JP6549878B2 - レーザ光照射装置およびレーザピーニング処理方法 - Google Patents

レーザ光照射装置およびレーザピーニング処理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、レーザ光照射装置およびレーザピーニング処理方法に関するものである。
原子力発電設備においては、定期点検時に自動機器を炉内に設置して炉内機器にアクセスし、各種保全処理が実施されている。その中でも溶接部に残留している引張応力に起因したSCC(Stress Corrosion Cracking)対策として、その発生を効果的に防止できるレーザ加工方法および装置が提案されている。特に、このようなレーザ加工方法の一つとして、レーザピーニングが挙げられる。
レーザピーニングは、金属装置などの疲労強度、耐摩耗性、耐腐食性などを向上させるために行われる金属表面処理方法である。この方法は、金属表面にパルスレーザ光を照射し、その際に発生する衝撃波が金属の内部にまで伝播し、その衝撃波による動的応力が金属の降伏応力を超えると塑性変形が生じる。この結果、金属内部に組織変形などが生じ、圧縮残留応力が付与される。
このようなレーザピーニングによる金属表面処理について具体的に説明する。まず、被処理部材として金属部材の表面にパルスレーザ光を照射する。このとき、例えば、パルス幅が数ナノ秒(ns)程度のレーザビームを用いて、集光レンズによって直径1mm程度のスポットに集光して金属部材に照射する。この照射により、金属部材の表面がエネルギーを吸収してプラズマ化する。ここで、金属部材の表面がレーザビームの波長に対して透明な液体により覆われていると、発生したプラズマの膨張が液体により妨げられてプラズマの内部圧力が上昇する。この圧力は、例えば数ギガパスカル(GPa)程度にまで達する。この圧力が部材に衝撃を加え、その際に強力な衝撃波が発生する。この衝撃波が金属部材の内部に伝播して塑性変形を引き起こして圧縮残留応力が付与される。
レーザピーニングは、ショットピーニングやウォータジェットピーニングなどの他のピーニングに比べて、ピーニング効果が材料強度などの影響を受けにくく、被処理部材の表面から1mm程度の深さの内部まで及ぶという特徴がある。また、レーザピーニングは、加工時の反力の発生がほとんどなく、加工装置の小型化が容易で狭隘部への加工性に優れているという特徴がある。
しかしながら、非常に狭い空間しかない被処理部材の内側にレーザピーニングを適用するのは困難な場合がある。例えば、加圧水型原子炉圧力容器の上蓋にはノズルが溶接により結合されており、ノズルの内側にはサーマルスリーブが挿入されている。このようなノズルが溶接箇所にレーザピーニングを適用しようとしても、ノズル内面とサーマルスリーブとの間は、例えば、3mm程度の隙間しかないため、このような狭隘部に従来のレーザピーニングを用いて施工することは困難であった。
このような狭隘部にレーザ光を導くため、例えば、光ファイバなどを使用することが考えられるが、光ファイバの先端から照射されるレーザ光は、光ファイバの軸方向に照射されるため、光ファイバから照射されたレーザ光を光ファイバの挿入方向と平行に位置する被処理部材に照射するためには、光路を変更させる必要がある。そこで、このような狭隘部の被処理部材の表面にレーザ光を照射させる方法として、光ファイバ端面に曲面を有するコアレスファイバを接続し、光ファイバから照射されたレーザ光を光ファイバの軸方向に対して直角方向に集光する装置が提案されている。
特開2004−258387号公報 特開2004−061887号公報
しかしながら、狭隘部のように、光ファイバの中心軸と被加工部材との距離が短いため、光ファイバの軸方向に対して直角方向に集光させようとしても、集光するための距離が十分にとれず、発生する衝撃波が小さくなってしまう可能性がある。また、レーザ光の照射により発生する衝撃波のエネルギーは、一般に、光照射された部位の直上部で最大となる。そのため、光ファイバの先端から直角方向にレーザ光が照射されると、光ファイバの先端は大きなエネルギーを有する衝撃波を受けることになるため、光ファイバの先端を損傷する可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、狭隘部に存在する被加工部材に対しても容易にレーザピーニングによる加工を施すことができるレーザ光照射装置およびレーザピーニング処理方法を提供することである。
実施形態によるレーザ光照射装置は、パルスレーザ光を導光させる光ファイバと、前記光ファイバの一端側に配置され前記光ファイバとともに前記パルスレーザ光の光路を構成する集光レンズと、前記光ファイバを保持するガイドと、前記光ファイバの位置を変動させるための移動機構とを具備してなり、前記光ファイバを通じて導光された前記パルスレーザ光の光路が、前記集光レンズにより前記光ファイバの中心軸に対して、0°を超え、90°未満の角度に変更されて射出されるものである。
また、実施形態によるレーザピーニング処理方法は、前記のレーザ光照射装置を用いて、水中に存在する被処理部材にレーザ光を照射して加工を施す。
本発明によれば、狭隘部に存在する被加工部材に対しても容易にレーザピーニングによる加工を施すことができる。
第1の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。 レーザ光照射装置を原子炉内構造物の加工に適用した場合の状態を示す説明図である。 図2における光照射部分の拡大概念図である。 第2の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。 第3の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。 第4の実施形態によるレーザ光照射装置の構成を示す概略断面図である。 他のレーザ光照射装置を説明するための断面図である。 第5の実施形態によるレーザ光照射装置における集光レンズを説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によるレーザ光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、図1では、レーザ光照射装置のレーザ発振器から光ファイバの途中までの図は省略し、光ファイバの途中から光照射側の端面までのみを示す。図1は、第1の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。図1に示すように、レーザ光照射装置1は、パルスレーザ光(以下、単に、レーザ光ともいう。)を導光させる光ファイバ2と、光ファイバ2の一端側に配置され光ファイバ2とともにレーザ発振器から照射されるパルスレーザ光の光路を構成する集光レンズ3と、光ファイバ2を保持するガイド4と、光ファイバ2の位置を変動させるための移動機構5とを備える。本実施形態においては、集光レンズ3は光ファイバ2の一端側の端面に結合されている。
光ファイバ2は、レーザ光の光路となるファイバコア2−1と、それを被覆するクラッド2−2とから構成されている。ファイバコア2−1を形成する材料としては、石英、多成分ガラスなどが用いられる。クラッド2−2を形成する材料としては、石英、シリコーン、フッ素含有ポリマー、多成分ガラスなどが用いられる。また、ファイバコア2−1またはクラッド2−2の屈折率を調整するため、ファイバコア2−1にゲルマニウムまたはリン、クラッドにホウ素またはフッ素を添加することもできる。また、ファイバコア2−1にポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどのポリマー、クラッド2−2にフッ素含有ポリマーを用いたプラスチック製の光ファイバを用いることもできる。なお、本実施形態においては、光ファイバ2は、レーザ光を導光できるものであればその構造は限定されない。
また、光ファイバ2の太さなどは、特に限定されないが、レーザ光照射装置1を狭隘部の加工に用いるためには、光ファイバ2の直径は小さいことが好ましい。一方、より強いレーザ光を照射するためには光ファイバ2の直径は大きいことが好ましい。そのため、レーザ光照射装置1を狭隘部の加工に用いることおよびより強いレーザ光の照射可能とする観点から、光ファイバ2の直径は、好ましくは1〜5mmが好ましく、より好ましくは1.2〜3mmである。
集光レンズ3が、光ファイバ2のレーザ光の照射側の端面に接着または融着により結合されている。集光レンズ3は、例えば、光ファイバ2のファイバコア2−1の直径よりも大きい直径を有する光学レンズの一部で構成されたものを用いることができる。集光レンズ3を形成する材料としては、上記の光ファイバ2のファイバコア2−1と同様のものを用いることができる。また、レーザ光の照射時に生じる衝撃波への耐久性を改良するという観点からは、集光レンズ3の材料はサファイアガラス(Al)やダイヤモンドなどを用いることが望ましい。
また、光ファイバ2の他方の端面(図示せず)には、レーザ光の光源として、レーザ発振器(図示せず)が連結されている。本実施形態では、レーザ光照射装置1をレーザピーニングに利用するため、前記レーザ発振器はパルスレーザ光を射出しているが、レーザ光照射装置1をレーザピーニング以外の用途などに利用する場合には、パルスレーザ光以外のレーザ光を射出させてもよい。
レーザ光照射装置1のレーザ光の光路は、主に、光ファイバ2と集光レンズ3とによって制御される。レーザ光は、光ファイバ2のファイバコア2−1内を、クラッド2−2との界面で反射しながら進行する。通常、光ファイバから照射される光は、ファイバコア2−1内で起こる反射のために、拡散しながら照射される。このため、光ファイバ2のレーザ光の照射側の端面には、集光レンズ3が設けられ、光ファイバ2からのレーザ光の光束を平行にするか、または集束させている。このとき、通常は光ファイバ2の中心軸に沿った方向にレーザ光を照射するので、光ファイバ2の軸と、集光レンズ3の光軸とは一致させるのが一般的である。
本実施形態では、集光レンズ3の光軸が光ファイバ2の中心軸と一致しないように結合して設けている。この結果、集光レンズ3と外部、例えば空気との屈折率の差によって、レーザ光の射出方向が光ファイバ2の中心軸と一致しない。このとき照射されるレーザ光の進行方向と、光ファイバ2の中心軸とのなす角度(傾斜角)をθとすると、本実施形態においては、傾斜角θは0°を超え、90°未満(0<θ<90°)であり、好ましくは10<θ<80°である。すなわち、本実施形態においては、光ファイバ2を通じて導光されたパルスレーザ光の光路が集光レンズ3により光ファイバ2の中心軸に対して、0°を超え、90°未満の角度に変更されて射出される。これに対して、一般的な導光装置では傾斜角θは0°であり、この場合には、レーザ光は光ファイバの中心軸上に射出されるので、狭隘部においては光ファイバの中心軸延長上にない面の加工はできない。傾斜角θが10°を超えれば、狭隘部の被加工部材に対して有効に照射することができる。また、直角方向に光を照射する装置では傾斜角θは90°であり、この場合にはレーザ光照射により生じる衝撃波のエネルギーによってレーザ光照射装置が破損する可能性がある。また、光の屈折を利用した場合には、傾斜角θを90°以上にすることは困難である。傾斜角θが80°未満であれば、衝撃波のエネルギーによってレーザ光照射装置が破損する可能性を低減することができる。
照射されるレーザ光の傾斜角θ及び焦点距離は、集光レンズ3の出射面の曲率や、集光レンズ3の光軸と光ファイバ2の中心軸のズレを最適化することにより調整することができる。なお、傾斜角θをより大きくするためには、ファイバコア2−1、集光レンズ3、光照射する環境(一般的には空気)の屈折率をそれぞれn1、n2、およびn3とすると、n1≧n2>n3またはn1>n2≧n3を満たすように、光ファイバコア2−1および集光レンズ3の材料を選択することが好ましい。
また、本実施形態においては、レーザ光照射装置1は、狭隘部におけるレーザピーニングによる加工を可能とするために、レーザ光照射装置1の光照射部分が移動する際に、光ファイバ2の破損などを防止するため、ガイド4および移動機構5を備えている。
ガイド4を形成する材料は、目的に応じて任意に選択することができるが、光ファイバ2に剛性を持たせるために、比較的硬度の高い材料、例えば金属、合金、硬質プラスチックなどを用いることができる。また、狭隘部の奥深くまで光ファイバ2を挿入する必要がある場合には、柔軟性のある軟質プラスチックなどでガイド4を形成することが好ましい。
移動機構5は、光ファイバ2を被処理部材の近傍まで移動させるためのものである。移動機構5は、光ファイバ2を移動できるものであれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば動力と駆動輪を搭載していて狭隘部内を自力で移動できるものなどを用いることができる。このとき、移動機構5は、被処理部材にレーザ光が照射される位置を上下方向または左右方向に移動させることができる。また、移動機構5自体が駆動輪などを搭載していない場合であっても、ガイド4に剛性がある場合には、光ファイバ2の光照射側とは反対側の末端を制御して光ファイバ2の先端の位置を制御することができる。このとき、移動機構5は、レーザ光照射装置1と狭隘部内面との摩擦を低減するような低摩擦材料からなる部材で形成されていることが好ましい。また、ガイド4を低摩擦材料で形成して、ガイド4が移動機構5の機能を併せ持つようにしてもよい。
図2は、本実施形態によるレーザ光照射装置を原子炉内構造物の加工に適用した場合の状態を示す説明図である。図2に示すように、原子炉の上蓋6のノズル7にサーマルスリーブ8が挿入されている。上蓋6とノズル7とは、溶接によって接合されている。原子炉においては、全体的な温度変化によって、例えば、上蓋6とノズル7との接合部分に歪みが発生しやすい。そして、原子炉の定期点検においては、そのような歪みを解消するための処理を施す必要がある。しかし、ノズル7にはサーマルスリーブ8が挿入されており、ノズル7とサーマルスリーブ8との間には、例えば3mm程度の非常に狭い隙間しかない。そのため、上蓋6の外側からの加工方法が検討されているが、十分な効果は得にくい。また、サーマルスリーブ8を取り外すことも考えられるが、その処理には手間と時間がかかる。レーザ光照射装置1は、光ファイバ2の先端をノズル7とサーマルスリーブ8との間のように、狭隘部に挿入することができるため、サーマルスリーブ8を取り付けたままレーザピーニングによる加工を施すことができる。
図3は、図2における光照射部分の拡大概念図である。ノズル7とサーマルスリーブ8との間に挿入されたレーザ光照射装置1は、移動機構5によって位置を調整し、被処理部分9にレーザ光を照射できる。レーザ光は光ファイバ2内を通じて照射されるが、集光レンズ3によって集光され、レーザ光の照射角度が調整される。
よって、本実施形態によれば、レーザ光照射装置1は、狭隘部に挿入させて、レーザ光の照射角度を調整することができるため、サーマルスリーブ8を取り付けたままレーザピーニングによる加工を施すことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によるレーザ光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図4は、第2の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。図4に示すように、本実施形態においては、光ファイバ2の光射出端部と集光レンズ3との間に光ファイバレンズ10が設けられている。
光ファイバレンズ10を形成する材料は特に限定されない。光ファイバレンズ10は、光ファイバ2の中心軸から外周部に向かって屈折率が高くなるように屈折率の分布が制御されるように構成されている。
光ファイバ2から出射されるレーザ光は、光ファイバ2のファイバコア2−1内を導光され、所定の拡がり角を有して、光ファイバ2の光射出端部から出射される。本実施形態では、光ファイバレンズ10は、光ファイバ2の光射出端部と集光レンズ3との間に設けられることにより、光ファイバ2から射出される光を平行光にするか、または集光したレーザ光を集光レンズ3に導光させることができる。
よって、本実施形態によれば、光ファイバ2の光射出端部から射出されるレーザ光を、単一の集光レンズで集光する前に光ファイバレンズ10においてさらに集光させることができるため、レーザ光の拡がり角が大きい場合や焦点距離を短くする必要がある場合でも、有効に光ファイバ2から射出されるレーザ光を集光させることができ、レーザピーニングによる処理効率を向上させることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態によるレーザ光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図5は、第3の実施形態によるレーザ光照射装置を示す概略断面図である。図5に示すように、本実施形態においては、光ファイバ2の端面を斜めにカットして、このカットされた傾斜端面に集光レンズ3を接合させている。このような構造とすることにより、光ファイバに対する光射出角度θを大きくし、光ファイバ端面から集光させる位置までの光が通る距離を短くすることにより、より大きなエネルギーを有するレーザ光を被加工部9に照射させることができる。
このような構造を構成するための材料は、屈折率を考慮しながら適宜選択されることが好ましい。具体的には、光ファイバコア2−1、集光レンズ3、および光が射出される環境の屈折率をそれぞれn1、n2、およびn3とした場合、n1>n2≧n3を満たすように構成されることが好ましい。このように屈折率を制御することにより、光ファイバ2の光照射端面と集光レンズ3との境界を通過するレーザ光は、それぞれの材料の屈折率差によって大きく屈折し、レーザ光の射出角度θを大きくさせることができる。
よって、本実施形態によれば、光ファイバ2の傾斜端面に集光レンズ3を接合させることにより、光ファイバ2に対する光射出角度θを大きくすることにより、光ファイバ2から射出されるレーザ光の集光性能を向上させることができると共に、光ファイバ2から射出されるレーザ光の傾斜角度を大きくすることができるため、レーザピーニングによる処理効率をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態においては、光ファイバ2と集光レンズ3の境界における屈折現象を用いたが、第2の実施形態に第3の実施形態を組み合わせることもできる。すなわち、第2の実施形態における光ファイバレンズ10と集光レンズ3の境界部分において、光ファイバレンズ10の端面に傾斜をつけるように研磨してから集光レンズ3を結合させることができる。このような組み合わせによりさらに優れた効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態によるレーザ光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図6は、第4の実施形態によるレーザ光照射装置の構成を示す概略断面図である。本実施形態においては、光ファイバ2の端面を球面状に切削して形成された凹部形状に合うように加工された集光レンズ3を組み合わせて接合させている。
このような構造としても、光ファイバに対する光射出角度θを大きくし、光ファイバ端面から集光させる位置までの光が通る距離を短くすることができるため、より大きなエネルギーを有するレーザ光を被加工部9に照射させることができる。
また、これらの構造を有する光ファイバ2および集光レンズ3の接合方法としては、例えば、光ファイバ2の端面を加工し、その形状に合わせた集光レンズを接着させるか、加工された光ファイバ2の端面に、集光レンズ3の原料となる樹脂などを溶融状態で融着させ、その後、表面を集光レンズ3の形状となるように切削および研磨などして形成してもよい。
このような構造を構成するための材料についても、屈折率を考慮しながら適宜選択されることが好ましい。光ファイバ2、凹部に挿入される部分を含む集光レンズ3、光が射出される環境の屈折率をそれぞれn1、n2、およびn3とした場合、n1>n2≧n3を満たすよう構成されることが好ましい。このように屈折率を制御することにより、光ファイバ2の光照射端面と集光レンズ3との境界を通過するレーザ光を、それぞれの材料の屈折率差によって大きく屈折させ、レーザ光の射出角度θを大きくさせることができる。
よって、本実施形態においても、上記のように形成された光ファイバ2および集光レンズ3を用いることにより、光ファイバ2に対する光射出角度θを大きくすることができる。このため、本実施形態によれば、レーザ光が所定の拡がり角を有して光ファイバ2の光射出端部から出射されても、光ファイバ2から射出されるレーザ光の集光性能を向上させることができると共に、光ファイバ2から射出されるレーザ光の傾斜角度を大きくすることができるため、レーザピーニングによる処理効率をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態においては、光ファイバ2の端面を球面状に切削する場合について説明したが、集光効果を得ることができる形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように端面が円錐形状に形成されてもよいし、非球面レンズの形状に形成されてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態によるレーザ光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図8は、本実施形態によるレーザ光照射装置における集光レンズ3を説明するための概念図である。図8に示すように、本実施形態において、集光レンズ3は、シリンドリカルレンズ11(破線で示す)から切り出された形状とし、集光レンズ3の光出射面の形状をシリンドリカルレンズ状としている。シリンドリカルレンズ11は、A−A’方向には集光効果を有するが、B−B’方向には集光効果を有していない。このようなシリンドリカルレンズ11を用いることにより、レーザ光の光束を、B−B’方向に長い、つまりアスペクト比が1ではない楕円形とすることができる。レーザ光が、このようなシリンドリカルレンズ11のA’側の被加工部に照射されると、横方向に長い光束が縦方向に長く照射されることになる。すなわち、レーザ光の進行方向に垂直な面でレーザ光のスポットは横長である場合、レーザ光の進行方向に対して垂直ではない面においてはそのアスペクト比が1に近づけることができる。
よって、本実施形態によれば、被加工部9に照射させるレーザスポットの形状を真円に近づけ、照射されるエネルギー密度を高くすることができる。すなわち、光ファイバ2から照射されたレーザ光が集光レンズ3で90°に傾斜されないため、被加工部9においては焦点が結ばれない場合には、レーザスポットの形状が楕円となる可能性がある。レーザスポットの形状が楕円となることで、照射面積が拡がるため、被加工部9におけるレーザのパワー密度が低下して、レーザピーニングによる応力改善効果が十分得られない可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、集光レンズ3の光出射面の形状をシリンドリカルレンズ状として、被加工部9に照射させるレーザスポットの形状を改善して、レーザスポットの形状を真円に近づけることができるため、照射されるエネルギー密度を高くすることができる。
なお、本実施形態に対して、上記の他の実施形態による構成を組み合わせることもできる。例えば、第2の実施形態による光ファイバレンズ10を組み合わせたり、第3の実施形態に示されるような端部を斜めに加工した傾斜端面を有する光ファイバを組み合わせたり、第4の実施形態に示されるように端部が凹状に形成された光ファイバを組み合わせることもできる。これらの態様を組み合わせることにより、さらにレーザ光の集光性能を高めることができる。
本実施形態によるレーザ光照射装置は、レーザピーニングによる加工を行う場合には、光ファイバ2のレーザ光出射面から被加工部9までの光路が液体中にあることが好ましい。一般的には、被加工部およびレーザ光射出面が水中に埋没した状態、つまり冠水した状態が望ましい。このような場合、集光レンズ3の材料は屈折率が水(屈折率が約1.33)よりも高い材料を用いることが好ましい。
上記各実施形態によるレーザ光照射装置は、前記した通り、原子炉の上蓋6のノズル7とサーマルスリーブ8との隙間のような狭隘部にレーザピーニングにより加工を行う場合に有用である。このため、光ファイバ2とその先端に設けられる集光レンズ3などは小さなサイズであることが好ましい。具体的には、光ファイバ2の中心軸方向からみた断面の最大寸法(以下、単に長径という)が5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることが最も好ましい。光ファイバ2の中心軸方向からみた断面の最小寸法(以下、単に短径という)は、光ファイバ2の直径よりも小さく、例えば1〜5mmとする。上記各実施形態によるレーザ光照射装置は、光ファイバ2とその先端に設けられる集光レンズ3などがこのような小さなサイズとすることができるため、例えば原子炉における、ノズルとサーマルスリーブとの間にある狭隘部などにおけるレーザピーニングによる加工に有効に用いることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 レーザ光照射装置
2 光ファイバ
2−1 光ファイバコア
2−2 クラッド
3 集光レンズ
4 ガイド
5 移動機構
6 原子炉上蓋
7 ノズル
8 サーマルスリーブ
9 被加工部
10 光ファイバレンズ
11 シリンドリカルレンズ

Claims (6)

  1. パルスレーザ光を導光させる光ファイバと、前記光ファイバの一端側に配置され前記光ファイバとともに前記パルスレーザ光の光路を構成する集光レンズと、前記光ファイバを保持するガイドと、前記光ファイバの位置を変動させるための移動機構とを具備してなり、
    前記光ファイバの前記集光レンズ側の端面が、前記光ファイバの中心軸に対して斜めに切削されており、
    前記光ファイバを通じて導光された前記パルスレーザ光の光路が、前記集光レンズにより前記光ファイバの中心軸に対して、0°を超え、90°未満の角度に変更されて射出されることを特徴とする、レーザ光照射装置。
  2. パルスレーザ光を導光させる光ファイバと、前記光ファイバの一端側に配置され前記光ファイバとともに前記パルスレーザ光の光路を構成する集光レンズと、前記光ファイバを保持するガイドと、前記光ファイバの位置を変動させるための移動機構とを具備してなり、
    前記光ファイバと前記集光レンズとが、前記光ファイバの中心軸から外周部に向かって屈折率が高くなるように構成され、前記光ファイバの端面から前記集光レンズへ前記パルスレーザ光を伝送する光ファイバレンズを介して結合され、
    前記光ファイバを通じて導光された前記パルスレーザ光の光路が、前記集光レンズにより前記光ファイバの中心軸に対して、0°を超え、90°未満の角度に変更されて射出されることを特徴とする、レーザ光照射装置。
  3. パルスレーザ光を導光させる光ファイバと、前記光ファイバの一端側に配置され前記光ファイバとともに前記パルスレーザ光の光路を構成する集光レンズと、前記光ファイバを保持するガイドと、前記光ファイバの位置を変動させるための移動機構とを具備してなり、
    前記光ファイバの前記集光レンズ側の端面が、凹状に切削されており、
    前記光ファイバを通じて導光された前記パルスレーザ光の光路が、前記集光レンズにより前記光ファイバの中心軸に対して、0°を超え、90°未満の角度に変更されて射出されることを特徴とする、レーザ光照射装置。
  4. 前記集光レンズが、前記光ファイバのコアの直径よりも大きな直径を有する光学レンズの一部であり、
    前記光ファイバの中心軸と、前記光学レンズの光軸とが一致していない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザ光照射装置を用いて、水中に存在する被処理部材に前記パルスレーザ光を照射して加工を施すことを特徴とする、レーザピーニング処理方法。
  6. 前記被処理部材が、原子炉を構成する部材である、請求項に記載の方法。
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