JP6555987B2 - リチウムチタン複合酸化物およびリチウムチタン複合酸化物の製造方法並びにこのリチウムチタン複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池およびリチウムイオンキャパシタ - Google Patents
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Description
また、このリチウムチタン複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池およびリチウムイオンキャパシタに関するものである。
このリチウムチタン酸化物にはスピネル型(Li4Ti5O12)とラムスデライト型があり、ラムスデライト型はさらにLiTi2O4(以下、124型という)とLi2Ti3O7(以下、237型という)の2つの構造に大別される。
一方、スピネル型のリチウムチタン酸化物は、絶縁体(Ti4+)と導電体(Ti3+)との間を可逆変化することによって充放電を行うリチウムチタン酸化物である。従って、スピネル型のリチウムチタン酸化物をリチウムイオン二次電池などに用いた場合には、充電初期が絶縁性であることから、充電がある程度進んで導電性を示し始めるようになるまではレート特性が悪くなってしまうという短所がある。また、ラムスデライト型のリチウムチタン酸化物に比べて理論容量が小さいという短所もある(175mAh/g)。
そして、その中でも、特に124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物については、237型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物よりも理論容量が大きいという長所がある(124型:321mAh/g、237型:280mAh/g)。また、237型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物が絶縁体であるのに対して、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物は導電体であるという長所もある。
一方、ラムスデライト型のリチウムチタン酸化物は、構造的にスピネル型のリチウムチタン酸化物に比べてレート特性に劣るという短所がある。
また、特許文献1〜4に記載のリチウムチタン酸化物や活物質は、その目的とするところも、残存容量の検知を容易にする(特許文献1の[0008]参照)、内部短絡時の安全性を向上する(特許文献2の[0017]参照)、サイクル特性および負荷特性を向上する(特許文献3の[0005]参照)、サイクル特性を向上する(特許文献4の[0049]、[0050]参照)ことを目的とするものであり、スピネル型とラムスデライト型のそれぞれの長所を発現させることを目的としているものとはなっていない。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、組成式がLixTi(2−y)O4(1.0<x<1.5、0<y<0.2)で表される124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物と、組成式がLi4+ZTi5O12(0≦z≦3)で表される、いわゆる4512型のスピネル型リチウムチタン酸化物とを含有することを基本構造とするものである。
具体的には、リチウムチタン複合酸化物に対して124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物を2wt%以上含有していることが好ましく、より好ましくは20wt%以上含有していることが好ましい。但し、後記するように、124型と4512型のリチウムチタン酸化物を混晶状態とする場合には124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物を2wt%以上含有していれば十分な効果を発現させることができる。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物における124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物の含有量としては、X線回折強度が構成物の含有量に比例することを利用して規定することもできる。
ここで、X線回折強度(X線回折パターン)については、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物は2θ(回折角)が20.0±0.3°の範囲に特徴的なピークが表れ、4512型のスピネル型リチウムチタン酸化物は2θ(回折角)が18.4±0.3°の範囲に特徴的なピークが表れる。
従って、上記した含有量(リチウムチタン複合酸化物に対して124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物を2wt%以上含有)をX線回折パターンに置き換えた場合には、2θ(回折角)=18.4±0.3°のピーク強度(A)と2θ(回折角)=20.0±0.3°のピーク強度(B)の強度比(B/A)が、0.01以上であることが好ましいことになる。
従って、本発明における「含有する」とは、124型や4512型以外のリチウムチタン酸化物が含まれてしまう場合であっても、124型と4512型のリチウムチタン酸化物を主成分とするとの意である。
従って、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、上記した強度比(B/A)に加えて、2θ(回折角)=35.8±0.3°のピーク強度をCとし、2θ(回折角)=36.6±0.3°のピーク強度をDとした際の強度比(C/D)が1.0未満となることが好ましい。
また、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物を含有していることから、体積抵抗率についても特徴を有することになる。
具体的には、5MPaの圧力で圧縮したときの体積抵抗率が0.1〜1.0×107Ω・cmであることが好ましく、その中でも0.5〜5.3×106Ω・cmであることがより好ましく、その中でも1.2〜3.0×103Ω・cmであることがさらに好ましい。すなわち、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物を含有し、かつ体積抵抗率が0.1〜1.0×107Ω・cmとなるようにすることによって、導電体である124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物が電路を形成することになり、その結果高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量を実現することができるのである。なお、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物を[0019]や後記において記載する混晶状態とした場合には、5MPaの圧力で圧縮したときの体積抵抗率が0.1〜1.0×107Ω・cmであることが好ましく、その中でも1.2〜3.0×103Ω・cmであることがより好ましく、その中でも1.2〜23.0Ω・cmであることがより好ましく、その中でも1.2〜1.6Ω・cmであることがさらに好ましい。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、それぞれ別々に作製した124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物と4512型のスピネル型リチウムチタン酸化物とを混合した混合状態としてもよいが、混晶状態とすることによって、より高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量を実現することができる。
ここで、混晶とは、複数の物質(結晶)が混在することで均一な固相(結晶)を形成している状態を表わすものである。具体的には、図1に示すような、124型のリチウムチタン酸化物の結晶1と4512型のリチウムチタン酸化物の結晶2が混在している状態(混合状態)に対して、図2に示すように、124型と4512型のリチウムチタン酸化物が1つの結晶(混晶状態のリチウムチタン複合酸化物3)を形成している状態となっていることを表わすものである。
次に、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、特に混晶状態において図2に示すように特徴的な形態を示すことになる。すなわち、混晶状態が複数の物質(結晶)が混在することで均一な固相(結晶)を形成しているものであることから、粒径が特定の範囲に収まることになる。具体的には、前記した「X線回折パターンのピーク比」や「体積抵抗率」が特定の範囲に存在し、かつ平均一次粒子径が1〜7μmの範囲にあることでリチウムチタン複合酸化物が混晶状態であることを定義することができる。
なお、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物の原料となるLi源とTi源については、特に限定されるものではなく炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムなど各種のLi源を用いることができる。そして、その中でも高純度でありつつ、後記する二次粒子径の小さいラムスデライト型のリチウムチタン酸化物を得ることができる点から炭酸リチウムを用いることが好ましい。
また、本発明に係るリチウムチタン複合酸化物の原料となるTi源についてもLi源と同様に特に限定されるものではなく、メタチタン酸などの各種のチタン酸化合物、アナタース型またはルチル型の酸化チタン、塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニルなど各種のTi源を用いることができる。そして、その中でも高純度でありつつ、後記する二次粒子径の小さいラムスデライト型のリチウムチタン酸化物を得ることができる点からメタチタン酸や酸化チタンを用いることが好ましい。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物におけるLi源とTi源の配合比率(LiとTiのモル比)は特に限定されるものではないが、製造過程(焼成時)においてTiO2やLi2TiO3などの不純物が発生することを防止する観点から、LiとTiのモル比(Li/Ti)が0.5〜0.9の範囲となるようにLi源とTi源を混合することが好ましい。
なお、混晶状態のリチウムチタン複合酸化物においては、124型と4512型のリチウムチタン酸化物を一度に作製することから、LiとTiのモル比(Li/Ti)が0.75〜0.9の範囲となるようにLi源とTi源を混合することが好ましく、その中でもLiとTiのモル比(Li/Ti)が0.8となるように混合することが好ましい。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
まず混合状態のリチウムチタン複合酸化物を製造する場合の方法としては、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物と4512型のスピネル型リチウムチタン酸化物を別々に作製した後、係る2種類のリチウムチタン酸化物を混合することによって作製する方法が挙げられる。
具体的には、まずLiとTiのモル比(Li/Ti)が0.5〜0.75の範囲となるようにLi源とTi源を混合した後、主に還元ガスによって形成された雰囲気中にて950℃以上にて焼成することで124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物を製造する。次に、LiとTiのモル比(Li/Ti)が0.75〜0.9の範囲となるようにLi源とTi源を混合した後、大気中にて800〜900℃の間で焼成することで4512型のスピネル型リチウムチタン酸化物を製造する。そしてその後、それぞれのリチウムチタン酸化物を混合することによって混合状態の本発明に係るリチウムチタン複合酸化物を作製することになる。
具体的には、LiとTiのモル比が0.75〜0.9の範囲となるようにLi源とTi源を混合した後、水素雰囲気中または水素含有雰囲気中においてLi4Ti5O12からLiTi2O4へ相転移する温度で焼成することで作製する。
また、混晶状態のリチウムチタン複合酸化物を製造する場合には、900〜950℃の間で焼成温度を調整することによって、混晶率(混晶状態のリチウムチタン複合酸化物に占める124型の割合)を変化させることもできる。
本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタの負極活物質として用いることができる。そして、その結果、従前のリチウムチタン酸化物を用いた場合よりも、高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量を発現するリチウムイオン二次電池並びにリチウムイオンキャパシタを作製することができる。なお、負極活物質として用いる際の本発明のリチウムチタン複合酸化物の配合量としては特に限定されるものではなく必要に応じて適宜決定されることになる。
まず、メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)38.2gを混合し、該混合物を10%水素/90%アルゴン混合ガス中で、950℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.55であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物を得た。
次に、メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)55.5gを混合し、大気中で、800℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.80であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、スピネル型リチウムチタン酸化物を得た。
上記で得られた124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物とを、124型のリチウムチタン酸化物が0、2、5、10、20、30wt%の割合になるように混合するとともに、さらにボールミルを用いて混合することによって、第一の実施形態である混合状態のリチウムチタン複合酸化物(124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物の混合物)を得た。
メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)55.5gを混合し、該混合物を10%水素/90%アルゴン混合ガス中で、800、900、910、920、935、950℃で焼成することにより、124型のリチウムチタン酸化物がそれぞれ0、2、5、10、20、30wt%の割合になるように混晶したリチウムチタン複合酸化物(124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物の混晶体)を得た。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.80であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、第二の実施形態である混晶状態のリチウムチタン複合酸化物(124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物の混晶体)を得た。
メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)59.0gを混合し、該混合物を10%水素/90%アルゴン混合ガス中で、950℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.85であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、124型のリチウムチタン酸化物が20wt%の割合になるように混晶した、第三の実施形態である混晶状態のリチウムチタン複合酸化物(124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物の混晶体)を得た。
メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)62.5gを混合し、該混合物を10%水素/90%アルゴン混合ガス中で、950℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.9であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、124型のリチウムチタン酸化物が10wt%の割合になるように混晶した、第四の実施形態である混晶状態のリチウムチタン複合酸化物(124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物の混晶体)を得た。
まず、メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)45.1gを混合し、大気中で、950℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.65であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、237型で表されるラムスデライト型リチウムチタン酸化物を得た。
まず、メタチタン酸(テイカ株式会社製)183.8gと炭酸リチウム(FMC社製)55.5gを混合し、大気中で、800℃で焼成した。なお、この際のLiとTiのモル比(Li/Ti)は0.80であった。次に、得られた焼成物を粉砕することにより、スピネル型リチウムチタン酸化物を得た。
負極活物質として第一〜第四の実施形態および第一、第二の比較形態の各リチウムチタン複合酸化物を用い、バインダーとしてPVDF(株式会社クレハ、KFポリマー)を用い、これらを95:5の割合で混合し、さらに分散媒としてNMPを用い、固形分30%の電極合剤スラリーを調整した。この電極合剤スラリーを集電体であるアルミ箔上に塗工し、ロールプレスすることにより、膜厚25μmの電極を作製した。そして、作製した電極、対極としてのリチウム金属、電解液としてのLiPF6/EC/DEC、ポリエチレンセパレータを用いて、2032型のリチウムイオン二次電池を作製した。
次に、作製したリチウムイオン二次電池について各電気特性の評価を行った。
まず、第一、第二の実施形態および第一、第二の比較形態のリチウムチタン複合酸化物を用いて作製したリチウムイオン二次電池について、充放電レートを0.1Cで充放電試験を行うことによって初期充電容量の評価を行った。次に、充放電レート10Cにおける充放電試験を行うことによって急速充電時の充電容量の評価を行った。そして、初期充電容量と急速充電時の充電容量の評価結果から10Cにおける容量維持率(計算式:10Cにおける放電容量÷0.1Cにおける放電容量×100)を計算することによって、第一、第二の実施形態および第一、第二の比較形態のリチウムチタン複合酸化物の急速充電性の評価を行った。なお、測定は北斗電工株式会社製HJ1001SM8Aを用いて行った。結果を表1〜4および図3〜6に示す。
これは、第二の実施形態のリチウムチタン複合酸化物が混晶状態となっていることによって1つの結晶を形成していることから、充電の初期においては、まず導電性の高い124のリチウムチタン酸化物が電子を受け取り、その後同一の結晶内に存在するスピネル型(4512型)のリチウムチタン酸化物に電子がスムースに伝播、拡散することによって迅速な充電反応が進行するためであると考えられる。また、係るメカニズムによって充電反応が効率的に進行することから図2に示すように粒子径が大きくなっていても高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量の両方を飛躍的に向上させることができると考えられる。さらに、スピネル型リチウムチタン酸化物の理論容量は175mAh/gであるのに対し、124型のリチウムチタン酸化物の理論容量は321mAh/gであることから、124型のリチウムチタン酸化物の混晶率が増加する程、0.1Cにおける充電容量(初期充電容量)を向上できることがわかった。
従って、高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量を同時に実現することができる本発明に係るリチウムチタン複合酸化物は、従前において考えられていた概念を打ち破るものであり、有効な活物質と成り得るものであることがわかった。特に、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物を混晶状態とすることによって、レート特性(急速充電性)と充電容量の両方を飛躍的に向上させる活物質と成り得るものであることがわかった。また、124型のラムスデライト型リチウムチタン酸化物とスピネル型リチウムチタン酸化物を混晶状態とすれば、混合状態に比べて124型のリチウムチタン酸化物の含有率を抑制しながらも、高いレート特性(急速充電性)と高い充電容量を実現することができるリチウムイオン二次電池を作製できることがわかった。
また、第二の比較形態のリチウムチタン複合酸化物を用いて作製したリチウムイオン二次電池については、導電性を示すアセチレンブラックを用いているので、混合量が増加するにつれてレート特性(急速充電性)は向上するが、その一方0.1Cにおける充電容量(初期充電容量)が低下するという結果となった。
次に、第一、第二の実施形態のリチウムチタン複合酸化物について体積抵抗率の測定を行った。測定はJIS K7194に基づき、各リチウムチタン複合酸化物を5MPaの圧力で圧縮した後、抵抗率計(三菱化学アナリテック製、MCP−T610)を用いて行った。結果を表5、6および図7に示す。
次に、第二の実施形態のリチウムチタン複合酸化物(混晶物)については、表6および図7に示す体積抵抗率の測定結果と表2に示す電池特性の結果から、124型のリチウムチタン酸化物の混合率が2wt%以上になった段階で体積抵抗率が大きく変化し始めることになり、その結果、電池特性も大幅に向上することが確認できた。
次に、第一、第二の実施形態および第一、第二の比較形態に係るリチウムチタン複合酸化物の内、ラムスデライト型リチウムチタン酸化物またはアセチレンブラックの混合(混晶)量を同一(30wt%)にして作製したリチウムイオン二次電池の充電レート特性を測定した。結果を図8に示す。
次に、第二〜第四の実施形態に係るリチウムチタン複合酸化物(但し、第二の実施形態においてはラムスデライト型リチウムチタン酸化物の配合量が30wt%)を用いたリチウムイオン二次電池の放電レート特性と充放電曲線を測定した。結果を図9、10に示す。
2 4512型のリチウムチタン酸化物の結晶
3 混晶状態のリチウムチタン複合酸化物
Claims (6)
- 組成式がLixTi(2−y)O4(1.0<x<1.5、0<y<0.2)で表されるラムスデライト型リチウムチタン酸化物と、
組成式がLi4+ZTi5O12(0≦z≦3)で表されるスピネル型リチウムチタン酸化物とを含有し、
さらに、5MPaの圧力で圧縮したときの体積抵抗率が、
0.1〜1.0×10 7 Ω・cmであることを特徴とするリチウムチタン複合酸化物。
- X線回折パターンにおける、2θ(回折角)=18.4±0.3°のピーク強度(A)と2θ(回折角)=20.0±0.3°のピーク強度(B)の強度比(B/A)が、
0.01以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムチタン複合酸化物。
- 前記ラムスデライト型リチウムチタン酸化物と前記スピネル型リチウムチタン酸化物とが、
混晶状態で含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムチタン複合酸化物。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチウムチタン複合酸化物を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチウムチタン複合酸化物を用いたことを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
- Li源とTi源を混合する工程と、
得られた混合物を水素雰囲気中または水素含有雰囲気中において、組成式がLi4+ZTi5O12(0≦z≦3)で表されるスピネル型リチウムチタン酸化物から組成式がLixTi(2−y)O4(1.0<x<1.5、0<y<0.2)で表されるラムスデライト型リチウムチタン酸化物へ相転移する温度で焼成する工程とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチウムチタン複合酸化物の製造方法。
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