JP6551153B2 - 内燃機関の潤滑構造及び自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の各部にオイルを供給する内燃機関の潤滑構造及び自動二輪車に関する。
一般に内燃機関の潤滑構造では、オイルポンプによってオイルパンからオイルが汲み上げられ、メインギャラリで分岐したオイル通路を通じて内燃機関の各部にオイルが供給されている。この種の内燃機関の潤滑構造として、クランクシャフトに向かうオイル通路とドライブシャフト等の各種変速シャフトに向かうオイル通路とを分けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の内燃機関では、クランクシャフトの下方にメインギャラリが形成されており、クランクシャフトの後方に配置されたドライブシャフトに向かってメインギャラリから後斜め上方にオイル通路が形成されている。
特開2015−090146号公報
しかしながら、特許文献1の内燃機関の潤滑構造では、クランクシャフトの下方にメインギャラリが配置されているため、クランクシャフトの下方にバランサシャフト等を配置することができなかった。また、クランクシャフトの下方にバランサシャフト等を配置して、メインギャラリの形成位置を変更することも考えられるが、メインギャラリからドライブシャフトまでのオイル通路が複雑になるという問題があった。このため、オイル通路が長くなって、流路抵抗による油圧損失が増加し、クランク回転変動による油圧追従性が悪化していた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、メインギャラリからドライブシャフトまでのオイル通路を単純化することができる内燃機関の潤滑構造及び自動二輪車を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の潤滑構造は、クランクケースに対しクランクシャフト及びバランサシャフトと平行に配置された変速機のドライブシャフトに、オイルを供給する内燃機関の潤滑構造であって、前記バランサシャフトが前記クランクシャフトの下方に配置され、前記ドライブシャフトが前記クランクシャフトの後方に配置されており、前記クランクケースに、前記バランサシャフトの前方で前記内燃機関の各部にオイルを分配するメインギャラリと、前記メインギャラリのオイルを前記クランクシャフトの軸受に供給する第1のオイル通路と、前記クランクシャフトの軸受を通過したオイルを前記バランサシャフトの軸受に供給する第2のオイル通路と、前記第2のオイル通路の途中から分岐して前記クランクシャフトの軸受を通過したオイルを前記ドライブシャフトに供給する第3のオイル通路とが形成されることを特徴とする。
この構成によれば、クランクシャフトの下方にバランサシャフトが配置されることで、クランクケースの前後幅を小さくすることができると共に、マスの集中化を図ることができる。また、第1のオイル通路を通ってメインギャラリからクランクシャフトの軸受にオイルが供給され、第2のオイル通路を通ってバランサシャフトの軸受にオイルが供給され、さらに第3のオイル通路を通ってドライブシャフトにオイルが供給される。ドライブシャフトには、クランクシャフトの軸受と共通の第1のオイル通路、バランサシャフトの軸受と共通の第2のオイル通路で途中までオイルが送られている。よって、メインギャラリからドライブシャフトに向かうオイル通路を単純化することができる。オイル通路を短くできるため、流路抵抗による圧力損失を低減し、クランク回転変動による油圧追従性を向上させることができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造において、前記クランクケースが上下割の上ケースと下ケースから成り、前記第3のオイル通路が前記第2のオイル通路の途中から前記上ケースと前記下ケースの合わせ面に向けて斜めに延びている。この構成によれば、ドライブシャフトに向かう第3のオイル通路を短くすることができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造において、前記第1のオイル通路、前記第2のオイル通路、前記第3のオイル通路が、前記クランクシャフトの一端を支持するジャーナル壁に形成される。この構成によれば、同じジャーナル壁に第1のオイル通路、第2のオイル通路、第3のオイル通路が形成されているため、メインギャラリからドライブシャフトに向かうオイル通路を単純化することができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造において、前記第1のオイル通路が前記メインギャラリから前記クランクシャフトの軸受に向けて斜めに延びており、前記上ケースと前記下ケースの合わせ面に対する前記第1のオイル通路と前記第3のオイル通路の傾斜角度が同じである。この構成によれば、クランクケースに対して同じ向きから加工して第1のオイル通路、第3のオイル通路を形成することができ、加工コストを低減することができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造において、前記第1のオイル通路と前記第3のオイル通路の通路径が同径である。この構成によれば、同径の加工具を用いて第1のオイル通路、第3のオイル通路を形成することができ、加工コストを低減することができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造において、前記第3のオイル通路には、通路径を調整するオリフィスが設置可能な、オリフィス設置部が形成されている。この構成によれば、オリフィス設置部にオリフィスを設置することで、第3のオイル通路が第1のオイル通路と同径に形成されていても、第3のオイル通路からドライブシャフトに向かうオイル流量を抑えることができる。
本発明の自動二輪車は、上記の内燃機関の潤滑構造を備える。この構成によれば、自動二輪車のクランクケースのメインギャラリからドライブシャフトまでのオイル通路を単純化することができる。
本発明の内燃機関の潤滑構造によれば、ドライブシャフトに対してクランクシャフトの軸受、バランサシャフトの軸受と共通のオイル通路で途中までオイルが送られる。よって、メインギャラリからドライブシャフトまでのオイル通路を単純化することができる。また、クランクシャフトの下方にバランサシャフトを配置することで、クランクケースの前後幅を小さくすることができると共に、マスの集中化を図ることができる。
本実施の形態の内燃機関の斜視図である。 本実施の形態のクランクケースの右側面図である。 本実施の形態に係るシャフト配置を示す側面図である。 本実施の形態の内燃機関の潤滑経路を示すブロック図である。 本実施の形態のクランクケースの正面図である。 図5をA−A線で切断した断面図である。 本実施の形態に係る上ケース及び下ケースの斜視図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、内燃機関の潤滑構造を、自動二輪車に適用した例について説明するが、自動二輪車に限定されるものではなく、四輪車等の他の車両にも適用することができる。図1は、本実施の形態の内燃機関の斜視図である。図2は、本実施の形態のクランクケースの右側面図である。図3は、本実施の形態のシャフトの配置を示す側面図である。なお、図2においては、説明の便宜上、カウンターシャフト及びクラッチを2点鎖線で示し、クランクケース内の前バランサシャフト及びドライブシャフトは破線で示している。
図1に示すように、内燃機関1は、並列2気筒エンジンであり、クランクケース21にシリンダ10を配置して構成される。シリンダ10は、クランクケース21上に配置されたシリンダブロック11にシリンダヘッド12及びヘッドカバー13を取り付けて構成される。クランクケース21の下部には、潤滑及び冷却用のオイルが貯留されるオイルパン22が取り付けられている。クランクケース21の左側部には、ジェネレータ室を形成するジェネレータカバー23が取り付けられている。クランクケース21の前部には、オイルフィルタ25及びオイルクーラ26が取り付けられている。
図2に示すように、クランクケース21は、上ケース27と下ケース28とからなる上下割構造であり、クラッチカバー(不図示)を取り外すことで、クランクケース21の右側空間31を外部に開放している。クランクケース21の右側空間31は、上ケース27及び下ケース28の側壁でケース内側のクランク室やミッション室等から仕切られており、上ケース27及び下ケース28の側壁から突出した周壁32で囲まれた空間である。クランクケース21の右側空間31は、周壁32に形成されたクラッチカバーとの合わせ面33を開口部として外側から部分的に視認可能になっている。
クランクケース21の側壁(ジャーナル壁)には、クランクシャフト41、カウンターシャフト47、ドライブシャフト49の主要3軸が平行に三角配置されている。クランクシャフト41は、ケース内側のクランク室に収容されており、上ケース27と下ケース28の合わせ面34で回転可能に支持されている。カウンターシャフト47は、ケース内側のミッション室に収容されており、クランクシャフト41の後方で上ケース27の側壁に回転可能に支持されている。ドライブシャフト49は、ケース内側のミッション室に収容されており、カウンターシャフト47の後方で上ケース27と下ケース28の合わせ面34で回転可能に支持されている。
クランクシャフト41の前方には前バランサシャフト51が配置され、クランクシャフト41の下方には下バランサシャフト54が配置されている。前バランサシャフト51は前バランサ室(不図示)に収容されており、上ケース27と下ケース28の合わせ面34で回転可能に支持されている。下バランサシャフト54は、下ケース28にバランサハウジング29が取り付けられることで、下ケース28とバランサハウジング29との合わせ面35(図6参照)で回転可能に支持されている。下ケース28に対してバランサハウジング29を着脱することで、下バランサシャフト54を取り外して1軸バランサと2軸バランサを切り替え可能にしている。
クランクケース21の右側空間31には、クランクシャフト41のプライマリドライブギア42、カウンターシャフト47のプライマリドリブンギア48、前バランサシャフト51の前バランサドリブンギア52、下バランサシャフト54の下バランサドリブンギア55が収容されている。プライマリドライブギア42には、プライマリドリブンギア48、前バランサドリブンギア52、下バランサドリブンギア55が噛み合っている。このように、単一のギアで3種類のギアを駆動させることで、クランクシャフト41に別途ギアを切る必要がなく、クランクシャフト41の全長を短くしている。
また、クランクケース21の右側空間31は、上記したようにクラッチカバーとの合わせ面33を開口部として外部に開放されている。プライマリドライブギア42は一部を除いてクランクケース21から外部に露出され、クラッチ57及びプライマリドリブンギア48は全体的に外部に露出されている。また、前バランサドリブンギア52はクランクケース21の内側に隠れており、下バランサドリブンギア55は一部を除いてクランクケース21から外部に露出されている。このように、右側空間31から外部にギアを露出させることで、ギア同士の位置合わせ(位相合わせ)を容易にしている。
図3に示すように、クランクシャフト41は、クランクウェブ43をクランクピン(不図示)とクランクジャーナル(不図示)で連結して構成されている。クランクピンにはコネクティングロッド44を介してピストン45が連結されており、ピストン45の往復運動がクランクシャフト41の回転運動に変換される。クランクシャフト41の回転はプライマリドライブギア42及びプライマリドリブンギア48を介してカウンターシャフト47に伝達される。カウンターシャフト47の回転は、変速ギア(不図示)の組み合わせに応じた所定の変速比でドライブシャフト49に伝達される。
また、クランクシャフト41の回転は、プライマリドライブギア42及び前バランサドリブンギア52を介して前バランサシャフト51に伝達され、プライマリドライブギア42及び下バランサドリブンギア55を介して下バランサシャフト54に伝達される。前バランサシャフト51及び下バランサシャフト54によって、クランクシャフト41で発生する周期的な振動が相殺されている。クランクシャフト41を中心に、上方にコネクティングロッド44、下方に下バランサシャフト54、前方に前バランサシャフト51、後方にカウンターシャフト47が配置されることで、クランクケース21(図2参照)内の空間が有効利用されている。
このように構成されたクランクケース21は、下バランサシャフト54をクランクシャフト41の下方に配置したことで、クランクケース21の前後にバランサシャフトを配置する構成と比較してクランクケース21の前後幅を小さくでき、さらにマスの集中化を図ることができる。また、メインギャラリ62(図2参照)が下バランサシャフト54の前方に形成されることで、下バランサシャフト54の配置がメインギャラリ62に干渉することが防止されている。この場合、通常のクランクケースのようにクランクシャフトの真下にメインギャラリが配置される構成とは異なるため、内燃機関1の各部に対する潤滑経路を変更しなければならない。
特に、クランクシャフト41の前方と下方にバランサシャフト52、54を配置可能な2軸バランサ構造に特化したクランクケース21の潤滑経路が必要になっている。本実施の形態では、メインギャラリ62からクランクシャフト41の軸受102に向かうオイル通路101の下流に、下バランサシャフト54の軸受104に向かうオイル通路103を形成している(図6参照)。さらに、このオイル通路103を分岐させて、ドライブシャフト49に向かうオイル通路105を形成している。ドライブシャフト49にはクランクシャフト41の軸受102、下バランサシャフト54の軸受104と共通のオイル通路で途中までオイルが送られるため、オイル通路を単純化することが可能になっている。
以下、図4を参照して、クランクケース内に形成された内燃機関の潤滑経路について説明する。図4は、本実施の形態の内燃機関の潤滑経路を示すブロック図である。
図4に示すように、クランクケース21(図1参照)の下部のオイルパン22にはオイルが貯留されている。オイルパン22のオイルは、カウンターシャフト47で駆動されるオイルポンプ61によってストレーナから吸引される。ストレーナで吸引されたオイルは、オイルポンプ61によってオイルフィルタ25に送られる。また、オイルフィルタ25内のオイルは、オイルポンプ61によってオイルクーラ26に送られた後にメインギャラリ62に送られる。このとき、オイルフィルタ25では、オイル中の微細な異物がフィルタによって取り除かれ、オイルクーラ26ではオイルが冷却されている。
オイルフィルタ25及びオイルクーラ26はクランクケース21の前面に配置されている(図5参照)。オイルフィルタ25の設置面には、オイルポンプ61に連なる入口64と、オイルクーラ26に連なる出口65とが形成されている(図5参照)。オイルフィルタ25の入口64は中央よりも下側に形成され、オイルフィルタ25の出口65は中央に形成されている。オイルクーラ26の設置面には、オイルフィルタ25に連なる入口67と、メインギャラリ62に連なる出口68とが形成されている(図5参照)。オイルクーラ26の入口67は中央に形成され、オイルクーラ26の出口68は中央よりも上側に形成されている。
メインギャラリ62内のオイルは、下ケース28の右側、真中、左側の各ジャーナル壁71a−71c(図7参照)内のオイル通路72a−72cを通って、それぞれ前バランサシャフト51の各軸受73a−73cに供給される。前バランサシャフト51の右側の軸受73aのオイルは、上ケース27の右側のジャーナル壁(不図示)内のオイル通路75aを通ってサブギャラリ76に供給される。サブギャラリ76内のオイルは、ピストンジェット77に供給されてピストン45(図3参照)の冷却に使用される。さらに、サブギャラリ76内のオイルは、過給機のターボシャフト(不図示)の軸受78に供給される。
また、左側の前バランサシャフト51の軸受73cのオイルは、上ケース27の左側のジャーナル壁(不図示)内のオイル通路75cを通ってシリンダヘッド12に供給される。シリンダヘッド12内のオイルは、カムシャフト(不図示)の内部を通ってカムとタペットの接触部分を潤滑して、上ケース27に形成されたオイル戻し通路85やカムチェーン室93(図5参照)等を通じてオイルパン22に戻される。このように、クランクケース21には、メインギャラリ62からサブギャラリ76に向かう潤滑経路とメインギャラリ62からシリンダヘッド12に向かう潤滑経路とが分けられて形成されている。
また、メインギャラリ62内のオイルは、下ケース28の右側、真中、左側の各ジャーナル壁71a−71c(図7参照)内のオイル通路101a−101cを通って、それぞれクランクシャフト41の各軸受102a−102cに供給される。クランクシャフト41の右側と真中の各軸受102a、102bのオイルは、各ジャーナル壁71a、71b内のオイル通路103a、103bを通って、下バランサシャフト54の各軸受104a、104bに供給される。右側のオイル通路103aは途中で分岐しており、オイル通路105を通ってドライブシャフト49にオイルが供給される。クランクシャフト41の左側の軸受102cのオイルは、ジャーナル壁71c上のオイル溝を通ってカウンターシャフト47に供給される。
このように、クランクケース21には、メインギャラリ62から前バランサシャフト51の軸受73a−73cに向かう潤滑経路とメインギャラリ62からクランクシャフト41の軸受102a−102cに向かう潤滑経路とが分けられて形成されている。また、前バランサシャフト51の軸受73a、73cの潤滑経路を通って、サブギャラリ76及びシリンダヘッド12にオイルが供給されている。また、クランクシャフト41の各軸受102a−102cの潤滑経路を通って、下バランサシャフト54の各軸受104a、104b、カウンターシャフト47、ドライブシャフト49にオイルが供給されている。
以下、内燃機関の潤滑構造について詳細に説明する。図5から図7を参照して、下バランサシャフトの潤滑経路について説明する。図5は、本実施の形態のクランクケースの正面図である。図6は、図5をA−A線で切断した断面図である。図7は、本実施の形態の上ケース及び下ケースの斜視図である。なお、図6は説明の便宜上、締付ボルト、カウンターシャフトを省略して記載している。
図5及び図6に示すように、クランクケース21は上下割の上ケース27と下ケース28から成り、下ケース28にはクランクシャフト41の下方にバランサハウジング29が取り付けられている。上ケース27、下ケース28、バランサハウジング29には共通の締付ボルト(不図示)が挿通され、上ケース27と下ケース28の合わせ面34、下ケース28とバランサハウジング29の合わせ面35が締付ボルトで締め付けられている。上ケース27と下ケース28の合わせ面34には前バランサシャフト51、クランクシャフト41、ドライブシャフト49が支持されている。
上ケース27の側面にはカウンターシャフト47(図3参照)が支持されており、下ケース28とバランサハウジング29の合わせ面35には下バランサシャフト54が支持されている。すなわち、クランクケース21には、クランクシャフト41の前方に前バランサシャフト51が配置され、クランクシャフト41の下方に下バランサシャフト54が配置されている。また、クランクシャフト41の後方には、カウンターシャフト47及びドライブシャフト49が配置されている。クランクケース21の下ケース28には、下バランサシャフト54の前方で内燃機関1の各部にオイルを分配するメインギャラリ62が形成されている。
メインギャラリ62は、クランクシャフト41の真下に位置する下バランサシャフト54を避けるようにして、クランクシャフト41の下斜め前方に形成されている。メインギャラリ62は、前バランサシャフト51よりも下方において、下ケース28の左右方向(図6で紙面に垂直な方向)に直線的に形成されている。上ケース27には、クランクシャフト41の上斜め前方で内燃機関1の各部にオイルを供給するサブギャラリ76が形成されている(図7参照)。サブギャラリ76は、前バランサシャフト51よりも上方において、メインギャラリ62と平行に形成されている。
図6及び図7に示すように、下ケース28には、メインギャラリ62のオイルをクランクシャフト41の軸受102a−102cに供給するオイル通路101a−101cが形成されている(軸受102b、102c、オイル通路101b、101cは図4参照)。オイル通路101a−101cは、メインギャラリ62からクランクシャフト41の軸受設置面106まで斜めに延びている。このとき、オイル通路101a−101cは、締結ボルトのボルト穴95を突き抜けている。ボルト穴95は締結ボルトの軸部よりも大径であり、ボルト穴95と締結ボルトの軸部との隙間がオイルの通り路になっている。ボルト穴95を避けずにオイル通路101a−101cを直線的に延ばすことで、オイル通路101a−101cを短くすることができる。
また、下ケース28には、クランクシャフト41の右側と真中の各軸受102a、102bを通過したオイルを下バランサシャフト54の各軸受104a、104bに供給するオイル通路103a、103bが形成されている。オイル通路103a、103bは、クランクシャフト41の軸受設置面106から下バランサシャフト54の軸受設置面111まで真下に延びている。オイル通路103a、103bが上下方向に直線的に形成されることで、オイル通路103a、103bの加工を容易にすることができ、オイル通路103a、103bを短くすることができる。
また、同じ下ケース28にオイル通路101a−101c、オイル通路103a、103bが形成されているため、オイル通路を単純化することができる。クランクシャフト41の軸受設置面106には、オイル溝107a−107c(図7参照)が形成されている。右側と真中のオイル溝107a、107bはオイル通路101a、101bとオイル通路103a、103bとを繋ぐオイルの通り路になっている。左側のオイル溝107cはジャーナル壁71cの上面をカウンターシャフト47(図3参照)側に向かって延びており、クランクシャフト41の軸受102cを通過したオイルをカウンターシャフト47に供給するためのオイルの通り路になっている。
さらに、下ケース28には、右側のオイル通路103aの途中から分岐して、クランクシャフト41の右側の軸受102aを通過したオイルをドライブシャフト49に供給するオイル通路105が形成されている。オイル通路105は、オイル通路103aの途中から上ケース27と下ケース28の合わせ面34まで斜めに延びている。このとき、オイル通路105は、締結ボルトのボルト穴95を突き抜けており、上記したようにボルト穴95と締結ボルトの軸部との隙間がオイルの通り路になっている。ボルト穴95を避けずにオイル通路105を直線的に延ばすことで、オイル通路105を短くすることができる。
オイル通路105が斜めに延びているため、ドライブシャフト49に向かうオイル通路105を短くすることができる。ジャーナル壁71aの上面(合わせ面34)には、オイル通路105の出口からドライブシャフト49に向かって延びるオイル溝108(図7参照)が形成されている。オイル通路101a、103a、105、オイル溝108が、クランクシャフト41の右端を支持するジャーナル壁71aに形成されているため、メインギャラリ62からドライブシャフト49の右端に向かって上面視で直線的に配置されている。よって、メインギャラリ62からドライブシャフト49に向かうオイル通路を単純化することができる。
また、上ケース27と下ケース28の合わせ面34に対するオイル通路101aとオイル通路105の傾斜角度が同じに形成されると共に、オイル通路101aとオイル通路105の通路径が同じに形成されている。これにより、クランクケース21に対して同径の加工具で同じ向きから加工してオイル通路101a、105を形成することができ、加工コストを低減することができる。オイル通路105の出口は、オリフィス(不図示)が設置可能なオリフィス設置部109になっている。オリフィス設置部109にオリフィスを設置することで、オイル通路105がオイル通路101aと同径に形成されていても、オイル通路105からドライブシャフト49に向かうオイル流量を抑えることができる。
このように、メインギャラリ62からクランクシャフト41の軸受102a−102cにオイルが送られ、軸受102a、102bのオイルがオイル通路103a、103bを通って下バランサシャフト54の軸受104a、104bに供給される。また、軸受102aのオイルは、オイル通路103aの途中で分岐したオイル通路105を通ってドライブシャフト49に供給される。クランクシャフト41と下バランサシャフト54で一部のオイル通路101a、101bが兼用され、下バランサシャフト54とドライブシャフト49で一部のオイル通路103aが兼用されている。よって、クランクケース21内の潤滑経路を単純化してオイル通路の全長を短く形成することが可能になっている。
以上のように、本実施の形態によれば、クランクシャフト41の下方に下バランサシャフト54が配置されることで、クランクケース21の前後幅を小さくすることができると共に、マスの集中化を図ることができる。また、オイル通路101a−101cを通ってメインギャラリ62からクランクシャフト41の軸受102a−102cにオイルが供給され、オイル通路103a、103bを通ってバランサシャフト54の軸受104a、104bにオイルが供給され、さらにオイル通路105を通ってドライブシャフト49にオイルが供給される。ドライブシャフト49には、クランクシャフト41の軸受102aと共通のオイル通路101a、下バランサシャフト54の軸受104aと共通のオイル通路103aで途中までオイルが送られている。よって、メインギャラリ62からドライブシャフト49に向かうオイル通路を単純化することができる。オイル通路を短くできるため、流路抵抗による圧力損失を低減し、クランク回転変動による油圧追従性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態では、右側のジャーナル壁71aにオイル通路105が形成されたが、この構成に限定されない。オイル通路105は、ドライブシャフト49の一端が支持されるジャーナル壁71に形成されていればよく、例えば、ドライブシャフト49の左端を支持する左側のジャーナル壁71cに形成されてもよい。
また、上記した実施の形態では、上ケース27と下ケース28の合わせ面34に前バランサシャフト51が配置される構成にしたが、この構成に限定されない。前バランサシャフト51は、上ケース27及び下ケース28のいずれかに配置されてもよい。
また、上記した実施の形態では、クランクケース21が上下割構造の上ケース27と下ケース28から成る構成にしたが、この構成に限定されない。クランクケース21は左右割構造の左ケースと右ケースから成る構成でもよい。
また、上記した実施の形態では、オイル通路105がオイル通路103aの途中から分岐して、上ケース27と下ケース28の合わせ面34に向かって斜めに延びる構成にしたが、この構成に限定されない。オイル通路105は、オイル通路103aの途中から分岐してクランクシャフト41の軸受102を通過したオイルをドライブシャフト49に供給するように形成されていればよい。
また、上記した実施の形態では、上ケース27と下ケース28の合わせ面34に対するオイル通路101とオイル通路105の傾斜角度が同じに形成されたが、この構成に限定されない。オイル通路101とオイル通路105の傾斜角度は異なっていてもよい。
また、上記した実施の形態では、オイル通路101とオイル通路105の通路径が同径に形成されたが、この構成に限定されない。オイル通路101とオイル通路105の通路径は異なっていてもよく、例えば、オイル通路105をオイル通路101よりも細く形成してもよい。これにより、オリフィスを設置せずに、ドライブシャフト49に向かうオイル流量を抑えることができる。
また、上記した実施の形態では、下ケース28とバランサハウジング29の合わせ面35に下バランサシャフト54が配置される構成にしたが、この構成に限定されない。下バランサシャフト54は下ケース28に配置されてもよい。この場合には、バランサハウジング29を設けない構成にしてもよい。
また、上記した実施の形態では、オイル通路101、103が同じ下ケース28に形成される構成にしたが、この構成に限定されない。例えば、オイル通路101、103が上ケース27と下ケース28に亘って形成されてもよい。
また、上記した実施の形態では、ジャーナル壁71の軸受設置面106にオイル溝107が形成されて、クランクシャフト41の軸受102をオイルに通過させる構成にしたが、この構成に限定されない。クランクシャフト41の軸受102をオイルが通過可能な構成であればよく、例えば、軸受102にオイル溝が形成されてもよいし、クランクシャフト41にオイル溝が形成されてもよい。
以上説明したように、本発明は、メインギャラリからドライブシャフトまでのオイル通路を単純化することができるという効果を有し、特に、自動二輪車の内燃機関の潤滑構造に有用である。
1 内燃機関
21 クランクケース
27 上ケース
28 下ケース
34 上ケースと下ケースの合わせ面
41 クランクシャフト
49 ドライブシャフト
51 前バランサシャフト
54 下バランサシャフト(バランサシャフト)
62 メインギャラリ
71 ジャーナル壁
101 オイル通路(第1のオイル通路)
102 クランクシャフトの軸受
103 オイル通路(第2のオイル通路)
104 下バランサシャフトの軸受
105 オイル通路(第3のオイル通路)
109 オリフィス設置部

Claims (7)

  1. クランクケースに対しクランクシャフト及びバランサシャフトと平行に配置された変速機のドライブシャフトに、オイルを供給する内燃機関の潤滑構造であって、
    前記バランサシャフトが前記クランクシャフトの下方に配置され、前記ドライブシャフトが前記クランクシャフトの後方に配置されており、
    前記クランクケースに、前記バランサシャフトの前方で前記内燃機関の各部にオイルを分配するメインギャラリと、前記メインギャラリのオイルを前記クランクシャフトの軸受に供給する第1のオイル通路と、前記クランクシャフトの軸受を通過したオイルを前記バランサシャフトの軸受に供給する第2のオイル通路と、前記第2のオイル通路の途中から分岐して前記クランクシャフトの軸受を通過したオイルを前記ドライブシャフトに供給する第3のオイル通路とが形成されることを特徴とする内燃機関の潤滑構造。
  2. 前記クランクケースが上下割の上ケースと下ケースから成り、
    前記第3のオイル通路が前記第2のオイル通路の途中から前記上ケースと前記下ケースの合わせ面に向けて斜めに延びていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。
  3. 前記第1のオイル通路、前記第2のオイル通路、前記第3のオイル通路が、前記クランクシャフトの一端を支持するジャーナル壁に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の潤滑構造。
  4. 前記第1のオイル通路が前記メインギャリから前記クランクシャフトの軸受に向けて斜めに延びており、
    前記上ケースと前記下ケースの合わせ面に対する前記第1のオイル通路と前記第3のオイル通路の傾斜角度が同じであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の内燃機関の潤滑構造。
  5. 前記第1のオイル通路と前記第3のオイル通路の通路径が同径であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の内燃機関の潤滑構造。
  6. 前記第3のオイル通路には、通路径を調整するオリフィスが設置可能な、オリフィス設置部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の内燃機関の潤滑構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載された内燃機関の潤滑構造を備えることを特徴とする自動二輪車。
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