JP6555324B2 - エンジンのシリンダヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのシリンダヘッドに関する。
従来から、自動車等のエンジンでは、シリンダヘッドに設けたヘッドウォータージャケットに対して冷却液を循環させ、シリンダヘッドの冷却を行っている。
特許文献1には、シリンダヘッド内に排気通路集合部を形成し、排気通路集合部の周囲、すなわちシリンダヘッドの排気側壁面付近にヘッドウォータージャケットを形成することにより、排気通路集合部の冷却を行う技術が開示されている。
特開2015−121116号公報
ところで、エンジンのコンパクト化や、シリンダヘッドの過度の温度上昇を抑制する観点から、シリンダヘッドに接続される、形状自由度の比較的高い排気マニホールド内に排気通路集合部を形成することが考えられる。このような構成では、排気通路集合部をシリンダヘッド内に形成する場合と比べて、シリンダヘッドに形成される各気筒の排気口から延びる排気ポートの長さが相対的に短くなるため、ヘッドウォータージャケットとの接触面積が低下し、ヘッドウォータージャケットによる独立排気ポートの冷却効率が低下し得る。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、ヘッドウォータージャケットによる独立排気ポートの冷却効率の高いエンジンのシリンダヘッドを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジンのシリンダヘッドに設けられたヘッドウォータージャケットの形状について、独立排気ポートを直接冷却する独立排気ポート対応部を、隣り合う独立排気ポート対応部間を接続する接続部よりも吸気側に膨出するように形成することで、気筒から延びる独立排気ポートをできる限り覆って独立排気ポートの冷却を強化するとともに、接続部の流路断面積を低減させて冷却効率を向上させるようにした。
すなわち、ここに開示する第1の開示技術に係るエンジンのシリンダヘッドは、直列配置された複数の気筒を有するエンジンのシリンダヘッドであって、平面視で、前記気筒の各々に対応して該気筒から気筒列方向に直交する方向に延びるように形成された複数の独立排気ポートと、平面視で、前記気筒から前記独立排気ポートと反対側に延びるように形成された吸気ポートと、前記複数の独立排気ポートの上側及び下側の少なくとも一方に、気筒列方向に延びるように形成されたヘッドウォータージャケットと、を備え、前記ヘッドウォータージャケットは、前記各独立排気ポートに対応してその上側及び下側の少なくとも一方に設けられた複数の独立排気ポート対応部と、隣り合う前記独立排気ポート対応部同士を結ぶ複数の接続部とを備え、平面視で、前記独立排気ポート対応部の各々は、前記接続部の各々に比べて、吸気側に膨出しており、前記ヘッドウォータージャケットは、平面視で前記独立排気ポート対応部における上流側且つ排気側に、該独立排気ポート対応部の上流側から該独立排気ポート対応部に流入する冷却液の流れを該独立排気ポート対応部の吸気側に指向させるための斜壁部を有することを特徴とする。
本構成によれば、ヘッドウォータージャケットの独立排気ポート対応部を接続部よりも吸気側に膨出するように形成したので、独立排気ポート対応部が独立排気ポートの大部分を覆うように配置することができ、独立排気ポートの冷却を強化することができるとともに、接続部の流路面積を低減させて冷却効率を向上させることができる。
第2の開示技術は、第1の開示技術に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、互いに隣り合う前記気筒の前記独立排気ポート間に、前記エンジンのシリンダブロックとボルト締結するためのヘッドボルト挿通孔が形成されたボルト孔形成部を備え、平面視で、前記接続部は、前記ボルト孔形成部の排気側に位置していることを特徴とする。
隣り合う独立排気ポート間には、シリンダヘッドをシリンダブロックにボルト締結させるためのヘッドボルト挿通孔が穿設されることがある。本構成によれば、平面視で、接続部に対応する位置に上記ヘッドボルト挿通孔が形成されたボルト孔形成部を配置させることで、ヘッドボルト挿通孔周囲の肉厚を確保することができるから、シリンダヘッドをシリンダブロックにボルト締結したときに、ボルト軸力を効率よく締結面に伝達させることができる。
第3の開示技術は、第1又は第2の開示技術に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、前記ヘッドウォータージャケットの気筒列方向の一端側に冷却液流入口が形成されるとともに、前記ヘッドウォータージャケットの気筒列方向の他端側に冷却液排出口が形成されていることを特徴とする。
本構成によれば、独立排気ポート周辺に配置されたヘッドウォータージャケットにおいて、シリンダヘッドの気筒列方向、すなわちエンジン出力軸方向の一端側から他端側に冷却液が流れるので、全独立排気ポートに対して、ヘッドウォータージャケットに流入した全ての冷却液を当てて全独立排気ポートを冷却することができるとともに、気筒毎の冷却液の流速の差を緩和して、全ての独立排気ポートを均一に冷却することができる。
第4の開示技術は、第1〜第3の開示技術のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、前記ヘッドウォータージャケットの冷却液流入口の上流側に、空調用熱交換部が接続されていることを特徴とする。
本構成によれば、空調用熱交換部で熱を奪われた冷却液がヘッドウォータージャケットに流入するので、独立排気ポートの冷却効率を向上させることができる。
また、の開示技術において、前記ヘッドウォータージャケットは、平面視で前記独立排気ポート対応部における上流側且つ排気側に、該独立排気ポート対応部の上流側から該独立排気ポート対応部に流入する冷却液の流れを該独立排気ポート対応部の吸気側に指向させるための斜壁部を有する。
独立排気ポート対応部は、接続部よりも吸気側に膨出しているから、ヘッドウォータージャケットに流入した冷却液は、ヘッドウォータージャケットの排気側の壁面に沿って流れ、独立排気ポート対応部の吸気側に膨出した部分には冷却液が流れ込みにくくなり、膨出した部分の冷却液の流速が低下し得る。本構成によれば、冷却液が独立排気ポート対応部の上流側から該独立排気ポート対応部に流入するときに、斜壁部に沿って流れるから、吸気側に膨出した部分にまで冷却液を効果的に流入させることができる。そうして、独立排気ポート対応部における独立排気ポートの冷却効率を向上させることができる。
の開示技術は、第1〜第の開示技術のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、排気側の側面に、前記独立排気ポートの各々の下流端に接続される複数の独立排気通路と、前記独立排気通路の各々を通過した排気ガスが内側で集合する集合部とを備えた排気マニホールドが接続されていることを特徴とする。
各気筒から排出される排気ガスは高温であり、全気筒からの排気ガスが集合する集合部は、極めて高温になり得る。そのような集合部をシリンダヘッド内に設けると、シリンダヘッドの温度が過度に上昇し得る。本構成によれば、集合部をシリンダヘッドの外側に別部材として配置したので、シリンダヘッドの過度の温度上昇を抑制することができる。また、集合部を形状自由度の比較的高い排気マニホールド内に形成することで、エンジンのコンパクト化に資することができる。
の開示技術は、第の開示技術に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、排気側から見たときに、互いに隣り合う前記独立排気ポート間であって、該独立排気ポートの位置よりも上側及び下側にオフセットした位置に、前記排気マニホールドをボルト締結するための排気マニホールドボルト孔が形成されており、前記接続部は、前記排気マニホールドボルト孔の上側又は下側に位置する排気マニホールドボルト孔対応部と、該排気マニホールドボルト孔対応部に接続され且つ気筒列方向に隣り合う排気マニホールドボルト孔非対応部とを備え、前記排気マニホールドボルト孔非対応部の高さは、前記排気マニホールドボルト孔対応部及び前記独立排気ポート対応部の高さよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。本構成によれば、排気マニホールドボルト孔周りにヘッドウォータージャケットの接続部が設けられているから、排気マニホールドの締結部周りの冷却を強化することができる。
ここに開示する第7の技術に係るエンジンのシリンダヘッドは、直列配置された複数の気筒を有するエンジンのシリンダヘッドであって、平面視で、前記気筒の各々に対応して該気筒から気筒列方向に直交する方向に延びるように形成された複数の独立排気ポートと、平面視で、前記気筒から前記独立排気ポートと反対側に延びるように形成された吸気ポートと、前記複数の独立排気ポートの上側及び下側の少なくとも一方に、気筒列方向に延びるように形成されたヘッドウォータージャケットと、を備え、前記ヘッドウォータージャケットは、前記各独立排気ポートに対応してその上側及び下側の少なくとも一方に設けられた複数の独立排気ポート対応部と、隣り合う前記独立排気ポート対応部同士を結ぶ複数の接続部とを備え、平面視で、前記独立排気ポート対応部の各々は、前記接続部の各々に比べて、吸気側に膨出しており、排気側の側面に、前記独立排気ポートの各々の下流端に接続される複数の独立排気通路と、前記独立排気通路の各々を通過した排気ガスが内側で集合する集合部とを備えた排気マニホールドが接続されており、排気側から見たときに、互いに隣り合う前記独立排気ポート間であって、該独立排気ポートの位置よりも上側及び下側にオフセットした位置に、前記排気マニホールドをボルト締結するための排気マニホールドボルト孔が形成されており、前記接続部は、前記排気マニホールドボルト孔の上側又は下側に位置する排気マニホールドボルト孔対応部と、該排気マニホールドボルト孔対応部に接続され且つ気筒列方向に隣り合う排気マニホールドボルト孔非対応部とを備え、前記排気マニホールドボルト孔非対応部の高さは、前記排気マニホールドボルト孔対応部及び前記独立排気ポート対応部の高さよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
以上述べたように、本発明によると、ヘッドウォータージャケットの独立排気ポート対応部を接続部よりも吸気側に膨出するように形成したので、独立排気ポート対応部が独立排気ポートの大部分を覆うように配置することができ、独立排気ポートの冷却を強化することができるとともに、接続部の流路面積を低減させて冷却効率を向上させることができる。
実施形態1におけるエンジン及びその冷却回路の概要を模式的に示す平面図である。 図1のエンジンのエンジン本体を示す概略斜視図である。 図2のエンジン本体のシリンダヘッドを示す斜視図である。 図3のシリンダヘッドに排気マニホールドを接続させた状態を示す斜視図である。 シリンダヘッドに形成される排気ポートとヘッドウォータージャケットの中子形状を模式的に示す斜視図である。 シリンダヘッドの排気側に形成されるヘッドウォータージャケットの中子形状を模式的に示す平面図である。 図6のウォータージャケットの右側面図である。 図6のウォータージャケットの背面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図3のB−B線における端面図である。 図2のC−C線における端面図である。 図3のD−D線における端面図である。 シリンダヘッドに形成される排気ポートとウォータージャケットの中子形状を模式的に示す平面図である。 図3のE−E線における端面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
<エンジン>
図1は、本実施形態におけるエンジンと、その冷却回路について模式的に示す平面図である。また、図2は、当該エンジンの概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態におけるエンジンは、エンジン本体1と、冷却システム2と、を有する。エンジン本体1は、図2に示すように、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとを有する。本実施形態では、エンジン本体1の一例として、直列4気筒のガソリンエンジンを採用している。すなわち、エンジン本体1は、直列配置された4つ(複数)の気筒を有している。
本明細書において、図1及び図2に示すように、方向はエンジンを基準とする。すなわち、「左右方向」は、エンジン出力軸方向である気筒列方向と平行であり、図1の紙面の右側を右側、左側を左側とする方向である。「前後方向」は、気筒列方向に直交する方向であり、図1の紙面の上側を後側、下側を前側とする方向である。なお、図1では、説明のため、シリンダブロック1bに対してシリンダヘッド1aを後側(図1の紙面の上側)にずらして記載している。また、前側及び後側は、それぞれ吸気側及び排気側に対応しており、図1及び図2において、“IN”と表記した側がエンジンの吸気側、“EX”と表記した側がエンジンの排気側としている。また、「上下方向」は、「左右方向」及び「前後方向」と直交する方向であり、図2に示すように、シリンダヘッド1a側を上側、シリンダブロック1b側を下側とする方向である。
−シリンダヘッド−
図1に示すように、本実施形態に係るシリンダヘッド1aには、各気筒のエンジン燃焼室を形成する上側の壁面11,12,13,14が形成されている。本実施形態におけるエンジンは、4バルブ方式を採用しており、図1に示すように、各気筒の当該壁面11,12,13,14の排気側及び吸気側には、それぞれ排気口11a,11a,12a,12a,13a,13a,14a,14a及び吸気口11b,11b,12b,12b,13b,13b,14b,14bが気筒列方向に並んで2つずつ形成されている。
そして、気筒の各々に対応して、各気筒の排気口11a,11a,12a,12a,13a,13a,14a,14aには、当該排気口11a,11a,12a,12a,13a,13a,14a,14aに接続され、シリンダヘッド1aの排気側に延びる排気ポート16が4つ(複数)形成されている。具体的には例えば、第1気筒#1には排気口11a,11aが2つ形成されており、当該2つの排気口11a,11aに接続された2つの排気通路が合流するような形状に形成された第1排気ポート16aがシリンダヘッド1aの排気側に延びている。同様に、第2気筒#2、第3気筒#3及び第4気筒#4においても、それぞれ第2排気ポート16b、第3排気ポート16c及び第4排気ポート16dがそれぞれ排気口12a,12a,13a,13a,14a,14aから排気側へ延びている。
また、気筒の各々に対応して、各気筒の吸気口11b,11b,12b,12b,13b,13b,14b,14bには、当該吸気口11b,11b,12b,12b,13b,13b,14b,14bに接続され、シリンダヘッド1aの吸気側、すなわち上記排気ポート16と反対側に延びる吸気ポート15が4つ形成されている。具体的には例えば、第1気筒#1には吸気口11b,11bが2つ形成されており、当該2つの吸気口11b,11bに接続された2つの吸気通路が合流するように形成された第1吸気ポート15aがシリンダヘッド1aの吸気側に延びている。同様に、第2気筒#2、第3気筒#3及び第4気筒#4においても、それぞれ第2吸気ポート15b、第3吸気ポート15c、第4吸気ポート15dが吸気口12b,12b,13b,13b,14b,14bから吸気側へ延びている。
そして、排気ポート16の上側には、本実施形態に係る上側ウォータージャケット31(ヘッドウォータージャケット)が気筒列方向の第4気筒#4側から第1気筒#1側に向かって延びるように形成されている。なお、図1には図示していないが、排気ポート16の下側には下側ウォータージャケット41(特に図8参照)が形成されている。上側ウォータージャケット31の構成については後述する。
−シリンダブロック−
シリンダブロック1bには、各気筒を形成するシリンダボア10a〜10dが形成されている。そして、シリンダボア10a〜10dの周囲を囲むように冷却液の冷却液流路FL2,FL3が設けられている。
−冷却システム−
冷却システム2は、可変ウォーターポンプ20と、ラジエータ21と、冷却液流路FL1〜FL16と、を有する。可変ウォーターポンプ20から送液される冷却液は、冷却液流路FL1を通ってシリンダブロック1bの第1気筒#1のシリンダボア10aの外周部で連続する冷却液流路FL2,FL3に流入する。
冷却液流路FL2,FL3は、冷却液流路FL7との接続部分まで気筒列方向に沿って延びており、冷却液流路FL2,FL3を流れる冷却液は、第1気筒#1側から第4気筒#4側に向けてそれぞれ流れるようになっている。
冷却液流路FL4は、冷却液流路FL2の途中の部分から分岐し、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ22に接続されている。なお、冷却液流路FL2からの冷却液流路FL4の分岐を、一例として第4気筒#4に対応する部分に設けている。
冷却液流路FL5は、冷却液流路FL3の途中の部分から分岐し、自動変速機オイル熱交換器26に接続されている。冷却液流路FL5には、逆止弁28が介挿されている。本実施形態では、冷却液流路FL3からの冷却液流路FL5の分岐を、一例として第2気筒#2に対応する部分からとしている。
冷却液流路FL6は、自動変速機オイル熱交換器26と可変ウォーターポンプ20とを接続する。そして、冷却液流路FL6は、途中の部分でオイルクーラ27を経由している。このため、自動変速機オイル熱交換器26から排出された冷却液は、エンジンオイルの冷却を行った後に可変ウォーターポンプ20に戻される。
冷却液流路FL7は、シリンダブロック1bから排出された冷却液をシリンダヘッド1aに導くための流路である。換言すると、冷却液流路FL7は、シリンダブロック1bに設けられた冷却液流路FL2及び冷却液流路FL3と、シリンダヘッド1aに設けられた冷却液流路FL8と、を接続するための流路である。
冷却液流路FL8は、シリンダヘッド1a内を右側から左側に延びる流路であり、吸気ポート15や気筒の上側を冷却するための流路である。
冷却液流路FL9は、冷却液流路FL8の途中の部分から分岐された流路であり、冷却液の一部を、スーパーチャージャ(不図示)をバイパスするエアバイパス通路におけるエア流量制御用のエアバイパスバルブ24に導くための流路である。
冷却液流路FL9は、一端が冷却液流路FL10に接続されている。冷却液流路FL10は、他端がシリンダヘッド1aにおける排気ポート近傍部分に設けられた冷却液流路FL13に接続されている。冷却液流路FL10は、エンジンルーム内でエレキスロットルバルブ25を経由するように設けられている。冷却液流路FL10を流れる冷却液は、エレキスロットルバルブ25の凍結防止のために供給される。
冷却液流路FL11は、EGRクーラ22とヒータ23(空調用熱交換部)とを接続する流路である。このため、ヒータ23には、EGRクーラ22で排気ガスと熱交換することで温度が上昇した冷却液が送られる。
冷却液流路FL12は、ヒータ23で熱が奪われて温度が低下した冷却液を、シリンダヘッド1aにおける排気ポート近傍の冷却液流路FL13に供給するための流路である。
冷却液流路FL12を流れる冷却液は、上述のように、ヒータ23で熱が奪われて温度が低下しているので、シリンダヘッド1aにおける排気ポート近傍を冷却することができる。
冷却液流路FL13は、シリンダヘッド1aに形成された上述の上側ウォータージャケット31及び下側ウォータージャケット41を右側から左側へと流れる流路である。冷却液流路FL13を流れる冷却液は、排気ポート16を含むシリンダヘッド1aの主に排気側の熱を奪いながら下流側へと導かれる。
冷却液流路FL13は、冷却液流路FL14及び冷却液流路FL16に接続されている。冷却液流路FL14は、冷却液流路FL16を介して冷却液流路FL8及び冷却液流路FL13と可変ウォーターポンプ20とを接続する流路である。冷却液流路FL14は、冷却液流路FL8との接続部分で分岐されており、もう一方の端部でラジエータ21にも接続されている。冷却液流路FL15は、逆止弁29を介してラジエータ21と可変ウォーターポンプ20とを接続する。
冷却液流路FL16は、シリンダヘッド1aにおける排気ポート近傍の冷却液流路FL13を流れてきた冷却液、及び冷却液流路FL8を流れてきた冷却液の一部が、ラジエータ21を経由せず可変ウォーターポンプ20に戻されるための流路である。
<排気マニホールド>
図3は、図2のシリンダヘッド1aのみを示す図である。そして図4は、図3のシリンダヘッド1aに排気マニホールド5を締結させた様子を示す斜視図である。
図3に示すように、シリンダヘッド1aの排気側の側面には、排気ポート16の各々の下流端である独立排気ポート開口部161a,161b,161c,161dが形成されている。そして、独立排気ポート開口部161a,161b,161c,161dの周囲には、図4に示す排気マニホールド5を締結させるための締結部17が形成されている。そして、シリンダヘッド1aを排気側から見たときに、締結部17において、互いに隣り合う独立排気ポート開口部161a,161b,161c,161d間及び独立排気ポート開口部161a,161dの左側及び右側であって、独立排気ポート開口部161a,161b,161c,161dの上下位置よりも上側又は下側にオフセットした位置に、排気マニホールド5をボルト締結するための排気マニホールドボルト孔17a,17b,17c,17d,17eが形成されている。
図4に示すように、排気マニホールド5は、シリンダヘッド1aに締結された状態で、独立排気ポート開口部161a,161b,161c,161dの各々に接続される複数の独立排気通路51a,51b,51c,51dを有している。そして、排気マニホールド5は、独立排気通路51a,51b,51c,51dの各々を通過した排気ガスが内側で集合する集合部52を有している。排気マニホールド5のシリンダヘッド1aへ締結される部分には、排気マニホールドフランジ部53が形成されており、排気マニホールドフランジ部53に形成された排気マニホールドボルト挿通孔(不図示)に挿通された排気マニホールド用ボルト54,54,…が、上述の排気マニホールドボルト孔17a,17b,17c,17d,17eに挿入されて、排気マニホールド5は、シリンダヘッド1aの排気側の側面に接続される。
各気筒から排出される排気ガスは高温であり、全気筒からの排気ガスが集合する集合部52は、極めて高温になり得る。そのような集合部をシリンダヘッド1a内に設けると、シリンダヘッド1aの温度が過度に上昇し得る。本構成によれば、集合部52をシリンダヘッド1aの外側に別部材として配置したので、シリンダヘッド1aの過度の温度上昇を抑制することができる。また、集合部52を形状自由度の比較的高い排気マニホールド5内に形成することで、エンジンのコンパクト化に資することができる。
<ヘッドウォータージャケット>
図5は、シリンダヘッド1aに形成されたヘッドウォータージャケット31,41,51と、排気ポート16とを示す斜視図である。図6、図7及び図8は、図5のヘッドウォータージャケットのうち、排気ポート16の上下に設けられた上側ウォータージャケット31と下側ウォータージャケット41の、それぞれ平面図、右側面図及び背面図である。なお、これらの図面及び後述する図13は中子形状を示したものであり、排気ポート16及びヘッドウォータージャケット31,41,51は、シリンダヘッド1a内に穿設された通路である。
図5に示すヘッドウォータージャケット31,41,51のうち、吸気側ウォータージャケット51は、シリンダヘッド1a内を右側から左側に延びている。吸気側ウォータージャケット51は、吸気ポート15や気筒の上側を冷却するためのものであり、図1に示す冷却液流路FL8に該当する。
排気ポート16の上下に形成された上側ウォータージャケット31及び下側ウォータージャケット41(以下、「ウォータージャケット31,41」と総称することがある。)も、シリンダヘッド1a内を右側から左側に延びている。ウォータージャケット31,41の右端側(一端側)には、冷却液の流入口331(冷却液流入口)が形成されており、左端側(他端側)には冷却液の流出口332(冷却液流出口)が形成されている。図1に示す冷却液流路FL10,FL12を流れてきた冷却液は、上記流入口331を通った後分岐されてウォータージャケット31,41内に流入し、右側から左側へ流れる。このウォータージャケット31,41内の流れが冷却液流路FL13に該当する。そして、ウォータージャケット31,41内を流れた冷却液は流出口332の手前で一端合流した後、冷却液流路FL14に流入する流れと、上記流出口332から排出され、冷却液流路FL16に流入する流れとに分岐される。
このようにウォータージャケット31,41を備えることにより、排気ポート16の周囲を上下から冷却することができ、効果的にシリンダヘッド1aの冷却が促進される。また、ウォータージャケット31,41を備えることにより、シリンダヘッド1aの気筒列方向、すなわちエンジン出力軸方向の一端側から他端側に冷却液が流れるので、ウォータージャケット31,41に流入した冷却液の全てを、全排気ポート16a,16b,16c,16dに対して当てることができる。そして、気筒毎の冷却液の流速の差を緩和して、全ての排気ポート16a,16b,16c,16dを均一に冷却することができる。
なお、図7に示すように、流出口332は流入口331よりも上側に形成されている。これにより、冷却液は、ウォータージャケット31,41内を満たしつつ右側から左側に流れるようになる。こうして、シリンダヘッド1aの冷却を強化することができる。
また、図1に示すように、冷却液流路FL12の上流には、上述のごとくヒータ23が配置されている。このように、ウォータージャケット31,41の流入口331の上流側に、ヒータ23が接続されているから、ヒータ23で熱を奪われた冷却液がウォータージャケット31,41に流入するので、排気ポート16の冷却効率を向上させることができる。
なお、ヒータ23の作動が制限されるレベルのエンジン冷間時においては、EGRクーラ22で温められた冷却液が冷却液流路FL12を通り、ヒータ23で熱が奪われないままシリンダヘッド1aの排気ポート16近傍に送られ得る。そうすると、EGRクーラ22で温められた冷却液により、シリンダヘッド1aの排気ポートが保温又は温度低下が抑制されることとなり、排気マニホールド5の下流側に接続される触媒(不図示)に高温の排気ガスを供給することができ、エミッション性能が確保できる。
<上側ウォータージャケット>
以下、特に上側ウォータージャケット31の構成について説明する。
図5及び図6等に示すように、上側ウォータージャケット31は、各排気ポート16a,16b,16c,16dに対応してその上側に設けられた4つ(複数)の排気ポート対応部31a,31b,31c,31d(独立排気ポート対応部)と、隣り合う排気ポート対応部31a,31b,31c,31d同士を結ぶ3つ(複数)の接続部321,322,323とを備えている。
具体的には、排気ポート対応部31a,31b,31c,31dは、第1気筒#1〜第4気筒#4の排気ポートに対応して形成された第1排気ポート対応部31a、第2排気ポート対応部31b、第3排気ポート対応部31c、及び第4排気ポート対応部31dである。接続部321,322,323は、第1排気ポート対応部31aと第2排気ポート対応部31bとを接続する第1接続部321、第2排気ポート対応部31bと第3排気ポート対応部31cとを接続する第2接続部322、及び第3排気ポート対応部31cと第4排気ポート対応部31dとを接続する第3接続部323である。
ここに、本開示技術は、図6に示すように、平面視で、排気ポート対応部31a,31b,31c,31dの各々が、接続部321,322,323の各々に比べて吸気側に、吸気側に膨出していることを特徴とする。
具体的には、図6及び図7に示すように、上側ウォータージャケット31の前後方向の幅は、排気ポート対応部31a,31b,31c,31dの最も幅の広い部分で、それぞれ符号T1,T2,T3,T4で示す最大幅となっている。そして、第1接続部321及び第3接続部323の符号T22,T24で示す幅は、幅T1,T2,T3,T4に比べて約1/3にまで狭く形成されている。また、第2接続部322の符号T23で示す幅は、幅T1,T2,T3,T4に比べて約3/5程度にまで狭く形成されている。そして、排気ポート対応部31a〜31dの吸気側の壁は、接続部321〜323の吸気側の壁に比べて、吸気側に膨出するように形成されている。
このように、排気ポート対応部31a〜31dを吸気側に膨出するように形成することで、排気ポート16の冷却を強化することができる。具体的に、図9は図2のA−A線における断面図であるが、図9に示すように、第3排気ポート対応部31cは、第3排気ポート16cの上側で吸気側に向かって延びており、第3排気ポート16cの大部分を覆うように配置されている。これにより、排気ポート16の冷却を強化することができる。
次に、図10は、図3のB−B線における端面図である。図11は、図2のC−C線における端面図である。なお、図11の符号31kで示す孔は、シリンダヘッド1aの鋳造時に、ウォータージャケット31を形成するための中子を破壊した後の砂塊を排出するための排出孔であり、鋳造成形後には封止されている。
図10及び図11に示すように第3接続部323及び第2接続部322は、前後方向の幅が狭い。そうすると、排気ポート対応部31a〜31dと同様の前後幅を持たせた場合に比べて、接続部321〜323における上側ウォータージャケット31の流路面積を低減させることができる。そうすると、接続部321〜323における冷却液の温度上昇が抑制されるから、排気ポート16の冷却効率を向上させることができる。
なお、図12は、図3のD−D線における端面図の一部を示す図である。また、図13は、排気ポート16と上側ウォータージャケット31とを模式的に示す平面図である。図12に示すように、互いに隣り合う排気ポート16間に、ヘッドボルト挿通孔111b,111c,111dが穿設されたボルト孔形成部114b,114c,114dが形成されている。また、第1排気ポート16a及び第4排気ポート16dのそれぞれ左側及び右側にはヘッドボルト挿通孔111a,111eが穿設されている。これらのヘッドボルト挿通孔111a〜111eは、例えば図11に示すように、エンジンのシリンダブロック1bとヘッドボルト113cを用いてボルト締結するために形成されている。図11に示すように、ヘッドボルト挿通孔111cに挿通されたヘッドボルト113cは、シリンダブロック1bに穿設されたヘッドボルト孔112cに挿入されて、シリンダヘッド1aはシリンダブロック1bに固定される。
また、第1排気ポート16aと第2排気ポート16bとの間、及び、第3排気ポート16cと第4排気ポート16dとの間に形成されたボルト孔形成部114b,114dには、エンジンの各所に潤滑用のエンジンオイルを供給するための油路71a,71bが形成されている。
図12及び図13に示すように、接続部321〜323は、平面視で、これらヘッドボルト挿通孔111b〜111d及び油路71a,71bが形成されたボルト孔形成部114b,114c,114dの排気側に位置している。図13に示すように、平面視で、接続部321,322,323の吸気側の端部T12は、排気ポート対応部31a,31b,31c,31dの吸気側の端部T11よりもが排気側に位置しており、ボルト孔形成部114b,114c,114dの領域が十分確保されている。
図11,図12に示すように、第2接続部322は、ヘッドボルト挿通孔111cが形成されたボルト孔形成部114cの領域を十分確保するように形成されているから、ヘッドボルト挿通孔11cの周囲の肉厚R1を確保することができる。そうして、シリンダヘッド1aをシリンダブロック1bにボルト締結したときに、ボルト軸力を効率よく締結面に伝達させることができる。
また、図10,図12に示すように、第3接続部323は、ヘッドボルト挿通孔111d及び油路71bが形成されたボルト孔形成部114dの領域を十分確保するように形成されているから、ヘッドボルト挿通孔111dと油路71bとの肉厚R2、油路71bと第3接続部323との肉厚R3を確保することができる。そうして、シリンダヘッド1aをシリンダブロック1bにボルト締結したときに、ボルト軸力を効率よく締結面に伝達させることができるとともに、油路71b周りの強度も確保してシリンダヘッド1aの剛性を高めることができる。なお、ボルト孔形成部114bについてもボルト孔形成部114dと同様である。
なお、上述のごとく、シリンダヘッド1aの排気側の側壁には、排気マニホールド5を固定するための排気マニホールドボルト孔17a,17b,17c,17d,17eが形成されている。
ここに、図14は、図3のE−E線における端面図である。図8及び図14に示すように、第1接続部321及び第3接続部323は、上述の排気マニホールドボルト孔17b,17dの上側に位置する排気マニホールドボルト孔対応部321a,323aを備えている。そして、この排気マニホールドボルト孔対応部321a,323aに接続され且つ気筒列方向に隣り合う排気マニホールドボルト孔非対応部321b,323bとを備えている。
図8及び図14に示すように、排気マニホールドボルト孔非対応部321b,323bの上下方向の高さは、排気マニホールドボルト孔対応部321a,323a及び排気ポート対応部31a〜31dの高さよりも高くなるように形成されている。具体的に、図8に示すように、例えば排気マニホールドボルト孔非対応部323bの上下方向の高さK2は、排気マニホールドボルト孔対応部323aの高さK1及び排気ポート対応部31dの高さK3よりも高くなるように形成されている。
このような構成とすると、例えば図10に示すように、排気マニホールドボルト孔非対応部321b,323bの上下方向の高さを確保することができる。そうして、特に排気マニホールドボルト孔17b,17d周りに上側ウォータージャケット31の第1接続部321及び第3接続部323により、排気マニホールド5の締結部周りの冷却を強化することができる。
図6に示すように、上側ウォータージャケット31の上面には、上側ウォータージャケット31の内部に向かって突出するように4つの斜壁部34a,34b,34c,34dが形成されている。図6及び図12に示すように、例えば第1斜壁部34aは、第1排気ポート対応部31aにおける上流側且つ排気側に、上流側且つ排気側から下流側且つ吸気側へ延びるように形成されている。同様に、斜壁部34b〜34dも、それぞれ排気ポート対応部31b〜31dに形成されている。また、図9に示すように、例えば第3斜壁部34cは、第3排気ポート対応部31c内に上側の壁から下側に向かって立設されている。
ここに、図13を参照して、上側ウォータージャケット31内の冷却液の流れを説明する。図13中に矢印で上側から見た冷却液の流れを示している。図13に示すように、平面視で、右側から流入した冷却液の流れは、第4斜壁部34dの右側で符号S1,S3の矢印で示す流れに分岐される。そして、矢印S1の冷却液の流れは第4斜壁部34dの吸気側の壁面に沿って流れ、第4排気ポート対応部31dの最も吸気側に位置する部分に案内される。そうして、冷却液は、符号S2の矢印で示すように第4排気ポート対応部31dの吸気側を通って第3接続部323へと流入していく。また、矢印S3の冷却液の流れは、第4斜壁部34dの排気側を流れ、上側ウォータージャケット31の排気側の壁面近傍を左側に向かって流れる。そうして、S2及びS3の流れは第3接続部323で合流されて、下流側の第3排気ポート対応部31cへと流入していく。第3排気ポート対応部31cにも第3斜壁部34cが形成されており、冷却液は、第4排気ポート対応部31dの場合と同様に、第3斜壁部34cの吸気側の流れS4と排気側のS5に分岐される。吸気側の流れS4は、第3排気ポート対応部31cの最も吸気側に位置する部分に案内される。そして、符号S6の矢印で示すように排気側の流れS5と合流しつつ、下流側の第2接続部322へと流入していく。同様にして、第2排気ポート対応部31b及び第1排気ポート対応部31aにおいても、それぞれ符号S7,S8,S9及び符号S10,S11,S12の矢印で示す流れが生じる。
このように、斜壁部34a〜34dを設けることで、第4排気ポート対応部31dの上流側の流入口331又は第1排気ポート対応部31a〜第3排気ポート対応部31cの各々に隣り合うそれぞれ第1接続部321〜第3接続部323から、排気ポート対応部31a〜31dに流入する冷却液の流れを、排気ポート対応部31a〜31dの吸気側に指向させることができる。
排気ポート対応部31a〜31dは接続部321〜323よりも吸気側に膨出しているところ、仮に斜壁部34a〜34dが形成されていない場合には、上側ウォータージャケット31内の冷却液の流れは、例えば図13中符号S3,S5,S8,S12で示すような上側ウォータージャケット31の排気側の壁面に沿って流れ、排気ポート対応部31a〜31dの吸気側に膨出した部分には冷却液が流れ込みにくくなり得る。そうすると、膨出した部分の冷却液の流速が低下し得る。
斜壁部34a〜34dを有することにより、上流側から下流側の排気ポート対応部31a〜31dに流入した冷却液が、斜壁部34a〜34dに沿って流れるから、吸気側に膨出した部分へ流入するように、冷却液の流れを整流することができる。そうして、排気ポート対応部31a〜31dにおける排気ポート16の冷却効率を向上させることができる。
なお、斜壁部34a〜34dの高さ、長さ、形状等は、排気ポート対応部31a〜31dに流入する冷却液の流れを、排気ポート対応部31a〜31dの吸気側に指向させることができれば、特に限定されるものではなく、適宜変更され得る。また、斜壁部34a〜34dは、上側ウォータージャケット31の下側の壁から立設するように形成されていてもよい。
(その他の実施形態)
以下、本発明に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
排気ポート対応部31a〜31dの前後方向の幅と、接続部321,322,323の前後方向の幅との割合は、上記実施形態1のものに限定されるものではなく、エンジンの構成に応じて適宜変更し得る。排気マニホールドボルト孔対応部321a,323aと、排気マニホールドボルト孔非対応部321b,323bの高さも上記実施形態1のものに限定されるものではなくエンジンの構成に応じて適宜変更され得る。
上記実施形態では、斜壁部34a〜34dは、全ての排気ポート対応部31a〜31dに形成されている構成であったが、全てに形成されていなくてもよいし、斜壁部34a〜34dを設けない構成としてもよい。なお、斜壁部34a〜34dを設けない構成とすることにより、シリンダヘッド1aの鋳造性が向上する。
上記実施形態では、流入口331の上流側にヒータ23が接続されていたが、ヒータ23が接続されていないエンジンにも本開示技術は適用できる。
上記実施形態では、シリンダヘッド1aの排気側の上側ウォータージャケット31に本開示技術が適用されていたが、本開示技術は、下側ウォータージャケット41にも適用することができる。また、上記実施形態では、排気ポート16の上側及び下側にそれぞれ上側ウォータージャケット31及び下側ウォータージャケット41が設けられている構成であったが、上側ウォータージャケット31及び下側ウォータージャケット41のいずれか一方のみが形成されている場合にも本開示技術を適用することができる。
上記実施形態では、4バルブ方式のエンジンを例示していたが、これに限定されるものではなく、2バルブ方式などのエンジンにも適用できる。また、上記実施形態では、エンジン本体1として直列4気筒のガソリンエンジンを一例として採用することとしたが、本開示技術は、これに限定を受けるものではない。例えば、2気筒あるいは3気筒、あるいは5気筒以上のエンジンを採用することもできる。また、複数の気筒が直列配置されてなる部分を備えていればよく、例えば、V型やW型の4気筒以上のエンジン等を採用することもできる。
本発明は、エンジンのシリンダヘッドの分野において、極めて有用である。
1a シリンダヘッド
16 排気ポート (独立排気ポート)
15 吸気ポート
17a,17b,17c,17d,17e 排気マニホールドボルト孔
111a,111b,111c,111d,111e ヘッドボルト挿通孔
114b,114c,114d ボルト孔形成部
23 ヒータ(空調用熱交換部)
31 上側ウォータージャケット(ヘッドウォータージャケット)
31a 第1排気ポート対応部(独立排気ポート対応部)
31b 第2排気ポート対応部(独立排気ポート対応部)
31c 第3排気ポート対応部(独立排気ポート対応部)
31d 第4排気ポート対応部(独立排気ポート対応部)
321 第1接続部(接続部)
321a 排気マニホールドボルト孔対応部
321b 排気マニホールドボルト孔非対応部
322 第2接続部(接続部)
323 第3接続部(接続部)
323a 排気マニホールドボルト孔対応部
323b 排気マニホールドボルト孔非対応部
331 流入口(冷却液流入口)
332 流出口(冷却液排出口)
34a 第1斜壁部(斜壁部)
34b 第2斜壁部(斜壁部)
34c 第3斜壁部(斜壁部)
34d 第4斜壁部(斜壁部)
5 排気マニホールド
51a,51b,51c,51d 独立排気通路
52 集合部

Claims (7)

  1. 直列配置された複数の気筒を有するエンジンのシリンダヘッドであって、
    平面視で、前記気筒の各々に対応して該気筒から気筒列方向に直交する方向に延びるように形成された複数の独立排気ポートと、
    平面視で、前記気筒から前記独立排気ポートと反対側に延びるように形成された吸気ポートと、
    前記複数の独立排気ポートの上側及び下側の少なくとも一方に、気筒列方向に延びるように形成されたヘッドウォータージャケットと、
    を備え、
    前記ヘッドウォータージャケットは、
    前記各独立排気ポートに対応してその上側及び下側の少なくとも一方に設けられた複数の独立排気ポート対応部と、
    隣り合う前記独立排気ポート対応部同士を結ぶ複数の接続部とを備え、
    平面視で、前記独立排気ポート対応部の各々は、前記接続部の各々に比べて、吸気側に膨出しており、
    前記ヘッドウォータージャケットは、平面視で前記独立排気ポート対応部における上流側且つ排気側に、該独立排気ポート対応部の上流側から該独立排気ポート対応部に流入する冷却液の流れを該独立排気ポート対応部の吸気側に指向させるための斜壁部を有する
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  2. 請求項1に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、
    互いに隣り合う前記気筒の前記独立排気ポート間に、前記エンジンのシリンダブロックとボルト締結するためのヘッドボルト挿通孔が形成されたボルト孔形成部を備え、
    平面視で、前記接続部は、前記ボルト孔形成部の排気側に位置している
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、
    前記ヘッドウォータージャケットの気筒列方向の一端側に冷却液流入口が形成されるとともに、
    前記ヘッドウォータージャケットの気筒列方向の他端側に冷却液排出口が形成されている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、
    前記ヘッドウォータージャケットの冷却液流入口の上流側に、空調用熱交換部が接続されている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、
    排気側の側面に、前記独立排気ポートの各々の下流端に接続される複数の独立排気通路と、前記独立排気通路の各々を通過した排気ガスが内側で集合する集合部とを備えた排気マニホールドが接続されている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  6. 請求項に記載のエンジンのシリンダヘッドにおいて、
    排気側から見たときに、
    互いに隣り合う前記独立排気ポート間であって、該独立排気ポートの位置よりも上側及び下側にオフセットした位置に、前記排気マニホールドをボルト締結するための排気マニホールドボルト孔が形成されており、
    前記接続部は、前記排気マニホールドボルト孔の上側又は下側に位置する排気マニホールドボルト孔対応部と、該排気マニホールドボルト孔対応部に接続され且つ気筒列方向に隣り合う排気マニホールドボルト孔非対応部とを備え、
    前記排気マニホールドボルト孔非対応部の高さは、前記排気マニホールドボルト孔対応部及び前記独立排気ポート対応部の高さよりも大きくなるように形成されている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
  7. 直列配置された複数の気筒を有するエンジンのシリンダヘッドであって、
    平面視で、前記気筒の各々に対応して該気筒から気筒列方向に直交する方向に延びるように形成された複数の独立排気ポートと、
    平面視で、前記気筒から前記独立排気ポートと反対側に延びるように形成された吸気ポートと、
    前記複数の独立排気ポートの上側及び下側の少なくとも一方に、気筒列方向に延びるように形成されたヘッドウォータージャケットと、
    を備え、
    前記ヘッドウォータージャケットは、
    前記各独立排気ポートに対応してその上側及び下側の少なくとも一方に設けられた複数の独立排気ポート対応部と、
    隣り合う前記独立排気ポート対応部同士を結ぶ複数の接続部とを備え、
    平面視で、前記独立排気ポート対応部の各々は、前記接続部の各々に比べて、吸気側に膨出しており、
    排気側の側面に、前記独立排気ポートの各々の下流端に接続される複数の独立排気通路と、前記独立排気通路の各々を通過した排気ガスが内側で集合する集合部とを備えた排気マニホールドが接続されており、
    排気側から見たときに、
    互いに隣り合う前記独立排気ポート間であって、該独立排気ポートの位置よりも上側及び下側にオフセットした位置に、前記排気マニホールドをボルト締結するための排気マニホールドボルト孔が形成されており、
    前記接続部は、前記排気マニホールドボルト孔の上側又は下側に位置する排気マニホールドボルト孔対応部と、該排気マニホールドボルト孔対応部に接続され且つ気筒列方向に隣り合う排気マニホールドボルト孔非対応部とを備え、
    前記排気マニホールドボルト孔非対応部の高さは、前記排気マニホールドボルト孔対応部及び前記独立排気ポート対応部の高さよりも大きくなるように形成されている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド。
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