JP6555217B2 - シリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

シリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウェーハの熱処理方法、具体的には水素(H)ガスあるいはアルゴン(Ar)ガス雰囲気下でのシリコンウェーハの熱処理方法、及びこれを用いたシリコンウェーハの製造方法に関するものである。
DZ(Denuded Zone)層及びその直下のBMD(Balk Micro Defect)層を形成するために、従来は水素、アルゴンによる高温熱処理が行われていた。しかし、酸素の外方拡散より、DZ層直下のBMD密度はバルク中に比較して低密度になっていた。そのため、近年ではRTA(Rapid Thermal Anneal)による、空孔注入及びその降温中の空孔の外方拡散によりDZ層、及びDZ層直下のBMD密度をコントロールする技術が数多く提案されてきた。しかし、RTAによるDZ層及びDZ層直下のBMD核形成プロセスでは、プロセス直後にはBMDが十分なサイズに成長しておらず、BMD核成長には、800℃4時間+1000℃16時間というような、現在のデバイスプロセスでは期待できない高温長時間の熱処理を必要としていた。
また、従来の水素、アルゴンによる高温熱処理と同じような熱処理方法として、特許文献1の熱処理方法のように、シリコンウェーハを熱処理炉内に投入後、炉内が950℃の温度まで昇温される昇温期間の一部又は全部の期間にわたり、炉内を窒素ガスあるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気で昇温した後、炉内をアルゴンガス雰囲気に置換してシリコンウェーハを900℃〜1350℃の温度範囲で1時間以上熱処理する方法が報告されている。しかしながら、特許文献1の熱処理方法は、シリコンウェーハをアルゴン雰囲気下で熱処理した場合に、シリコンウェーハ表面上で観察されるピット及びヒロック状の欠陥の発生を抑制するものであり、この熱処理方法では、DZ層直下のBMD密度を高密度にコントロールすることはできない。
特開2003−77926号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度を1×10/cm以上という高密度にコントロールすることができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、シリコンウェーハを熱処理炉内に投入し、1000℃以上1350℃以下の温度まで昇温して、該昇温した温度において、窒素ガス以外の非酸化性ガス雰囲気中で30分以上の第1の熱処理を行った後、該第1の熱処理を行った温度からの降温開始前あるいは前記第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度で第2の熱処理を行い、前記第2の熱処理の一部又は全部を、前記熱処理炉内を窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気にして行うシリコンウェーハの熱処理方法を提供する。
このようなシリコンウェーハの熱処理方法であれば、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度を1×10/cm以上という高密度にコントロールすることができる。
このとき、前記第2の熱処理を、1000〜1200℃の温度領域の温度において行うことが好ましい。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法では、第2の熱処理をこのような温度領域の温度において行うことで、熱処理後のシリコンウェーハにおけるDZ層直下のBMD密度をより確実に1×10/cm以上という高密度にコントロールすることができる。
またこのとき、前記第2の熱処理を行った後、窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気で1〜50℃/minの速度範囲で降温を行い、前記シリコンウェーハに施される酸素析出物成長のための熱処理時間を、前記第1の熱処理を行った時間及び前記第2の熱処理を行った時間を含め、トータルで12時間以内にすることが好ましい。
このように、本発明では、シリコンウェーハに施される酸素析出物成長のための熱処理時間をトータルで12時間以内にすることができる。
またこのとき、前記第1の熱処理及び前記第2の熱処理における非酸化性ガスを、Hガス又はArガスあるいはこれらの混合ガスとすることが好ましい。
このように、本発明では、第1の熱処理及び第2の熱処理における非酸化性ガスとして、上記のようなものを好適に用いることができる。
また、本発明では、シリコンウェーハの製造方法であって、
結晶成長時の酸素濃度が16ppma(JEIDAスケール)以下であるシリコンウェーハを用い、上述のシリコンウェーハの熱処理方法により熱処理を行って、20nm以上のサイズのBMDが表面から10μm以内の深さに1×10/cm以上の密度で存在し、かつ、50nm以上のサイズの欠陥が2×10/cm以下の密度である無欠陥層(DZ層)が表面から2μm以上の厚さで存在するシリコンウェーハを製造するシリコンウェーハの製造方法を提供する。
このようなシリコンウェーハの製造方法であれば、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度が1×10/cm以上という高密度であるシリコンウェーハを製造することができる。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法であれば、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度を1×10/cm以上という高密度にコントロールすることができる。また、本発明のシリコンウェーハの製造方法であれば、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度が1×10/cm以上という高密度であるシリコンウェーハを製造することができる。
実施例1〜6及び比較例1,4におけるシリコンウェーハの熱処理条件を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1〜3における窒素をドープしていないシリコンウェーハの熱処理後のBMD密度を示すグラフである。 実施例4〜6及び比較例4〜6における窒素をドープしたシリコンウェーハの熱処理後のBMD密度を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1〜3における窒素をドープしていないシリコンウェーハの熱処理後の欠陥の散乱像を示す写真である。 実施例4〜6及び比較例4〜6における窒素をドープしたシリコンウェーハの熱処理後の欠陥の散乱像を示す写真である。 図4中の比較例3及び図5中の比較例6における欠陥の散乱像の写真を拡大した写真である。 比較例2,5におけるシリコンウェーハの熱処理条件を示すグラフである。
以下、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハの製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法について説明する。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法は、シリコンウェーハを熱処理炉内に投入し、1000℃以上1350℃以下の温度まで昇温して、該昇温した温度において、窒素ガス以外の非酸化性ガス雰囲気中で30分以上の第1の熱処理を行った後、該第1の熱処理を行った温度からの降温開始前あるいは前記第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度で第2の熱処理を行い、前記第2の熱処理の一部又は全部を、前記熱処理炉内を窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気にして行う。以下、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法についてより詳細に説明する。
まず、シリコンウェーハを熱処理炉内に投入する。熱処理炉としては、RTA炉よりも通常の横型拡散炉あるいは縦型拡散炉等のいわゆるバッチ炉を用いることが好ましい。
次に、第1の熱処理(高温熱処理)を行う。第1の熱処理は、1000℃以上1350℃以下の温度まで昇温して、昇温した温度において、窒素ガス以外の非酸化性ガス雰囲気中で30分以上行う。
第1の熱処理は、酸素系ガスではなく、窒素ガス以外の非酸化性ガス雰囲気中で行うが、この非酸化性ガスとしては、汎用的に、Hガス(100%)又はArガス(100%)あるいはこれらの混合ガスとすることが好ましい。
また、第1の熱処理は、1000℃以上1350℃以下の温度において30分以上、好ましくは1000℃以上1300℃以下の温度で1〜10時間程度行う。
このような第1の熱処理を経たシリコンウェーハには、中心部にゲッタリング領域を成す高密度な酸素析出核を有するBMD層が形成されるとともに、表面にはDZ層が形成される。
この後、第2の熱処理を行う。第2の熱処理は、第1の熱処理を行った温度からの降温開始前あるいは第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度で行う。特に、第2の熱処理は、1000〜1200℃の温度領域の温度において行うことが好ましい。
ここで、第2の熱処理の一部又は全部を、熱処理炉内を窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気にして行う。熱処理炉内を窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気にして熱処理する時間は、好ましくは5分以上である。また、第2の熱処理における非酸化性ガスとしては、上述の第1の熱処理と同様に、Hガス又はArガスあるいはこれらの混合ガスとすることが好ましい。
一般的なシリコンウェーハの熱処理(アニール)方法においては、非酸化性雰囲気、例えばArガス雰囲気で1000〜1300℃で1〜10時間程度シリコンウェーハをアニール(Arアニール)することによって酸素析出の制御を行う。また、別の熱処理方法としては、Arガス雰囲気でシリコンウェーハをアニールする前に、RTA装置による高速昇降温プロセスによって、シリコンウェーハに高密度のBMD核を形成し、それに引き続き、高温長時間でArガス雰囲気でシリコンウェーハをアニールすることにより、DZ層及びBMD層の形成を行っている。
これに対し、本発明においては、第1の熱処理(例えばArガス雰囲気中、1000〜1300℃において1〜10時間程度行う熱処理)を行った後、第1の熱処理を行った温度からの降温開始前及び第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度で、窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気で第2の熱処理を行い、その後降温を実施する。
一般的には、HアニールやArアニールを経たシリコンウェーハには、その表面に自然酸化膜がないため、アニール時の雰囲気中の窒素ガスによる表面からの窒素原子の拡散がおきやすい。また、拡散された窒素原子はDZ層直下に形成されるBMD核の成長を促進し、Arアニールのみで得られる低密度のBMD層を高密度BMD層に改善することが可能となる。
本発明のように、第1の熱処理を行った温度からの降温開始前(特に降温開始の直前)あるいは第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度において、窒素ガスを付与して第2の熱処理を行うことにより、BMD層に20nm以上のサイズの酸素析出核が1×10/cm以上の高密度で形成され、高密度に酸素析出核を含むBMD層が形成される。なお、このBMD密度は、本発明の熱処理方法による熱処理を行った直後に得られるものであり、RTAによる熱処理の場合に必要とされる、例えば800℃4時間、1000℃16時間というようなBMDを顕在化させる熱処理を必要としない。
また、本発明のように、第1の熱処理を行った温度からの降温開始前あるいは第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度において、本発明のような窒素ガスを付与した第2の熱処理を行わないシリコンウェーハの熱処理を行った場合、特に、特許文献1のように、熱処理炉にシリコンウェーハを投入し、高温熱処理温度に昇温する途中の過程においてのみ窒素ガスを導入した場合は、DZ層を得ることができず、また、窒素原子の拡散を促進することができないため、本発明と同様の効果を得ることはできない。
また、第2の熱処理を行った後、窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気で1〜50℃/minの速度範囲で降温を行い、シリコンウェーハに施される酸素析出物成長のための熱処理(追加熱処理)時間を、第1の熱処理を行った時間及び第2の熱処理を行った時間を含め、トータルで12時間以内にすることが好ましい。ここで、酸素析出物成長のための熱処理とは、CZプロセスにて製造されたシリコンウェーハに付与される熱処理であって、CZプロセス直後においてはゲッタリング効果を持つのに不十分な大きさのBMD核をゲッタリング効果を持つのに十分な大きさ(例えば本発明の実施例であれば直径換算20nm以上)にまで成長させる熱処理を指す。具体的には、図1の第2の熱処理後の降温過程がそれに該当する。
このようなシリコンウェーハの熱処理方法であれば、例えばRTAによるBMD核形成及びその後に行うBMD核成長熱処理のプロセスのように、高温長時間の熱処理を行うことなく、DZ層直下のBMD密度を1×10/cm以上という高密度にコントロールすることができる。
また、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法を用いたシリコンウェーハの製造方法は、一態様として以下のように例示できる。
本発明のシリコンウェーハの製造方法は、結晶成長時の酸素濃度(初期酸素濃度)が16ppma(JEIDAスケール)以下であるシリコンウェーハを用い、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法により熱処理を行って、(直径換算)20nm以上のサイズのBMDが表面から10μm以内の深さに1×10/cm以上の密度で存在し、かつ、(直径換算)50nm以上のサイズの欠陥が2×10/cm以下の密度である無欠陥層(DZ層)が表面から2μm以上の厚さで存在するシリコンウェーハを製造することができる。
以下、本発明のシリコンウェーハの製造方法の一例について説明する。
本発明のシリコンウェーハの製造方法では、結晶成長時の酸素濃度が16ppma(JEIDAスケール)以下(好ましくは16ppma以下10ppma以上)の比較的低酸素濃度であるシリコンウェーハを用いる。このシリコンウェーハとしては、例えば、CZ法によって16ppma以下の所定酸素濃度で引上げられたシリコン単結晶インゴットから切り出して得られたものを用意する。具体的には、CZ法によって引上げられたシリコン単結晶インゴットに対し、その一部を円筒状に切り出すことで、周縁部を除去する。こうした円筒状のシリコン単結晶インゴットを所定の厚みにスライスすることで、多数のシリコンウェーハを形成する。これらのシリコンウェーハに対し、両面のラッピング工程(Lapping)、面取り工程(Beveling)、エッチング(Etching)等の平坦化工程、及びダメージ層除去工程等を行って、熱処理を行うためのシリコンウェーハを用意する。
次に、シリコンウェーハに対して熱処理を行う。例えば上記のように用意したシリコンウェーハに対し、熱処理(アニール)工程を行うことによって酸素析出の制御が行われる。ここで、本発明のシリコンウェーハの製造方法では、前述した本発明のシリコンウェーハの熱処理方法により熱処理を行う。この熱処理によってシリコンウェーハの表面にDZ層を形成する。
さらにDZ層を完全に除去しない範囲において、熱処理後鏡面研磨する事により、熱処理による表面粗さを改善することができる。この際の研磨量は、用いたシリコンウェーハの酸素濃度、熱処理前表面状態、熱処理温度、時間により形成されたDZ層の厚さによるが、0.1〜10μmの範囲で行うのが一般的である。
上記のような製造方法により、20nm以上のサイズのBMDが表面から10μm以内の深さ(即ち、DZ層直下の部分)に1×10/cm以上の密度で存在し、かつ、50nm以上のサイズの欠陥が2×10/cm以下の密度である無欠陥層(DZ層)が表面から2μm以上の厚さで存在するシリコンウェーハを製造することができる。
製造されたシリコンウェーハの表面には、DZ層が形成されている。こうしたDZ層は、結晶欠陥が極めて少ない層とされ、後工程において表面に半導体デバイスが形成される。
DZ層で覆われたシリコンウェーハの内部には、酸素析出核を高密度に付与したIG(Intrinsic Gettering)層となるBMD層が形成されている。酸素析出核を高密度に付与したBMD層には、20nm以上のサイズの酸素析出核が1×10/cm以上形成されている。
このようなシリコンウェーハであれば、BMD層に1×10/cm以上といった高密度で20nm以上のサイズの酸素析出核が付与されていることにより、デバイス作製プロセスにおいて、後工程の熱処理の際に、多数の酸素析出核により有害な重金属不純物をBMD層に拡散させることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例・比較例]
(実施例1)
CZ法にて窒素ドープなしで直径300mm、P型、方位<100>、酸素濃度15ppma(JEIDAスケール)のシリコン単結晶棒を製造し、このシリコン単結晶棒からワイヤーソーを用いてシリコンウェーハを切り出し、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨加工を施して、直径300mmのシリコン単結晶鏡面ウェーハ(熱処理に用いるシリコンウェーハ)を用意した。
このシリコンウェーハを用い、図1に示す熱処理の条件(Arガス雰囲気)にて、1150℃1時間の熱処理(第1の熱処理を50分、第2の熱処理を10分)を行った。なお、第1の熱処理はArガス雰囲気にて1150℃で50分行い、第2の熱処理はArガス95%と窒素(N)ガス5%(Arガス:窒素ガス=19L/min:1L/min)との混合ガス雰囲気にして1150℃で10分間行った。
次に、熱処理後、ウェーハ表面の粗さを改善するため、0.1μmの鏡面研磨を行ったのち、シリコンウェーハの評価を行った。具体的には、熱処理後のシリコンウェーハを、中心を通る[110]方向に劈開し、赤外散乱トモグラフィー法にて、シリコンウェーハの中心(中心から0mm)、中心から70mm、及び中心から140mmの3点についてBMD密度測定を行った。この結果を図2に示した。また、赤外散乱トモグラフィー装置から得られたBMDの深さ方向分布を表す散乱体イメージ像(欠陥の散乱像)を図4に示した。
(実施例2)
実施例1と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガス90%と窒素ガス10%(Arガス:窒素ガス=18L/min:2L/min)との混合ガス雰囲気にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図2及び図4に示した。
(実施例3)
実施例1と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガス75%と窒素ガス25%(Arガス:窒素ガス=15L/min:5L/min)との混合ガス雰囲気にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図2及び図4に示した。
(実施例4)
CZ法にて窒素を1×1013atoms/cm台になるようにドープして直径300mm、P型、方位<100>、酸素濃度15ppma(JEIDAスケール)のシリコン単結晶棒を製造し、このシリコン単結晶棒からワイヤーソーを用いてシリコンウェーハを切り出し、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨加工を施して、窒素のドープの有無以外は実施例1とほぼ同一の条件とした直径300mmのシリコン単結晶鏡面ウェーハ(熱処理に用いるシリコンウェーハ)を用意した。
この窒素をドープしたシリコンウェーハを用い、実施例1と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。また、熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。
(実施例5)
実施例4と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガス90%と窒素ガス10%(Arガス:窒素ガス=18L/min:2L/min)との混合ガス雰囲気にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。
(実施例6)
実施例4と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガス75%と窒素ガス25%(Arガス:窒素ガス=15L/min:5L/min)との混合ガス雰囲気にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。
(比較例1)
実施例1と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガスのみ(Arガス:20L/min)の雰囲気(即ち、窒素ガスを含まない雰囲気)にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図2及び図4に示した。
(比較例2)
実施例1と同様にしてシリコンウェーハを用意し、特許文献1の請求項1の記載に従って、図7に示す熱処理条件(窒素ガスを5%混合した混合ガス雰囲気で昇温した後、Arガス雰囲気に置換して高温熱処理を行う熱処理条件)にて熱処理を行った(即ち、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法における第2の熱処理は行っていない)。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図2及び図4に示した。
(比較例3)
実施例1と同様にしてシリコンウェーハを用意し、Arガス中にアンモニアガスを3%混合した混合ガス雰囲気で1175℃10秒のRTAによる熱処理を施した。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図2及び図4に示した。また、図6に図4中の比較例3における欠陥の散乱像の写真を拡大した写真を示した。
(比較例4)
実施例4と同様にしてシリコンウェーハの用意及び熱処理を行った。ただし、第2の熱処理は、Arガスのみ(Arガス:20L/min)の雰囲気(即ち、窒素ガスを含まない雰囲気)にして1150℃で10分間行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。
(比較例5)
実施例4と同様にしてシリコンウェーハを用意し、特許文献1の請求項1の記載に従って、図7に示す熱処理条件(窒素ガスを5%混合した混合ガス雰囲気で昇温した後、Arガス雰囲気に置換して高温熱処理を行う熱処理条件)にて熱処理を行った。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。
(比較例6)
実施例4と同様にしてシリコンウェーハを用意し、Arガス中にアンモニアガスを3%混合した混合ガス雰囲気で1175℃10秒のRTAによる熱処理を施した。
熱処理後のシリコンウェーハについて、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を図3及び図5に示した。また、図6に図5中の比較例6における欠陥の散乱像の写真を拡大した写真を示した。
[評価結果]
図2,3に示されるように、窒素ドープなしのシリコンウェーハ及び窒素ドープありのシリコンウェーハのどちらのウェーハにおいても、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法で熱処理を行った実施例1〜6においてのみ、BMD測定を行った3点全てにおいてBMD密度が1×10/cm以上となることが明らかとなった。
一方、第2の熱処理をArガスのみ(Arガス100%)で行った比較例1及び比較例4では、BMD密度が1×10/cm未満となる測定点があった。また、窒素ガスを5%混合した混合ガス雰囲気で昇温した後、Arガス雰囲気に置換して高温熱処理を行った比較例2及び比較例5では、BMD測定を行った3点全てにおいてBMD密度が1×10/cm未満となった。さらに、1175℃10秒のRTAによる熱処理を施した比較例3及び比較例6では、BMDを検出することができなかった。
また、図4〜6に示した欠陥の散乱像を詳細に検討したところ、比較例1〜6ではDZ層直下に1×10/cm以上の高密度のBMDが形成されておらず、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法で熱処理を行った実施例1〜6においてのみ、DZ層直下に1×10/cm以上の高密度のBMDが形成されていることが確認できた。
上記の結果より、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法であれば、DZ層直下に1×10/cm以上の高密度のBMDを形成できることが確認できた。また、特許文献1の熱処理方法では、本発明の課題であるDZ層直下への1×10/cm以上の高密度のBMD形成を達成することはできないものであることも、本発明者らの実験により確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. シリコンウェーハを熱処理炉内に投入し、1000℃以上1350℃以下の温度まで昇温して、該昇温した温度において、窒素ガス以外の非酸化性ガス雰囲気中で30分以上の第1の熱処理を行った後、該第1の熱処理を行った温度からの降温開始前あるいは前記第1の熱処理を行った温度から降温する途中の温度で第2の熱処理を行い、前記第2の熱処理の一部又は全部を、前記熱処理炉内を窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気にして行い、前記第2の熱処理を行った後、窒素ガス雰囲気あるいは窒素ガスと非酸化性ガスとの混合ガス雰囲気で1〜50℃/minの速度範囲で降温を行い、前記シリコンウェーハに施される酸素析出物成長のための熱処理時間を、前記第1の熱処理を行った時間及び前記第2の熱処理を行った時間を含め、トータルで12時間以内にすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記第2の熱処理を、1000〜1200℃の温度領域の温度において行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記第1の熱処理及び前記第2の熱処理における非酸化性ガスを、Hガス又はArガスあるいはこれらの混合ガスとすることを特徴とする請求項1又は請求項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. シリコンウェーハの製造方法であって、
    結晶成長時の酸素濃度が16ppma(JEIDAスケール)以下であるシリコンウェーハを用い、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法により熱処理を行って、20nm以上のサイズのBMDが表面から10μm以内の深さに1×10/cm以上の密度で存在し、かつ、50nm以上のサイズの欠陥が2×10/cm以下の密度である無欠陥層(DZ層)が表面から2μm以上の厚さで存在するシリコンウェーハを製造することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
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