先行技術によるスキーキャリアクランプのさらなる欠点は、例えば衝突状態のような強い力が生じる状態における粗悪な挙動である。
本発明は、スキーキャリアクランプをさらに発展させ、前述の欠点が克服されることを目的としている。
第1態様によれば、本主題は、自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプに関する。
スキーキャリアクランプは、細長いベース部であって、この細長いベース部の長手方向に延びた第1可撓性クランプ部材を担持した細長いベース部を具備している。
細長いベース部は、好適にアルミニウム製の押出しプロファイルを具備することが可能である。第1可撓性クランプ部材は、例えばゴムのような変形可能な材料から形成され得る。細長いベース部の長手方向は、通常は自動車用ルーフキャリアのクロスバーが延びた方向に対応している。結果的に、スキーキャリアクランプが自動車用ルーフキャリアのクロスバーに搭載された場合、細長いベース部の長手方向は、クロスバーが延びた方向に対応している。言い換えると、細長いベース部の長手方向は、細長いベース部の最も大きく広がった方向とすべきである。
さらに、スキーキャリアクランプは、細長い上部であって、この細長い上部の長手方向に延びた第2可撓性クランプ部材を備えた細長い上部を具備している。したがって、スキーキャリアクランプは、自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載された場合、細長い上部もその上に配置され、クロスバーの方向に延びている。
全体的に、個々の細長い部材の長手方向の延びは、個々の可撓性クランプ部材が、細長い部材の主延び方向に延びた形状を具備していることを意味している。
第1態様によれば、細長い上部は細長いベース部に移動可能に連結され、第2可撓性クランプ部材は、第1可撓性クランプ部材に対して移動可能とされている。言い換えると、細長い上部と細長いベース部との間の距離は、スキーキャリアクランプ内で輸送される器材を積載するための十分な空間を提供するように、変化されることが可能である。
さらに、第1態様によれば、第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材は、それらの少なくとも一部が、細長いベース部と細長い上部とが互いに向かって移動された場合に、互いに横方向に通過することが可能なように配置されている。この場合において、横方向は、細長い部材の長手方向に略直交し且つ実際に使用するときのスキーキャリアクランプの方向を参照し、そのようなシステムが搭載された自動車の長手方向に対応している。
好適に、第1および/または第2可撓性クランプ部材の多くの部分は、それぞれ細長いベース部および細長い上部の横断方向にオフセットされている。この場合において、細長いベース部および細長い上部の横方向および横断方向は、一様に理解されるべきであり、両方の方向は、スキーキャリアクランプが自動車のルーフに搭載された場合に、水平方向に好適に対応している。
例えば、横断方向におけるオフセットは、可撓性クランプ部材の中心が、互いに対してオフセットされていることを意味することが可能である。一方で、横断方向におけるオフセットは、可撓性クランプ部材の重心が、互いに対してオフセットされていることを意味し得る。
好適に、第1および第2可撓性部材がそれぞれ搭載された細長いベース部および細長い上部から離れた面の方向における第1および第2可撓性部材の寸法は、細長いベース部および細長い上部の側端の領域において最大となる。
好適に、担持された個々の細長い部材と組み合わされた可撓性クランプ部材のうちの少なくとも1つの長手方向に直交した方向における断面の全体的な外部輪郭は、非対称形状を有する。例えば、可撓性クランプ部材の高さは、クランプ部材の長手方向に直交した方向において変化することが可能である。これに関連して、前述の外部輪郭の非対称形状は、好適に可撓性クランプ部材の非対称性に起因している。すなわち、対称形状を有し、その上に非対称形状を有する可撓性クランプ部材を設けた細長い部材を提供して、結果的に全体的に非対称形状を有する外部輪郭とすることが可能である。非対称性は、好適に特定の全体形状を提供することにより達成されることが理解される。すなわち、プロファイル内の小さい局所突起またはくぼみは、本主題の意味において、形状の非対称性を解釈するものとしては好適に考慮されない。
好適に、第1可撓性クランプ部材は、細長いベース部に接触するように形成された第1ベース部と、第1ベース部上に配置され且つそこから突出した第1突出部と、を具備し、且つ/または第2可撓性クランプ部材は、細長い上部に接触するように形成された第2ベース部と、第2ベース部上に配置され且つそこから突出した第2突出部と、を具備している。例えば、各可撓性クランプ部材のベース部は、細長い部材に面した個々の部分として考慮されることが可能である。ベース部は、個々のクランプ部材上にベース部を搭載することが可能な特別な形状を具備することが可能である。例えば、ベース部は、細長いベース部または細長い上部に形成された、対応した凹部と係合するために設けられた突起を具備することが可能である。これらの突起は、フックをラッチ係合するように形成されて、クランプ部材を個々の細長い部材にクリップ留めすることが可能である。凹部を備えたベース部を形成し、その凹部内に、細長い部材に設けられた対応した突起が、ベース部をそこに搭載するために係合することが可能であるようにすることも可能である。突出部は、ベース部に配置され且つベース部から突出している。
好適に第1突出部および/または第2突出部は、それぞれ細長いベース部および細長い上部の側端の領域に設けられた側方外壁を具備し、この側方外壁は、それぞれ第1ベース部および第2ベース部の広がった方向に対して略直交して好適に延び、個々の可撓性クランプ部材の他の壁よりも大きい壁厚さを好適に具備している。側方外壁は、例えばより厚い厚さを設けることにより補強されることが可能である。スキーキャリアクランプの一側の側方外壁は、スキーキャリアクランプが自動車に搭載された場合に向かい風に面するので、そのように補強された側方外壁を設けることは、例えば変形が防止され、それにより騒音の発生を減少する有利な効果を有する。
好適に、第1突出部および第2突出部は、類似した形状を有して形成され、好適に先端を切り取った三角形状を有する断面、円錐台断面、または一般的に三角形断面を好適に備えている。この場合、両方の突出部には類似した形状が与えられ、両方の突出部は、略同一の変形特性を具備している。したがって、ウィンタースポーツ器材が第1可撓性クランプ部材と第2可撓性クランプ部材との間にクランプされた場合、クランプ部材の突出部は、類似した様式で変形される。
好適に、第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材は、逆転した様式でそれぞれ細長いベース部および細長い上部上に配置されている。第1および第2可撓性クランプ部材の突出部が、類似した形状に形成されているので、個々の細長い部材への突出部の逆転した配置は、突出部が、可撓性クランプ部材が互いに向かって移動された場合に、入れ子になることが可能な構成を導いている。言い換えると、そのような構成は、可撓性クランプ部材を変形させることなく互いに非常に接近させ、スキーキャリアクランプの全高さが非積載状態において減少されることを可能にしている。第1および第2可撓性部材として同一の撓性部材を使用すること、およびそれらを逆転した様式で配置することさえも可能である。これにより、製造コストが低減されることが可能であり、一方で、有利な効果はそのまま維持される。
本主題の好適な実施形態によれば、少なくとも1つの突出部は、断面において少なくとも2つの中空空間およびこれらの中空空間を離間した少なくとも1つの内壁を具備した内部構造を具備している。そのような構成は、可撓性クランプ部材がより大きな範囲に変形することが可能である効果を備えている。
少なくとも1つの内壁および中空空間は、可撓性クランプ部材の変形特性を設定した変形パターンを形成することが可能である。例えば、変形パターンは、突出部がベース部に略直交した方向に押圧された場合に、突出部の側方外壁が横方向外向きに隆起させるように設計されることが可能である。異なった変形パターンが可能である。例えば、内壁が共通点において接触するパターンを使用することが可能である。変形特性は、例えば内壁に関して異なった壁厚さを使用することにより、または変化した壁厚さを備えた内壁を設けることにより操作されることが可能である。好適な構造によれば、スキーキャリアクランプは、2つのみの可撓性クランプ部材を具備している。そのような構造は、各側方外壁が、横方向外向きに隆起するときに良好な圧縮性となることを可能にしており、それは、さらなる可撓性クランプ部材がそこに設けられないためである。したがって、側方外壁は自由に変形され、任意のさらなる要素により妨害されない。
可撓性クランプ部材は、略中央において互いに交差した2つの内部支持壁を具備することが可能である。さらに、複数の内壁が使用された場合、1つ以上の壁は、他の内壁に比べて薄い厚さ有することが可能である。
好適に、可撓性クランプ部材は、細長いベース部および細長い上部よりも高い高さを有する。また、突出部は、個々の可撓性クランプ部材のベース部の幅よりも大きい高さを有することが可能である。
可撓性クランプ部材は、可撓性クランプ部材が互いに接触可能であるが、反対側の細長い部材に接触不可能な形状を有し、且つそのように配置されることが可能である。より詳細には、各可撓性クランプ部材は、自身が担持された個々の細長い部材以外の細長い部材と接触しない。したがって、第1および第2クランプ部材は、スキーキャリアクランプが閉鎖された場合に、第1可撓性クランプ部材が第2可撓性クランプ部材のみに接触し、細長い上部には接触せず、第2可撓性プランプ部材が第1可撓性クランプ部材のみに接触し、細長いベース部には接触しないように配置されることが可能である。
本主題の第2態様によれば、スキーキャリアクランプのための細長いベース部が設けられ、細長いベース部は、自動車用ルーフキャリアのクロスバーに細長いベース部を搭載するための搭載手段を収容するための搭載凹部を好適に具備している。
さらに、細長いベース部は、第1可撓性クランプ部材を細長いベース部材に連結するための搭載構造を具備することが可能であり、第1可撓性クランプ部材は、第1可撓性クランプ部材が搭載凹部へのアクセスを妨害した非アクセス位置と、搭載凹部へのアクセスが可能なアクセス位置と、の間で移動可能である。
搭載凹部は、その長手方向において細長いベース部全体に概略沿って延びた溝の形状とすることが可能である。好適に、搭載凹部は、細長いベース部を自動車用ルーフキャリアのクロスバーに搭載するための搭載手段を、その内部に収容することが可能な寸法を具備している。搭載手段は、例えば、ネジ頭を含んだネジ機構の異なった要素を具備することが可能である。ネジ頭の代わりに、テンションネジのネジセクションに連結されたテンションレバーが、同じく搭載凹部内の搭載手段として設けられることが可能である。この場合、搭載凹部は、そのようなテンションレバーの寸法よりも小さい寸法を有することが可能であり、非緊張状態において、テンションレバーは搭載凹部の上端を越えて突出し、テンションレバーが緊張位置にある場合、テンションレバーを完全に収容する。テンションレバーは、T字形状の自由端を備えたシャフトに接続されることが可能であり、その自由端は、例えば自動車用ルーフキャリアのクロスバーに形成された、対応した溝内に収容されることが可能である。搭載構造は、可撓性クランプ部材の前述の動作を可能とする任意の形状を有することが可能である。これに関連して、可撓性クランプ部材は、細長いベース部の大部分または全長に沿って細長いベース部に連結されることが可能であることが理解される。さらに、連結は、可撓性クランプ部材を少なくともその一部分においてベース部に例えばはんだ付け、接着、および熱溶着により、またはネジのような取り外し可能な機械的接続により、恒久的に有効とすることが可能である。
好適に、搭載構造は、第1可撓性クランプ部材の搭載部を細長いベース部に固定的に連結するための取付凹部を具備し、取付凹部は、細長いベース部の長手方向に好適に延びている。
第1可撓性クランプ部材は、その搭載部において細長いベース部に好適に回動結合としてヒンジ結合されることが可能であり、非アクセス位置からアクセス位置へと、搭載部の周りのスイベル動作によって移動可能である。
第1可撓性クランプ部材は、使用位置から搭載位置への移動の際に、好適に少なくともその変形部において少なくとも部分的に柔軟に変形され、変形部は、第1可撓性クランプ部材の動作を決定することが可能である。例えば、変形部は、例えば減少された厚さを有する弱くなった部分である。好適に、変形部は、搭載部に近接して配置されている。
さらに、第1可撓性クランプ部材は、細長いベース部の係合手段と解除可能に係合可能な係合部をさらに具備することが可能であり、係合部は係合フックとして好適に形成され、係合手段は、係合部をロックするように受容可能な係合凹部として好適に形成されている。好適に、第1および第2可撓性クランプ部材は、一体的に形成されている。
本主題の第3態様によれば、前述のスキーキャリアクランプは、先述の通り細長いベース部と適切に組み合わされている。
本主題の第4態様によれば、自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプが提供され、スキーキャリアクランプは、細長いベース部、細長い上部、および細長いベース部と細長い上部とを連結するためのヒンジ機構を具備している。より詳細には、細長いベース部の第1端部は、ヒンジ機構を用いて、細長い上部の第1端部にヒンジ結合されている。
ヒンジ機構はガイド部を具備し、そこに被ガイド要素がスライド可能にガイドされ、細長い上部の第1端部および細長いベース部の第1端部は、互いに対して移動可能である。被ガイド要素は、ガイド部内の被ガイド要素の回転を防止するために例えば多角形の非円形の外形を具備している。被ガイド要素はガイド溝を具備することが可能であり、その溝内に、ガイド部に設けられた突起が、被ガイド要素のスライド動作を制限するために係合することが可能である。そのようなガイド溝の端壁は、停止部として作用することが可能であり、そこに突起の側壁が突き当たることが可能である。
好適に、細長い上部の第1端部および細長いベース部の第1端部は、細長いベース部の長手方向に略直交した方向において、互いに対して移動可能である。代替として、両方の端部は、細長いベース部の長手方向に対して傾斜した方向において、移動可能とされ得る。さらに、被ガイド要素を、少なくとも部分的に湾曲した経路上でガイドすることが可能である。
被ガイド要素は、第1端部と第2端部とが互いに最も接近した退避位置と、展開位置と、の間で移動可能であり、被ガイド要素は、付勢手段を用いて退避位置に向かって付勢されることが可能である。
付勢手段は、被ガイド要素の凹部内に収容され且つガイド部の当接部と協働するバネとすることが可能であり、付勢手段は、展開位置に向かった被ガイド要素の動作の際に圧縮される。
被ガイド要素は、ヒンジ軸の周りに被支持要素をヒンジ的に支持するための支持部を具備し、被支持要素は、細長いベース部または細長い上部とすることが可能である。
スキーキャリアは、ヒンジ軸の周りに被支持要素を付勢するために、被支持要素に付勢力をかけるための、好適にバネである付勢要素をさらに具備することが可能である。
付勢要素は、その第1セクションにおいて力を伝達し且つスライドするようにガイド部の支持面に支持されることが可能であり、その第2セクションにおいて力を伝達するように被支持要素に接続されることが可能であり、被ガイド要素によって付勢要素から受けた力は、最小化される。
付勢要素は、ヒンジ軸の周りに巻かれたねじりバネとすることが可能であり、ガイド部内にスライド可能に収容された第1自由端部と、被支持要素に固定的に連結された第2端部と、を具備することが可能である。好適に、ねじりバネの第1自由端部は、被ガイド要素と接触していない。そのために、ガイド部は分離されたチャンバを具備することが可能であり、そのうちの一方は被ガイド要素をガイドするため、およびもう一方は第1自由端部をガイドするためである。これにより、バネ力はガイド部に直接伝達され、被ガイド要素には伝達されず、これによりガイド部に対する被ガイド要素の歪曲の減少を導いている。結果的に、ガイド部内の被ガイド要素のスライド性は、増強される。
本主題の第5態様によれば、自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプが提供され、このスキーキャリアクランプは、細長いベース部、および細長い上部を具備し、細長いベース部の第1端部は、ヒンジ機構を用いて細長い上部の第1端部にヒンジ結合されている。
好適に、ヒンジ機構は、本主題による他の態様に関連した、前述のヒンジ機構である。
細長いベース部の第2端部は、ロック機構を用いて細長い上部の第2端部に解除可能にロック可能とされることが可能である。好適に、ロック機構は、その連結部において直接力を伝達するために、細長いベース部および細長い上部の一方に固定的に連結された可撓性ロックワイヤを具備している。好適に、可撓性ロックワイヤは、可撓性クランプ部材が担持された細長いベース部または細長い上部の一部に直接取り付けられている。そのような部分は、押出アルミニウムプロファイルとすることが可能である。さらに、可撓性ロックワイヤは、その係合部において細長い上部および細長いベース部のそれぞれの他の一方のロック部と係合可能である。
可撓性ロックワイヤは、ロックバネとすることが可能であり、予備負荷されて、ロック方向に係合部を付勢している。したがって、ロックワイヤは2つの機能、すなわちロック機能およびバネ機能を備えることが可能である。
ロック部は、係合部を収容するための1つまたは複数の凹部を具備することが可能である。さらに、ロック部は好適に金属製であり、細長いベース部および細長い上部のそれぞれに直接取り付けられることが可能である。このことはロック部から、ロック部が連結された部分への直接的な力の伝達を可能にしている。したがって、スキーキャリアクランプがロックされた場合、細長い上部と細長いベース部との間の力は、好適に金属要素である強固な要素を介して伝達され、その要素は、全体的な構造を衝突状態においてより強く抵抗させ、例えば許容重量の120%を積載されたスキーキャリアクランプが、30km/hの速度において変形可能な障壁に対して衝突させられるDIN標準による、より厳しい標準試験を合格することが可能である。この構造を伴って、許容されていない、積載された器材の脱落が、前述の試験状態の下で防止されることが可能であり、スキーキャリアクランプが自動車積載安全試験において高い要求を満たすことを可能にしている。
スキーキャリアクランプは、係合解除方向に係合部を移動させるための解除部材をさらに具備することが可能である。解除部材は、軸の周りに回転可能に配置されることが可能であり、ロックワイヤは、そのコイル部において軸の周りに巻かれることが可能である。
解除部材は、少なくとも部分的に可撓性ワイヤを支持した支持セクションをさらに具備することが可能であり、支持セクションは、軸から径方向に延びており、可撓性ワイヤは、コイル部と係合部との間で少なくとも部分的に支持されることが可能である。好適に、支持セクションは、可撓性ワイヤを収容するための溝を具備している。
細長いベース部および細長い上部は中空プロファイルを具備することが可能であり、連結部は、中空プロファイルの1つの内壁に対して、好適に少なくとも20mmを越える長さで固定的に保持されることが可能である。
さらに、スキーキャリアクランプには、これまでに記載されたスキーキャリアクランプによる構造、および前述のヒンジ機構を具備した構造が設けられている。
本主題のさらなる態様によれば、自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプが開示され、スキーキャリアクランプは、細長いベース部であって、この細長いベース部の長手方向に延びた第1可撓性クランプ部材を担持した細長いベース部と、細長い上部であって、この細長い上部の長手方向に延びた第2可撓性クランプ部材を備えた細長い上部と、を具備している。細長い上部は、細長いベース部に移動可能に連結され、第2可撓性クランプ部材は、第1可撓性クランプ部材に対して移動可能である。第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材の各々は、重複部および非重複部を具備することが可能である。重複部は、細長いベース部および細長い上部を互いに向かって移動させた場合、互いに横向きに通過することが可能であるように配置されることが可能である。
重複部および非重複部は、第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材の各々の対向した側に配置されている。
第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材の非重複部は、互いから離れるように向けられた、第1可撓性クランプ部材および第2可撓性クランプ部材の側に配置されることが可能である。
以下において、本主題の異なった実施形態が記載される。図は、以下に説明されるように、異なった実施形態を示している。しかしながら、本主題は、以下に説明されるように、実施形態に限定されるものではない。むしろ、図示されていないが記載から特定される代替の改良が、本主題の範囲の一部も形成している。以下の実施形態において、異なった態様または実施形態が記載されているが、同じ参照符号は、図中では同じ部品を示すように使用されている。
図1は、下側クランプ部としても参照され得る細長いベース部2、および上側クランプ部としても参照され得る細長い上部4、を具備したスキーキャリアクランプ1の全体構造を示している。両方の部品または部分は、ヒンジ機構6を用いて互いに接続されており、細長い上部4は、細長いベース部2に対して移動可能である。より詳細には、細長いベース部2は、その第1端部21においてヒンジ機構6に接続され、細長い上部4は、その第1端部41においてヒンジ機構6に接続されている。これにより、細長い上部4は、細長いベース部2に対してヒンジ接続的に配置され、図1において矢印Aを用いて例示されたようなヒンジ軸hの周りの回転動作を実行することが可能である。したがって、細長い上部4は、スキーキャリアクランプ1が開放され得る状態、およびスキーキャリアクランプ1が閉鎖され得る状態に移動されることが可能である。図1において、スキーキャリアクランプ1の閉鎖された状態が示されている。
スキーキャリアクランプ1の、ヒンジ機構6が設けられた側と反対側において、ロック機構7が、細長いベース部2の第2端部22と細長い上部4の第2端部42とのそれぞれを解除可能にロックするために設けられている。したがって、スキーキャリアクランプ1は、図1に示されたような閉鎖状態でロックされることが可能である。
本構成によるロック機構7は操作部材72を具備し、この場合においては、それは操作押しボタンである。操作部材72が押された場合、ロック機構7は解除され、細長い上部4の移動が可能になる。しかしながら、ロック機構は、操作部材として押しボタンを使用する構造に限定されない。その代わりとして、ロック機構のロックを解除することが可能である限り、他の操作部材を使用することが可能である。一例としては、操作部材は、ロックを解除するために操作部材が引っ張られる構成とともに実現され得る。
さらに図1に示されているように、2つの搭載部26がスキーキャリアクランプ1の下側に設けられている。搭載部26は、スキーキャリアクランプ1を自動車用ルーフキャリア(図示略)のクロスバー上に搭載するために設けられている。搭載部26は、例えば少なくとも部分的にクロスバーの外部輪郭に倣った形状のような、自動車用ルーフキャリアのクロスバーに強固に固定することが可能な形状を有することが可能である。さらに、搭載部26は、自動車のルーフとスキーキャリアクランプ1との間により多くの距離を設けるために特別な高さを有することが可能であり、これによりスキーキャリアクランプ1によって輸送されるウィンタースポーツ器材と、自動車のルーフと、の間の接触を回避しており、これは自動車のルーフへの損傷を回避し、自動車のルーフに面した、バインディングを備えたスキーまたはスノーボードの輸送を可能にするためである。搭載部は、以下に記載されたように、実施形態に関して必要ではないが、スキーキャリアクランプ1の追加の有用性と同じく使用され得る。
第1実施形態
第1実施形態によれば、スキーキャリアクランプ1は、図1に関して前述されたようなスキーキャリアクランプに類似して、細長いベース部として具現化された下側クランプ部2、および細長い上部として具現化された上側クランプ部4を具備して提供されている。図1において、ヒンジ機構6は、ヒンジ軸hの周りの細長い上部4の回転動作を可能とするように示されている。しかしながら、第1実施形態に関しては、ヒンジ機構の構造は不可欠でなく、異なった機構が、細長いベース部2に対して細長い上部4の動作を可能にするために使用されることが可能である。
第1実施形態によるスキーキャリアクランプ1においては、細長いベース部2および細長い上部4には、個々に可撓性のクランプ部材3および5が設けられている。第1可撓性クランプ部材3は、細長いベース部2に設けられ、その上に輸送されるウィンタースポーツ器材が支持され得るサポートとして寄与する。スキーキャリアクランプ1内にウィンタースポーツ器材を固定するために、細長い上部4は細長いベース部材2の方向に下向きに押圧され、輸送されるウィンタースポーツ器材は、細長い上部4の下側に搭載された第2可撓性クランプ部材5によって、上から接触される。これにより、ウィンタースポーツ器材は、第1可撓性クランプ部材3と第2可撓性クランプ部材5との間に固定的にクランプされ且つ保持される。
第1実施形態によるスキーキャリアクランプの基本概念は、第1可撓性クランプ部材3および第2可撓性クランプ部材5が配置され、それらの少なくとも一部が、細長いベース部および細長い上部を互いに向かって移動させる際に、互いに横方向に通過することが可能とすることに属する。このことは、図4、図5、図6、図7、図8、図13、および図14に示されたような異なった方法において達成されることが可能である。
図4〜図8は、可撓性クランプ部材3を担持した細長いベース部2および可撓性クランプ部材5を担持した細長い上部4のプロファイルの例示的な外形を概略的に示しており、スキーキャリアクランプ1の長手方向に直交した方向の断面が見られている。
図4は、可撓性クランプ部材が長方形の形状であり、原則的に同一方向である構成を示している。両方の可撓性クランプ部材3、5は、図4の垂直の破線により示されたような、スキーキャリアクランプ1の長手方向に延びた中立面Mに対してオフセットされている。この実施形態においては、可撓性クランプ部材3、5は同量だけオフセットされており、このことは、それらと中立面Mとの間の距離が、略同一であることを意味している。この構成により、可撓性クランプ部材は、図4に示されたように、互いに横方向に通過することが可能であり、可撓性クランプ部材の一部は、すでに互いに水平に隣接して配置されている。これにより、輸送される器材が可撓性部材の間に配置されていない場合に、細長い上部4および細長いベース部2を互いに閉じることが可能である。したがって、スキーキャリアクランプの高さは、先行技術のスキーキャリアクランプに比較して、積荷が無い状態において大幅に減少されることが可能である。
図4を参照すると、ある特別な形状に関する少なくとも部分的に横方向に通過した可撓性クランプ部材の能力に対する代替の定義が記載されている。すなわち、第1可撓性クランプ部材2はおよび第2可撓性クランプ部材4は、重複部3i、5i、および非重複部3j、5jを備えるように記載され、重複部3i、5iは、細長いベース部2および細長い上部4が互いに向かって移動した場合に、互いに横方向に通過するように配置されることが可能である。そのような定義は、例えば図4〜図8に示されたような可撓性クランプ部材の単純な形状を可能とする。好適に、各可撓性部材の重複部および非重複部は、各第1および第2可撓性クランプ部材3、5の対向した側に配置されている。好適な改造によれば、第1および第2可撓性クランプ部材3、5の非重複部3j、5jは、第1および第2可撓性クランプ部材3、5の互いから離れるように向けられた側に配置されている。言い換えると、側面から見た場合、可撓性クランプ部材は、各可撓性クランプ部材の一側のみが、他の可撓性クランプ部材によって遮られ、横方向の他側、すなわち非重複部は、スキーキャリアクランプの各側から見た場合、見えている。
図5は、可撓性クランプ部材3、5の代替構成を示しており、その構成では、積載されていない状態においてスキーキャリアクランプ1を閉じる際に、同じ部分が互いに横方向に通過する。この改造において、可撓性クランプ部材3、5は三角形状であり、それぞれの最高部は可撓性クランプ部材3、5の側端に配置され、それらの傾斜面は互いに向かって面している。さらに、可撓性クランプ部材3、5は、細長いベース部2および細長い上部4が互いに閉鎖された場合に、それらの傾斜面が互いに接触し得るように配置されている。したがって、スキーキャリアクランプ1が積載されていない状態にあり、可撓性クランプ部材の一部が互いに横方向に通過し得る場合、上側クランプ部材4を下側クランプ部材2により近づけることが可能である。
図6は、可撓性クランプ部材3、5の別の可能な構成を示しており、その構成では、図5に示された改造に対して、互いに向かって面した傾斜面は、実質的に直線ではなく、湾曲して形成されている。図示された改造においては、傾斜面は、可撓性クランプ部材の側方端面において、すなわち可撓性クランプ部材3、5が中立面Mに平行な方向において最大高さ寸法を具備した位置における傾斜面の傾斜と比較して、可撓性クランプ部材3、5の中間部、すなわちスキーキャリアクランプ1の中立面Mにおいてより大きな傾斜を有するS字形状を具備するように記載されることが可能である。
すべての実施形態および改造において、可撓性クランプ部材3、5の側方外壁は、中立面Mに対して略平行に、すなわち細長いベース部または細長い上部のそれぞれに対して略直交して延びた壁を具備している。側方外壁は、傾斜したまたは湾曲形状も有することも可能である。例えば、図示されていないが、可撓性クランプ部材3、5の外壁は、横方向外向きに膨らみ得る。側方外壁の形状は、可撓性クランプ部材の特別な変形を達成するために、適切に選択されることが可能である。例えば、可撓性クランプ部材が、それらがクランプ作用によって圧縮される場合に特別な方法において潰れることを目的とされている場合、外壁の形状は、変形挙動への影響を有する。
図7は、可撓性クランプ部材3、5のさらなる代替構成を示している。より詳細には、図7に示されたように、可撓性クランプ部材3、5は先端を切り取った三角形の形状であり、図5に示された三角形状と比較して、頂点が切除されている。これにより、支持面は、細長いベース部2および細長い上部4が横方向に広がった方向に略平行に、且つ中立面Mに対して略直交して延びた、各可撓性クランプ部材3、5のそれぞれに設けられている。
図8は可撓性クランプ部材3、5の別の構成を示しており、その構成では、両方の可撓性クランプ部材は円錐形状を具備している。
図9および図10は、可撓性クランプ部材3、5の別の例示的構成を示した斜視図である。両方の可撓性クランプ部材は押出ゴムプロファイルであり、可撓性クランプ部材の多くの部分が互いに横方向に通過することが可能であるといった、前述の効果を達成することが可能な外部輪郭を具備している。細長いベース部2および細長い上部4の可撓性クランプ部材の配列に関しては、図13および図14に参照されており、それらの各図は、それぞれ第1および第2可撓性クランプ部材3、5を担持した細長いベース部2および細長い上部4を具備したスキーキャリアクランプ1の断面を示している。
図11は例示的な細長い上部4を示しており、そこには第2可撓性クランプ部材が搭載され得る。細長い上部4は押出アルミニウムプロファイルであり、2つの凹部44を具備し、そこには図9に示されたような第2可撓性クランプ部材5が挿入されることが可能である。
図12は例示的な細長いベース部2を示しており、そこには図10に示されたような第1可撓性クランプ部材2が搭載可能である。図12に示されたような細長いベース部2の特別な構造は、第1実施形態に関して重要ではないが、必要であれば適切に使用されることが可能である。図12に示されたような細長いベース部2の特別な構造は、第2実施形態に関連して後述される。
図13および図14は、スキーキャリアクランプの長手方向に略直交した方向における、前述の可撓性クランプ部材3、5を具備したスキーキャリアクランプ1の断面を示している。より詳細には、図13および図14に示された部品は、第1可撓性クランプ部材3を担持した細長いベース部2、および第2可撓性クランプ部材5を担持した細長い上部4である。全体的に、各可撓性部材はベース部3a、5aを備え、これらは個々の細長い部材、すなわち細長いベース部2または細長い上部4と接触するように形成されている。好適に、個々の可撓性クランプ部材3、5のベース部3a、5aは、細長いベース部2および細長い上部4への正確な固定を可能にするように特に構成されることが可能である。その目的のために、ベース部は、細長いベース部もしくは細長い上部に設けられた凹部と係合可能な突起を具備しているか、またはクランプ部材が凹部を具備し、そこに細長いベース部もしくは細長い上部に設けられた突起が係合することが可能である。必要であれば、可撓性クランプ部材を細長いベース部および細長い上部に固定的に接合することも可能である。
可撓性クランプ部材は、細長いベース部2および細長い上部4のそれぞれから離れる方向に、第1および第2ベース部3a、5aから突出した第1および第2突出部3b、5bをさらに具備している。さらに、前述の効果を達成するために、細長いベース部2に担持された第1可撓性クランプ部材3と組み合わせた細長いベース部2の断面の外部輪郭は、非対称である。同じことが、細長い上部4に担持された第2可撓性クランプ部材5と組み合わせた細長い上部4の断面の外部輪郭に当てはまる。すなわち、細長いベース部および細長い上部に担持された可撓性クランプ部材と組み合わせた、細長い部品の細長いベース部2および細長い上部4のそれぞれの長手方向に直交した方向における断面の外部輪郭全体は、非対称形状である。本実施形態においては、細長い上部は対称的に設計されており、非対称形状は第2可撓性クランプ部材5の非対称に起因している。同じことが、細長いベース部2および第1可撓性クランプ部材3に当てはまる。
図13および図15に示されたように、非対称形状の要素は逆転した様式で配列され、突出部3b、5bが横方向に互いに対してオフセットされたように、両方の可撓性クランプ部材3、5が図14に示されたように互いに入れ子となることが可能である。
可撓性クランプ部材3、5は、内壁3e、5eによって離間された内部中空空間3d、5dを備えた構造を具備している。中空空間および内壁は、異なった様式で配列されることが可能であり、可撓性クランプ部材3、5の変形特性に働きかける、または積極的に影響するように配列されることが可能である。本実施形態においては、突出部3b、5bは4つの中空空間3d、5dを具備し、それらは共通の位置3i、5iで接触した4つの壁3e、5eによって離間されている。第1可撓性クランプ部材3の下壁、すなわち可撓性クランプ部材3の下部から延びた壁は、少なくともそれらの上部における壁厚よりも薄く、その上部において、壁は、共通の位置3iに接続され、図13および図14の垂直方向と同一方向の圧縮の際に、可撓性クランプ部材の潰れを促進している。突出部5bの構造は、その逆の様式において同一である。
本実施形態においては、可撓性クランプ部材3、5は、突出部3b、5bがそれぞれ他の可撓性クランプ部材2、4に接触し、それらが担持された細長い部品以外の細長い部品と接触しないように構成され且つ配置されている。
さらに、各第1および第2可撓性クランプ部材3、5の側方外壁3c、5cは、図13において略垂直な様式で延びており、わずかに湾曲した形状を具備し、各々が横方向外向きにわずかに隆起している。
前述の記載から明確なように、内壁および中空空間は、可撓性クランプ部材3、5の変形挙動に影響を与え、結果的に変形パターンを形成している。そのような変形パターンの1つが図中に示されている一方で、パターンは所望の変形を達成するために、適切に補正され得ることが理解されるべきである。
可撓性クランプ部材の外壁3c、5cに関して、自動車に搭載された場合に、向かい風を受けるそれらのうちの少なくとも1つは、例えば増大された壁厚さによって補強されることが可能である。これにより、向かい風を受ける壁が向かい風により変形されることが防止され、それにより騒音発生および風の抵抗を減少している。
第2実施形態
本主題の第2実施形態が、図12、図13、図14、および図16に関連して記載されている。スキーキャリアクランプは、図1に関連して記載されたものと全体的に同じ構造を備え、第1実施形態に関連して記載されたような有益な構造も具備することが可能である。しかしながら、第2実施形態においては、第1可撓性クランプ部材3と細長いベース部2との間の接続に、焦点が当てられている。
自動車用ルーフキャリアのクロスバー上にスキーキャリアクランプ1を搭載するために、細長いベース部を、クロスバー上に正確に固定することが可能なように設計する必要がある。言い換えると、細長いベース部は、固定手段が細長いベース部と係合されるか、または細長いベース部に設けられることが可能であるように、設計される必要がある。その目的のために、第2実施形態による細長いベース部は、固定手段、例えばネジボルト28に接続されたテンションレバー27を収容するための搭載空間を具備するように形成されている。図12に示された第2実施形態においては、細長いベース部2は搭載凹部23を具備し、その凹部は、テンションレバーが細長いベース部2に沿って延び且つネジボルト28に張力を与えた状態である退避状態において、テンションレバー27を完全に収納することが可能な寸法を具備している。退避状態にある例示的なテンションレバー27は、スキーキャリアクランプの長手方向断面においてスキーキャリアクランプの端部を示した図16に示されている。そのような構造を伴って、固定手段が設けられた領域に可撓性クランプ部材も設けることが可能である。言い換えると、搭載凹部に沿って延び且つ搭載凹部を覆った細長いベース部上に可撓性クランプ部材を使用することが可能であり、それにより可撓性クランプ部材を用いて最大支持領域を提供することが可能である。
搭載凹部23およびその内部に設けられた固定手段にアクセスするために、第2実施形態による細長いベース部2は、この実施形態においては搭載凹部23と略平行に延びた取付凹部24を具備した搭載構造を具備している。取付凹部24は、その内部に第1可撓性クランプ部材3の搭載部3fを収容するように構成されている。図13および図14に示されたように、搭載部3fは、図13の垂直方向における可撓性クランプ部材3の取り外しが不可能となるように設計されている。しかしながら、搭載部3fは弾性的に形成され、それによりヒンジ機構を設け、搭載部3fの周りの突出部3bの回転動作を可能にしている。そのために、搭載部3fは、取付凹部24の幅よりもわずかに小さい幅を有するネック部、および取付部24の幅よりも広い且つ結果的に取付凹部24を通過する搭載部3fよりもかなり幅広い寸法を有する本体部を具備した形状を、基本的に備えている。したがって、第1可撓性クランプ部材3を細長いベース部2上に搭載するために、搭載部3fは、細長いベース部2の長手方向において、取付凹部24内にスライド可能に挿入されなければならない。図13に示されたように、搭載部3fは、第1可撓性クランプ部材3の一側部に設けられており、図13では右側に設けられている。この構造のために、第1可撓性クランプ部材3の搭載部3fの周りのスイベル動作が可能であり、それはヒンジとして作用して、第1可撓性クランプ部材を、図13および図14に示された非アクセス位置と、搭載凹部23にアクセスすることが可能なアクセス位置(図示略)と、の間において移動可能としている。したがって、構造は、搭載凹部23への容易なアクセスが可能であるように設けられており、一方でそれと同時に、細長いベース部2略全長に渡る支持を提供している。言い換えると、可撓性クランプ部材の両方の長手側部にアクセス空間を設ける必要はない。
細長いベース部2上への第1可撓性クランプ部材3の追加の固定を提供するために、細長いベース部は係合手段25を具備することが可能であり、この手段に、搭載部3fに対して可撓性クランプ部材3の横方向反対側に好適に配置された、可撓性クランプ部材3の係合部3hが係合可能である。そのような係合部3hは、本実施形態においては、フック状の形状を有する突起として実施されている。フックは変形可能であり、したがって細長いベース部2に設けられた係合手段25と解除可能に係合することが可能である。係合手段25は、細長いベース部2の長手方向に形成された溝として実施されている。図13および図14は、係合部3hが係合手段25と係合し、これにより第1可撓性クランプ部材3の左側を細長いベース部2に解除可能にロックした状態を示している。
第3実施形態
本主題の第3実施形態が、図2、図3、図15、図16、および図17を参照して記載されている。
図2は、図1に関連してこれまでに記載されたような基本構造を備えた、スキーキャリアクランプ1の側面を示している。図3も、図2と同じ方向において示されたスキーキャリアクランプ1の側面を示している。図2と図3との間の差は、スキーキャリアクランプ1が以下の異なった状態を示していることである。
図2は、スキーキャリアクランプがコンパクトになった状態を示しており、図3は、スキーキャリアクランプ1が延びた状態を示している。図2に示されたスキーキャリアクランプ1の状態は、非使用状態としても参照されることが可能であり、細長い上部は、図3に示された状態と比較して、細長い上部が細長いベース部2により接近して配置された状態とされている。
図3に示されたスキーキャリアクランプの状態は、使用状態としても参照されることが可能であり、細長い上部4は、図2に示された非使用状態と比較して、細長いベース部2からより離れた位置にある。すなわち、細長い上部4と細長いベース部2との間の距離Dは、スキーキャリアクランプ1が伸長された状態、すなわち使用状態の場合により大きくなる。これに関連して、使用状態は、ウィンタースポーツ器材がスキーキャリアクランプに配置された状態として理解されることが留意される。
細長い上部4が、図2および図3に示されたような異なった位置を取ることを可能にするために、ヒンジ機構6は拡張可能に構成されている。より詳細には、ヒンジ機構6は、ガイド部61およびガイド部61内にスライド可能に収容された被ガイド要素62を具備している。図示された構造において、ガイド部61は、細長いベース部2の第1端部21において、細長いベース部2に連結されている。細長い上部4の第1端部41は、被ガイド要素62の上部において、被ガイド要素62にヒンジ結合されている。被ガイド要素62は、ガイド部61内にスライド可能に挿入され且つ保持されている。
被ガイド要素62の動作を詳細に定義および限定もするために、被ガイド要素62は、本実施形態においては略多角形状の外形を具備し、これはガイド部61に対する被ガイド要素62の回転を防止するためである。ガイド要素62はガイド溝62cも具備し、その内部に、ガイド部61に設けられた突起(図示略)が係合する。ガイド部61に対する被ガイド要素62の動作を制限するために、ガイド溝は、被ガイド要素62の外面および被ガイド要素62の下端近傍の特定の高さにおける端部のみに、部分的に形成されることが可能である。突起は、ガイド部61の特定の高さにおいて形成されることが可能である。したがって、被ガイド要素62が上向きの動作によって特定の高さに到達した場合、突起は、停止部として機能する、溝62cの端壁に対して当接する。
さらに、本構造によれば、被ガイド要素62およびガイド部61は、被ガイド要素62が、図3の矢印Cによって示された、細長いベース部2の延びた方向に略直交した方向にスライド可能に移動することが可能であるように形成されている。言い換えると、図2および図3に示されたスキーキャリアクランプを見た場合、被ガイド要素62は、略垂直方向にスライド可能に移動することが可能である。しかしながら、これに関連して、被ガイド要素62が細長いベース部2に対して略直交してガイドされることは必要ないことが理解される。被ガイド要素62は、細長いベース部2の長手方向に対して傾斜した方向に、スライド可能に移動することも可能である。被ガイド要素62の他の移動は、細長い上部4と細長いベース部2との間の距離を増大することが可能である限り、同様に可能である。したがって、被ガイド要素が直線経路ではなく少なくとも部分的に湾曲した経路に沿って移動されるように、被ガイド要素62をガイドすることも可能である。
前述のようなヒンジ機構6の構造に関して、ガイド部が被ガイド要素上に設けられた配置のような、逆配置を備えたヒンジ機構を使用することも可能である。この場合、細長いベース部2は、被ガイド要素の下部にヒンジ結合される。他の特徴が、それに対応して逆転して実施される。
これまでにすでに記載されたように、図2および図3に示されたようなスキーキャリアクランプは、2つの異なった状態を取り得る。図2に示された状態はコンパクト状態として記載されることが可能であり、この状態において、細長い上部4は、図3に示された状態と比較して、細長いベース部2により接近して配置されており、図3に示された状態は、伸長状態として記載されることが可能であり、この状態において、細長い上部4は、細長いベース部2からより大きく離れて配置されている。スキーキャリアクランプ1が後に記載された両方の状態を取ることを可能にするために、本主体のこの態様によるスキーキャリアクランプは、これまでに記載された機能を許容するように設計されたヒンジ機構6を具備している。そのために、ヒンジ機構6は、細長い上部4および細長いベース部2がそれぞれヒンジ機構6に接続された2つの支持位置の間の距離における変化を可能とするように構成されている。図3に示されたような伸長状態において、ヒンジ機構6は、細長い上部4がヒンジ結合された要素を具備していることが見られており、その要素は被ガイド要素62としても参照される。被ガイド要素62は、ヒンジ機構6のガイド部61内に収容されている。細長いベース部2は、ヒンジ機構6のガイド部61に接続されている。結果的に、ガイド部61とともに被ガイド要素62を移動させることにより、細長い上部4が被ガイド要素62に連結された支持位置は、ガイド部61に対して、結果的に細長いベース部2に対して移動可能である。
図3に示された本実施形態においては、被ガイド部材62は、細長いベース部2の延びた方向に略直交した方向に延びたガイド溝62cを具備している。言い換えると、ガイド溝62cは、図3に示されたように見た場合に、垂直方向に延びている。したがって、本実施形態においては、スキーキャリアクランプが自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載された場合、細長い上部4のヒンジ軸は、クロスバーに対して垂直に移動可能である。したがって、記載されたようなヒンジ機構6は、図2および図3の比較から直接明確なように、スキーキャリアクランプの高さ変化を可能にしている。
後者の図からも直接明確であるように、高さ変化は、自動車の走行の際に向かい風を受ける領域を変化させる結果となる。ウィンタースポーツ器材がスキーキャリアクランプにより輸送されていない場合、スキーキャリアクランプは、図2に示されたようなコンパクト状態とされ、それにより向かい風を受ける領域を減少させ、それによりスキーキャリアの風抵抗を減少させる。したがって、スキーキャリアが不使用の際に、燃料消費はこのようにして減少され、さらにより少ない風抵抗のために、騒音減少の有益な効果が存在している。
ヒンジ機構6の異なった構成は、スキーキャリアクランプが先に記載されたコンパクト状態および伸長状態を取る限り可能であることが理解される。例えば、被ガイド要素62の動作は、前述のように垂直にまたは厳密に特選でなければならないわけではない。例えば湾曲経路、または細長いベース部2に対して傾斜した経路を含んだ、他の適切な経路において被ガイド要素62の動作を可能にする、ガイド部61内の被ガイド要素62のガイドを提供することも可能である。
本実施形態によるヒンジ機構6は、図15、図16、および図17に関連して、以下により詳細に記載されている。図15は、ヒンジ機構6の主構成部品の斜視図を示している。これらの主構成部品はガイド部61を含み、この場合は、ヒンジ機構6の下側に、被ガイド要素62およびねじりバネ64が設けられている。
ガイド要素62は非円形、この場合はとりわけ前述のガイド溝62cを具備した外部輪郭を具備している。被ガイド要素62は、スライド可能且つ回転不可能にガイド部61内に収容されている。その目的のために、ガイド部61の内部輪郭は、被ガイド要素62の外部輪郭に対応した形状とされている。したがって、構造は、被ガイド要素62が、図15の略垂直方向においてガイド部61内でスライド可能に移動可能とされることを達成されている。
被ガイド要素62の上端において、支持部62bが設けられ、この支持部は原則的に2つの突起から成り、それらの各々がピン65を支持するための支持開口部を備えている。ピン65は、細長い上部4を被ガイド要素62にヒンジ結合することに寄与している。
本実施形態によるヒンジ機構は、そのコイル部64cにおいてピン65の周りに巻かれたねじりバネ64をさらに具備し、且つ2つの端部64aおよび64bを具備し、その端部を介して、バネ力は細長い上部4およびガイド部61に伝達される。本実施形態においては、ねじりバネ64は、細長い上部4に接続されたその端部64bが、図16の矢印Bの方向において細長い上部4への力を受けるように、予備負荷されている。これにより、ねじりバネ64は細長い上部4に力を負荷し、ヒンジ軸hの周りの方向に細長い上部を開くように付勢している。この構成により、細長い上部4は開位置に保持されることが可能であり、これによりスキーキャリアクランプ1に容易に積載することが可能である。そのような付勢力を細長い上部4に負荷することを可能にするために、ねじりバネ64の他端64aは正確に支持される必要がある。可能な限り被ガイド要素62への力の伝達を回避するために、ねじりバネ64の第1端部64aは、したがって、被ガイド要素62ではなく、ガイド部61に設けられた支持面61aに支持されている。この構成を伴って、被ガイド要素62に作用する力の悪影響を減少させることが可能であり、ガイド部61に対する被ガイド要素62の歪曲の減少を導いている。したがって、この構成により、ガイド部61内の被ガイド要素62の安定性が増大される。
本実施例によるヒンジ機構6のさらなる詳細は、図16および図17に示されている。図16および図17は、スキーキャリアクランプ1の端部の断面を示しており、その端部にヒンジ機構6が設けられ、その断面は、スキーキャリアクランプの長手方向に沿ったものである。図16および図17は、図示された部品の参照符号がさらに異なっており、断面は互いに対してオフセットされている。図17において、断面は被ガイド要素62のほぼ中央に配置され、図16における断面はオフセットされて、ねじりバネ64の第1端部64aの位置が見えている。
図16においては、ガイド部61内の被ガイド要素62の配列と同様に、ねじりバネ64の配列がより詳細に示されている。ガイド部61は、ガイド面61aによって一側に限定されたガイド凹部61bを具備している。本実施形態においては下側端部の、ねじりバネ64の第1端部64aは、ガイド凹部61b内に収容されている。より詳細には、第1端部64aは、凹部61b内に設けられ、凹部と凹部61bを区切った側壁との間に所定のあそびを備え、第1端部64aは、ある範囲において自由に移動する。この配置を伴って、ねじりバネ64の第1端部64aは、ガイド凹部61b内にスライド可能に保持されている。すでに述べたように、ねじりバネ64はコイル部64cを具備し、その部分においてねじりバネ64は、おイン65の周りに巻かれている。ピン65とコイル部64cとの間には空間が設けられているが、コイル部64cがピン65に直接接触する配置が可能である。これにより、ピン65はコイル部64cに力をかけることが可能になり、それにより被ガイド要素62の動作の際に、ねじりバネ64を引っ張ることが可能である。
被ガイド要素62は、図3の矢印Cで示された方向に移動可能である。図16に示された配列によれば、ねじりバネ64の動作は、被ガイド要素62の動作に連動しているので、ねじりバネ64の第1端部64aは、被ガイド要素62が移動した場合に、対応して移動する。第1端部64aは、常に凹部61b内に配置されているので、コイル部64cの中心軸回りの第1端部64aの回転動作は防止され、一方で矢印Cの方向における動作が可能である。図16にも示されたように、スライド面61aは、被ガイド要素62を収容するためのガイド部61の収容空間から凹部61bの空間を分割した分割壁61cに設けられている。したがって、ねじりバネ64の第1端部64aによって伝達された力は、ガイド部61の一部に伝達される。結果的に、ねじりバネ64を用いてかけられたおよび伝達された力は、細長い上部4およびガイド部61のそれぞれに直接伝達され、ねじりバネ64から被ガイド要素62へは、力がほとんど伝達されない。ねじりバネ64の細長い上部4への接続に関して、本実施形態においては、ねじりバネ64の第2端部64bは、細長い上部4に固定して搭載された接続ピン67の周りに巻かれている。これにより、コイルバネの配置は追加的に決定されている。
図16に示されたように、ヒンジ機構6は、被ガイド要素62の凹部62a内に設けられたバネ63を追加的に具備している。本実施形態においては、バネ63は圧縮バネであり、下向き方向に被ガイド要素62を付勢する力を提供するように配置されている。言い換えると、バネ63は、ヒンジ機構6が、さらなる力がそこに負荷されない場合、その退避状態を維持しようとするように設けられている。すでに述べられたように、退避状態は、スキーキャリアクランプの高さが最小とされ、スキーキャリアクランプの風抵抗が同様に最小化された利点を備えた状態に相当している。
バネ63の配置は、図17により詳細に示されている。図17は、被ガイド要素62および被ガイド要素62の略中央にあるガイド部61の断面を示している。図17に示されたように、ネジが凹部62a内に挿入された場合、ネジは被ガイド要素62の開口部を通過し、その下端部においてガイド部61に固定される。バネ63は、ネジシャフトを取り囲み、且つネジ頭の下端部と凹部62aの底部との間に設けられるように配置されている。結果的に、被ガイド要素62が上向きに移動された場合、バネ63は圧縮され、下向きの力を生じる。
第4実施形態
本主題の第4実施形態が、図18に関連して以下に記載されている。スキーキャリアクランプは、図1に関連して記載された構造と同じ全体構造を備えることが可能であり、他の実施形態に関連して記載されたような有利な構造を具備することも可能である。しかしながら、第4実施形態においては、細長いベース部2と細長い上部4とをロックするためのロック機構に焦点が当てられている。
第4実施形態によれば、スキーキャリアクランプ1は、細長いベース部2および細長い上部4を具備し、それらはヒンジ機構6によって第1端部21、41において互いに連結されている。ヒンジ機構6は、前述の第3実施形態に関連したように構成されることが可能である。それらの第2端部22、42において、細長いベース部2および細長い上部4は、ロック機構7を用いて互いにロック可能であり、図18により詳細に示されている。
本実施形態によるロック機構7は、ロックバネ71として実施された可撓性ロックワイヤを具備している。すなわち、本実施形態による可撓性ロックワイヤ71は2つの機能、すなわちロック機能およびバネ機能を備えている。
図18に示されたように、ロックバネ71は、連結部71aおよび係合部71bを具備している。連結部71aは、細長い上部の長手方向端部内に挿入されたインサート43と、細長い上部4の内壁と、の間に連結部をクランプすることによって細長い上部4に連結されている。連結部71aの堅固な固定を提供するために、連結部の端部は曲げられ、細長い上部4の長手方向に略直交した方向に部分的に延びることが可能である。言い換えると、連結71aの端部は、インサート43の内側端縁を部分的に取り囲むように形成され、細長い上部4の長手方向における連結部71aの動作が防止されている。連結部71aの細長い上部4への他の固定方法は、正確な固定が実現可能である限り、且つ細長い上部4からの可撓性ロックワイヤ71への直接的な力の伝達が可能である限り、可能である。
図18にも示されたように、ロックバネ71はその他端、すなわち図18の下端に係合部71bを具備している。係合部71bは曲げられており、細長い上部4および細長いベース部2の長手方向を横切って延びたセクションを具備している。係合部71bは、細長いベース部2に固定的に接続されたロック部26と係合するために設けられている。本実施形態によるロック部26は金属製であり、例えば溶接、リベット固定またはネジによって細長いベース部2に適切に連結されている。ロック部26は歯を具備し、それらの歯の間に係合凹部26aを形成している。図18に示されているように、係合部71bは両方の凹部のうちの上側の凹部と係合され、それにより細長い上部4が細長いベース部2から離れる動作を防止する接続に寄与している。
ロックバネ71はコイル部71cをさらに具備し、そこにおいてロックバネ71は軸Pの周りに巻かれている。コイル部71cは、係合部71bをロック方向、すなわちロック部26に向かう方向に付勢する予備負荷セクションとして寄与している。したがって、係合部71bは、細長い上部4が図18に示された位置に移動した場合、ロック部26の歯の間に形成された凹部と係合する。係合部71bをロック方向に付勢するための付勢力は、コイル部によって生じさせられなければならない必要は無く、ロックばねの他の適切な形状またはデザインによって、すなわちワイヤ自身の可撓性によって生じさせられることが可能であることが理解される。コイル部71cは随意的であり、改造によって省略されることが可能である。さらなる改造によれば、付勢力が、ロックバネを使用する代わりに、可撓性ロックワイヤに作用するさらなる別個の手段によって生じさせられることが可能である。
ロック機構7は、係合解除方向に係合部71bを移動させるための解除部材を形成した押ボタン72をさらに具備している。押ボタン72は、軸Pのまわりに回転可能に装着され、押ボタンは軸Pの方向に延びた回動ピン73に装着されている。回動ピン73は、ヒンジ機構7のハウジング74上に支持されることが可能であり、図1に示されたように、ハウジングは細長い上部4に接続されている。
押ボタン72は2つの支持セクション72aを具備し、押ボタン72の各側に1つが配置され、ロックワイヤ71を部分的に支持している。支持セクション72aは、図18の下向きの方向において、前述の軸Pから径方向に延びている。より詳細には、支持セクション72aは基幹セクションから突出し、そこにロックバネ71がコイル部71cにおいて巻かれ、且つ凹部を具備し、その内部にコイル部71cと係合部71bとの間のロックバネ71のセクションが支持されている。この構成を伴って、ロック解除方向に係合部71bを付勢するために、係合部71bに力を安定してかけることが可能である。
ロックワイヤ71の前述の構成を伴って、細長い上部4から細長いベース部2へとより確実に力を伝達し、スキーキャリアクランプ1のより強固なロックを導くことが可能である。このことは、そのような接続がより高い破壊力に対抗しそれによりスキーキャリアクランプがより広範囲に開くことを回避するので、衝突安全の見地から有利である。
前述のロックワイヤを使用する代わりに、連結セクション、係合セクション、支持セクション、および弾性変形可能な可撓性セクションを具備したロックシートメタルを使用することが可能である。言い換えると、必要な弾性を備えた適切なロックシートメタルによって、ワイヤを置き換えることが可能である。ロックシートメタルの連結セクションおよび係合セクションは、ロックワイヤ71の連結セクション71aおよび係合セクション71bと全体的に同じ機能を備えている。ロックシートメタルを回転可能に支持するために適切な支持ピンは、ロックシートメタルの支持セクションに連結されることが可能である。したがって、ロックシートメタルの係合セクションが支持ピンの周りに移動可能な構造が達成されている。ロックシートメタルのこの構成において、可撓性セクションは、弾性ロックシートメタルの支持セクションと連結セクションとの間に設けられ、可撓性セクションの変形が支持ピンの周りの係合セクションの動作を誘導する構成を導いている。押ボタンは、係合セクションを開方向に付勢するために、可撓性セクションに力をかけるために設けられることが可能である。他方、可撓性セクションは、十分な復元力を提供する。したがって、力が可撓性セクションから解放された場合、係合セクションは、ロック部と強固に係合することが可能なロック位置に戻る。ロックシートメタルおよび支持ピンは、一体に形成され得るか、または互いに適切に連結された別個の部品とされ得ることが理解される。さらに、ロックシートメタルは、例えばプラスチックのような別の材料に統合されることが可能であるか、またはさらなる材料がロックシートメタルに付加されて、ロックシートメタルをカバーすることが可能である。
本主題は、前述の4つの実施形態により記載されたことが理解される。各実施形態は、スキーキャリアクランプまたはスキーキャリアクランプの一部の好適な構成を記載している。しかしながら、前述のものとは異なった実施形態の特徴が適切に組み合わせられることが可能であることが理解される。より詳細には、前述の実施形態の2つ以上の特徴を組み合わせることが可能である。
本発明が、スキーまたはスノーボードのようなウィンタースポーツ装備のためのスキーキャリアおよびスキーキャリアクランプに関して開示された一方で、キャリアはスキーキャリアとして記載されているが、本発明によるキャリアは、SUP(スタンドアップパドルボード)またはサーフボードキャリアとして実行されることも可能であることが理解される。言い換えると、スキーキャリアクランプは、スノーボード、SUP、またはサーフボードキャリアクランプとしても実行されることが可能である。
開示されたように、本発明は、以下の節構造に表されたようなスキーキャリアクランプにも関連している。
1. 自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプ1であって、該スキーキャリアクランプ1は、
細長いベース部2および細長い上部4を具備し、前記細長いベース部2の第1端部21は、ヒンジ機構6を用いて前記細長い上部4の第1端部41にヒンジ結合されており、
前記ヒンジ機構6はガイド部61を具備し、該ガイド部において、被ガイド要素62はスライド可能にガイドされ、前記細長い上部4の第1端部41および前記細長いベース部2の第1端部21は、互いに対して移動可能であることを特徴とするスキーキャリアクランプ1。
2. 前記細長い上部4の第1端部41および前記細長いベース部2の第1端部21は、前記細長いベース部2の長手方向に略直交した方向において、互いに対して移動可能であることを特徴とする節1に記載のスキーキャリアクランプ1。
3. 前記被ガイド要素62は、前記第1端部41と前記第1端部21とが互いに最も接近した退避位置と、展開位置と、の間で移動可能であり、前記被ガイド要素62は、付勢手段63を用いて前記退避位置に向かって付勢されていることを特徴とする節1または2に記載のスキーキャリアクランプ1。
4. 前記付勢手段63は、前記被ガイド要素62の凹部62a内に収容され且つ前記ガイド部61の当接部と協働するバネであり、前記付勢手段は、前記展開位置に向かった前記被ガイド要素62の動作の際に圧縮されることを特徴とする節3に記載のスキーキャリアクランプ1。
5. 前記被ガイド要素62は、ヒンジ軸hの周りに被支持要素をヒンジ的に支持するための支持部62bを具備し、前記被支持要素は、前記細長いベース部2または前記細長い上部4であることを特徴とする節1〜4のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。
6. 前記ヒンジ軸hの周りに前記被支持要素を付勢するために、前記被支持要素に付勢力をかけるための、好適にバネである付勢要素64をさらに具備していることを特徴とする節5に記載のスキーキャリアクランプ1。
7. 前記付勢要素64は、その第1セクションにおいて力を伝達し且つスライドするように前記ガイド部61の支持面61aに支持されており、その第2セクションにおいて力を伝達するように前記被支持要素に接続されており、前記被ガイド要素62によって前記付勢要素64から受けた力は、最小化されることを特徴とする節6に記載のスキーキャリアクランプ1。
8. 前記付勢要素64は、前記ヒンジ軸hの周りに巻かれたねじりバネであり、前記ガイド部61内にスライド可能に収容された第1自由端部64aと、前記被支持要素に固定的に連結された第2端部64bと、を具備していることを特徴とする節7に記載のスキーキャリアクランプ1。
9. 自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプ1であって、該スキーキャリアクランプ1は、
細長いベース部2および細長い上部4を具備し、前記細長いベース部2の第1端部21は、ヒンジ機構6を用いて前記細長い上部4の第1端部41にヒンジ結合されており、前記ヒンジ機構は、好適に節1〜8のいずれか一節に記載のヒンジ機構であり、前記細長いベース部2の第2端部22は、ロック機構7を用いて前記細長い上部4の第2端部42に解除可能にロック可能とされており、
前記ロック機構7は、その連結部71aにおいて直接力を伝達するために、前記細長いベース部2および前記細長い上部4の一方に固定的に連結された可撓性ロックワイヤ71を具備し、および該ロック機構の係合部71bにおいて前記細長い上部4および前記細長いベース部2の他の一方のロック部26と係合可能であることを特徴とするスキーキャリアクランプ1。
10. 前記可撓性ロックワイヤはロックバネであり、予備負荷されて、ロック方向に前記係合部71bを付勢していることを特徴とする節9に記載のスキーキャリアクランプ1。
11. 前記ロック部26は、前記係合部71bを収容するための1つまたは複数の凹部26aを具備し、前記ロック部は好適に金属製であり、前記細長いベース部2および前記細長い上部4のそれぞれに好適に直接取り付けられていることを特徴とする節9または10に記載のスキーキャリアクランプ1。
12. 係合解除方向に前記係合部71bを移動させるための解除部材72をさらに具備し、前記解除部材72は、軸pの周りに回転可能に配置され、前記ロックワイヤ71は、そのコイル部71cにおいて前記軸pの周りに巻かれていることを特徴とする節9〜11のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。
13. 前記解除部材72は、少なくとも部分的に前記可撓性ワイヤ71を支持した支持セクション72aをさらに具備し、該支持セクション72aは、前記軸pから径方向に延びており、前記可撓性ワイヤ71は、前記コイル部71cと前記係合部71bとの間で少なくとも部分的に支持されており、前記支持セクション72aは、前記可撓性ワイヤ71を収容するための溝を好適に具備していることを特徴とする節12に記載のスキーキャリアクランプ1。
14. 前記細長いベース部2および前記細長い上部4は中空プロファイルであり、前記連結部71aは、前記中空プロファイルの1つの内壁に対して、好適に少なくとも20mmを越える長さで固定的に保持されていることを特徴とする節13に記載のスキーキャリアクランプ1。
15. 節1〜8のいずれか一節に記載されたヒンジ機構6を具備していることを特徴とする節9〜14のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。
さらに、本発明は、以下の設構造に記載されたようなスキーキャリアクランプに関連している。
A) 自動車用ルーフキャリアのクロスバー上に搭載可能なスキーキャリアクランプ1であって、該スキーキャリアクランプ1は、
細長いベース部2であって、該細長いベース部2の長手方向に延びた第1可撓性クランプ部材3を担持した細長いベース部2と、
細長い上部4であって、該細長い上部4の長手方向に延びた第2可撓性クランプ部材5を備えた細長い上部4と、を具備し、
前記細長い上部4は、前記細長いベース部2に移動可能に連結され、前記第2可撓性クランプ部材5は、前記第1可撓性クランプ部材3に対して移動可能であり、前記第1可撓性クランプ部材3および前記第2可撓性クランプ部材5は、それらの少なくとも一部が、前記細長いベース部2および前記細長い上部4を互いに向かって移動させた場合、互いに横向きに通過することが可能であるように配置されていることを特徴とするスキーキャリアクランプ1。
B) 前記第1可撓性クランプ部材3および/または前記第2可撓性クランプ部材5の多くの部分は、それぞれ前記細長いベース部2および前記細長い上部3の横断方向にオフセットされていることを特徴とする節A)に記載のスキーキャリアクランプ1。
C) 担持された個々の細長い部材2、4と組み合わされた、前記可撓性クランプ部材3、5のうちの少なくとも1つの長手方向に直交した方向における断面の全体的な外部輪郭は、好適に前記可撓性クランプ部材3、5の非対称性に起因した非対称形状を有することを特徴とする節A)またはB)に記載のスキーキャリアクランプ1。
D) 前記第1可撓性クランプ部材3は、前記細長いベース部2に接触するように形成された第1ベース部3aと、該第1ベース部3a上に配置され且つそこから突出した第1突出部3bと、を具備し、且つ/または前記第2可撓性クランプ部材5は、前記細長い上部4に接触するように形成された第2ベース部5aと、該第2ベース部5a上に配置され且つそこから突出した第2突出部5bと、を具備していることを特徴とする節A)〜C)のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。
E) 前記第1突出部3bおよび/または前記第2突出部5bは、それぞれ前記細長いベース部2および前記細長い上部4の側端の領域に設けられた側方外壁3c、5cを具備し、該側方外壁3c、5cは、それぞれ前記第1ベース部3aおよび前記第2ベース部5aの広がった方向に対して略直交して好適に延び、個々の前記可撓性クランプ部材3、5の他の壁よりも大きい壁厚さを好適に具備していることを特徴とする節D)に記載のスキーキャリアクランプ1。
F) 前記第1突出部3bおよび前記第2突出部5bは、類似した形状を有して形成され、好適に先端を切り取った三角形状を有する断面、円錐台断面、または一般的に三角形断面を好適に備えていることを特徴とする節D)またはE)に記載のスキーキャリアクランプ1。
G) 前記第1可撓性クランプ部材3および前記第2可撓性クランプ部材5は、逆転した様式でそれぞれ前記細長いベース部2および前記細長い上部4上に配置されていることを特徴とする節F)に記載のスキーキャリアクランプ1。
H) 少なくとも1つの前記突出部3b、5bは、断面において少なくとも2つの中空空間3d、5dおよび該中空空間3d、5dを離間した少なくとも1つの内壁3e、5eを具備した内部構造を具備していることを特徴とする節A)〜G)のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。
I) 前記少なくとも1つの内壁3e、5eおよび前記中空空間3e、5dは、前記突出部3b、5bが、前記ベース部3a、5aに略直交した方向に圧縮された場合に、前記突出部3b、5bの側方外壁3c、5cが横方向外向きに隆起することが可能な変形パターンを形成していることを特徴とする節H)に記載のスキーキャリアクランプ1。
J) スキーキャリアクランプ1のための細長いベース部2であって、該細長いベース部2は、前記細長いベース部2を自動車用ルーフキャリアのクロスバーに搭載するための搭載手段を収容するための搭載凹部23と、前記細長いベース部2に第1可撓性クランプ部材3を連結するための搭載構造24と、を具備し、前記第1可撓性クランプ部材3は、前記第1可撓性クランプ部材3が前記搭載凹部23へのアクセスを妨害した非アクセス位置と、前記搭載凹部23へのアクセスが可能なアクセス位置と、の間で移動可能であることを特徴とする細長いベース部2。
K) 前記搭載構造は、前記第1可撓性クランプ部材3の搭載部3fを前記細長いベース部2に固定的に連結するための取付凹部24を具備し、該取付凹部24は、前記細長いベース部2の長手方向に好適に延びていることを特徴とする節J)に記載の細長いベース部2。
L) 前記第1可撓性クランプ部材3は、その搭載部3fにおいて前記細長いベース部2に好適に回動結合としてヒンジ結合されており、前記非アクセス位置から前記アクセス位置へと、前記搭載部3fの周りのスイベル動作によって移動可能であることを特徴とする節J)またはK)に記載の細長いベース部2。
M) 前記第1可撓性クランプ部材3は、前記使用位置から前記搭載位置への移動の際に、好適に少なくともその変形部3gにおいて少なくとも部分的に柔軟に変形され、前記変形部3gは、前記第1可撓性クランプ部材3の動作を決定することが可能であることを特徴とする節L)に記載の細長いベース部2。
N) 前記第1可撓性クランプ部材3は、前記細長いベース部2の係合手段25と解除可能に係合可能な係合部3hをさらに具備し、該係合部3hは係合フックとして好適に形成され、前記係合手段25は、前記係合部3hをロックするように受容可能な係合凹部として好適に形成されていることを特徴とする節L)に記載の細長いベース部2。
O) 節J)〜N)のいずれか一節に記載の細長いベース部2を具備した、節A)〜I)のいずれか一節に記載のスキーキャリアクランプ1。