JP6550276B2 - ウレタン系成形体の生産方法 - Google Patents

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Description

本明細書は、ウレタン系成形体の生産方法に関する。
ウレタンゲルなどのウレタン系成形体は、弾性、軟質性、耐久性、耐候性、耐溶剤性等の多くの特徴を有しており、様々な分野で利用されている。ウレタンゲルの特徴の一つとして粘着性を挙げることができる。一方、ウレタンゲルの表面の粘着性が問題となることも多い。そのため、一般的に、ウレタンゲルの脱型には、離型剤が用いられている(特許文献1)。また、ウレタンゲルの表面加工技術の開発が求められており、表面をフィルムで被覆する方法等が用いられている(特許文献2)。この方法では、ウレタンゲルが有する粘着性を利用してフィルム内にウレタンゲルを注入して成形することによりゲル表面にフィルムを接着している。
特開2009−201833号公報 特開平6−79847号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法で脱型すると、界面活性剤成分を含むシリコンオイル等の離型剤によって、ウレタンゲルとフィルムとが密着不良を起こすことがあった。このため、こうした不都合を回避するために、表面に付着した離型剤を除く工程が必要となってしまっていた。
また、特許文献2記載の方法では、ウレタンゲルが凹凸の多い複雑な形状である場合には、ウレタンゲルの表面にフィルムを追従させて覆うことは困難であった。
また、ウレタンフォームについても、粘着性の問題は発生しないものの、耐久性や耐溶剤性等を向上させるために、表面加工技術が求められていた。
本明細書は、優れた表面特性を有するウレタン系成形体の製造方法を提供する。
本発明者らは、ウレタン系成形体の表面加工について種々検討したところ、ウレタン系フィルムを表皮として、当該表皮とウレタン系材料とを一体成形することで、表面特性に優れたウレタン系成形体を簡易に取得できるという知見を得た。本明細書は、これらの知見に基づき以下の手段を提供する。
(1)ウレタン系成形体の生産方法であって、
第1のウレタン系表皮によって形成される所定の3次元形状を有するキャビティに対してウレタン系樹脂材料を供給して前記ウレタン系樹脂材料を硬化させる硬化工程、
を備える、方法。
(2)前記硬化工程は、前記キャビティに供給された前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域を第2のウレタン系表皮で被覆した状態で、前記ウレタン系樹脂材料を硬化させる工程である、(1)に記載の方法。
(3)前記ウレタン系樹脂材料は、エーテル系のウレタン樹脂である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記第1のウレタン系表皮は、エーテル系のウレタン樹脂である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記ウレタン系樹脂材料、前記第1のウレタン系表皮及び前記第2のウレタン系表皮は、エーテル系のウレタン樹脂である、(2)に記載の方法。
(6)前記ウレタン系成形体は、ゲル状体である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)硬化した前記ウレタン系樹脂材料を囲繞するように前記第1のウレタン系表皮と前記第2のウレタン系表皮とを溶着する工程を備える、(6)に記載の方法。
(8)前記ウレタン系成形体は、発泡体である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(9)硬化した前記ウレタン系樹脂材料を被覆した前記第1のウレタン系表皮及び第2のウレタン系表皮が備える1又は複数個の開口からガスを抜く工程を備える、(8)に記載の方法。
(10)前記硬化工程に先立って、前記ウレタン系表皮を前記3次元形状に対応する内表面を有する型の当該内表面に吸引密着させて前記キャビティを形成する工程を備える、(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)前記型は、前記内表面に開口する多数の孔部を有する多孔質構造を有し、前記孔部を介して型内部を吸引可能に構成されている、(10)に記載の方法。
(12)医療用模型又は補綴物の製造方法であって、
前記医療用模型又は補綴物の3次元形状の少なくとも一部に対応するキャビティを有する多孔質樹脂吸引成形型を3次元造形法を用いて作製する工程と、
前記キャビティに第1のウレタン系表皮を吸引密着させる工程と、
前記第1のウレタン系表皮が敷設されたキャビティにウレタン系樹脂材料を供給し、前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域を第2のウレタン系表皮で被覆した状態で、前記ウレタン系樹脂材料を硬化させる工程と、
を備える、製造方法。
実施例のポーラス樹脂型の作製の流れを示す断面図である。
本明細書の開示は、ウレタン系成形体の生産方法に関する。本開示の生産方法(以下、本生産方法ともいう。)は、第1のウレタン系表皮によって形成される所定の3次元形状を有するキャビティに対してウレタン系樹脂材料を供給してウレタン系樹脂材料を硬化させる硬化工程、を備えることができる。
(ウレタン系樹脂材料)
ウレタン系樹脂材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。ウレタン系樹脂材料は、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート及び触媒を混合したものを挙げることができる。ウレタン系樹脂材料は、ゲル状成形体を得られるものであってもよい。こうしたウレタン系樹脂材料は、可塑剤を含むことができる。また、ウレタン系樹脂材料は、発泡体を得られるものであってもよい。かかるウレタン系樹脂材料は、発泡剤、整泡剤等を含むことができる。
(ポリオール)
ポリオールは、1つの分子に2個以上の水酸基を有する化合物であり、通常のウレタン系樹脂の製造に使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ、好適には、ポリエーテルポリオールを用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものがある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることが可能である。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることが可能である。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものが挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることが可能である。
なお、ポリオールの重量平均分子量、官能基数及び水酸基価は、良好なウレタン系樹脂を製造することが可能な数値であればよく、特に限定されるものではない。例えば、重量平均分子量であれば、3000〜7000であることが好ましく、官能基数であれば、2〜4であることが好ましく、水酸基価であれば、27〜56であることが好ましい。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、通常のウレタン系樹脂の製造に使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられ、好適には、脂肪族イソシアネートを用いることができる。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI等が挙げられる。好適には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いることができる。これら種々のポリイソシアネートのうちの1種又は2種以上を併用したものを用いることが可能である。なお、これらポリイソシアネートから得られるイソシアネートプレポリマーを用いることも可能である。
ウレタン系樹脂材料におけるポリオールとポリイソシアネートとの配合量の比率は、ポリオール中の全活性水素基濃度に対する、ポリイソシアネート中のイソシアネート基濃度の当量比の百分率、いわゆる、イソシアネートインデックスによって示すことができる。ウレタン系樹脂材料のイソシアネートインデックスは、特に限定されるものではなく、目的に応じて選択することができる。
例えば、ウレタンゲルを成形する場合のウレタン系樹脂材料のイソシアネートインデックスにおいては、低すぎるとゲル状に成形されず、高すぎると良好な応力分散性が得られないため、65以上、かつ85以下とすることが好ましい。さらに言えば、70以上、かつ75以下とすることが好ましい。また、例えば、ウレタンフォームを成形する場合のウレタン系樹脂材料のイソシアネートインデックスにおいては、低すぎると発泡が好適に行われず、高すぎると良好な弾性を得られないため、50以上、かつ130以下とすることが好ましい。さらに言えば、90以上、かつ110以下にすることが好ましい。
また、例えば、エッチ・アンド・ケー株式会社製のハイキャスト3420を用いる場合には、ポリオールを主成分とするA剤100質量部に対して、ポリイソシアネートを主成分とするB剤を2〜10質量部とすることができ、さらに好ましくは4〜8質量部とすることができる。また、日清紡ケミカル株式会社製のエアライトフォームJZ−K200を用いる場合には、ポリオールを主成分とするR液100質量部に対して、ポリイソシアネートを主成分とするT液を5〜50質量部とすることができ、さらに好ましくは8〜30質量部とすることができる。ポリオールとポリイソシアネートとは、これらの配合量の比率又はこれらと同程度のイソシアネートインデックスとなる配合量の比率で用いることが好ましい。
(触媒)
触媒は、通常のウレタン系樹脂の製造に使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモノフォリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。これら種々の触媒のうちの1種又は2種以上を併用したものを用いることが可能である。なお、触媒の配合量は、例えば、ウレタン系樹脂材料でのポリオールの合計量を100質量部とした場合に、0.05〜3質量部であることが好ましい。
(可塑剤)
可塑剤は、ウレタンゲルの材料として通常使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。なお、可塑剤の配合量は、例えば、ウレタンゲルの材料でのポリオールの合計量を100質量部とした場合に、50〜200質量部であることが好ましい。
(発泡剤)
発泡剤は、ウレタンフォームの材料として通常使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、水、フロン系化合物、低沸点炭化水素系化合物等が挙げられる。フロン系化合物としては、例えば、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc等が挙げられる。低沸点炭化水素化合物としては、例えば、シクロペンタン、n−ペンタン、iso―ペンタン、n−ブタン等が挙げられる。これら種々の発泡剤のうちの1種又は2種以上併用して用いることが可能である。なお、発泡剤の配合量は、例えば、水を用いた場合には、ウレタンフォームの材料でのポリオールの合計量を100質量部とした場合に、1〜5質量部であることが好ましい。
(整泡剤)
整泡剤は、ウレタンフォームの材料として通常に使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、シリコン系化合物、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。なお、整泡剤の配合量は、例えば、ウレタンフォームの材料でのポリオールの合計量を100重量部とした場合に、0.1〜5質量部であることが好ましい。
また、ウレタン系樹脂材料には、その他の成分を添加することができ、目的に応じて適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、鎖延長剤、充填剤等を挙げることができる。
ウレタン系樹脂材料の調製方法は、特に限定されるものではなく、通常のウレタン系樹脂材料の製造に用いられるものであればよい。例えば、材料を一度に混合する方法である、いわゆる、ワンショット法や、ポリイソシアネートから得られるイソシアネートプレポリマーを用いる方法、いわゆる、プレポリマー法等の種々の方法を用いることが可能である。
(ウレタン系表皮)
ウレタン系表皮は、材料としてウレタン系樹脂を含んでいればよく、ウレタン系成形体の表面を被覆することができれば特に限定されないが、ウレタン系樹脂のみからなることが好ましい。また、耐加水分解性に優れたエーテル系のウレタン系樹脂を用いることが好ましい。ウレタン系表皮の厚みは、例えば、高い伸縮性を有し、かつ、耐久性及び耐摩耗性といった強度を維持するため、30〜500μmであることが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。また、動的剛性率が0.1〜40MPaのであり、損失係数(tanδ)が0.04〜10であることが好ましい。また、100%モジュラス(2倍に伸びた時点の破断強度)が10〜300kgf/cmであり、破断強度が100〜1000kgf/cmであり、破断伸度が5〜1300%であることが好ましい。かかるウレタン系表皮は種々のものが販売されており、例えば、日清紡ケミカル株式会社製のモビロン、大日精化工業株式会社製のレザミン、倉敷紡績株式会社製のクランジール等がある。
(ウレタン系成形体の成形方法)
本生産方法は、第1のウレタン系表皮によって形成される所定の3次元形状を有するキャビティに対してウレタン系樹脂材料を供給してウレタン系樹脂材料を硬化させる硬化工程、を備えることができる。すなわち、第1のウレタン系表皮に所定の3次元形状を保持させ、当該形状を有した第1のウレタン系表皮にウレタン系樹脂材料を供給し、第1のウレタン系表皮とウレタン系樹脂材料とを接触させた状態でウレタン系樹脂材料を硬化させるものである。
第1のウレタン系表皮を所定の3次元形状に保持する形態は、特に限定されないが、例えば、金型や樹脂型等の成形型を用いることができる。本方法においては、第1のウレタン系表皮に所定の3次元形状を保持させるために、第1のウレタン系表皮を吸引密着させるキャビティを有する多孔質(ポーラス)構造を有する成形型を用いることが好ましい。
(ポーラス構造を有する成形型)
ポーラス構造を有する成形型(以下、単に、ポーラス型という。)は、ウレタン系成形体に付与しようとする所定の3次元形状の少なくとも一部に対応した内表面を有するキャビティを備えている。そして、この内表面に開口した開口部からキャビティ内を吸引可能に構成されている。こうした成形型を用いることで、第1のウレタン系表皮を所望の3次元形状に忠実に追従させることができる。
ポーラス型は、例えば、少なくともキャビティを構成する部分を、多数個の連通状気孔を備える多孔質体で構成することができる。多孔質体は、各種材料の発泡体を用いることができる。発泡体が有する微細な開口部を介して内表面を吸引でき、このため、微細な3次元形状であってもウレタン系表皮を内表面に精度よく密着させることができる。例えば、ポーラスアルミなどの金属製系多孔質体、セラミック系多孔質体、樹脂系多孔質体等を用いることができる。
本方法においては、好ましくは、エポキシ樹脂等を用いたポーラス樹脂型を用いることができる。ポーラス樹脂型を用いると、金属製やセラミック製の金型と比較して安価で加工が容易であるため、短期間で低コストに成形型を作製することができる。また、ポーラス樹脂型であると、所望の3次元形状のキャビティを、3Dプリンタ等の3次元造形法を用いて簡易にかつ精度よく製造することができる。
本方法において、好ましいポーラス樹脂型は、キャビティを構成するポーラス樹脂部とその外周側にポーラス樹脂部と一体成形されたサポート樹脂部とを備えることができる。こうした構造とすることにより、キャビティ及び内表面を均一に吸引しつつ、かつキャビティ及び内表面の3次元形態を維持することができるポーラス樹脂型を製造することができる。かかるポーラス樹脂型においては、おおよそ均一な厚みのポーラス樹脂部を備えることが好ましい。こうすることで、均一な吸引状態をより確実に得ることができるようになる。ポーラス樹脂部の厚みは特に限定するものではないが、例えば、5mm以上20mm以下とすることができる。より好ましくは7mm以上15mm以下である。
ポーラス樹脂型は、例えば、以下の方法で製造することができる。以下では、所定の3次元形状のウレタン系成形体が半球状のウレタン系成形体である場合において、当該成形体を得るためのポーラス樹脂型について図面を参照して説明する。図1は実施例のポーラス樹脂型2の作製の流れを示す断面図である。まず、所定の3次元形状を備えるマスター30(原型)を取得する。マスター30は、好ましくはシリコン製である。
次に、マスター30を囲繞可能な型枠20(樹脂製であってもよい。)を準備して、図1(a)に示すように、当該型枠20内にマスター30を底部に平面部分が来るように配置する。図1(b)に示すように、この型枠20内のマスター30の半球状の表面(平面部分を除く)に対してポーラス樹脂材料(例えば、発泡剤として水を含有する)を塗布などにより供給する。ポーラス樹脂材料は、マスター30の半球状外表面に倣うことができる内表面であって、当該内表面をポーラス樹脂の孔部を介して吸引可能に付与される。また、ポーラス樹脂材料は、マスター30の外表面に対しておおよそ一定厚みのポーラス樹脂材料層が形成されるように付与する。
このポーラス樹脂材料層を、硬化発泡させてポーラス樹脂部4とする。硬化発泡条件は、樹脂材料の種類や発泡剤等にもよるが、例えば、日新レジン株式会社製の「PLAS CEMENT」のPE−881A(主剤)及びPE−881B(硬化剤)を用いる場合には、40℃で3時間程度とすることができる。
次に、図1(c)に示すように、硬化発泡後のポーラス樹脂部4の半球状の外表面に対して、サポート樹脂材料層を付与する。サポート樹脂材料は、例えば、ポーラス樹脂部4と型枠20との間に、サポート樹脂材料層を充填する。サポ−ト樹脂材料層も、樹脂材料の種類等に応じて好適な硬化条件を付与して硬化させて、サポート樹脂部6とする。
この後、図1(e)に示すように、型枠20から、マスター30を取り出す。これにより、ポーラス樹脂部4とサポート樹脂部6とを備えて、ポーラス樹脂部4にマスター30の3次元形状に倣った内表面を有するキャビティ8を備える、ポーラス樹脂型2を得ることができる。
このポーラス樹脂型2のサポート樹脂部6にポーラス樹脂部4に到達する孔部を吸引部10として形成することにより、半球状の外表面に倣ったキャビティ8であってその内表面を介して吸引可能なキャビティ8を有するポーラス樹脂型2を得ることができる。
(ゲル状ウレタン成形体の製造)
次に、こうして作製したポーラス樹脂型2を用いてゲル状のウレタン系成形体を製造する工程の一例について説明する。
まず、ポーラス樹脂型2のキャビティ8に対して所定高さに第1のウレタン系表皮を配置する。一般に、キャビティ8の上部開口を覆うように第1のウレタン系表皮をセットする。
次いで、ポーラス樹脂型2の吸引部10に連結した真空吸引装置を作動させて、ポーラス樹脂型2のキャビティ8をその内表面を構成するポーラス樹脂部4を介して吸引する。この吸引により、セットされた第1のウレタン系表皮が、キャビティ8内表面側に延伸されるとともに吸引されて、内表面に密着し、半球状の成形キャビティを形成する。
次いで、ウレタン系樹脂材料を、第1のウレタン系表皮で構成された成形キャビティに供給する。成形キャビティをウレタン系樹脂材料で充填後、充填したウレタン系樹脂材料の露出した表面を覆うように、第2のウレタン系表皮で被覆する。
その後、所定の条件下において、ウレタン系樹脂材料をゲル状になるまで硬化させ、硬化物に所望の3次元形状を付与する。本法においては、成形キャビティの内表面に吸引により密着された第2のウレタン系表皮によって、精度よく所望の3次元形状を硬化物に付与することができる。後述するように、必要に応じて、かかる型内における硬化を一次硬化とし、脱型後等に二次硬化を実施することができる。硬化条件は、特に限定するものではないが、エッチ・アンド・ケー株式会社製のハイキャスト3420を用いる場合には、硬化を40〜80℃で6〜15分とすることが好ましい。
次いで、第1のウレタン系表皮と第2のウレタン系表皮を硬化物表面において突き合わせ、適宜加熱してこれらを接合(溶着)する。なお、ウレタン系表皮の溶着は、成形型が上下型など対向して配置されて第1のウレタン系表皮と第2のウレタン系表皮とを付き合わせて加熱できるように構成されている場合には、ウレタン系樹脂材料の硬化と同時に溶着が行われることとなる。
しかる後、脱型して、硬化物を取り出す。これにより、第1のウレタン系表皮と第2のウレタン系表皮とによって被覆されたゲル状の硬化物を得ることができる。
なお、上述のように、必要に応じて、二次硬化を実施することができる。二次硬化は、好ましくは脱型後に行う。また、二次硬化を行う場合には、一次硬化後の硬化物(一次硬化物)を第2のウレタン系表皮で被覆することが好ましい。さらに、その後に、第1のウレタン系表皮と第2のウレタン系表皮とを溶着して一次硬化物に対してウレタン系表皮を一体化し、その後、二次硬化することが好ましい。こうすることで、第1のウレタン系表皮及び第2のウレタン系表皮を一体性よく硬化物に密着させることができる。なお、二次硬化は、ハイキャスト3420を用いる場合、例えば、二次硬化を30〜50℃で1〜3時間とすることができる。
(発泡体状ウレタン成形体の製造)
ポーラス樹脂型2を用いた発泡体であるウレタン成形体の製造は、硬化とともに発泡させること、第2のウレタン系表皮の適用タイミングが特定されること及びガス抜き工程を実施することを除いては、上記したゲル状のウレタン成形体に準じて実施することができる。なお、発泡体を得るためのウレタン系樹脂材料は、例えば、日清紡ケミカル株式会社製のエアライトフォームJZ−K200を用いることができる。この場合の硬化条件(一次硬化及び/又は二次硬化)は、ハイキャスト3420を用いる場合と同様とすることができる。
発泡体を製造する場合には、ウレタン系樹脂材料の硬化に先立って、第1のウレタン系表皮及び第2のウレタン系表皮がウレタン系樹脂材料に適用される。こうすることで、一体性よくウレタン系表皮が硬化物(発泡体)に密着されるからである。なお、発泡体の形状制御のためには、発泡体の製造に際しては、好ましくは成形キャビティを密閉する上下型等からなる成形型を用いる。
発泡体を製造する場合には、硬化に伴う発泡によって発生するガスを硬化物から除去しておくことが好ましい。こうしたガスが硬化物においてその後のウレタン系表皮に剥離を生じさせるからである。このためのガス抜き工程は、硬化後、好ましくは、一次硬化後であって脱型後であって二次硬化前に実施する。こうすることで、ガスの除去と第1及び第2のウレタン系表皮との一体性の双方を実現できる。
ガス抜き工程は、例えば、以下のようにして実施できる。すなわち、脱型後の一次硬化物(ウレタン系表皮は既に溶着されている)の第1及び第2のウレタン系表皮のいずれかあるいは複数箇所に、表皮を貫通し、硬化物に到達する程度の開口をガス抜き孔として形成することができる。かかる開口の個数や大きさは特に限定されないが、例えば、直径は0.5〜2mm程度とすることができる。
こうした開口を形成し、放置することで、発泡に伴うガスを硬化物から除去することができる。なお、こうしたガス抜き工程は、概して、二次硬化に伴って実現される。ウレタン系表皮に形成した開口は、必要に応じて閉鎖することができる。当該開口を覆うようにさらに、同種のウレタン系表皮を密着し、80〜100℃程度で加熱することによって、ウレタン系表皮が溶着して開口は閉鎖され、表面に開口のないウレタン系成形体を成形することができる。
なお、上記したポーラス樹脂型は、本生産方法に用いる成形型の一例であって、これに限定するものではない。また、上記ポーラス樹脂型を用いた成形工程も本生産方法の成形工程の一例であってこれに限定するものではない。当業者であれば、本明細書の開示に従い、適宜修飾又は変形を適用して、任意の3次元形状を備えるウレタン系成形体を得ることができる。
ウレタン系樹脂材料を硬化させる形態は、特に限定されない。例えば、加熱による硬化であってもよいし、光硬化又は自然硬化等であってもよい。また、成形型を用いる場合においては、例えば、型内で硬化反応を完結させてから取り出してもよいし、ある程度硬化した時点で型から取り出し、その後さらに硬化させてもよい。
本生産方法によれば、硬化前のウレタン系樹脂材料を、所定の3次元形状を保持したウレタン系表皮に対して供給するため、ウレタン系樹脂材料はウレタン系表皮と一体となった状態で硬化する。両者は共にウレタン系材料であることから、両者が接する部分においてウレタン結合が生じる。このため、ウレタン系成形体が凹凸の多い複雑な形状であっても、ウレタン系樹脂材料とウレタン系表皮とは細部に至るまで隙間なく密着することができ、また、両者は成形後長期間経過しても剥離しにくい。また、表面に粘着性のないウレタンフォームにおいてもウレタン系表皮を密着して被覆することが可能となる。また、ウレタンゲルにおいても成形型を用いて成形した場合には離型剤を用いることなく脱型することが可能となる。
本生産方法によれば、優れた表面特性を有するウレタン系成形体を生産することができるため、ウレタン系樹脂の特性を活かした多種多様な用途にウレタン系成形体を利用することが可能となる。例えば、ウレタン系樹脂の弾性、軟質性、緩衝性、衝撃吸収性等の特性を利用して、防振・免震部材、衝撃吸収部材、クッション部材、吸音・防音部材等の用途に用いることができる。
また、ウレタンゲルにおいては硬さを調節することにより、人体の皮膚や軟組織に似た感触を再現することができるため、例えば、人体の一部や臓器の模型等の医療分野や介護分野等の用途に用いることができる。例えば、医療用模型又は補綴物に用いることができる。また、かかる用途に用いる場合には、食品衛生基準に合格した材料やアレルギー等の問題のない材料を用いることが好ましい。このような材料を用いることで、例えば、乳幼児や老人が使用する用途においても安全に使用することができ、また、各種雑貨等にも用いることができる。
また、本生産方法によれば、ウレタン系成形体の表面塗装が容易にできるようになる。従来は、ウレタンゲルにおいては、表面の粘着性の問題から、ウレタンフォームにおいては、多孔質であるため、塗装が染み込んでしまうことから、表面塗装は困難であり、成形前のウレタン系樹脂材料に着色する必要があった。本生産方法によれば、成形後に表面を塗装することができるため、個々の製品ごとに容易に色を変化させることができるようになる。
(ウレタン系成形体)
本生産方法によれば、内部にウレタン系樹脂を有し、表面に当該ウレタン系樹脂を被覆するウレタン系表皮を有するウレタン系成形体を生産することができる。内部のウレタン系樹脂は、例えば、ウレタンゲルであってもよく、ウレタンフォームであってもよく、目的に応じて適宜選択することができる。
ウレタン系成形体の表面にウレタン系表皮を被覆させることにより、ウレタン系成形体の耐久性、耐候性、耐溶剤性等を向上させることができる。特に、ウレタンフォームにおいては、多孔質のため表面が破れやすくなっていることから、表面加工を施すことで表面の強度を改良することができる。また、ウレタンゲルにおいては、表面の粘着性の問題を解消することができる。さらに、ウレタン系表皮によってウレタン系成形体としての形状を保持することができるため、ウレタン系成形体の中身のウレタンゲルを極めて柔らかくすることもでき、目的に応じてウレタンゲルの硬さを自由に選択することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(ポーラス樹脂型の作製)
図面を参照して実施例のポーラス樹脂型2の作製方法を説明する。図1は実施例のポーラス樹脂型2の作製の流れを示す断面図である。本実施例では、半球状のウレタン系成形体を生産するためのポーラス樹脂型2を作製した。
ウレタン系成形体のマスターを、光硬化樹脂を用いた光造形により作製した。これを仕上げ加工したものを、光造形マスターとした。この光造形マスターを基にシリコン型を作製し、シリコン型にシリコンを注入し、ウレタン系成形体についてシリコン製のマスター30を作製した。
ポーラス樹脂型2の型枠20には、ABS樹脂板を用いた。図1(a)に示すように、型枠20の底面に対してシリコン製マスター30の平面部分が来るようにシリコン製マスター30を設置し、底面のABS樹脂板に側面となる4つのABS樹脂板を接着した。このとき、隣り合う側面同士及びそれぞれの側面と底面とは隙間なく接着した。このとき、型枠20の大きさについては、底面及び上面となるABS樹脂板については、型枠20の内部にシリコン製マスター30を設置したとき、シリコン製マスター30が4つの側面の全てから最短でも20mm以上離れるような大きさに作製した。また、側面にとなるABS樹脂板ついては、シリコン製マスター30の高さより30mm以上高くなるような大きさに作製した。
次に、ポーラス樹脂組成物を調製した。ポーラス樹脂は、日新レジン株式会社製、「PLAS CEMENT」のPE−881A(主剤)及びPE881B(硬化剤)を用いた。PE−881Aを100質量部に対してPE−881Bを36質量部混合し、さらに水を30質量部添加し、よく撹拌した。
図1(b)に示すように、型枠20内に設置したシリコン製マスターの平面部分を除く半球状の表面及び型枠20内の底面のABS樹脂板上に、上記混合したポーラス樹脂材料を刷毛で厚さ10mm程度以上となるように塗布した。その後、40℃で3時間放置し、ポーラス樹脂部4を硬化させた。
次に、サポート樹脂材料を調製した。サポート樹脂は、日新レジン株式会社製、「PLAS CEMENT」のRT−408AN(主剤)及びRT−408BN(硬化剤)を用いた。RT−408ANを100質量部に対してRT−408BNを12質量部混合し、よく撹拌し、さらにユニカロン(株式会社宝建材株式会社製)を600質量部添加し、よく撹拌した。
図1(c)に示すように、サポート樹脂材料を型枠20の内部に充填し、上面用のABS樹脂板を接着した。型枠20の密封性を高めるために、型枠20の上面及び4つの側面の外側にそれぞれ、ABS樹脂板をさらにもう1枚ずつ接着した。その後、40℃で5時間放置し、サポート樹脂部6を硬化させた。
底面のABS樹脂板を取り外した。ここで、図1(d)に示すように、底面が上面になるように反転させ、シリコン製マスター30を上面に露出させた。ここからは、これまで底面としていた面を上面と呼び、上面としていた面を底面と呼ぶものとする。図1(e)に示すように、シリコン製マスター30をポーラス樹脂型2から取り出した。
厚さ4mm、幅50mmのABS樹脂板を、型枠20の4つの側面を一周するように接着した。このとき、ABS樹脂板は、型枠20の側面であって、型枠20の上面から10mm上方向に突出する位置に接着した。また、型枠20の側面に、底面から約20mmの位置に吸引部10を開け、この吸引部10にパイプ及び開閉弁を設置し、パイプの先端部を真空槽に取り付けた。
厚さ48mmのABS樹脂板をロの字型にくり抜いた。ロの字型の内側の寸法は、上記型枠20の側面上部に接着したABS樹脂板よりも2mm大きくなるようにした。また、外側の寸法は、内側よりもさらに8mm大きくなるようにした。
以上より、ポーラス樹脂部4とサポート樹脂部6とを備え、ポーラス樹脂部4の内側にシリコン製マスター30の3次元形状に倣った内表面を有するキャビティ8を備える、ポーラス樹脂型2を作製した。
(ゲル状のウレタン系成形体の製造)
ウレタンフィルム(日清紡ケミカル株式会社製、製品名;モビロンフィルム、厚み30μm)を、実施例1で作製したポーラス樹脂型2の型枠20上面より大きいサイズに切断し、型枠20上面の開口を覆うように設置した。さらにその上に、上記ロの字型のABS樹脂板を乗せ、ポーラス樹脂型2に嵌め込み、クリップ等を用いてロの字型のABS樹脂板をポーラス樹脂型2の上部に固定した。この時、ロの字型のABS樹脂板とポーラス樹脂型2との間にウレタンフィルムを挟み込み、ウレタンフィルムを固定した。
ウレタンフィルムがポーラス樹脂型2の表面に密着するまで、真空槽の内部を減圧した。このとき、ウレタンフィルムがポーラス樹脂型2内表面に完全に密着したことを目視で確認した。その後、開閉弁を閉めて空気の吸引を遮断した。
次に、ウレタン系樹脂材料を調製した。ウレタン系樹脂は、適度な弾性を発揮するゲル状体を形成する、エッチ・アンド・ケー株式会社製のハイキャスト3420A及び3420Bを用いた。ウレタン系樹脂材料は3420Aを100質量部に対して3420Bを4.5質量部混合した。
ウレタンフィルムを密着させたポーラス樹脂型2の内部に、ウレタン系樹脂材料をポーラス樹脂型2の開口の上端まで充填し、60℃で10分間放置し、ウレタン系樹脂材料がゼリー状になる程度まで半硬化した(一次硬化)。その後、上記のウレタンフィルムと同様の大きさに切断したウレタンフィルムで、ポーラス樹脂型2に充填したウレタン系樹脂材料の表面を被覆した。このとき、充填したウレタン系樹脂材料とウレタンフィルムとの間に空気が入らないように密着させた。
この状態で、ポーラス樹脂型2の内表面を被覆したウレタンフィルムとポーラス樹脂型2の開口を覆ったウレタンフィルムとの合わせ面を、温風を用いて加熱することで溶着した。
その後、一次硬化物を脱型して取り出し、40℃で2時間放置し、完全に硬化させた(二次硬化)。その後、硬化物の外縁部にはみ出た溶着されたウレタンフィルムを除去した。
これにより、所望の3次元形状を備え、ウレタン表皮に基づく優れた表面特性とウレタンゲルによる所望の弾性等を備えるウレタン系成形体を得ることができた。
(発泡体状のウレタン系成形体の製造)
本実施例は、発泡体のウレタン系生成体を製造した例を示す。なお、実施例3は、実施例2と同一の操作についての説明は省略する。
まず、実施例2で用いたウレタンフィルムを実施例1で作製したポーラス樹脂型2に固定し、ウレタンフィルムがポーラス樹脂型2の表面に密着するまで、真空槽の内部を減圧した。
次に、ウレタン系樹脂材料を調製した。ウレタン系樹脂は、発泡体を形成する、日清紡株式会社製のエアライトフォームJZ−K200R液及びT液を用いた。ウレタン系樹脂材料はR液を100質量部に対してT液を9質量部混合した。
ウレタンフィルムを密着させたポーラス樹脂型2の内部に、ウレタン系樹脂材料をポーラス樹脂型2のキャビティ8の容積の26%程度注入し、一次硬化前にウレタンフィルムを被覆した以外は、実施例2と同一の条件で一次硬化(発泡)を行い、脱型した。
次に、平面部分を被覆したウレタンフィルム表面に1個の直径1mm程度の開口をガス抜き孔として形成した。
その後、実施例2と同一条件で二次硬化を実施した。二次硬化の際、ガス抜き孔によって、ウレタン系樹脂材料の発泡硬化時に発生するガスがガス抜き孔から排出された。
その後、ガス抜き孔に対して、さらにウレタンフィルムを被覆し、加熱により溶着した。これにより、発泡体と一体化して周囲と区別が困難な程度の表面を再形成した。
これにより、所望の3次元形状を備え、ウレタン表皮に基づく優れた表面特性とウレタンフォームによる所望の弾性等を備えるウレタン系成形体を得ることができた。
2:ポーラス樹脂型
4:ポーラス樹脂部
6:サポート樹脂部
8:キャビティ
10:吸引部
20:型枠
30:マスター

Claims (12)

  1. ウレタン系成形体を備える医療用模型又は補綴物の生産方法であって、
    フィルムである第1のウレタン系表皮によって形成される所定の3次元形状を有するキャビティに対してウレタン系樹脂材料を供給し、前記ウレタン系樹脂材料を一次硬化させることを含む硬化工程、
    を備え、
    前記硬化工程に先立って、前記第1のウレタン系表皮を前記3次元形状に対応する内表面を有する型の当該内表面に吸引密着させて前記キャビティを形成する工程を備え、
    前記硬化工程は、さらに脱型後に一次硬化させた前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域をフィルムである第2のウレタン系表皮で被覆した状態で、前記ウレタン系樹脂材料を二次硬化させることを含み
    前記ウレタン系樹脂材料、前記第1のウレタン系表皮及び前記第2のウレタン系表皮はエーテル系のウレタン樹脂である、方法。
  2. 前記ウレタン系成形体は、前記ウレタン系樹脂材料の硬化物としてのゲル状体を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記硬化工程は、前記キャビティに供給された前記ウレタン系樹脂材料を前記第2のウレタン系表皮で被覆することなく一次硬化させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 一次硬化させた前記ウレタン系樹脂材料を囲繞するように前記第1のウレタン系表皮と前記第2のウレタン系表皮とを溶着する工程を備える、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記ウレタン系成形体は、前記ウレタン系樹脂材料の硬化物としての発泡体を含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記硬化工程は、前記キャビティに供給された前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域を前記第2のウレタン系表皮で被覆した状態で一次硬化させることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 脱型後に、一次硬化させた前記ウレタン系樹脂材料を被覆した前記第1のウレタン系表皮及び第2のウレタン系表皮が備える1又は複数個の開口からガスを抜く工程を備える、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記型は、前記内表面に開口する多数の孔部を有する多孔質構造を有し、前記孔部を介して型内部を吸引可能に構成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記型は、得ようとする3次元形状の少なくとも一部に対応するキャビティを有し、3次元造形法によって製造されている、請求項8に記載の方法。
  10. 医療用模型又は補綴物の製造方法であって、
    前記医療用模型又は補綴物の3次元形状の少なくとも一部に対応するキャビティを有する多孔質樹脂吸引成形型を3次元造形法を用いて作製する工程と、
    前記キャビティに第1のウレタン系表皮を吸引密着させる工程と、
    前記第1のウレタン系表皮が敷設されたキャビティにウレタン系樹脂材料を供給し、前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域を第2のウレタン系表皮で被覆した状態又は前記第2のウレタン系表皮で被覆しない状態で前記ウレタン系樹脂材料を少なくとも一次硬化させる硬化工程と、
    を備える、製造方法。
  11. 前記硬化工程は、前記第1のウレタン系表皮が敷設されたキャビティにウレタン系樹脂材料を供給し、前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域を第2のウレタン系表皮で被覆した状態で前記ウレタン系樹脂材料を少なくとも一次硬化させる工程である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記硬化工程は、脱型後に一次硬化させた前記ウレタン系樹脂材料の前記第1のウレタン系表皮から露出された領域をフィルムである第2のウレタン系表皮で被覆した状態で、前記ウレタン系樹脂材料を二次硬化させる工程を含む、請求項10又は11に記載の方法。
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