JP6548215B2 - 分離膜及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分離膜及びその製造方法に関する。
ゾルゲル法により製造したSiO系分離膜を気体の分離膜として用いることが提案されている。Si前駆体としてオルトケイ酸エチル(TEOS)を用いることが一般的であるが、Si−OH、Si−O−Siにより形成されるシリカネットワーク構造は、非常に緻密であり、H/Nに対して高選択性を示すことが知られている。
しかしながら、SiO系分離膜のシリカネットワーク構造は非常に緻密であり、気体を透過させる細孔径の均一化並びに目的に応じた細孔径の大きさの制御が困難であり、他の混合気体の分離、例えば、二酸化炭素とメタンの混合気体について、二酸化炭素を選択的に透過させて分離する等は困難であった。このため、このような混合気体の分離に有効なSiO系分離膜の開発が望まれている。
これまで、シリカ膜に、NiやCoなどの金属をドープしたSiO系分離膜が提案されている(非特許文献1,2)。また、フッ素をドープしてシリカネットワーク構造の水酸基をフッ素に置換して得られたシリカガラスが提案されている(非特許文献3,4)。
M. Kanezaki et al., "Hydrogen permeation characteristics and stability of Ni-doped silica membranes in steam at high temperature", J. Mem. Sci., 271, 86, 2006, p86-93, 11 August 2005 Tsuru et al., "Permeation Properties of Hydrogen and Water Vapor Through Porous Silica Membranes at High Temperatures", AIChE, 57, p618-629, March 2011 R. Maehara et al., "Sol-gel synthesis of fluorine-doped silica glasses with low SiOH concentrations", JCS-Japan, 119, p393-396, 2011/06/01 野上正行et al., ゾルゲル法の最新応用と展望, 第3章, シーエムシー出版, 2014年2月24日
非特許文献1,2では、NiやCoなどの金属をドープすることで、SiO系分離膜の耐水蒸気性を向上させる可能性が示されているものの、細孔径に関してはこれまでのSiO系分離膜と相違はない。
また、非特許文献3,4は、シリカガラスの表面特性(撥水性)の制御に関するものであり、混合ガスの分離に関しては何ら記載も示唆もされていない。
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気体を透過させる細孔径が均一化されるとともに細孔径のサイズが制御された分離膜及び分離膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る分離膜は、
アルコキシ基を有するシリカ源の加水分解、縮重合で形成されるシリカネットワーク内のケイ素に結合する一部の水酸基がフッ素に置換されて、前記フッ素が前記ケイ素に結合している、
ことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る分離膜の製造方法は、
水を含む溶媒中でアルコキシ基を有するシリカ源とフッ素源とを反応させ、前記シリカ源の加水分解、縮重合で形成されるシリカネットワーク内の水酸基がフッ素に置換されたフッ素ドープシリカゾルを調製するフッ素ドープシリカゾル調製工程と、
前記フッ素ドープシリカゾルを乾燥、焼成して分離膜を得る膜形成工程と、を含む、
ことを特徴とする。
また、前記シリカ源としてSi(OR)或いは(RO)SiXSi(OR)で表される化合物を用いることが好ましい。
(上式中、Rはアルキル基を表し、Xは1つ以上の水素が置換されていてもよい直鎖状飽和アルキレン基を表す。)
また、前記シリカ源としてオルトケイ酸エチルを用いることが好ましい。
また、前記フッ素源としてフッ化アンモニウムを用いることが好ましい。
また、膜支持体に前記フッ素ドープシリカゾルを直接的に或いは間接的に塗布し、焼成して前記膜支持体上に分離膜を形成する焼成工程を含んでもよい。
また、前記膜支持体上に中間層を形成し、前記中間層上に前記フッ素ドープシリカゾルを塗布してもよい。
本発明に係る分離膜は、フッ素ドープを行わずに形成された分離膜に比べ、細孔径のサイズが大きく制御されるとともに、細孔径が均一化されており、近似する分子径の混合気体の分離においても、高選択性を有する。
図1(A)は、フッ素ドープを行わずに形成された分離膜の模式図、図1(B)はフッ素ドープを行って形成された分離膜の模式図である。 SiOゾルの調製の調製フローチャートを示す図である。 SiOゾルのIntensity基準の粒径分布を示す図である。 F−SiOゾルの調製フローチャートを示す図である。 F−SiOゾル(F/Si=1/9)のIntensity基準の粒径分布を示す図である。 F−SiOゾル(F/Si=2/8)のIntensity基準の粒径分布を示す図である。 SiO膜形成フローチャートを示す図である。 F−SiO膜形成フローチャートを示す図である。 ガス透過率の測定に使用したガス透過装置の構成図である。 SiO膜(F=0)及びF−SiO膜(F/Si=1/9、F/Si=2/8)における各ガスの透過率の結果を示すグラフである。 SiO膜(F=O)のko,iプロットを示す図である。 F−SiO膜(F/Si=1/9)のko,iプロットを示す図である。 F−SiO膜(F/Si=2/8)のko,iプロットを示す図である。 F−SiO膜(F/Si=1/9)のCO及びCH透過率の温度依存性を示すグラフである。 F−SiO膜(F/Si=1/9)及びSiO膜のCO/CH透過率比とCO透過率の関係を示すグラフである。 SiO膜及びF−SiO膜(F/Si=2/8)のXRD解析結果を示す図である。
本実施の形態に係る分離膜及び分離膜の製造方法について説明する。分離膜は分子径の異なる気体が混合した混合気体から一方の気体(分子径の小さい気体)を透過させ、他方の気体(分子径の大きい気体)の透過を阻止する機能を有する。分離膜は、混合気体中の分子径の小さい気体を透過させる細孔径が均一化されており、高い透過選択性を備える。この分離膜は、以下のようにして製造される。
(フッ素ドープシリカゾル調製工程)
水を含む溶媒中で、シリカ源とフッ素源とを混合、反応させてフッ素ドープシリカゾルを得る。
シリカ源として、Si(OR)或いは(RO)SiXSi(OR)で表される化合物と水を含む溶媒とを混合してポリマーゾルを調製する。上式中、Rはアルキル基を表し、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。また、上式中、Xは1つ以上の水素が置換されていてもよい直鎖状飽和アルキレン基(−C2n−)を表す。シリカ源の具体例として、オルトケイ酸エチルやビストリエトキシシリルエタン、ビストリエトキシシリルブタン、ビストリエトキシシリルオクタンなどが挙げられる。
また、フッ素源として、フッ化アンモニウム(NHF)、フッ酸(HF)などが挙げられる。
水を含む溶媒中にて、シリカ源とフッ素源とを混合、反応させることで、シリカ源のアルコキシ基(OR)が加水分解されて水酸基になるとともに、脱水縮合(縮重合)によって隣接する化合物同士がSi−O−Si結合で重合し、シリカネットワークが形成される。より具体的には、上記化合物を、水を含む溶媒(エタノール、プロピルアルコール等)に溶解し、触媒として酸(塩酸、硝酸等)又は塩基(アンモニア等)を添加して、加水分解と縮重合反応に十分な時間攪拌する。そして、縮重合に寄与しなかったシリカネットワーク内の水酸基がフッ素に置換されることにより、フッ素がドープされたフッ素ドープシリカゾルが得られる。
なお、シリカ源とフッ素源との添加割合について特に制限はなく、フッ素源の添加割合が高いほど、分離膜の形成される細孔径サイズが大きくなる。シリカ源のSiとフッ素源のFとの添加割合(モル比)は、例えば、99:1〜50:50で目的とする分離対象に応じて調整され得る。
また、フッ素ドープシリカゾル調製工程において、水の添加割合は、シリカ源のアルコキシ基が十分に加水分解されるよう、過剰に加えられること好ましく、例えば、水:シリカ源が100:1〜300:1であることが好ましい。
また、シリカ源の配合比率を調整することにより、得られるフッ素ドープシリカゾルの粒径を制御することができる。シリカ源の配合比率が高くなるとフッ素ドープシリカゾルの粒径も大きくなる。異なる粒径のフッ素ドープシリカゾルを調製しておき、後述の塗布工程にて粒径の大きなフッ素ドープシリカゾルから粒径の小さなフッ素ドープシリカゾルの順に塗布することが好ましい。
(塗布工程)
上述のように調製されたフッ素ドープシリカゾルを膜支持体に塗布する。フッ素ドープシリカゾルの塗布は、スピンコーティング法、ディップコーティング法のほか、不織布をフッ素ドープシリカゾルに浸して塗布するなど、種々の方法により行い得る。
膜支持体は、複数の微細孔を有し、後の焼成工程にて焼成温度に耐え得る耐熱性を有する多孔質体が用いられる。例えば、膜支持体として市販の多孔質シリカガラスなどが用いられる。
また、膜支持体上に中間層を形成し、中間層上にフッ素ドープシリカゾルを塗布してもよい。中間層は、膜支持体と同様の材料から構成され、膜支持体よりも細孔径が小さいものを形成することが好ましい。
(膜形成工程)
塗布したフッ素ドープシリカゾルを乾燥してゲル化させた後、焼成を行う。焼成を行うことにより、脱水縮合がより進行し、シリカネットワークが緻密になる。焼成温度は、100℃より高い温度とすることが好ましい。また、シリカ源として、(RO)SiXSi(OR)で表される化合物を用いた場合、400℃以上で焼成すると、Si−X−Siのアルキル鎖が分解されてしまい、細孔が形成されなくなってしまうため、400℃より低い温度で焼成することが好ましい。
以上のようにして、膜支持体上に、分離層として機能するフッ素ドープシリカネットワーク構造の分離膜が得られる。
なお、上記の塗布工程及び膜形成工程は複数回行ってもよい。
図1(A)に、フッ素ドープを行わずに形成された分離膜の模式図、図1(B)にフッ素ドープを行って形成された分離膜の模式図を示している。フッ素ドープを行って形成された分離膜では、フッ素ドープを行わずに形成された分離膜に比べ、細孔径のサイズを大きく制御することが可能であり、分離対象に応じて制御することができる。更には、フッ素ドープを行って形成された分離膜では、後述の実施例で詳述するように、細孔径が均一化されており、近似する分子径の混合気体の分離においても、高選択性を有する。
(シリカコロイドゾル(SiOゾル)の調製)
図2の調製フローチャートに示すように、珪酸エチル(Si(OC:TEOS)の加水分解・縮重合反応を経てSiOゾルを調製した。
まず、500ml三角フラスコに、所定濃度の珪酸エチル(試薬特級、キシダ化学(株))、溶媒としてイオン交換水、さらに触媒として硝酸(試薬特級、片山化学)を加えて室温で約1時間攪拌し、加水分解・縮重合反応させ、シリカポリマーを得た。
その後、濃度調整のために水を加え、pH調整のための硝酸を加え、煮沸攪拌を10〜12時間行い、SiOゾルを調製した。煮沸攪拌時には、溶液濃度を一定に保つために、15分おきにイオン交換水を加えた。表1にSiOゾルの出発溶液組成を示す。
Figure 0006548215
得られたSiOゾル(TEOS Weight[%]=3.0,2.0,1.0,0.5)について、Intensity基準の粒径分布を測定した。粒径分布の測定は、DLS(Dynamic light scattering(動的光散乱法))で測定した。このDLS測定はZetasizer Nano (ZS,Malvern)を用いて行った。
その結果を図3に示すとともに、図3のピークが最大となったときの粒径を表2に示す。
Figure 0006548215
図3、表2から、TEOS濃度が高くなると粒径も大きくなっており、TEOS濃度を調整することにより、得られるSiOゾルの粒径を制御できることがわかる。
(Fドープシリカゾル(F−SiOゾル)の調製)
図4の調製フローチャートに示すように、TEOSにより形成されるネットワーク構造へFをドープし、加水分解・縮重合反応させることにより、F−SiOゾルを調製した。
まず、所定のバイアル瓶を用意し、エタノール溶媒中にシリカ源としてオルトケイ酸エチル(試薬特級、キシダ化学(株))を加え、更に、フッ素源としてフッ化アンモニウム(NHF)を水に溶解させたものを加えた。なお、水とケイ素のモル比(HO/Si)は200である。更に、触媒として硝酸(試薬特級、片山化学)を加え、室温で3時間攪拌し加水分解・縮重合させることで、F−SiOゾルを得た。
なお、F−SiOゾルは、FとSiのモル比が1/9及び2/8になるようにし、それぞれについて、表3、表4に示す配合量で合成した。
Figure 0006548215
Figure 0006548215
上記のSiOゾルと同様に、調製したF−SiOゾルのIntensity基準の粒径分布を測定した。F/Si=1/9の結果を図5に示すとともに、図5のピークが最大となったときの粒径を表5に示す。また、F/Si=2/8の結果を図6に示すとともに、図6のピークが最大となったときの粒径を表6に示す。
Figure 0006548215
Figure 0006548215
図5、図6、表5、表6から、SiOゾルと同様、F−SiOゾルについても、TEOS濃度が高くなると粒径も大きくなっており、TEOS濃度を調整することにより、得られるF−SiOゾルの粒径を制御できることがわかる。
(SiOゾルを用いた分離膜の作製)
図7に示すSiO膜形成フローチャートに従い、上記で調製したSiOゾルを用い分離膜を作製した。
(膜支持体)
膜支持体として、多孔質シリカガラス管(住友電気工業株式会社)を用いた。多孔質シリカガラス管の空隙率は60〜65%、細孔径は170〜200nm、膜径は8.5mm、膜長は100mmである。
(中間層の形成)
まず、多孔質シリカガラス管の表面の平滑化を行った。多孔質シリカガラス管表面にシリカガラス粒子を不織布(ベンコットM−1;旭化成株式会社)で担持した。これを室温乾燥(10分)し、電気管状炉(EKR−29K,いすゞ製作所株式会社)にて、180℃予熱(10分)、550℃焼成(15分)の順に行い、多孔質シリカガラス管表面に中間層を形成した。
(SiO膜の形成)
中間層を形成した膜支持体を予め高温(200℃)で加熱し、調製したSiOゾルを粒径の大きいものから順に不織布(ベンコットM−1;旭化成株式会社)で塗布し(ホットコーティング法)、350℃で10分焼成を繰り返すことでシリカ膜の製膜を行った。なお、TEOS濃度が高濃度のものに関しては、溶媒で希釈してから塗布した。また、最後にコーティングするゾルは、SiOゾルではなくシリカポリマーゾルとした。このようにしてSiO膜を作製した。このSiO膜をF=0と記す。
(F−SiOゾルを用いた分離膜の作製)
図8に示すF−SiO膜形成フローチャートに従い、上記で調製したF−SiOゾルを用い分離膜を作製した。
なお、用いるゾルを上記で調製したF−SiOゾルに変更するだけで、上記のSiOゾルを用いた分離膜の作製と同様にし、F/Si=1/9及び2/8のそれぞれについてF−SiO膜を作製した。これらのF−SiO膜をそれぞれF/Si=1/9、F/Si=2/8とも記す。
(純ガス透過実験)
作製した各膜のガス透過率は、図9に示す純ガス透過装置を用いて測定した。測定ガスはHe、Ne、H、CO、N、CH、C、CF、SFの9種類(市販の高純度ガス)を用いた。ガスボンベから純ガスを膜一次側に50〜750℃で供給し、真空ポンプを用いて膜二次側を真空にすることで透過させた。
膜を透過したガスはオリフィスで圧力損失をつけ、オリフィス前後の圧力差を測定し、あらかじめ作成していた検量線を用いて透過率を算出した。なお、製膜時の温度以上で熱処理をしたときは、各純ガスの透過率が定常になるまで透過率の経時変化を測定した後、透過率の温度依存性を測定した。物性値は表7に示す値を用いた。
Figure 0006548215
図10に、それぞれの分離膜(F=0、F/Si=1/9、F/Si=2/8)における各ガスの透過率の結果を示す。また、表8に、H選択性(H/N、H/SF)を示す。
Figure 0006548215
図10のSiO膜、F−SiO膜(F/Si=1/9、F/Si=2/8)の透過率分子径依存性、H選択性をみると、Fドープ量が多くなるほど、各透過率が大きくなっていることがわかる。
また、Fドープ量が多くなるほど、H/N選択性が小さくなっていることから、シリカネットワークサイズ、即ち、細孔径が大きくなっている可能性が示された。
また、測定されたそれぞれの分離膜における各ガスの透過率から、下式の修正GT(Gas translation)モデル式を用い、細孔径構造の解析指標になるko,iを算出した。なお、iは特定のガスを表す。
Figure 0006548215
は、それぞれのガスの透過率、aは膜構造パラメータ、dは膜の細孔径サイズ、dはそれぞれのガスの分子サイズ、Mはそれぞれのガスの分子量、Rは気体定数、Tは温度、ΔEp,iはそれぞれのガスが膜を透過するための活性化エネルギーを示す。
そして、分子サイズを横軸にし、ko,iの1/3乗の値を縦軸にして、それぞれの分離膜について、算出された各ガスのko,iをプロットし、フィッティング直線を引いた。図11にSiO膜(F=O)、図12にF−SiO膜(F/Si=1/9)、図13にF−SiO膜(F/Si=2/8)の結果を示す。
修正GTモデル式から算出される膜の細孔径は、フィッティング線と横軸との交点で表され、SiO膜(F=0)の細孔径:3.9Å<F−SiO膜(F/Si=1/9)の細孔径:4.6Å<F−SiO膜(F/Si=2/8)の細孔径:4.8Åとなった。すなわち、Fドープ量が多くなるにつれ、細孔径が大きくなっている。
SiO膜(F=0)では、C、CF、SFなどの分子径の大きいガスはフィッティング線から外れている。これは、SiO膜(F=0)が2元的な構造、すなわち、細孔径が不均一であり、ブロードな分布であることがわかる。SiO膜(F=0)では、種々のSi員環数を有するネットワークから分離膜が形成されるため、細孔径が不均一であり、HやHeなどの微小分子が優先的に透過する細孔(S6員環、7員環)と分子径の大きいガスが透過する細孔が異なると考えられる。分子サイズが大きいガスは、SiO膜内に存在する比較的大きな細孔をKnudsen拡散により透過する割合が高くなるため、これら大きい分子においてはC/CF、CF/SF透過率比も小さく分子ふるい性が小さくなっている。
一方、図12、13をみると、F−SiO膜(F/Si=1/9、F/Si=2/8)では、すべての気体がほぼフィッティング線上にあり、細孔径が均一化されて、よりシャープな分布となったことがわかる。
このように、シリカネットワークにフッ素をドープして得られたF−SiO膜では、これまでのSiO膜にくらべ、単に細孔径が大きくなっただけではなく、細孔径が均一化されたことを立証した。
また、CO/CH透過特性を比較した。図14にF−SiO膜(F/Si=1/9)のCO及びCH透過率の温度依存性を示すとともに、図15にF−SiO膜(F/Si=1/9)及びSiO膜のCO/CH透過率比とCO透過率の関係を示す。
図14をみると、COは温度の低下とともに透過率が増加する表面拡散傾向を示し、CHは温度の低下とともに透過率が減少する活性化拡散傾向を示している。また、図15をみると、SiO膜にくらべ、F−SiO膜(F/Si=1/9)では高いCO透過率、CO/CH透過率比を示している。これらのことから、フッ素をドープしたシリカ膜では、特に低温条件にて、COとCHの混合ガスからCOを分離する膜として有用であることがわかる。
(XRD解析)
また、SiO膜及びF−SiO膜(F/Si=2/8)について、XRD解析を行った。その結果を図16に示す。
図16を見ると、いずれの膜も2θ=20°付近にシリカのアモルファス構造由来のピークが検出されているが、フッ素ドープ量が増加するにつれてピークがシャープになっている。これは、フッ素ドープによりシリカネットワーク構造の結晶性が高くなっていると考えられ、これにより、F−SiO膜ではSiの員環構造が均一になり、細孔径が均一化しているものと考えられる。また、ピーク位置がFをドープすることで低角側にわずかにシフトしていることから、ネットワークサイズがルースになっていると考えられる。
分子径が異なる気体が混合した混合気体から目的とする気体の捕集、分離に利用可能である。

Claims (7)

  1. アルコキシ基を有するシリカ源の加水分解、縮重合で形成されるシリカネットワーク内のケイ素に結合する一部の水酸基がフッ素に置換されて、前記フッ素が前記ケイ素に結合している、
    ことを特徴とする分離膜。
  2. 水を含む溶媒中でアルコキシ基を有するシリカ源とフッ素源とを反応させ、前記シリカ源の加水分解、縮重合で形成されるシリカネットワーク内の水酸基がフッ素に置換されたフッ素ドープシリカゾルを調製するフッ素ドープシリカゾル調製工程と、
    前記フッ素ドープシリカゾルを乾燥、焼成して分離膜を得る膜形成工程と、を含む、
    ことを特徴とする分離膜の製造方法。
  3. 前記シリカ源としてSi(OR)或いは(RO)SiXSi(OR)で表される化合物を用いる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の分離膜の製造方法。
    (上式中、Rはアルキル基を表し、Xは1つ以上の水素が置換されていてもよい直鎖状飽和アルキレン基を表す。)
  4. 前記シリカ源としてオルトケイ酸エチルを用いる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の分離膜の製造方法。
  5. 前記フッ素源としてフッ化アンモニウムを用いる、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
  6. 膜支持体に前記フッ素ドープシリカゾルを直接的に或いは間接的に塗布し、焼成して前記膜支持体上に分離膜を形成する焼成工程を含む、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
  7. 前記膜支持体上に中間層を形成し、前記中間層上に前記フッ素ドープシリカゾルを塗布する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の分離膜の製造方法。
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