側クローラ駆動装置8は、右側クローラフレーム4の後端部に設けられた駆動輪50と、右側クローラフレーム4の前端部に設けられた遊動輪51と、右側クローラフレーム4の後端部に設置されて駆動輪50を回転駆動する油圧式の走行モータ52とを有する。走行モータ52が駆動輪50を回転駆動することにより右側クローラ6が駆動されるようになっている。
左側クローラフレーム5は、右側クローラフレーム4と左右対称となるように構成されており、トラックフレーム3の左側に設けられている。左側クローラフレーム5は、前左側アクスル16よりも前側から後左側アクスル20よりも後側に亘って前後方向に延びている。左側クローラフレーム5の前左側アクスル16に対応する位置には、当該左側クローラフレーム5を左右方向に貫通する前側貫通孔55が形成されている。左側クローラフレーム5の後左側アクスル20に対応する位置には、当該左側クローラフレーム5を左右方向に貫通する後側貫通孔56が形成されている。前側貫通孔55に前左側アクスル16が挿入されるとともに、後側貫通孔56に後左側アクスル20が挿入され、その状態で、左側クローラフレーム5が前左側アクスル16及び後左側アクスル20に沿って左右方向に移動可能となっている。
左側クローラフレーム5は、下部走行体2の幅拡縮時に後述の前左側油圧シリンダ102の前左側結合部105に結合されてその前左側油圧シリンダ102により駆動される左側フレーム前側被駆動部57と、同拡縮時に後述の後左側油圧シリンダ111の後左側結合部115に結合されてその後左側油圧シリンダ111により駆動される左側フレーム後側被駆動部58とを備える。
左側フレーム前側被駆動部57は、左側クローラフレーム5のうち前左側アクスル16によって支持される範囲内に設けられている。具体的には、左側フレーム前側被駆動部57は、前左側アクスル16が挿通される前側貫通孔55内の左端部に設けられている。また、左側フレーム後側被駆動部58は、左側クローラフレーム5のうち後左側アクスル20によって支持される範囲内に設けられている。具体的には、左側フレーム後側被駆動部58は、後左側アクスル20が挿通される後側貫通孔56内の左端部に設けられている。
左側フレーム前側被駆動部57(図5参照)は、右側フレーム前側被駆動部47と同様、その内側に前左側結合部105を受け入れ可能に構成されているとともに、受け入れた前左側結合部105とピン結合可能に構成されている。また、左側フレーム後側被駆動部58(図1参照)も、同様に、その内側に後左側結合部115を受け入れ可能に構成されているとともに、受け入れた後左側結合部115とピン結合可能に構成されている。
左側クローラ7は、左側クローラフレーム5の上下及び前後を覆うように左側クローラフレーム5の外周に設けられている。左側クローラ7は、後述のように左側クローラ駆動装置9により左側クローラフレーム5の周りを周回運動するように駆動されることにより下部走行体2の自走のための駆動力を生成するものである。
左側クローラ駆動装置9(図1参照)は、左側クローラフレーム5に取り付けられており、左側クローラ7が左側クローラフレーム5の周りを周回運動するようにその左側クローラ7を駆動する。左側クローラ駆動装置9は、右側クローラ駆動装置8の駆動輪50、遊動輪51及び走行モータ52に対応する駆動輪59、遊動輪60及び走行モータ61を有しており、走行モータ61が駆動輪59を回転駆動することにより左側クローラ7が駆動されるようになっている。
駆動装置10は、右側クローラフレーム4と左側クローラフレーム5をトラックフレーム3に対して左右方向に移動させて下部走行体2の左右方向の幅を拡縮する機能と、トラックフレーム3をジャッキアップする機能とを有する。図1には、右側クローラフレーム4と左側クローラフレーム5が駆動装置10によりトラックフレーム3の左右幅方向の外側の幅拡大位置に移動された状態が示されており、図2には、右側クローラフレーム4と左側クローラフレーム5が駆動装置10によりトラックフレーム3の左右幅方向の内側の幅縮小位置に移動された状態が示されている。
駆動装置10は、右側駆動装置62と、左側駆動装置63とを含む。右側駆動装置62は、下部走行体2の幅拡縮時に右側クローラフレーム4を左右方向に移動させ、トラックフレーム3のジャッキアップ時にトラックフレーム3の右側部を昇降させるものである。また、左側駆動装置63は、下部走行体2の幅拡縮時に左側クローラフレーム5を左右方向に移動させ、トラックフレーム3のジャッキアップ時にトラックフレーム3の左側部を昇降させるものである。トラックフレーム3のジャッキアップは、台座部12上に上部旋回体が搭載された状態で行われる。
右側駆動装置62は、前右側アクスル14に設けられた前右側駆動装置64と、後右側アクスル18に設けられた後右側駆動装置65とを含み、左側駆動装置63は、前左側アクスル16に設けられた前左側駆動装置66と、後左側アクスル20に設けられた後左側駆動装置67とを含む。
前右側駆動装置64は、図4に示すように、前右側フロート68と、前右側アクチュエータ69とを有する。前右側フロート68は、本発明における右側フロートの一例であり、前右側アクチュエータ69は、本発明における右側アクチュエータの一例である。
前右側フロート68は、トラックフレーム3のジャッキアップ時に前右側アクスル14の前方で接地するものである。前右側フロート68は、その上端部に被結合部68a(図9参照)を有する。被結合部68aは、上側が開口していて上側から前右側結合部74を挿入可能な凹部を有する。被結合部68aは、その凹部に受け入れた前右側結合部74をピン結合可能となっている。具体的に、被結合部68aには、前右側結合部74をピン結合するための取付ピン72(図9参照)を挿入可能なピン孔が形成されている。
前右側アクチュエータ69は、右側フレーム前側被駆動部47及び前右側フロート68の被結合部68aに対して着脱可能である。前右側アクチュエータ69は、右側フレーム前側被駆動部47に連結されてその右側フレーム前側被駆動部47を前右側アクスル14に沿って左右方向に駆動することにより右側クローラフレーム4を左右方向に駆動する右側拡縮状態と、前右側フロート68の被結合部68aに連結されてトラックフレーム3の右側部(前右側部)を前右側フロート68を基点として昇降させる右側昇降状態とをとり得るように構成されている。前右側アクチュエータ69は、前右側油圧シリンダ70と、前右側支持部材71とを有する。前右側油圧シリンダ70は、本発明における右側油圧シリンダの一例であり、前右側支持部材71は、本発明における右側支持部材の一例である。
前右側油圧シリンダ70は、予め定められた伸縮方向に伸縮するものであり、一端がトラックフレーム3の前右側アクスル14に連結され、他端が右側フレーム前側被駆動部47及び前右側フロート68の被結合部68aに対して着脱可能に構成されている。前右側アクチュエータ69の右側拡縮状態では、前右側油圧シリンダ70は、一端が前右側アクスル14に連結されるとともに他端が右側フレーム前側被駆動部47に連結された状態で伸縮方向が左右方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3に対して右側フレーム前側被駆動部47を左右方向に駆動する。前右側アクチュエータ69の右側昇降状態では、前右側油圧シリンダ70は、一端が前右側アクスル14に連結されるとともに他端が前右側フロート68の被結合部68aに連結された状態で伸縮方向が上下方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3の前右側部を前右側フロート68を基点として昇降させる。前右側油圧シリンダ70は、ロッド73(図5参照)と、シリンダ本体75(図5参照)と、一対のトラニオン76(図6参照)と、ロック用固定部77(図5参照)とを有する。
シリンダ本体75は筒状に構成されており、直棒状に形成されたロッド73が当該シリンダ本体75内にその軸方向に進退可能となるように挿入されている。シリンダ本体75は、図略の作動油供給装置から作動油が供給されることにより、ロッド73が軸方向に進退移動するように当該ロッド73を駆動する。ロッド73のうちシリンダ本体75から突出する側の端部である先端部には、前右側結合部74が設けられている。
前右側結合部74は、前右側フロート68の被結合部68a(図9参照)及び右側フレーム前側被駆動部47(図5参照)に対して着脱可能に構成されている。具体的に、前右側結合部74は、ロッド73の軸方向に直交する断面が円形となるように形成されている。この前右側結合部74には、当該前右側結合部74を径方向に貫通するピン孔74a(図11参照)が形成されている。下部走行体2の幅拡縮時には、前右側結合部74が右側フレーム前側被駆動部47(図5参照)の内側に挿入されるとともに右側フレーム前側被駆動部47のピン孔及び前右側結合部74のピン孔74aに取付ピン72が挿嵌されることによって、前右側結合部74が右側フレーム前側被駆動部47にピン結合されて右側クローラフレーム4と連結されるようになっている。また、取付ピン72を右側フレーム前側被駆動部47のピン孔及び前右側結合部74のピン孔74aから抜脱することによって、前右側結合部74を前右側結合部74から脱着して右側クローラフレーム4から分離できるようになっている。
トラックフレーム3のジャッキアップ時には、前右側結合部74が前右側フロート68の被結合部68a(図9参照)の凹部内に挿入されるとともに被結合部68aのピン孔及び前右側結合部74のピン孔74aに取付ピン72が挿嵌されることによって、前右側結合部74が被結合部68aにピン結合されて前右側フロート68と連結されるようになっている。また、取付ピン72を被結合部68aのピン孔及び前右側結合部74のピン孔74aから抜脱することによって、前右側結合部74を被結合部68aから脱着して前右側フロート68から分離できるようになっている。
各トラニオン76(図6、図10及び図11参照)は、円筒状の突起部であり、後述のトラニオンピン80によって支持されるものである。一対のトラニオン76は、シリンダ本体75の外周面のうち互いに反対側の位置に設けられており、シリンダ本体75の外周面から径方向外側へ突出している。一対のトラニオン76は、同軸状に配置されている。
ロック用固定部77は、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとったとき及び前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢をとったときに、その前右側油圧シリンダ70の各姿勢を保持するために前右側支持部材71に固定される部分である。ロック用固定部77は、シリンダ本体75の外周面の周方向において一対のトラニオン76間のちょうど中間の位置で且つトラニオン76から僅かにシリンダ本体75の先端側の位置に設けられている。ロック用固定部77は、シリンダ本体75の外周面から径方向外側に突出する板状の突起からなる。ロック用固定部77には、当該ロック用固定部77を板厚方向(トラニオン76の軸方向に一致する方向)に貫通するロック用孔77a(図10参照)が形成されている。
前右側支持部材71(図5参照)は、前右側アクスル14に取り付けられて、前右側油圧シリンダ70を支持するものである。具体的に、前右側支持部材71は、前右側油圧シリンダ70が上下方向に伸縮する前右側起立姿勢(図9参照)と上下方向に対して直交する方向に伸縮する前右側倒伏姿勢(図5及び図8参照)とをとり得るように前右側油圧シリンダ70を支持する。前右側起立姿勢は、本発明における右側起立姿勢の一例であり、前右側倒伏姿勢は、本発明における右側倒伏姿勢の一例である。
また、前右側支持部材71は、支持した前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとった状態で前右側アクスル14に沿って左右方向に延びるように配置される前右側拡縮位置(図1及び図2参照)と、支持した前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢をとった状態でトラックフレーム3の外側、具体的には前右側アクスル14の前方に配置される前右側昇降位置(図4参照)との間で縦軸回り(軸ピン25の軸心回り)に回動可能となるように前右側アクスル14に軸ピン25を介して取り付けられている。前右側拡縮位置は、本発明における右側拡縮位置の一例であり、前右側昇降位置は、本発明における右側昇降位置の一例である。前右側支持部材71は、前右側昇降位置では、前右側アクスル14から前側へ行くに従って右方へ向かうように斜めに延びる。
前右側アクチュエータ69の右側拡縮状態では、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとった状態で前右側支持部材71が前右側拡縮位置に配置される。前右側アクチュエータ69の右側昇降状態では、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢をとった状態で前右側支持部材71が前右側昇降位置に配置される。また、前右側支持部材71は、前右側拡縮位置と前右側昇降位置とでそれぞれ固定されるようになっており、前右側アクスル14から前方へ張り出した姿勢をとる回動状態では前右側昇降位置でのみ固定されるようになっている。
前右側支持部材71は、ケース78(図8参照)と、一対の取付板79と、一対のトラニオンピン80(図6参照)とを有する。
ケース78は、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとったときにシリンダ本体75を収容するものである。ケース78は、図8及び図12に示すように、一対の縦板81と、底板82と、端板83と、倒伏ストッパ84とを有する。
各縦板81は、略長方形状の板体であり、その長手方向が水平方向に一致するとともに上下方向に沿うように設けられている。一対の縦板81は、図12に示すように、間隔をあけて互いに平行に配置されている。底板82は、一対の縦板81に対して垂直に配置されるとともに縦板81の長手方向に沿って延び、一対の縦板81の下端縁に接合されている。図8に示すように、縦板81の水平方向の長さは底板80の同方向の長さよりも大きく、各縦板81の長手方向の一端部は、底板82の対応する端部から突出している。
各縦板81の前記一端部には、トラニオンピン80(図6参照)がそれぞれ取り付けられている。一対のトラニオンピン80は、同軸となるように配置されているとともに、それらの軸方向が軸ピン25(図8参照)の軸方向と直交する水平方向になるように配置されている。一対のトラニオンピン80は、一対の縦板81からそれらの縦板81間の空間へ突出しており、前右側油圧シリンダ70の一対のトラニオン76の対応するものに挿嵌されている。各トラニオンピン80は、挿嵌されたトラニオン76をそのトラニオン76がその軸回りに回動可能となるように支持する。これにより、前右側油圧シリンダ70が、トラニオンピン80の軸回り(水平軸回り)に回動可能となって、前記前右側起立姿勢と前記前右側倒伏姿勢とをとり得るようになっている。
各縦板81には、図8に示すように、倒伏姿勢ロック孔81aと起立姿勢ロック孔81bが形成されている。倒伏姿勢ロック孔81aは、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとったときにその姿勢で前右側油圧シリンダ70を保持するために用いられるものである。起立姿勢ロック孔81bは、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢をとったときにその姿勢で前右側油圧シリンダ70を保持するために用いられるものである。倒伏姿勢ロック孔81aは、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとったときに側方から見てロック用孔77aと重なる位置に設けられている。起立姿勢ロック孔81bは、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢(図9参照)をとったときに側方から見てロック用孔77aと重なる位置に設けられている。
前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢をとってロック用孔77aと倒伏姿勢ロック孔81aとが重なった状態でロックピン85a(図6参照)がロック用孔77a及び倒伏姿勢ロック孔81aに挿嵌されることにより、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢で保持される。また、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢をとってロック用孔77aと起立姿勢ロック孔81bとが重なった状態でロックピン85aがロック用孔77a及び起立姿勢ロック孔81bに挿嵌されることにより、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢で保持される。
縦板81の前記一端部側に位置する底板82の端縁には、起立ストッパ82a(図9参照)が設けられている。起立ストッパ82aは、前右側油圧シリンダ70が前右側倒伏姿勢からトラニオンピン80の軸心回りに回動して前右側起立姿勢(図9参照)に達したときにシリンダ本体75に当接して前右側油圧シリンダ70のそれ以上の回動を阻止するものである。この起立ストッパ82aにシリンダ本体75が当接した状態で、ロック用固定部77のロック用孔77aの位置と起立姿勢ロック孔81bの位置が側方から見て一致するようになっている。
端板83は、各縦板81及び底板82に対して垂直に配置された状態で、各縦板81の前記一端部と反対側の端部及び対応する底板82の端部に接合されている。
倒伏ストッパ84(図8及び図12参照)は、前右側油圧シリンダ70が前右側起立姿勢からトラニオンピン80の軸心回りに回動して前右側倒伏姿勢に達したときにシリンダ本体75に当接して前右側油圧シリンダ70のそれ以上の回動を阻止するものである。倒伏ストッパ84は、底板82のうちの端板83寄りの位置に設けられ、その底板82の上面から上側に突出している。この倒伏ストッパ84にシリンダ本体75が当接した状態で、ロック用固定部77のロック用孔77aの位置と倒伏姿勢ロック孔81aの位置が側方から見て一致するようになっている。
一対の取付板79は、軸ピン25に取り付けられる部分である。一対の取付板79は、縦板81及び端板83に対して垂直な姿勢で端板83のうち縦板81及び底板82と反対側の板面に接合されている。一対の取付板79は、上下に間隔をあけて配置されるとともに互いに平行に配置されている。各取付板79には、互いに対応する位置に貫通孔79a(図12参照)が形成されている。一対の取付板79は、図8に示すように、前右側アクスル14の上板22と下板23との間に配置されていて、その位置で各取付板79の貫通孔79aに軸ピン25が挿通されている。これにより、一対の取付板79は、軸ピン25を中心として回動可能となるようにその軸ピン25によって支持され、前右側支持部材71が軸ピン25を中心として回動可能となっている。
一対の取付板79のうち下側の取付板79には、貫通孔79aから離れた位置にロック用孔79b(図12参照)が形成されている。ロック用孔79bは、前右側支持部材71の軸ピン25回りの回動位置を固定するために用いられる。具体的に、前右側支持部材71が前右側拡縮位置(図1参照)に配置されてロック用孔79bと前右側アクスル14の拡縮位置ロック孔23aとが重なった状態で、ロックピン85b(図5参照)がロック用孔79b及び拡縮位置ロック孔23aに挿嵌されることによって、前右側支持部材71が前右側拡縮位置で固定される。また、前右側支持部材71が前右側昇降位置(図4参照)に配置されてロック用孔79bと前右側アクスル14の昇降位置ロック孔23bとが重なった状態で、ロックピン85b(図9参照)がロック用孔79b及び昇降位置ロック孔23bに挿嵌されることによって、前右側支持部材71が前右側昇降位置で固定される。
後右側駆動装置65(図1参照)は、前右側駆動装置64と前後対称となるように構成されている。後右側駆動装置65は、後右側フロート86(図4参照)と、後右側アクチュエータ87とを有する。後右側フロート86は、本発明における右側フロートの一例であり、後右側アクチュエータ87は、本発明における右側アクチュエータの一例である。
後右側フロート86は、トラックフレーム3のジャッキアップ時に後右側アクスル18の後方で接地するものであり、前右側フロート68と同様に構成されている。
後右側アクチュエータ87は、右側フレーム後側被駆動部48及び後右側フロート86の被結合部に対して着脱可能である。後右側アクチュエータ87は、右側フレーム後側被駆動部48に連結されてその右側フレーム後側被駆動部48を後右側アクスル18に沿って左右方向に駆動することにより右側クローラフレーム4を左右方向に駆動する右側拡縮状態(図1及び図2参照)と、後右側フロート86の被結合部に連結されてトラックフレーム3の右側部(後右側部)を後右側フロート86を基点として昇降させる右側昇降状態(図4参照)とをとり得るように構成されている。後右側アクチュエータ87は、後右側油圧シリンダ88と、後右側支持部材89とを有する。後右側油圧シリンダ88は、本発明における右側油圧シリンダの一例であり、後右側支持部材89は、本発明における右側支持部材の一例である。
後右側油圧シリンダ88は、予め定められた伸縮方向に伸縮するものであり、一端がトラックフレーム3の後右側アクスル18に連結され、他端が右側フレーム後側被駆動部48及び後右側フロート86の被結合部に対して着脱可能に構成されている。後右側アクチュエータ87の右側拡縮状態では、後右側油圧シリンダ88は、一端が後右側アクスル18に連結されるとともに他端が右側フレーム後側被駆動部48に連結された状態で伸縮方向が左右方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3に対して右側フレーム後側被駆動部48を左右方向に駆動する。後右側アクチュエータ87の右側昇降状態では、後右側油圧シリンダ88は、一端が後右側アクスル18に連結されるとともに他端が後右側フロート86の被結合部に連結された状態で伸縮方向が上下方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3の後右側部を後右側フロート86を基点として昇降させる。後右側油圧シリンダ88は、前右側油圧シリンダ70のロッド73、シリンダ本体75、一対のトラニオン76及びロック用固定部77と同様のロッド90(図1参照)、シリンダ本体92、一対のトラニオン93(図7参照)及びロック用固定部94を有する。
ロッド90の先端部には、後右側結合部91(図1参照)が設けられている。後右側結合部91は、前右側結合部74と同様に構成されており、後右側フロート86(図4参照)の被結合部及び右側フレーム後側被駆動部48に対して着脱可能に構成されている。後右側結合部91は、下部走行体2の幅拡縮時には右側フレーム後側被駆動部48にピン結合され、トラックフレーム3のジャッキアップ時には後右側フロート86の被結合部にピン結合される。
後右側支持部材89は、後右側アクスル18に取り付けられて、後右側油圧シリンダ88を支持する。具体的に、後右側支持部材89は、後右側油圧シリンダ88が上下方向に伸縮する後右側起立姿勢(図4参照)と上下方向に対して直交する方向に伸縮する後右側倒伏姿勢(図1及び図2参照)とをとり得るように後右側油圧シリンダ88を支持する。後右側起立姿勢は、本発明における右側起立姿勢の一例であり、後右側倒伏姿勢は、本発明における右側倒伏姿勢の一例である。
また、後右側支持部材89は、支持した後右側油圧シリンダ88が後右側倒伏姿勢をとった状態で後右側アクスル18に沿って左右方向に延びるように配置される後右側拡縮位置(図1及び図2参照)と、支持した後右側油圧シリンダ88が後右側起立姿勢をとった状態でトラックフレーム3の外側、具体的には後右側アクスル18の後方に配置される後右側昇降位置(図4参照)との間で縦軸回り(軸ピン37の軸心回り)に回動可能となるように後右側アクスル18に軸ピン37を介して取り付けられている。後右側拡縮位置は、本発明における右側拡縮位置の一例であり、後右側昇降位置は、本発明における右側昇降位置の一例である。後右側支持部材89は、後右側昇降位置では、後右側アクスル18から後側へ行くに従って右方へ向かうように斜めに延びる。
後右側アクチュエータ87の右側拡縮状態では、後右側油圧シリンダ88が後右側倒伏姿勢をとった状態で後右側支持部材89が後右側拡縮位置に配置される。後右側アクチュエータ87の右側昇降状態では、後右側油圧シリンダ88が後右側起立姿勢をとった状態で後右側支持部材89が後右側昇降位置に配置される。また、後右側支持部材89は、後右側拡縮位置と後右側昇降位置とでそれぞれ固定されるようになっており、後右側アクスル18から後方へ張り出した姿勢をとる回動状態では後右側昇降位置でのみ固定されるようになっている。
後右側支持部材89は、前右側支持部材71と前後対称となるように構成されており、前右側支持部材71のケース78、一対の取付板79及び一対のトラニオンピン80に対応するケース95(図7参照)、一対の取付板96(図1参照)及び一対のトラニオンピン97(図7参照)を有する。
ケース95は、前右側支持部材71のケース78と同様に構成されており、そのケース78の一対の縦板81と同様の一対の縦板98を有する。この一対の縦板98にトラニオンピン97がそれぞれ取り付けられている。一対のトラニオンピン97は、前右側支持部材71の一対のトラニオンピン80と同様に構成されており、後右側油圧シリンダ88の一対のトラニオン93の対応するものに挿嵌されてそのトラニオン93がその軸回りに回動可能となるように支持する。これにより、後右側油圧シリンダ88が、トラニオンピン97の軸心回り(水平軸回り)に回動可能となって、後右側起立姿勢と後右側倒伏姿勢とをとり得るようになっている。
ケース95の各縦板98には、倒伏姿勢ロック孔98a(図7参照)と起立姿勢ロック孔(図略)が形成されている。後右側油圧シリンダ88が後右側倒伏姿勢をとってロック用固定部94のロック用孔94aと倒伏姿勢ロック孔98aとが側方から見て重なった状態でロックピン99がロック用孔94a及び倒伏姿勢ロック孔98aに挿嵌されることにより、後右側油圧シリンダ88が後右側倒伏姿勢で保持される。また、後右側油圧シリンダ88が後右側起立姿勢をとってロック用孔94aと起立姿勢ロック孔(図略)とが側方から見て重なった状態でロックピン99がロック用孔94a及び起立姿勢ロック孔に挿嵌されることにより、後右側油圧シリンダ88が後右側起立姿勢で保持される。
後右側支持部材89の一対の取付板96(図1参照)は、前右側支持部材71の取付板79の軸ピン25に対する取付構造と同様の構造で軸ピン37に対して取り付けられている。これにより、後右側支持部材89が、後右側拡縮位置と後右側昇降位置との間で軸ピン37の軸心回りに回動可能となっている。
一対の取付板96のうちの下側の取付板96には、ロック用孔96b(図1参照)が形成されている。後右側支持部材89が後右側拡縮位置(図1及び図2参照)に配置されてロック用孔96bと後右側アクスル18の拡縮位置ロック孔35aとが上下方向から見て重なった状態で、ロックピン(図略)がロック用孔96b及び拡縮位置ロック孔35aに挿嵌されることにより、後右側支持部材89が後右側拡縮位置で固定されるようになっている。また、後右側支持部材89が後右側昇降位置(図4参照)に配置されてロック用孔96bと後右側アクスル18の昇降位置ロック孔35bとが上下方向から見て重なった状態で、ロックピン(図略)がロック用孔96b及び昇降位置ロック孔35bに挿嵌されることにより、後右側支持部材89が後右側昇降位置で固定されるようになっている。
前左側駆動装置66(図1参照)は、前右側駆動装置64と左右対称となるように構成されている。前左側駆動装置66は、前左側フロート100(図4参照)と、前左側アクチュエータ101とを有する。前左側フロート100は、本発明における左側フロートの一例であり、前左側アクチュエータ101は、本発明における左側アクチュエータの一例である。
前左側フロート100は、トラックフレーム3のジャッキアップ時に前左側アクスル16の前方で接地するものであり、前右側フロート68と同様に構成されている。
前左側アクチュエータ101は、左側フレーム前側被駆動部57及び前左側フロート100の被結合部に対して着脱可能である。前左側アクチュエータ101は、左側フレーム前側被駆動部57に連結されてその左側フレーム前側被駆動部57を前左側アクスル16に沿って左右方向に駆動することにより左側クローラフレーム5を左右方向に駆動する左側拡縮状態(図1及び図2参照)と、前左側フロート100の被結合部に連結されてトラックフレーム3の左側部(前左側部)を前左側フロート100を基点として昇降させる左側昇降状態(図4参照)とをとり得るように構成されている。前左側アクチュエータ101は、前左側油圧シリンダ102と、前左側支持部材103とを有する。前左側油圧シリンダ102は、本発明における左側油圧シリンダの一例であり、前左側支持部材103は、本発明における左側支持部材の一例である。
前左側油圧シリンダ102は、予め定められた伸縮方向に伸縮するものであり、一端がトラックフレーム3の前左側アクスル16に連結され、他端が左側フレーム前側被駆動部57及び前左側フロート100の被結合部に対して着脱可能に構成されている。前左側アクチュエータ101の左側拡縮状態では、前左側油圧シリンダ102は、一端が前左側アクスル16に連結されるとともに他端が左側フレーム前側被駆動部57に連結された状態で伸縮方向が左右方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3に対して左側フレーム前側被駆動部57を左右方向に駆動する。前左側アクチュエータ101の左側昇降状態では、前左側油圧シリンダ102は、一端が前左側アクスル16に連結されるとともに他端が前左側フロート100の被結合部に連結された状態で伸縮方向が上下方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3の前左側部を前左側フロート100を基点として昇降させる。前左側油圧シリンダ102は、前右側油圧シリンダ70のロッド73、シリンダ本体75、一対のトラニオン76及びロック用固定部77と同様のロッド104、シリンダ本体106、一対のトラニオン107及びロック用固定部(図略)を有する。
ロッド104の先端部には、前左側結合部105(図1参照)が設けられている。前左側結合部105は、前右側結合部74と同様に構成されており、前左側フロート100(図4参照)の被結合部及び左側フレーム前側被駆動部57に対して着脱可能に構成されている。前左側結合部105は、下部走行体2の幅拡縮時には左側フレーム前側被駆動部57にピン結合され、トラックフレーム3のジャッキアップ時には前左側フロート100の被結合部にピン結合される。
前左側支持部材103は、前左側アクスル16に取り付けられて、前左側油圧シリンダ102を支持する。具体的に、前左側支持部材103は、前左側油圧シリンダ102が上下方向に伸縮する前左側起立姿勢(図4参照)と上下方向に対して直交する方向に伸縮する前左側倒伏姿勢(図1及び図2参照)とをとり得るように前左側油圧シリンダ102を支持する。前左側起立姿勢は、本発明における左側起立姿勢の一例であり、前左側倒伏姿勢は、本発明における左側倒伏姿勢の一例である。
また、前左側支持部材103は、支持した前左側油圧シリンダ102が前左側倒伏姿勢をとった状態で前左側アクスル16に沿って左右方向に延びるように配置される前左側拡縮位置(図1及び図2参照)と、支持した前左側油圧シリンダ102が前左側起立姿勢をとった状態でトラックフレーム3の外側、具体的には前左側アクスル16の前方に配置される前左側昇降位置(図4参照)との間で縦軸回り(軸ピン31の軸心回り)に回動可能となるように前左側アクスル16に軸ピン31を介して取り付けられている。前左側拡縮位置は、本発明における左側拡縮位置の一例であり、前左側昇降位置は、本発明における左側昇降位置の一例である。前左側支持部材103は、前左側昇降位置では、前左側アクスル16から前側へ行くに従って左方へ向かうように斜めに延びる。
前左側アクチュエータ101の左側拡縮状態では、前左側油圧シリンダ102が前左側倒伏姿勢をとった状態で前左側支持部材103が前左側拡縮位置に配置される。前左側アクチュエータ101の左側昇降状態では、前左側油圧シリンダ102が前左側起立姿勢をとった状態で前左側支持部材103が前左側昇降位置に配置される。また、前左側支持部材103は、前左側拡縮位置と前左側昇降位置とでそれぞれ固定されるようになっており、前左側アクスル16から前方へ張り出した姿勢をとる回動状態では前左側昇降位置でのみ固定されるようになっている。
前左側支持部材103は、前右側支持部材71と左右対称となるように構成されている。前左側支持部材103による前左側油圧シリンダ102の支持構造は、前右側支持部材71による前右側油圧シリンダ70の支持構造と同様である。前左側支持部材103では、前右側支持部材71において前右側油圧シリンダ70を前右側起立姿勢と前右側倒伏姿勢とでそれぞれ保持する構成と同様の構成により、前左側油圧シリンダ102を前左側起立姿勢と前左側倒伏姿勢とでそれぞれ保持可能となっている。
また、前左側アクスル16に対する前左側支持部材103の軸ピン31を介した取付構造は、前右側アクスル14に対する前右側支持部材71の軸ピン25を介した取付構造と同様である。また、前左側支持部材103を前左側拡縮位置と前左側昇降位置とでそれぞれ固定するための構成は、前右側支持部材71を前右側拡縮位置と前右側昇降位置とでそれぞれ固定するための構成と同様である。
後左側駆動装置67(図1参照)は、前左側駆動装置66と前後対称となるように構成されているとともに、後右側駆動装置65と左右対称となるように構成されている。後左側駆動装置67は、後左側フロート109(図4参照)と、後左側アクチュエータ110とを有する。後左側フロート109は、本発明における左側フロートの一例であり、後左側アクチュエータ110は、本発明における左側アクチュエータの一例である。
後左側フロート109は、トラックフレーム3のジャッキアップ時に後左側アクスル20の後方で接地するものであり、前右側フロート68と同様に構成されている。
後左側アクチュエータ110は、左側フレーム後側被駆動部58及び後左側フロート109の被結合部に対して着脱可能である。後左側アクチュエータ110は、左側フレーム後側被駆動部58に連結されてその左側フレーム後側被駆動部58を後左側アクスル20に沿って左右方向に駆動することにより左側クローラフレーム5を左右方向に駆動する左側拡縮状態(図1及び図2参照)と、後左側フロート109の被結合部に連結されてトラックフレーム3の左側部(後左側部)を後左側フロート109を基点として昇降させる左側昇降状態(図4参照)とをとり得るように構成されている。後左側アクチュエータ110は、後左側油圧シリンダ111と、後左側支持部材112とを有する。後左側油圧シリンダ111は、本発明における左側油圧シリンダの一例であり、後左側支持部材112は、本発明における左側支持部材の一例である。
後左側油圧シリンダ111は、予め定められた伸縮方向に伸縮するものであり、一端がトラックフレーム3の後左側アクスル20に連結され、他端が左側フレーム後側被駆動部58及び後左側フロート109の被結合部に対して着脱可能に構成されている。後左側アクチュエータ110の左側拡縮状態では、後左側油圧シリンダ111は、一端が後左側アクスル20に連結されるとともに他端が左側フレーム後側被駆動部58に連結された状態で伸縮方向が左右方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3に対して左側フレーム後側被駆動部58を左右方向に駆動する。後左側アクチュエータ110の左側昇降状態では、後左側油圧シリンダ111は、一端が後左側アクスル20に連結されるとともに他端が後左側フロート109の被結合部に連結された状態で伸縮方向が上下方向となる姿勢で配置され、伸縮することによりトラックフレーム3の後左側部を後左側フロート109を基点として昇降させる。後左側油圧シリンダ111は、前右側油圧シリンダ70のロッド73、シリンダ本体75、一対のトラニオン76及びロック用固定部77と同様のロッド114、シリンダ本体116、一対のトラニオン117及びロック用固定部(図略)を有する。
ロッド114の先端部には、後左側結合部115(図1参照)が設けられている。後左側結合部115は、前右側結合部74と同様に構成されており、後左側フロート109(図4参照)の被結合部及び左側フレーム後側被駆動部58に対して着脱可能に構成されている。後左側結合部115は、下部走行体2の幅拡縮時には左側フレーム後側被駆動部58にピン結合され、トラックフレーム3のジャッキアップ時には後左側フロート109の被結合部にピン結合される。
後左側支持部材112は、後左側アクスル20に取り付けられて、後左側油圧シリンダ111を支持する。具体的に、後左側支持部材112は、後左側油圧シリンダ111が上下方向に伸縮する後左側起立姿勢(図4参照)と上下方向に対して直交する方向に伸縮する後左側倒伏姿勢(図1及び図2参照)とをとり得るように後左側油圧シリンダ111を支持する。後左側起立姿勢は、本発明における左側起立姿勢の一例であり、後左側倒伏姿勢は、本発明における左側倒伏姿勢の一例である。
また、後左側支持部材112は、支持した後左側油圧シリンダ111が後左側倒伏姿勢をとった状態で後左側アクスル20に沿って左右方向に延びるように配置される後左側拡縮位置(図1及び図2参照)と、支持した後左側油圧シリンダ111が後左側起立姿勢をとった状態でトラックフレーム3の外側、具体的には後左側アクスル20の後方に配置される後左側昇降位置(図4参照)との間で縦軸回り(軸ピン43の軸心回り)に回動可能となるように後左側アクスル20に軸ピン43を介して取り付けられている。後左側拡縮位置は、本発明における左側拡縮位置の一例であり、後左側昇降位置は、本発明における左側昇降位置の一例である。後左側支持部材112は、後左側昇降位置では、後左側アクスル20から後側へ行くに従って左方へ向かうように斜めに延びる。
後左側アクチュエータ110の左側拡縮状態では、後左側油圧シリンダ111が後左側倒伏姿勢をとった状態で後左側支持部材112が後左側拡縮位置に配置される。後左側アクチュエータ110の左側昇降状態では、後左側油圧シリンダ111が後左側起立姿勢をとった状態で後左側支持部材112が後左側昇降位置に配置される。また、後左側支持部材112は、後左側拡縮位置と後左側昇降位置とでそれぞれ固定されるようになっており、後左側アクスル20から後方へ張り出した姿勢をとる回動状態では後左側昇降位置でのみ固定されるようになっている。
後左側支持部材112は、前左側支持部材103と前後対称となるように構成されているとともに、後右側支持部材89と左右対称となるように構成されている。後左側支持部材112による後左側油圧シリンダ111の支持構造は、前右側支持部材71による前右側油圧シリンダ70の支持構造と同様である。後左側支持部材112では、前右側支持部材71において前右側油圧シリンダ70を前右側起立姿勢と前右側倒伏姿勢とでそれぞれ保持する構成と同様の構成により、後左側油圧シリンダ111を後左側起立姿勢と後左側倒伏姿勢とでそれぞれ保持可能となっている。
また、後左側アクスル20に対する後左側支持部材112の軸ピン43を介した取付構造は、前右側アクスル14に対する前右側支持部材71の軸ピン25を介した取付構造と同様である。また、後左側支持部材112は、後左側拡縮位置と後左側昇降位置とでそれぞれ固定するための構成は、前右側支持部材71を前右側拡縮位置と前右側昇降位置とでそれぞれ固定するための構成と同様である。
下部走行体2の幅拡縮時には、前右側油圧シリンダ70、後右側油圧シリンダ88、前左側油圧シリンダ102及び後左側油圧シリンダ111を各々の倒伏姿勢にしてそれらの油圧シリンダ70,88,102,111のロック用固定部のロック用孔と対応する各支持部材71,89,103,112の倒伏姿勢ロック孔にロックピンを挿嵌し、その倒伏姿勢を保持する。そして、各支持部材71,89,103,112及びそれに支持された各油圧シリンダ70,88,102,111を各々の拡縮位置(図1及び図2参照)に配置して対応するアクスル14,18,16,20の収容空間21,33,27,39に収容させ、拡縮位置ロック孔23a,35a,29a,41aとそれに対応する各支持部材71,89,103,112のロック用孔とにロックピンをそれぞれ挿嵌して、各支持部材71,89,103,112及びそれに支持された各油圧シリンダ70,88,102,111を各々の拡縮位置で回動しないように固定する。
次に、前右側アクスル14を前側貫通孔45に挿入するとともに後右側アクスル18を後側貫通孔46に挿入するように右側クローラフレーム4をトラックフレーム3に組み付けるとともに、前右側結合部74を右側フレーム前側被駆動部47にピン結合し、後右側結合部91を右側フレーム後側被駆動部48にピン結合する。また、前左側アクスル16を前側貫通孔55に挿入するとともに後左側アクスル20を後側貫通孔56に挿入するように左側クローラフレーム5をトラックフレーム3に組み付けるとともに、前左側結合部105を左側フレーム前側被駆動部57にピン結合し、後左側結合部115を左側フレーム後側被駆動部58にピン結合する。
そして、各油圧シリンダ70,88,102,111が同期して各々のロッド73,90,104,114を進出させることにより右側クローラフレーム4及び左側クローラフレーム5をトラックフレーム3の左右幅方向の外側へ移動させる。これにより、下部走行体2の幅が拡大する。また、各油圧シリンダ70,88,102,111が同期して各々のロッド73,90,104,114をシリンダ本体75,92,106,116の内側へ退入させることにより右側クローラフレーム4及び左側クローラフレーム5をトラックフレーム3の左右幅方向の内側へ移動させる。これにより、下部走行体2の幅が縮小する。
一方、トラックフレーム3のジャッキアップ時には、各支持部材71,89,103,112を各々の昇降位置(図3参照)に配置し、昇降位置ロック孔23b,35b,29b,41bとそれに対応する各支持部材71,89,103,112のロック用孔とにロックピンをそれぞれ挿嵌して、各支持部材71,89,103,112を各々の昇降位置で回動しないように固定する。
次に、各油圧シリンダ70,88,102,111のロック用固定部のロック用孔と対応する倒伏姿勢ロック孔からロックピンを抜脱し、各油圧シリンダ70,88,102,111を各々の起立姿勢へ回動させる。そして、各油圧シリンダ70,88,102,111のロック用固定部のロック用孔と対応する各支持部材71,89,103,112の起立姿勢ロック孔にロックピンを挿嵌し、各油圧シリンダ70,88,102,111の起立姿勢を保持する。その後、前右側結合部74に前右側フロート68の被結合部68aをピン結合し、後右側結合部91に後右側フロート86の被結合部をピン結合する。また、前左側結合部105に前左側フロート100の被結合部をピン結合し、後左側結合部115に後左側フロート109の被結合部をピン結合する。
そして、各油圧シリンダ70,88,102,111が同期してそれぞれのロッド73,90,104,114を下向きに進出させ、それにより、接地した各フロート68,86,100,109を基点としてトラックフレーム3を昇降させる。
本実施形態では、前右側アクチュエータ69及び後右側アクチュエータ87が右側クローラフレーム4を左右方向に駆動する右側拡縮状態とトラックフレーム3の右側部を前右側フロート68及び後右側フロート86を基点として昇降させる右側昇降状態とをとり得るように構成されているとともに、前左側アクチュエータ101及び後左側アクチュエータ110が左側クローラフレーム5を左右方向に駆動する左側拡縮状態とトラックフレーム3の左側部を前左側フロート100及び後左側フロート109を基点として昇降させる左側昇降状態とをとり得るように構成されている。すなわち、前右側アクチュエータ69、後右側アクチュエータ87、前左側アクチュエータ101及び後左側アクチュエータ110は、下部走行体2の左右方向の幅を拡縮するために右側クローラフレーム4及び左側クローラフレーム5をトラックフレーム3に対して左右方向に移動させるアクチュエータ及びトラックフレーム3をジャッキアップするためのアクチュエータの両方として機能する。このため、下部走行体の左右方向の幅を拡縮するために右側クローラフレームと左側クローラフレームを左右方向に駆動するアクチュエータとトラックフレームをジャッキアップするためのアクチュエータとを個別に備える従来の下部走行体に比べて、本実施形態では、下部走行体2の装置構成を簡素化できるとともに製造コストを削減できる。
また、本実施形態では、各支持部材71,89,103,112が、対応する油圧シリンダ70,88,102,111をその油圧シリンダが倒伏姿勢と起立姿勢とをとり得るように支持するとともに、拡縮位置と昇降位置とをそれぞれとり得るようになっている。このため、本実施形態では、一般的なアクチュエータである油圧シリンダを用いて、右側クローラフレーム4を左右方向に駆動する右側拡縮状態とトラックフレーム3の右側部を前右側フロート68及び後右側フロート86を基点として昇降させる右側昇降状態とをとり得る前右側アクチュエータ69及び後右側アクチュエータ87と、左側クローラフレーム5を左右方向に駆動する左側拡縮状態とトラックフレーム3の左側部を前左側フロート100及び後左側フロート109を基点として昇降させる左側昇降状態とをとり得る前左側アクチュエータ101及び後左側アクチュエータ110とを構成することができる。
また、本実施形態では、右側クローラフレーム4が前後に分かれて設けられた前右側アクスル14と後右側アクスル18によって支持されながら、その右側クローラフレーム4のうち前右側アクスル14によって支持される範囲内の右側フレーム前側被駆動部47と右側クローラフレーム4のうち後右側アクスル18によって支持される範囲内の右側フレーム後側被駆動部48とがそれぞれ対応する前右側アクチュエータ69と後右側アクチュエータ87によって左右方向に同期して駆動される。また、同様に、左側クローラフレーム5が前後に分かれて設けられた前左側アクスル16と後左側アクスル20によって支持されながら、その左側クローラフレーム5のうち前左側アクスル16によって支持される範囲内の左側フレーム前側被駆動部57と左側クローラフレーム5のうち後左側アクスル20によって支持される範囲内の左側フレーム後側被駆動部58とがそれぞれ対応する前左側アクチュエータ101と後左側アクチュエータ110によって左右方向に同期して駆動される。よって、下部走行体2の幅拡縮のために右側クローラフレーム4と左側クローラフレーム5を左右方向に駆動するときに、それらのクローラフレーム4,5が対応する各アクスルに対して直交する前後方向に延びる姿勢から斜めに傾くのを防ぎつつ、それらのクローラフレーム4,5を対応するアクスルに沿って滑らかに左右方向に移動させることができる。
例えば、トラックフレームの前後方向の略中央の位置でトラックフレームの台座部と各クローラフレームとの間にクローラフレームを左右方向に駆動する駆動装置としての油圧シリンダが架設された従来の構成では、油圧シリンダによって各クローラフレームが駆動されるときに前側のアクスルとクローラフレームとの間の摺動負荷と後側のアクスルとクローラフレームとの間の摺動負荷とが異なることに起因して、クローラフレームがアクスルに対して直交する前後方向に延びる姿勢から斜めに傾き、クローラフレームのうちアクスルが挿入された貫通孔の周りの部分がアクスルによる梃子の作用により押し広げられて損傷する虞がある。これに対し、本実施形態では、上述のように各クローラフレーム4,5を左右方向に駆動するときにそれらのクローラフレーム4,5が対応する各アクスルに対して直交する前後方向に延びる姿勢から斜めに傾くのを防ぐことができることから、各クローラフレーム4,5を対応する各アクスルに沿って左右方向に滑らかに移動させることができ、右側クローラフレーム4の各貫通孔45,46の周りの部分及び左側クローラフレーム5の各貫通孔55,56の周りの部分の損傷を防ぐことができる。
また、本実施形態では、右側拡縮状態における前右側アクチュエータ69を前右側アクスル14の前右側収容空間21に収容でき、右側拡縮状態における後右側アクチュエータ87を後右側アクスル18の後右側収容空間33に収容できる。また、左側拡縮状態における前左側アクチュエータ101を前左側アクスル16の前左側収容空間27に収容でき、左側拡縮状態における後左側アクチュエータ110を後左側アクスル20の後左側収容空間39に収容できる。よって、本実施形態では、下部走行体2をコンパクト化することができる。
また、本実施形態では、前右側支持部材71が前右側アクスル14から前側へ張り出す回動状態では当該前右側支持部材71が前右側アクスル14から前側へ行くに従って右方へ向かうように斜めに延びる前右側昇降位置でのみ固定され、後右側支持部材89が後右側アクスル18から後側へ張り出す回動状態では当該後右側支持部材89が後右側アクスル18から後側へ行くに従って右方へ向かうように斜めに延びる後右側昇降位置でのみ固定される。また、前左側支持部材103が前左側アクスル16から前側へ張り出す回動状態では当該前左側支持部材103が前左側アクスル16から前側へ行くに従って左方へ向かうように斜めに延びる前左側昇降位置でのみ固定され、後左側支持部材112が後左側アクスル20から後側へ張り出す回動状態では当該後左側支持部材112が後左側アクスル20から後側へ行くに従って左方へ向かうように斜めに延びる後左側昇降位置でのみ固定される。
従来の下部走行体では、トラックフレームの前後左右のアクスルに設けられた4つのジャッキアップ装置がトラックフレームの前後左右に斜めに張り出した位置と左右のクローラフレームに沿って前後方向に延びるように張り出す位置とに配置可能となっており、仮に、この従来の下部走行体において各ジャッキアップ装置がクローラフレームに沿って前後方向に延びるように配置された状態でトラックフレームがその各ジャッキアップ装置によってジャッキアップされ、上部旋回体の前後方向が下部走行体の左右方向に略一致するように上部旋回体が旋回した場合には、その上部旋回体の前後方向(下部走行体の左右方向)における各ジャッキアップ装置の接地位置間の間隔が狭くなってそれらのジャッキアップ装置による支えの安定性が低下し、作業機械が転倒する虞がある。
これに対し、本実施形態では、上述のように、各支持部材71,89,103,112が対応するアクスル14,18,16,20から張り出す回動状態では対応するアクスル14,18,16,20から前後左右へ斜めに延びる各昇降位置でのみ固定されるため、その状態で各駆動装置64〜67によりトラックフレーム3がジャッキアップされ、上部旋回体の前後方向が下部走行体2の左右方向に略一致するように上部旋回体が旋回した場合であっても、上部旋回体の前後方向(下部走行体2の左右方向)における前右側駆動装置64の接地位置と前左側駆動装置66の接地位置との間の間隔及び後右側駆動装置65の接地位置と後左側駆動装置67の接地位置との間の間隔を上記従来の場合に比べて大きく保つことができ、各駆動装置64〜67による支えの安定性を確保できる。その結果、この場合における作業機械の転倒を防止できる。
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。