JP6552337B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、省エネルギーやコストメリットの観点からトナーの低消費量化が求められており、その達成手段の一つとして、トナーの高着色力化が強く求められている。
これらの要求に対して、例えば、特許文献1では、懸濁重合法又は溶解懸濁法によりトナーを製造することで、トナーの保存性を改良した技術が開示されている。
また、例えば、特許文献2では、イソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂を用いることで保存性に優れたトナーを提供できることが開示されている。
したがって、本発明は、懸濁重合法又は溶解懸濁法を用いたトナーの製造方法であって、保存性に優れ、かつ着色力に優れたトナーの製造方法及びトナーを提供することにある。
重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を含有するトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該重量性単量体を重合してトナー粒子を得る工程を含むトナーの製造方法であって、
該重合性単量体が、ビニル系重合性単量体であり、
該低分子量樹脂が、スチレン系共重合体であり、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、8000以上30000以下であり、
該スチレン系共重合体のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、2500以上6000以下であることを特徴とする、トナーの製造方法である。
本発明のトナーの製造方法(以下単に、製造方法ともいう)は、
(i)重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を含有するトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該重量性単量体を重合する工程を含むトナーの製造方法、又は、
(ii)結着樹脂、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を有機溶媒に溶解又は分散して得られるトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該有機溶媒を除去する工程を含むトナーの製造方法であって、
該ポリエステル樹脂Aが、上記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、8000以上30000以下であり、
該低分子量樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、2500以上6000以下であることを特徴とする。
本発明の製造方法を用いることで、保存性に優れ、かつ着色力に優れたトナーを提供することができる。
前述のトナーの着色力の低下は、溶媒の減少による顔料の凝集によるものと考えている。すなわち、上記ポリエステル樹脂Aはイソソルビドユニットを含まないポリエステル樹
脂に比べ親水性が高く、疎水性溶媒に溶解させようとするとより多くの溶媒を必要とする。そのため、顔料を分散させるための溶媒が減少した場合、顔料同士が接近する。
顔料同士の接近によりポリエステル樹脂Aが顔料間から排除され、顔料間にポリエステル樹脂Aが枯渇した領域が発生する。その結果、顔料間に浸透圧が働くことで顔料の凝集を引き起こし、着色力が低下すると考えている(いわゆる枯渇凝集)。
つまり、溶媒が少ない状態においても顔料の凝集を発生させないことが着色力の向上に繋がると考えられる。そのためには、溶媒の減少で顔料間からポリエステル樹脂Aが排除された場合においても、顔料間に存在でき、顔料の凝集を抑制することができる、溶媒に対する親和性の高い低分子量樹脂が溶媒中に存在するとよい。これにより、溶媒の少ない状態においても顔料の凝集を防ぎ、トナーの製造過程において顔料の分散状態を保つことで着色力が向上する。
また、該ポリエステル樹脂Aのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)は、8000以上30000以下である。
該ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、良好な保存性が得られ、さらには着色力が向上する。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が8000以上の場合、トナーの表面にポリエステル樹脂Aをより偏在させることができ、均一なシェルの形成を制御できる。その結果、トナーの保存性が良化する。
一方、ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が30000以下の場合、溶媒の減少で顔料間からポリエステル樹脂Aが排除された場合においても、低分子量樹脂が効果的に枯渇凝集を抑制する。その結果、着色力が向上する。
なお、該ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、8000以上20000以下であることが好ましい。
低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、溶媒の減少で顔料間からポリエステル樹脂Aが排除された場合においても、低分子量樹脂が顔料間に存在することで顔料の凝集を抑制することができる。その結果、着色力が向上する。
なお、該低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000以上6000以下であることが好ましい。
(i)重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を含有するトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該重量性単量体を重合する工程を含むトナーの製造方法(いわゆる、懸濁重合法ともいう)。
又は、
(ii)結着樹脂、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を有機溶媒に溶解又は分散して得られるトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該有機溶媒を除去する工程を含むトナーの製造方法(いわゆる、溶解懸濁法ともいう)。
また、本発明のトナーは、下記(iii)又は(iv)のトナーである。
(iii)重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を含有するトナー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該トナー組成物の該粒子に含まれる該重量性単量
体を重合することにより得られるトナー。
又は、
(iv)結着樹脂、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を有機溶媒に溶解又は分散して得られるトナー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該トナー組成物の該粒子に含まれる該有機溶媒を除去することにより得られるトナー。
該ポリエステル樹脂Aは水系媒体との相互作用性が高い。そのため、上記のように、水系媒体中でトナー組成物の粒子を形成すると、ポリエステル樹脂Aの相分離性がより効果的に発現される。その結果、ポリエステル樹脂Aをより選択的にトナー表面に存在させることが可能となり、保存性が良化する。さらには、低分子量樹脂が顔料の凝集を抑制するため、着色力が向上する。
該イソソルビドユニットの含有割合が0.10mol%以上の場合、ポリエステル樹脂Aは、イソソルビドユニットに起因する親水性により、トナー表面に存在することが可能となる。その結果、トナーの保存性が良化する。
一方、通常、該イソソルビドユニットの含有割合が多いほど、溶解性が低下し、トナーの着色力が低下する。しかしながら、該イソソルビドユニットの含有割合が20.00mol%以下の場合、有機溶媒を除去する工程又は重量性単量体を重合する工程における、溶媒又は溶媒として機能する重合性単量体が減少していく過程においても、顔料の枯渇凝集が低分子量樹脂により十分に抑制されるため、着色力が向上する。
該イソソルビドユニットの含有割合は、ポリエステル樹脂Aを製造する際のイソソルビドモノマーの添加量を調整することにより制御できる。
ポリエステル樹脂Aの溶解性パラメータ(SP値;単位は(cal/cm3)1/2)をSP(A)とし、
低分子量樹脂の溶解性パラメータをSP(B)とし、
重合性単量体、又は結着樹脂の溶解性パラメータをSP(C)としたとき、
下記式(2)及び(3)を満たすことが好ましい。
|SP(B)−SP(C)|≦0.30 ・・・(2)
0.70≦|SP(A)−SP(C)|≦1.10 ・・・(3)
ここで、上記式(2)を満たす場合には、低分子量樹脂が、重合性単量体又は結着樹脂に適度に溶解又は相溶するため、枯渇凝集による顔料の凝集をより抑制することができる。その結果、着色力がより向上する。
また、上記式(3)を満たす場合には、ポリエステル樹脂Aと重合性単量体又は結着樹脂との相分離性がより適度なものとなる。
すなわち、|SP(A)−SP(C)|≧0.70の場合、ポリエステル樹脂Aの親水性により、ポリエステル樹脂Aがトナー表面に存在することで重合性単量体又は結着樹脂の遮蔽性がさらに良化し、トナーの保存性が良化する。
一方、|SP(A)−SP(C)|≦1.10の場合、ポリエステル樹脂Aと重合性単量体又は結着樹脂が適度に溶解又は相溶するため、枯渇凝集による顔料の凝集をより抑制することができる。その結果、着色力が向上する。
本発明においては、0.80≦|SP(A)−SP(C)|≦1.10、を満たすことがより好ましい。
本発明において、SP(A)は、7.00以上13.50以下であることが好ましく、8.00以上12.00以下であることがより好ましい。
また、SP(B)は、8.00以上12.00以下であることが好ましく、8.50以上11.00以下であることがより好ましい。
一方、SP(C)は、8.00以上12.00以下であることが好ましく、8.50以上11.00以下であることがより好ましい。
なお、各樹脂の溶解性パラメータ(SP値)は、該樹脂を構成する単量体の物性で制御することが可能である。また、SP値は、Fedorsの方法により算出することができる。具体的には、ポリマーエンジニアリングアンドサイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に詳しく記載されており、下記式によりSP値を算出することができる。
式:SP値[単位:(cal/cm3)1/2]=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:各々の原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:各々の原子又は原子団のモル体積)
好ましい製造方法としては、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物を用いた脱水縮合反応である。
具体的には、ジカルボン酸又はその無水物(モノマー)と、下記式(4)で示されるイソソルビド及び二価のアルコール(モノマー)とを、窒素雰囲気中、180〜260℃の反応温度で脱水縮合する方法が挙げられる。また、本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて三価以上の多塩基酸又はその無水物、一塩基酸、三価以上のアルコール、一価のアルコールなどを用いることも可能である。
また、全モノマー成分中、43〜57mol%がアルコールモノマーであり、43〜57mol%が酸モノマーであることが好ましい。
ラメチレングリコールのような脂肪族系のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのようなビスフェノールA類が挙げられる。
それらの中でも特に、ビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルを酸成分として、これらを縮重合して得られるポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
また、本発明において、ポリエステル樹脂Aと共に、従来公知のポリエステル樹脂を併用してもよい。
なお、ポリエステル樹脂Aの酸価は、重合時のモノマー組成比などによって制御可能である。
具体的には、以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン
樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など。
なお、上記低分子量樹脂は単独又は混合して使用できる。
該低分子量樹脂の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上75.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上50.0質量部以下であることがより好ましい。
低分子量樹脂の含有量が上記範囲内であれば、ポリエステル樹脂Aによる枯渇凝集に対し、低分子量樹脂が顔料の凝集をより抑制することができる。その結果、着色力がより向上する。
(i)懸濁重合法の具体的手順は、以下の通りである。
まず、重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂、並びに、必要に応じて、離型剤及びその他の添加剤を混合し、撹拌機などによって均一に溶解又は分散して、トナー組成物を作製する。
得られたトナー組成物を、分散剤を含有する水系媒体中に添加し、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を使用して分散し、水系媒体中でトナー組成物の粒子を形成する。
そして、該粒子に含まれる重合性単量体を光や熱により重合する。重合によって得られた粒子は、ろ過、洗浄、乾燥工程などを経てトナーとするとよい。
該懸濁重合法で製造する場合には、重合開始剤を用いてもよく、重合性単量体中にその他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中でトナー組成物の粒子を形成する直前に混合してもよい。また、粒子の形成直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
本発明において、単官能性重合性単量体を単独若しくは2種以上組み合わせて、又は、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用するとよい。
上述の重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独若しくは混合して、又はそれらとほかの重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
ポリエステル樹脂Aに対して、スチレンは極性が低いため、式(1)で示されるイソソルビドユニットが効果的に造粒された粒子表面に露出し、本発明の効果がより一層引き立つからである。このとき、上記重合性単量体中のスチレンの含有量は、50質量%以上85質量%以下であることが好ましい。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。
該重合開始剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。重合開始剤は、上記を単独で使用しても、又は併用してもよい。
2官能の架橋性モノマーとしては、以下を例示することができる。
ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び上記アクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性モノマーとしては、以下を例示することができる。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び上記アクリレートをメタクリレートに変えたもの、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。
該架橋性モノマーの添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
まず、結着樹脂、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂、並びに、必要に応じて、離形剤及びその他添加剤を有機溶媒に溶解又は分散して、トナー組成物を作製する。
得られたトナー組成物を、分散剤を含有する水系媒体中に添加し、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を使用して分散し、水系媒体中でトナー組成物の粒子を形成する。
そして、該粒子に含まれる有機溶媒を除去する。その後、有機溶媒を除去して得られた粒子は、洗浄、乾燥工程などを経てトナーとするとよい。
無機化合物としては、以下のものが挙げられる。
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
該分散剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えば、リン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
一方、有機化合物としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン。
分散剤の使用量は、トナー組成物100質量部に対して、0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸のような酸成分モノマーと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどのアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような多価アルコールモノマーと、を縮合重合したものを挙げることが
できる。
シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、及び上記イエロー系、マゼンタ系、及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
該顔料の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。
さらに、懸濁重合法にてトナーを製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、負帯電制御剤として、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のような芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料若しくはアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。
一方、正帯電制御剤として、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
帯電制御剤の添加量は、トナー組成物に配合する場合、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下である。
一方、トナーに外添する場合、トナー100質量部に対して、0.005質量部以上1.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上0.3質量部以下である。
ものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルの一部又は全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
該離型剤の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、2.5質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
流動性向上剤としては、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末のようなフッ素系樹脂微粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛のような脂肪酸金属塩;酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化亜鉛微粒子のような金属酸化物微粒子又は上記金属酸化物微粒子を疎水化処理した微粒子;及び湿式製法のシリカ微粒子、乾式製法のシリカ微粒子のようなシリカ微粒子又はそれらシリカ微粒子にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルのような処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粒子などが例示できる。
また、流動性向上剤の一次粒子の個数平均粒径は、4nm以上80nm以下であることが好ましく、4nm以上60nm以下であることがより好ましい。
流動性向上剤の添加量は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。添加量が上記範囲内であれば、定着性の低下を抑制しつつ、十分な流動性の向上効果が得られる。
上記外部添加(外添)の方法は公知であり、例えば、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用いて混合処理を行う方法が挙げられる。
<ポリエステル樹脂A、低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定>
ポリエステル樹脂A、低分子量樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、ポリエステル樹脂A、又は、低分子量樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A
−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウム溶液の量から求める。0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
無水トリメリット酸以外の原材料を表1に示した仕込み量で混合した混合物100質量部と、触媒としてのジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52質量部とを、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した6リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて重縮合反応させた。
さらに、210℃にて無水トリメリット酸を添加して、40kPaの減圧下にて反応を行い、重量平均分子量(Mw)が13000になるまで反応を続けた。得られたポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂A−1とする。
得られたポリエステル樹脂Aの組成は、表1に記載の仕込み量通りの組成であった。また、得られたポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)を表1に記す。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加した。該サンプルチューブを40℃の恒温槽にいれ、試料を溶解して測定試料を調製した。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
さらに、求められた単量体組成に基づき、前述のFedorsの方法によりSP値を算出した。
酸成分とアルコール成分の仕込み量を表1のように変更し、各々の所望の重量平均分子量(Mw)になるまで反応を続けることを除いて、ポリエステル樹脂Aの製造例1と同様に製造し、ポリエステル樹脂A−2〜11を製造した。ポリエステル樹脂A−2〜11の物性を表1に示す。
滴下ロート、リービッヒ冷却管及び攪拌機を備えた反応容器にキシレン600質量部を入れて135℃まで昇温した。スチレン100.0質量部、n−ブチルアクリレート0.1質量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド13.0質量部の混合物を滴下ロートに仕込み、135℃のキシレンに2時間かけて滴下した。さらに、キシレン還流下(137℃〜145℃)で溶液重合を完了して、キシレンを除去した。
得られた低分子量樹脂を低分子量樹脂1とする。該低分子量樹脂の物性を表2に示す。また、得られた低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)は表2のようになった。
一方、求められた単量体組成に基づき、前記Fedorsの方法によりSP値を算出した。結果を表1に示す。
低分子量樹脂1の製造例において、スチレン、n−ブチルアクリレート、アクリル酸、n−デシルアクリレートを表2の仕込み量に変更した以外は同様にして、低分子量樹脂2〜9をそれぞれ製造した。得られた低分子量樹脂2〜9の物性を表2に示す。
60℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム2.3質量部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで均一に溶解混合して樹脂含有単量体を調製した。
・スチレン 45.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・ポリエステル樹脂A−1 4.0質量部
・低分子量樹脂1 2.5質量部
また、下記の材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)で分散し、微粒状着色剤含有単量体を得た。
・スチレン 30.0質量部
・カーボンブラック 7.4質量部
・帯電制御剤(ボントロンE−88、オリエント化学社製) 1.0質量部
次に、微粒状着色剤含有単量体と樹脂含有単量体を均一に混合してトナー組成物を得た後、該トナー組成物を60℃に加温し、次いで、該トナー組成物を上記水系媒体中に投入して、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、トナー組成物の粒子を形成した。そして、これに重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート10.0質量部を加えて10分間、粒子の形成を継続した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、75℃で5時間反応させた後、85℃まで昇温し、さらに5時間反応を行い、重合反応を行った。
重合反応終了後、粒子を含むスラリーを室温(25℃)まで冷却し、該スラリーに塩酸を加えてリン酸三カルシウムを溶解し、濾過・水洗を行い、湿潤着色粒子を得た。そして、該湿潤着色粒子を温度40℃にて72時間乾燥し、トナー粒子1を得た。
100質量部のトナー粒子1と、BET値が300m2/gであり、一次粒子の個数平均粒径が8nmの疎水性シリカ微粒子1.6質量部とをヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で混合してトナー1を得た。トナー1の物性を表3に示す。
トナーの製造例1のカーボンブラックをC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントイエロー93、に変更した以外は同様の方法により、それぞれトナー2〜4を得た。各トナーの物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−2に変更し、さらには低分子量樹脂1を低分子量樹脂2に変更した以外は同様の方法によりトナー5を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−3に変更し、さらには低分子量樹脂1を低分子量樹脂3に変更した以外は同様の方法によりトナー
6を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−4に変更し、さらには低分子量樹脂1を低分子量樹脂4に変更した以外は同様の方法によりトナー7を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−5に変更し、さらには低分子量樹脂1を低分子量樹脂5に変更した以外は同様の方法によりトナー8を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−6に変更した以外は同様の方法によりトナー9を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−7に変更した以外は同様の方法によりトナー10を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、低分子量樹脂1を低分子量樹脂6に変更した以外は同様の方法によりトナー11を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、低分子量樹脂1を低分子量樹脂7に変更した以外は同様の方法によりトナー12を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−8に変更した以外は同様の方法によりトナー13を得た。物性を表3に示す。
トナー製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−9に変更した以外は同様の方法によりトナー14を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−10に変更した以外は同様の方法により比較トナー1を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂A−1をポリエステル樹脂A−11に変更した以外は同様の方法により比較トナー2を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、低分子量樹脂1を低分子量樹脂8に変更した以外は同様の方法により比較トナー3を得た。物性を表3に示す。
トナーの製造例1において、低分子量樹脂1を低分子量樹脂9に変更した以外は同様の
方法により比較トナー4を得た。物性を表3に示す。
トナー1を下記評価項目について評価した。評価結果を表4に示す。
保存時の安定性を評価するために耐ブロッキング性の評価を実施した。約5gのトナーを100mlのプラスティックカップに入れ、温度55℃、湿度5%RH環境下で3日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、温度23℃、湿度60%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記のように3日放置したトナーを、予め温度23℃、湿度60%RH環境下において24時間放置し、そのうちトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
(評価基準)
A:凝集度が20%未満
B:凝集度が20%以上、25%未満
C:凝集度が25%以上、30%未満
D:凝集度が30%以上
本発明の効果を奏しているのは、上記A〜Cである。
画像形成装置としてLBP−7700C(キヤノン製)を用い、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)で画像評価を行った。
トナーの着色力の指標として画像濃度の測定を行った。
A4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)に単位面積あたりのトナー質量が0.35mg/cm2になるように調整し、ベタ画像を出力し、その濃度を測定(右上、右下、中心、左上、左下の5点平均)することにより評価した。
なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
(評価基準)
A:画像濃度が1.45以上
B:画像濃度が1.35以上1.45未満
C:画像濃度が1.20以上1.35未満
D:画像濃度が1.20未満
本発明の効果を奏しているのは、上記A〜Cである。
実施例1と同様にしてトナー2〜14を評価した。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様にして比較トナー1〜4を評価した。評価結果を表4に示す。
Claims (3)
- 重合性単量体、顔料、ポリエステル樹脂A、及び低分子量樹脂を含有するトナー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該トナー組成物の粒子を形成する工程、及び、該トナー組成物の該粒子に含まれる該重量性単量体を重合してトナー粒子を得る工程を含むトナーの製造方法であって、
該重合性単量体が、ビニル系重合性単量体であり、
該低分子量樹脂が、スチレン系共重合体であり、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、8000以上30000以下であり、
該スチレン系共重合体のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が、2500以上6000以下である
ことを特徴とする、トナーの製造方法。
- 前記式(1)で示されるイソソルビドユニットの含有割合が、前記ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下である、請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂Aの溶解性パラメータをSP(A)とし、
前記スチレン系共重合体の溶解性パラメータをSP(B)とし、
前記ビニル系重合性単量体の溶解性パラメータをSP(C)としたとき、
下記式(2)及び(3)を満たす、請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
|SP(B)−SP(C)|≦0.30 ・・・(2)
0.70≦|SP(A)−SP(C)|≦1.10 ・・・(3)
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