JP5671369B2 - アルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物およびこの組成物から得られる硬化物 - Google Patents

アルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物およびこの組成物から得られる硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、印刷製版、液晶セル用の柱状スペーサー、カラーフィルター、ブラックマトリックス等を得るためのアルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物およびこの組成物から得られる硬化物に関するものである。
アルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物は、上記の各用途に用いられるが、代表的な用途の一つに液晶セル用の柱状スペーサーが挙げられる。柱状スペーサーは、液晶分子が2枚のガラス板に挟まれて封入された液晶セルにおいて、2枚のガラス板の隙間距離を一定にするためのものである。従来は、ガラス板の隙間に、スペーサーとして粒子径が揃った球状微粒子を分散させていたが、球状微粒子は、球状であるがために転がりやすく、均一に散布しても液晶注入時に押し流されて偏在化したり、液晶パネルを立てたときに下に沈んだりして、色抜けの原因となることがあった。
そこで最近、特に大型液晶パネルには、柱状のスペーサーが採用されている(例えば、特許文献1)。柱状スペーサーとは、フォトリソグラフィーによってガラス基板上(正確にはガラス基板の上の配向膜の上)に立てられた樹脂製の円柱である。柱状スペーサーのメリットは、ガラス基板上(正確にはガラス基板の上の配向膜の上)に密着しているので押し流されて偏在化することがない点にある。
このような柱状スペーサーには、当然のことながら、ガラス基板への優れた密着性が求められる。また、これまでの硬化性樹脂組成物では、パターンを介して露光しても、パターンより大きな径、あるいは小さな径を持つ円柱状または円錐台状の硬化物が得られることが多かった。しかし、パターンより大径のスペーサーはコスト的に無駄であり、一方で、パターンより小さい径ではスペーサーとしての強度が劣ることがあるため、パターン径に近似する径のスペーサーが得られる方が好ましい。よって、こういった意味での現像性(パターン再現性)を改善する必要がある。
さらに、液晶セルに液晶を注入して液晶分子を配向させる際に、ガラス基板に圧縮力がかけられるが、この際、柱状スペーサーには、圧縮力に追従できる柔軟性や圧縮力を緩和したときの復元性が要求される。
上記のスペーサーの柔軟性や復元性に着目した技術が特許文献2に記載されている。この特許文献2では、イソボルニルメタクリレートを用いた親水性ポリマーを主成分とした硬化性樹脂組成物を用いてスペーサーの弾性復元率を改良しているが、より一層の改良が必要であり、また、この特許文献2ではパターン再現性については何ら検討されていない。
特開2003−15136号公報 特開2005−345521号公報
本発明では、上記従来技術の問題点を考慮して、基板密着性、パターン再現性、弾性回復率等に優れた硬化物を得ることのできるアルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物の提供を課題として掲げた。
上記課題を解決することのできた本発明は、アルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物であって、マレイミド系モノマーとアクリル酸とを含み、メタクリル酸およびそのエステルは含まない原料モノマー混合物から合成されるマレイミド系ポリマーに、ラジカル重合性二重結合を導入して得られる硬化性ポリマーと、多官能モノマーと、光重合開始剤とを有することを特徴とする。
原料モノマー混合物がさらにアクリル酸エステルを含む態様、光重合開始剤がα−アミノケトン系光重合開始剤である態様、マレイミド系モノマーがベンジルマレイミドである態様、多官能モノマーが多官能(メタ)アクリレートである態様は、いずれも本発明の好ましい実施態様である。
本発明には、上記硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたものである硬化物も含まれる。
本発明の硬化性樹脂組成物の主成分たるポリマーは、マレイミド骨格を有し、アクリル酸由来のカルボキシル基を有しているため、基板密着性、パターン再現性、弾性回復率等に優れた硬化物を得ることが可能となった。
本発明の硬化性樹脂組成物は、アルカリ現像性を有するものである。主成分となる硬化性ポリマーは、マレイミド系ポリマーに、ラジカル重合性二重結合を導入したポリマーである。なお、本発明の「ポリマー」には、二元以上の共重合体が含まれる。以下、各成分ごとに説明する。
[マレイミド系ポリマー]
マレイミド系ポリマーは、マレイミド系モノマーとアクリル酸とを含む原料モノマー混合物から得られる。マレイミド系モノマーは、硬化物の耐熱性や基板密着性を向上させる効果がある。マレイミド系モノマーとしては、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド、N−o−(またはm−、またはp−)ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−(またはm−、またはp−)クロロフェニルマレイミド、N−o−(またはm−、またはp−)メチルフェニルマレイミド、N−o−(またはm−、またはp−)メトキシフェニルマレイミド等の芳香族置換マレイミド類;シクロヘキシルマレイミド等の脂環族置換マレイミド類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のアルキル置換マレイミド類等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミドが好ましく、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドがより好ましく、ベンジルマレイミドが最も好ましい。これらのマレイミド系モノマーは、単独で使用しても、2種以上使用してもよい。マレイミド系モノマーの使用量は、原料モノマー混合物100質量%中、2〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、3〜40質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。
マレイミド系ポリマーは、側鎖に酸基を有している必要がある。アルカリ現像性を確保するためである。また酸基は、後述するとおり、ポリマーの側鎖にラジカル重合性二重結合を導入するための反応点にもなる。従って、マレイミド系ポリマーは、側鎖に酸基を導入し得るモノマーを用いて合成する必要があるが、このとき、メタクリル酸を用いると、弾性回復率が不良となる。このため、本発明では、酸基導入には、アクリル酸(AA)のみを用いる。
AAは、原料モノマー混合物100質量%中、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。AAが少ないと、充分なアルカリ現像性が発現しないおそれがあり、また、ラジカル重合性二重結合を充分量導入することができなくなる。一方、AAが多すぎると、マレイミド系モノマーが少なくなるため、硬化物の耐熱性や基板密着性が不充分となるおそれがある。
マレイミド系ポリマーを得る際に用いられる原料モノマー混合物には、マレイミド系モノマーとAAの他に、硬化物の要求特性を満足させるため、必要に応じてマレイミド系モノマーとAAと共重合可能な「その他のモノマー」を含むことができる。このような共重合可能な「その他のモノマー」としては、アクリル酸エステルが好ましい。「その他のモノマー」の場合も、メタクリル酸エステルを用いると弾性回復率が不充分となる。従って、本発明ではメタクリル酸エステルは用いない。
アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル類;シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート等の脂環構造含有アクリレート類;ベンジルアクリレート等の芳香環含有アクリレート類等が挙げられる。これらのアクリル酸エステルは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
また、アクリル酸エステルに加えて、その他のモノマーとして、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物を用いても構わない。
これらのその他のモノマーは、マレイミド系モノマーとAAが上記好適量となるように用いることが好ましく、原料モノマー混合物100質量%中、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。
マレイミド系ポリマーは、上記原料モノマー混合物を重合することで得られる。重合方法としては、溶液重合法が好ましく、重合温度や重合濃度(重合濃度=[原料モノマー混合物の全質量/(原料モノマー混合物の全質量+溶媒質量)]×100とする)は、使用する原料モノマー混合物の組成や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なるが、好ましくは、重合温度40〜150℃、重合濃度5〜50質量%とするのがよく、さらに好ましくは、重合温度60〜130℃、重合濃度10〜40質量%とするのがよい。
前記原料モノマー混合物の重合において溶媒を用いる場合には、通常のラジカル重合反応で使用される溶媒を用いればよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
前記原料モノマー混合物をラジカル重合する際には、通常用いられるラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。なお、開始剤の使用量は、用いる原料モノマー混合物の組成や、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のポリマーを得ることができる点で、原料モノマー混合物100質量部に対して、0.1質量部〜15質量部、より好ましくは0.5質量部〜10質量部とするのがよい。また、公知の連鎖移動剤、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類を用いることもできる。
[硬化性ポリマー]
マレイミド系ポリマーを重合によって得た後は、二重結合導入反応を行う。本発明では、この二重結合導入後のポリマーを硬化性ポリマーと呼んでいる。二重結合の導入によって、硬化性ポリマー同士のラジカル重合が可能となり、あるいは、硬化性ポリマーと多官能モノマーとがラジカル重合可能となるので、三次元的に架橋した硬化物を得ることができる。その結果、機械的強度に加えて、現像性やパターン再現性が向上する。
二重結合を導入するには、マレイミド系ポリマーにはAA由来のカルボキシル基が存在しているので、このカルボキシル基と反応し得る官能基と二重結合とを有するモノマーをマレイミド系ポリマーに付加させればよい。
二重結合導入用モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー;2−ビニロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のビニルエーテル基を有するモノマー等が挙げられる。これらの中では、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。二重結合導入用モノマーは、アクリレートでもメタクリレートでも構わない。
グリシジル(メタ)アクリレートは、マレイミド系ポリマー100質量部に対し、10質量部以上反応させることが好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上が特に好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートが10質量部よりも少ないと、硬化性ポリマーの側鎖の二重結合量が少なすぎて、露光感度が低下したり、緻密な硬化物が形成できないため、特性が低下するおそれがある。また、グリシジル(メタ)アクリレートがカルボキシル基に付加することで生成する水酸基は、アルカリ現像液への溶解性を高める作用を有するが、この水酸基が少なくなることにより、アルカリ現像液への溶解度が不足し、現像性やパターン再現性が低下するおそれがある。グリシジル(メタ)アクリレートの付加量の上限は、ポリマー100質量部に対し、170質量部が好ましく、140質量部がより好ましく、100質量部がさらに好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートの付加量が多過ぎると、樹脂組成物の保存安定性が低下したり、有機溶媒への溶解性が低下することがある。
二重結合導入反応は公知の方法が採用でき、希釈剤の存在下または非存在下、メチルハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤と、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン化合物、金属の有機酸塩および無機酸塩、キレート化合物等の反応触媒の共存下で、二重結合導入用モノマー(例えばグリシジルメタクリレート)とマレイミド系ポリマーとを80〜130℃程度で反応させればよい。二重結合導入反応が終了すれば、本発明の硬化性樹脂組成物の主成分である硬化性ポリマーが得られる。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物には、多官能モノマーが含まれる。硬化性ポリマーと多官能モノマーとで硬化性樹脂を構成する。多官能モノマーの仕様により、光重合の際やポストベークの際に、多官能モノマー同士が、あるいは多官能モノマーと硬化性ポリマー中の二重結合とが反応して、三次元架橋された硬化物が得られる。多官能モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の多官能芳香族ビニル系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。なお、弾性回復率の点からは、多官能メタクリレートよりも多官能アクリレートが好ましい。特に、官能基数の多い(ジ)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が好ましい。
これらの多官能モノマーは、硬化性ポリマーとの合計質量を100質量%としたときに、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。多官能モノマー量が上記範囲外の場合、充分な架橋効果が得られず、十分な弾性回復率も得られない可能性がある。
本発明の硬化性樹脂組成物には、光重合開始剤が含まれる。上記硬化性ポリマーとの組み合わせにおいては、α−アミノケトン系光重合開始剤が好ましい。弾性回復率が良好になると共に、パターン再現性が改良される。α−アミノケトン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)907;BASFジャパン社製(IRGACUREシリーズは全てBASFジャパン社製);下記構造式(1))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE369;下記構造式(2))が挙げられる。
Figure 0005671369
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他の光重合開始剤としては、オキシム系(例えば、IRGACURE OXE02;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム);下記構造式(3))、
Figure 0005671369
α−ヒドロキシケトン系(例えば、IRGACURE184;1,2−α−ヒドロキシアルキルフェノン;下記構造式(4)、IRGACURE2959;1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン;下記構造式(5)、IRGACURE127;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン;下記構造式(6))、
Figure 0005671369
Figure 0005671369
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α−メトキシケトン系(IRGACURE651;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン;下記構造式(7);ベンジルジメチルケタールとも言う)、
Figure 0005671369
フォスフィンオキサイド系(IRGACURE819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−フォスフィンオキサイド;下記構造式(8))、
Figure 0005671369
チオキサントン系(SPEEDCURE DETX;2,4−ジエチルチオキサントン;Lamson社製;下記構造式(9))、
Figure 0005671369
チオエーテル系(ESACURE(登録商標)1001M;1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン;Lamberti社製;下記構造式(10))等が挙げられる。
Figure 0005671369
上記の式(3)〜(10)に代表される公知の光重合開始剤は、基板密着性や硬化性が不足し、パターン再現性にも劣るため、単独使用は不可である。よって、これらの光重合開始剤は、上記のα−メトキシケトン系の光重合開始剤と併用する場合のみ、用いてもよい。
光重合開始剤は、硬化性ポリマー、多官能モノマー、および必要に応じて添加されるラジカル重合性オリゴマー(後述する)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜50質量部、より好ましくは0.5質量部〜30質量部である。
なお、光重合開始剤に加えて、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等の熱重合開始剤を加えても構わない。
本発明の硬化性樹脂組成物には、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のラジカル重合性オリゴマーを添加してもよく、また、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂を、必要により硬化剤と共に添加してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、希釈剤としての溶媒を含有するものであってもよい。溶媒としては、硬化性ポリマー、多官能モノマー、必要に応じて用いられるラジカル重合性オリゴマー、および光重合開始剤の各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものであれば、特に制限はない。具体的には、重合溶媒として例示した化合物が挙げられる。溶媒の含有量は、樹脂組成物を使用する際の最適粘度に応じて適宜設定すればよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、顔料、消泡剤、カップリン
グ剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を含有することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性ポリマー、多官能モノマー、光重合開始剤、必要に応じて用いられるラジカル重合性オリゴマー、溶媒やその他の添加物を、均一に混合することによって調製することができる。
[硬化物]
本発明には、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物が含まれる。硬化物を得る方法は特に限定されるものではないが、例えば、柱状スペーサーを得る場合は、本発明の硬化性樹脂組成物を、ガラスや透明プラスチックフィルム等の基板に塗布、乾燥し、塗膜を形成し、次いで、フォトリソグラフィーにより形成することができる。
現像に際しては、アルカリ水溶液を用いることが好ましい。環境への負荷が少なく高感度の現像を行うことができる。アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。アルカリの濃度としては、0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜3質量%がさらに好ましく、0.03〜1質量%が最も好ましい。アルカリ濃度が上記範囲より低いと前記硬化性樹脂の溶解性が不足するおそれがあり、逆に高いと溶解力が高すぎて現像性が劣る場合がある。さらに、アルカリ水溶液には、界面活性剤を添加してもよい。
フォトリソグラフィーでは、例えば、塗膜から200μm程度の距離にフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって30mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射することにより、硬化性樹脂組成物の塗膜を光硬化させる。紫外線照射後、塗布膜に0.05質量%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で40秒間水洗して現像することにより、硬化物(柱状スペーサー)を得ることできる。その後、ポストベークを行ってもよい。フォトマスクまでの距離、UV強度、現像条件等は、適宜変更が可能である。
硬化物の形状は特に限定されない。例えば、柱状スペーサーの場合は、円柱状、角柱状、円錐台形状(テーパ形状)、逆円錐台形状(逆テーパ形状)、角錐台形状等を挙げることができる。また、柱状スペーサーの断面積は、特に限定されるものではないが、例えば1μm2以上が好ましく、2μm2以上がより好ましく、1500μm2以下が好ましく、100μm2以下がより好ましい。また、柱状スペーサーの高さは、液晶セルのセルギャップに応じて適宜設定すればよいが、0.5μm〜8μm程度が好ましい。
また、本発明の硬化物が柱状スペーサーである場合は、弾性回復率が55%以上であることが好ましい。弾性回復率が55%以上である柱状スペーサーを用いれば、液晶セルの製造上の問題を解決することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例および比較例の評価は次のようにして行った。また、以下では、部は質量部を、%は質量%を意味する。
[評価方法]
(重量平均分子量:Mw)
GPC(Shodex GPC System−21H、ショウデックス社製)にてTHFを溶離液とし、カラムにTSKgel SuperHZM−N(TOSOH社製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算にて算出した。
(酸価)
ポリマー溶液を3g程度精秤し、アセトン70部と水30部の混合溶媒に溶解させ、チモールブルーを指示薬として、0.1NのKOH水溶液で滴定した。固形分濃度から、ポリマー1g当たりの酸価を求めた(mgKOH/g)。
[製造例1]
モノマー滴下槽に、ベンジルマレイミド(BzMI)39部、アクリル酸(AA)97部、ジシクロペンタニルアクリレート(DCPA)8部、メチルアクリレート(MA)39部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(「パーブチル(登録商標)O」、日油製;(PBO))5.2部、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)110部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)47部をよく攪拌混合したものを投入した。また、連鎖移動剤滴下槽に、n−ドデシルメルカプタン(nDM)3.9部、PGMEA48部およびPGME20部をよく攪拌混合したものを投入した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、この反応槽に、PGMEA270部とPGME115部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定した後、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から、各成分の滴下を開始した。滴下は、フラスコ内温を90℃に保ちながら、それぞれ180分かけて行った。滴下が終了してから30分後に、PBOを1.3部追加した。さらに30分後に昇温を開始して反応槽内部を115℃にした。
1.5時間115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、グリシジルメタクリレート(GMA)128部、重合禁止剤として「トパノール」(6−tert−ブチル−2,4−キシレノール;東京化成工業社製)0.6部、触媒としてジメチルベンジルアミン(DMBA)1.2部を仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−1を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は15200、酸価は80mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例2]
BzMIを78部、MAを0部とした以外は、製造例1と同様の方法で合成を行い、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−2を得た。ポリマーのMwは12800、酸価は77mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例3]
AAを111部、MAを25部とした以外は、製造例1と同様の方法で合成を行い、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−3を得た。ポリマーのMwは17800、酸価は105mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例4]
DCPAを124部、MAを0部とした以外は、製造例1と同様の方法で合成を行い、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−4を得た。ポリマーのMwは13600、酸価は81mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例5]
DCPAの代わりに、ベンジルアクリレート(BzA)を用いた以外は製造例1と同様の方法で合成を行い、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−5を得た。ポリマーのMwは15000、酸価は76mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例6]
モノマー滴下槽1に、BzMI39部、AA97部、PBO5.2部、PGMEA110部およびPGME47部をよく攪拌混合したものを投入した。また、モノマー滴下槽2にビニルトルエン(VT)124部を準備し、連鎖移動剤滴下槽に、nDM7.8部、PGMEA48部およびPGME20部をよく攪拌混合したものを投入した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、この反応槽に、PGMEA199部とPGME85部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定した後、モノマー滴下槽1,2および連鎖移動剤滴下槽から各成分の滴下を開始した。滴下は、フラスコ内温を90℃に保ちながら、それぞれ240分かけて行った。滴下が終了してから30分後に、PBOを1.3部追加した。さらに30分後に昇温を開始して反応槽内部を115℃にした。
1.5時間115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA128部、重合禁止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW400」、川口化学工業社製)0.6部、触媒としてトリエチルアミン(TEA)1.7部を仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−6を得た。ポリマーのMwは13700、酸価は80mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例7]
VTを104部、AAの代わりにメタクリル酸(MAA)117部を用いた以外は製造例6と同様の方法で合成を行い、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−7を得た。ポリマーのMwは11900、酸価は79mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
[製造例8]
モノマー滴下槽に、BzMI39部、MAA117部、ベンジルメタクリレート(BzMA)85部、メチルメタクリレート(MMA)19部、PBO5.2部、PGMEA110部およびPGME47部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽に、nDM3.9部、PGMEA48部およびPGME20部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、この反応槽に、PGMEA270部とPGME115部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定した後、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から各成分の滴下を開始した。滴下は、フラスコ内温を90℃に保ちながら、それぞれ180分かけて行った。滴下が終了してから30分後に、PBOを1.3部追加した。さらに30分後に昇温を開始して反応槽内部を115℃にした。
1.5時間115℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA128部、重合禁止剤として前記「トパノール」0.6部、触媒としてDMBA1.2部を仕込み、110℃で1時間、115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濃度が38%の硬化性ポリマー溶液A−8を得た。ポリマーのMwは13400、酸価は77mgKOH/gであった。ポリマーの組成等を表1に示した。
Figure 0005671369
[実施例1〜3および比較例1〜8]
製造例1で得られたポリマー溶液A−1、多官能モノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA;共栄社化学社製)、および各種光重合開始剤を表2の組成で混合し、固形分濃度が35%になるようにPGMEAを加えて溶解した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して、種々の樹脂組成物を調製した。
(ネガ型レジストの現像性評価)
各硬化性樹脂組成物を、10cm角のガラス基板上にスピンコータにより塗布し、オーブンで80℃で3分間乾燥した。乾燥後、塗布膜(厚さ約4μm)から100μmの距離のところにフォトマスク(パターン)を配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって50mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗布膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて40秒間散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像した。
・密着性:8μmφパターンフォトマスクを用いて、露光、アルカリ現像を行った後に、得られた硬化物(柱状体)に欠損があるかないかをレーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス社製)で観察した。欠損なしを○、一部欠損ありを△、全欠損(硬化物が残存していない)を×として、評価した。評価結果を表2に示した。
・パターン再現性(硬化物の直径):8μmφパターンフォトマスクを用いて、露光、アルカリ現像を行った後、ホットプレートで230℃で30分間加熱(ポストベーク)し、得られた硬化物(柱状体)の直径および高さを、上記レーザー顕微鏡を用いて測定した。評価結果を表2に示した。
なお、用いた光重合開始剤は、以下の通りである。構造およびメーカーは上述のとおりである。
IRGACURE907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン
IRGACURE369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1
IRGACURE OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
IRGACURE127:2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
IRGACURE184:1,2−α−ヒドロキシアルキルフェノン
IRGACURE2959:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)
IRGACURE651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
IRGACURE819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
Esacure1001M:1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン
SpeedcureDETX:2,4−ジエチルチオキサントン
Figure 0005671369
表2から、α−アミノケトン系以外の光重合開始剤では、硬化が不充分でアルカリに溶解してしまうか、あるいは径の大きな硬化物しか得られないことが分かる。
[実施例4〜9および比較例9〜10]
各製造例で得られたポリマー溶液A−1〜A−8、PETA、および光重合開始剤としてIRGACURE907を表3の組成で混合し、固形分濃度が35%になるようにPGMEAを加えて溶解した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して、樹脂組成物を調製した。
実施例1のときと同様にして、現像性(密着性と硬化物の形状)を評価し、表3に示した。また、圧縮率と弾性回復率は下記のようにして評価した。
(圧縮特性)
上記で得られたポストベーク後の硬化物について、微小圧縮試験機(MOTW−500、島津製作所社製)を用い、直径50μmの平面圧子により、負荷速度および除荷速度をともに0.26gf/秒として、8.16gfまでの荷重を負荷したのち除荷して、負荷時の荷重−変形量曲線および除荷時の荷重−変形量曲線を作成した。このとき、負荷時の荷重8.16gfでの変形量をL1、除荷時の荷重0.05gfでの変形量をL2として、下記式により、圧縮率・弾性回復率を算出した。評価結果を表3に示した。
圧縮率(%)=L1×100/硬化物高さ(3.6μm)
弾性回復率(%)=(L1−L2)×100/L1
Figure 0005671369
表3より、本発明の硬化性樹脂組成物はいずれも、メタクリル酸やメタクリル酸エステルを用いた比較例に比べて、弾性回復率が大きくなっていることがわかった。
本発明の硬化性樹脂組成物は、印刷製版、液晶セル用の柱状スペーサー、カラーフィルター、ブラックマトリックス等を得るための樹脂組成物として有用であり、得られる硬化物は、基材密着性、パターン再現性、弾性回復特性に優れたものとなる。

Claims (6)

  1. アルカリ現像性を有する硬化性樹脂組成物であって、マレイミド系モノマーアクリル酸およびアクリル酸エステルを含み、メタクリル酸およびそのエステルは含まない原料モノマー混合物から合成されるマレイミド系ポリマーに、ラジカル重合性二重結合を導入して得られる硬化性ポリマーと、多官能モノマーと、α−アミノケトン系光重合開始剤とを有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 上記硬化性ポリマーが、マレイミド系ポリマー100質量部に対し、グリシジル(メタ)アクリレートを10質量部以上、170質量部以下反応させたものである請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 上記アクリル酸が、上記原料モノマー混合物100質量%中、20質量%以上、60質量%以下である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 上記マレイミド系モノマーがベンジルマレイミドである請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 上記多官能モノマーが、多官能(メタ)アクリレートである請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたものであることを特徴とする硬化物。
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