JP7397323B2 - 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル - Google Patents

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本発明は、一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給して薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルに関するものである。
従来から一般に知られている双ドラム式連続鋳造装置を用いた連続鋳造においては、回転する一対の冷却ドラムと、このドラムの両端に当接されるサイド堰によって形成される移動鋳型内に、タンディッシュ内から、外ノズルと、この外ノズル内に溶融金属を供給する内ノズルを有する浸漬ノズルを介して溶融金属を供給し、移動鋳型内に所定レベルの溶融金属溜まり部を形成しつつ、冷却ドラムで冷却して凝固シェルを形成し、この凝固シェルを一対の冷却ドラムの最接近部に形成されるギャップにおいて圧接・一体化して、薄肉鋳片を得るようになっており、この際、均質な鋳片を得るためには、移動鋳型内に形成されるメニスカスの位置変動を極力抑制する必要があり、そのために、移動鋳型内への溶融金属の供給量の制御精度が、一段と優れていることが要求される。
このような要求に答えるものとして、例えば特許文献1には、多孔質耐火物からなる整流機構とその上部に設けた溶融性金属部材を内蔵した浸漬ノズルが提案されている。ここに示される溶融性金属部材は鋳造のスタ-ト時に外ノズル内で高い圧損を与え、外ノズル内に溶融金属を充満し、タンディッシュ、内ノズル、外ノズル、移動鋳型内の溶融金属を密に連続させて、鋳造を行うようにしている。
また、特許文献2においては、内ノズルと、底面に多孔質耐火物フィルターが配設された外ノズルと、を有し、外ノズル内部を減圧し、外ノズル内部に溶融金属を充満させた後、溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造とされている。
さらに、特許文献3においては、ノズル吐出口に溶融性スタート板を設置するとともに、ノズル内部を減圧することにより、ノズル内部に溶融金属を充満させた後、溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造とされている。
また、特許文献4には、ノズル本体の内部に上下動可能に配設されたフロート体を設けてフロート体の下部のプラグ部により、溶融金属を前記吐出孔へと流通させるゲート部を封止しておき、ノズル本体の内部に溶融金属を貯留することにより、フロート体が上方に移動して溶融金属溜まり部に溶融金属を供給する構造が提案されている。
特開昭63-203254号公報 特開昭63-183753号公報 特開昭62-124052号公報 特開2017-080790号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、整流耐火物の上部に溶融性金属部材を設置する方法では、給湯の流動によって溶融性金属部材が移動してしまうため、整流耐火物の貫通孔を狙い通り塞ぐことが難しい。また、上記の方法では整流耐火物の形状に合わせた溶融性金属部材の加工や部位毎の板厚調整が難しく、溶融性金属部材の設置位置が狙いの場所からわずかにでも外れると、溶融しやすい部位とそうでない部位の吐出量に差が生じるという問題があった。
また、特許文献2に記載された浸漬ノズルにおいては、ノズル内部を減圧する必要があるため、構造が複雑となるおそれがあった。
さらに、特許文献3に記載された浸漬ノズルにおいては、ノズル吐出口に溶融性スタート板を設置しているが、この溶融性スタート板が不均等に溶融した場合には、溶融金属に偏流が生じ、溶融金属を均一に供給することができなくなるおそれがあった。また、ノズル内部を減圧する必要があるため、構造が複雑となるおそれがあった。
また、特許文献4に記載された方法では、フロート体の構造やフロート体を設置したノズル構造が複雑であり、製造コストが高くなるといった問題があった。また、フロート体がノズル内壁と干渉するなどの問題により浮上できない場合にはフロート体下方のプラグ部が溶融金属の流路を塞ぎ、鋳造がスタートできなくなるおそれがあった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、鋳造のスタ-ト時に流出する溶融金属の流出分布をより均一化し、タンディッシュからの溶融金属を移動鋳型内に安定供給できる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルは、回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルであって、内部に多数の貫通孔を有する整流耐火物を備えた外ノズルと、この外ノズル内に溶融金属を供給する内ノズルを有し、前記貫通孔内には、前記溶融金属の融点以下の融点を有する栓部材が挿入されていることを特徴とする。
この構成の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルによれば、整流耐火物の貫通孔内に溶融性の栓部材を挿入するため、溶融金属を給湯した際の流動によって栓部材が移動してしまうことはなく、溶融金属により加熱されて徐々に消失することで、外ノズルから溶融金属溜まり部への溶融金属の流出分布を均一化できる。
また、貫通孔のそれぞれに挿入する栓部材は、貫通孔の部位によって栓部材の厚みや材質を変更することにより容易に溶融時間を調整することが可能である。また、貫通孔に栓を挿入するだけなので、大がかりな設備を必要とせず、設置が容易である。
ここで、本発明に係る双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルにおいては、前記整流耐火物が、前記溶融金属中の介在物と反応して前記溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有する生成物を形成する物質を含有することが好ましい。
この場合、外ノズル内に滞留した溶融金属の流動で溶融金属中に含まれる介在物が凝集し、整流耐火物への介在物付着による閉塞が懸念される場合であっても、整流耐火物表面に接触した介在物が整流耐火物中に含まれる物質と反応して低融点の生成物を形成し、整流耐火物表面が溶融金属中に溶融して介在物の整流耐火物への付着が抑制され、貫通孔や吐出孔の閉塞がなく、鋳造スタ-ト時の溶融金属の流出分布を均一化し、タンディッシュからの溶融金属を移動鋳型内に安定供給できる。
また、本発明に係る双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルにおいては、前記整流耐火物が、溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有する物質を含有することが好ましい。
この場合、外ノズル内に滞留した溶融金属の流動で溶融金属中に含まれる介在物が凝集し、整流耐火物への介在物付着による閉塞が懸念される場合であっても、溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有する物質が溶融することで、整流耐火物表面が溶融金属中に溶融して介在物の整流耐火物への付着が抑制され、貫通孔や吐出孔の閉塞がなく鋳造スタ-ト時の溶融金属の流出分布を均一化し、タンディッシュからの溶融金属を移動鋳型内に安定供給できる。
本発明によれば、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することが可能な双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを提供することができる。
本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを用いた双ドラム式連続鋳造装置の一例を示す概略説明図である。 図1の溶融金属溜まり部周辺の概略説明図である。 本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルの概略説明図である。 図3に示す双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルにおける整流耐火物の概略説明図である。 実施例において、整流耐火物の幅に対する吐出口から吐出した溶融金属流の幅の割合を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル(以下、浸漬ノズルと称す。)について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、溶融金属として溶鋼を用いており、鋼材からなる薄肉鋳片1を製造するものとされている。なお、鋼種としては、0.001~0.01%C極低炭鋼、0.02~0.05%C低炭鋼、0.06~0.4%C中炭鋼、0.5~1.2%C高炭鋼、SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430鋼に代表されるフェライト系ステンレス鋼、3.0~3.5%Si方向性電磁鋼、0.1~6.5%Si無方向性電磁鋼等(なお、%は、質量%)が挙げられる。
また、本実施形態では、製造される薄肉鋳片1の幅が300mm以上2000mm以下の範囲内、厚さが1mm以上5mm以下の範囲内とされている。
本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置10は、図1に示すように、一対の冷却ドラム11、11と、薄肉鋳片1を曲げるベンダーロール12、12と、薄肉鋳片1を支持するピンチロール13、13と、一対の冷却ドラム11、11の幅方向端部に配設されたサイド堰15と、これら一対の冷却ドラム11、11とサイド堰15とによって画成された溶鋼溜まり部16に供給される溶鋼3を保持するタンディッシュ18と、このタンディッシュ18から溶鋼溜まり部16へと溶鋼3を供給する浸漬ノズル20と、を備えている。
この双ドラム式連続鋳造装置10においては、溶鋼3が回転する冷却ドラム11,11に接触して冷却されることにより、冷却ドラム11,11の周面の上で凝固シェル5、5が成長し、一対の冷却ドラム11,11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がドラムキス点で圧着されることによって、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
ここで、上述の浸漬ノズル20として、本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルが用いられている。
この浸漬ノズル20においては、図2および図3に示すように、外ノズル21と、この外ノズル21の内部に挿入される内ノズル30と、を備えている。
内ノズル30は、図2および図3に示す例では管状をなしており、外ノズル21の内部空間に臨ませて、整流耐火物23の上方に設置されており、下端が閉塞された筒体であって、冷却ドラム11,11の軸方向両側に開口部31,31が設けられている。
内ノズル30の形状としては、外ノズル21の内部空間に対して偏りなく吐出できる形状であればよく、前記形状に限定されるものではない。
外ノズル21は、溶鋼溜まり部16に沿った内部空間を有しており、内ノズル30が挿入される上部開口部が設けられた上部領域21aと、冷却ドラム11の長手方向に沿った底面形状を有する下部領域21bと、上部領域21aと下部領域21bとの連結する連結部21cと、を備えている。下部領域21bの長手方向側面には、溶鋼3の吐出口22が設けられている。また、下部領域21bの内部には、圧損構造体として整流耐火物23が配設されている。圧損構造体である整流耐火物23が配設されることで、外ノズル21の内部には、溶鋼3が貯留されることになる。
ここで、外ノズル21の下部領域21bの長手方向長さ(冷却ドラム11の長手方向に沿った方向の長さ)は、鋳造する薄肉鋳片1の幅の40~80%の範囲内とされている。
そして、整流耐火物23においては、図3および図4に示すように、多数の貫通孔27を有しており、この貫通孔27の内部に、供給される溶鋼の融点以下の融点を有する栓部材28が挿入されている。
内ノズル30から流出した溶鋼は、先ず内部空間に流入し、整流耐火物23の貫通孔27に達する。すると、この栓部材28が溶融して貫通孔27が開口し、この貫通孔27を介して、外ノズル21の吐出口22から溶鋼溜まり部16へと流出する。溶鋼により加熱されて徐々に消失することで、外ノズル21から溶鋼溜まり部16への溶鋼3の流出分布が均一化される。
貫通孔27のそれぞれに挿入する栓部材28は、貫通孔27の部位によって栓部材28の厚みや材質を変更することにより、栓部材28の溶融時間を容易に調整することが可能である。
例えば、内ノズル30からの溶鋼流が直接当たる領域には、他の領域よりも高融点の物質からなる栓部材としたり、栓部材28の厚みを厚く形成したりすることで、栓部材28が早期に溶融することを抑制することができる。これにより、内ノズル30からの溶鋼流が直接当たる領域とその他の領域とで、栓部材28が溶融するタイミングを一致させることができ、均一に溶鋼を吐出することが可能となる。
ここで、本実施形態である浸漬ノズル20においては、整流耐火物23が、溶鋼中の介在物と反応して溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する生成物を形成する物質を含有していることが好ましい。
溶鋼中の介在物と反応して溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する生成物を形成する物質としては、例えば、ZrO-C質の耐火物を用いるならば、CaO・ZrOを耐火物に含ませる。その他にはAl質の耐火物中にドロマイトCa・Mg(CO2、を含ませることも有効である。
また、本実施形態である浸漬ノズル20においては、整流耐火物23が、溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する物質を含有していることが好ましい。
溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する物質としては、例えば、コージェライト(2MgO・2Al ・5SiO ,融点:1450℃)、ステアタイト(MgO・SiO,融点:1300℃)などが挙げられる。
以上のような構成とされた本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル20によれば、整流耐火物23の貫通孔27内に溶融性の栓部材28を挿入するため、溶鋼を給湯した際の流動によって栓部材28が移動してしまうことはなく、溶鋼により加熱されて徐々に消失することで、外ノズル21から溶鋼溜まり部16への溶鋼の流出分布を均一化できる。
また、貫通孔27のそれぞれに挿入する栓部材28は、貫通孔27が配置される領域によって栓部材28の厚みや材質を変更することにより、容易に溶融時間を調整することが可能である。また、貫通孔27に栓部材28を挿入するだけなので、大がかりな設備を必要とせず、設置が容易である。
また、本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル20において、整流耐火物23が、溶鋼中の介在物と反応して溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する生成物を形成する物質を含有している場合には、整流耐火物23の表面に接触した介在物が整流耐火物23中に含まれる物質と反応して低融点の生成物を形成し、整流耐火物23の表面が溶鋼中に溶融して介在物の整流耐火物23への付着が抑制され、貫通孔27や吐出口22の閉塞なく鋳造スタ-ト時の溶鋼の流出分布を均一化し、タンディッシュ18からの溶鋼を溶鋼溜まり部16へ安定供給できる。
さらに、本実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル20において、整流耐火物23が、溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する物質を含有する場合には、溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有する物質が溶融することで、整流耐火物23の表面が溶鋼中に溶融して介在物の整流耐火物23への付着が抑制され、貫通孔27や吐出口22の閉塞がなく、鋳造スタ-ト時の溶鋼の流出分布を均一化し、タンディッシュ18からの溶鋼を溶鋼溜まり部16へ安定供給できる。
以上、本発明の実施形態である双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
本発明例1は、本発明の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを適用した例であり、給湯される溶融金属としては、0mass%Al、0.02mass%Cの低炭素鋼を使用し、上記整流耐火物の貫通孔内に前記溶融金属と同成分の鋼からなる厚み2mm以上8mm以下の範囲内の栓部材を挿入して、174tの連続鋳造を行った例である。
本発明例1では、内ノズルから遠い位置の貫通孔においては栓部材の厚みは薄く、内ノズルに最も近い位置の貫通孔には、最も厚い栓部材を挿入した。
本発明例2は、本発明の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを適用した例であり、給湯される溶融金属としては0.04mass%Alのアルミキルド鋼を使用し、上記整流耐火物の材質としては溶融金属中の介在物と反応して低融点の生成物を形成するCaO・ZrO-C質の耐火物を用いて、貫通孔内には本発明例1と同様に栓部材を挿入して、180tの連続鋳造を行った例である。
本発明例3は、本発明の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを適用した例であり、給湯される溶融金属としては0.04mass%Alのアルミキルド鋼を使用し、上記整流耐火物の材質としては溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有するコージェライトを含んだAl-C質の耐火物を用いて、貫通孔内には本発明例1と同様に栓部材を挿入して、175tの連続鋳造を行った例である。
比較例は、本発明例2,3と同様0.04mass%Alのアルミキルド鋼を使用し、本発明例1と同様の内ノズルおよび外ノズルを用いて、上記整流耐火物の材質としてZrO-C質の耐火物を用い、貫通孔内には、溶融性の栓部材を挿入せずに17tの連続鋳造を行った例である。
そして、本発明例1~3および比較例の鋳造条件と結果を表1に示す。
また、図5に、本発明例1~3および比較例を用いて給湯を行った際の整流耐火物の幅に対する、吐出口から吐出した溶融金属流の幅の割合を、給湯開始からの時間に対してプロットした。
Figure 0007397323000001
図4に示すように、栓部材を挿入していない比較例と比べて、栓部材を挿入した本発明例1~3は給湯開始から吐出開始までの時間は長いが、吐出開始後に幅比率が100%になるまでの時間が短く、鋳造スタート直後から冷却ドラムの軸方向の吐出流のばらつきが小さい。整流耐火物の貫通孔内に栓部材を挿入することで、注入開始とともに内ノズルから流出した溶鋼が整流耐火物の上部に溜った後に栓部材の溶融により幅方向の偏りなく貫通孔を通過するためである。
ZrO-C質の整流耐火物を用いて0.04mass%Alのアルミキルド鋼を鋳造した比較例では、溶鋼中の介在物が貫通孔内壁に付着することで貫通孔が閉塞し、外ノズルからの吐出流量が不足したため、17tの鋳造で操業を中断した。
一方、整流耐火物の材質として、溶鋼中の介在物と反応し低融点の生成物を形成するCaO・ZrO-C質の耐火物を用いて0.04mass%Alのアルミキルド鋼を鋳造した本発明例2では、貫通孔の閉塞による外ノズルからの吐出流量不足を発生させることなく180tの溶融金属を鋳造できた。
また、整流耐火物の材質として、溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有するコージェライトを用いて0.04mass%Alのアルミキルド鋼を鋳造した本発明例3においても、貫通孔の閉塞による外ノズルからの吐出流量不足を発生させることなく145tの溶融金属を鋳造できた。
鋳造後の貫通孔を調べた結果、比較例では96個の貫通孔のうち34か所に閉塞が確認されたが、本発明例2では96個の貫通孔のうち8か所のみに閉塞があり、本発明例3では1つも閉塞が確認されなかった。
整流耐火物は、溶鋼が貫通孔を通過する際の流動抵抗を利用して外ノズルからの溶鋼の流出分布を均一にすることを目的としているため、貫通孔径が数ミリ~十数ミリメートルと小さく、溶融金属中の介在物の付着により閉塞を起こしやすい。
本発明例2および本発明例3の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルでは、整流耐火物の材質として、溶鋼中のアルミナと反応して低融点の生成物を形成するCaO・ZrO-C質の耐火物や溶鋼の液相生成開始温度より低い融点を有するコージェライトを用いているため、0.04mass%Alのアルミキルド鋼を鋳造した場合にも貫通孔が閉塞し難いことが確認された。
以上のことから、本発明例によれば、鋳造スタート時において、溶融金属溜まり部全体に溶融金属を均等に且つ一斉に吐出することが可能な双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルを提供できることが確認された。
1 薄肉鋳片
10 双ドラム式連続鋳造装置
20 双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル
21 外ノズル
22 吐出口
23 整流耐火物
27 貫通孔
28 栓部材
30 内ノズル

Claims (3)

  1. 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイド堰によって形成された溶融金属溜まり部に溶融金属を供給し、前記冷却ドラムの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ドラム式連続鋳造装置に用いられる双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズルであって、
    内部に多数の貫通孔を有する整流耐火物を備えた外ノズルと、この外ノズル内に溶融金属を供給する内ノズルを有し、
    前記貫通孔内には、前記溶融金属の融点以下の融点を有する栓部材が挿入されていることを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  2. 前記整流耐火物が、前記溶融金属中の介在物と反応して前記溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有する生成物を形成する物質を含有することを特徴とする請求項1に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
  3. 前記整流耐火物が、前記溶融金属の液相生成開始温度より低い融点を有する物質を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の双ドラム式連続鋳造装置用浸漬ノズル。
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