JP6565316B2 - 超低床形路面電車用鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、超低床形路面電車として活用が可能な鉄道車両に関するものである。
超低床形路面電車には、図8に示したような、台車のない客室部車体1の前後に、2つの輪軸2a,2bを有する2軸台車3によって支持された端部車体4a,4bを配置し、両車体4aと1、1と4bがピッチングを防止しつつ回転が可能なように連結されたものがある(例えば特許文献1)。
輪軸2a,2bが左右の車輪が一体となって回転する一体輪軸の場合、車輪の踏面勾配の影響により発生するクリープ力Fによって、図9に示すように蛇行動Sが発生し、特に先頭の輪軸2aを左右方向及びヨー方向に運動させる。以下、本明細書においては、一体輪軸のことを単に輪軸ともいう。
前記運動のうちのヨー方向の運動は、輪軸2a,2bと2軸台車3の間に設ける軸ばね5や、2軸台車3と端部車体4aの間に設ける枕ばね6が前後方向に高剛性で、端部車体4aに対して2軸台車3があまり回転しない場合、端部車体4aと2軸台車3はほぼ同位相となる。
従って、前記ヨー方向の運動は、先頭の輪軸2aから軸ばね5、2軸台車3、枕ばね6を介して端部車体4aに伝達される。なお、7は輪軸2a,2bを回転自在に支持する軸受を設けた軸箱である。
前記蛇行動を防止する手段としては、車輪の踏面勾配を小さくすることや、軸箱と台車の間に設けられた軸ばねや車体を支持する枕ばねの前後方向の剛性を高剛性とすることが有効である。
しかしながら、直線区間走行時の安定性とトレードオフの関係にある曲線通過性能が悪化するため、このような手段を急曲線区間が多い路面電車に適用することはできなかった。
また、枕ばねの前後方向の剛性が高い程、2軸台車と車体は両者を一体化したものに近くなって旋回モーメントが増加する。急曲線区間でも緩和曲線区間を設けることができない路面電車の車両においては、旋回モーメントが増加することにより、曲線区間の入口での車体のヨー方向の角速度が大きくなって車体に急激なヨー方向の変位を発生させる。
そこで、特許文献1に記載された車両において、車体間の連結構造として、車体間に作用する力を制御可能なダンパーを取り付けることで、直線走行時の安定性と、曲線通過性能の向上を図る技術が開示されている(特許文献2)。
この特許文献2の技術は、検知した車体間の相対変位、又は相対変位に基づいて算出した相対速度、又は相対変位の周波数に基づき直線走行時か曲線走行時かを判定し、直線走行時には振動を低減するように、曲線走行時には車体のヨーイング運動をアシストするようにダンパーを作動させるものである。
しかしながら、特許文献2のように、検知信号に基づいて判定した直線走行時或いは曲線走行時に適するようにダンパーの作動を制御するシステムでは、制御システムが故障した場合などの対応(耐フェイル性)に課題がある。
特開2001−301614号公報 特開2006−306156号公報
本発明が解決しようとする問題点は、客室部車体と前後に配置した端部車体を、ピッチングを防止しつつ回転可能に連結する際に、車体間に作用する力を制御可能なダンパーを取り付けた場合、制御システムが故障した場合などの対応に課題があるという点である。
本発明は、耐フェイル性に課題のある制御システムを使用することなく、機械的なシステムにより、超低床形路面電車として活用が可能な鉄道車両における直線走行時の安定性と、曲線通過性能の向上を図ることを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、
一体輪軸を有する1台の2軸台車で支持した車体を回転自在に連結した超低床形路面電車用鉄道車両、或いは、台車のない車体を、前記1台の2軸台車で支持した車体で前後から挟むように回転自在に連結した超低床形路面電車用鉄道車両であって、
前記2軸台車と前記一体輪軸間に設ける軸ばねの前後方向の剛性を5kN/mm未満、及び前記2軸台車と前記車体間に設ける枕ばね前後方向の剛性を500N/mm未満の柔剛性として、前記一体輪軸と前記2軸台車及び前記2軸台車と前記車体が相対的にヨー方向の旋回を許容できるようにするとともに、
前記車体と前記一体輪軸をリンク機構により連結し、前記一体輪軸の前記ヨー方向の旋回モーメントを前記車体に伝えるようにしたことを最も主要な特徴としている。
本発明の前記リンク機構は、例えば、2軸台車に回転自在に取り付けられた梃子と、一体輪軸を回転自在に支持する軸箱に一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子に回転自在に連結する第1のリンクと、車体に一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子に回転自在に連結する第2のリンクから構成されている。
上記本発明では、走行中に蛇行動が発生した場合、一体輪軸から軸ばね、2軸台車、枕ばねを経て車体に伝達する流れとは別に、一体輪軸から第1のリンク、梃子、第2のリンクを経て車体に伝わるモーメントが発生する。
従って、梃子の2軸台車への取り付け点と第1のリンクとの連結点間の距離よりも、梃子の前記取付け点と第2のリンクとの連結点間の距離を長くすることで、車体の慣性力を増幅させ、一体輪軸のヨー方向の運動を抑制することができる。
本発明のリンク機構は、車体と2軸台車の2つの一体輪軸を連結するものであっても、車体と2軸台車の2つの一体輪軸のうちの何れか一方に連結するものであってもよい。
その際、一体輪軸の台車から見た相対ヨー方向の旋回は、2軸台車のヨー方向の旋回と同方向或いは逆方向となるように適宜決定する。
超低床形路面電車用台車の場合、軸ばね5の前後方向の剛性は5〜10kN/mm、枕ばね6の前後方向の剛性は約500N/mmであることから、本発明において、軸ばねが前後方向に柔剛性とは、軸ばねの前後方向のばね定数が5kN/mm未満の場合をいう。また、枕ばねが前後方向に柔剛性とは、枕ばねの前後方向のばね定数が500N/mm未満の場合をいう。
本発明では、軸ばね及び枕ばねを前後方向に柔剛性として、一体輪軸と2軸台車及び2軸台車と車体が相対的にヨー方向の旋回を許容するので、一体輪軸と軌道の進む方向とのなすアタック角を小さくすることができるようになって曲線通過性能の向上を図ることができる。
また、本発明では、車体と一体輪軸をリンク機構により連結して一体輪軸のヨー方向の旋回を車体に伝えるようにするので、直線走行時にはヨー方向の旋回を抑制できるようになって直線走行時の安定性を高めることができる。
本発明の鉄道車両の一実施例、及び本発明の鉄道車両の走行時における力の伝達について説明する図である。 一体輪軸を有する1台の2軸台車で車体を支持した車両が曲線区間を通過する時の姿勢について説明する図である。 一体輪軸を有する1台の2軸台車で車体を支持した車両を2両連結した鉄道車両が半径25mの曲線区間を通過するときの車体のヨー方向の角速度(以下、ヨー角速度という)をシミュレーションした図で、(a)は軸ばね、枕ばねが前後方向に高剛性の場合、(b)は軸ばね、枕ばねを前後方向に柔剛性とした場合、(c)は鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と逆方向になるよう操舵した場合、(d)は鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と同方向になるよう操舵した場合である。 曲線区間の入口における図3で示した車体のヨー角速度を比較した図である。 (a)〜(d)は図3と同じ条件で先頭台車のボギー角をシミュレーションした図である。 図5で示した先頭台車のボギー角の曲線区間の出口での対数減衰率を比較した図である。 本発明の鉄道車両におけるリンク機構を説明する図で、それぞれ2軸台車から見て、(a)は先頭の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と逆方向となるように操舵するもの、(b)は先頭の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と同方向となるように操舵するもの、(c)は後尾の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と逆方向となるように操舵するもの、(d)は後尾の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と同方向となるように操舵するもの、(e)は先頭の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と逆方向となるように、後尾の輪軸の相対ヨー角を端部車体の相対ヨー角と同方向となるように操舵するものである。 特許文献1で開示された超低床形路面電車の説明図である。 1台の2軸台車で端部車体を支持する車両の軸ばねと枕ばねが前後方向に高剛性である場合における走行時の力の伝達について説明する図である。
本発明では、超低床形路面電車として活用が可能な鉄道車両における直線走行時の安定性と、曲線通過性能の向上を図るという目的を、軸ばね及び枕ばねを柔剛性とし、車体と一体輪軸をリンク機構により連結することで実現した。
以下、本発明の実施例を図1〜図7を用いて説明する。
図1は、例えば、台車のない客室部車体1を、一体輪軸2a,2bを有する1台の2軸台車3で支持した端部車体4a(,4b)で前後から挟むように、連結装置8を用いて連結した鉄道車両を示している。
図1に示した本発明の鉄道車両は、前記2軸台車3と一体輪軸2a,2bの間に設ける軸ばね5の前後方向の剛性を柔剛性として、先頭の一体輪軸2aにクリープ力Fが発生した時に先頭の一体輪軸2aが2軸台車3に対して、相対的にヨー方向の旋回を許容できるようにしている。
また、前記2軸台車3と前記端部車体4a(,4b)の間に設ける枕ばね6の前後方向の剛性を柔剛性として、2軸台車3が端部車体4a(,4b)に対して、相対的にヨー方向の旋回を許容できるようにしている。従って、先頭の一体輪軸2aの旋回モーメントを小さくすることができ、急曲線入口での端部車体4a(,4b)に作用するヨー角速度を小さくすることができる。
加えて、図1に示した本発明の鉄道車両は、端部車体4a(,4b)と先頭の一体輪軸2aをリンク機構11により連結し、先頭の一体輪軸2aの前記ヨー方向の旋回を端部車体4a(,4b)に伝えるようにしている。
一体輪軸2a,2bを有する1台の2軸台車3で支持した端部車体4aが曲線区間を通過するときの姿勢を図2に示す。
曲線区間の通過時は、一体輪軸2a,2bと軌道の進む方向とのなす角(アタック角)θ1が小さい程、曲線通過性能が良くなる。そのため、曲線区間の通過時における端部車体4a(,4b)と2軸台車3間のボギー角θ2に基づき、前記リンク機構11により前記アタック角θ1を小さくするようにする。
発明者らは、路面電車を対象とした一体輪軸を有する1台の2軸台車で車体を支持した車両を2両連結した鉄道車両が、半径25mの曲線区間を通過するときの車体のヨー角速度と先頭台車のボギー角をシミュレーションした。その結果を図3〜図6に示す。
図3は車体のヨー角速度をシミュレーションした図、図4は曲線区間の入口における図3で示した車体のヨー角速度を比較した図である。
また、図5は先頭台車のボギー角をシミュレーションした図、図6は先頭台車のボギー角の曲線区間の出口での対数減衰率を比較した図である。
図3及び図5の(a)は軸ばね、枕ばねが前後方向に高剛性の場合、(b)は軸ばね、枕ばねを前後方向に柔剛性とした場合、(c)は鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸を操舵した場合、(d)は鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸を操舵した場合を示す。
曲線区間の入口で発生する車体のヨー角速度は、軸ばねと枕ばねを前後方向に高剛性とした従来の路面電車では、図3(a)、図4より、約120mrad/sであることが分かる。
これに対し、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とした場合は、図3(b)、図4より、曲線区間の入口で発生するヨー角速度が約85mrad/sに低減されていることが分かる。
また、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とし、リンク機構により鉄道車両の第1軸と第4軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と逆方向となるように旋回させた場合は、図3(c)、図4より、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性としただけの場合と同じヨー角速度であることが分かる。
また、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とし、リンク機構により鉄道車両の第2軸と第3軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と同方向となるように旋回させた場合は、図3(d)、図4より、ヨー角速度が80mrad/s以下となり、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性としただけの場合よりもさらに低減されることが分かる。
一方、曲線区間の中央で発生する先頭台車のボギー角は、軸ばねと枕ばねを前後方向に高剛性とした従来の路面電車では、図5(a)に示すように5mrad以下であり、また、曲線区間の出口での先頭台車のボギー角の対数減衰率は、図6に示すように2.25と高い。従って、図5(a)に示すように、曲線区間の通過直後にボギー角の振動成分は収束している。
これに対して、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とした場合、図5(b)に示すように曲線区間の中央で5〜25mrad程度のボギー角が生じ、かつボギー角に振動成分が発生していることが分かる。また、曲線区間の出口での先頭台車のボギー角の対数減衰率は、図6に示すように0.75と低く、曲線区間通過後のボギー角の振動成分が収束し難いことが分かる。
しかしながら、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とし、リンク機構により鉄道車両の第2軸と第3軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と同方向となるように旋回させた場合は、図5(d)に示すように曲線区間の中央で20mrad程度のボギー角が生じるが、ボギー角にはほとんど振動成分が発生していない。また、曲線区間の出口での先頭台車のボギー角の対数減衰率は、図6に示すように2.75と高い。従って、図5(d)に示すように、曲線区間の通過直後にボギー角の振動成分は収束していることが分かる。
また、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とし、リンク機構により鉄道車両の第1軸と第4軸をともに台車から見た輪軸の相対ヨー角が台車から見た車体の相対ヨー角と逆方向となるように旋回させた場合、図5(c)に示すように曲線区間の中央で10〜20mrad程度のボギー角が生じるが、曲線区間の出口での先頭台車のボギー角の対数減衰率は、図6に示すように1以上となる。従って、図5(c)に示すように、曲線区間通過後のボギー角の振動成分は、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性とした場合よりも収束しやすくなっていることが分かる。
上記結果を踏まえて、先頭の一体輪軸2a又は後尾の一体輪軸2b、或いは、先頭の一体輪軸2aと後尾の一体輪軸2bを、2軸台車3のヨー方向の旋回と同方向或いは逆方向に旋回するように、前記リンク機構11を構成する。
例えば図1に示した実施例は、梃子12と、第1のリンク13と、第2のリンク14とでリンク機構11を構成している。このうち梃子12は、2軸台車3に回転が自在なように、その中央部で取り付けられている。また、第1のリンク13は、先頭の一体輪軸2aを回転自在に支持する軸箱7に一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子12の2軸台車3への取り付け点P1より一方端側に回転自在に連結している。また、第2のリンク14は、端部車体4aに一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子12の前記取付け点P1より他方端側に回転自在に連結している。
上記本発明の鉄道車両では、走行中に蛇行動Sが発生した場合、一体輪軸2aから軸ばね5、2軸台車3、枕ばね6を経て端部車体4aに伝達する流れとは別に、一体輪軸2aから第1のリンク13、梃子12、第2のリンク14を経て端部車体4aに伝わるモーメントが発生する(図1参照)。
従って、梃子12の2軸台車3への取り付け点P1と第1のリンク13との連結点P2の間の距離L1よりも、前記取付け点P1と梃子12の第2のリンク14との連結点P3と間の距離L2を長くして端部車体4aの慣性力を増幅させれば、直線区間の走行時に一体輪軸2aのヨーイング方向の運動を抑制することができる。
図1や図7(a)に示した前記リンク機構11は、2軸台車3から見た先頭の一体輪軸2aの相対ヨー角が、2軸台車3から見た端部車体4aの相対ヨー角と逆方向に旋回するように端部車体4a(,4b)に連結するものであるが、図7(b)〜(e)に示したものでも良い。
図7(b)は、前記梃子12の取り付け点P1を梃子12の一方端側、第2のリンク14の梃子12への連結点P3を梃子12の他方端側とし、第1のリンク13の梃子12への連結点P2を梃子12の中央部としたものである。この場合、2軸台車3から見た先頭の一体輪軸2aの相対ヨー角は、2軸台車3から見た端部車体4aの相対ヨー角と同方向に旋回する。
一方、図7(c)(b)のリンク機構11は、後尾の一体輪軸2bを端部車体4a(,4b)に連結する例である。
このうち、図7(c)は、図7(a)に示したリンク機構11における第1のリンク13の一端側を、後尾の一体輪軸2bを回転自在に支持する軸箱7に、回転自在に取り付けたものである。
また、図7(d)は、図7(b)に示したリンク機構11における第1のリンク13の一端側を、後尾の一体輪軸2bを回転自在に支持する軸箱7に、回転自在に取り付けたものである。
他方、図7(e)は、先頭の一体輪軸2aと後尾の一体輪軸2bを共にリンク機構11によって端部車体4a(,4b)に連結し、2軸台車3から見た先頭の一体輪軸2aの相対ヨー角は、2軸台車3から見た端部車体4aの相対ヨー角と逆方向に、2軸台車3から見た後尾の一体輪軸2bの相対ヨー角は、2軸台車3から見た端部車体4aの相対ヨー角と同方向に旋回する例である。
なお、図1及び図7では、リンク機構11が端部車体4aの側面から突出している図となっているが、これは理解を容易にするための模式図であって、実際には、2軸台車3と端部車体4a,4bの間に配置するものであることは言うまでもない。
次に、図7に示したリンク機構11を設けた場合の評価を下記表1に示す。
下記表1に示した評価は以下の評価基準に基づいて行った。
効果1:曲線区間の入口における車体のヨー角速度
枕ばねの前後方向の剛性 剛;−1点
枕ばねの前後方向の剛性 柔;+1点
効果2:操舵装置の慣性力によってヨー方向の振動を吸収する動吸振器効果
図6のシミュレーション結果をもとに、下記の基準で評価した。
枕ばねの前後方向の剛性が剛の台車(操舵装置なし);+2点
枕ばねの前後方向の剛性が柔の台車(操舵装置なし);+0.5点
台車から見た輪軸の相対ヨー角と台車から見た車体の相対ヨー方向の動きが逆方向となるパターン;+1点
台車から見た輪軸の相対ヨー角と台車から見た車体の相対ヨー方向の動きが同方向となるパターン;+2.5点
効果3:操舵効果
操舵装置が輪軸の自己操舵性能を補助するパターン;+1点
操舵装置が輪軸の自己操舵性能を阻害するパターン;−0.5点
効果1の曲線区間の入口における車体のヨー角速度は、枕ばねの前後方向の剛性によって左右されるものであるため、図3及び図4の結果から点数評価をした。
また、効果2の動吸振器効果は、輪軸が蛇行動により発生するヨーイングモーメントに対して、車体のもっている慣性力(慣性モーメント)は大きく、台車から見た輪軸と車体のヨー方向の動きが同方向の場合はより大きな動吸振器効果が期待できるため、+2.5点と評価した。操舵装置がない場合との比較は、図5及び図6の結果から点数評価をした。
また、操舵効果は、本発明で対象とする鉄道車両は、曲線通過時の相対ヨーイング角を相対する車体間で負担することがほとんどで、車体と台車間では負担しないので、操舵装置が輪軸の自己操舵性能を阻害するパターンでも−1点ではなく−0.5点と評価した。
Figure 0006565316
表1より、No.5の、鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸が図7(b)に示すリンク機構、鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸が図7(d)に示すリンク機構を採用した場合、及び、No.7の、鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸が図7(a)に示すリンク機構、鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸が図7(d)に示すリンク機構を採用した場合に最も評価が高い。
しかしながら、鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸、或いは鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸を、2軸台車のヨー方向の旋回と同方向又は逆方向に旋回するもの(No.1〜4)でも、軸ばねと枕ばねを前後方向に高剛性とした従来の路面電車や、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性としただけの場合と同等以上の評価が得られた。
また、全軸を操舵する場合も、鉄道車両の先頭の第1軸と最後尾の第4軸、及び鉄道車両の中央に位置する第2軸と第3軸の旋回方向は、表1のNo.5,7以外であっても、軸ばねと枕ばねを前後方向に高剛性とした従来の路面電車や、軸ばねと枕ばねを前後方向に柔剛性としただけの場合よりも評価は高い(No.6,8)。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、図1,2では、図8に示した、1台の2軸台車を有する端部車体4a,5bと台車を有さない客室部車体1の3両連結の鉄道車両を、図3〜図6では、1台の2軸台車で車体を支持した車両を2両連結した鉄道車両について説明している。しかしながら、本発明では、連結する車両の数は特に限定されない。
1 客室部車体
2 輪軸(一体輪軸)
3 2軸台車
4a,4b 端部車体
5 軸ばね
6 枕ばね
7 軸箱
8 連結装置
11 リンク機構
12 梃子
13 第1のリンク
14 第2のリンク

Claims (7)

  1. 一体輪軸を有する1台の2軸台車で支持した車体を回転自在に連結した超低床形路面電車用鉄道車両、或いは、台車のない車体を、前記1台の2軸台車で支持した車体で前後から挟むように回転自在に連結した超低床形路面電車用鉄道車両であって、
    前記2軸台車と前記一体輪軸間に設ける軸ばねの前後方向の剛性を5kN/mm未満、及び前記2軸台車と前記車体間に設ける枕ばね前後方向の剛性を500N/mm未満の柔剛性として、前記一体輪軸と前記2軸台車及び前記2軸台車と前記車体が相対的にヨー方向の旋回を許容できるようにするとともに、
    前記車体と前記一体輪軸をリンク機構により連結し、前記一体輪軸の前記ヨー方向の旋回モーメントを前記車体に伝えるようにしたことを特徴とする超低床形路面電車用鉄道車両。
  2. 前記リンク機構は、前記2軸台車に回転が自在に取り付けられた梃子と、前記一体輪軸を回転自在に支持する軸箱に一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子に回転自在に連結する第1のリンクと、前記車体に一端側が回転自在に取り付けられ、他端側を前記梃子に回転自在に連結する第2のリンクからなることを特徴とする請求項1に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
  3. 前記リンク機構は、前記車体と前記2軸台車の2つの一体輪軸を連結するものであることを特徴とする請求項2に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
  4. 前記リンク機構は、前記2軸台車の一方の一体輪軸に対して、台車からみた一体輪軸の相対ヨー角と台車からみた車体の相対ヨー角を同方向に、他方の一体輪軸に対して、台車からみた一体輪軸の相対ヨー角と台車からみた車体の相対ヨー角を逆方向に動作させる構成であることを特徴とする請求項3に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
  5. 前記リンク機構は、前記2軸台車の2つの一体輪軸に対して、台車からみた一体輪軸の相対ヨー角と台車からみた車体の相対ヨー角を同方向或いは逆方向に動作させる構成であることを特徴とする請求項3に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
  6. 前記リンク機構は、前記車体と前記2軸台車の2つの一体輪軸のうちの何れかを連結するものであることを特徴とする請求項2に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
  7. 前記リンク機構は、前記2軸台車の一体輪軸に対して、台車からみた一体輪軸の相対ヨー角と台車からみた車体の相対ヨー角を同方向或いは逆方向に動作させる構成であることを特徴とする請求項6に記載の超低床形路面電車用鉄道車両。
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