JP3500227B2 - Yagレーザ加工装置 - Google Patents

Yagレーザ加工装置

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JP3500227B2
JP3500227B2 JP15054395A JP15054395A JP3500227B2 JP 3500227 B2 JP3500227 B2 JP 3500227B2 JP 15054395 A JP15054395 A JP 15054395A JP 15054395 A JP15054395 A JP 15054395A JP 3500227 B2 JP3500227 B2 JP 3500227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークに対し非接触で
溶接等の精密加工を行うYAGレーザ加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】YAGレーザは、固体レーザの一種であ
り、光励起作用によりレーザ光線が発振されるもので精
密加工に使用されており、2つのワークの突き合わせ溶
接や、切断、孔あけ等が行える。そして、突き合わせ溶
接を大面積に渡って行う場合、レーザ光線が出射される
光ファイバのコア径が大きいものを用いれば、コア径に
対応してスポット径を大きくできる。また、レーザ光線
のビームを拡大あるいは偏平状にすることにより溶接面
積を大きくすることができる。
【0003】特開平3−210986号公報に開示され
た溶接装置は、レーザ発振装置によってレーザ光線が発
振され、発振されたレーザ光線が光学レンズ系によって
偏平されてワークに照射され、楕円状の溶接が行われる
ものである。
【0004】レーザ光線が楕円状であることにより、突
き合わせ溶接する接合面の方向に沿って楕円の長径の方
向を沿わせれば溶接を効率的に行うことができる。即
ち、短径の方向はワークの接合に不要な方向であり、こ
の不要箇所にレーザ光線が当たらないため、ワークの非
溶接箇所に対して悪影響を与えない利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記溶
接装置では特殊な光学レンズ系を使用して楕円状のレー
ザ光線を得る構成であるため、部品点数が多くコスト高
となる問題があった。この特殊な光学レンズ系に用いら
れるシリンドリカルレンズは、出射面からの距離に応じ
て偏平する方向が可変する特性を有するため、ワークと
シリンドリカルレンズが設けられた照射装置との距離が
正確でない場合には、この誤差が直接、偏平する方向及
び楕円形状自体が変わる問題がある。
【0006】即ち、上記溶接装置は、照射装置を3次元
方向(X,Y,Z)に移動する可動アームが設けられ、
この可動アームを移動して溶接箇所にレーザ光線を照射
する構成であるため、この可動アームの移動制御の精度
が悪いと所望する方向と異なる方向に偏平し、かつ楕円
形状自体も異なった溶接部位が形成される恐れがあっ
た。同時に、可動アームを移動制御して楕円の向きを可
変しようとした場合においても、所望する方向と異なる
方向に偏平し、かつ楕円形状自体も異なる場合がある。
【0007】また、出射されたレーザ光線の集束点はあ
くまで円形状であり、この集束点を中心として光軸の前
側および後側に現れる楕円形状のレーザ光線は、いずれ
も集束点ではなくレーザ光線が楕円方向に分散された状
態であるため、溶接に必要なエネルギ密度が得られない
欠点がある。
【0008】そして、YAGレーザのレーザ光線(加工
用レーザ光)は、目視できない波長の光であるため、溶
接位置を確認するには、このYAG光と同一光学系にHe
-Ne光や半導体レーザ光等の可視レーザ光線(位置確認
用レーザ光)を入射する構成とされている(特開平2−
210985号公報に開示)。しかし、この位置確認用
レーザ光は、加工用レーザ光の照射位置を確かめる程度
の精度のものであり、加工用レーザ光の楕円状態そのも
のを見ることはできないため、上記可動アームの位置決
め精度を向上させることができなかった。
【0009】このため、現在の溶接作業では、加工用レ
ーザ光だけを実際に出射させて溶接を行い、溶接部の溶
接部位の状態を目視(カメラモニタ)しながら行うこと
が多い。また、加工用レーザ光と位置確認用レーザ光を
併用する構成において、加工用レーザ光と位置確認用レ
ーザ光との色収差を補正する収差補正用のレンズ系を用
いることが考えられるが、このレンズ系は高価であり、
実用的ではない。即ち、上記可動アームの精度を向上さ
せるために収差補正用のレンズ系を加えて用いた場合に
は、全体構成がさらに複雑となり非常に高価となる。
【0010】ところで、図7に示すように、この溶接装
置から出射される円形状の加工用レーザ光をワークWに
対し所定角度で斜めに照射させることにより、ワークW
には、偏平した楕円状の溶接部位を形成できるが、この
場合には、図8(a)の平面図に示すように、出射距離
が短い側のエネルギが高く、出射距離の長い側のエネル
ギが低くなるため、図8(b)の断面図に示すようにエ
ネルギに対応してナゲットに溶け込みのむらが生じる。
この状態で突き合わせ溶接を行うと、溶接部位での接合
状態が不均一になるため強度上の問題があった。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、簡単かつ安価な構成で容易に楕円状の
レーザ光線を得ることができ、ワークの溶接等を精密か
つ効率良く行うことができるYAGレーザ加工装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のYAGレーザ加工装置は、YAGレーザ光
線Lを発振するレーザ発振器2と、該YAGレーザ光線
をワークWに照射する出射光学部10と、前記YAGレ
ーザ光線をレーザ発振器から出射光学部に伝送する光フ
ァイバ8と、出射光学部内の前記光ファイバの他端部8
bに設けられ、YAGレーザ光線を所定の楕円比で楕円
状に出射するために臨界角以下の所定の切断角度θで斜
めに形成した出射端面19aと、該出射端面19aから
出射された楕円状のYAGレーザ光線をワークWに対し
焦点位置Oで集光させる出射用レンズ12とで構成さ
れ、 前記出射光学部10には、前記出射端面19aから
出射されるYAGレーザ光線Lの光軸を前記出射光学部
10の中心軸上に位置させるため、前記光ファイバ8の
他端を出射光学部10の中心軸に対し、出射端面での屈
折角度tから前記切断角度θを減じた傾斜角度αで傾斜
保持する保持孔17bが設けられたことを特徴としてい
る。
【0013】また、請求項2記載のように、前記出射光
学部10に設けられる出射用レンズ12は、出射端面1
9aとの間の距離が可変自在なレンズホルダ18に装着
され、焦点位置Oを光軸の前後方向に移動自在な構成と
してもよい。
【0014】
【0015】また、請求項記載のように前記出射光学
部10は、外筒14と、該外筒14内部に設けられ、Y
AGレーザ光線Lの光軸を中心とする回転方向に回転自
在であり、前記光ファイバ8の他端部8bを保持する前
記保持孔17b及び前記出射用レンズ12を有する回転
筒17で構成されており、回転筒17の回転に応じて前
記YAGレーザ光線Lの楕円方向を光軸を中心として回
転自在な構成とすることもできる。
【0016】
【作用】レーザ発振器2で発振されたYAGレーザ光線
Lは、光ファイバ8を介して出射光学部10からワーク
Wに照射される。この出射光学部10側の光ファイバ8
端部の出射端面19aは、所定の切断角度θで切断され
ており、この切断角度θに対応した所定の楕円比X:Y
を有する楕円状のYAGレーザ光線Lが出射される。こ
のYAGレーザ光線Lは、出射用レンズ12で焦点位置
Oに集束され、ワークWをこの焦点位置Oで楕円状に溶
接する。楕円の長径方向に沿ったシーム溶接では1回で
長い距離に渡り溶接部位を形成でき、溶接作業の効率化
が図れる。出射用レンズ12は光軸方向に移動して焦点
位置Oを前後方向に微調整でき、常にワークWの溶接位
置に焦点を集束できる。ところで、光ファイバ8の端部
の出射端面19aから出射される楕円状のYAGレーザ
光線Lは切断角度θのとき屈折角度tで屈折するため、
光ファイバ8の端部を保持する保持孔17bは、屈折角
度tから切断角度θを減じた傾斜角度αで傾斜させるこ
とにより、出射光学部10の軸線上にYAGレーザ光線
Lの光軸を位置させることができるようになる。出射用
レンズ12、保持孔17bを回転筒17に設け、外筒1
4内で回転筒17が光軸の回転方向に回転自在な構成と
すれば、焦点位置Oの光軸を中心として楕円方向を可変
でき、溶接方向の可変に対応できる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明のYAGレーザ加工装置を示
す全体構成図である。このYAGレーザ加工装置1は、
大略してレーザ発振器2と出射光学部10で構成されて
いる。レーザ発振器2には、両端に反射鏡3を有する光
共振器(Nd:YAGロッド)4と、光共振器4の側部に設け
られ、光エネルギを光共振器4に注入する励起ランプ5
を有する。反射鏡3のうち一方は全反射ミラー3aであ
り、他方は光を外部に出射可能な出力ミラー3bとされ
ている。出力ミラー3b側には、入射レンズ7が設けら
れ、出力ミラー3bから出射された光はこの入射レンズ
7を介して光ファイバ8の一端8aに入射される。
【0018】光ファイバ8は、SI,GI等のマルチモ
ードファイバで所定のコア径を有するものであり、他端
は所定の溶接等の加工位置まで延出され、この他端8b
には出射光学部10が設けられる。出射光学部10は、
ホルダ11及びロッドレンズからなる出射レンズ12で
構成され、光ファイバ8の他端8bから出射されたYA
Gレーザ光線Lを焦点位置Oで集束してワークWに照射
する。
【0019】図2は、この出射光学部10を示す断面図
である。ホルダ11の外筒14は、支柱15を介して台
座等に固定され、光学出射部10から出射されるYAG
レーザ光線Lを焦点位置OにあるワークWに照射する。
支柱15上部には、ホルダ11の角度を可変自在な継手
15aが設けられている。
【0020】外筒14内部には回転筒17が設けられ、
光軸と直交する方向に凹溝及び突起14a,17aが形
成され、回転筒17は外筒14内部で回転自在である。
【0021】回転筒17内部には、光ファイバ8の他端
8bに設けられたフェルール19を保持する保持孔17
bが傾斜して設けられている。また、出射レンズ12
は、レンズホルダ18に保持されている。レンズホルダ
18と回転筒17は、ネジ溝17c及びネジ18aによ
り互いが螺合され、レンズホルダ18を回転させること
により、YAGレーザ光線Lの光軸方向に前後移動して
焦点位置Oが光軸方向前後に移動できるようになってい
る。前記回転筒17の回転及びレンズホルダ18の前後
移動は、それぞれ機構的に行ってもよい。また、レンズ
ホルダ18は、ネジ機構に代えて光軸方向に延びる凹溝
と突起による直線移動機構としてもよい。
【0022】そして、フェルール19の出射端面19a
は、所定角度θで斜めカットされている。この切断角度
θは、定められた臨界角までの範囲に設定される。一般
に屈折率nの異なる箇所を通過する光は、下記式(1)
に示す関係がある。 sint/sin θ= n1/n2 …式1
【0023】そして、光ファイバから空気中に出射され
るYAGレーザ光線Lは、スネルの法則に従うと、下記
式(2)に示される屈折角度が得られる。 t= sin-1( sinθ×(n1/n2) ) …式2 ここで、n1=1.5 (石英ファイバ),n2=1 (空気)で
あり、(sin θ×(n1/n2) )の項 は1以下であるた
め、sin θ=0.666以下となる。即ち、切断角度θの臨界
角は41.81°以下に設定する必要がある。
【0024】したがって、図3に示すようにYAGレー
ザ光線Lは、出射端面19aを所定の切断角度θとした
とき、この出射端面19aの法線から下方側に屈折角度
tで屈折する。このため、回転筒17の保持孔17b
は、予め傾斜角度α(α=屈折角度t−切断角度θ)で
傾斜して設けることにより、出射するYAGレーザ光線
Lは、図2に示す如く出射レンズ12を介してホルダ1
1の中心軸と同軸上に設定することができる。これは、
保持孔17bを回転筒17の中心軸上に設けても出射光
学部10からYAGレーザ光線Lを出射することができ
るものであるが、この場合にはYAGレーザ光線Lが出
射光学部10から斜めに出射され、不要な事故等を発生
する恐れがある。このため、事故を防止し出射光学部1
0の取り扱いを容易化する上で上記のように保持孔17
bを傾斜角度αで傾けている。
【0025】下記の表1には、切断角度θを複数設定し
たときにそれぞれ対応する屈折角度t、傾斜角度α、楕
円比X:Yを示す。
【0026】
【表1】
【0027】上記表によれば、出射端面19aの切断角
度θが大きいほど、楕円比X:Yが大きくすることがで
きる。切断角度θを臨界角41.81°にしたとき、Y
AGレーザ光線Lの楕円比はX:Y=1:0.75とな
る。(Y=cos θ) また、図3に示すように、切断角度θを35°としたと
きの楕円比X:Yは1:0.82となる。ここで、使用
する光ファイバ8がGI型のマルチモードファイバで、
コア径が800μmとされた場合の、焦点位置Oにおけ
るYAGレーザ光線Lのスポット径は、図4に示すよう
にX方向(長径)がコア径と同一の800μmで、Y方
向(短径)が656μmの楕円形状となる。
【0028】したがって、ワークWの溶接方向に沿って
楕円状のYAGレーザ光線Lの長径方向を設定して溶接
を行うことにより、溶接が不要なワークWの短径方向に
対するYAGレーザ光線Lの照射が低減され、不要な溶
接部位を形成することがない。これにより、溶接後のワ
ークWの品質を損なうことがない。
【0029】また、YAGレーザ光線Lが楕円状である
ため、短径の長さを基準として長径の長さ楕円比を1:
xとすれば、図4に示す例では、長径xが1.22とな
る。即ち、従来の円形状の加工用レーザ光と同一のスポ
ット径で溶接を行う際には、長径方向を約1.22倍長
い距離で溶接できることになる。
【0030】したがって、図6に示すように、特に長径
方向に連続するシーム溶接に使用すれば、同図(b)の
溶接形成状態40に示すように、1回の溶接の長さを大
きくとれ、また、重なる溶接箇所も少なくできるから、
同じ溶接回数で長い距離に渡り溶接が行え、結果、溶接
回数を減らすことができ、溶接作業を効率的に行えるよ
うになる。これは連続する切断作業においても同様に得
られる。尚(a)は、比較例として円形状のレーザ光線
の場合のシーム溶接の溶接形成状態30を示している。
ここで(a),(b)いずれも高さ(短径)方向は同一
の長さとしてある。
【0031】そして、この出射光学部10の外筒14に
対し回転筒17を回転させることにより、YAGレーザ
光線Lの楕円方向を可変できる。このとき、出射工学部
10から出射されるYAGレーザ光線Lは、この出射光
学部10の軸線上に出射されるため、回転筒17を回転
させても光軸の中心位置がずれるおそれはない。
【0032】そして、回転筒17を90度回転させれば
図4に示した短径方向と長径方向とを入れ換えた状態の
楕円状とすることができる。このように、回転筒17を
回転させるだけで焦点位置Oの位置を変えずに溶接方向
を傾けることができ、ワークWの向きに対応して溶接方
向、例えばシーム溶接の際の連続的な溶接方向に長径方
向を向けることができるようになる。
【0033】また、回転筒17内のレンズホルダ18を
回転させれば、焦点位置Oを光軸の前後方向に移動させ
ることができる。これにより、ワークWを固定するとき
及びシーム溶接を行う場合等に、ワークWの溶接箇所が
光軸の前後方向に移動した場合に、焦点位置Oの微調整
が行え、常に溶接箇所に焦点位置Oを集束させることが
でき、所望するエネルギ密度による確実な溶接作業を遂
行できるようになる。
【0034】実際の溶接作業では、光学出射部10及
び、ワークWのいずれも固定状態とされるが、ワークW
の溶接箇所にYAGレーザ光線Lの焦点位置Oを集束さ
せる調整は、上記回転筒17の回転調整、レンズホルダ
18の移動調整、及び継手15a部分で角度調整を以て
行う。
【0035】図5の斜視図に示すものは、突き合わせ溶
接するワークとして光ファイバ20の端部同士を接合す
るものである。この光ファイバ20,20に対しては、
回転方向に複数の光学出射部10を設けておくことによ
り、この光学出射部10からそれぞれ同時にYAGレー
ザ光線Lを出射させれば、一度に複数箇所の接合を行う
ことができる。図示の例では120°づつ計3方向で同
時に接合を行う。複数箇所を同時に接合することによ
り、1か所づつ接合(溶接)するものに対し、溶接によ
るワークの位置ずれを生じることがなく、また、溶接時
間を短縮化できる。
【0036】また、上記実施例では、YAGレーザ光線
Lを用いてワークWの突き合わせ溶接を例に説明した
が、加工形態としては、他にワークWの切断や穴あけ等
がある。また、ワークWとしては上記光ファイバの突き
合わせ溶接以外にも、ステンレス等金属製の微小な電子
部品と基板の溶接や、封止パッケージの蓋部のシーム溶
接に用いる等、加工範囲は上記記載例に限定されるもの
ではない。また、切断の加工時に楕円の長径方向に連続
的に切断を行えば、光ファイバのコア径より小さな幅
(短径に相当)で切断できるようになる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバの端部の出
射端面を所定の切断角度で切断することにより、YAG
レーザ光線をこの切断角度に対応した楕円比を有する楕
円状にすることができるため、この楕円状のYAGレー
ザ光線を用いて加工箇所を楕円状に溶接等加工すること
ができ、これを簡単な構成で行えるようになる。この溶
接は、ワークの溶接方向に対し長径方向を設定して溶接
すれば溶接に不要な短径方向では極力YAGレーザ光線
が照射されないこととなり、照射されることによる熱影
響を防止できる。一方、この楕円状のYAGレーザ光線
の短径方向の長さを従来の円形ビームと同じ長さとすれ
ば、長径方向の長さを以前より長くすることができるこ
とになるため、特に長径方向に連続するシーム溶接に使
用すれば、1回の溶接の長さを大きくとれ、また、重な
る溶接箇所も少なくできるから、溶接回数が減らすこと
ができ、溶接作業を効率的に行うことができるようにな
る。これは連続する切断作業においても同様に効率化を
達成する。そして、ワークに対するYAGレーザ光線
は、出射用レンズにより溶接箇所を焦点位置として設定
でき、常に所望する所定のエネルギ密度での溶接作業を
行えるようになる。
【0038】また、請求項2記載のように、出射用レン
ズを保持するレンズホルダが光軸の前後方向に移動する
構成とすれば、焦点位置を光軸の前後方向に移動でき、
常にワークの溶接位置に焦点位置を合わせる調整を行え
るようになる。また、光ファイバの端部の出射端面から
出射される楕円状のレーザ光は切断角度θのとき屈折角
度tで屈折するため、光ファイバの端部を保持する保持
孔は、屈折角度tから切断角度θを減じた傾斜角度αで
傾斜させることにより、出射光学部の軸線上にレーザ光
の光軸を位置させることができるようになる。これによ
り、YAGレーザ光線が不意な方向に出射されることが
なく、事故を防止できる他、出射光学部の取り扱いを容
易化できる。また、出射光学部を、外筒に対し内筒がY
AGレーザ光線の光軸の回転方向に回転自在な構成とす
ることにより、対応してYAGレーザ光線の楕円方向を
回転させることができるようになり、ワークの溶接方向
が変わった場合でもこの溶接方向に楕円の長径方向を容
易に設定することができるようになる。また、この回転
時には光軸の中心位置が変わらないため、初期状態への
復帰も容易である。尚、上記加工は溶接に限らず、切
断、穴あけにも同様に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のYAGレーザ加工装置を示す全体構成
図。
【図2】本発明の出射光学部を示す断面図。
【図3】本発明のYAGレーザ光線の屈折状態を示す
図。
【図4】本発明のYAGレーザ光線の楕円状のスポット
を示す図。
【図5】突き合わせ溶接状態を示す斜視図。
【図6】(a)は円形状のレーザ光線によるシーム溶接
状態を示す図。(b)は楕円状のレーザ光線によるシー
ム溶接状態を示す図。
【図7】従来技術によるレーザ光線を斜めに照射した状
態を示す図。
【図8】(a)は、従来のレーザ光線の楕円状態を示す
平面図。(b)は、同図(a)の側断面図。
【符号の説明】
1…YAGレーザ加工装置、2…レーザ発振器、8…光
ファイバ、10…出射光学部、11…ホルダ、12…出
射レンズ、14…外筒、17…回転筒、18…レンズホ
ルダ、19…フェルール、19a…出射端面、L…YA
Gレーザ光線、O…焦点位置。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 YAGレーザ光線(L)を発振するレー
    ザ発振器(2)と、 該YAGレーザ光線をワーク(W)に照射する出射光学
    部(10)と、 前記YAGレーザ光線をレーザ発振器から出射光学部に
    伝送する光ファイバ(8)と、 出射光学部内の前記光ファイバの他端部(8b)に設け
    られ、YAGレーザ光線を所定の楕円比で楕円状に出射
    するために臨界角以下の所定の切断角度(θ)で斜めに
    形成した出射端面(19a)と、 該出射端面(19a)から出射された楕円状のYAGレ
    ーザ光線をワーク(W)に対し焦点位置(O)で集光さ
    せる出射用レンズ(12)とで構成され、 前記出射光学部(10)には、前記出射端面(19a)
    から出射されるYAGレーザ光線(L)の光軸を前記出
    射光学部(10)の中心軸上に位置させるため、前記光
    ファイバ(8)の他端を出射光学部(10)の中心軸に
    対し、出射端面での屈折角度(t)から前記切断角度
    (θ)を減じた傾斜角度(α)で傾斜保持する保持孔
    (17b)が設けられた ことを特徴とするYAGレーザ
    加工装置。
  2. 【請求項2】 前記出射光学部(10)に設けられる出
    射用レンズ(12)は、出射端面(19a)との間の距
    離が可変自在なレンズホルダ(18)に装着され、焦点
    位置(O)を光軸の前後方向に移動自在な構成とされた
    請求項1記載のYAGレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 前記出射光学部(10)は、外筒(1
    4)と、 該外筒内部に設けられYAGレーザ光線(L)の光軸を
    中心とする回転方向に回転自在であり、前記光ファイバ
    (8)の他端部を保持する前記保持孔(17b)及び前
    記出射用レンズ(12)を有する回転筒(17)で構成
    されており、 回転筒の回転に応じて前記YAGレーザ光線の楕円方向
    を光軸を中心として回転自在な請求項1乃至2記載のY
    AGレーザ加工装置。
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