JP6551523B2 - プレス加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス加工方法に関し、特に、断面にU字状部分を含む成形品を得るためのプレス加工方法に関する。
プレス加工によって成形される長尺状のチャンネル材やハット形材は、例えば車両などの骨格部材として一般的に用いられている。車両の骨格部材では、衝突安全性や車体剛性などを確保するために高い強度が要求される。また、同じくプレス加工によって成形される軸対称のカップ形材は、例えば車両のトランスミッションにおけるドラムやハブなどの回転部材として一般的に用いられている。回転部材でも、伝達されるトルクに耐えるために高い強度が要求される。
上記のようなチャンネル材やハット形材、およびカップ形材は、いずれも、断面にU字状部分を含むという点で共通している。U字状部分は、縦壁部、天井部、および縦壁部と天井部との間のコーナー部を含む。上記のように部材の強度が要求されるような場合、このU字状部分で部材の板厚が十分に確保されている必要がある。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、プレス加工においてダイとパンチとの間隔を被加工材の板厚よりも大きくし、U字状部分の概形が形成された後に縦壁部の端部を押し込むことによって、コーナー部を含むU字状部分の全体の板厚を増加させる(増肉させる)技術が知られている。
特開2009−208149号公報
上記のような従来の技術では、縦壁部の端部を押し込んだときに、縦壁部と天井部との間で材料を流動させることによって、U字状部分の全体を増肉させる。そのため、コーナー部の外側を曲率をもった形状にし、かつ曲率半径をある程度大きくする必要があり、この点が設計上の制約になっていた。また、U字状部分を全体として増肉させるために、例えばコーナー部だけを所望の板厚に増肉させるような加工は困難であった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、断面にU字状部分を含む成形品を得るためのプレス加工において、コーナー部の自在な成形を実現することが可能な、新規かつ改良されたプレス加工装置、プレス加工方法、およびプレス成形品を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被加工材のプレス加工によって成形品を得るためのプレス加工装置であって、成形品は天井部、縦壁部、および天井部と縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含み、U字状部分を受容する凹部が形成されたダイと、凹部の底面との間で天井部の中央領域を挟持する第1のパンチと、第1のパンチよりも遅れて凹部の中に押し込まれ、凹部の側面との間で縦壁部を拘束するとともに、底面との間で被加工材を挟み込んで天井部の辺縁領域およびコーナー部を成形する第2のパンチとを備え、天井部の中央領域を挟持する第1のパンチの挟持幅、および、押し込み方向における第2のパンチの第1のパンチからの後退量は、コーナー部の目標板厚に基づき設定される、プレス加工装置が提供される。
上記のプレス加工装置において、被加工材は、プレス加工の開始時において平板状であり、第1プレスにより第1のパンチおよび第2のパンチは、第2のパンチが第1のパンチよりも後退した状態を維持したまま平板状の被加工材を凹部に押し込み、縦壁部および天井部の中央領域を成形してもよい。
第2のパンチは、第2プレス加工により凹部の中に押し込まれ、底面との間で被加工材を挟み込んで天井部の辺縁領域およびコーナー部を成形してもよい。
また、第1のパンチの挟持幅、および、第2のパンチの後退量は、第1プレス加工により成形される天井部の中央領域と縦壁部との間のテーパー部の断面積と、第2プレス加工により成形されるコーナー部が目標板厚となった成形品の稜線部の断面積とが一致するように設定してもよい。
例えば、第1のパンチの挟持幅、および、第2のパンチの後退量は、下記式(A)を満たすように設定してもよい。
ここで、Hは第2のパンチの後退量、Wは幅方向におけるテーパー部の長さ、Rpはコーナー部の内側の曲率半径、tは被加工材の板厚である。
上記のプレス加工装置において、成形品は、U字状部分がチャンネル形状を形成する長尺状部材であってもよく、U字状部分がカップ形状を形成する軸対称部材であってもよい。また、コーナー部は、縦壁部および天井部よりも板厚が大きくなるように成形されてもよい。コーナー部の外側は、略直角に成形されてもよい。
上記のプレス加工装置は、縦壁部のコーナー部とは反対側の端面に当接され、コーナー部の成形後に底面に向かってプレスされる第3のパンチをさらに備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被加工材のプレス加工によって成形品を得るためのプレス加工方法であって、成形品は天井部、縦壁部、および天井部と縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含み、第1のパンチが凹部の底面との間で天井部の中央領域を挟持する第1プレス加工工程と、第2のパンチが第1のパンチよりも遅れてダイの凹部の中に押し込まれ、凹部の側面との間で縦壁部を拘束するとともに、底面との間で被加工材を挟み込んで天井部の辺縁領域およびコーナー部を成形する第2プレス加工工程とを含み、天井部の中央領域を挟持する第1のパンチの挟持幅、および、押し込み方向における第2のパンチの第1のパンチからの後退量は、コーナー部の目標板厚に基づき設定されている、プレス加工方法が提供される。
被加工材は、プレス加工の開始時において平板状であり、第1プレス加工工程では、第1のパンチおよび第2のパンチが、第2のパンチが第1のパンチよりも後退した状態を維持したまま平板状の被加工材を凹部に押し込み、縦壁部および天井部の中央領域を成形してもよい。
第2プレス加工工程では、第2のパンチが凹部の中に押し込まれ、底面との間で被加工材を挟み込んで天井部の辺縁領域およびコーナー部を成形するようにしてもよい。
第1のパンチの挟持幅、および、第2のパンチの後退量は、第1プレス加工により成形される天井部の中央領域と縦壁部との間のテーパー部の断面積と、第2プレス加工により成形されるコーナー部が目標板厚となった成形品の稜線部の断面積とが一致するように設定してもよい。
例えば、第1のパンチの挟持幅、および、第2のパンチの後退量は、下記式(B)を満たすように設定してもよい。
ここで、Hは第2のパンチの後退量、Wは幅方向におけるテーパー部の長さ、Rpはコーナー部の内側の曲率半径、tは被加工材の板厚である。
また、プレス加工方法は、第1プレス加工工程の前に、被加工材を所定の温度に加熱する加熱工程を含んでもよい。
さらに、プレス加工方法は、第1プレス加工工程の前に、ダイに形成された凹部に、成形品のU字状部分を受容させる受容工程をさらに含んでもよい。
プレス加工方法は、天井部と、縦壁部と、コーナー部とからなるU字状部分を断面に含む成形品を第2の被加工材として、第2の成形品の形状に対応した形状であって、第2の被加工材を収容する凹部を有し、少なくとも第2の被加工材の天井部を支持する第2のダイと、第2のダイとともに第2の被加工材の天井部を挟持する第4のパンチと、第2の被加工材の縦壁部の端面を押し込み、第2の成形品を成形する第5のパンチと、を備える第2のプレス加工装置を用いて、第2の被加工材の天井部を第2のダイ及び第4のパンチで挟持した状態で、第5のパンチにより第2の被加工材の縦壁部の端面を押し込み、第2の成形品を成形する付加成形工程をさらに含んでもよい。
ここで、第2のプレス加工装置の第2のダイの凹部は、第2の被加工材の縦壁部に対応する面間の長さが、第2の被加工材の縦壁部の外面間の長さよりも大きく形成し、付加成形工程において、第2の被加工材の天井部を第2のダイ及び第4のパンチで挟持した状態で、第5のパンチにより第2の被加工材の縦壁部の端面を押し込んで、第2の被加工材の縦壁部を増肉させてもよい。
あるいは、第2のプレス加工装置の第2のダイのうち、第2の被加工材の天井部を支持する部分を、中央領域を支持する固定ダイと、端部を支持し、縦壁部の延設方向に移動可能な可動ダイとから構成し、付加成形工程では、第2の被加工材の天井部を第2のダイ及び第4のパンチで挟持した状態で、第5のパンチにより第2の被加工材の縦壁部の端面を押し込んで、可動ダイを移動させて、縦壁部に延設される縦壁延設部を形成させてもよい。
また、第2のプレス加工装置の第2のダイのうち、第2の被加工材の縦壁部を支持する部分には、第2の被加工材の天井部に対応する位置に、縦壁部から離隔する方向に窪んだ段差部を形成し、付加成形工程では、第2の被加工材の天井部を第2のダイ及び第4のパンチで挟持した状態で、第5のパンチにより第2の被加工材の縦壁部の端面を押し込み、天井部に延設される天井延設部を形成してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、被加工材のプレス加工によって成形され、天井部、縦壁部、および天井部と縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含むプレス成形品であって、コーナー部は縦壁部および天井部よりも板厚が大きいプレス成形品が提供される。また、本発明のさらに別の観点によれば、被加工材のプレス加工によって成形され、天井部、縦壁部、および天井部と縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含むプレス成形品であって、コーナー部の外側は略直角である、プレス成形品が提供される。
ここで、コーナー部の内側の曲率半径R1、コーナー部の外側の曲率半径R2、被加工材の天井部及び縦壁部の板厚tとは、下記式(C)の関係を満たすようにしてもよい。
R2≦R1+t ・・・(C)
また、プレス成形品のコーナー部の硬度は、被加工材の硬度よりも高い。
例えば、プレス成形品のコーナー部の硬度は、被加工材の硬度の1.5倍以上である。
また、プレス成形品の天井部は、中央領域と、中央領域とコーナー部との間にあり、コーナー部から所定の距離内の領域である辺縁領域とからなり、中央領域と辺縁領域との境界部分の硬度は、被加工材の硬度よりも高く、コーナー部の硬度より低くなっている。
ここで、コーナー部からの所定の距離は、被加工材の板厚と、コーナー部の内側の曲率半径とに基づき決定されてもよい。
プレス成形品の天井部の中央領域は、第1プレス加工によって成形された領域であり、プレス成形品の天井部の辺縁領域は、第1プレス加工後の第2プレス加工によって成形された領域であってもよい。
また、プレス成形品の縦壁部の板厚は、天井部の板厚より大きくてもよい。
プレス成形品は、縦壁部が延設された縦壁延設部をさらに備えてもよい。
あるいは、プレス成形品は、天井部が延設された天井延設部をさらに備えてもよい。
以上説明したように本発明によれば、断面にU字状部分を含む成形品を得るためのプレス加工において、コーナー部の自在な成形を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 第2プレス後の被加工材の形状に関する寸法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置によって成形された成形品の断面におけるコーナー部の形状の例について説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置によって成形された成形品の断面におけるコーナー部の形状の例について説明するための図である。 プレス加工により成形された被加工材のコーナー部および天井部の一部について、塑性ひずみ分布を示す図である。 図7に示す被加工材の硬さ分布を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における成形品の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における成形品の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るプレス加工装置の動作を示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るプレス加工装置の動作を示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の別の変形例に係るプレス加工装置によって成形された成形品の断面形状の例について説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の別の変形例に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の別の変形例に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の別の変形例に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。 従来技術に係るプレス加工装置の構成を深絞り成形時の動作とともに示す概略的な断面図である。 従来技術に係るプレス加工装置の構成を深絞り成形時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工(深絞り成形)時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工(深絞り成形)時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工(深絞り成形)時の動作とともに示す概略的な断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプレス加工により成形される成形品の一例を示す説明図である。 縦壁部を増肉させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。 縦壁部を増肉させるプレス加工の、縦壁部の増肉後の状態を示す概略的な断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るプレス加工により成形される成形品の一例を示す説明図である。 縦壁部を延設させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。 縦壁部の延設後の状態を示す概略的な断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るプレス加工により成形される成形品の一例を示す説明図である。 天井部を延設させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。 天井部の延設後の状態を示す概略的な断面図である。 実施例において試験対象とするフランジを有するチャンネル形状のプレス成形の成形方法を示す説明図である。 実施例において試験対象とするプレス成形品の斜視図である。 実施例において試験対象とするプレス成形品の正面図である。 実施例において試験対象とするプレス成形品の形状を示す説明図である。 三転曲げ試験を説明する説明図である。 試験1〜5で用いたプレス成形品の増肉率と最大荷重比とを示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、図面において同一の符号を付することによって重複した説明を省略する場合がある。
(1.第1の実施形態:コーナー部の増肉)
(1−1.プレス加工装置の動作)
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。図1〜図4を参照すると、プレス加工装置100は、ダイ120と、パンチ140とを含む。ダイ120は、固定ダイ122と、可動ダイ(パッド)124とを含む。パンチ140は、固定パンチ142と、外側可動パンチ(パッド)144と、内側可動パンチ(パッド)146とを含む。すなわち、パンチ140は、第1のパンチとして内側可動パンチ146、第2のパンチとして外側可動パンチ144、第3のパンチとして固定パンチ142を備えている。
図1に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材10は平板状である。可動ダイ124は、固定ダイ122に形成された凹部126の底部に連結されたクッション128によって、その上面が被加工材10に当接するように支持されている。一方、パンチ140では、内側可動パンチ146が被加工材10の中央部に当接されて、可動ダイ124の上面との間で被加工材10を挟持している。外側可動パンチ144は、固定パンチ142に連結されたクッション148と、内側可動パンチ146に連結されたクッション150とによって、内側可動パンチ146よりも所定の後退量だけ後退した(つまり、被加工材10およびダイ120から遠い)位置で支持されている。
プレス加工の開始後、パンチ140が凹部126の底面に向かってプレスされると(第1プレス)、まずクッション128が収縮し、可動ダイ124が、内側可動パンチ146との間で被加工材10の中央部を挟持したまま凹部126の中に押し込まれる。この時点でクッション148,150は収縮しないため、パンチ140は、外側可動パンチ144が内側可動パンチ146よりも後退した位置関係を維持した状態で凹部126に押し込まれる。つまり、外側可動パンチ144は、内側可動パンチ146よりも遅れて凹部126に押し込まれることになる。
図2に示されるように、可動ダイ124が凹部126に底突きした時点で、可動ダイ124と内側可動パンチ146との間に挟持された状態で凹部126に押し込まれた被加工材10の中央部を天井部14a(最終的に形成される天井部14の中央領域)、それに伴って外側可動パンチ144と凹部126の側面130との間に折り込まれた被加工材10の辺縁部を縦壁部12とする、U字状部分の概形が形成される。
ここで、本実施形態において、縦壁部12は、外側可動パンチ144と凹部126の側面130との間に拘束されている。つまり、プレス加工装置100において、外側可動パンチ144は、側面130との間隔が被加工材10の板厚に略一致するように設計されている。また、内側可動パンチ146に押し込まれた可動ダイ124が凹部126に底突きした時点では、外側可動パンチ144は内側可動パンチ146よりも遅れて凹部126に押し込まれているため、天井部14aと縦壁部12との間にはテーパー部16が形成されている。
図3に示されるように、さらに続いてパンチ140がプレスされると(第2プレス)、今度はクッション150が収縮し、外側可動パンチ144が凹部126の中にさらに押し込まれて内側可動パンチ146に追いつく。このとき、外側可動パンチ144は、底面132との間で被加工材10(テーパー部16)を挟み込んで、天井部14b(天井部の辺縁領域)、および天井部14と縦壁部12との間のコーナー部18を成形する。ここで、図2および図3を参照すれば明らかなように、被加工材10の断面において、テーパー部16の長さは、天井部の辺縁領域14bとコーナー部18とを合わせた長さよりも長い。従って、プレス加工装置100では、コーナー部18を増肉させる、つまり、コーナー部18を縦壁部12や天井部14よりも板厚が大きくなるように成形することが可能である。
図4に示されるように、付加的な工程として、この後、パンチ140を凹部126の底面132に向かってさらにプレスしてもよい。この場合、クッション148が収縮し、固定パンチ142が凹部126の中に押し込まれる。固定パンチ142は、縦壁部12の端面19に当接されており、縦壁部12を外側可動パンチ144と側面130との間に押し込むことによってコーナー部18をさらに増肉させる。なお、端面19は、縦壁部12の端部のうち、コーナー部18とは反対側に位置する端部の面である。図に示された例では、固定パンチ142が縦壁部12を押し込むことによって外側可動パンチ144と側面130および底面132との間が埋まり、コーナー部18の外側が略直角に成形されている。
このように被加工材10を加工するプレス加工装置100では、第1プレスにより成形されるテーパー部16の長さが、天井部の辺縁領域14bとコーナー部18とを合わせた長さよりも長くなるように加工することで、コーナー部18を縦壁部12や天井部14よりも板厚が大きくなるように成形する。このため、テーパー部16の長さを規定する、被加工材10の天井部14の中央領域14aを挟持する、内側可動パンチ146の上面の挟持幅、および、押し込み方向における外側可動パンチ144の内側可動パンチ146からの後退量が適切に設定されている必要がある。具体的には、コーナー部18を、縦壁部12や天井部14よりも板厚が大きくなるように成形するには、テーパー部16を構成する被加工材の量が、コーナー部18を目標板厚とするために必要な被加工材の量と同一あるいはそれ以上あればよい。すなわち、テーパー部16の断面積が、テーパー部16から形成されるコーナー部18を含む部分(後述する稜線部に相当)の断面積と同一あるいはそれ以上であれば、コーナー部18を目標板厚以上とすることができる。
まず、テーパー部16から形成されるコーナー部18を含む部分の断面積は、以下のように算出される。かかる説明のため、図5に、図3に示した第2プレス後の被加工材10の一例を示す。図5は、第2プレス後の被加工材10の形状に関する寸法を説明するための図である。
第2プレス後の被加工材10は、図5に示すように、縦壁部12と、天井部14と、コーナー部18とを含む。当該被加工材10は、すべての位置においての板厚tであるとする。また、コーナー部18の内側の曲率半径をRとし、コーナー部18の外側の曲率半径をR+tであるとする。そして、コーナー部18を含み、被加工材10の縦壁部12の外側と天井部14の外側とを共有する正方形の領域Sを設定する。領域Sの一辺の長さは、板厚tと曲率半径Rとの和であるとする。すなわち、領域Sには、半径R+tの円および半径Rの円がそれぞれ1/4含まれている。以下、被加工材10のうち領域S内の部分を稜線部とも称する。
図5に示す稜線部の断面積Sは、下記式(1)で表される。式(1)の稜線部の断面積Sは1つの稜線部の断面積を表しており、例えば図5であれば左右いずれかの稜線部の断面積を表している。
また、コーナー部18の外側を直角にするとした場合には、被加工材10の稜線部の断面積Sは下記式(2)で表される。
一方、テーパー部16の断面積Sは、図2に示すように、押し込み方向におけるテーパー部16の長さをH、幅方向におけるテーパー部16の長さをWとすると、下記式(3)で表される。下記式(3)で表されるテーパー部16の断面積Sも1つのテーパー部16の断面積を表しており、例えば図2であれば左右いずれかのテーパー部16の断面積を表している。
以上より、テーパー部16の断面積Sが、少なくとも上記式(1)で表される断面積S以上であれば、コーナー部18の板厚を被加工材10の板厚から減肉させることがなくなる。また、コーナー部18の外側が略直角となるようにするには、テーパー部16の断面積Sが上記式(2)で表される断面積Sと等しくなるようにすればよい。このように、コーナー部18の目標板厚に応じてテーパー部16の断面積Sを設定すればよい。
プレス加工装置100においては、テーパー部16の断面積Sを規定する押し込み方向におけるテーパー部16の長さHは、プレス加工装置100の押し込み方向における外側可動パンチ144の内側可動パンチ146からの後退量に対応する。また、テーパー部16の断面積Sを規定する幅方向におけるテーパー部16の長さWは、固定ダイ122の凹部126の幅と内側可動パンチ146の上面の幅との差分の1/2に対応する。内側可動パンチ146の上面の幅は、天井部14の中央領域14aを挟持する挟持幅である。固定ダイ122の凹部126の幅は成形品のサイズとして決定されているため、テーパー部16の幅方向の長さWは、内側可動パンチ146の上面の幅に応じて調整される。
したがって、テーパー部16の断面積Sは、プレス加工装置100の押し込み方向における外側可動パンチ144の内側可動パンチ146からの後退量と、内側可動パンチ146の上面の幅(すなわち、挟持幅)とを調整することで所定の大きさとなるようにすることができる。そこで、コーナー部18の目標板厚によりテーパー部16の断面積Sを決定し、決定された断面積Sを有するテーパー部16が得られるように、プレス加工装置100を構成することで、コーナー部18が増肉された成形品を得ることができる。
(1−2.成形品の特徴)
図6Aおよび図6Bは、本発明の第1の実施形態に係るプレス加工装置によって成形された成形品の断面におけるコーナー部の形状の例について説明するための図である。図6Aは、コーナー部18が、縦壁部12および天井部14よりも板厚が大きくなるように成形された例である。図6Bは、コーナー部18の外側が略直角に成形された例である。
既に述べたように、従来技術では、コーナー部の外側の曲率半径を大きくすることによって縦壁部と天井部との間で材料を流動させ、断面のU字状部分の全体を増肉させていた。この場合、コーナー部の外側の曲率半径が小さいと、材料の流動が阻害されることによって折れ込みなどの疵が発生する。これに対して、本実施形態では、縦壁部12および天井部14の中央領域の成形後に、テーパー部16を外側可動パンチ144が押しつぶすことによってコーナー部18が成形されるため、縦壁部12と天井部14との間での材料の流動は生じず、従ってコーナー部18の外側の曲率半径を小さくする、またはコーナー部18の外側を略直角にすることが可能である。
上記の通り、図6Aに示された例では、被加工材10のコーナー部18が、縦壁部12および天井部14よりも板厚が大きくなるように成形されている。つまり、この例では、コーナー部18が増肉されている。この場合、被加工材10の断面において、コーナー部18の外側の曲率半径R2は、内側の曲率半径R1に縦壁部12および天井部14の板厚tを加えたものよりも小さくなる(R2<R1+t)。図示された例のように、外側曲率半径R2を内側の曲率半径R1よりも小さくする(R2<R1)ことも可能である。なお、コーナー部18が縦壁部12および天井部14と同じ板厚である場合には、R2=R1+tである。また、コーナー部18の板厚が縦壁部12および天井部14よりも小さい場合には、R2>R1+tである。従って、コーナー部18が増肉されることは、コーナー部18の外側の曲率半径R2が、内側の曲率半径R1に板厚tを加えたものよりも小さいことと等価である。
具体的な例として、被加工材10の縦壁部12および天井部14の板厚tが5mmの場合、コーナー部18の外側の曲率半径R2を0.5mm(板厚tの10%)とし、内側の曲率半径R1を7.5mm(板厚tの1.5倍)として、疵を生じることなくプレス加工を実施することが可能である。なお、図6Bに示す例のように、コーナー部18の外側は直角にすることも可能であるため、曲率半径R2は0.5mmより小さくてもよい。また、上記のような従来技術との関係においては曲率半径R2を小さくした場合に本実施形態の有利性が顕著であるものの、コーナー部18の外側の曲率半径R2が大きいことによって本実施形態の適用が阻害されるものではないため、曲率半径R2は0.5mmよりも大きくてもよい。コーナー部18の内側の曲率半径R1については、曲率半径R2に対して大きすぎると材料の折れ込みなどによる疵が発生する可能性があるが、少なくとも曲率半径R1が板厚tに対して上記の例のような範囲にある場合には、疵を生じることなくプレス加工を実施することが可能である。
一方、図6Bに示された例では、被加工材10の断面において、コーナー部18の外側が略直角に成形されている。なお、本明細書において、「コーナー部18の外側が略直角である」場合には、コーナー部18の外側が厳密に直角である場合だけではなく、コーナー部18の外側の曲率半径が限りなく小さく、0に近い場合も含まれる。この場合、コーナー部18の内側も略直角に成形することも可能であるが、コーナー部18への応力集中を避ける観点から、コーナー部18の内側についてはある程度の(0に近い程度ではない)曲率半径R1を与えることが望ましい。この場合、コーナー部18の外側の曲率半径は、内側の曲率半径R1に板厚tを加えたものよりも小さいと解することができる。従って、図6Bに示された例においても、コーナー部18は増肉されているといえる。
また、本実施形態に係るプレス加工装置により成形された被加工材は、コーナー部が、他の部分と比較して硬くなっている。一例として、図7および図8に、本実施形態に係るプレス加工装置を用いて270MPa級鋼板をプレス加工したときの、縦壁部、コーナー部および天井部の硬さ分布を測定した結果を示す。図7は、プレス加工により成形された被加工材のコーナー部および天井部の一部について、塑性ひずみ分布を示す図である。図8は、図7に示す被加工材の硬さ分布を示すグラフである。図8では、被加工材の外表面から厚さ方向に200μmの位置における硬さを、コーナー部から縦壁部および天井部側に向かってそれぞれ1mm毎に測定した。硬さは、ビッカース硬さで表しており、値が大きいほど硬くなる。また、測定距離wは、コーナー部の位置を原点として、天井部方向を正の値で表し、縦壁部方向を負の値で表している。
本例の被加工材のプレス加工前の厚さは1.6mmであり、その硬さ(以下、「素材硬さ」ともいう。)HVは85であった。第1プレス加工により形成されたテーパー部は、幅方向の長さ10mm、押し込み方向の長さ10mmであった。そして、第2プレス加工によりコーナー部および天井部の辺縁領域を成形した後、被加工材の外表面から厚さ方向に200μmの位置における硬さを、コーナー部から縦壁部および天井部側に向かってそれぞれ1mm毎に測定した。
図7に示す塑性ひずみ分布より、コーナー部および天井部の一部においてひずみが大きくなっていることがわかる。また、被加工材の硬さ分布をみると、図8に示すように、他の部分と比較してコーナー部を表わす原点位置での硬度が高くなっている。また、原点位置から天井部側に向かって硬度は低くなるが、測定距離が約10mmの位置で再び硬度が高くなっている。このように、本実施形態に係るプレス加工装置により成形された被加工材は、コーナー部と、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部とで、素材硬さよりも硬くなる。これらの位置では、塑性ひずみが増大したため、加工硬化が大きくなったものと考えられる。
図8に示すように、本例では、素材硬さHVが85であるのに対して、コーナー部(測定距離w=0)での硬さは212であり、素材硬さHVの約2.5倍であった。また、コーナー部から10mmの位置離れた位置(測定距離w=10mm)での天井部の硬さは127であり、素材硬さHVの約1.5倍であった。このように、コーナー部と、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部とにおいて、硬度が高くなる。また、コーナー部の硬度は、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部よりも高くなる。ここで、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部は、天井部の辺縁領域と中央領域との境界部分に対応する。
より具体的には、第1プレス加工によりダイの凹部の中で内側可動パンチにより挟持されている部分に隣接する、テーパー部の天井部側端部領域に対応する。天井部の中央領域は第1プレス加工によって挟持されるため、素材硬さHVの硬さをほぼ維持するが、テーパー部の天井部側端部領域は、第1プレス加工によっては挟持されない。このため、第1プレス加工の後に行われる第2プレス加工により、テーパー部の天井部側端部領域に加工硬化が生じるものと考えられる。したがって、本実施形態に係るプレス加工装置により成形された被加工材は、図8に示すような硬さ分布を有する。
比較として、例えば1回のプレス加工によりコーナー部を成形すると、応力がコーナー部に集中してかかり、コーナー部にのみに塑性ひずみが生じる。一方、本実施形態に係るプレス加工装置のように多段のプレス加工によりコーナー部を成形すると、第1プレス加工によって天井部の中央領域については素材硬さHVの硬さをほぼ維持でき、さらに、第1プレス加工後の第2プレス加工での荷重を、第1プレス加工にて成形されたテーパー部全体に分散させやすくなる。このため、テーパー部から成形されるコーナー部に応力が集中するのを抑制することができ、テーパー部からコーナー部および天井部の辺縁領域を成形する際の荷重も小さくすることができる。
なお、本例の被加工材は270MPa級鋼板であり、加工硬化能の大きい軟鋼であったが、例えば高張力鋼板等の加工硬化能の小さい鋼板でも、コーナー部と、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部とにおいて、硬度が高くなるという傾向は同様に現れる。この場合、本例のような軟鋼よりも、テーパー部及びコーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部での硬度の上昇率は低くなる。具体的には、コーナー部での硬さは、素材硬さHVの1.5倍程度、コーナー部から所定の距離だけ離れた位置の天井部での硬度は、素材硬さHVの1.1倍程度となる。
図9Aおよび図9Bは、本実施形態における成形品の例を示す図である。図9Aの例に示された長尺状の成形品50は、チャンネル形状52を含む。チャンネル形状52は、縦壁部54と、天井部56とを含む。この例において、図3や図4に示されたような被加工材10の断面(U字状部分を含む)は、図9Aに示された成形品50のA−A断面に対応する。また、この例の場合、プレス加工装置100では、ダイ120に形成される凹部126が溝を形成しており、ダイ120とパンチ140とを用いて被加工材10の曲げ成形が実施されることになる。
一方、図9Bの例に示された軸対称形状の成形品60は、カップ形状62を含む。カップ形状62は、縦壁部64と、天井部66とを含む。この例において、図3や図4に示されたような被加工材10の断面(U字状部分を含む)は、図9Bに示された成形品60のB−B断面に対応する。また、この例の場合、プレス加工装置100では、ダイ120に形成される凹部126が孔を形成しており、ダイ120とパンチ140とを用いて被加工材10の絞り成形が実施されることになる。
上記で説明した成形品50,60は、いずれも、プレス加工によって成形され、断面にU字状部分を含む成形品である。これらの成形品では、例えば、上記で説明したように、U字状部分のコーナー部が増肉されている、またはコーナー部の外側が略直角であるという特徴が見られる。なお、詳しくは後述するが、特に成形品がカップ形状を有する場合には、断面のU字状部分の成形工程においてコーナー部に減肉が発生する場合がある。このような場合に本実施形態を適用して減肉を抑制した場合、成形品のコーナー部の外側の曲率半径が、内側の曲率半径に板厚を加えたものと同じであるか、それよりも小さいこともありうる。
(1−3.変形例)
図10および図11は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るプレス加工装置の動作を示す概略的な断面図である。本変形例では、上記で図1および図2を参照して説明したのと同様の工程によって、被加工材10の断面のU字状部分を構成する縦壁部12および天井部14aが成形される(この工程については、既に説明したため図示を省略する)。続いて、パンチ140が底面132に向かってさらにプレスされ、クッション150が収縮することによって外側可動パンチ144が凹部126の中にさらに押し込まれる。このとき、外側可動パンチ144は、既に底面132との間で天井部14aを挟持している内側可動パンチ146に追いつくことになるが、本変形例では、図10に示されるように、外側可動パンチ144が内側可動パンチ146に追いつく前に、被加工材10のテーパー部16を押し広げて形成されるコーナー部18の外側が凹部126の側面130および底面132に密着し、略直角になっている。
この後、パンチ140が底面132に向かってさらにプレスされると、コーナー部18の内側が外側可動パンチ144によって押し広げられることによって、縦壁部12が上方に押し出される。このとき、固定パンチ142は、縦壁部12の端面19に押し上げられて、外側可動パンチ144に対して後退する。つまり、本変形例において、固定パンチ142は、端面19に対して上記の図4に示した例とは逆の動きをする。この結果、図11に示されるように、外側可動パンチ144に沿ってコーナー部18の内側が成形され、被加工材10の成形が完了する。
本変形例では、例えばプレス加工の開始時における外側可動パンチ144と内側可動パンチ146との位置の差(クッション150の初期長さ)の設定によってテーパー部16の長さを調節し、上記で図4に示した例のように固定パンチ142による付加的なプレスを実施することなく、コーナー部18の外側を略直角に成形している。この場合、外側可動パンチ144によるプレスの過程で、コーナー部18で余った材料によって縦壁部12が押し上げられる可能性がある。そのような場合、上記で説明したように、固定パンチ142で端面19を押圧しながら縦壁部12の上昇を許容することによって、端面19を精度よく成形することができる。
図12は、本実施形態の別の変形例に係るプレス加工装置によって成形された成形品の断面形状の例について説明するための図である。図12に示された例では、外側可動パンチ144の下面にパンチ140の外側に向けたテーパーをつけることによって、外側可動パンチ144によって成形される被加工材10の天井部14の中央領域Ra以外の領域Rbを中央領域Raからコーナー部18に向かって徐々に増肉させている。この場合、天井部14とコーナー部18との間での板厚の変化が緩やかになることによって、コーナー部18への応力集中を緩和することができる。
(1−4.まとめ)
以上で説明した本発明の第1の実施形態では、プレス加工装置100を用いた被加工材10のプレス加工において、外側可動パンチ144が内側可動パンチ146よりも遅れて凹部126の中に押し込まれることによって、縦壁部12と天井部14aとの間にテーパー部16が形成される。テーパー部16の長さは最終的に形成される天井部の辺縁領域14bおよびコーナー部18を合わせた長さよりも長いため、テーパー部16を押し広げてコーナー部18を成形することによって、縦壁部12と天井部14との間で材料を流動させなくてもコーナー部18を増肉させることができる。それゆえ、本実施形態では、従来技術に比べてコーナー部18の外側の曲率半径を小さくする、またはコーナー部18の外側を略直角にすることができる。また、縦壁部12および天井部14を増肉させることなく、コーナー部18だけを増肉させることもできる。
本実施形態に係るプレス加工装置100では、パンチ140を押し込む一連のプレス工程の中で、クッション150の作用によって外側可動パンチ144を内側可動パンチ146よりも遅れて凹部126の中に押し込み、それによってコーナー部18の自在な成形を可能にしている。従って、プレス加工装置100は単軸でよく、パンチの複数の部分を互いに独立してプレスする多軸のプレス加工装置は必要とされない。
なお、上述した例では、図1に示すように被加工材10が平板状である状態からプレス加工が開始されたが、本実施形態はこのような例には限られない。例えば、被加工材10のU字状部分を形成する縦壁部12および天井部14a(中央領域)を成形する工程が一次成形として他の装置で実施され、プレス加工装置100ではこれに続く二次成形として、例えば上記で図2に示したように、被加工材10の断面のU字状部分が凹部126に受容された状態からプレス加工が開始されてもよい。このような場合、可動ダイ124は必ずしも設けられなくてもよい。また、本実施形態は、断面が縦壁部12の端部(コーナー部18とは反対側の端部)に連続するフランジ部をさらに含むハット状部分を有する成形品を得るためのプレス加工にも適用可能である。
(1−5.補足:コーナー部の外側に曲率をつける場合)
本発明の第1の実施形態の他の変形例として、例えば、ダイに形成される凹部において、側面と底面との間にコーナー面を形成してもよい。このコーナー面に沿って被加工材を成形することによって、縦壁部と天井部との間のコーナー部の外側を、曲率のついた形状に精度よく加工することができる。以下、コーナー部の外側に曲率をつける場合のプレス成形加工について説明する。なお、それ以外の点については第1の実施形態と同様であるため、重複した説明は省略する。
図13〜図15は、本発明の第1の実施形態の他の変形例に係るプレス加工装置の構成をプレス加工時の動作とともに示す概略的な断面図である。図13〜図15を参照すると、プレス加工装置200は、ダイ220と、パンチ140とを含む。ダイ220は、固定ダイ222と、可動ダイ(パッド)224とを含む。なお、パンチ140の構成は、上記の第1の実施形態と同様である。
図13に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材20は平板状である。可動ダイ224は、固定ダイ222に形成された凹部226の底部に連結されたクッション228によって、その上面が被加工材20に当接するように支持されている。一方、パンチ140では、上記の第1の実施形態と同様に、内側可動パンチ146が被加工材20の中央部に当接されて、可動ダイ224の上面との間で被加工材20を挟持している。また、外側可動パンチ144は、内側可動パンチ146よりも後退した位置で支持されている。
プレス加工の開始後、パンチ140が凹部126の底面に向かってプレスされると、まずクッション228が収縮し、可動ダイ224が、内側可動パンチ146との間で被加工材20の中央部を挟持したまま凹部226の中に押し込まれる。第1の実施形態と同様に、パンチ140は、外側可動パンチ144が内側可動パンチ146よりも後退した位置関係を維持した状態で凹部126に押し込まれる。従って、外側可動パンチ144は、内側可動パンチ146よりも遅れて凹部226に押し込まれることになる。
図14に示されるように、可動ダイ224が凹部226に底突きした時点で、可動ダイ224と内側可動パンチ146との間に挟持された状態で凹部226に押し込まれた被加工材20の中央部を天井部24a(最終的に形成される天井部24の中央領域)、それに伴って外側可動パンチ144と凹部226の側面230との間に折り込まれた被加工材20の辺縁部を縦壁部22とする、U字状部分の概形が形成される。
ここで、第1の実施形態との違いとして、本実施形態では、凹部226の底面232と側面230との間に、曲率をもったコーナー面234が介在する。底面232は底突きした可動ダイ224によって形成され、側面230およびコーナー面234は固定ダイ222によって形成されている。従って、本実施形態において、可動ダイ224の外寸は、コーナー面234の分だけ、凹部226の内寸よりも小さくなる。本実施形態でも外側可動パンチ144が内側可動パンチ146よりも遅れて凹部126に押し込まれることによってテーパー部26が形成されるが、テーパー部26はコーナー面234に接していない。
図15に示されるように、さらに続いてパンチ140がプレスされると、今度はクッション150が収縮し、外側可動パンチ144が凹部226の中にさらに押し込まれて内側可動パンチ146に追いつく。このとき、外側可動パンチ144は、底面232およびコーナー面234との間で被加工材20(テーパー部26)を挟み込んで、天井部24b(天井部の辺縁領域)、およびコーナー部28を成形する。コーナー部28の内側は外側可動パンチ144に沿って、外側は凹部226のコーナー面234に沿って、それぞれ成形される。コーナー面234は曲率をもった面であるため、コーナー部28の外側も曲率をもった形状に成形される。
本実施形態でも、図14および図15を参照すれば明らかなように、被加工材20の断面において、テーパー部26の長さは、天井部24bとコーナー部28とを合わせた長さよりも長い。従って、プレス加工装置200では、第1の実施形態と同様に、コーナー部28を増肉させることが可能である。この場合、既に説明したように、被加工材20の断面において、コーナー部28の外側の曲率半径R2は、内側の曲率半径R1に縦壁部22および天井部24の板厚tを加えたものよりも小さくなる(R2<R1+t)。外側曲率半径R2を内側の曲率半径R1よりも小さくする(R2<R1)ことも可能である。なお、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、コーナー部28の減肉を抑制した場合には、コーナー部28の曲率半径がR2≧R1+tになることもありうる。
なお、本実施形態に係るプレス加工装置200によって成形された成形品は、上記のように断面においてコーナー部の外側が曲率をもった形状に成形されている以外は、上記の第1の実施形態における成形品と同様の特徴を有する。つまり、本実施形態の成形品では、例えば第1の実施形態において図6Aに示された例と同様にコーナー部が増肉されているという特徴がみられる。このとき、縦壁部および天井部は必ずしも増肉されていなくてもよい。あるいは、本実施形態の成形品では、従来技術では発生していたコーナー部における減肉が抑制されているという特徴がみられる。
また、本実施形態における成形品の形状は、例えば上記の第1の実施形態において図9Aに示されたような長尺状(U字状部分がチャンネル形状を形成する)であってもよく、軸対称形状(U字状部分がカップ形状を形成する)であってもよい。また、本実施形態も、第1の実施形態と同様に、断面が縦壁部22の端部に連続するフランジ部をさらに含むハット状部分を有する成形品を得るためのプレス加工に適用可能である。
以上で説明した本発明の第1の実施形態の他の変形例では、第1の実施形態と同様に、プレス加工装置200を用いた被加工材20のプレス加工において、外側可動パンチ144が内側可動パンチ146よりも遅れて凹部226の中に押し込まれることによってテーパー部26が形成される。テーパー部26の長さは最終的に形成される天井部24bおよびコーナー部28を合わせた長さよりも長いため、テーパー部26を押し広げてコーナー部18を成形することによって、縦壁部22と天井部24との間で材料を流動させなくてもコーナー部28を増肉させることができる。本実施形態では、凹部226にコーナー面234が形成されていることによって、コーナー部28の外側を曲率をもった形状に安定的に成形することができるが、上記のように縦壁部22と天井部24との間で材料を流動させる必要はないため、コーナー面234によって規定されるコーナー部28の外側の曲率半径を、例えば従来技術におけるものよりも小さくすることが可能である。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様にプレス加工装置200は単軸でよい。
なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態でも、必ずしも図13に示すように被加工材20が平板状である状態からプレス加工装置200でのプレス加工が開始されなくてもよく、例えば、被加工材20の一次成形を他の装置で実施してもよい。この場合、プレス加工装置200では、二次成形として、図14に示したように、被加工材20の断面のU字状部分が凹部226に受容された状態からプレス加工が開始される。このような場合、プレス加工装置200には、可動ダイ224が設けられなくてもよい。
(2.第2の実施形態:深絞り成形)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、断面のU字状部分によって形成されるカップ形状を含む軸対称形状の成形品を得るための、いわゆる深絞り成形が実施される。以下の説明では、従来技術による深絞り成形と比較しながら、本実施形態による深絞り成形とその利点について説明する。なお、既に述べた通り、上記の第1の実施形態も、カップ形状を含む軸対称形状の成形品を得るための深絞り成形に適用することが可能である。つまり、別途の説明がなくても、本実施形態の深絞り成形において、第1の実施形態と同様の構成を採用することは可能である。同様に、第1の実施形態を深絞り成形に適用する場合に、本実施形態と同様の構成を採用することも可能である。
図16および図17は、従来技術に係るプレス加工装置の構成を深絞り成形時の動作とともに示す概略的な断面図である。図16および図17を参照すると、被加工材90の深絞り成形を実施するプレス加工装置900は、ダイ920と、パンチ940と、ブランクホルダー960とを含む。ダイ920は、固定ダイ922と、クッション928で連結された可動ダイ(パッド)924とを含む。パンチ940は、本実施形態とは異なり、単一のブロックである。図16に示す状態からパンチ940がプレスされると、平板状の被加工材90が固定ダイ922に形成された凹部926に押し込まれる。これによって、図17に示すように断面のU字状部分が成形される。このとき、ブランクホルダー960は、固定ダイ922の上面との間で被加工材90の辺縁部分を拘束し、しわの発生を抑制している。
従来技術の場合、縦壁部92と天井部94との間のコーナー部98がパンチ940の肩部952によって単純に折り曲げられるため、外側と内側との周長差により、コーナー部98の板厚が縦壁部92や天井部94に比べて小さくなる(コーナー部98が減肉される)。このような減肉は、例えば断面においてコーナー部98の内側の曲率半径を小さくした場合において顕著である。コーナー部98ではむしろ縦壁部92や天井部94よりも高い強度が必要とされる場合もあるため、コーナー部98における減肉の発生は、一般的に好ましくない。
本実施形態における深絞り成形では、上記のような従来技術におけるコーナー部の減肉の問題が改善される。
図18〜図20は、本発明の第2の実施形態に係るプレス加工装置の構成をプレス加工(深絞り成形)時の動作とともに示す概略的な断面図である。図18〜図20を参照すると、プレス加工装置300は、ダイ120と、パンチ340と、ブランクホルダー360とを含む。パンチ340は、固定パンチ344と、可動パンチ(パッド)346とを含む。なお、ダイ120の構成は、上記の第1の実施形態と同様である。
図18に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材30は平板状である。第1の実施形態と同様に、可動ダイ124は、その上面が被加工材30に当接するように支持されている。一方、パンチ340は、可動パンチ346が被加工材30の中央部に当接されて、可動ダイ124の上面との間で被加工材30を挟持している。固定パンチ344と可動パンチ346との間にはクッション350が介在し、固定パンチ344が可動パンチ346よりも後退した位置関係が維持されている。
プレス加工の開始後、パンチ340が凹部126の底面に向かってプレスされると、まずクッション128が収縮し、可動ダイ124が凹部126の中に押し込まれる。この時点でクッション350は収縮しないため、パンチ340は、固定パンチ344が可動パンチ346よりも後退した位置関係を維持した状態で凹部126に押し込まれる。つまり、固定パンチ344は、可動パンチ346よりも遅れて凹部126に押し込まれることになる。このとき、ブランクホルダー360は、固定ダイ122の上面との間で被加工材30の辺縁部分を拘束し、しわの発生を抑制している。なお、このようなブランクホルダーは、例えば上記の第1の実施形態の構成で深絞り成形を実施する際にも、同様に設けられてもよい。
図19に示されるように、可動ダイ124が凹部126に底突きした時点で、可動ダイ124と可動パンチ346との間に挟持された状態で凹部126に押し込まれた被加工材30の中央部を天井部34a(最終的に形成される天井部34の中央領域)、それに伴って固定パンチ344と凹部126の側面130との間に折り込まれた被加工材30の辺縁部を縦壁部32とする、U字状部分の概形が形成される。この時点では、固定パンチ344は可動パンチ346よりも遅れて凹部126に押し込まれているため、天井部34aと縦壁部32との間にはテーパー部36が形成されている。
図20に示されるように、さらに続いてパンチ340がプレスされると、今度はクッション350が収縮し、固定パンチ344が凹部126の中にさらに押し込まれて可動パンチ346に追いつく。このとき、固定パンチ344は、凹部126の底面132との間で被加工材30(テーパー部36)を挟み込んで、天井部34b(天井部の辺縁領域)、およびコーナー部38を成形する。ようにプレスされる。図19および図20を参照すれば明らかなように、被加工材30の断面において、テーパー部36の長さは、天井部34bとコーナー部38とを合わせた長さよりも長い。従って、プレス加工装置300では、コーナー部38の減肉を抑制し、適切な板厚でコーナー部38を成形することが可能である。
具体的な例として、本実施形態では、被加工材30の縦壁部32および天井部34の板厚が2mmの場合に、プレス加工装置300を用いて、コーナー部38の板厚が2mmに維持されるように深絞り成形を実施することが可能である。なお、同じ場合に、従来技術による深絞り成形では、コーナー部の板厚が1.57mmまで減肉された。
以上で説明した本発明の第2の実施形態では、プレス加工装置300を用いた被加工材30の深絞り成形において、固定パンチ344が可動パンチ346よりも遅れて凹部126の中に押し込まれることによって、縦壁部32と天井部34aとの間にテーパー部36が形成される。第1の実施形態と同様に、テーパー部36を押し広げてコーナー部38を成形することによって、コーナー部38の減肉を抑制することができる。また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様にプレス加工装置300は単軸でよい。
なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態でも、必ずしも図18に示すように被加工材30が平板状である状態からプレス加工装置300でのプレス加工が開始されなくてもよく、例えば、被加工材30の一次成形を他の装置で実施してもよい。この場合、プレス加工装置300では、二次成形として、図19に示したように、被加工材30の断面のU字状部分が凹部126に受容された状態からプレス加工が開始される。このような場合、プレス加工装置300には、可動ダイ124やブランクホルダー360が設けられなくてもよい。
なお、第1の実施形態では、天井部の中央領域を挟持する第1のパンチと、縦壁部を拘束しながら天井部の辺縁領域およびコーナー部を成形する第2のパンチとがいずれも可動パンチとして設けられたが、本実施形態では第2のパンチが固定パンチになっている。また、本実施形態では、第1の実施形態のように、縦壁部の端面に当接される第3のパンチは設けられない。第1の実施形態でも同様に、第3のパンチを設けず、また第2のパンチを固定パンチとする構成が可能である。
また、本実施形態は、深絞り成形におけるコーナー部の減肉を抑制するものとして説明したが、同様のコーナー部の減肉は長尺状の成形品を得るための曲げ成形でも発生しうる。従って、曲げ成形でもコーナー部の減肉を抑制する(つまり、コーナー部が必ずしも増肉されない)ために本実施形態の構成が採用されてもよい。
(3.第3の実施形態:縦壁部の増肉)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、上述の第1の実施形態または第2の実施形態(以下、単に「上述の実施形態」ともいう。)のうちいずれかの方法により成形された成形品をさらにプレス加工して、天井部よりも縦壁部が肉厚である成形品を成形する付加成形工程を追加している。上述の実施形態により成形された成形品を用いて縦壁部が増肉された成形品をプレス成形することで、内部のコーナー面が重なり合うことがなく縦壁部を増肉することができる。以下では、上述の実施形態により成形された成形品を用いることを前提として、縦壁部を増肉する付加成形工程について説明する。
図21は、本実施形態に係るプレス加工により成形される成形品70Aの一例を示す説明図である。図21に示す成形品70Aは、縦壁部74と、天井部76とを含み、縦壁部74と天井部76とから形成される凹部72を有するカップ形状の成形品である。この成形品70Aは、例えば、図9Bに示した、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含むカップ形状の成形品60を、以下説明する第2のプレス加工装置によりさらにプレス加工することで成形される。
本実施形態に係る第2のプレス加工装置である、縦壁部74を増肉するためのプレス加工装置400の構成を、図22及び図23に示す。図22は、縦壁部を増肉させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。図23は、縦壁部の増肉後の状態を示す概略的な断面図である。図22及び図23を参照すると、プレス加工装置400は、ダイ420と、パンチ440とを含む。ダイ420は、固定ダイである。パンチ440は、固定パンチ442と、可動パンチ(パッド)444とを含む。
図22に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材40は、上述のいずれかの実施形態により成形された成形品であり、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角となっている。例えば、被加工材40は、図9Bに示したカップ形状の成形品60であり、この場合、プレス加工装置400により、図21に示した縦壁部74が増肉されたカップ形状の成形品70Aが成形される。なお、本発明はかかる例に限定されず、プレス加工装置400により、例えば、図9Aに示したチャンネル形状を有する長尺状の成形品50から、縦壁部が増肉されたチャンネル形状を有する長尺状の成形品を得ることも、同様に実施可能である。
ダイ420は、被加工材40が収容される凹部430を有する。凹部430の形状は、被加工材40により製造される成形品の形状に対応して形成されている。したがって、被加工材40の縦壁部42が対向する方向における凹部430の長さは、対向する縦壁部42の外面間の長さよりも大きく形成されている。被加工材40は、凹部430に収容された状態で、被加工材40の縦壁部42の外部側に当該プレス加工により増肉される分の空間が存在するように、カップ形状の開口側をパンチ440側に向けて凹部430に配置される。
一方、パンチ440の可動パンチ444は、被加工材40のカップ形状に対応する形状を有している。可動パンチ444は、被加工材40の開口から挿入され、その下面及び側面が被加工材40のカップ形状の内面(すなわち、底面432及び側面434)と接するように配置される。このとき、可動パンチ444は、固定パンチ442と連結されたクッション446によって被加工材40を押圧し、ダイ420の凹部430の底面432との間で被加工材40の天井部44を挟持している。また、被加工材40の縦壁部42の端面49には、固定パンチ442が当接される。
プレス加工装置400によるプレス加工を開始すると、図23に示すように、固定パンチ442と可動パンチ444との間に設けられたクッション446が収縮し、固定パンチ442が凹部430の底面432に向かって移動する。これにより、被加工材40の縦壁部42を構成している材料がダイ420の凹部430との間に存在する空間へ流動し、当該空間を埋める。こうして、図23に示すように、被加工材40の縦壁部42をプレス加工前よりも増肉させるとともに、プレス加工後のコーナー部48の外側の曲率半径を、プレス加工前と同様、小さく、あるいは略直角とすることができる。
ここで、本実施形態により成形される成形品は、上述の実施形態により成形されたコーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角である成形品を、プレス加工装置400によりプレス加工することで得られる。被加工材のコーナー部の外側の曲率半径が大きく、コーナー部の板厚が薄いと、プレス加工装置400により縦壁部の端部を押圧した際、縦壁部及び天井部の材料が流動してしまい、コーナー部の内部に折れ込み等の疵が発生する。折れ込み部分は縦壁部と天井部との内面同士が接触して重なっている部分であり、縦壁部と天井部との重なりが解かれて開きやすいため、他の部分に比べて強度が低下する。また、折れ込み部分は疲労破壊の要因ともなる。
これに対して、本実施形態のように、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を被加工材として用いた場合、被加工材40の天井部44が凹部430の底面432と可動パンチ444の下面とにより挟持された状態で、コーナー部48の材料が流動し、凹部430の底面432及び側面434との間が埋められる。したがって、コーナー部48の内部に折れ込みが発生することなく、かつ、コーナー部48の外側の曲率半径を、プレス加工前と同様、小さく、あるいは略直角とすることができる。
以上で説明した本発明の第3の実施形態では、プレス加工装置400を用いた被加工材40のプレス加工において、被加工材40として、上述の実施形態に成形された、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を用いる。そして、プレス加工装置400により、被加工材40の天井部44を挟持した状態で縦壁部42の端面49に荷重を加えることで、縦壁部42と天井部44との間で材料を流動させなくても縦壁部42を増肉させるとともに、従来技術に比べてコーナー部48の外側の曲率半径を小さくする、またはコーナー部48の外側を略直角にすることができるので、成形後のコーナー部48も増肉させることができる。
(4.第4の実施形態:縦壁部の押出し)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、上述の第1の実施形態または第2の実施形態のうちいずれかの方法により成形された成形品をさらにプレス加工して、天井部に対して縦壁部が延設された成形品を成形する付加成形工程を追加している。上述の実施形態により成形された成形品を用いて天井部に対して縦壁部が延設された成形品をプレス成形することで、内部のコーナー面が重なり合うことがなく縦壁部を押出し、縦壁部を延設することができる。以下では、上述の実施形態により成形された成形品を用いることを前提として、縦壁部を延設する付加成形工程について説明する。
図24は、本実施形態に係るプレス加工により成形される成形品70Bの一例を示す説明図である。図24に示す成形品70Bは、縦壁部74と、天井部76と、縦壁延設部78とを含み、縦壁部74と天井部76とから形成される凹部72を有するカップ形状の成形品である。この成形品70Bも、例えば、図9Bに示した、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含むカップ形状の成形品60を、以下説明する第2のプレス加工装置によりさらにプレス加工することで成形される。
本実施形態に係る第2のプレス加工装置である、縦壁部74を延設するためのプレス加工装置500の構成を、図25及び図26に示す。図25は、縦壁部を延設させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。図26は、縦壁部の延設後の状態を示す概略的な断面図である。図25及び図26を参照すると、プレス加工装置500は、ダイ520と、パンチ540とを含む。ダイ520は、縦壁固定ダイ522と、天井固定ダイ523と、可動ダイ(パッド)524とを含む。パンチ540は、固定パンチ542と、可動パンチ(パッド)544とを含む。
図25に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材40は、第3の実施形態と同様、第1の実施形態または第2の実施形態のうちいずれかの方法により成形された成形品であり、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角となっている。例えば、被加工材40は、図9Bに示したカップ形状の成形品60であり、この場合、プレス加工装置500により、図24に示した縦壁部74が延設されたカップ形状の成形品70Bが成形される。なお、本発明はかかる例に限定されず、プレス加工装置500により、例えば、図9Aに示したチャンネル形状を有する長尺状の成形品50から、縦壁部が延設されたチャンネル形状を有する長尺状の成形品を得ることも、同様に実施可能である。
ダイ520は、縦壁固定ダイ522、天井固定ダイ523、及び可動ダイ524により、被加工材40が収容される凹部を形成する。縦壁固定ダイ522は被加工材40の縦壁部42を支持し、天井固定ダイ523及び可動ダイ524は被加工材40の天井部44を支持する。天井固定ダイ523の内面は、図24に示すように、被加工材40の天井部44と接触可能な中央領域(両側の縦壁部42が延設される部分を除く領域)523aと、当該中央領域523aよりもパンチ540と反対側に窪んだ端部領域523bとからなる。天井固定ダイ523の両側に縦壁固定ダイ522を配置すると、端部領域523bに空間が形成される。可動ダイ524は、天井固定ダイ523の端部領域523bと連結されたクッション526により支持された状態でこの空間に配置される。ダイ520の凹部に被加工材40が配置されると、可動ダイ524は、被加工材40の天井部44により、天井部44が天井固定ダイ523の内面の中央領域523aと当接する位置まで押し込まれる。
一方、パンチ540の可動パンチ544は、被加工材40のカップ形状に対応する形状を有している。可動パンチ544は、被加工材40の開口から挿入され、その下面及び側面が被加工材40のカップ形状の内面(すなわち、底面及び側面)と接するように配置される。このとき、固定パンチ542とクッション546によって連結された可動パンチ544は、被加工材40を押圧し、天井固定ダイ523との間で被加工材40の天井部44を挟持している。また、被加工材40の縦壁部42の端面49には、固定パンチ542が当接される。初期状態においては、固定パンチ542が被加工材40の縦壁部42の端面49に当接しても被加工材40は変形しない。
プレス加工装置500によるプレス加工を開始すると、図26に示すように、固定パンチ542と可動パンチ544との間に設けられたクッション546が収縮し、固定パンチ542が凹部の底面に向かって移動する。これにより、被加工材40の縦壁部42を構成している材料が、可動ダイ524を押し込み、クッション526を収縮させながら、可動ダイ524の代わりに縦壁固定ダイ522と天井固定ダイ523の中央領域との間の空間を埋めるように移動する。こうして、図26に示すように、被加工材40の縦壁部42をプレス加工前よりも延設させることができる。
このとき、プレス加工後の被加工材40は、凹部内の第1の内コーナー部48aと、縦壁部42が延設された縦壁延設部46と天井部44とにより形成される第2の内コーナー部48bとを有する。本実施形態により成形される成形品も、第3の実施形態と同様、上述の第1の実施形態または第2の実施形態のいずれかにより成形されたコーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角である成形品を、プレス加工装置500によりプレス加工することで得られる。仮に、被加工材のコーナー部の外側の曲率半径が大きく、コーナー部の板厚が薄いと、プレス加工装置500により縦壁部の端部を押圧した際、縦壁部及び天井部の材料が流動してしまい、第1の内コーナー部48aに折れ込み等の疵が発生する。折れ込み部分は、他の部分に比べて強度が低く、疲労破壊の要因ともなる。
これに対して、本実施形態のように、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を被加工材として用いた場合、被加工材40の天井部44が凹部の底面と可動パンチ544の下面とにより挟持された状態で、コーナー部48の材料が、可動ダイ524を押し下げながら流動する。したがって、コーナー部48の内部に折れ込みが発生することがない。また、第2の内コーナー部48bは、第1の内コーナー部48aと同様、コーナー部48への応力集中を避ける観点から、コーナー部48の内側についてはある程度の(0に近い程度ではない)曲率半径を与えることが望ましい。例えば、第2の内コーナー部48bに、第1の内コーナー部48aと同程度の曲率半径を与えるようにしてもよい。
以上で説明した本発明の第4の実施形態では、プレス加工装置500を用いた被加工材40のプレス加工において、被加工材40として、上述の実施形態に成形された、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を用いる。そして、プレス加工装置500により、被加工材40の天井部44の中央領域523aを挟持した状態で縦壁部42の端面49に荷重を加える。これにより、縦壁部42と天井部44との間で材料を流動させなくても縦壁部42を延設させることができ、第1の内コーナー部48aに折り込みを発生させることがない。
(5.第5の実施形態:天井部の押出し)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、上述の第1の実施形態または第2の実施形態のうちいずれかの方法により成形された成形品をさらにプレス加工して、天井部が延設された成形品を成形する付加成形工程を追加している。上述の実施形態により成形された成形品を用いて天井部が延設された成形品をプレス成形することで、内部のコーナー面が重なり合うことがなく天井部を押出し、天井部を延設することができる。以下では、上述の実施形態により成形された成形品を用いることを前提として、天井部を延設する付加成形工程について説明する。
図27は、本実施形態に係るプレス加工により成形される成形品70Cの一例を示す説明図である。図27に示す成形品70Cは、縦壁部74と、天井部76と、天井延設部79とを含み、縦壁部74と天井部76とから形成される凹部72を有するカップ形状の成形品である。この成形品70Cも、例えば、図9Bに示した、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含むカップ形状の成形品60を、以下説明する第2のプレス加工装置によりさらにプレス加工することで成形される。
本実施形態に係る第2のプレス加工装置である、天井部76を延設するためのプレス加工装置600の構成を、図28及び図29に示す。図28は、天井部を延設させるプレス加工の初期状態を示す概略的な断面図である。図29は、天井部の延設後の状態を示す概略的な断面図である。図28及び図29を参照すると、プレス加工装置600は、ダイ620と、パンチ640とを含む。ダイ620は、縦壁固定ダイ622と、天井固定ダイ623とを含む。パンチ640は、固定パンチ642と、可動パンチ(パッド)644とを含む。
図28に示されるように、本実施形態におけるプレス加工の開始時において、被加工材40は、第3の実施形態及び第4の実施形態と同様、第1の実施形態または第2の実施形態のうちいずれかの方法により成形された成形品であり、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角となっている。例えば、被加工材40は、図9Bに示したカップ形状の成形品60であり、この場合、プレス加工装置600により、図27に示した天井部76が延設されたカップ形状の成形品70Cが成形される。なお、本発明はかかる例に限定されず、プレス加工装置600により、例えば、図9Aに示したチャンネル形状を有する長尺状の成形品50から、縦壁部が延設されたチャンネル形状を有する長尺状の成形品を得ることも、同様に実施可能である。
ダイ620は、縦壁固定ダイ622及び天井固定ダイ623により、被加工材40が収容される凹部を形成する。縦壁固定ダイ522は被加工材40の縦壁部42のうち、天井部44が延設される部分以外の領域を支持する。また、縦壁固定ダイ522の、天井部44が延設される部分の領域に対応する部分には、形成する天井延設部47の形状に対応するように、被加工材40の縦壁部42から離隔する方向に窪んだ段差部622aが形成されている。縦壁固定ダイ622を天井固定ダイ623上に設置することで、縦壁固定ダイ622の段差部622aと天井固定ダイ624とにより、天井延設部47の形状に対応した空間632が形成される。ダイ620の凹部に配置された被加工材40は、図28に示すように、縦壁部42の一部領域と、天井部44とが支持され他状態となる。
一方、パンチ640の可動パンチ644は、被加工材40のカップ形状に対応する形状を有している。可動パンチ644は、被加工材40の開口から挿入され、その下面及び側面が被加工材40のカップ形状の内面(すなわち、底面及び側面)と接するように配置される。このとき、可動パンチ644は、固定パンチ642と連結されたクッション646によって被加工材40を押圧し、天井固定ダイ623との間で被加工材40の天井部44を挟持している。また、被加工材40の縦壁部42の端面49には、固定パンチ642が当接される。初期状態においては、固定パンチ642が被加工材40の縦壁部42の端面49に当接しても被加工材40は変形しない。
プレス加工装置600によるプレス加工を開始すると、図29に示すように、固定パンチ642と可動パンチ644との間に設けられたクッション646が収縮し、固定パンチ642が凹部の底面に向かって移動する。これにより、コーナー部48の材料が、縦壁固定ダイ622の段差部622aと天井固定ダイ624との間の空間632を埋めるように移動する。こうして、図29に示すように、被加工材40の天井部44をプレス加工前よりも延設させることができる。
本実施形態により成形される成形品も、第3の実施形態及び第4の実施形態と同様、上述の第1の実施形態または第2の実施形態のいずれかにより成形されたコーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角である成形品を、プレス加工装置600によりプレス加工することで得られる。仮に、被加工材のコーナー部の外側の曲率半径が大きく、コーナー部の板厚が薄いと、プレス加工装置600により縦壁部の端部を押圧した際、縦壁部及び天井部の材料が流動してしまい、コーナー部48の内側に折れ込み等の疵が発生する。折れ込み部分は、他の部分に比べて強度が低く、疲労破壊の要因ともなる。
これに対して、本実施形態のように、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を被加工材として用いた場合、被加工材40の天井部44が凹部の底面と可動パンチ644の下面とにより挟持された状態で、コーナー部48の材料が流動し、空間632が埋められる。したがって、縦壁部42の内面と天井部44とにより形成される第1の内コーナー部48aに折れ込みが発生することがない。なお、天井部44が延設された天井延設部47の形成により、縦壁部42の外面と天井延設部47とによって、第3の内コーナー部48cが形成される。第3の内コーナー部48cは、第1の内コーナー部48aと同様、コーナー部48への応力集中を避ける観点から、コーナー部48の内側についてはある程度の(0に近い程度ではない)曲率半径を与えることが望ましい。例えば、第3の内コーナー部48cに、第1の内コーナー部48aと同程度の曲率半径を与えるようにしてもよい。
以上で説明した本発明の第5の実施形態では、プレス加工装置600を用いた被加工材40のプレス加工において、被加工材40として、上述の実施形態に成形された、コーナー部の外側の曲率半径が小さい、あるいは略直角であるU字状部分を断面に含む成形品を用いる。そして、プレス加工装置600により、被加工材40の天井部44を挟持した状態で縦壁部42の端面49に荷重を加える。これにより、縦壁部42と天井部44との間で材料を流動させなくても天井部44を延設させることができ、第1の内コーナー部48aに折り込みを発生させることがない。
(6.まとめ)
以上説明した、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、プレス加工装置を用いた被加工材のプレス加工において、縦壁部と天井部との間にテーパー部が形成した後、テーパー部を押し広げてコーナー部を成形する。これにより、縦壁部と天井部との間で材料を流動させなくてもコーナー部を増肉させることができる。それゆえ、従来技術に比べてコーナー部の外側の曲率半径を小さくする、またはコーナー部の外側を略直角にすることができる。また、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、1工程で平板から、コーナー部の外側の曲率半径を小さく、あるいは略直角に成形するのではなく、段階的に押し込みコーナー部の外側の形状を成形していくことで、従来技術よりも小さな荷重でプレス成形することが可能である。したがって、強度の高い鉄鋼材料のプレス成形も、成形時に割れ等を発生させることなく加工することが可能となる。なお、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るプレス成形方法により成形可能な材料は、鉄鋼以外にも、アルミニウム等も含まれる。
また、本発明の第3〜第5の実施形態によれば、第1の実施形態または第2の実施形態のプレス成形装置により成形された、コーナー部の外側の曲率半径の小さい、あるいは略直角の成形品を第2の被加工材として用い、さらにプレス加工を行い、他の形状の成形品を形成する。コーナー部の外側の曲率半径の小さい、あるいは略直角の成形品を第2の被加工材として用いることで、縦壁部の増肉、縦壁部あるいは天井部の延設をプレス加工により行った際、コーナー部の内側に折り込み等の疵を生じさせないことができる。
さらに、本発明の第3〜第5の実施形態のプレス成形装置により成形された成形品は、複雑な形状の成形品であり、従来は、複数の部品を溶接等により接続して形成されるのが一般的であった。しかし、第1の実施形態または第2の実施形態のプレス成形装置を用いたプレス成形と、第3〜第5の実施形態のプレス成形装置を用いたプレス成形とを組み合わせることで、複雑な形状の成形品を1部品として製造することが可能となる。これにより、部品点数を少なくすることが可能であり、部品重量も小さく、また、製造コストも削減することができる。
本発明のプレス加工装置により成形されたプレス成形品についての衝撃吸収性能を評価するため、衝突試験を実施した。本実施例では、縦壁部から延びるフランジ部が形成された、U字状部分を有するチャンネル形状のプレス成形品に対して三点曲げ試験を実施し、単位体積当たりの吸収エネルギーから衝撃吸収性能を評価した。試験は、コーナー部の形状が異なる5つのプレス成形品に対して実施した。被加工材には980MPa級鋼板を用いた。試験対象としたプレス成形品は、第1の実施形態に示したプレス加工装置100をフランジ部も合わせて成形可能なように構成したプレス加工装置を用いて成形した。
ここで、試験対象とする、フランジ部を有するプレス成形品を成形するプレス成形品の成形方法を、図30に示す。なお、図30では、プレス加工装置700の右半分のみを示しており、実際には、中心線に対して左右対称の部材を備えている。プレス加工装置700は、図30に示すように、ダイ720と、パンチ740とを含む。ダイ720は、固定部722と、内側可動ダイ(パッド)724と、外側可動ダイ(パッド)726とを含む。内側可動ダイ724は、クッション723により固定部722に支持されており、外側可動ダイ726、クッション725により固定部722に支持されている。一方、パンチ740は、固定パンチ742と、可動パンチ(パッド)744とを含む。可動パンチ744は、クッション750により固定パンチ742に支持されている。
まず、プレス加工を開始するにあたり、可動パンチ744と内側可動ダイ724とにより平板状の被加工材10を挟持させる(STEP1)。そして、外側可動ダイ726が固定パンチ742に当接するまでダイ720をパンチ740側に押し込み、固定パンチ742の突起部742aと外側可動ダイ726との間で縦壁部を拘束し、可動パンチ744と内側可動ダイ724とにより天井部の中央領域を成形する(STEP2)。このとき、天井部の中央領域と縦壁部との間にテーパー部が形成される。また、被加工材10のうち、外側可動ダイ726と固定パンチ742とに挟持された部分は、フランジ部となる。
その後、さらにダイ720をパンチ740側へ押し込むと、クッション750が収縮して可動パンチ744が固定パンチ742に当接する。このとき、可動パンチ744の端面と固定パンチ742の突起部742aの端面とが面一となる。かかる状態となることで、天井部の辺縁領域とコーナー部とが成形される。このように、可動パンチ744が固定パンチ742に遅れて押し込まれるようにすることで、コーナー部が増肉される。
図31及び図32に、図30に示したプレス加工装置700に成形されるプレス成形品80の外形を示す。図31は、プレス成形品80の斜視図であり、図32は、プレス成形品80の正面図である。なお、図31及び図32では、説明のため、プレス成形品80のフランジ部88と平板89とが離隔している状態を示しているが、実際には接触して溶接されている。プレス成形品80は、チャンネル形状82を含む長尺状の成形品である。プレス成形品80は、縦壁部84、天井部86、及びフランジ部88を有している。衝撃吸収試験に際し、プレス成形品80のチャンネル形状82の開口を塞ぐように平板89を配置し、フランジ部88にて平板89をスポット溶接した。
本実施例では、図31及び図32に示した形状のプレス成形品80を、高さHを50mm、チャンネル形状82の開口幅Waを80mm、フランジ部88を含めたプレス成形品の幅Wbを120mmとして成形した。被加工材の板厚は1.6mmであった。そして、図33及び下記表1に示すように、コーナー部87の内側C1の曲率半径R1を1.0mmで共通とし、コーナー部87の外側C2の曲率半径R2を変化させて、各試験対象のプレス成形品を成形した。コーナー部87の板厚が被加工材の板厚と同様である試験1のプレス成形品を基準としたときの増肉率は、表1のとおりである。また、プレス成形品80の長手方向(X方向)の長さLは300mmであった。
三点曲げ試験は、図34に示すように、図31に示した平板89が溶接されたプレス成形品80を、長手方向の端部が試験機の支持部5に支持されるように設置して実施した。支持部5間の距離Lは200mmであった。支持部5のコーナー部の曲率半径Rは15mmであった。そして、支持部5間の中央部において、圧子3によりプレス成形品80の天井部86を押圧した。圧子3は先端部が曲面に形成された円柱部材であり、重さが300kg、直径Dは100mm、先端部Rの曲率半径は50mmであった。圧子3は、プレス成形品80の天井部86から上方へ1m離れた位置より、4.4m/sの負荷速度でプレス成形品80へ衝撃を与えた。
三点曲げ試験の結果として、図35に、試験1〜5で用いたプレス成形品の増肉率と最大荷重比とを示す。ここでは、試験1のプレス成形品のコーナー部の板厚及び最大荷重を基準としている。図35に示すように、コーナー部の増肉率が高まるにつれ最大荷重比も大きくなり、試験4のプレス成形品の最大荷重比は約1.5倍となっている。このように、コーナー部の増肉率を高めることで、初期荷重負荷を効果的に吸収でき、例えば自動車等の衝撃吸収部材として用いた場合には、衝突安全性の向上が期待できる。
また、本実施例で用いた試験2〜試験5のプレス成形品は、コーナー部の板厚が被加工材の板厚よりも増肉されていることに加え、上述のプレス加工装置700により成形されることで、図7及び図8に示したように、天井部及びコーナー部に加工硬化した部位を有している。これにより、三点曲げ試験においても、試験2〜試験5のプレス成形品は、高い圧潰荷重を示しているものと解する。なお、従来のプレス成形装置によりプレス成形された、U字状部分を有するプレス成形品は、コーナー部のみに加工硬化した部位を有する。また、加工硬化による強度上昇も小さい。したがって、従来の手法により成形されたプレス成形品は、本発明の手法により成形されたプレス成形品のような、高い衝撃吸収性能を有することはできないと考えられる。また、上述の実施形態や本実施例にて説明したように、本発明に係るプレス成形品を成形するプレス加工方法は簡易であり、三点曲げ荷重に対して高い圧潰荷重を有する衝撃吸収部材を容易に、かつ低コストで提供することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上記実施形態では、被加工材として鋼板を一例として挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、プレス加工装置により加工される被加工材としては、鉄、アルミ、チタン、ステンレス等の金属板や、複合材料(金属−樹脂、異種金属)、炭素繊維等にも適用可能である。さらに、本発明は、被加工材を所定の温度に加熱して軟質化させた状態でプレス加工を行うホットスタンプにも適用可能である。この場合、本発明のプレス加工装置及びプレス加工方法は、被加工材の加熱後のプレス加工時に適用、実施される。ホットスタンプにより成形されたプレス成形品も、U字状部分のコーナー部が増肉されたものとなる。また、当該プレス加工装置により成形されたプレス成形品は、例えば自動車用あるいは自動車用部品に利用可能のみならず、各種車両、一般機械、家電、船舶等にも利用可能である。
10、20、30、40 被加工材
12、22、32、42 縦壁部
14、24、34、44 天井部
18、28、38、48 コーナー部
19、49 端面
50、60、70A、70B、70C 成形品
100、200、300 プレス加工装置
400、500、600 プレス加工装置(第2のプレス加工装置)
120、220、420、520、620 ダイ
122、222 固定ダイ
124、224、524 可動ダイ
126、226、430 凹部
140、340、440、540、640 パンチ
142、344、442、542、642 固定パンチ
144 外側可動パンチ
146 内側可動パンチ
346、444、544、644 可動パンチ
360 ブランクホルダー

Claims (8)

  1. 被加工材のプレス加工によって成形品を得るためのプレス加工方法であって、前記成形品は天井部、縦壁部、および前記天井部と前記縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含み、
    第1のパンチがダイの凹部の底面との間で前記天井部の中央領域を挟持する第1プレス加工工程と、
    所定の曲率半径を有するパンチ肩を有する第2のパンチが前記第1のパンチよりも遅れて前記ダイの前記凹部の中に押し込まれ、前記凹部の側面との間で前記縦壁部を拘束するとともに、前記底面との間で前記被加工材を挟み込んで前記天井部の辺縁領域および前記コーナー部を成形する第2プレス加工工程と、
    を含み、
    前記天井部の中央領域を挟持する前記第1のパンチの挟持幅、および、押し込み方向における前記第2のパンチの前記第1のパンチからの後退量は、前記コーナー部の目標板厚に基づき、以下の関係式IIIまたは関係式IVを満たすように設定され、
    前記天井部と、前記縦壁部と、前記コーナー部とからなるU字状部分を断面に含む前記成形品を第2の被加工材として、
    第2の成形品の形状に対応した形状であって、前記第2の被加工材を収容する凹部を有し、少なくとも前記第2の被加工材の前記天井部を支持する第2のダイと、前記第2のダイとともに前記第2の被加工材の前記天井部を挟持する第4のパンチと、前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記第2の成形品を成形する第5のパンチと、を備える第2のプレス加工装置を用いて、
    前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記第2の成形品を成形する付加成形工程をさらに含む、プレス加工方法。
    ≧S ・・・(III)
    =S ・・・(IV)
    ここで、S は、下記式(D)で表される、第1プレス加工により成形される前記天井部の中央領域と前記縦壁部との間のテーパー部の断面積、S は、下記式(E)で表される、第2プレス加工により成形される前記コーナー部が前記目標板厚となった前記成形品の稜線部の断面積、S は、下記式(F)で表される、第2プレス加工により成形される前記コーナー部が前記目標板厚となった前記成形品の稜線部の断面積である。
    ここで、H は前記第2のパンチの後退量に対応する、押し込み方向における前記テーパー部の長さ、W は幅方向における前記テーパー部の長さ、Rpは前記コーナー部の内側の曲率半径、tは前記被加工材の板厚である。
  2. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイの前記凹部は、前記第2の被加工材の前記縦壁部に対応する面間の長さが、前記第2の被加工材の前記縦壁部の外面間の長さよりも大きく形成されており、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込んで、前記第2の被加工材の前記縦壁部を増肉させる、請求項1に記載のプレス加工方法。
  3. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイのうち、前記第2の被加工材の前記天井部を支持する部分は、中央領域を支持する固定ダイと、端部を支持し、前記縦壁部の延設方向に移動可能な可動ダイとからなり、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込んで、前記可動ダイを移動させて、前記縦壁部に延設される縦壁延設部を形成する、請求項1に記載のプレス加工方法。
  4. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイのうち、前記第2の被加工材の前記縦壁部を支持する部分には、前記第2の被加工材の前記天井部に対応する位置に、前記縦壁部から離隔する方向に窪んだ段差部が形成されており、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記天井部に延設される天井延設部を形成する、請求項1に記載のプレス加工方法。
  5. 被加工材のプレス加工によって成形品を得るためのプレス加工方法であって、前記成形品は天井部、縦壁部、および前記天井部と前記縦壁部との間のコーナー部からなるU字状部分を断面に含み、
    第1のパンチがダイの凹部の底面との間で前記天井部の中央領域を挟持する第1プレス加工工程と、
    第2のパンチが前記第1のパンチよりも遅れて前記ダイの前記凹部の中に押し込まれ、前記凹部の側面との間で前記縦壁部を拘束するとともに、前記底面との間で前記被加工材を挟み込んで前記天井部の辺縁領域および前記コーナー部を成形する第2プレス加工工程と、
    を含み、
    前記天井部の中央領域を挟持する前記第1のパンチの挟持幅、および、押し込み方向における前記第2のパンチの前記第1のパンチからの後退量は、前記コーナー部の目標板厚に基づき設定され、
    前記天井部と、前記縦壁部と、前記コーナー部とからなるU字状部分を断面に含む前記成形品を第2の被加工材として、
    第2の成形品の形状に対応した形状であって、前記第2の被加工材を収容する凹部を有し、少なくとも前記第2の被加工材の前記天井部を支持する第2のダイと、前記第2のダイとともに前記第2の被加工材の前記天井部を挟持する第4のパンチと、前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記第2の成形品を成形する第5のパンチと、を備える第2のプレス加工装置を用いて、
    前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記第2の成形品を成形する付加成形工程をさらに含む、プレス加工方法。
  6. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイの前記凹部は、前記第2の被加工材の前記縦壁部に対応する面間の長さが、前記第2の被加工材の前記縦壁部の外面間の長さよりも大きく形成されており、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込んで、前記第2の被加工材の前記縦壁部を増肉させる、請求項5に記載のプレス加工方法。
  7. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイのうち、前記第2の被加工材の前記天井部を支持する部分は、中央領域を支持する固定ダイと、端部を支持し、前記縦壁部の延設方向に移動可能な可動ダイとからなり、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込んで、前記可動ダイを移動させて、前記縦壁部に延設される縦壁延設部を形成する、請求項5に記載のプレス加工方法。
  8. 前記第2のプレス加工装置の前記第2のダイのうち、前記第2の被加工材の前記縦壁部を支持する部分には、前記第2の被加工材の前記天井部に対応する位置に、前記縦壁部から離隔する方向に窪んだ段差部が形成されており、
    前記付加成形工程では、前記第2の被加工材の前記天井部を前記第2のダイ及び前記第4のパンチで挟持した状態で、前記第5のパンチにより前記第2の被加工材の前記縦壁部の端面を押し込み、前記天井部に延設される天井延設部を形成する、請求項5に記載のプレス加工方法。
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