JP6564585B2 - ゲル状食品用粉末組成物 - Google Patents
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Description
(1)粉末形態のデザートベースであり、簡便にゲル状のデザート食品を調製することができる。
(2)粉末形態であるため、長期にわたる保存性に優れるとともに、製品としたときの輸送にも有利である。
本発明の粉末形態のデザートベースとは、粉末組成物を、牛乳、各種ジュース、豆乳、酸性乳飲料、缶詰のシロップなどに添加すると、均質でテクスチャーおよび風味のよいゲル状物を調製することができるものである。
本発明で用いるペクチンは、低メトキシルペクチン(LMペクチン)である。LMペクチンであればいずれも用いることができる。LMペクチンはカルシウムなどの二価金属イオンの存在下でゲル化するという性質を持つ。特に本発明では、冷水可溶性ペクチンが好適に用いることができる。冷水可溶性ペクチンの例としては、前記WO2012/050099「粉末ミックス」に示されているペクチンが挙げられ、ペクチン中のカルシウム含量を500ppm以下、ナトリウム含量を5000ppm以上に、カリウム含量を5ppm以上に調節したことを特徴とするペクチンである。この冷水可溶性ペクチンは冷水に容易に溶解させることができ、このペクチン溶液を牛乳と混合するとゲルを形成することができる。だだし、冷水可溶性ペクチンを粉末のまま牛乳に添加しても、過剰なカルシウムイオンが存在するため溶解することができず、均質なゲルを調製することはできなかった。
本発明の粉末組成物に用いるカルシウム塩としては、グルコン酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、などを好適に使用することができる。特に硫酸カルシウムが好適に用いることができる。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
なお、リン塩でもあるリン酸カルシウムは、水に溶けやすく、均質なゲルを生成することができないので、ここでいう「カルシウム酸塩」には含めない。
本発明の粉末組成物に用いるリン酸塩としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウムなどを好適に使用することができる。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。なお、リン酸塩又はクエン酸塩:ペクチン=1:1〜1:8、好ましくは1:1〜1:4の範囲で使用することが好ましい。
LMペクチン(カーギル社製)および食品添加物規格の各種塩を用いて粉末組成物を調製した(表1)。ペクチンを1.8gおよび硫酸カルシウムを0.84gの一定として、それに各種リン酸塩を0.9gあるいは1.1gを粉粉混合して粉末組成物を調製した。冷蔵保存の牛乳100mL(温度10℃)に粉末組成物を添加してスパチュラによる手撹拌で分散溶解させた。実施例1から10では全てゲルを形成した。リン酸塩の種類と添加量を変えることで、角のしっかり立つ弾力のある硬いゲルから、やや離水のみられるゲルであるが良好な食感のゲルまで、それぞれテクスチャーの異なるゲルを調製することができた。
LMペクチン(カーギル社製)および食品添加物規格の各種塩を用いて、粉末組成物を調製した(表2)。ペクチンを1.8gおよび硫酸カルシウムを0.84gの一定として、それに各種リン酸塩を0.6gあるいは0.45gを粉粉混合して粉末組成物を調製した。冷蔵保存の牛乳100mL(温度10℃)に粉末組成物を添加してスパチュラによる手撹拌で分散溶解させた。実施例11から20では全て良好な食感のゲルを形成した。リン酸塩の種類と添加量を変えることで、角のしっかり立つ弾力のある硬いゲルから、やや離水のみられるゲルで良好な食感を持つゲルまで、テクスチャーの異なるゲルが調製することができた。
LMペクチン(カーギル社製)および食品添加物規格の各種塩を用いて、粉末組成物を調製した(表3)。ペクチンを1.8gおよびメタリン酸ナトリウムを1.1gの一定として、それに各種カルシウム塩を濃度を変えて粉粉混合して粉末組成物を調製した。牛乳100mL(温度10℃)に粉末組成物を添加してスパチュラによる手撹拌で分散溶解させた。実施例21から28では全てゲルを形成した。乳酸カルシウムおよびグルコン酸カルシウムを添加した比較例1〜4では良好なゲルを調製することができなかった。これは、水への溶解度の高いカルシウム塩では良好なゲルを調製することができないことがわかった。
ペクチン、硫酸カルシウム、メタリン酸ナトリウムのそれぞれの量を変えて調製した粉末組成物を牛乳100mL(温度:10℃)と混合したときのゲルの性状を調べた(表4)。実施例29〜32では良好なゲルが調製できた。比較例5〜7に示した配合ではゲル化しなかった。これは粉末組成物中のペクチンの含量が低くいと良好なゲルが調製できないことを示している。
成分無調整豆乳(温度:10℃)100mLに、ペクチン、硫酸カルシウム、およびメタリン酸ナトリウムからなる粉末組成物を添加混合してゲル状物を調製した。各成分の濃度を変えることで、角が立つ程度の離水のないゲルから、やや緩いゲルまで、テクスチャーの異なる各種食感のゲルが調製することができた。
市販のブラックコーヒー(温度10℃)100mLに、ペクチン、硫酸カルシウム、メタリン酸ナトリウムからなる粉末組成物を添加して、ゲルの性状を調べた。それぞれの成分の濃度を変えることで、離水のないゼラチン様の弾力のあるフレーバーリリースのよいゲルが調製できた。
冷蔵保存しておいてオレンジジュース(温度10℃)100mLに、ペクチン、硫酸カルシウム、メタリン酸ナトリウムからなる粉末組成物を添加して、ゲルの性状を調べた(表7)。それぞれの濃度を変えることで、オレンジジュースそのままの味のフレーバーリリースのよいゲルが調製できた。
Claims (1)
- LMペクチン、リン酸塩およびカルシウム塩から構成することを特徴とする粉末組成物であって、各種飲料の100mLに添加する際に、
LMペクチン含量が0.426〜1.8g、
リン酸塩含量が0.25〜1.1g
及びカルシウム含量が次のA〜Cのいずれか一種以上となるように配合されてなる粉末組成物。
A.硫酸カルシウム0.4〜0.84g
B.クエン酸カルシウム0.84〜0.93g
C.炭酸カルシウム0.84〜1.8g
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