JP3816937B1 - 熱間成形品用鋼板およびその製造方法並びに熱間成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼板を熱間で成形するに際して、成形時に破断や割れなどを発生させずに良好な成形が実現できる熱間成形用鋼板、およびこうした鋼板を製造するための有用な方法、並びにこうした鋼板によって成形される熱間成形品等を提供する。
【解決手段】 鋼板を熱間で成形して成形品を得るために用いる鋼板を製造するに当り、鋼板を加熱してオーステナイト化した後、該鋼板をマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度範囲まで平均冷却速度20℃/秒以上で冷却するものであり、こうして得られたものである熱間成形品用鋼板をAc1変態点以上の温度に加熱した後、熱間で成形することによって良好な熱間成形品が得られる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、主に自動車車体に適用される薄鋼板成形品を製造する分野において、その素材なる鋼板(ブランク)をオーステナイト+フェライト温度(Ac1変態点)以上に加熱した後、熱間でプレス成形して成形品を製造する際に用いる素地鋼板(熱間成形品用鋼板)、およびこうした鋼板を製造する方法、並びにこうした鋼板によって成形された成形品等に関するものであり、殊にプレス成形時に破断や割れなどを発生させずに良好な成形が実現できる素地鋼板や成形品等に関するものである。
自動車用部品では、衝突安全性や軽量化の両立を達成するために、部品素材の高強度化が進められている。またこうした部品は、鋼板をプレス成形して製造するのが一般的である。しかしながら、高強度化された鋼板に対して冷間加工を施す場合、特に980MPaを超える素材の成形は困難なものとなる。
こうしたことから、素材鋼板を加熱した状態で成形加工する熱間成形技術の検討が進められている。こうした技術としては、例えば特許文献1には、金属素材を850〜1050℃に加熱した状態で、相対的に低温のプレス金型を用いて成形する技術が提案されている。この技術によれば、金属材料の成形性がより良好になり、残留応力による遅れ破壊の発生も防止できると言われている。特に、通常の冷間プレス方法では成形が困難とされていた引張強度が1470MPa級の高強度鋼板を素材にした場合に相当する強度を有し、寸法精度も良好な部品を得ることが可能となる。
図1は、上記のような熱間成形(以下、「ホットスタンプ」と呼ぶことがある)を実施するための金型構成を示す概略説明図であり、図中1はパンチ、2はダイ、3はブランクホルダー(しわ押え)、4は鋼板(ブランク)、BHFはしわ押え力、rpはパンチ肩半径、rdはダイ肩半径、CLはパンチ/ダイ間クリアランスを夫々示している。また、これらの金型部品のうち、パンチ1とダイ2には冷却媒体(例えば水)を通過させることができる通路1a,2aが夫々の内部に形成されており、この通路に冷却媒体を通過させることによってこれらの部材が冷却されるように構成されている。
上記の様な金型を用いてホットスタンプ(例えば、熱間深絞り加工)するに際しては、ブランク(鋼板4)をAc3変態点以上に加熱して軟化させた状態で成形を開始する。即ち、高温状態にあるブランクをダイ2とブランクホルダー3間に挟んだ状態で、パンチ1によってダイ2の穴内に鋼板4を押し込み、ブランクの外径を縮めつつパンチ1の外形に対応した形状に成形する。成形中パンチおよびダイによってブランクの温度低下が生じるが、最終的に成形下死点で保持冷却することによって素材の焼き入れを実施する。こうした成形法を実施することによって、寸法精度の良い例えば1470MPa級の部品を得ることができ、しかも冷間で同じ強度クラスの部品を成形する場合に比較して、成形荷重が低減できることからプレス機の容量が小さくて済むことになる。
しかしながら、加熱されたブランクは金型との接触タイミングが部位によって異なるので、ブランク内に温度分布が生じ、同一ブランク内で温度分布に起因した材料強度の不均一が発生し易い。特に、しわ押さえを必要とする深絞り成形では、しわ押さえとダイに挟み込まれるブランク部分は成形中に急激に温度が低下することになる。この温度低下に伴って、材料の変形抵抗も上昇するため、成形途中で材料に破断や割れが発生し易い。こうしたことから、加熱によってせっかくブランクが軟化した状態であっても、上記理由によって絞り成形ができないという問題がある。
ホットスタンプに適用できる鋼板としては、例えば特許文献2、3のような鋼板が提案されている。これらの鋼板では、鋼板の化学成分組成を規定することによって、熱間成形加工後の硬化能に優れたものとする技術である。これらの技術によって、成形加工後の硬化能が向上した鋼板が得られるのであるが、製造する部品形状や熱間成形加工条件によっては依然として破断や割れが発生することがある。
上記のようなホットスタンプ技術は、オーステナイト温度(Ac3変態点)以上に加熱してから加工するのが一般的であるが、ブランクの加熱温度がAc3変態点以下と想定される温度に加熱してプレス成形することも提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、上記温度範囲に加熱した後成形すれば、絞り成形性が更に低下しやすい傾向があることを発明者は見出している(非特許文献1)。
特開2002−102980号公報 特許請求の範囲等 特開2004−124221号公報 特許請求の範囲等 特開2004−315927号公報 特許請求の範囲等 特開2003−126920号公報 特許請求の範囲、段落番号[0041]、[0042]等 「Hot Stamping Drawability of Steel」(Proceedings IDDRG) 2004,P344
本発明は、こうした状況の下でなされたものであって、その目的は、鋼板を熱間で成形するに際して、成形時に破断や割れなどを発生させずに良好な成形が実現できる熱間成形用鋼板、およびこうした鋼板を製造するための有用な方法、並びにこの鋼板によって成形される熱間成形品等を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の熱間成形品用鋼板の製造方法とは、鋼板を熱間で成形して成形品を製造するために用いる鋼板であって、鋼板を加熱してオーステナイト化した後、該鋼板をマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度範囲まで平均冷却速度20℃/秒以上で冷却する点に要旨を有するものである。
上記製造方法によって得られた鋼板では、成形性(特に、絞り成形性)に優れたものとなる。またこうした鋼板をAc1変態点以上の温度に加熱した後、熱間で成形することによって、品質の良好な熱間成形品が得られる。
本発明では、鋼板を加熱してオーステナイト化した後、該鋼板をマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度範囲まで平均冷却速度20℃/秒以上で冷却するという熱履歴を予め与えておくことによって、熱間で成形するに際の成形性が良好で絞り成形が容易に行える熱間成形用鋼板が実現でき、こうした鋼板を用いることによって成形時に破断や割れなどを発生させずに品質の良好な成形品を得ることができる。
本発明者は、良好なプレス成形性が実現できる技術についてかねてより研究を進めており、その研究の一環として、図2に示す金型によって絞り成形する技術について提案している(特開2005−14002号)。この金型構成では、ブランクホルダー3の一部に、鋼板を支持するためのピン7が設けられており、このピン7上に鋼板4を載置することによって、ダイ2およびブランクホルダー3に鋼板が直接接触せずに近接した状態にできる(図2中、他の部分の構成は基本的に前記図1と同じである)。そして、成形時においては、ピン7の上面はブランクホルダーの上面と面一となるようにされ、鋼板4がブランクホルダー3上に載置された状態となるように構成されている。
上記の様な金型構成においては、成形前に鋼板4をピン7で支持して、鋼板4と金型(特に、ダイ2およびブランクホルダー3)との直接的な接触を回避することにより、パンチ1の上面部分とそれ以外の大部分がほぼ同時に冷却されることになり、鋼板4の温度不均一に起因して、パンチ面での材料強度がフランジ面での材料強度が相対的に低くなることが防止できる。その結果、特にパンチ面での破断が防止され、絞り成形性が改善されることになるのである。
一方、本発明者は、鋼板表面に所定の厚さの酸化スケールが存在するようにすれば、絞り成形性が向上することも見出している。即ち、従来の熱間成形においては、成形後の後処理を考慮して、ブランク表面の酸化を防止するという観点から、加熱は非酸化雰囲気で行われており、ブランク表面に形成される酸化スケールは、できるだけ薄い方(例えば、10μm以下)が好ましいと考えられていたのである。しかしながら、本発明者が検討したところによれば、鋼板表面に酸化スケールを意図的に形成しておけば、成形時における局部的な温度低下が回避され成形性は却って向上することが判明しており、その技術的意義が認められたので別途出願している(特願2004−151753号)。
これらの技術によって、鋼板の熱間絞り成形性は格段に向上し得ることになったのであるが、状況によってはこれらの技術を十分に活用できない場合が想定される。
そこで本発明者は、素材鋼板自体の変形能力を組織面から改善するべく、検討を重ねたところ、上記のような熱履歴を鋼板に予め与えてやることによって、熱間で成形するに際に成形性が良好で絞り成形が容易に行える熱間成形用鋼板が実現できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の熱間成形用鋼板は、鋼板を加熱(Ac3変態点以上の温度)してオーステナイト化した後、該鋼板をマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度範囲まで平均冷却速度20℃/秒以上で冷却することによって得られるのであるが、このような熱履歴を与えることによって熱間成形性が更に改善されたものとなる。
上記熱処理において、鋼板の加熱温度をAc3変態点(オーステナイト化温度)以上とするのは、鋼板中の炭化物をオーステナイト中に固溶させるためである。また加熱後マルテンサイト変態開始温度Ms以下まで20℃/秒(以下「℃/s」と記す)以上の平均冷却速度で冷却するのは、その一連の冷却によって得られる鋼板のミクロ組織を極力均一なマルテンサイト組織にするために必要であり、平均冷却速度が20℃/s未満になると、冷却後のマルテンサイト組織中にフェライト組織やベイナイト組織等の量が増加するため熱間絞り成形性の向上が望めなくなる。そのため、50℃/s以上の平均冷却速度であることが好ましい。
本発明の鋼板によって、成形性が向上する理由についてはその全てを解明し得た訳ではないが、おそらく次のように考えることができた。即ち、ブランクを一度オーステナイト化することによって、鋼板中に存在していた炭化物が消失(オーステナイトに溶解)し、その後急速に冷却されことによって、鋼板のミクロ組織が均質化されることになる。その状態の鋼板を再加熱(成形前加熱)して成形する場合には、熱間成形中の鋼板のミクロ組織内に破壊の起点となりやすい炭化物が存在しないので破壊限界が増加したと予想される。
また、オーステナイト化した後急速に冷却するという熱履歴を与えた鋼板では、その後二相域に加熱した場合に、成形中のミクロ組織ラス状組織を呈したものとなり、こうしたことも成形荷重の低減や破断限界の向上の要因となり、成形性を更に向上させるものと考えられる。
各種鋼板の組織を図3(図面代用写真)に示す。尚、図3(a)は上記熱履歴を与えた鋼板(本発明鋼板)の組織を示し、図3(b)は熱履歴を与えない鋼板(従来鋼板)の組織を示すものである。また図中、白く写っている部分はマルテンサイト、黒っぽく写っている部分がフェライトであるが、本発明の鋼板の組織がラス状組織となっていることが分かる。
本発明の鋼板を用いて、熱間成形するに際しては、Ac1変態点以上(オーステナイト+フェライト領域)に加熱する必要があるが、成形温度はこの加熱温度に近い状態にあるほど(即ち、加熱から成形開始までの放冷時間が短いほど)望ましい結果が得られる(後記図4参照)。これは、放冷時間が長くなればなるほど、加熱状態で生成したオーステナイトが放冷中に全てが分解してしまい、ホットスタンプでの目的である硬さが不十分となる。この放冷時の好ましい範囲は、板厚さによっても異なり、板厚が大きくなればなるほど、長く放冷しても影響は出ないが、例えば板厚:1.4mmの鋼板を放冷する場合には、その放冷時間は20秒以内とすることが好ましい。
本発明の鋼板を用いる効果は、しわ押さえを有する金型を用いて成形(即ち、絞り成形)する場合に顕著に発揮されることになるが、こうした要件に付加して、先に提案した技術を併用することも有用である。即ち、前記図2に示した金型構成を採用して鋼板の温度均一性を図ることや、表面に酸化スケールを15μm以上形成した鋼板を用いてプレス成形することも有用であり、こうした技術を併用することによって、本発明の効果がより有効に発揮されることになる。
また上記趣旨から明らかなように、本発明に係る成形品は、しわ押さえを用いて成形する絞り成形品に限らず、通常のプレス成形によって得られるものも含むものであり、こうした成形品を製造する場合であっても本発明の鋼板による効果が達成される。
尚、本発明の鋼板の化学成分組成については、特に限定されるものではなく、ホットプレスに通常用いられている鋼板であれば良い。望ましくは、C:0.10〜0.35%(質量%の意味、以下同じ)、Mn:2%以下、Si:0.1〜3.0%、Al:0.01〜0.5%、Ti:0.001〜0.05%、B:0.005%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、を夫々含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板を用いることができ、必要によって更にCr:0.01〜1%、Mo:0.01〜1%、Nb:0.005〜0.1%程度含むものであっても良い。また、上記熱履歴は、ホットプレスを施す直前に鋼板に付与しても良いが、こうした熱履歴を鋼板に前もって与えておき、その後に時間が経過した鋼板であっても、本発明の効果を発揮することができる。
以下、本発明の効果を実施例によって更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
下記表1に示した化学成分組成を有する鋼を通常の手段によって、厚さ1.4mmまで圧延し焼鈍した。これから、直径(ブランク径):95mmの円形ブランクを打ち抜き実験に用いた(このブランクのAc1変態点:725℃、Ac3変態点:850℃、Ms点:450℃である)。上記円形ブランクについて、下記に示す各種試験片を準備した。
試験片A:上記円形ブランクに対して熱処理をしないもの(上記圧延および焼鈍した だけのもの:従来材)
試験片B:900℃の温度に加熱してオーステナイト化した後、水冷して(平均冷却 速度:20℃/s)300℃まで冷却したもの(本発明材)
試験片C:900の温度に加熱してオーステナイト化した後、強制空冷によって(平 均冷却速度:10℃/s)300℃まで冷却したもの(比較材)
Figure 0003816937
熱処理後の各円形ブランク(試験片A〜C)に対し、パンチの頭部形状が正方形(一辺が45mm)の金型(角筒ダイおよび角筒パンチ)を用い(前記図2参照)、熱間による角筒絞り成形を行った。このときブランクの加熱は、電気炉を用いて大気雰囲気で行い、その加熱温度を770℃または810℃に設定した。また、加熱の際に加熱保持時間を加熱温度毎に制御することによって、加熱中に生成する酸化スケールの厚さを約20μmに統一した。
成形実験は、前記図2に示した金型を用い、クランクプレス機に設置して実施した。成形速度は、クランク回転速度で40回/分に設定した。また成形開始温度は、加熱炉からブランクを取り出し、成形を開始するまでの時間(放冷時間)を変化させることによって制御した。このとき成形開始温度は、事前にブランクの自然放冷曲線を測定しておき、成形開始までの放冷時間(5秒または10秒)によって推定した。また成形過程では、成形開始後、下死点にて約20秒間保持し、焼入れ操作を実施した。その他のプレス成形条件は下記の通りである。
(他のプレス成形条件)
しわ押さえ力:3トン
ダイ肩半径rd:5mm
パンチ肩半径rp:5mm
パンチ−ダイ間クリアランスCL:[1.32/2+1.4(鋼板厚さ)]mm
成形高さ:37mm
潤滑剤:酸化Ca系のペースト状固体潤滑剤を使用し、金型に塗布した。
各試験片を成形したときの最大成形荷重と、割れの発生の有無の結果について、図4(棒グラフ)に示す。このときの最大成形荷重とは、成形するときに必要な最大荷重であり、この荷重が小さい方が良好な成形性を示している。
図4において、「○」印は割れが発生することなく成形が可能であったことを示し、「×」印は成形中に割れが発生したことを意味する。また、白抜きのものは加熱温度が770℃のときの結果であり、斜線(ハッチング)をしたものは加熱温度が810℃のときの結果である。
尚、加熱温度が770℃のものの成形開始温度(推定温度)は、725℃(5秒放冷)および680℃(10秒放冷)であり、加熱温度が810℃のものの成形開始温度は、755℃(5秒放冷)および705℃(10秒放冷)であった。
図4の結果から明らかなように、本発明の鋼板(試験片B)を用いたものでは、最大成形荷重が低くなっており、割れが発生することなく、希望する成形品が得られていることがわかる。これに対して、試験片AおよびCのものでは、最大成形荷重が大きくなっており、割れが発生しやすいことが分かる。
上記によって得られた成形品(割れの発生していないもの)の外観形状を模式的に図5に示す。また、割れが発生したものの外観形状を模式的に図6に示す。
放冷時間と最大成形荷重の関係については、放冷時間が長くなるほど最大成形荷重が大きくなる傾向を示したが、これは鋼板の強度が上昇して変形抵抗が大きくなったものと考えることができた。
熱間成形を実施するための金型構成を示す概略説明図である。 先に開発した金型の構成を示す概略説明図である。 各種鋼板の組織を示す図面代用写真である。 試験片を成形したときの最大成形荷重と割れの発生の有無の結果について示した棒グラフである。 成形が実施できた成形品の外観形状を模式的に示した斜視図である。 割れが発生したときの外観形状を模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1 パンチ
2 ダイ
3 ブランクホルダー
4 鋼板(ブランク)
7 ピン

Claims (3)

  1. 鋼板を熱間で成形して成形品を得るために用いる鋼板を製造するに当り、鋼板を加熱してオーステナイト化した後、該鋼板をマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度範囲まで平均冷却速度20℃/秒以上で冷却することを特徴とする熱間成形品用鋼板の製造方法。
  2. 請求項1の方法によって得られたものである熱間成形品用鋼板。
  3. 請求項2に記載の鋼板をAc1変態点以上の温度に加熱した後、熱間で成形したものであることを特徴とする熱間成形品。
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