JP6555080B2 - 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法 - Google Patents

双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6555080B2
JP6555080B2 JP2015213787A JP2015213787A JP6555080B2 JP 6555080 B2 JP6555080 B2 JP 6555080B2 JP 2015213787 A JP2015213787 A JP 2015213787A JP 2015213787 A JP2015213787 A JP 2015213787A JP 6555080 B2 JP6555080 B2 JP 6555080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
molten metal
continuous casting
twin
casting apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015213787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017080790A (ja
Inventor
雅文 宮嵜
雅文 宮嵜
和也 丸山
和也 丸山
加藤 雄一
雄一 加藤
藤 健彦
健彦 藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2015213787A priority Critical patent/JP6555080B2/ja
Publication of JP2017080790A publication Critical patent/JP2017080790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6555080B2 publication Critical patent/JP6555080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

本発明は、一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に、溶融金属を供給して薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法に関するものである。
金属の薄肉鋳片を製造する方法として、内部に水冷構造を有する冷却ドラムを備え、回転する一対の冷却ドラム間に形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させ、一対の冷却ドラムの外周面にそれぞれ形成された凝固シェル同士をドラムキス点で接合し、圧下して所定の厚さの薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置が提供されている。このような双ドラム式連続鋳造装置は、各種金属において適用されている。
上述の双ドラム式連続鋳造装置においては、一対の冷却ドラム間に形成された溶融金属溜まり部は、冷却ドラムの長手方向に延在する形状となり、溶融金属を冷却ドラムの長手方向に十分に行き渡るように供給する必要がある。
このため、例えば特許文献1に示すように、内ノズルと、底面に多孔質耐火物フィルターが配設された外ノズルと、を有し、内ノズルから外ノズル内に溶融金属を注入し、外ノズル内に溶融金属を一旦貯留し、溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造とされた浸漬ノズルが提案されている。
ところで、鋳造スタート時おいては、一対の冷却ドラムが停止した状態で、溶融金属溜まり部に対して溶融金属を供給するが、供給する溶融金属に偏流が生じた場合には、鋳片が不均一に形成されてしまい、鋳造を安定して開始することができないおそれがあった。このため、鋳造スタート時には、溶融金属溜まり部全体に対して溶融金属を均等に且つ一斉に供給することが求められる。
そこで、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に供給するために、例えば特許文献2−4に示す浸漬ノズルが提案されている。
特許文献2においては、内ノズルと、底面に多孔質耐火物フィルターが配設された外ノズルと、を有し、多孔質耐火物フィルターの上に溶融性金属部材を載置しておき、溶融金属を外ノズルの内部に一旦貯留した後、溶融性金属部材が溶融した時点で、溶融金属を吐出する構造とされている。
特許文献3においては、内ノズルと、底面に多孔質耐火物フィルターが配設された外ノズルと、を有し、外ノズル内部を減圧し、外ノズル内部に溶融金属を充満させた後、溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造とされている。
特許文献4においては、ノズル吐出口に溶融性スタート板を設置するとともに、ノズル内部を減圧することにより、ノズル内部に溶融金属を充満させた後、溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造とされている。
特開昭63−183752号公報 特開昭63−203254号公報 特開昭63−183753号公報 特開昭62−124052号公報
ところで、特許文献2に記載された浸漬ノズルにおいては、多孔質耐火物フィルターの上に溶融性金属部材を配設しているが、この溶融性金属部材が不均等に溶融した場合には、溶融金属が局所的に吐出されることになり、溶融金属を均一に供給することができなくなるおそれがあった。
また、特許文献3に記載された浸漬ノズルにおいては、ノズル内部を減圧する必要があるため、構造が複雑となるおそれがあった。
さらに、特許文献4に記載された浸漬ノズルにおいては、ノズル吐出口に溶融性スタート板を設置しているが、この溶融性スタート板が不均等に溶融した場合には、溶融金属に偏流が生じ、溶融金属を均一に供給することができなくなるおそれがあった。また、ノズル内部を減圧する必要があるため、構造が複雑となるおそれがあった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することが可能な双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、この双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを備えた双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルは、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルであって、下方に向かうに従って幅狭となるテーパー形状をなしている下部領域と、前記下部領域の下端部に前記冷却ドラムの長手方向に沿った方向に延在する底面を有しており、この底面近傍に吐出孔が形成されたノズル本体と、このノズル本体の内部に上下動可能に配設されたフロート体と、を備え、前記ノズル本体の内部には、溶融金属を前記吐出孔へと流通させるゲート部が設けられ、前記フロート体の下部には、前記ゲート部を封止するプラグ部が設けられており、前記プラグ部により前記ゲート部を封止した状態で前記ノズル本体の内部に溶融金属を貯留することにより、前記フロート体が上方に移動して前記ゲート部から前記プラグ部が外れ、前記ノズル本体の内部に貯留された前記溶融金属が、前記ゲート部から前記吐出孔へと供給されることを特徴とする。
この構成の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルによれば、フロート体の下部に設けられたプラグ部により、溶融金属を前記吐出孔へと流通させるゲート部を封止しておき、前記ノズル本体の内部に溶融金属を貯留し、貯留された溶融金属によって前記フロート体が上方に移動して前記ゲート部から前記プラグ部が外れ、前記ゲート部から前記吐出孔へと前記溶融金属が供給されることから、ノズル本体内部に十分に溶融金属を貯留した状態で、ゲート部を介して吐出孔から溶融金属を供給でき、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等且つ一斉に吐出することが可能となる。
ここで、本発明の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルにおいては、前記ノズル本体の上部領域の壁面にガイド溝が形成され、前記フロート体の側壁には、前記ガイド溝に挿入されるガイド凸部が設けられており、前記フロート体が上方に移動する際に、前記ガイド凸部が前記ガイド溝内を上方に移動し、前記ガイド溝の下側の空間に溶鋼が差し込み、この溶鋼が凝固して形成された凝固片により、前記ゲート部から前記プラグ部が外れた位置で、前記フロート体が下方に移動することを防止するストッパー機構が設けられていることが好ましい。
この場合、前記フロート体が上方に移動して前記ゲート部から前記プラグ部が外れた後は、フロート体の上下動がストッパー機構によって防止されることになり、フロート体によって溶融金属の流れが阻害されることがなく、溶融金属の供給を安定して行うことができる。
また、本発明の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルにおいては、前記ノズル本体の内部に前記溶融金属を供給する内ノズルを備えており、前記フロート体が上昇して前記プラグ部が前記ゲート部から外れた際に、前記内ノズルの吐出口が前記溶鋼金属中に浸漬される構成とすることが好ましい。
この場合、内ノズルを備え、前記フロート体が上昇して前記プラグ部が前記ゲート部から外れた際に、前記内ノズルの吐出口が前記溶鋼金属中に浸漬される構成とされているので、溶融金属を注入する際に湯面が大きく暴れることがなく、ノズル本体内に溶融金属を安定して注入することができる。また、鋳造スタート後において、ノズル本体の長手方向において均等に溶融金属を注入することが可能となる。
前記ゲート部に、多孔質耐火物フィルターが配設されていることが好ましい。
この場合、鋳造スタート後においても、多孔質耐火物フィルターによって、溶融金属がノズル本体の内部に貯留されることになり、前記冷却ドラムの長手方向で均一に溶融金属を吐出することができる。
本発明の双ドラム式連続鋳造装置は、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置であって、前記溶融金属溜まり部に前記溶融金属を供給する浸漬ノズルとして、上述の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを備えることを特徴としている。
この構成の双ドラム式連続鋳造装置によれば、上述の構成の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを備えているので、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等且つ一斉に吐出することができ、鋳造を安定して開始することが可能となる。
本発明の薄肉鋳片の製造方法は、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、前記溶融金属溜まり部に前記溶融金属を供給する浸漬ノズルとして、上述の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを用いることを特徴としている。
この構成の薄肉鋳片の製造方法によれば、上述の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを用いているので、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することができ、鋳造を安定して開始することが可能となる。
上述のように、本発明によれば、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することが可能な双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、この双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを備えた双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置を示す説明図である。 本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルの概略説明図である。 ノズル本体の概略説明図である。 フロート体の概略説明図である。 内ノズルの概略説明図である。 本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル(溶鋼注入前)の断面説明図である。 図6の断面矢視図であり、(a)がA−A断面図、(b)がB−B断面図、(c)がC−C断面図である。 本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル(鋳造スタート後)の断面説明図である。 図8の断面矢視図であり、(a)がA−A断面図、(b)がB−B断面図、(c)がC−C断面図である。 フロート体のストッパー機構の説明図である。(a)が溶鋼注入前、(b)が溶鋼注入中、(c)ゲート部開放後の状態を示す。
以下に、本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、溶融金属として溶鋼を用いており、鋼材からなる薄肉鋳片1を製造するものとされている。なお、鋼種としては、例えば、0.001〜0.01%C極低炭鋼、0.02〜0.05%低炭鋼、0.06〜0.4%中炭鋼、0.5〜1.2%高炭鋼、SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430鋼に代表されるフェライト系ステンレス鋼、3.0〜3.5%Si方向性電磁鋼、0.1〜6.5%Si無方向性電磁鋼等(なお、%は、質量%)が挙げられる。
また、本実施形態では、製造される薄肉鋳片1の幅が500mm以上2000mmの範囲内、厚さが1mm以上5mm以下の範囲内とされている。
本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置10は、図1に示すように、一対の冷却ドラム11、11と、薄肉鋳片1を曲げるベンダーロール12、12と、薄肉鋳片1を支持するピンチロール13、13と、一対の冷却ドラム11、11の幅方向端部に配設されたサイド堰15と、これら一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15とによって画成された溶鋼溜まり部16に供給される溶鋼3を保持するタンディッシュ18と、このタンディッシュ18から溶鋼溜まり部16へと溶鋼3を供給する浸漬ノズル20と、を備えている。
この双ドラム式連続鋳造装置10においては、溶鋼3が回転する冷却ドラム11,11に接触して冷却されることにより、冷却ドラム11,11の周面の上で凝固シェル5、5が成長し、一対の冷却ドラム11,11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がドラムキス点で圧着されることによって、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
ここで、上述の浸漬ノズル20として、本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルが用いられている。
この浸漬ノズル20においては、図2に示すように、ノズル本体21と、ノズル本体21の内部に上下動可能に配設されたフロート体31と、ノズル本体21の内部に挿入される内ノズル41と、を備えている。
ノズル本体21は、図3に示すように、冷却ドラム11の長手方向に沿った底面形状を有する下部領域21aと、この下部領域21aの上方に位置する上部領域21bと、上部領域21bから上方に突出する上部連結部21cと、を備えている。
下部領域21aは、下方に向かうに従って幅狭となるテーパー形状をなしており、この下部領域21aの長手方向側面に、溶鋼3の吐出孔22が複数設けられている。また、この下部領域21aの内部には、溶鋼3を吐出孔22へと流通させるゲート部23が設けられている。本実施形態では、このゲート部23は、下部領域21aの長手方向(冷却ドラム11の長手方向)に沿って延在するスリットとされている。また、このゲート部23の下方部分には、圧損構造体として多孔質耐火物フィルター29が配設されている。ここで、ノズル本体21の下部領域21aの長手方向長さ(冷却ドラム11の長手方向に沿った方向の長さ)は、鋳造する薄肉鋳片1の幅の40〜80%の範囲内に設定されている。
また、上部領域21bの壁面には、後述するフロート体31のガイド凸部35が挿入されるガイド溝25が開口されている。なお、このガイド溝25の開口幅は、1〜10mmの範囲内とされている。
さらに、上部連結部21cには、内ノズル41が挿入される挿通孔26が設けられている。
フロート体31は、図4に示すように、フロート部32と、フロート部32の下方側に配設されたプラグ部33と、を備えている。
フロート部32は、ノズル本体21内に貯留された溶鋼3によって浮上する構成とされており、密度が低い材料で構成されている。材質としては、例えばアルミナ、マグネシア、スピネル、ジルコニア、カルシア、シリカ、黒鉛等のいずれか1種以上を含むものとしてもよい。また、スポンジ構造ないし中空構造などとして密度をさらに低くすることも浮力を確保する上で効果的である。
また、このフロート部32の側壁には、ノズル本体21(上部領域21b)の壁面に形成されたガイド溝25に挿入されるガイド凸部35が設けられている。また、フロート部32には、内ノズル41が挿通される貫通孔36が設けられている。
プラグ部33は、前述のゲート部23に挿入可能な形状とされており、本実施形態では、ノズル本体21の下部領域21aの長手方向(冷却ドラム11の長手方向)に延在する形状とされている。また、本実施形態では、下方に向かうにしたがい幅狭となるテーパー形状をなしている。なお、このプラグ部33とフロート部32との間には、溶鋼3が流通可能な連通空間が画成されている。
ここで、フロート部32とノズル本体21との間のクリアランスが0.1mm未満の場合には、フロート部32とノズル本体21が固着して、フロート体31の上下動が妨げられるおそれがある。一方、フロート部32とノズル本体21との間のクリアランスが5mmを超える場合には、フロート体31がノズル本体21の内部でがたつくおそれがある。
以上のことから、本実施形態においては、フロート部32とノズル本体21との間のクリアランスは、0.1mm以上5mm以下の範囲内とすることが好ましい。
内ノズル41は、図5に示すように、管状をなしており、底面部分に2つの吐出口42が180°対称に設けられている。
この内ノズル41の外径は、ノズル本体21の挿通孔26の内径、及び、フロート体31の貫通孔36の内径よりも、一段小径とされている。
次に、上述した双ドラム式連続鋳造装置10を用いた本実施形態である薄肉鋳片の製造方法について説明する。
一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15によって形成された溶鋼溜まり部16に、タンディッシュ18から浸漬ノズル20を介して溶鋼3を供給するとともに、一対の冷却ドラム11、11を回転方向Rに向けて、すなわち、一対の冷却ドラム11、11同士が近接する領域が薄肉鋳片1の引抜方向(図1においては下方向)に向かうように、それぞれの冷却ドラム11、11を回転させる。
すると、冷却ドラム11の周面には、凝固シェル5が形成される。そして、冷却ドラム11の周面の上で凝固シェル5が成長し、一対の冷却ドラム11、11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がドラムキス点で圧着されることにより、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
ここで、この双ドラム式連続鋳造装置10を用いて鋳造を開始する場合には、一対の冷却ドラム11、11を停止した状態で、溶鋼溜まり部16全体に対して、溶鋼3を均等にかつ一斉に供給する必要がある。
本実施形態の浸漬ノズル20においては、鋳造スタート時には、図6及び図7に示すように、ノズル本体21のゲート部23にフロート体31のプラグ部33を挿入しておく。そして、タンディッシュ18から内ノズル41を介してノズル本体21内に溶鋼3を注入する。すると、ノズル本体21の内部に溶鋼3が貯留されることになる。なお、ノズル本体21に溶鋼3が注入されると、プラグ部33の上に貯留される溶鋼3によってプラグ部33がゲート部23側へと押圧されることになる。
そして、ノズル本体21内に溶鋼3が十分に貯留されてフロート体31のフロート部32にまで達すると、図8及び図9に示すように、フロート部32が浮力によって上方に移動し、ゲート部23からプラグ部33が外れ、ノズル本体21の内部に貯留された溶鋼3が、ゲート部23を介して吐出孔22から溶鋼溜まり部16へと吐出される。
このとき、内ノズル41の吐出口42は、ノズル本体21内に貯留された溶鋼3に浸漬されている。
なお、フロート体31が上方に移動する際には、図10に示すように、フロート体31のガイド凸部35が、ノズル本体21のガイド溝25内を上方に移動する。すると、ガイド溝25の下側の空間に溶鋼3が差し込み、この溶鋼3が凝固して形成された凝固片Sにより、フロート体31が下方に移動することが抑制される。すなわち、ガイド溝25及びガイド凸部35が、フロート体31の動作を制限するストッパー機構を構成している。
以上のような構成とされた本実施形態である浸漬ノズル20(双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル)、双ドラム式連続鋳造装置10、及び、薄肉鋳片の製造方法によれば、鋳造スタート時において、フロート体31のプラグ部33をノズル本体21のゲート部23に挿入しておくことで、ノズル本体21内に溶鋼3を十分かつ確実に貯留することができる。そして、溶鋼3が十分に貯留されると、貯留された溶鋼3によってフロート体31が上方に移動してゲート部23からプラグ部33が外れて、ゲート部23から吐出孔22へと溶鋼3が供給され、溶鋼溜まり部16全体に対して溶鋼3を均等に且つ一斉に吐出することが可能となる。よって、鋳造を安定して開始することができる。
また、本実施形態においては、ガイド溝25及びガイド凸部35が、フロート体31が上昇してゲート部23からプラグ部33が外れた後にフロート体31の動作を制限するストッパー機構を構成しているので、鋳造スタート後においては、フロート体31が溶鋼3の流動を阻害せず、浸漬ノズル20から溶鋼3を安定して吐出することができる。
さらに、本実施形態においては、内ノズル41を有しており、フロート体31が上昇してプラグ部33がゲート部23から外れた際に、内ノズル41の吐出口42がノズル本体21内の溶鋼3中に浸漬される構成とされているので、溶鋼3を注入する際に湯面が大きく暴れることがなく、ノズル本体21内に溶鋼3を安定して注入することができる。また、鋳造スタート後において、ノズル本体21の長手方向において均等に且つ一斉に溶鋼3を注入することが可能となる。
また、本実施形態においては、ゲート部23に多孔質耐火物フィルター29が配設されているので、鋳造スタート後においても、多孔質耐火物フィルター29によって、ノズル本体21に溶鋼3が一定量貯留されることになり、冷却ドラム11の長手方向で均一に溶鋼3を吐出することができる。
さらに、本実施形態においては、ゲート部23が下部領域21aの長手方向(冷却ドラム11の長手方向)に沿って延在するスリットとされており、プラグ部33がノズル本体21の下部領域21aの長手方向(冷却ドラム11の長手方向)に延在する形状とされているので、ゲート部23から吐出孔22へと冷却ドラム11の長手方向に亘って均等且つ一斉に溶鋼3を供給することができる。
以上、本発明の実施形態である本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、鋼の薄肉鋳片を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウムや他の金属の薄肉鋳片を対象としてもよい。
また、本実施形態では、ベンダーロール及びピンチロールを配設したもので説明したが、これらのロール等の配置に限定はなく、適宜設計変更してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
図1に示す双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム径1200mm、ドラム幅800mm、鋳造弧角50°とし、幅800mm、厚さ3mmのSUS304からなる薄肉鋳片の鋳造を実施した。
本発明例では、図2に示す浸漬ノズルを使用した。ノズル本体は、下部領域の底面形状が630mm×150mm、下部領域高さを254mm、全体高さを504mmとした。また、外ノズル内に配設された多孔質耐火物フィルターは、高さを33mm、1インチ当りの孔数が15個(15PPI)のものを使用した。
フロート体は、アルミナグラファイトで構成したフロート部を有するものとした。
比較例では、フロート体を有さない浸漬ノズルを使用した以外の条件は、本発明例と同一とした。
そして、本発明例及び比較例において、100回の鋳造を実施し、鋳造開始時の板厚不良、鋳片の破断の有無について評価した。
フロート体を有さない浸漬ノズルを使用した比較例においては、100回の鋳造のうち5回で、板厚不良又は鋳片の破断が発生し、鋳造を続行することができなかった。
これに対して、フロート体を有する浸漬ノズルを使用した本発明例においては、板厚不良及び鋳片の破断は発生せず、鋳造を安定して開始することができた。
以上のように、本発明によれば、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することが可能であることが確認された。
20 浸漬ノズル(双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル)
21 ノズル本体
22 吐出孔
23 ゲート部
29 多孔質耐火物フィルター
31 フロート体
33 プラグ部
41 内ノズル

Claims (6)

  1. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルであって、
    下方に向かうに従って幅狭となるテーパー形状をなしている下部領域と、前記下部領域の下端部に前記冷却ドラムの長手方向に沿った方向に延在する底面を有しており、この底面近傍に吐出孔が形成されたノズル本体と、このノズル本体の内部に上下動可能に配設されたフロート体と、を備え、
    前記ノズル本体の内部には、溶融金属を前記吐出孔へと流通させるゲート部が設けられ、前記フロート体の下部には、前記ゲート部を封止するプラグ部が設けられており、
    前記プラグ部により前記ゲート部を封止した状態で前記ノズル本体の内部に溶融金属を貯留することにより、前記フロート体が上方に移動して前記ゲート部から前記プラグ部が外れ、前記ノズル本体の内部に貯留された前記溶融金属が、前記ゲート部から前記吐出孔へと供給されることを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  2. 前記ノズル本体の上部領域の壁面にガイド溝が形成され、前記フロート体の側壁には、前記ガイド溝に挿入されるガイド凸部が設けられており、前記フロート体が上方に移動する際に、前記ガイド凸部が前記ガイド溝内を上方に移動し、前記ガイド溝の下側の空間に溶鋼が差し込み、この溶鋼が凝固して形成された凝固片により、前記ゲート部から前記プラグ部が外れた位置で、前記フロート体が下方に移動することを防止するストッパー機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  3. 前記ノズル本体の内部に前記溶融金属を注入する内ノズルを備えており、前記フロート体が上昇して前記プラグ部が前記ゲート部から外れた際に、前記内ノズルの吐出口が前記溶鋼金属中に浸漬されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  4. 前記ゲート部に、多孔質耐火物フィルターが配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  5. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置であって、
    前記溶融金属溜まり部に前記溶融金属を供給する浸漬ノズルとして、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを備えることを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。
  6. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、
    前記溶融金属溜まり部に前記溶融金属を供給する浸漬ノズルとして、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを用いることを特徴とする薄肉鋳片の製造方法。
JP2015213787A 2015-10-30 2015-10-30 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法 Active JP6555080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015213787A JP6555080B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015213787A JP6555080B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017080790A JP2017080790A (ja) 2017-05-18
JP6555080B2 true JP6555080B2 (ja) 2019-08-07

Family

ID=58710241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015213787A Active JP6555080B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6555080B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7131328B2 (ja) * 2018-11-21 2022-09-06 日本製鉄株式会社 整流部材、注湯ノズル、双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01228649A (ja) * 1988-03-07 1989-09-12 Nippon Steel Corp 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル
JPH0543973Y2 (ja) * 1989-03-17 1993-11-08
JPH0671392A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Nippon Steel Corp 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用注入ノズル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017080790A (ja) 2017-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6555080B2 (ja) 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ドラム式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法
KR20100011684A (ko) 턴디쉬용 침지 노즐
JP2012020294A (ja) 浸漬ノズルの浸漬深さ変更方法
JP6175287B2 (ja) 蓄圧ボンベを持つ取鍋
JP7165116B2 (ja) 溶融金属排出装置の摺動盤又は固定盤
JP7397323B2 (ja) 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル
JP2012020293A (ja) 浸漬ノズルの浸漬深さ変更方法
KR20090105371A (ko) 연속주조용 쉬라우드 노즐
KR102361362B1 (ko) 웰 블록, 주조 장치 및 방법
KR101516785B1 (ko) 침지노즐
JP2023017235A (ja) 双ロール式連続鋳造装置用浸漬ノズル、双ロール式連続鋳造装置、および、薄肉鋳片の製造方法
JP2023057665A (ja) 双ロール式連続鋳造装置用注湯ノズル、双ロール式連続鋳造装置、および、薄肉鋳片の製造方法
JP4809259B2 (ja) ロングノズル
KR100605705B1 (ko) 쌍롤식 박판주조기용 침지노즐의 용강공급 제어방법
JPH01107951A (ja) 水平連続鋳造用タンデイッシュ
JP2017217695A (ja) 鋼の連続鋳造方法
SU1118710A1 (ru) Способ непрерывного лить слитков и устройство дл его осуществлени
JP2002346707A (ja) 鋼の連続鋳造方法
KR101795469B1 (ko) 연속 주조 장치 및 연속 주조 방법
KR20160131480A (ko) 노즐 고정 장치 및 이를 구비하는 연속주조장치
JP3408319B2 (ja) 偏流を防止する鋳造用ノズル
JPS6340651A (ja) 溶湯の連続鋳造方法
KR20120044430A (ko) 연속주조용 슈라우드 노즐
JP2010207848A (ja) ロングノズルおよびその製造方法
JPH0890177A (ja) 連続鋳造用浸漬ノズル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180606

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190624

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6555080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151