JP6548997B2 - スライドレール - Google Patents

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Description

本発明は、スライドレールに関する。詳しくは、乗物用シートをフロアに対して前後スライド可能な状態に連結するスライドレールに関する。
従来、車両用シートのスライドレールとして、車両のフロア上に取り付けられるロアレールと、車両用シートの底部に取り付けられてロアレールに対して前後スライド可能な状態に組み付けられるアッパレールと、を有するものが知られている(特許文献1)。上記スライドレールには、車両の衝突発生時に、アッパレールを支えるロアレールが、アッパレール上に取り付けられたシートベルトバックルの取付部から受ける剥離方向の大荷重により変形することを抑止するため、ロアレールに補強用パッチが取り付けられている。
実開平3−53330号公報
上記従来技術では、補強用パッチが、ロアレールに対して、概ね、アッパレールが中央のスライド位置にある状態において、バックルの取付部の直下近傍に取り付けられている。しかし、上記補強用パッチは、アッパレールがロアレールから前方側に張り出す最大スライド位置まで動かされた状態では、バックルの取付部の直下から離れた配置となってしまい、補強機能を適切に発揮できないおそれのある構成となっている。なお、補強用パッチを広い範囲に跨るような長尺な構成とすることは、重量の増大を招くため、適切でない。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、スライドレールの乗物衝突に対する補強を適切に行うことにある。
上記課題を解決するために、本発明のスライドレールは次の手段をとる。
第1の発明は、乗物用シートをフロアに対して前後スライド可能な状態に連結するスライドレールであって、フロア上に取り付けられるロアレールと、ロアレールに前後スライド可能な状態に組み付けられて乗物用シートに取り付けられるアッパレールと、ロアレールに結合される補強部材と、を有する。アッパレールは、ロアレールに対して、高さ方向に剥離防止された状態に掛かり合って組み付けられている。補強部材は、アッパレールがロアレールのフロアに対する後端側の締結箇所を前側に越えたスライド位置にある状態において、アッパレールの後部箇所に取り付けられたシートベルトバックルからアッパレールに剥離方向の荷重が入力された際にアッパレールからロアレールに荷重入力がなされる荷重入力点の直下領域に跨るように設けられている。
この第1の発明によれば、アッパレールがロアレールに対して後端側の締結箇所上では掛かり合わない浅い掛かり合い状態となっている時には、乗物の衝突発生によりシートベルトバックルからアッパレールに剥離方向の荷重が掛けられると、ロアレールにはアッパレールから剥離方向の荷重が荷重入力点において局所的に強く掛けられ続けることとなる。しかし、このようなロアレールの荷重入力点の直下領域に補強部材が結合されていることで、上記の荷重を適切に受け止めることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。すなわち、荷重入力点が、アッパレールとロアレールとの間に介在して設けられる摺動抵抗低減用の転動球とロアレールとの接触点となっている。
この第2の発明によれば、転動球を介してアッパレールからロアレールに局所的に強く掛けられる剥離方向の荷重を、補強部材で適切に補強したロアレールの構造強度によって適切に受け止めることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。すなわち、補強部材が、ロアレールの底面部の底面に結合されている。
この第3の発明によれば、補強部材を外部から見えにくい見栄えの良い位置に簡便に結合することができる。また、ロアレールの側面や上面等の外部に露呈する箇所に、補強部材の設置に伴う張り出しや角張りを生じさせにくくすることができる。
第4の発明は、上述した第3の発明において、次の構成とされているものである。すなわち、補強部材が、ロアレールの底面部に形成された孔を覆った状態に設けられている。
この第4の発明によれば、ロアレールの孔の形成によって脆弱化される部分を補強部材によって適切に補強することができる。
第5の発明は、上述した第1から第4のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。すなわち、荷重入力点が、シートベルトバックルのアッパレールに対する取付部の直下領域に位置する。
この第5の発明によれば、ロアレールに対して荷重入力点からの荷重が最も強く作用する形態となる構成において、ロアレールに入力される荷重を、補強部材で適切に補強したロアレールの構造強度によって適切に受け止めることができる。
第6の発明は、上述した第1から第5のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。すなわち、補強部材が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後方向の3箇所の部位が差し込み式の締結構造によりロアレールに外側から組み付けられている。
この第6の発明によれば、アッパレールをロアレールに組み付けた組み付け後のスライドレールに対して、補強部材を後付けで簡便に組み付けることができる。
第7の発明は、上述した第1から第6のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。すなわち、補強部材が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後側の端部の両角が丸められた形状とされている。
この第7の発明によれば、補強部材の補強性能を適切に残した上で、補強部材の形状を適切に抑えることができる。
実施例1のスライドレールが適用された乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 乗物用シートの側面図である。 スライドレール単体の分解斜視図である。 スライドレール単体の組み付け後の斜視図である。 図4のV-V線断面図である。 図4のVI-VI線断面図である。 図4のVII-VII線断面図である。 スライドレールを後方側から見た背面図である。 スライドレールを前方側の最大スライド位置まで動かした状態を表した側面図である。 図9の状態において乗物衝突に伴う剥離方向の荷重がシートベルトバックルに入力された状態を表した模式図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
<スライドレール10の概略構成について>
始めに、実施例1のスライドレール10の構成について、図1〜図10を用いて説明する。本実施例のスライドレール10は、図1に示すように、自動車のシート1とフロアFとの間に左右一対で設けられている。これらスライドレール10は、シート1のフロアFに対する前後方向の位置を調節可能とする調節機構として構成されている。ここで、上記シート1は、自動車の右席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成とされている。上記シートバック2は、その左右両サイドの下端部が、シートクッション3の左右両サイドの後端部にそれぞれ連結されて支持されている。また、シートクッション3は、その底面部が、上述した左右一対のスライドレール10を間に介して、フロアF上に前後スライド可能な状態に連結されて支持されている。
上述した各スライドレール10は、常時は、それらのスライド動作がロックされた状態に保持されている。各スライドレール10は、着座者がシートクッション3の前下部に設けられたU字状のループハンドル16の中央操作部16Aを引き上げるように操作することにより、前後方向にスライドすることのできる状態に切り替えられるようになっている。また、各スライドレール10は、上述したループハンドル16を引き上げた操作をやめることにより、附勢によって再びスライドロックされた状態に戻されるようになっている。このような動作によって、各スライドレール10は、シート1をフロアFに対して前後方向にスライドさせたり、スライドさせた各位置に固定したりすることができるようになっている。
上述したシート1は、図2に示すように、フロアFに対して、全体が僅かに前上がり姿勢となるように傾斜して設けられた状態とされている。具体的には、シート1は、フロアFが僅かに前上がり状に傾斜した形となっていることにより、フロアF上に設置される各スライドレール10と共に上記のように傾斜した姿勢で設けられた状態とされている。このような構成となっていることにより、シート1は、体格の小さな乗員が着座しても、前方側への視界を広く確保することができるようになっている。
ところで、図1に示すように、上述した各スライドレール10のうち、図示向かって右側に示された車両内側のスライドレール10には、その後端側の上部箇所に、図示しないシートベルト装置の装着具となるシートベルトバックル30が取り付けられている。上記シートベルトバックル30は、図10に示すように、図示しないシートベルト装置の装着時において、車両の前部衝突が発生した際に、図示しないシートベルト装置のベルトウェビングに着座乗員の身体が強く圧し掛かることに伴う引張り荷重の作用を受けて、車両の前上方向に強く引張られる態様の負荷(荷重P)を受ける構成となっている。
そこで、上述した車両内側のスライドレール10には、上述したシートベルトバックル30から受ける強い前上方向(剥離方向)の荷重Pに耐えられるように、金属製の補強板17が一体的に結合されている。上記の補強板17は、上述した車両内側のスライドレール10のスライド方向の全域に亘って一律に設けられているのではなく、図9〜図10に示すように、車両内側のスライドレール10がシートベルトバックル30から最も強い負荷を受けるスライド位置態様となる前方側の最大スライド位置にある時に、シートベルトバックル30から受ける負荷を効果的に受け止められるような位置部分に設けられている。このような構成となっていることにより、スライドレール10の補強が適切かつ重量増大を極力抑えた形で行われている。
以下、上述した各スライドレール10の具体的な構成について詳しく説明していく。なお、各スライドレール10は、上述した補強板17が取り付けられた構成を除いては、互いに左右対称な構成となっているため、以下では、これらを代表して、図1の向かって右側に示された車両内側に配設されたスライドレール10の構成について説明することとする。
図3に示すように、スライドレール10は、フロアF(図1〜図2参照)上に取り付けられたロアレール11と、ロアレール11に対して前後スライド可能な状態に組み付けられてシートクッション3(図1〜図2参照)の下部に取り付けられたアッパレール12と、これら両レール11,12間のスライドをロックするロック機構13と、ロアレール11とアッパレール12との間に介在して設けられた前後方向に長尺な4本の樹脂シュー14と、各樹脂シュー14の前後側の各端部(嵌合部14A)に前後2個ずつ並ぶ形に装着された複数の鋼球15と、を有して構成されている。
<ロアレール11について>
上述したロアレール11は、車両の前後方向に長尺な1枚の鋼板材が短手方向に所々に折り曲げられて形成されている。上述したロアレール11は、図2に示すように、その前後側の各端部が、それぞれ、締結ボルト11D1,11D2によりフロアF上にボルト締結されて一体的に固定された状態とされている。上記ロアレール11は、図3に示すように、その横断面形状がスライド方向に略一様となるレール形状に形成されている。具体的には、上記ロアレール11は、図5に示すように、フロアF上に上方側に面を向けて配設される底面部11Aと、底面部11Aの左右両側部から上方側に延びて互いに内向する側に逆U字状に曲げ返されて延びる形状とされた左右一対のロア側ひれ部11Bと、を有する横断面形状に形成されている。上記ロアレール11は、図2に示すように、上述した底面部11Aの前後側の各端部箇所が、それぞれ、フロアF上に上方側から面当接した状態にセットされて、上方側から通される締結ボルト11D1,11D2によりフロアF上に一体的に締結された状態とされている。
<アッパレール12について>
アッパレール12は、図3に示すように、上述したロアレール11と同様に、車両の前後方向に長尺な1枚の鋼板材が短手方向に所々に折り曲げられて形成されている。上述したアッパレール12は、図4に示すように、上述したロアレール11の長手方向のどちらか一方側の開口端部からロアレール11内に差し込まれることにより、ロアレール11に対して長手方向にスライド可能な状態に組み付けられるようになっている。具体的には、アッパレール12は、図5に示すように、その横断面形状が、上述したロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの間の隙間11Cを通って高さ方向に延びる左右一対の縦面部12Aと、各縦面部12Aの上端部間に架け渡される形で幅方向に延びる上面部12Bと、各縦面部12Aの下端部から互いに相反する外向きに反り上がるように曲げ返されて延びる左右一対のアッパ側ひれ部12Cと、を有する形に形成されている。
上述したアッパレール12は、上述したロアレール11に対して、その左右の曲げ返されたアッパ側ひれ部12Cが、ロアレール11の逆U字状に曲げ返された左右のロア側ひれ部11B内にそれぞれ掛かり合うように長手方向に差し込まれて組み付けられている。このように組み付けられていることにより、アッパレール12は、ロアレール11に対して、上述した左右の各アッパ側ひれ部12Cとロア側ひれ部11Bとの掛かり合いにより、ロアレール11の底面部11Aに対して下側2つの各樹脂シュー14の鋼球15を介して下方側から支持されると共に、ロアレール11の各ロア側ひれ部11Bに対して上側2つの各樹脂シュー14の鋼球15を介して上方側からも抜けない形に支持された状態として、ロアレール11に対して高さ方向と幅方向とに外れ止めされた状態に組み付けられている。図4に示すように、上述したアッパレール12は、そのロアレール11より上方側に張り出す上面部12B上に、シートクッション3(図2参照)を下方側から支持する図示しない支持部材が連結された状態とされている。
上述したアッパレール12には、図3に示すように、その左右のアッパ側ひれ部12Cのスライド方向の略中央部位に、外側に向かって切り起こされた前側スライドストッパ12C3と後側スライドストッパ12C4とがそれぞれ前後に間を空けて並んで形成されている。上述した各前側スライドストッパ12C3は、それぞれ、アッパレール12をロアレール11に対して前方側へスライドさせることにより、ロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの立板部分の前端部箇所に内側に切り起こされて形成された各前側スライドストッパ11B3と当たって、アッパレール12の前方側の最大スライド位置を規制する構成となっている。また、各後側スライドストッパ12C4は、それぞれ、アッパレール12をロアレール11に対して後方側へスライドさせることにより、ロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの立板部分の後端部箇所に内側に切り起こされて形成された各後側スライドストッパ11B4と当たって、アッパレール12の後方側の最大スライド位置を規制する構成となっている。
<樹脂シュー14について>
各樹脂シュー14は、図5〜図8に示すように、アッパレール12のロアレール11に対する摺動性を向上させたり各種方向へのガタ付きを適切に抑制したりするために、アッパレール12とロアレール11との横断面間の四隅に介在して設けられている。これら樹脂シュー14は、図3に示すように、それらの前後側の各端部の前後2箇所ずつに形成された各嵌合部14A内にそれぞれ鋼球15が転動可能な状態に嵌め込まれた構成となっている。各鋼球15は、図5に示すように、それらの各樹脂シュー14に嵌め込まれた各箇所からそれぞれロアレール11の各設置面とアッパレール12の各設置面とに向かってそれぞれ端面形状を張り出させた直接接触した状態として設けられている。
各樹脂シュー14は、上記のように各鋼球15がアッパレール12とロアレール11とに直接接触するように設けられていることで、各鋼球15が両レール11,12間の高さ方向及び幅方向のガタ詰めをしたり、各鋼球15が両レール11,12間のスライド時に転動して摺動性を円滑にしたりするようになっている。上述した各樹脂シュー14は、上述した各鋼球15をバラ付かせないようにひとまとめにした状態に保持するための保持器として機能するようになっている。
また、各樹脂シュー14は、図6〜図8に示すように、上述した各鋼球15のない箇所においては、それら自体が両レール11,12間に介在することで、両レール11,12間のスライド方向の中間箇所の撓みを内側から摺動性良く支持して抑制するようになっている。上記各樹脂シュー14の設置されたアッパレール12の各設置面とロアレール11の各設置面とには、それぞれ、各樹脂シュー14や各鋼球15の摺動性を良くするためのグリース(図示省略)が塗布されている。
上述した各樹脂シュー14は、具体的には、図5〜図8に示すように、上述したアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cとロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bとの間の上下2箇所ずつの四隅にそれぞれ介在するように設けられている。より詳しくは、各樹脂シュー14は、ロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの付け根の内角部、すなわち、左右のロア側ひれ部11Bと底面部11Aとの各角部に内接する各箇所と、左右のロア側ひれ部11Bの内側に曲げ返された先の上内側の各角部に内接する各箇所と、にそれぞれ配設されており、これらロアレール11の各設置箇所に対面するアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各面部との間に挟持される形で設けられた状態とされている。
上述した各樹脂シュー14の設置されたアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面部とロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面部とは、それぞれ、それらの横断面形状が、各樹脂シュー14の前後側の各端部に嵌め込まれた各鋼球15の外周面の湾曲形状に合致するように湾曲した凹形状に曲げられた形状とされている。上述した各樹脂シュー14は、図5〜図8に示すように、これらの設置されたアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面とロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面との間に、僅かな隙間を有してほぼ当接した状態に設けられた状態とされている。上述した各樹脂シュー14(及び各鋼球15)の設置により、アッパレール12がロアレール11に対して高さ方向や幅方向に大きくガタ付くことなく前後方向に円滑にスライドすることができるように支えられた状態とされている。
上述した各樹脂シュー14は、図3に示すように、これらの設置されるアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12Cの各設置面箇所の前後側の各端部箇所に粒状に突出して形成された前後2箇所の各シューストッパ12C2と当たる範囲の間で、アッパレール12に対して前後方向に摺動することができるように可動範囲が規制された状態とされている。また、各樹脂シュー14のうち、上側2つの各樹脂シュー14は、ロアレール11に対して、これらの設置されるロアレール11の左右のロア側ひれ部11Bの各設置面箇所に切り起こされて形成された前後2箇所の各シューストッパ11B2と当たる範囲の間でロアレール11に対して前後方向に摺動することができるように可動範囲が規制された状態とされている。
また、下側2つの各樹脂シュー14は、それぞれ、前後側の端部を残す中央部分が横幅の括れた括れ部14Bを有した形状とされており、これら括れ部14Bに対して、ロアレール11の底面部11Aのスライド方向の略中央箇所に切り起こされて形成された左右一対のシューストッパ11A1が内側方からあてがわれていることにより、各樹脂シュー14の括れのない前後側の各端部が上記各シューストッパ11A1と当たる範囲の間でロアレール11に対して前後方向に摺動することができるように可動範囲が規制された状態とされている(図8参照)。上記の規制構造により、各樹脂シュー14は、アッパレール12及びロアレール11からそれぞれ前後方向に抜け出ないように可動範囲が規制された状態とされている。
<ロック機構13について>
続いて、ロック機構13の構成について説明する。ロック機構13は、アッパレール12に組み付けられて設けられている。上記ロック機構13は、操作アーム13Aと、ロックスプリング13Bと、保持スプリング13Cと、から構成されており、アッパレール12の上面部12Bと両縦面部12Aとの間に囲まれた空間部内に収容されて設けられている。具体的には、上述した操作アーム13Aは、前後方向に長尺な1枚の鋼板材が短手方向に逆U字状の形に曲げられた形状とされており、その前後方向の中間部の逆U字の両下面部に形成された各切欠き部13A1内にロックスプリング13Bの横向きに折り曲げられた各前端部13B2が嵌め込まれることにより、ロックスプリング13Bを介してアッパレール12に組み付けられた状態とされている。
上述した操作アーム13Aは、図3及び図5に示すように、その前端側の開口部内にループハンドル16の端部16Bが差し込まれて装着されており、その天板面の前後方向の中央部13A2がアッパレール12の上面部12Bに下方側から当てられた状態として設けられている。これにより、操作アーム13Aは、図3及び図7に示すように、ループハンドル16が引き上げられる操作によって上記天板面の中央部13A2を支点にシーソーのように揺動されて、その後端部に形成された押下部13A3によってロックスプリング13Bのロック機能部13B1を押し下げて、ロックスプリング13Bによる両レール11,12間のスライドロック状態を解除する構成となっている。図3に示すように、上述したループハンドル16の端部16Bが差し込まれる操作アーム13Aの前端側の開口部内には、U字板形状に曲げられた保持スプリング13Cが装着されている。この保持スプリング13Cにより発揮される拡開方向の弾発力により、ループハンドル16の端部16Bが、操作アーム13Aの前端部内でバタ付かないように下方側に押し付けられた状態に保持されるようになっている。
ロックスプリング13Bは、1本の鋼線材が前後方向に長尺となる略U字状の形に折り曲げられて形成されている。上記ロックスプリング13Bは、その後方側で幅方向に向かって前方側に折り返された形状とされ、その幅方向に並ぶ2本の各線部の前後方向の中間部に、幅方向の両外側に向かって波打ち状に張り出すように折り曲げられたロック機能部13B1が形成されている。上記ロックスプリング13Bの幅方向に並ぶ2本の各線部の前端部13B2は、両外側に開かれるように折り曲げられた形状とされている。
上記ロックスプリング13Bは、その幅方向に並ぶ2本の各線部を幅方向の内側に向かって弾性的に押し窄めた状態でアッパレール12の空間部内に入り込ませた状態とし、その位置で押し窄めていた状態を解放することにより、その復元作用によって幅方向の外側に張り出して、各ロック機能部13B1をアッパレール12の両縦面部12Aと両アッパ側ひれ部12Cとに貫通して形成された前後2箇所の各通し孔12A1,12C1から両外側に張り出した状態となる。
そして、上記ロックスプリング13Bは、その幅方向に並ぶ2本の各線部の前側領域部と後側領域部とを、それぞれ、アッパレール12の各縦面部12Aに切り起こされて形成された各引掛け部12A3に上方側から引掛けることにより、アッパレール12に対してその前後2箇所の部位が下方側から支持された状態に組み付けられた状態とされている。上記組み付けられた状態では、ロックスプリング13Bは、上述した各ロック機能部13B1が、アッパレール12の各縦面部12Aに形成された各通し孔12A1内に張り出す各ロック歯12A2内にそれぞれ下方側から通された状態として保持されるようになっている。
上述した各ロック歯12A2に通されたロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1は、上述したアッパレール12の両アッパ側ひれ部12Cに形成された通し孔12C1内にも通される位置まで張り出しているため、これらアッパレール12の両縦面部12Aと両アッパ側ひれ部12Cとの間に形状を臨ませるロアレール11の両ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に形成された各ロック歯11B1にも下方側から通されるようになっている(図7参照)。
上述したロアレール11の両ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に形成された各ロック歯11B1は、図3に示すように、各ロア側ひれ部11Bの曲げ返された先の縁部に沿ってロアレール11の長手方向に等間隔に複数並んで形成されている。上述した各ロック歯11B1は、そのうちの一部が、アッパレール12のスライド位置が変えられる移動によって、アッパレール12の各縦面部12Aに形成された前後2つの各ロック歯12A2と幅方向に並んだ状態とされることにより、アッパレール12の各ロック歯12A2と共にその位置合わせされた前後2つのロック歯11B1内にロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が跨って通された状態となる。これにより、上記ロックスプリング13Bを介してアッパレール12のロアレール11に対するスライドがロックされた状態となる。
上記ロックスプリング13Bによるスライドのロック状態は、ループハンドル16が引き上げ操作されて、操作アーム13Aの押下部13A3によりロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が押し下げられることによって解除されるようになっている。具体的には、上記ループハンドル16の操作によってロックスプリング13Bの各ロック機能部13B1が押し下げられることにより、各ロック機能部13B1がロアレール11の各ロック歯11B1に通されていた状態から外される。これにより、アッパレール12がロアレール11に対して前後方向にスライドすることができる状態に切り換えられる。
<シートベルトバックル30の取付構造について>
以上が、スライドレール10の基本構造となっている。そして、図1〜図2に示すように、上記各スライドレール10のうち、車両内側に配設されたスライドレール10には、そのアッパレール12の上面部12B上の後端部箇所に、1枚の鋼板材を略U字状の形に折り曲げて形成したブラケット20が前後方向の複数箇所でボルト締結されて一体的に結合されている。そして、上記ブラケット20のU字の外側の立壁を構成する立板部21には、シートベルトバックル30に結合された鋼板製の支持プレート31が締結ボルト32によって幅方向の外側から締結されて取り付けられている。
上記構成の各スライドレール10は、図1〜図2に示すように、常時は、それらのアッパレール12とロアレール11との掛かり合い構造によって、アッパレール12がロアレール11上から剥離する方向の動きが規制された状態として、シート1をフロアF上から剥離させないように係合させた状態に保持するようになっている。詳しくは、上記各スライドレール10は、車両の衝突発生によって、重量物たるシート1にフロアF上から投げ出されるような慣性作用が入力された場合であっても、基本的には、それらのアッパレール12とロアレール11との掛かり合い構造によって、シート1をフロアF上から剥離させないように係合させた状態に保持することができるようになっている。
しかし、より厳密には、上述した車両内側のスライドレール10の後端部には、上述した着座乗員の身体をシート1に拘束するための保持機能を担うシートベルトバックル30が取り付けられている。そのため、車両内側のスライドレール10は、特に、車両の前部衝突の発生時において、着座乗員の身体が図示しないシートベルト装置のベルトウェビングに強く圧し掛かることに伴う引張り力の作用をシートベルトバックル30から受けて、他方側(車両外側)のスライドレール10よりも強い剥離方向の荷重P(図2参照)を受けるようになっている。
<アッパレール12が後方側のスライド位置にある時>
上記のシートベルトバックル30から掛けられる剥離方向の荷重Pは、図2に示すように、シートベルトバックル30の取り付けられたアッパレール12の後端部が、ロアレール11の後端側のフロアFとの締結点(締結ボルト11D2)よりも後側に越えたスライド位置にある時には、アッパレール12がシートベルトバックル30から受ける剥離方向の荷重Pによってロアレール11に対して上方側に動かされたとしても、ロアレール11の前後のフロアFとの締結点(締結ボルト11D1,11D2)間の領域に剥離方向の強い集中荷重を掛けるようには作用しないようになっている。
具体的には、上述したアッパレール12とロアレール11とは、互いの間に介在して設けられた各樹脂シュー14の前後側の各端部に嵌合された各鋼球15を介して互いに接触した状態となっている。したがって、上記のような剥離方向の荷重Pがシートベルトバックル30からアッパレール12に掛けられると、アッパレール12は、厳密には、シートベルトバックル30の前側に位置する上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15を介して、ロアレール11に剥離方向の荷重を掛けることとなる。しかし、これによってロアレール11の前後のフロアFとの締結点(締結ボルト11D1,11D2)間の領域に剥離方向の集中荷重が掛けられたとしても、アッパレール12に剥離方向の荷重を掛けるシートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)と上記上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15との間はスライド方向に大きく離間した位置関係となっている。その理由は、各樹脂シュー14に設けられた各鋼球15は、アッパレール12の後方移動に伴って、アッパレール12に対して前側に位置を移していくように転動するようになっているからである。
そのため、上述したシートベルトバックル30からアッパレール12に入力される剥離方向の荷重Pは、主として、上記の位置関係の離れた偏心量の大きさにより、アッパレール12の後端部を上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15を支点に上方側に曲げようとする曲げ力として作用するものとなり、ロアレール11に対して剥離方向の荷重を強く掛けるようには作用しないようになっている。また、上記の位置状態では、アッパレール12とロアレール11とは、互いに上述した上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15からスライド方向の双方に向かって広い範囲で互いの形状を掛かり合わせた状態となっている。したがって、仮に、ロアレール11がアッパレール12から受ける剥離方向の荷重の入力によって上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15を基点に逆V字状の形に折れ曲がろうとすることがあっても、ロアレール11とアッパレール12とが互いの形状を掛かり合わせた構造強度の高い構成により、ロアレール11の折れ曲がり変形が強い力で食い止められるようになっている。
<アッパレール12が前方側の最大スライド位置にある時>
これに対して、上述した車両内側のスライドレール10は、図9〜図10に示すように、アッパレール12がロアレール11に対して前側にスライドして互いの前側スライドストッパ12C3,11B3が当接して係止される最大スライド位置の状態となる時には、アッパレール12がシートベルトバックル30から受ける剥離方向の荷重Pによってロアレール11に対して上方側に動かされると、ロアレール11の前後のフロアFとの締結点(締結ボルト11D1,11D2)間の領域に剥離方向の強い集中荷重が掛けられるようになっている。
具体的には、上述したアッパレール12がロアレール11に対して前方側の最大スライド位置まで移動することにより、シートベルトバックル30のアッパレール12との取付点(締結ボルト32)が、ロアレール11の前後のフロアFとの締結点(締結ボルト11D1,11D2)間の略中央領域に位置付けられた状態となる。更に、各樹脂シュー14に設けられた各鋼球15が、アッパレール12の前方移動に伴って、アッパレール12に対して後側に位置を移していくように転動し、上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15が、シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)の直下に近い領域に位置付けられるようになっている。その理由は、各樹脂シュー14に設けられた各鋼球15は、アッパレール12の前方移動に伴って、アッパレール12に対して後側に位置を移していくように転動するようになっているからである。
なお、上記上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15は、より厳密には、その転動時のすべり等の影響によるバラツキにより、図9〜図10に示すように、シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)を僅かに後側に越える位置まで転動したり、或いは、上記取付点(締結ボルト32)までは僅かに届かない前側の位置までしか転動しなかったりすることがある。いずれにしても、上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15のうち、後側に位置する鋼球15或いは前側に位置する鋼球15が、シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)の直下に近い領域に位置付けられるようになっている。
このようなことから、シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)と上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15(シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)の直下に近い側に位置する前後いずれかの鋼球15)との間がスライド方向に近づけられた位置関係となるため、シートベルトバックル30からアッパレール12に入力される剥離方向の荷重Pは、上述した位置関係の近づけられた偏心量の小さな構成により、上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15を介して接触しているロアレール11との接触点を剥離方向に強く引き上げるように作用するようになっている。
また、上記の位置状態では、上述したアッパレール12からロアレール11への剥離方向の荷重の入力点となる上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15の直ぐ後側の位置にアッパレール12の後端が位置しており、同アッパレール12の後端は、ロアレール11の前後のフロアFとの締結点(締結ボルト11D1,11D2)間のスライド方向の略中央領域に位置した状態となっている。すなわち、ロアレール11は、そのアッパレール12の後端から後側の領域であるスライド方向の略中央位置から後側の領域では、アッパレール12と互いの形状を掛かり合わせてはおらず、アッパレール12から入力される剥離方向の荷重を単体で受け止める構造強度の弱い構成とされている。
したがって、上記状態のロアレール11に対してシートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)から入力される剥離方向の荷重Pがアッパレール12から上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15を介して入力されると、ロアレール11が上記上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15を基点に逆V字状の形に折れ曲がろうとするように強い負荷を受ける(図10の曲げモーメント図BMD参照)。しかし、上記ロアレール11の強い負荷の入力を受ける高負荷部位には、同部位の構造強度を適切に高めるように機能する金属製の補強板17が一体的に重ね合わされた状態に結合されている。これにより、上記ロアレール11は、上述した強い折れ曲がり方向の荷重の入力を受けても、折れ曲がり変形が強い力で食い止められるようになっている。
<補強板17について>
上述した補強板17は、図3及び図9〜図10に示すように、スライド方向に長尺な平板状の金属板により形成されている。上記補強板17は、上述したロアレール11の底面部11Aの底面に重ね合わされる形にセットされて、その前後2箇所と中央1箇所に空けられた丸孔状の差込孔17A内にそれぞれ下方側からリベット17Bが差し込まれてロアレール11の底面部11Aに締結されることにより、ロアレール11の底面部11Aに一体的に結合された状態とされている。
詳しくは、図3に示すように、上述した補強板17は、そのスライド方向の中央より前側寄りの1箇所の部位に空けられた丸孔状の位置決め孔17C内に、不図示の位置決めピンが差し込まれて、同位置決めピンがロアレール11の底面部11Aに空けられた対応する位置決め孔11A2にも差し込まれた状態でロアレール11の底面部11Aにセットされることにより、上述した各リベット17Bの差し込まれる各差込孔17Aが、上記不図示の位置決めピンまわりの首振りによる調整により、簡便にロアレール11の底面部11Aに空けられた対応する各差込孔(不図示)に位置合わせされて締結されるようになっている。上述した補強板17は、その前後側の各端部の両角部が、それぞれ、円弧状に丸められた形に面取りされたアール部17Dとして形成されている。
上述した補強板17は、図9〜図10に示すように、上述したアッパレール12が前方側の最大スライド位置まで移動した状態では、シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)及びその略直下領域に位置する上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15の略直下領域にその形状の略中央部分、すなわち真ん中のリベット17Bの締結部が位置する形に配設されている。詳しくは、上記補強板17は、その後端部がアッパレール12の上記スライド位置状態における後端部よりも後方側に延びた状態に位置しており、その前端部がシートベルトバックル30の取り付けられたブラケット20の前端部よりも前方側に延びた状態に位置した配設とされている。より詳しくは、上述した補強板17は、その後端部が、アッパレール12の後端部よりも後方側に延びた位置で、上述したアール部17Dの面取りが始まるように配設されている。
上述した補強板17は、このような構成となっていることにより、上述したロアレール11に対して上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15を基点とした逆V字状の形に折れ曲がろうとする荷重が入力された際に、その前後両端部と中央部とがそれぞれリベット17Bによってロアレール11の底面部11Aに一体的に締結された構成により、ロアレール11が逆V字状の形に折れ曲がろうとしても、ロアレール11の底面部11Aから浮きを生じることなく、ロアレール11の底面部11Aと重なり合った一体的な状態を維持して、ロアレール11に掛けられる剥離方向の荷重を強く受け止められるようになっている。
また、上記補強板17は、上述したようにアッパレール12とロアレール11との間に上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15を荷重入力点とする剥離方向の荷重が入力されて、アッパレール12とロアレール11とのうちのいずれかがその負荷作用によって折れ曲がる態様で変形を進行させたとしても、その変形の進行によってアッパレール12とロアレール11とが次に当接することとなるアッパレール12の後端とロアレール11との接触点も、その直下領域で覆うように設けられている。したがって、その段階においても、補強板17によって、ロアレール11に掛けられる剥離方向の荷重を強く受け止められるようになっている。
<まとめ>
以上をまとめると、本実施例のスライドレール10は次のような構成となっている。すなわち、乗物用シート(シート1)をフロアFに対して前後スライド可能な状態に連結するスライドレール10であって、フロアF上に取り付けられるロアレール11と、ロアレール11に前後スライド可能な状態に組み付けられて乗物用シート(シート1)に取り付けられるアッパレール12と、ロアレール11に結合される補強部材(補強板17)と、を有する。アッパレール12は、ロアレール11に対して、高さ方向に剥離防止された状態に掛かり合って組み付けられている。補強部材(補強板17)は、アッパレール12がロアレール11のフロアFに対する後端側の締結箇所(締結ボルト11D2)を前側に越えたスライド位置にある状態において、アッパレール12の後部箇所に取り付けられたシートベルトバックル30からアッパレール12に剥離方向の荷重Pが入力された際にアッパレール12からロアレール11に荷重入力がなされる荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の鋼球15(シートベルトバックル30の取付点(締結ボルト32)の直下に近い側に位置する前後いずれかの鋼球15))の直下領域に跨るように設けられている。
このような構成となっていることにより、アッパレール12がロアレール11に対して後端側の締結箇所(締結ボルト11D2)上では掛かり合わない、前方側にスライドした浅い掛かり合い状態となっている時には、乗物(自動車)の衝突発生によりシートベルトバックル30からアッパレール12に剥離方向の荷重Pが掛けられると、ロアレール11にはアッパレール12から剥離方向の荷重が荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)において局所的に強く掛けられ続けることとなる。しかし、このようなロアレール11の荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)の直下領域に補強部材(補強板17)が結合されていることで、上記の荷重を適切に受け止めることができる。
また、上記荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)は、アッパレール12とロアレール11との間に介在して設けられる摺動抵抗低減用の転動球(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)とロアレール11との接触点となっている。このような構成となっていることにより、転動球(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)を介してアッパレール12からロアレール11に局所的に強く掛けられる剥離方向の荷重を、補強部材(補強板17)で適切に補強したロアレール11の構造強度によって適切に受け止めることができる。
また、上記補強部材(補強板17)が、ロアレール11の底面部11Aの底面に結合されている。このような構成となっていることにより、補強部材(補強板17)を外部から見えにくい見栄えの良い位置に簡便に結合することができる。また、ロアレール11の側面や上面等の外部に露呈する箇所に、補強部材(補強板17)の設置に伴う張り出しや角張りを生じさせにくくすることができる。
また、補強部材(補強板17)が、ロアレール11の底面部11Aに形成された孔(シューストッパ11B2の切り起こしに伴って形成される孔)を覆った状態に設けられている。このような構成となっていることにより、ロアレール11の孔の形成によって脆弱化される部分を補強部材(補強板17)によって適切に補強することができる。
また、アッパレール12の前方側の最大スライド位置状態では、上述した荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)が、シートベルトバックル30のアッパレール12に対する取付部(締結ボルト32)の直下領域に位置するようになっている。このように、ロアレール11に対して荷重入力点(上側の樹脂シュー14の後端側の前後いずれかの鋼球15)からの荷重が最も強く作用する形態となる構成において、ロアレール11に入力される荷重を、補強部材(補強板17)で適切に補強したロアレール11の構造強度によって適切に受け止めることができる。
また、補強部材(補強板17)が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後方向の3箇所の部位が差し込み式の締結構造(リベット17B)によりロアレール11に外側から組み付けられている。このような構成となっていることにより、アッパレール12をロアレール11に組み付けた組み付け後のスライドレール10に対して、補強部材(補強板17)を後付けで簡便に組み付けることができる。
また、補強部材(補強板17)が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後側の端部の両角が丸められた形状(アール部17D)とされている。このような構成となっていることにより、補強部材(補強板17)の補強性能を適切に残した上で、補強部材(補強板17)の形状を適切に抑えることができる。
<その他の実施形態について>
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明のスライドレールは、自動車以外の車両に適用されるシートや、鉄道、航空機等の様々な乗物用に供されるシートをそれぞれフロアに対してスライド可能な状態に連結するように設けられるものであってもよい。また、スライドレールは、乗物用シートとフロアとの間に傾けられることなく水平な姿勢状態で配設されるものであってもよい。また、スライドレールは、特開2008−254599号公報等の文献に開示された構成のように、アッパレールに取り付けられたフックがロアレールの孔に引掛けられてスライドをロックするようなロックタイプの構成であってもよい。
また、アッパレールとロアレールとが互いに高さ方向に剥離防止された状態に掛かり合って組み付けられる各々の形状は、上記実施例で示した形状に限らず、種々の形状から成る組み合わせを適用することができるものである。また、シートベルトバックルからアッパレールに剥離方向の荷重が入力された際にアッパレールからロアレールに荷重入力がなされる荷重入力点は、上記実施例で示した両レール間に介在する樹脂シューに嵌め込まれた鋼球を介した接触点の他、アッパレールのロアレールと形状を重ね合わせる後端部が剥離方向の荷重入力に伴う変形移動の進行によってロアレールと接触する点であってもよい。
また、補強部材は、金属材から成るものに限らず、樹脂材から成るものであってもよい。また、補強部材は、平板状の部材に限らず、ロアレールの外周形状に沿う形で設けられるL字板状やU字板状等の形から成るものであってもよい。なお、補強部材は、必ずしもロアレールの外周形状に沿う形で設けられるものでなくてもよい。また、補強部材は、複数箇所に分けられて設けられるものであってもよい。また、補強部材は、ロアレールの底面部の底面に限らず、側面部や上面部等の底面部以外の箇所に設けられるものであってもよい。
また、補強部材をロアレールに結合する構造として、差込み式の締結構造としてのリベットを例示したが、ボルト締結や圧入等のその他の差込み式の締結構造の他、接着や溶着によるものであってもよい。また、補強部材は、直接ロアレールに接触することなく、何らかの別部材を間に介在させてロアレールに結合されるものであってもよい。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
10 スライドレール
11 ロアレール
11A 底面部
11A1 シューストッパ
11A2 位置決め孔(孔)
11B ロア側ひれ部
11B1 ロック歯
11B2 シューストッパ
11B3 前側スライドストッパ
11B4 後側スライドストッパ
11C 隙間
11D1,11D2 締結ボルト
12 アッパレール
12A 縦面部
12A1 通し孔
12A2 ロック歯
12A3 引掛け部
12B 上面部
12C アッパ側ひれ部
12C1 通し孔
12C2 シューストッパ
12C3 前側スライドストッパ
12C4 後側スライドストッパ
13 ロック機構
13A 操作アーム
13A1 切欠き部
13A2 天板面の中央部
13A3 押下部
13B ロックスプリング
13B1 ロック機能部
13B2 前端部
13C 保持スプリング
14 樹脂シュー
14A 嵌合部
14B 括れ部
15 鋼球(転動球)
16 ループハンドル
16A 中央操作部
16B 端部
17 補強板(補強部材)
17A 差込孔
17B リベット(差込み式の締結構造)
17C 位置決め孔
17D アール部
20 ブラケット
21 立板部
30 シートベルトバックル
31 支持プレート
32 締結ボルト
F フロア
P 荷重
BMD 曲げモーメント図

Claims (7)

  1. 乗物用シートをフロアに対して前後スライド可能な状態に連結するスライドレールであって、
    フロア上に取り付けられるロアレールと、
    該ロアレールに前後スライド可能な状態に組み付けられて前記乗物用シートに取り付けられるアッパレールと、
    前記ロアレールに結合される補強部材と、を有し、
    前記アッパレールは、前記ロアレールに対して、高さ方向に剥離防止された状態に掛かり合って組み付けられており、
    前記補強部材は、前記ロアレールのフロアに対する後端側の締結箇所から前側に外れた領域に設けられ、前記アッパレールが前記ロアレールのフロアに対する後端側の締結箇所を前側に越えた前方側の最大スライド位置にある状態において、前記アッパレールの後部箇所に取り付けられたシートベルトバックルから前記アッパレールに剥離方向の荷重が入力された際に前記アッパレールから前記ロアレールに荷重入力がなされる荷重入力点の直下領域に跨るように配置されるスライドレール。
  2. 請求項1に記載のスライドレールであって、
    前記荷重入力点が、前記アッパレールと前記ロアレールとの間に介在して設けられる摺動抵抗低減用の転動球と前記ロアレールとの接触点となっているスライドレール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスライドレールであって、
    前記補強部材が、前記ロアレールの底面部の底面に結合されているスライドレール。
  4. 請求項3に記載のスライドレールであって、
    前記補強部材が、前記ロアレールの底面部に形成された孔を覆った状態に設けられているスライドレール。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のスライドレールであって、
    前記荷重入力点が、前記シートベルトバックルの前記アッパレールに対する取付部の直下領域に位置するスライドレール。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のスライドレールであって、
    前記補強部材が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後方向の3箇所の部位が差し込み式の締結構造により前記ロアレールに外側から組み付けられているスライドレール。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスライドレールであって、
    前記補強部材が、前後方向に長尺な平板材により形成され、その前後側の端部の両角が丸められた形状とされているスライドレール。
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