JP6556258B2 - インクジェットプリンター用液体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンター用液体組成物に関する。
インクジェット技術は、インクジェットプリンター(インクジェット記録装置)のインクジェットヘッドからインクジェットプリンター用液体組成物(例えばインク)を吐出して画像を形成する技術である。
インクジェット技術に関し、さまざまな技術が知られている。
例えば、記録画像のカラーブリード耐性とフェザリング耐性が良好で、オフセット印刷と同等の光沢感が得られ、更にラインヘッド特有の課題であるバルジを解決し、出射安定性と生産性に優れたインクジェット記録方法として、インクジェット記録ヘッドからインクジェットインクを吐出して記録媒体に記録するインクジェット記録方法において、インクジェットインクは、少なくとも色材と高分子化合物とを含有し、高分子化合物が親水性主鎖に対して複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、かつ、インクジェット記録ヘッドがラインヘッド方式であって、かつ、インクジェット記録ヘッド近傍の相対湿度を40%RH以上、95%RH以下に制御して記録するインクジェット記録方法が知られている(例えば、特開2007−191701号公報参照)。
また、インクジェットプリントにて画像が形成された建築板の製造方法において、屋外での使用に耐えうる十分な耐候性を備えた建築板の製造方法として、(1)下塗り塗装を施した基材に、UVインクにてインクジェット塗装を施す工程と、(2)(1)の工程の後、紫外線によりUVインクを硬化させる工程と、(3)(2)の工程の後、インクジェット塗装がされた面にクリア塗装を施す工程とからなる建築板の製造方法であって、UVインクに、光重合開始剤と、反応性オリゴマーおよび/または反応性モノマーと、顔料とが含まれてなり、(2)の工程における硬化させた後のUVインクの硬化率が50〜90%であり、かつクリア塗装に架橋成分を含む建築板の製造方法が知られている(例えば、特開2010−167334号公報参照)。
また、低出力の活性エネルギー線の照射に対しても高感度で硬化し、界面活性剤のしみ出しが少なく、経時安定性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、並びに該活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び印刷物として、(A)エチレン性不飽和結合を有し、実質的に水に不溶な重合性化合物、(B)アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、及びメタクリルアミド基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有する界面活性剤、(C)重合開始剤、並びに(D)水を含有する活性エネルギー線硬化型組成物、並びに活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法及び印刷物が知られている(例えば、特開2011−208088号公報参照)。
また、可視光、紫外線、電子線、赤外線などの放射線を照射することによって反応し、硬化或いは増粘可能なインクジェット記録用インクを用いた画像形成技術により、滲みがなく、高濃度、高画質なインクジェット記録装置として、放射線硬化性化合物を含む放射線硬化性インクをインクヘッドから吐出して、実質的にインク非吸収性の記録媒体上に画像形成し、吐出後のインクを放射線照射により硬化或は増粘させた後、表面形状を調整する手段を有するインクジェット記録装置が知られている(例えば、特開2003−276178号公報参照)。
また、画像均一性(画像部と非画像部の光沢差の縮小)、鮮鋭性(エッジシャープネス)、ブリード耐性に優れ、かつくっつき耐性が向上したインクジェット用インクとして、少なくとも色剤、水及び親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、インクの表面張力が19mN/m以上、35mN/m未満であるインクジェット用インクが知られている(例えば、特開2007−45936号公報参照)。
また、インクの違いによる活性化エネルギーの吸収特性の違いに起因するインクの硬化不良が回避され、好ましい硬化処理が実現されるインクジェット記録装置として、活性光線の照射によって硬化するインクを吐出させる複数のノズルが並べられたノズル列を具備し、硬化特性が異なる複数のインクに対応して複数のノズル列を具備する画像形成手段と、ノズル列が複数の単位に分割された分割単位ごとにインク吐出を制御して、分割単位ごとに吐出されたインクによって記録媒体上に層を形成するとともに、異なる分割単位から吐出されたインクによって形成される複数の層を積層させるように画像形成手段のインク吐出を制御する吐出制御手段と、記録媒体に吐出させたインクに対して活性光線を照射する活性光線照射手段と、を備えたインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特開2012−101492号公報参照)。
また、インクジェットプリンタにおいて、凹凸がなく、平坦度が高く光沢感のある高精細な画像をプリントできるインクとして、少なくとも、顔料、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂および光重合開始剤からなり粘度が20mPa・sec以上(室温25℃)のUV硬化型インクに、揮発性有機溶剤としてn−ヘキサンが添加され、3mPa・sec以上18mPa・sec(室温25℃)以下の粘度を有するインクが知られている(例えば、特開2010−280828号公報参照)。
また、乾き擦り耐性及び低減された乾き擦り転移をもたらすシステムとして、十分な耐擦り性を有する耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷するためのシステムであって、a)基材と、b)インクジェットインクを収容している第1インクジェットペンであって、インクジェットインクが、i)第1液体ビヒクル、及びii)有効量の顔料着色剤、からなり、且つ基材上へ噴射できるように構成されている、第1インクジェットペンと、c)一旦基材上に噴射されると、インクジェットインク上を被覆するように構成されている滑り成分と、を具備するシステムが知られている(例えば、特開2004−284362号公報参照)。
ところで、インクジェット技術において、形成される画像の耐摩耗性を向上させることが求められる場合がある。画像の耐摩耗性の向上が求められる場合としては、例えば、インクジェット技術によって皮革などの軟質基材に加飾印刷を施す場合が挙げられる。
しかし、特開2007−191701号公報、特開2010−167334号公報、特開2011−208088号公報、特開2003−276178号公報、特開2007−45936号公報、特開2012−101492号公報、特開2010−280828号公報、及び特開2004−284362号公報に記載のインクジェット技術によって形成された画像では、画像の耐摩耗性が不足する場合がある。
本発明者の検討により、インクジェットプリンター用液体組成物に、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物及び特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンを含有させると、形成される画像の耐摩耗性が向上することが判明した。
しかし、本発明者の検討により、インクジェットプリンター用液体組成物にこれらの成分を含有させると、インクジェットヘッドからの吐出安定性が損なわれる場合があることも判明した。
本発明の一態様は上記に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドからの吐出安定性に優れ、かつ、耐摩耗性に優れた画像を形成できるインクジェットプリンター用液体組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり重合性基を有しない重量平均分子量20000以上400000以下の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、並びに光重合開始剤を含有し、
上記有機溶剤の含有量が、液体組成物全量に対し、40質量%以上80質量%以下であり、
上記(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が、液体組成物全量に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下であるインクジェットプリンター用液体組成物。
<2> 上記重合性化合物が、2官能アクリレート化合物である<1>に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
<3> 上記重合性化合物の含有量が、液体組成物全量に対し、5質量%以上40質量%以下である<1>又は<2>に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
<4> 上記(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンからなる粒子を含有し、上記粒子の体積平均一次粒子径が、0.01μm以上0.3μm以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
<5> 上記反応性ポリシロキサンが、下記式(I)で表される化合物の少なくとも1種である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
式(I)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Yは、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は式(Z)で表される基を表し、mは、1〜10000の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。
式(Z)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、*は、結合位置を表す。
<6> 式(I)中のYが、炭素数1〜20のメルカプトアルキル基であり、
式(Z)中のRが、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は炭素数1〜20のメルカプトアルキル基である<5>に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
<7> 上記(メタ)アクリル酸エステルが、下記式(II)で表される化合物の少なくとも1種である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。
本発明の一態様によれば、インクジェットヘッドからの吐出安定性に優れ、かつ、耐摩耗性に優れた画像を形成できるインクジェットプリンター用液体組成物が提供される。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線といった活性エネルギー線を包含する概念である。
本明細書では、紫外線を「UV(Ultra Violet)」と称することがある。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
<インクジェットプリンター用液体組成物>
本開示のインクジェットプリンター用液体組成物(以下、単に「液体組成物」ともいう)は、有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり重合性基を有しない重量平均分子量20000以上400000以下の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン(以下、「特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン」ともいう)、並びに光重合開始剤を含有し、有機溶剤の含有量が、液体組成物全量に対し、40質量%以上80質量%以下であり、上記特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が、液体組成物全量に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下である。
本開示の液体組成物は、インクジェットヘッドからの吐出安定性(以下、「IJ吐出安定性」ともいう)に優れ、かつ、耐摩耗性に優れた画像を形成できる。
本開示の液体組成物により、画像の耐摩耗性向上の効果が奏される推定理由は以下のとおりである。
画像の耐摩耗性向上の推定理由の一つは、形成された画像が光によって硬化されていることである。詳細には、本開示の液体組成物は上記重合性化合物及び光重合開始剤を含有するので、本開示の液体組成物を用いて画像を形成する場合には、形成された画像を光によって硬化させることができる。
画像の耐摩耗性向上の推定理由の別の一つは、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン中のポリオルガノシロキサン骨格により、画像に対し、滑り性が付与されていることである。
画像の耐摩耗性向上の推定理由のさらに別の一つは、以下のとおりである。即ち、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であることから、分子中に、(メタ)アクリル酸エステルの重合鎖(以下、「(メタ)アクリル鎖」ともいう)を有している。本開示の液体組成物によって形成された画像において、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのポリオルガノシロキサン骨格は、上記(メタ)アクリル鎖の作用により、画像の表面だけでなく、画像の内部にも存在し易いと考えられる。従って、画像の表面が摩耗し、新たな表面が現れた場合においても、新たな表面にポリオルガノシロキサン骨格が存在する。従って、画像の微小な摩耗が繰り返された場合においても、ポリオルガノシロキサン骨格による耐摩耗性向上の効果が持続するので、画像の優れた耐摩耗性が維持されると考えられる。
また、本開示の液体組成物が、IJ吐出安定性に優れる理由は、以下のように推測される。
一般的には、液体組成物が重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)20000以上の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン及びMw1000以上の重合性化合物を含有すると、液体組成物の粘度が上昇する傾向となると考えられる。
しかし本開示の液体組成物では、有機溶剤の含有量が40質量%以上であること、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が5.0質量%以下であること、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwが400000以下であること、及び、重合性化合物のMwが30000以下であることにより、液体組成物の粘度上昇が抑制されると考えられる。このため、液体組成物の優れたIJ吐出安定性が維持されると考えられる。
以上の理由により、本開示の液体組成物は、インクジェットヘッドからの吐出安定性(以下、「IJ吐出安定性」ともいう)に優れ、かつ、耐摩耗性に優れた画像を形成できると考えられる。
なお、本明細書中において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定された値を意味する。
上記GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて行う。
また、GPCは、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行なう。
検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
本開示の液体組成物によって形成された画像は、屈曲性にも優れる。
ここで、画像の屈曲性とは、画像が形成された被記録媒体(例えば基材)を屈曲させた場合における、被記録媒体の屈曲に対する画像の追従し易さを意味する。画像の屈曲性が悪いと、画像が形成された被記録媒体(例えば基材)を屈曲させた場合に、被記録媒体の屈曲に対して画像が追従できず、画像の割れが発生し易くなる。この画像の割れは、光硬化された画像において、特に発生しやすい。
本開示の液体組成物によって形成された画像が屈曲性に優れる理由は、重合性化合物のMwが1000以上であるためと考えられる。即ち、重合性化合物を含有する液体組成物による画像を光によって硬化させる場合、画像の光硬化の過程で、画像中において重合性化合物の重合及び架橋が進行する。この重合性化合物として、Mwが1000以上である重合性化合物を用いることにより、架橋点と架橋点との間の距離が長くなるので、画像を屈曲させ易くなると考えられる。即ち、画像が形成された基材を屈曲させた場合においても、基材の屈曲に対して画像が追従し易くなり、画像の割れが生じ難くなると考えられる。従って、本開示の液体組成物によって形成された画像は屈曲性に優れると考えられる。
本開示の液体組成物は、耐摩耗性及び屈曲性に優れた画像を形成できるので、被記録媒体としての軟質基材(皮革など)に対するインクジェット記録(例えば加飾印刷)に特に適している。
上記重合性化合物としては、画像の屈曲性をより向上させる観点から、2官能アクリレート化合物が好ましい。
中でも、2官能のウレタンアクリレート化合物が特に好ましい。
上記重合性化合物の含有量は、液体組成物全量に対し、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
上記重合性化合物の含有量が5質量%以上であると、画像の耐摩耗性がより向上する。上記重合性化合物の含有量は、画像の耐摩耗性をより向上させる観点から、10質量%以上であることがより好ましい。
上記重合性化合物の含有量が40質量%以下であると、液体組成物のIJ吐出安定性がより向上する。上記重合性化合物の含有量は、液体組成物のIJ吐出安定性をより向上させる観点から、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることが特に好ましい。
なお、液体組成物が、重合性化合物として2官能アクリレート化合物を含有する場合における、2官能アクリレート化合物の含有量の好ましい範囲も、上記重合性化合物の含有量の好ましい範囲と同様である。
液体組成物は、画像の耐摩耗性をより向上させる観点から、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンからなる粒子を含有することが好ましい。言い換えれば、液体組成物に含有される特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、粒子の形態となっていることが好ましい。
この粒子の体積平均一次粒子径(以下、「粒径」ともいう)は、0.01μm以上0.3μm以下であることが好ましい。
上記粒子の粒径が0.01μm以上であると、画像の耐摩耗性がより向上する。上記粒子の粒径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.15μm以上であることが特に好ましい
上記粒子の粒径が0.3μm以下であると、液体組成物のIJ吐出安定性がより向上する。上記粒子の粒径は、0.25μm以下であることがより好ましい。
本明細書中において、体積平均一次粒子径(粒径)は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置を用い、トリプロピレングリコールメチルエーテルを測定溶媒として測定された値を意味する。
液体組成物は、更に、着色剤を含有することができる。
液体組成物が着色剤を含有する態様は、液体組成物を着色インクとして用いる場合に好適である。
この場合、着色剤の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。
液体組成物が着色剤を含有する態様(着色インク)によれば、耐摩耗性に優れた着色画像を形成できる。
液体組成物は、着色剤を実質的に含有しない無色インクとして用いることも好ましい。
本明細書中において、着色剤を実質的に含有しないとは、着色剤の含有量が、液体組成物の全量に対し、0.1質量%未満であることをいう。
本明細書中において、「無色」とは、実質的に無色であることを意味する。
液体組成物が着色剤を実質的に含有しない態様(無色インク)によれば、耐摩耗性に優れた無色画像を形成できる。
無色インクの一例として、着色インクによって形成された着色画像上に無色の被膜(以下、「トップコート膜」ともいう)を形成するための、トップコート液が挙げられる。本開示の液体組成物であるトップコート液によれば、耐摩耗性に優れたトップコート膜を形成できる。かかる耐摩耗性に優れたトップコート膜によって着色画像を覆うことにより、着色画像(詳細には、トップコート膜付き着色画像)の耐摩耗性を向上させることができる。この場合、トップコート膜によって被覆されることとなる着色画像は、公知の着色インクを用いて形成してもよいし、着色剤を含有する態様の本開示の液体組成物を用いて形成してもよい。
以下、本開示の液体組成物の好ましい態様についてさらに説明する。
<特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン>
本開示の液体組成物は、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンとして、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサン(以下、「特定反応性ポリシロキサン」ともいう)の少なくとも1種と(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種との共重合体であり重合性基を有しない重量平均分子量(Mw)20000以上400000以下の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンを少なくとも1種含有する。
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、20000以上400000以下である。
本開示では、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwが20000以上であることにより、画像の耐摩耗性が向上する。特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwは、画像の耐摩耗性の観点から、30000以上であることがより好ましく、50000以上であることが特に好ましい。
本開示では、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwが400000以下であることにより、液体組成物のIJ吐出安定性がより向上する。特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwは、IJ吐出安定性の観点から、300000以下であることがより好ましく、200000以下であることが特に好ましい。
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンとしては、特定反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとのグラフト共重合体であることが特に好ましい。
本開示の液体組成物における特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量(2種以上である場合には総含有量。以下同じ。)は、前述のとおり、0.1質量%以上5.0質量%以下である。
上記含有量が0.1質量%以上であることにより、画像の耐摩耗性が向上する。上記含有量は、画像の耐摩耗性をより向上させる観点から、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。
上記含有量が5.0質量%以下であることにより、液体組成物のIJ吐出安定性が向上する。上記含有量は、液体組成物のIJ吐出安定性をより向上させる観点から、4.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンにおける、特定反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合質量比〔(メタ)アクリル酸エステル/特定反応性ポリシロキサン〕は、0.5〜10.0であることが好ましく、1.0〜5.0であることがより好ましく、2.0〜4.0であることが更に好ましく、2.0〜3.0であることが特に好ましい。
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンを形成するための特定反応性ポリシロキサン(即ち、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサン)は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
特定反応性ポリシロキサンとしては、下記式(I)で表される化合物の少なくとも1種が好ましい。
式(I)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Yは、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は式(Z)で表される基を表し、mは、1〜10000の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。
式(Z)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、*は、結合位置を表す。
式(I)及び式(Z)中、R〜Rにおける炭素数1〜20の炭化水素基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。また、上記炭化水素基は、直鎖炭化水素基であってもよいし、分岐炭化水素基であってもよいし、環状炭化水素基であってもよい。上記炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
式(I)及び式(Z)中、R〜Rにおける炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基の好ましい態様は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されていること以外は、R〜Rにおける炭素数1〜20の炭化水素基の好ましい態様と同様である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が特に好ましい。
式(I)及び式(Z)中、R〜Rにおける炭素数1〜20の炭化水素オキシ基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。また、上記炭化水素オキシ基は、直鎖炭化水素オキシ基であってもよいし、分岐炭化水素オキシ基であってもよいし、環状炭化水素オキシ基であってもよい。上記炭化水素オキシ基としては、脂肪族炭化水素オキシ基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
式(I)及び式(Z)中、Y及びRにおける重合性基としては、エチレン性二重結合を含む基が好ましく、ビニル基及び1−メチルビニル基の少なくとも一方を含む基が更に好ましい。
重合性基としては、重合反応性及び形成される膜の硬度の観点から、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
式(I)及び式(Z)中、Y及びRにおける重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
Y及びRにおける重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基としては、炭素数1〜20のメルカプトアルキル基が特に好ましい。
式(I)中、mは、1〜10000の整数を表すが、mとしては、2〜1000の整数が好ましく、3〜500の整数がより好ましく、5〜100の整数が特に好ましい。
式(I)中、nは、1以上の整数を表すが、nとしては、2〜1000の整数が好ましく、3〜500の整数がより好ましく、5〜100の整数が特に好ましい。
但し、式(I)中のm及びnの各々は、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンのMwが20000以上400000以下となるように適宜調整され得る。
また、式(I)中、nに対するmの比〔m/n〕は、1〜10000が好ましく、1〜1000がより好ましく、1〜100が特に好ましい。
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの形成に、2種以上の式(I)で表される化合物からなる混合物を用いる場合においても、混合物全体において、nに対するmの比〔m/n〕は、1〜10000であることが好ましく、1〜1000であることがより好ましく、1〜100であることが特に好ましい。
式(I)で表される化合物としては、式(I)中のYが、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3)のメルカプトアルキル基であり、式(Z)中のRが、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3)の炭化水素基、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3)のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3)の炭化水素オキシ基、又は炭素数1〜20(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3)のメルカプトアルキル基である化合物が特に好ましい。
また、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンを形成するための(メタ)アクリル酸エステルは、一種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(II)で表される化合物の少なくとも1種が好ましい。
式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。
式(II)中のRにおける炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐アルキル基であってもよい。
また、炭素数1〜20のアルキル基は、炭素数が1〜20でありさえすればよく、無置換の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であってもよいし、シクロアルキル基によって置換された直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であってもよいし、アリール基によって置換された直鎖アルキル基又は分岐アルキル基(即ち、アラルキル基)であってもよい。
炭素数1〜20のアルキル基の炭素数としては、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
式(II)中のRにおける炭素数2〜20のアルコキシアルキル基は、アルコキシアルキル基全体としての総炭素数が2〜20であること及びアルコキシ基によって置換されていること以外は、式(II)中のRにおける炭素数1〜20のアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
炭素数2〜20のアルコキシアルキル基の炭素数(アルコキシアルキル基全体としての総炭素数)としては、2〜12が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が特に好ましい。
式(II)中のRにおける炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシ基によって置換されていること以外は、式(II)中のRにおける炭素数1〜20のアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(II)中のRにおける炭素数3〜20のシクロアルキル基は、無置換のシクロアルキル基であってもよいし、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基によって置換されたシクロアルキル基であってもよい。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の炭素数としては、3〜12が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
式(II)中のRにおける炭素数6〜20のアリール基は、無置換のアリール基であってもよいしアルキル基によって置換されたアリール基であってもよい。
炭素数6〜20のアリール基の炭素数としては、6〜12が好ましい。
本開示の液体組成物は、本開示の液体組成物の効果を妨げない範囲で、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン以外のポリオルガノシロキサンを含有していてもよい。
例えば、本開示の液体組成物は、重合性基を有する(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンを含有してもよい。重合性基を有する(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、後述の特定重合性化合物又は後述のその他の重合性化合物に分類される。
<有機溶剤>
本開示の液体組成物は、有機溶剤を少なくとも1種含有する。
本開示の液体組成物中における有機溶剤の含有量は、前述のとおり、液体組成物の全量に対し、40質量%以上80質量%以下である。
有機溶剤の含有量が40質量%以上であることにより、液体組成物のIJ吐出安定性が向上する。有機溶剤の含有量は、液体組成物のIJ吐出安定性をより向上させる観点から、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
一方、有機溶剤の含有量が80質量%以下であることにより、画像の耐摩耗性が向上する。
有機溶剤としては、特に制限されず、印刷産業において一般に使用されている任意の有機溶剤から選択できる。
有機溶剤としては、例えば、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、アルコール、ケトン、エステル、ピロリドン、等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、等が挙げられる。
ケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、例えば、酢酸3−メトキシブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
ピロリドンとしては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
中でも、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸3−メトキシブチル、及びγ−ブチロラクトンが好ましい。
有機溶剤の沸点としては、75℃以上300℃以下が好ましく、100℃以下250℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下がさらに好ましく、150℃以上200℃以下が特に好ましい。
有機溶剤の沸点が75℃以上であると、画像の密着性がより向上する。一方、沸点が300℃以下であると、画像の滲みがより抑制される。
<重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物>
本開示の液体組成物は、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物(以下、「特定重合性化合物」ともいう)を少なくとも1種含有する。
液体組成物中における特定重合性化合物の含有量の好ましい範囲は前述のとおりである。
重合性化合物とは、重合性基を有する化合物を意味する。
重合性基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基が挙げられ、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、エチレン性二重結合を含む基が好ましく、ビニル基及び1−メチルビニル基の少なくとも一方を含む基が更に好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
カチオン重合性基としては、エポキシ基が挙げられる。
特定重合性化合物の重量平均分子量は、1000以上30000以下である。
特定重合性化合物の重量平均分子量が1000以上であることにより、画像の屈曲性が向上する。
特定重合性化合物の重量平均分子量が30000以下であることにより、IJ吐出安定性及び画像の耐摩耗性が向上する。
特定重合性化合物の重量平均分子量は、1000以上20000以下であることが好ましく、1000以上15000以下であることがより好ましく、1000以上10000以下であることが更に好ましく、1500以上10000以下であることが特に好ましい。
特定重合性化合物としては、2官能〜6官能の重合性化合物を用いることができる。
ここで、2官能〜6官能の重合性化合物とは、それぞれ、一分子中に重合性基を2つ〜6つ有する化合物を指す。
特定重合性化合物としては、画像の屈曲性をより向上させる観点から、2官能〜4官能の重合性化合物が好ましく、2官能〜3官能の重合性化合物がより好ましく、2官能の重合性化合物が特に好ましい。
また、特定重合性化合物としては、ウレタンアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、エポキシノボラックアクリレート等のアクリレート化合物が好ましく、ウレタンアクリレートが特に好ましい。
<その他の重合性化合物>
本開示の液体組成物は、本開示の液体組成物の効果を妨げない範囲で、特定重合性化合物以外のその他の重合性化合物、即ち、重量平均分子量1000未満の重合性化合物(以下、「重合性モノマー」又は「モノマー」とも称する)、及び、重量平均分子量30000超の重合性化合物の少なくとも一方を含有していてもよい。
重合性モノマーとしては、
フェノキシエチルアクリレート(PEA)、環式TMPホルマールアクリレート(CTFA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、オクタデシルアクリレート(ODA)、トリデシルアクリレート(TDA)、イソデシルアクリレート(IDA)、ラウリルアクリレート等の単官能(メタ)アクリレートモノマー;
ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコールジアクリレート(例えばプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート)、エトキシ化又はプロポキシ化ポリオールポリアクリレート(例えばエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、エトキシ化又はプロポキシ化グリコールジアクリレートとエトキシ化又はプロポキシ化ポリオールポリアクリレートとの混合物、等の多官能(メタ)アクリレートモノマー;
トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテルなどのビニルエーテルモノマー;
N−ビニルカプロラクタム(NVC)、N−ビニルピロリドン(NVP)等のN−ビニルアミド;
N−アクリロイルモルホリン(ACMO)等のN−(メタ)アクリロイルアミン;
等が挙げられる。
但し、画像の屈曲性をより向上させる観点から、本開示の液体組成物における重合性モノマーの含有量は、液体組成物の全量に対し、20質量%以下が好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。本開示の液体組成物における重合性モノマーの含有量は、0質量%であってもよい(即ち、本開示の液体組成物は、重合性モノマーを含有しなくてもよい)。
同様の観点(即ち、画像の屈曲性をより向上させる観点)から、本開示の液体組成物に含有される重合性化合物の全量中に占める特定重合性化合物の割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。本開示の液体組成物に含有される重合性化合物の全量中に占める特定重合性化合物の割合は、100質量%であってもよい。
<光重合開始剤>
本開示の液体組成物は、光重合開始剤の少なくとも1種を含む。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、イソプロピルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のラジカル光重合開始剤が挙げられる。
これらのラジカル光重合開始剤は公知である。これらのラジカル光重合開始剤の市販品としては、IRGACURE(登録商標)、Darocur(登録商標)、LUCIRIN(登録商標)(以上、BASF社製)、等が挙げられる。
また、特定重合性化合物が、カチオン重合性基を有する化合物である場合には、光重合開始剤として、カチオン光重合開始剤を用いることもできる。カチオン光重合開始剤としては、例えば、スルホニウム又はヨードニウムをベースとする光重合開始剤を使用することができる。スルホニウム又はヨードニウムをベースとする光重合開始剤の市販品としては、例えば、Rhodia社のRhodorsil PI 2074;Siber Hegner社のMC AA、MC BB、MC CC、MC CC PF、MC SD;Alfa Chemicals社のUV9380c;UCB Chemicals社のUvacure 1590;及びLamberti spa社のEsacure 1064;等が挙げられる。
本開示の液体組成物における光重合開始剤の含有量は、液体組成物の全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましく、4質量%〜10質量%がより好ましい。
<着色剤>
本開示の液体組成物は、着色剤を少なくとも1種含有していてもよい。
前述したとおり、液体組成物が着色剤を含有する態様は、液体組成物を着色インクとして用いる場合に好適である。
本開示の液体組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、液体組成物の全量に対し、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。
本開示の液体組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量の上限としては、液体組成物の全量に対し、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、8質量%が更に好ましく、5質量%が特に好ましい。
着色剤としては、特に限定されず、顔料であってもよく、染料であってもよい。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。顔料は、液体組成物中に溶解又は分散させることができる。
顔料は、有機顔料及び無機顔料のいずれであってもよく、有機顔料及び無機顔料を併用してもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料等の多環式顔料、塩基性染料型レーキ、及び酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックが挙げられる。
着色剤としては、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機顔料又は無機顔料が使用できる。
青顔料又はシアン顔料としては、例えば、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50、
赤顔料又はマゼンタ顔料としては、例えば、Pigment Red 3、5、9、19、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、
イエロー顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、120、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26、
白色顔料としては、例えば、Pigment White 6、18、21が挙げられる。
また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても目的に応じて適宜使用できる。例えば、更に、界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理した顔料、及びグラフトカーボン等も使用できる。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアミドアミン及びその塩、多価カルボン酸及びその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、ポリエーテルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤は市販品を使用してもよく、市販品としては、例えば、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(以上BYKケミー社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(以上エフカアディティブ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(アビシア社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)及びイオネット(登録商標)S−20(三洋化成工業(株)製)、楠本化成(株)製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
高分子分散剤で表面処理した顔料における、高分子分散剤と顔料との含有比率(高分子分散剤:顔料)は、1:1〜1:10が好ましく、1:1〜1:5がより好ましく、1:2〜1:3がさらに好ましい。
着色剤としては市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、Paliotol(BASF社)、Cinquasia、Irgalite(ともにCiba Speciality Chemicals社)、Hostaperm(Clariant UK社)が挙げられる。
これらの着色剤の中でも、シアン顔料としてはピグメントブルー15:4などのフタロシアニン顔料が好ましい。イエロー顔料としてはピグメントイエロー120、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー155などのアゾ顔料が好ましい。マゼンタ顔料としてはピグメントバイオレット19、Cinquasia MAGENTA L4540などの混合結晶キナクリドンなどのキナクリドン顔料が好ましい。ブラック顔料としては、ピグメントブラック7などのカーボンブラック顔料が好ましい。
着色剤の体積平均粒子径は特に制限されないが、インクの吐出性の観点から、8μm未満が好ましく、5μm未満がより好ましく、1μm未満がさらに好ましく、0.5μm未満が特に好ましい。着色剤の体積平均粒子径の下限は特に制限されないが、着色性及び耐光性の観点から、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましい。
体積平均粒子径は、レーザー回折粒度分布計(例えば、Malvern社製Mastersizer2000、(株)堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920、等)によって測定することができる。
<その他の成分>
本開示の液体組成物は、必要に応じて、上記以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、塩基性化合物が挙げられる。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号公報、特開62−183457号公報に記載された界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、シロキサン類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;等が挙げられる。
本開示の液体組成物における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、液体組成物の全量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール、キノン類(例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン等)、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等)、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(TEMPOL)、クペロンAl、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、p−メトキシフェノール、カテコール類、キノン類、アルキルフェノール類、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、及びトリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、BHT、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、及びトリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本開示の液体組成物における重合禁止剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、液体組成物の全量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
<液体組成物の好ましい物性>
着色インクの表面張力は、25℃において、18mN/m以上40mN/m以下が好ましく、22mN/m以上35mN/m以下がより好ましく、25mN/m以上30mN/m以下がさらに好ましい。
表面張力は、温度25℃の環境下で、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株))により測定することができる。
液体組成物の粘度は、25℃において、200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、25mPa・s以下が更に好ましく、10mPa・s以下が更に好ましく、7mPa・s以下が特に好ましい。
また、液体組成物の粘度は、25℃において、2mPa・s以上が好ましく、4mPa・s以上がより好ましく、5mPa・s以上が特に好ましい。
液体組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて測定される値である。
〔被記録媒体〕
本開示の液体組成物は、被記録媒体上にインクジェット法によって画像を形成する用途に用いられる。
前述のとおり、本開示の液体組成物は、耐摩耗性及び屈曲性に優れた画像を形成できる。このため、本開示の液体組成物は、被記録媒体としての軟質基材に対するインクジェット記録の用途、例えば、皮革製品(例えば、車両用の座席シート、バッグ、靴、財布、等)に対するインクジェット記録による加飾印刷の用途に特に適している。しかし、本開示の液体組成物は上記用途に限らず、紙などの一般的な被記録媒体に対する一般的なインクジェット記録に用いることもできる。
被記録媒体としては、上述のとおり軟質基材が好ましい。軟質基材として、具体的には、皮革、布、高分子フィルム、等が挙げられる。中でも、皮革が好ましい。
皮革としては、天然皮革(「本革」ともいう)、合成皮革(例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)レザー、PU(ポリウレタン)レザー)、等が挙げられる。皮革については、例えば、特開2009−058750の段落0163〜段落0165を参照することができる。
〔インクジェット記録方法〕
前述したとおり、本開示の液体組成物は、インクジェット記録における、着色インク又は無色インク(例えばトップコート液)として用いることができる。
以下、本開示の液体組成物を用いたインクジェット記録方法の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態には限定されない。
本実施形態のインクジェット記録方法は、被記録媒体上に、インクジェットヘッドから本開示の液体組成物を吐出することによって画像を形成する吐出工程と;被記録媒体上に形成された画像を加熱することにより、画像に含まれる有機溶剤の少なくとも一部を除去する加熱工程と;上記加熱後の画像に活性エネルギー線を照射して画像を硬化させる硬化工程と;を有する。
本実施形態のインクジェット記録方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
本実施形態のインクジェット記録方法により、被記録媒体上に、硬化された画像(以下、「硬化画像」ともいう)が形成される。ここでいう画像の概念には、ベタ画像も当然に包含される。
本開示の液体組成物は、上記吐出工程において、インクジェットヘッドからの吐出安定性(IJ吐出安定性)に優れる。形成された硬化画像は、耐摩耗性及び屈曲性に優れる。
本実施形態のインクジェット記録方法の範囲には、吐出工程において、着色剤を含有する形態の本開示の液体組成物を被記録媒体上に吐出する方法Aが含まれる。
この方法Aによれば、耐摩耗性及び屈曲性に優れた着色画像が形成される。
本実施形態のインクジェット記録方法の範囲には、吐出工程において、着色剤の含有量が0.1質量%未満である形態の本開示の液体組成物(以下、「無色インク」ともいう)を、着色画像が形成された被記録媒体の着色画像上に吐出する方法Bも含まれる。
この方法Bによれば、液体組成物が硬化されてなるトップコート膜によって着色画像を被覆することができる。即ち、トップコート膜によって被覆された着色画像(以下、「トップコート膜付き着色画像」ともいう)が得られる。形成されたトップコート膜は、耐摩耗性及び屈曲性に優れるので、トップコート膜付き着色画像も耐摩耗性及び屈曲性に優れる。
方法Bにおける着色画像としては特に制限はないが、例えば、インクジェット法によって形成された着色画像が挙げられる。この着色画像の形成には、着色剤を含有する形態の本開示の液体組成物を用いてもよいし、本開示の液体組成物以外の着色インクを用いてもよい。
本開示の液体組成物以外の着色インクは、少なくとも着色剤を含んでいればよく、光硬化型の着色インク(即ち、重合性化合物を含む着色インク)であってもよいし、光硬化型ではない着色インク(即ち、重合性化合物を含まない着色インク)であってもよい。
<吐出工程>
本実施形態のインクジェット記録方法における吐出工程は、被記録媒体上に、インクジェットヘッドから本開示の液体組成物を吐出することによって画像を形成する工程である。
インクジェットヘッドからの液体組成物の吐出方式としては特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式;等を適宜採用できる。
<加熱工程>
本実施形態のインクジェット記録方法における加熱工程は、被記録媒体上に形成された画像を加熱することにより、画像に含まれる有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程である。
また、加熱工程における加熱は、画像の滲みの抑制及び画像の密着性向上の観点から、被記録媒体の表面温度を40℃以上100℃以下(より好ましくは40℃以上80℃以下、更に好ましくは50℃以上70℃以下)に保持して行うことが好ましい。
また、上記と同様の観点から、加熱工程における加熱の時間としては、1秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、8秒以上が特に好ましい。
加熱の時間の上限には特に制限はないが、上限としては、60秒が好ましく、30秒がより好ましく、20秒が特に好ましい。
<硬化工程>
本実施形態のインクジェット記録方法における硬化工程は、上記加熱後の画像に活性エネルギー線を照射して画像を硬化させる工程である。
本工程により、被記録媒体上の画像が硬化され、耐摩耗性及び屈曲性に優れた硬化画像が形成される。
活性エネルギー線としては、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、又は赤外光などが使用され得る。活性エネルギー線のピーク波長は、増感剤を用いる場合は増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200nm〜600nmであることが好ましく、300nm〜450nmであることがより好ましく、350nm〜420nmであることが更に好ましい。
露光面照度は、好ましくは10mJ/cm〜10000mJ/cm、より好ましくは100mJ/cm〜5000mJ/cmで硬化させることが好ましい。
活性エネルギー線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガスレーザー、固体レーザー、GaN系半導体紫外発光デバイス(発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)等)などの一般的な活性エネルギー線源を特に制限無く用いることができる。
LEDの一例として、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許第6,084,250号明細書に開示されている300nmと370nmとの間に波長の中心を有する活性エネルギー線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。
活性エネルギー線の照射時間は、好ましくは0.01秒〜120秒、より好ましくは0.1秒〜90秒である。
活性エネルギー線の照射の具体的な方式として、単尺のシリアルヘッドに活性エネルギー線照射装置を設け、ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら照射を行なうシャトル方式、被記録媒体の1辺の全域に対応して活性エネルギー線照射装置が配列されているシングルパス方式、等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、例えば特開昭60−132767号公報等の公知文献を参照してもよい。
活性エネルギー線の照射は、加熱工程終了後、一定時間(好ましくは0.01秒〜0.5秒、より好ましくは0.01秒〜0.3秒、更に好ましくは0.01秒〜0.15秒)をおいて行われることが好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって液体組成物の硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本実施形態のインクジェット記録方法に適用することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法は、公知のインクジェット記録装置を用いて実施することができる。
インクジェット記録装置の記録方式としては、単尺のシリアルヘッドを用いヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式、被記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式(シングルパス方式)、等が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法では、シャトル方式及びライン方式のいずれの方式のインクジェット記録装置を用いてもよい。シャトル方式のインクジェット記録装置としては、例えば、特開2010−280828号公報を参照できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
〔特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造〕
特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの具体例であるポリマー1〜3を製造した。以下、詳細を示す。
<ポリマー1の製造>
(エマルジョンAの調製)
下記組成の各成分を混合し、攪拌した後に、ホモジナイザー(12000rpm(round per minute;以下同じ))処理を行い、エマルジョンAを得た。
−エマルジョンAの組成−
オクタメチルシクロテトラシロキサン … 1500部
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−803)
… 98.4部
超純水 … 1500部
ラウリル硫酸ナトリウム … 100部
ドデシルベンゼンスルホン酸 … 100部
(エマルジョンBの調製)
上記エマルジョンAを70℃で12時間加熱した後、25℃まで冷却し、24時間熟成した。次に、熟成後のエマルジョンに炭酸ナトリウムを加えてpH7に調整し、次いで4時間窒素ガスを吹き込んだ。次に、水蒸気蒸留により、このエマルジョンから揮発性のシロキサンを留去した。
上記留去後に残ったエマルジョンに対し、超純水を追添することにより、固形分濃度45%のエマルジョンBを得た。
赤外線吸収スペクトル測定及びNMRスペクトル測定による分析の結果、エマルジョンBには、下記構造の化合物(I−1)の混合物(m/n=10.1である混合物)が含有されていることが推定された。
また、後述するポリマー1の重量平均分子量(60000)より、エマルジョンBには、mが1〜10000でありnが1以上である化合物(I−1)が含有されていると考えられる。
(エマルジョンCの調製)
下記組成の1グループの液体を反応容器(窒素雰囲気)に充填した後に、温度を10℃に保持した。ここにゆっくりと、下記組成のグループ2の混合物を添加した。その後、ここに下記組成のグループ3の混合物を5時間掛けて滴下した。グループ3の混合物の滴下完了後、得られた混合物を2時間攪拌した。
次に、2時間攪拌した後の混合物に超純水を追添することにより、固形分濃度25%のエマルジョンCを得た。
−1グループの液体の組成−
エマルジョンB … 477部
純水 … 1400部
−2グループの混合物の組成−
t−ブチルハイドロパーオキサイド … 1.0部
L−アスコルビン酸 … 0.5部
硫酸第1鉄7水和物 … 0.002部
−3グループの混合物の組成−
エチルアクリレート … 147部
メチルメタクリレート … 343部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート … 10部
(ポリマー1の製造)
下記組成の混合物P1を温度60℃に保持しながら攪拌し、固形物を析出させた。析出した固形物に対し、濾過及び水洗を繰り返し行い、次いで70℃で乾燥させ、ポリマー1を得た。
−混合物P1の組成−
エマルジョンC … 1000部
硫酸ナトリウム … 92部
純水 … 470部
得られたポリマー1の体積平均一次粒子径(以下、単に「粒径」ともいう)を、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(LA920、(株)堀場製作所製)を用い、トリプロピレングリコールメチルエーテルを測定溶媒として測定したところ、粒径は0.1μmであった。
また、得られたポリマー1の重量平均分子量(Mw)を、GPCにより前述した方法によって測定したところ、Mwは60000であった。
以下で説明する、ポリマー1以外の特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの粒径及びMwの測定方法は、いずれもポリマー1の粒径及びMwの測定方法と同様である。
<ポリマー2及び3の製造>
ポリマー1の製造中、エマルジョンAを得る段階において、ホモジナイザーの回転数、ラウリル硫酸ナトリウムの濃度、及びドデシルベンゼンスルホン酸の濃度を変更することにより、粒径が0.2μmでありMwが100000であるポリマー2、及び、粒径が0.3μmでありMwが150000であるポリマー3をそれぞれ得た。
これらポリマー2及び3の重量平均分子量(100000及び150000)より、各ポリマーを得る途中段階のエマルジョンBには、いずれも、mが1〜10000でありnが1以上である前述の化合物(I−1)が含有されていると考えられる。
更に、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンとして、シャリーヌ(登録商標)R175S(日信化学工業(株)製)を準備した。
シャリーヌ(登録商標)R175Sは、粒径が0.2μmでありMwが100000であった。
以上のポリマー1〜3及びシャリーヌR175Sは、いずれも、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの具体例である。
〔顔料分散物の調製〕
下記表1に示す顔料以外の成分を表1の組成となるように混合し、SILVERSON社のミキサーで、2,000回転/分〜3,000回転/分、10分〜15分の条件で撹拌し、均一な分散剤希釈液を得た。この分散剤希釈液に、表1に記載の種類と量で各顔料を加え、更にミキサーで、2,000回転/分〜3,000回転/分、10分〜20分の条件で撹拌し、均一な予備分散液を500部得た。
その後、得られた各予備分散液に、ディスパーマット社製の循環型ビーズミル装置(SL−012C1)を用いて分散処理を施し、各色の顔料分散物を得た。この分散処理は、上記循環型ビーズミル装置に直径0.65mmのジルコニアビーズを200部充填し、周速15m/s、分散時間1時間〜6時間の条件で行った。
表1中の成分の詳細は以下の通りである。
・PB15:4 … C.I.ピグメントブルー15:4、BASF社、HELIGOEN BULE D 7110F
・混結キナクリドン … BASF社、CINQUASIA MAGENTA L 4540
・PY155 … C.I.ピグメントイエロー155、Clarina社、INK JET YELLOW 4GC
・カーボンブラック … CABOT社、MOGUL E
・Sol32000 … Luburizol社、SOLSPERSE 32000
・DEGDE … 東京化成社、ジエチレングリコールジエチルエーテル
〔実施例1〕
<着色インクの調製>
下記表2に示す組成の各成分を混合し、SILVERSON社製のミキサーで、2,000回転/分〜3,000回転/分、10分〜15分の条件で撹拌することにより、インクジェットプリンター用液体組成物として、着色インク(実施例1ではシアンインク)を調製した。
<硬化画像の形成>
東芝テック社製のインクジェットヘッドCA4を搭載したインクジェットプリンターを準備した。
このインクジェットプリンターに上記着色インクを装填し、35℃に加温した上記インクジェットヘッドから上記着色インクを吐出することにより、被記録媒体としての基材〔PVCレザー;カプチーノ CP−830((株)ヤマプラス)〕上に、ベタ画像(実施例1ではシアンベタ画像)を印画した。この時、画像密度は1200dpi×600dpiとし、基材上への着色インクの付与量は20g/mとした。
次に、ベタ画像が形成された基材を、ラバーヒーターを用い、基材温度60℃にて10秒間加熱することにより、ベタ画像を乾燥させた。
次に、乾燥後のベタ画像に対し、UV露光機を用い、3000mJ/cmの照射量にてUV(紫外線)を照射することにより、上記ベタ画像を硬化させ、硬化画像を得た。
なお、本明細書中において、「dpi」は、dot per inchを意味する。
<評価>
上記硬化画像又は着色インクを用い、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
(耐磨耗性A)
学振試験機(スガ試験機(株))を用い、上記硬化画像に対し、乾燥した綿によって200g加重を加えながら一定回数磨耗を実施した。この間、硬化画像に傷が視認されるまでの回数を記録し、以下の評価基準に従って硬化画像の耐摩耗性(以下、「耐摩耗性A」とする)を評価した。以下の評価基準において、3点以上が合格である。
−耐磨耗性Aの評価基準−
5点 2000回でも傷は発生しない。
4点 1000回以上2000回未満で傷が発生した。
3点 500回以上1000回未満で傷が発生した。
2点 100回以上500回未満で傷が発生した。
1点 100回未満で傷が発生した。
(屈曲性)
屈曲試験機(フレキシオメーター/(株)安田精機製作所)を用い、上記硬化画像が形成された基材に対して一定回数屈曲を実施した。この間、硬化画像に割れが視認されるまでの回数を記録し、以下の評価基準に従って硬化画像の屈曲性を評価した。以下の評価基準において、3点以上が合格である。
−屈曲性の評価基準−
5点 20000回でも割れは発生しない。
4点 10000回以上20000回未満で割れが発生した。
3点 5000回以上10000回未満で割れが発生した。
2点 1000回以上5000回未満で割れが発生した。
1点 1000回未満で割れが発生した。
(耐薬品性)
学振試験機(スガ試験機(株))を用い、上記硬化画像に対し、エタノールが含浸された綿によって400g加重を加えながら一定回数磨耗を実施した。この間、硬化画像が剥がれて基材表面が視認されるまでの回数を記録し、以下の評価基準に従って硬化画像の耐薬品性を評価した。以下の評価基準において、3点以上が合格である。
−耐薬品性の評価基準−
5点 200回でも基材表面は視認されない。
4点 100回以上200回未満で基材表面が視認される。
3点 50回以上100回未満で基材表面が視認される。
2点 10回以上50回未満で基材表面が視認される。
1点 10回未満で基材表面が視認される。
(IJ吐出安定性)
基材を、A3サイズの記録紙(インクジェット用印画紙;「画彩」(富士フイルム(株)製)に変更したこと以外は上記ベタ画像の印画と同様の条件で、上記記録紙40枚に対し連続してベタ画像を印画した。以下、ベタ画像が印画された記録紙を、「サンプル」とする。40枚のサンプルを目視で観察し、ベタ画像中にノズル抜け(即ち、ノズルの吐出不良に起因する画像欠陥)が確認されるサンプルの枚数を調べた。この結果に基づき、下記評価基準に従い、IJ吐出安定性(即ち、インクジェットヘッドからの着色インクの吐出安定性)を評価した。以下の評価基準において、3点以上が合格である。
−IJ吐出安定性の評価基準−
5点 ノズル抜けが確認されるサンプルは0枚
4点 ノズル抜けが確認されるサンプルは1枚
3点 ノズル抜けが確認されるサンプルは2枚
2点 ノズル抜けが確認されるサンプルは3枚
1点 ノズル抜けが確認されるサンプルは4枚以上
〔実施例2〜15、比較例1〜6〕
着色インクの組成を、下記表2及び表3に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表2及び表3に示す。
<表2〜表4の説明>
上記表2及び表3、並びに後述の表4中、各成分の欄に示した数字は、その成分の量(質量部)を示す。
表2〜表4中の各成分の詳細は以下の通りである。
−(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン−
ポリマー1〜3 … 上記で製造されたポリマー1〜3。
R175S … 日信化学工業(株)の「シャリーヌ(登録商標)R175S」(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン。
−ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン−
BYK307 … ビックケミー・ジャパン(株)のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン。
−シリコンポリエーテルアクリレート−
TEGORAD2010 … エボニック デグサ ゲーエムベーハー社製のTEGO(登録商標)RAD2010(シリコンポリエーテルアクリレート)。このTEGORAD2010は、特定反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体ではない。
−重合性化合物−
CN996 … サートマー社製の2官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量(Mw)=2850)
UA−122P … 新中村化学工業(株)の2官能ウレタンアクリレート(Mw=1100)
UV−6630B … 日本合成化学(株)製の「紫光(登録商標)UV−6630B」(2官能ウレタンアクリレート、Mw=3000)
UV−3310B … 日本合成化学(株)製の「紫光(登録商標)UV−3310B」(2官能ウレタンアクリレート、Mw=5000)
UV−3000B … 日本合成化学(株)製の「紫光(登録商標)UV−3000B」(2官能ウレタンアクリレート、Mw=18000)
UV−7630B … 日本合成化学(株)「紫光(登録商標)UV−7630B」(6官能ウレタンアクリレート、Mw=2200)
−光重合開始剤−
Irg2959 … BASF社「IRGACURE2959」(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)
Irg819 … BASF社「IRGACURE819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)
−界面活性剤−
BYK331 … ビックケミー・ジャパン(株)のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン
−重合禁止剤−
UV12 … ニトロソ系重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、Kromachem社、FLORSTAB UV12
−有機溶剤−
DEGDE … 東京化成社、ジエチレングリコールジエチルエーテル
−モノマー−
PEA … フェノキシエチルアクリレート、サートマー社、SR339C
表2及び表3に示すように、有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、及び光重合開始剤を含有し、有機溶剤の含有量が40質量%以上80質量%以下であり、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下である実施例1〜15のインクは、IJ吐出安定性に優れていた。また、これら実施例1〜15で形成された硬化画像は、耐摩耗性に優れ、さらには屈曲性及び耐薬品性にも優れていた。
一方、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%未満である比較例1では、硬化画像の耐摩耗性が低下した。
また、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が5.0質量%超である比較例2では、インクのIJ吐出安定性が低下した。
また、有機溶剤の含有量が40質量%未満である比較例3では、インクのIJ吐出安定性が低下し、更に、硬化画像の耐摩耗性及び屈折性が低下した。
また、有機溶剤の含有量が80質量%超である比較例4では、硬化画像の耐摩耗性が低下し、更に、硬化画像の耐薬品性が低下した。
また、特定(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンに代えて、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン又はシリコンポリエーテルアクリレートを用いた比較例5及び6では、いずれも硬化画像の耐摩耗性が低下した。
〔実施例101〕
<トップコート液の調製>
下記表4に示す組成の各成分を混合し、SILVERSON社製のミキサーで、2,000回転/分〜3,000回転/分、10分〜15分の条件で撹拌することにより、インクジェットプリンター用液体組成物として、無色インクであるトップコート液を調製した。
<インクの調製>
ポリマー2を含有させなかったこと以外は実施例1の着色インクと同様にして、シアンインクC1を調製した。
ポリマー2を含有させなかったこと以外は実施例13の着色インクと同様にして、マゼンタインクM1を調製した。
ポリマー2を含有させなかったこと以外は実施例14の着色インクと同様にして、イエローインクY1を調製した。
ポリマー2を含有させなかったこと以外は実施例15の着色インクと同様にして、ブラックインクK1を調製した。
<フルカラーの硬化画像の形成>
シアンインクC1、マゼンタインクM1、イエローインクY1、及びブラックインクK1を用い、フルカラーの硬化画像(レッド、ブルー、グリーン、ブラックのチェック柄)を形成した。
フルカラーの硬化画像の形成は、着色インクの種類及び画像パターン以外は、実施例1の硬化画像の形成と同様の条件(同様の装置及び同様の画像形成条件)にて行った。
<トップコート液による硬化画像(トップコート膜)の形成>
フルカラーの硬化画像の形成に用いたインクジェットプリンターと同じインクジェットプリンターに上記トップコート液を装填し、このインクジェットプリンターのインクジェットヘッドから上記トップコート液を吐出することにより、フルカラーの硬化画像全体を覆う、トップコート液によるベタ画像を印画した。この時、画像密度は1200dpi×600dpiとし、トップコート液の付与量は10g/mとした。
次に、トップコート液によるベタ画像が印画された基材を、ラバーヒーターを用い、基材温度60℃にて10秒間加熱することにより、上記ベタ画像を乾燥させた。
次に、乾燥後の上記トップコート液によるベタ画像に対し、UV露光機を用い、3000mJ/cmの照射量にてUV(紫外線)を照射することにより、上記トップコート液によるベタ画像を硬化させ、トップコート液による硬化画像(以下、「トップコート膜」ともいう)を得た。
トップコート膜は、フルカラーの硬化画像全体を覆うように形成された。
以下、フルカラーの硬化画像及びこのフルカラーの硬化画像全体を覆うトップコート膜を、「トップコート膜付き硬化画像」ともいう。
<評価>
上記トップコート膜付き硬化画像又はトップコート液を用い、以下の評価を行った。結果を表4に示す。
(屈曲性、耐薬品性、IJ吐出安定性)
トップコート膜付き硬化画像について、実施例1で示した屈曲性及び耐薬品性と同様の評価を行った。
また、トップコート液について、実施例1で示したIJ吐出安定性と同様の評価を行った。
(耐摩耗性B)
トップコート膜付き硬化画像について、耐摩耗性(「耐摩耗性B」とする)の評価を行った。
耐摩耗性Bの評価は、評価対象をトップコート膜付き硬化画像に変更し、荷重を400g荷重に変更し、評価基準を以下のように変更したこと以外は実施例1の耐摩耗性Aと同様にして行った。下記評価基準において、3点以上が合格である。
−耐磨耗性Bの評価基準−
5点 20000回でも傷は発生しない。
4点 10000回以上20000回未満で傷が発生した。
3点 5000回以上10000回未満で傷が発生した。
2点 1000回以上5000回未満で傷が発生した。
1点 1000回未満で傷が発生した。
(密着性)
トップコート膜付き硬化画像について、JIS K 5066−5−6:1992に準拠し、クロスカット試験を実施した。トップコート膜付き硬化画像のクロスカットした部分に対し、テープを貼り付けて剥がすまでの操作(以下、「剥離操作」とする)を3回行った。この間、剥離操作を行った部分を目視で観察し、下記評価基準に従って、トップコート膜付き硬化画像の密着性を評価した。下記評価基準において、3点以上が合格である。
−密着性−
5点 3回の剥離操作によってもトップコート膜付き硬化画像に損傷が生じなかった。
4点 3回目の剥離操作によってトップコート膜付き硬化画像に損傷が生じた。
3点 2回目の剥離操作によってトップコート膜付き硬化画像に損傷が生じた。
2点 1回目の剥離操作によってトップコート膜付き硬化画像に損傷が生じた(但し、画像の剥がれは無い)。
1点 1回目の剥離操作によってトップコート膜付き硬化画像に損傷及び剥がれが生じた。
〔実施例102〜106、比較例101〜104〕
トップコート液の組成を、下記表4に示す組成に変更したこと以外は実施例101と同様の操作を行った。結果を表4に示す。
表4に示すように、有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、及び光重合開始剤を含有し、有機溶剤の含有量が40質量%以上80質量%以下であり、特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下である実施例101〜106のトップコート液は、IJ吐出安定性に優れていた。また、これら実施例101〜106で形成されたトップコート膜付き硬化画像は、耐摩耗性に優れ、さらには屈曲性、耐薬品性、及び密着性にも優れていた。
一方、特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量%未満である比較例101では、トップコート膜付き硬化画像の耐摩耗性が低下した。
また、特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が5.0質量%超である比較例102では、トップコート液のIJ吐出安定性が低下した。
また、特定の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンに代えて、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン又はシリコンポリエーテルアクリレートを用いた比較例103及び104では、いずれもトップコート膜付き硬化画像の耐摩耗性が低下した。
2015年12月18日に出願された日本国特許出願2015−248005号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. 有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり重合性基を有しない重量平均分子量20000以上400000以下の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、並びに光重合開始剤を含有し、
    前記有機溶剤の含有量が、液体組成物全量に対し、40質量%以上80質量%以下であり、
    前記(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が、液体組成物全量に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下であり、
    液体組成物に含有される重合性化合物の全量中に占める前記重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物の割合が、50質量%以上であるインクジェットプリンター用液体組成物。
  2. 前記重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物が、2官能アクリレート化合物である請求項1に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
  3. 前記重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物の含有量が、液体組成物全量に対し、5質量%以上40質量%以下である請求項1又は請求項2に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンからなる粒子を含有し、前記粒子の体積平均一次粒子径が、0.01μm以上0.3μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
  5. 前記反応性ポリシロキサンが、下記式(I)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。

    式(I)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Yは、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は式(Z)で表される基を表し、mは、1〜10000の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。
    式(Z)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基を表し、*は、結合位置を表す。
  6. 前記式(I)中の前記Yが、炭素数1〜20のメルカプトアルキル基であり、
    前記式(Z)中の前記Rが、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は炭素数1〜20のメルカプトアルキル基である請求項5に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
  7. 前記(メタ)アクリル酸エステルが、下記式(II)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。

    式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。
  8. 重量平均分子量1000未満の重合性化合物である重合性モノマーを含有しないか、又は、前記重合性モノマーを含有する場合には、前記重合性モノマーの含有量が、液体組成物の全量に対し、20質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンター用液体組成物。
  9. 有機溶剤、重量平均分子量1000以上30000以下の重合性化合物、重合性基及びメルカプト基の少なくとも一方を有する反応性ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり重合性基を有しない重量平均分子量20000以上400000以下の(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサン、並びに光重合開始剤を含有し、
    前記有機溶剤の含有量が、液体組成物全量に対し、40質量%以上80質量%以下であり、
    前記(メタ)アクリル変性ポリオルガノシロキサンの含有量が、液体組成物全量に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記反応性ポリシロキサンが、下記式(I)で表される化合物の少なくとも1種であるインクジェットプリンター用液体組成物。

    式(I)中、R 、R 、及びR は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、Yは、炭素数1〜20のメルカプトアルキル基を表し、Z 及びZ は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は式(Z)で表される基を表し、mは、1〜10000の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。
    式(Z)中、R 及びR は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、R は、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基、又は、炭素数1〜20のメルカプトアルキル基を表し、*は、結合位置を表す。
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