JP6564063B2 - 回転電機の組立装置および回転電機の製造方法 - Google Patents
回転電機の組立装置および回転電機の製造方法Info
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Description
電磁石機能を有する治具の外周面に分割コアを吸着する。治具の下面に分割コアの下面を覆う下側ハウジングを吸着する。下側ハウジングの中央には、治具を挿通する開口が設けられている。治具の上面に、分割コアの上面側から下側ハウジングに嵌合する上側ハウジングを取り付ける。上側ハウジングには、分割コアの損傷を防止するためのバネ性を有するフランジ部が形成されている。治具を除去し、上下側ハウジングを溶接等により一体とする(例えば、特許文献1参照)。
本発明の第2の態様による回転電機の製造方法は、固定子とハウジングとを備えた回転電機の製造方法であって、軸部材と、前記軸部材の周囲に設けられ、径方向に移動可能に設けられた複数の可動鉄心と、励磁巻線とを有する電磁石部とを備え、前記電磁石部は、複数の分割コアにより構成されるステータコアの内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、前記分割コアを内周側に吸引し、前記可動鉄心の外径が前記ステータコアの内径よりも小さくなるよう、前記可動鉄心を径小にする方向に付勢する戻し機構をさらに備える回転電機の組立装置を用い、前記電磁石部に励磁電流を流すことにより、前記可動鉄心を径小にする方向に付勢する前記戻し機構の付勢力に抗して、前記可動鉄心を前記ステータコア側に移動する工程を備える。
本発明の第3の態様による回転電機の製造方法は、固定子とハウジングとを備えた回転電機の製造方法であって、軸部材と、前記軸部材の周囲に設けられ、径方向に移動可能に設けられた複数の可動鉄心と、励磁巻線とを有する電磁石部とを備え、前記電磁石部は、複数の分割コアにより構成されるステータコアの内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、前記分割コアを内周側に吸引し、前記分割コアにより構成される前記ステータコアの外周に、軸方向に移動可能に嵌合され前記ステータコアの外周面を保持する保持リングと、ベースと、前記ベースに設けられ、前記ステータコアを支持するステータコア支持部とを備える回転電機の組立装置を用い、前記ステータコア支持部により前記ステータコアを支持した状態で、前記ステータコアの外周に前記ハウジングを嵌合し、前記ハウジングを軸方向に押し下げて前記ハウジングと前記ステータコアとの嵌合を進行させながら前記保持リングを前記ステータコアの下方に移動する工程を備える。
図1〜図8を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、回転電機の組立装置を用いて作製される、本発明による回転電機を、電動パワーステアリングモータとして例示する第1の実施形態の側面図である。
電動パワーステアリング(EPS)システムは、EPSモータ(以下、単にモータという)100と、不図示のECU(Engine Control Unit)と、トルクセンサ等の各種センサを備えている。本実施形態では、ECUと機電一体で構成されるモータ100のみが図示されている。
モータ100は、内部にモータの構成部品が収容されたハウジング2を有する。モータ100は、回転軸となるシャフト6を有している。シャフト6の一端はハウジング2から突出しており、この突出した部分にプーリ1が固定されている。プーリ1は、図示はしないが、ベルトによりEPSシステムのギア駆動部に連結され、これにより、動力の伝達機構が構成されている。
上述したように、モータ100の中心部にシャフト6が配置され、シャフト6の一端部、図示の例では左端側の端部にはプーリ1が固定されている。シャフト6のハウジング2内における軸方向のほぼ中央部には、回転子31、すなわち、Fロータコア12とRロータコア13が設けられている。F・Rロータコア12、13のそれぞれにはF磁石12mとR磁石13mが取り付けられている。F磁石12mおよびR磁石13mの外周部は磁石カバーで覆われている。プーリ1とFロータコア12との間には、シャフト6を回転可能に支えるFベアリング7が配置されている。シャフト6のプーリ1と反対側の端部である他端部側には、シャフト6を回転可能に支えるRベアリング8が配置されている。
ステータコア4は、複数の分割コア40を、それぞれ隣接する分割コア40同士を側部において連結して環状に構成されている。この構造の詳細は後述する。
すべての分割コア40は、図3に図示される構造を有する。例えば、8極12スロットの集中巻モータでは、ステータコア4は、12個の分割コア40で構成される。
分割コア40は、電磁綱板が積層されて形成されており、内周部41と外周部42と、内周部41と外周部42とを接続する中間部43とを有する。内周部41の内周面41aおよび外周部42の外周面42aは、それぞれ、円弧状に形成されている。外周部42の周方向の長さは、内周部41の周方向の長さよりも大きい。また、中間部43の周方向の長さは、内周部41および外周部42の周方向の長さより小さい。中間部43には、コイル5が巻回される。なお、外周部42の外周面42aには、軸方向に直線状に延出される溝47が形成されている。
分割コア40同士を連結して仮組みされたステータコア4を、ハウジング2に焼嵌めする方法について説明する。
図4を参照して、組立装置50を用いてハウジング2とステータコア4とを焼嵌めする方法の概要を説明する。
組立装置50は、ベース51、支柱52、ステータコア支持部53および電磁石部60を備えている。また、組立装置50は、保持リング57を備えている。電磁石部60は、複数の可動鉄心61と、励磁巻線62とにより構成されている。ステータコア支持部53は、リング状に形成された部材であり、その先端部が、分割コア40が仮組されてなるステータコア4の下端面に当接するように、根元部においてベース51に固定されている。ベース51、支柱52、ステータコア支持部53および電磁石部60は一体的に組み立てられた電磁石組立体55を構成する。保持リング57は、電磁石組立体55とは分離されている。
なお、上記は、単に一例を例示しただけであり、ステータコア4を仮組みするには、他の方法によってもよい。
図5(A)は、ハウジング2を、分割コア40が仮組みされてなるステータコア4の上方に保持した状態を示す。分割コア40が仮組みされてなるステータコア4は、外周に保持リング57が嵌合された状態で、その下端面がステータコア支持部53の上面に載置される。このとき、電磁石部60には励磁電流が流れておらず、分割コア40が仮組みされてなるステータコア4の内周面と電磁石部60の可動鉄心61の外周面には隙間が形成される。この詳細は、後述する。不図示の加圧装置を駆動してハウジング2を下方に移動し、上述したように、ハウジング2のインロー部38を保持リング57のインロー部59に一致するように位置合わせする。この状態で、ハウジング2を押し下げるとハウジング2の下端面が、保持リング57の段部58aに当接する。さらに、ハウジング2を押し下げると、分割コア40が仮組みされてなるステータコア4の外周に嵌合している保持リング57が、ハウジング2と共に下方に移動する。図5(B)は、この状態を示す。詳細は後述するが、図5(B)に示す状態では、電磁石部60に励磁電流が流され、分割コア40が仮組みされてなるステータコア4を構成する分割コア40は、それぞれ、電磁石部60に吸引されている。これにより、ステータコア4は、高い真円度を有する円環形状になっている。
図6は、ハウジング2を、ステータコア4の上方から押し下げ、ハウジング2のインロー部38を保持リング57のインロー部59に一致するように位置合わせした状態を示す。
先ず、電磁石組立体55の電磁石部60の構造の詳細を説明する。
電磁石部60の複数の可動鉄心61は、図7に図示されるように、支柱52から放射状に配置されている。図7では、可動鉄心61は、分割コア40と同数の12個設けた構造として例示されている。図6に図示されるように、可動鉄心61は、上部水平部61a、下部水平部61b、上部水平部61aの内端と下部水平部61bの内端とを接続する垂直部61cとを有している。放射状に配置された可動鉄心61の内周に、円環状に形成された断面コ字形状のボビン63が設けられている。ボビン63の内側に励磁巻線62が巻回されている。
図6は、支柱52の中心軸を境に、左側と右側とで電磁石部60の駆動状態が異なる状態を示している。図6に向かって中心軸より左側は、電磁石部60の励磁巻線62に電流を流していない状態を示す。図6に向かって中心軸より右側は、電磁石部60の励磁巻線62に電流を流している状態を示す。
この状態で、電磁石部60の励磁巻線62に励磁電流を流すと、すなわち、励磁巻線62に励磁電流が供給されると、図6の中心軸より右側に示す状態となる。
すなわち、先ず、各可動鉄心61は、分割コア40が仮組みされてなるステータコア4に吸引され、電磁石保持フランジ66上を外周方向に移動する。このとき、電磁石部60からは、戻しばね37a、37bの付勢力よりも大きい力が発生されるように設定されている。各可動鉄心61は、その外周面が規制リング36の内周面に当接した位置で、規制リング36により外周方向への移動が規制される。
本実施形態では、ステータコア4における軸方向の基準位置P0を、ハウジング2の開口部側の端面位置P1を基準として設定した。つまり、ステータコア4の基準位置P0を、ハウジング2の開口部側の端面位置P1から軸方向に所定の寸法位置に定めた。ステータコア4は、電磁鋼板等を積層して形成されるため、軸方向、換言すれば積層方向の厚さにばらつきが生じる。ステータコア4の基準位置P0を上記のように設定すると、ステータコア4と、ハウジング2の開口部側と反対側である底部2aの内面との隙間にばらつきが生じる。本実施形態では、ステータコア4の厚さが公差の最大になった場合でも、図8(B)に示すように、軸方向において、ステータコア4の上面4aとハウジング2の底部の内面2aとに隙間Sが設けられるようにした。このことにより、ハウジング2とステータコア4の焼嵌めによる接合力が規定値を満たすか否かを判断できるようになっている。このことについて、以下に説明する。
(1)組立装置50は、電磁石部60を有し、電磁石部60は、複数の分割コア40により構成されるステータコア4の内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、分割コア40を内周側に吸引する。分割コア40が電磁石部60に吸引されることにより、ステータコア4の真円度は高くなり、この状態のまま、焼嵌めされる。従って、複数の分割コア40により構成されるステータコアを高い真円度を維持した状態で組立てることが可能となる。これにより、ステータコアに高い真円度が求められるEPSモータ等の組立装置として用いることが可能となる。
図9は、本発明による回転電機の組立装置の第2の実施形態を示す断面図である。
第2の実施形態における組立装置50は、可動鉄心61が所定の位置で外周側への移動を規制する規制リングとして、上部規制リング36aと下部規制リング36bとを備えている。
上部規制リング36aは、第1の実施形態の規制リング36と同様、上部支持ピン39aにより支持されている。
下部規制リング36bは、電磁石保持フランジ66の上部側、換言すれば、可動鉄心61が配置された側に固定されている。
従って、第2の実施形態においても、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する。
加えて、第2の実施形態では、可動鉄心61の外周側への移動を、可動鉄心61の上下の両端側で規制するので、ステータコア4を構成する各分割コア40との距離が上下の両端側で確実にほぼ同一とすることができる。これにより、各分割コア40への吸引力を一定に揃えることができ、ステータコア4の真円度をより高めることができるという効果を奏する。
4 ステータコア
5 コイル
31 回転子
32 固定子
36 規制リング
36a 上部規制リング
36b 下部規制リング
37a 戻しばね
37b 戻しばね
40 分割コア
50 組立装置
51 ベース
52 支柱
53 ステータコア支持部
57 保持リング
60 電磁石部
61 可動鉄心
62 励磁巻線
100 モータ
Claims (3)
- 固定子とハウジングとを備えた回転電機の製造方法であって、
軸部材と、前記軸部材の周囲に設けられ、径方向に移動可能に設けられた複数の可動鉄心と、励磁巻線とを有する電磁石部とを備え、前記電磁石部は、複数の分割コアにより構成されるステータコアの内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、前記分割コアを内周側に吸引する回転電機の組立装置を用い、前記電磁石部により前記分割コアを内周側に吸引した状態で、前記ステータコアに、加熱により膨張させた前記ハウジングを嵌合する工程を備える回転電機の製造方法。 - 固定子とハウジングとを備えた回転電機の製造方法であって、
軸部材と、前記軸部材の周囲に設けられ、径方向に移動可能に設けられた複数の可動鉄心と、励磁巻線とを有する電磁石部とを備え、前記電磁石部は、複数の分割コアにより構成されるステータコアの内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、前記分割コアを内周側に吸引し、前記可動鉄心の外径が前記ステータコアの内径よりも小さくなるよう、前記可動鉄心を径小にする方向に付勢する戻し機構をさらに備える回転電機の組立装置を用い、前記電磁石部に励磁電流を流すことにより、前記可動鉄心を径小にする方向に付勢する前記戻し機構の付勢力に抗して、前記可動鉄心を前記ステータコア側に移動する工程を備える回転電機の製造方法。 - 固定子とハウジングとを備えた回転電機の製造方法であって、
軸部材と、前記軸部材の周囲に設けられ、径方向に移動可能に設けられた複数の可動鉄心と、励磁巻線とを有する電磁石部とを備え、前記電磁石部は、複数の分割コアにより構成されるステータコアの内周部に配置され、励磁電流が供給されることにより、前記分割コアを内周側に吸引し、前記分割コアにより構成される前記ステータコアの外周に、軸方向に移動可能に嵌合され前記ステータコアの外周面を保持する保持リングと、ベースと、前記ベースに設けられ、前記ステータコアを支持するステータコア支持部とを備える回転電機の組立装置を用い、前記ステータコア支持部により前記ステータコアを支持した状態で、前記ステータコアの外周に前記ハウジングを嵌合し、前記ハウジングを軸方向に押し下げて前記ハウジングと前記ステータコアとの嵌合を進行させながら前記保持リングを前記ステータコアの下方に移動する工程を備える回転電機の製造方法。
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