JP6553439B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
上記ベースポリマー100質量%中、上記側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)由来の構成単位が10〜80質量%、上記主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)由来の構成単位が2質量%〜50質量%、上記ビフェニル基を含有するモノマー(c)由来の構成単位が0.5〜70質量%であり、上記主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)が、N−置換マレイミド系単量体であり、上記感光性ポリマーの酸価が20〜250mgKOH/gである。また、上記多官能ラジカル捕捉剤の含有量は、上記感光性ポリマーに対して500〜10,000ppmである。さらに、上記感光性ポリマーと上記多官能モノマーとの合計質量100質量部に対して、上記光重合開始剤の含有割合が0.1〜40質量部である。
また、上記多官能ラジカル捕捉剤は、分子量700超かつ官能基数2〜6の多官能フェノールであり、上記多官能モノマーは、官能数が4以上の多官能(メタ)アクリレート類であり、含有割合が、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中、30質量部〜95質量部である。
さらに、上記硬化性樹脂組成物は、無機微粒子を含むものを除くものであることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、さらに、紫外線吸収剤を含有することが好ましく、上記紫外線吸収剤の含有割合が、上記感光性ポリマーと上記多官能モノマーとの合計100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましい。
またさらに、上記感光性ポリマーと多官能モノマーの含有割合が、質量比で(感光性ポリマー)/(多官能モノマー)=40/60〜10/90であることが好ましい。
また、本発明のフォトスペーサーは、上記硬化物を含んでいる。
さらに、本発明の表示装置は、上記フォトスペーサーを含んでいる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、フォトスペーサー用又はカラーフィルタ用の硬化性樹脂組成物であって、感光性ポリマーと、多官能ラジカル捕捉剤と、多官能モノマーと、光重合開始剤とを含有する。実用的には、本発明の硬化性樹脂組成物は、溶剤および添加剤をさらに含み得る。本発明の硬化性樹脂組成物は、フォトスペーサー用として好適に使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる感光性ポリマーは、側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)由来の構成単位;及び主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)由来の構成単位を有するベースポリマーの酸基に、ラジカル重合性不飽和炭素−炭素二重結合が導入された感光性ポリマーである。
ベースポリマーは、側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)由来の構成単位;及び主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)由来の構成単位を有する。上記ベースポリマーは、側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)と、主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)とを必須モノマーとして含むモノマー成分から合成して得られる。
側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)[以下、(a)酸基導入モノマーという場合がある]には、もともと酸基を有する(a1)酸基含有モノマーと、(a2)重合後に酸基を付与し得るモノマーが含まれる。なお、(a2)重合後に酸基を付与し得るモノマーを用いる場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理(後処理)を行う。
本発明で使用される感光性ポリマーは、主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)[以下、(b)環構造導入モノマーという場合がある]を含むモノマー成分を重合して得ることにより、(b)環構造導入モノマー由来の、主鎖に環構造を有する繰り返し単位(構成単位)を有している。
本発明で使用されるベースポリマーは、さらに、ビフェニル基を含有するモノマー(c)由来の構成単位を有している。ビフェニル基の導入によって、得られる硬化物の弾性回復力がより向上する。その理由は明確にはなっていないが、ビフェニル基がスタック構造を採って相互作用が発現したことで、架橋密度を上げることによる硬さではない、相互作用による硬さが付与されたためではないかと推測される。
ビフェニル基を含有するモノマー(c)由来の構成単位をさらに有しているベースポリマーは、ビフェニル基を含有するモノマー(c)をさらに含むモノマー成分を重合して得ることができる。
本発明で使用される感光性ポリマーは、上述した構成単位以外に、更に側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位を有していても良い。側鎖に2以上のオキシアルキレン基を有する構成単位は、例えば、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を導入し得るモノマー(d)を重合して得ることができる。
本発明で使用される感光性ポリマーに、アミド結合を導入することも好適な態様である。アミド結合の導入によって、硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の強度をより向上させることができる。その理由は明確にはなっていないが、アミド結合が存在していると、ポリマー分子鎖間で水素結合等のインタラクションが強くなるため、強い圧縮力が負荷された後でも、より優れた回復力が発現するものと推定される。
ベースポリマーを得る際に用いられるモノマー成分は、上述した側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)と主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)といった必須モノマー、好適に用いられるビフェニル基を含有するモノマー(c)、側鎖に2以上のオキシアルキレン基を導入し得るモノマー(d)、側鎖にアミド結合を導入し得るモノマー(e)のほかに、得られる硬化物の特性をより向上させるため、必要に応じてその他の共重合可能なモノマーを含むことができる。このような共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルナフタレン等のナフタレン環含有モノマー、ターフェニル(メタ)アクリレート、o−ターフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のターフェニル基含有モノマー等が挙げられる。
本発明で使用される感光性ポリマーは、上記ベースポリマーの酸基の一部または全部(好ましくは、一部)を反応点としてラジカル重合性不飽和炭素−炭素二重結合(以下、単に炭素−炭素二重結合という場合がある。)を有する化合物を付加したポリマーを含む。このように、ベースポリマーの側鎖に炭素−炭素二重結合を導入することも好適な態様である。炭素−炭素二重結合は、上記ベースポリマーを合成するモノマー成分に、側鎖に炭素−炭素二重結合を導入し得るポリマーを加えることによっても、感光性ポリマーに導入できる。
上記感光性ポリマーの重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC)で測定した値が、2,000〜200,000程度であることが好ましく、10,000〜50,000程度であることがより好ましい。このような範囲であれば、後述する多官能モノマーとの相溶性が向上し、耐熱分解性が向上して硬化性樹脂組成物とした時のアウトガスを低減でき、さらに現像性も向上し、パターン形成時間を大幅に短縮することができ、かつ、硬化物形成に適切な粘度を有する塗布性が良好な硬化性樹脂組成物を得ることができる。
ベースポリマーは、ベースポリマーを構成するためのモノマー成分を重合して合成する。重合方法としては、溶液重合法が好ましく、重合温度や重合濃度(重合濃度=[モノマー混合物の全質量/(モノマー混合物の全質量+溶媒質量)]×100とする)は、使用するモノマー混合物(モノマー成分)の組成や比率、目標とするポリマーの分子量によって調整する。
ベースポリマーへの炭素−炭素二重結合の付与は、ベースポリマーの酸基の一部または全部(好ましくは、一部)を反応点として炭素−炭素二重結合を有する化合物を付加することにより行うことができる。ベースポリマーへの炭素−炭素二重結合導入反応は公知の方法が採用でき、酸素や他の重合禁止剤および触媒の存在下で、炭素−炭素二重結合導入用モノマーをベースポリマー中の酸基に反応させればよい。
(i)側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)として、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合:
(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基と二重結合とを有する化合物を付加させたり、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基と二重結合を有する化合物を付加させたり、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエトキシエチル等のビニルエーテル基と炭素−炭素二重結合とを有する化合物を付加させることができる。
(ii)側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)として、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いた場合:
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基と炭素−炭素二重結合とを有する化合物を付加させることができる。
(iii)側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)として、(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマーを用いた場合:
(メタ)アクリル酸等の酸基と重合性炭素−炭素二重結合とを有する化合物を付加させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能ラジカル捕捉剤を含有する。これにより、弾性回復力ならびに破壊強度に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物とすることができる。本明細書において、多官能ラジカル捕捉剤とは、ラジカルを捕捉する官能基が2以上あることを意味する。官能基数は、2〜6である。多官能のラジカル捕捉剤を使用することにより、硬化性樹脂組成物における架橋性が向上し、硬化物の弾性回復力、破壊強度が向上することが推察される。
本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる多官能モノマーとしては、分子中に少なくとも2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が好ましい。ラジカル重合性のしやすさを考えると、アクリル基を有する多官能モノマーがより好ましい。
(感光性ポリマー)/(多官能モノマー)=40/60〜10/90 (数式1)
さらに好ましくは下記(数式2)を満たすことが好ましい。
(感光性ポリマー)/(多官能モノマー)=35/65〜15/85 (数式2)
上記関係式を満たすことで、現像性および得られる硬化物の弾性回復率を高く維持できる傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものであればどのようなものでもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、紫外線吸収剤(UV吸収剤)を含有してもよい。スペーサーを作製する際に、上径に比べて下径が大きくなる傾向があるが、これは、ガラス基板に達した光が反射して、スペーサー底部の塗膜が上からの入射光とガラス基板からの反射光の両方を受光して光硬化が進みすぎるためである。組成物中に紫外線吸収剤が含有されていると、余剰の光エネルギーを吸収するため、スペーサーの下径が大きくなるのを効果的に抑制できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。添加剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、顔料、消泡剤、カップリング剤(好ましくはシランカップリング剤)、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤、無機材料等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、任意の適切な溶剤を含み得る。溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤の量は、所望とする硬化性樹脂組成物の粘度に応じて、任意の適切な量に設定され得る。
本発明のフォトスペーサー用又はカラーフィルタ用の硬化性樹脂組成物は、現像性や硬化性、及び弾性回復率ならびに破壊強度に優れ、かつ、所望の形状を有する成形体を精度よく形成することができる。本発明の硬化性樹脂組成物は、フォトスペーサー用硬化性樹脂組成物として好適に用いることができる。このような本発明の硬化性樹脂組成物は、フォトスペーサーの形成に用いられる。また、カラーフィルタの材料としても用いられる。本発明のフォトスペーサー用又はカラーフィルタ用の硬化性樹脂組成物は、光照射部位を硬化させるネガ型硬化性樹脂組成物として使用した場合に、特に上記の効果を発揮できる。
(1)硬化性樹脂組成物を、10cm角のガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、オーブン中90℃で3分間乾燥する。
(2)乾燥後、塗膜から100μmの距離のところに8μmφのパターンフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって50mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射する。
(3)紫外線照射後、塗布膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて10〜60秒の条件で散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像する。
(4)現像後に形成したスペーサーをレーザー顕微鏡(例えば、VK−9700、キーエンス社製)で確認し、未露光部が完全に除去される最短の時間(ブレイクタイム)で現像速度を評価する。
また、現像残渣については、現像後、硬化性樹脂組成物のとけ残りの有無を目視観察にて評価できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、感光性ポリマー、多官能ラジカル捕捉剤、多官能モノマー、光重合開始剤、および必要によりラジカル重合性オリゴマー、紫外線吸収剤、その他の添加剤を任意の溶剤に加え、撹拌して均一に溶解させた後、得られた溶液をろ過することにより得られる。
本発明の硬化物は、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる(好ましくは後述するフォトスペーサー)。硬化物の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記硬化性樹脂組成物を、ガラスや透明プラスチックフィルム等の基板に塗布、乾燥し、塗膜を形成し、次いで、フォトリソグラフィにより形成することができる。本発明の硬化物は、高い弾性回復率と破壊強度を有する。
本発明のフォトスペーサーは、上記硬化物を含んでいる。本発明のフォトスペーサーは、上記硬化性樹脂組成物を用いて得ることができる。上記硬化性樹脂組成物を用いれば、基板密着性に優れ、弾性回復率および破壊強度が高いフォトスペーサーを形成することができる。フォトスペーサーの基板密着性は、形成されたフォトスペーサーの欠損の有無を目視にて観察することにより評価できる。
本発明には、本発明のフォトスペーサーを用いた表示装置(好ましくは液晶表示装置)も包含される。液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(a)薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、(b)駆動基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをフォトスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、等が挙げられ、本発明の液晶表示装置は、各種液晶表示機器に好適に適用することができる。液晶表示装置の構成や使用材料については、特に限定されず、公知の構成や材料がいずれも採用可能である。例えば、特開2011−180549号公報、特開2009−162871号公報に開示の構成や材料を採用できる。
(1)重量平均分子量:Mw
GPC(HLC−8220GPC、東ソー社製)にてTHFを溶離液とし、カラムにTSKgel SuperHZM−N(東ソー社製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
製造例で調製した共重合体溶液をアルミカップに約0.3gはかり取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。その後、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック株社製)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。その重量減少量から、ポリマー溶液の固形分(アクリル系樹脂)の重量を計算した。
製造例で調製した共重合体溶液を1.5g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液で滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、固形分濃度から、ポリマー1g当たりの酸価を求めた(mgKOH/g)。
フォトスペーサーの弾性回復率を、微小圧縮試験機(商品名:HM2000、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。100μm角の平面圧子により、負荷速度および徐荷速度をともに4.7mN/秒として、80mNまでの荷重を負荷したのち0.49mNまで除荷して、負荷時の荷重−変形量曲線および徐荷時の荷重−変形量曲線を作成した。このとき、負荷時の荷重80mNでの変形量をL1とし、除荷時の荷重0.49mNでの変形量をL2として、下記式により、弾性回復率を算出した。
弾性回復率(%)=(L1−L2)×100/L1
フォトスペーサーの破壊強度を、微小圧縮試験機(商品名:HM2000、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。100μm角の平面圧子により、負荷速度および徐荷速度をともに4.7mN /秒として、300mNまでの荷重を負荷し、スペーサーが破壊されるときの荷重を荷重−変形量曲線から読み取った。
スペーサー径を、レーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス製)を用いて評価した。
[製造例1]
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、ベンジルマレイミド(BzMI)15g、アクリル酸(AA)44.5g、1モルエトキシ化フェニルフェノールアクリレート(商品名「HRD−01」、日触テクノファインケミカル株式会社製、以下HRD−01ともいう)40.5g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチル(登録商標)O」、日本油脂社製、以下PBOともいう)2.0g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、ドデシルメルカプタン(nDM)2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてジメチルベンジルアミン(DMBA)0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.4重量%を含む共重合体溶液(A−1)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17200、酸価は55mgKOH/gであった。固形分濃度、重量平均分子量(Mw)および酸価を、製造例2〜12とともに、表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA55g、HRD−01 30g、PBO2.0g、PGMEA30gおよびPGME30gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA13gおよびPGME13gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA11g、PGME11gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.3重量%を含む共重合体溶液(A−2)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は18000、酸価は103mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA42g、HRD−01 43g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.0重量%を含む共重合体溶液(A−3)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は18200、酸価は44mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA44.5g、HRD−01 40.5g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM1.2g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.5重量%を含む共重合体溶液(A−4)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は25200、酸価は56mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA44.5g、HRD−01 40.5g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM5.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂38.8重量%を含む共重合体溶液(A−5)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は10400、酸価は55mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI10g、AA76g、HRD−01 14g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM1.5g、PGMEA8gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA42gとPGME98gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA124g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.7g、PGMEA32g、PGME74gを仕込み、110℃で1時間、115℃で12時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.6重量%を含む共重合体溶液(A−6)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は19300、酸価は54mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA23g、HRD−01 62g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA30g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂35.0重量%を含む共重合体溶液(A−7)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17000、酸価は56mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI30g、AA44g、HRD−01 26g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.2重量%を含む共重合体溶液(A−8)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17100、酸価は54mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI5g、AA44.5g、HRD−01 50.5g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂38.8重量%を含む共重合体溶液(A−9)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17400、酸価は53mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA44.5g、HRD−01 38.5g、メトキシポリエチレングリコール(400)アクリレート(商品名「ライトアクリレート130A」、共栄社化学社製、エチレンオキサイドモル数n=9、以下130Aともいう)2.0g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.4重量%を含む共重合体溶液(A−10)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17500、酸価は55mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、BzMI15g、AA44.5g、HRD−01 40.5g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM0.5g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂30.5重量%を含む共重合体溶液(A−11)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は12500、酸価は339mgKOH/gであった。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備した。他方、モノマー滴下槽中に、モノマー組成物として、AA44.5g、HRD−01 55.5g、PBO2.0g、PGMEA42gおよびPGME18gを投入し、撹拌混合した。また、連鎖移動剤滴下槽中に、連鎖移動剤溶液として、nDM2.0g、PGMEA18gおよびPGME8gを投入し、撹拌混合した。
反応槽にPGMEA98gとPGME42gを仕込み、窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー組成物および連鎖移動剤溶液を滴下した。モノマー組成物および連鎖移動剤溶液は、それぞれ温度を90℃に保ちながら、180分間かけて滴下した。滴下が終了してから30分後にPBO0.5gを加えた。さらに30分後、反応槽を115℃に昇温した。1.5時間、115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=7/93(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA69g、重合禁止剤として6−tert−ブチル−2,4−キシレノール(商品名「トパノール」、東京化成工業社製)0.3g、触媒としてDMBA0.5g、PGMEA16g、PGME6gを仕込み、110℃で1時間、115℃で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アクリル系樹脂39.0重量%を含む共重合体溶液(A−12)を得た。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は17300、酸価は56mgKOH/gであった。
[実施例1]
上記共重合体溶液(A−1)63g(すなわち、アクリル系樹脂25g)、ラジカル補足剤としてテトラキス―[メチレン―3―(3’,5’―ジ―t―ブチル―4’―ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名「IRGANOX(登録商標)1010」、BASF・ジャパン製)0.175g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、以下「DPHA」と表記する)75g、および光重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(商品名「IRGACURE(登録商標)907」、BASF・ジャパン社製)1.75g、紫外線吸収剤としてSEESORB(登録商標)707(SB707;シプロ化成社製)0.5gの混合物に、固形分濃度が35重量%となるようにPGMEAを加え、孔径0.5μmのフィルタでろ過し、硬化性樹脂組成物(フォトスペーサー用感光性樹脂組成物)を調製した。
10cm角のガラス基板上に、上記フォトスペーサー用感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、オーブンで90℃3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(商品名「TME−150RNS」、TOPCON社製)によって50mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて10〜60秒間散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像して、円柱状のフォトスペーサーを形成した。得られたフォトスペーサーを上記評価(4)〜(6)に供した。弾性回復率、スペーサー径、破壊強度を表2に示す。また、フォトスペーサーの現像性、密着性は何れも良好であった。
表2に示す共重合体溶液を用い、フォトスペーサー用感光性樹脂組成物の組成を表2に示す組成とした以外は、実施例1と同様にしてフォトスペーサーを形成し、実施例1と同様の評価に供した。弾性回復率、スペーサー径、破壊強度を表2に示す。また、フォトスペーサーの現像性、密着性は何れも良好であった。
表3に示す共重合体溶液を用い、フォトスペーサー用感光性樹脂組成物の組成を表3に示す組成とした以外は、実施例1と同様にしてフォトスペーサーを形成し、実施例1と同様の評価に供した。弾性回復率、スペーサー径、破壊強度を表3に示す。
なお、ラジカル捕捉剤SUMILIZER GSは、商品名「SUMILIZER(登録商標)GS」、住友化学株式会社製;IRGANOX1076は、商品名「IRGANOX(登録商標)1076」、BASF・ジャパン社製であり、それぞれ下記化学式で表される。
Claims (8)
- 側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)由来の構成単位;及び主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)由来の構成単位を有するベースポリマーの酸基に、ラジカル重合性不飽和炭素−炭素二重結合が導入された感光性ポリマーと、
多官能ラジカル捕捉剤と、
多官能モノマーと、
光重合開始剤と
を含有する、フォトスペーサー用又はカラーフィルタ用の硬化性樹脂組成物であって、
該ベースポリマーが、さらに、ビフェニル基を含有するモノマー(c)由来の構成単位を有し、
該ベースポリマー100質量%中、該側鎖に酸基を導入し得るモノマー(a)由来の構成単位が10〜80質量%、該主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)由来の構成単位が2質量%〜50質量%、該ビフェニル基を含有するモノマー(c)由来の構成単位が0.5〜70質量%であり、
該主鎖に環構造を導入し得るモノマー(b)が、N−置換マレイミド系単量体であり、
該感光性ポリマーの酸価が20〜250mgKOH/gであり、
該多官能ラジカル捕捉剤の含有量は、該感光性ポリマーに対して500〜10,000ppmであり、
該感光性ポリマーと該多官能モノマーとの合計質量100質量部に対して、該光重合開始剤の含有割合が0.1〜40質量部であり、
該多官能ラジカル捕捉剤は、分子量700超かつ官能基数2〜6の多官能フェノールであり、
該多官能モノマーは、官能数が4以上の多官能(メタ)アクリレート類であり、含有割合が、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中、30質量部〜95質量部である
硬化性樹脂組成物。 - 無機微粒子を含むものを除く、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、紫外線吸収剤を含有する、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記紫外線吸収剤の含有割合が、前記感光性ポリマーと前記多官能モノマーとの合計100質量部に対して、0.05〜10質量部である、
請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。 - 前記感光性ポリマーと多官能モノマーの含有割合が、質量比で(感光性ポリマー)/(多官能モノマー)=40/60〜10/90である、
請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られた、硬化物。
- 請求項6に記載の硬化物を含む、フォトスペーサー。
- 請求項7に記載のフォトスペーサーを含む、表示装置。
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