(第1実施形態)
以下、印刷装置を含む複合機の第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の印刷装置は、例えば液体の一例であるインクを媒体の一例である用紙に噴射することにより印刷を行うインクジェット式のプリンターで構成されている。また、そのプリンターは、印刷方式が用紙の搬送方向と交差する主走査方向に印刷部として機能する液体噴射ヘッドを移動させて印刷を行う、所謂シリアル方式のプリンターである。そして以下では、用紙の搬送方向を「前後方向」、印刷部が移動する主走査方向を「左右方向」、そして重力方向に沿う鉛直方向を「上下方向」とも称して説明する。
図1に示すように、複合機11は、印刷機能を有する印刷装置12と、読取機能を有する画像読取装置13と、画像読取装置13に対する給紙機能を有する自動給紙装置14とを備えている。印刷装置12の上に画像読取装置13が配置され、画像読取装置13の上に自動給紙装置14が配置されている。印刷装置12は、直方体状の筐体15を有し、その筐体15は、直方体状の下部筐体16と、その下部筐体16よりも鉛直方向の高さが低い直方体状の上部筐体17とを有している。そして、下部筐体16と上部筐体17とは、上方から平面視した場合の形状がほぼ一致する直方体同士であり、下部筐体16上に上部筐体17が組み付けられることで、印刷装置12において装置本体となる筐体15を形成している。
印刷装置12における上部筐体17の前面上部で左右方向のほぼ中央となる位置には、複合機11における各種動作を操作するための操作パネル部18が設けられている。この操作パネル部18は、例えば電源ボタン18aやタッチパネル方式の液晶表示画面18b及び操作ボタン18c等を有し、手前側となる前面側から正面視した場合に横長の矩形状となる形状をしている。そして、操作パネル部18は、その上端が操作パネル部18よりも印刷装置12の後面側における上部筐体17の上面よりも上方に位置し、且つ画像読取装置13の前面の一部に手前側から重なるように設けられている。
また、印刷装置12における下部筐体16の前面側において、操作パネル部18の下側となる位置には、印刷装置12の筐体15内で印刷された用紙Pを前方側に排紙する矩形の排紙口19が開口している。排紙口19の下からは、排紙口19から排紙される用紙Pを支持する矩形板状の排紙トレイ(排出部)20が、排紙方向である前方に向かって突出するように延びている。下部筐体16の前面における排紙トレイ20の下側には、矩形開口形状のカセット装着部21が設けられ、そのカセット装着部21には、印刷に用いる複数枚の用紙Pを積層状態で収容可能な給紙カセット22が前後方向への挿抜自在に装着されている。なお、給紙カセット22は、カセット装着部21に装着された場合に、その前端が排紙トレイ20の前端と前後方向において略同じ位置となる大きさに形成されている。
また、図1に示すように、印刷装置12の下部筐体16における前面であってカセット装着部21よりも左右方向の端部側(図1では、右端部側)となる位置には、矩形板状の開閉扉23が、その下端に設けられた左右方向に沿う回転軸24(図5参照)を回転中心として図1に実線矢印で示す前後方向への開閉動作自在に設けられている。開閉扉23における回転軸24が設けられた側とは反対側の端縁の一部には、印刷装置12のユーザーが開閉扉23を開閉動作させる際に指先を引っ掛け可能な切欠状の指掛部25が形成されている。そして、開閉扉23の裏面には、インクを吸収して保持可能なポリウレタンの発泡材等からなる液体吸収材の一例であるインク吸収材26が、回転軸24の近傍に取り付けられている。開閉扉23において、裏面にインク吸収材26が設けられていない部分は透明部材から形成されており、開閉扉23を閉じた状態で内部を視認できるようになっている。なお、開閉扉23に透明部材を用いず、開閉扉23の裏面の指掛部25を除く全面にインク吸収材26を設けてもよいし、開閉扉23の裏面にインク吸収材を設けなくてもよい。
印刷装置12の筐体15内において、開閉扉23の裏側となる位置、すなわち前面寄りで且つ端部寄り(この場合は右端部寄り)となる位置には、上下方向及び左右方向の寸法が開閉扉23の上下方向及び左右方向の寸法にほぼ相当する大きさの液体供給ユニット27が収容されている。液体供給ユニット27は、複数(本実施形態では4つ)の液体収容体28(28a〜28d)を含んで一体的に取り扱い可能とされた構造体であり、後で述べるように、各液体収容体28a〜28dにはインクが注入可能とされている。
図1及び図2に示すように、印刷装置12の上部筐体17の上面及び画像読取装置13の下面における各々の前面寄りで且つ右端部寄りとなる位置には、上方から平面視した場合に同一の略矩形状となる凹部29a及び凹部29bが形成されている。印刷装置12の上部筐体17の上面には、その上面から下方に凹む凹部29aが形成される一方、画像読取装置13の下面には、その下面から上方に凹む凹部29bが形成されている。そして、これらの凹部29a,29bにより、印刷装置12と画像読取装置13との接合面となる上下の境界部分には、人の手先を前方側から又は右側方から差し入れ可能な手差し部29が形成されている。なお、手差し部29は、凹部29aと凹部29bとの一方のみからなり、他方の凹部は形成されていなくてもよい。
すなわち、印刷装置12上に配置された画像読取装置13は、図1に示すように、その下面を上部筐体17の上面と対面させる閉じ位置と、上部筐体17の上面を開放する開き位置との間で、画像読取装置13の後部側に設けられたヒンジ軸(図示略)を開閉中心として開閉動作可能とされている。そのため、印刷装置12の筐体15(具体的には、上部筐体17)の上面における後部の左右両端寄りの位置には、画像読取装置13のヒンジ軸(図示略)を挿入するための左右一対のヒンジ挿入口30が設けられている。そして、閉じ位置にある画像読取装置13を開き位置に開き動作させるときには、手差し部29に手先を差し入れたユーザーにより画像読取装置13は開き動作させられる。
また、図1及び図2に示すように、印刷装置12における上部筐体17の上面のうち、凹部29aの底面となる水平方向に沿う面部分は、画像読取装置13の下面から上下方向に離れて位置する水平面部31を形成している。そして、その水平面部31には、複数(本実施形態では4つ)の孔からなる開口部32が形成されている。これらの開口部32は、左右方向に連続して直線状に並んだ配置態様ではなく、左右方向に連続する複数の開口部32が交互に前後方向へ位置をずらせたオフセットの配置態様とされている。因みに本実施形態では、4つの開口部32のうち左右方向で最も右端部寄りに位置する開口部32が、他の3つの開口部32よりも、一回り大きな孔に形成されている。さらに、印刷装置12における上部筐体17の上面のうち、凹部29aの形成領域を画定する鉛直方向に沿う面部分は、水平面部31から鉛直上方へ垂直に立ち上がる垂直面部33を形成している。
また、図2に示すように、印刷装置12における上部筐体17の上面の略中央部には、主走査方向となる左右方向を長手方向として前後方向を短手方向とする矩形状開口34が形成されている。そして、この矩形状開口34と水平面部31の開口部32とを避けるように、上部筐体17の上面には図示しないパーソナルコンピューター(PC)等の外部機器から延びるケーブル35を配線する配線領域36が形成されている。配線領域36は、ケーブル35を上部筐体17の後方右端部から上部筐体17の右側面に沿って前方側へ直線状に一定距離だけガイドした後、上部筐体17の中央部分に向けて略直角に曲がるようにガイド可能な溝部で構成されている。この配線領域36の溝部は、上部筐体17の略中央部分において広がった溝形状に形成され、その広がった溝形状の部分において筐体15内に設置された電気接続部37を露出させている。したがって、配線領域36に配線されたケーブル35は、その先端部が配線領域36における広がった溝形状の部分に露出した電気接続部37に対して電気的に接続される。
図3に示すように、印刷装置12の筐体15(具体的には、下部筐体16)内における後面寄りで且つ左端寄りの位置には従動プーリー38が設けられる一方、同じく後面寄りで且つ右端寄りの位置にはモーター(図示略)によって回転駆動可能な駆動プーリー39が設けられている。両プーリー38,39には無端状のタイミングベルト40が巻き掛けられ、タイミングベルト40の一部はキャリッジ41の後部に設けられた連結部41aに連結されている。なお、キャリッジ41の下面側には、複数(本実施形態では4色)のインクを用紙Pに噴射して印刷を行う印刷部の一例である液体噴射ヘッド42が搭載されている。
また、印刷装置12における下部筐体16内でタイミングベルト40の前側となる位置には、用紙Pの搬送方向である前後方向と直交する左右方向に長い直方体状の支持台43が配置されている。支持台43は用紙Pが印刷時に搬送方向に搬送されるとき、その下面を支持する台であり、その支持台43における液体噴射ヘッド42との対向面には、左右方向に長い略矩形状の領域に亘って多孔質のインク吸収材44が露出している。そして、この支持台43の前側と後側に、キャリッジ41を移動自在に支持して左右方向に延びる前後一対のレール45が設けられている。したがって、モーターの駆動によって駆動プーリー39が回転駆動されると、その駆動力がタイミングベルト40を介して連結部41aに伝達され、キャリッジ41が前後一対のレール45にガイドされて左右方向に往復移動する。
また、印刷装置12における下部筐体16内で前側のレール45よりも前側となる位置には、平面視で矩形の支持フレーム部46が設けられ、その支持フレーム部46上には、CPU等を備えた制御部として機能する回路基板47が支持されている。回路基板47上には、ケーブル35の先端部が接続される電気接続部37が設けられる他、複数(本実施形態では一例として2つだけ図示)のコネクター48a,48bが固定されている。また、支持フレーム部46において回路基板47の後部側の長辺に沿う後端縁寄りの部分には、左右方向に沿って長く延びる垂直のガイド壁49が形成されている。
ガイド壁49における左右方向の略中央となる箇所には、切欠凹部49aが形成されている。そして、その切欠凹部49aよりも右端部寄りでキャリッジ41側となるガイド壁49の後面には、その一端を液体供給ユニット27に接続された可撓性を有する液体供給チューブ50の中途部分を固定する固定部材51が設けられている。液体供給チューブ50における固定部材51よりも他端側の部分は、ガイド壁49の後面に沿って延びた後に折り返され、その他端がキャリッジ41の前部に設けられた接続部41bを経由してキャリッジ41上に搭載された各サブタンク52に接続されている。
サブタンク52は、液体供給チューブ50によって供給される各インクを一時貯留してから液体噴射ヘッド42へ供給する。この場合、キャリッジ41上にサブタンク52を搭載せずに、液体供給チューブ50がアダプター(図示略)を介して液体噴射ヘッド42に接続されるようにしてもよい。なお、液体供給チューブ50は、液体供給ユニット27が備える複数(本実施形態では4つ)の液体収容体28a〜28dの個数と等しい複数本(本実施形態では4本)が引き回されるものであるが、図3等では図面の簡略化のため、4本のうち3本を省略して1本だけ描いている。また、これら4本の液体供給チューブは互いに一体に形成された4連の多連チューブで構成してもよい。
また、キャリッジ41の接続部41bからは一端側が液体噴射ヘッド42などに接続された信号線53が導出され、信号線53の他端側はガイド壁49におけるキャリッジ41側の後面に沿って延びてから切欠凹部49aを通った後、コネクター48aを介して回路基板47に接続されている。また、回路基板47上の他のコネクター48bには、一端側が液体供給ユニット27に接続された信号線54の他端側が接続されている。
次に、印刷装置12において液体噴射ヘッド42にインクを供給する液体供給装置として機能する液体供給ユニット27について説明する。
図3及び図4に示すように、液体供給ユニット27は、複数の液体収容体28a〜28dと、内部に液体収容体28a〜28dごとの複数のインク流路が形成された流路形成部材55と、複数の液体収容体28a〜28dをそれらの厚さ方向に重なるように並べた状態で流路形成部材55と共にセットするセット部材56と、を含んで構成されている。そして、液体供給ユニット27は、セット部材56に複数の液体収容体28a〜28dが流路形成部材55と共にセットされて一体的に取り扱い可能とされた状態で、筐体15内における前面寄りで且つ右端部寄りとなる位置に保持部として固定される保持部材57に対して位置決め状態で保持される。なお、保持部材57は下部筐体16に対してねじ止め機構(図示略)を介して固定され、そのような保持部材57に対して、液体供給ユニット27も、ねじ止め機構(図示略)又は接着剤(図示略)などを用いて固定されることにより移動不能に位置決めされている。
複数の液体収容体28a〜28dは、ブラックインクが収容される液体収容体28aと、シアンインクが収容される液体収容体28bと、マゼンタインクが収容される液体収容体28cと、イエローインクが収容される液体収容体28dで構成されている。これら4つの液体収容体28a〜28dは、それぞれの長手方向が筐体15の前面側から奥行方向である前後方向に沿う前面取り付け態様となるように、液体噴射ヘッド42が用紙Pに印刷するときの主走査方向である左右方向に並んだ状態でセット部材56内にセットされる。そして、そのセット時には、他の3つの液体収容体28b〜28dよりも大容量タイプのブラックインクの液体収容体28aが、印刷装置12の筐体15内に取り付けられた場合に、図3に示すように左右方向で最も右端側に位置するようにセットされる。なお、各液体収容体が全て同じサイズであってもよい。
図4に示すように、左右方向に並んだ4つの液体収容体28(28a〜28d)のうち並び方向で両端に位置する2つの液体収容体(この場合は、右端の液体収容体28aと左端の液体収容体28d)における各々の外側面の略中央部には、円柱状の凸部58が外方に向けて突設されている。すなわち、ブラックインクの液体収容体28aにおける右側面の略中央部からは凸部58が右方に向けて突設される一方、イエローインクの液体収容体28dにおける左側面の略中央部からも同様の凸部(図示略)が左方に向けて突設されている。
複数の液体収容体28a〜28dは、セット部材56等を介して筐体15内に並列配置された状態で、その並び方向に沿う左右方向を厚さ方向、鉛直方向に沿う高さ方向を短手方向、用紙Pの搬送方向に沿う筐体15の前後方向を長手方向とする略直方体状のインクタンクであり、その内部にはインクを収容可能な液体収容室59を有している。液体収容体28a〜28dにおいて長手方向に沿う矩形の上壁部60には、液体収容室59に外部からインクを注入可能とする液体注入口61が形成されている。
液体注入口61は、液体収容室59側となる内端開口の一例である第1開口61aと、それとは反対側の開口で第1開口61aよりも大径の第2開口61bとを有した漏斗状をなし、内端開口である第1開口61aが液体収容体28a〜28dの上壁部60における前端寄りの位置に開口形成されている。この点で、液体収容体28a〜28dの上壁部60は、液体収容体28a〜28dにおいて液体注入口61の内端開口(第1開口61a)が形成される開口形成壁部に相当する。
また、液体収容体28a〜28dにおいて筐体15の前面の開閉扉23を開いたときに前方に露出する壁部である前壁部62には、液体収容室59内のインクの液面を視認可能とする透明樹脂等で形成された視認部63が設けられている。また、液体収容体28a〜28dにおける後壁部64の下端部には、液体収容室59内からインクを外部に供給する液体供給口65が形成されている。そして、この液体供給口65からインクを供給されるように液体収容体28a〜28dの後壁部64に対して流路形成部材55が接合される。
図4に示すように、流路形成部材55は、樹脂材料等で所定厚さに形成された板状部材であり、その下端部には液体収容体28a〜28dの後壁部64に接合された際に液体供給口65と接続される複数(本実施形態では4つ)の液体導入口66が形成されている。そして、各液体導入口66からは、流路形成部材55内に複数(本実施形態では4つ)の流路67が上方に延びるように形成されている。各流路67は、液体導入口66から上方に向けて延びた後に、各流路67が縦方向に並んだ状態となるように、側方(この場合、左方)を向けて屈曲し、流路形成部材55の上端部寄りで左方を向く面に形成された液体導出口(図示略)を介して液体供給チューブ50に接続されている。また、流路形成部材55内には図4に破線で示すように流路67ごとにダイアフラム等からなるポンプ68が設けられ、このポンプ68の駆動により液体収容体28a〜28d側から液体噴射ヘッド42側にインクが供給されるようにしている。
セット部材56は、その上方側と前方側と後方側が開放された平面視矩形状のケースであって、底壁部56aと右壁部56cと左壁部56dを有している。セット部材56における右壁部56cと左壁部56dの互いに対向する内側面間の間隔寸法は、左右方向に並んだ4つの液体収容体28a〜28dにおける右端の液体収容体28aの右側面と左端の液体収容体28dの左側面との間隔寸法よりも僅かに大きく、また、前後方向を厚さ方向とする流路形成部材55の左右方向の幅寸法よりも僅かに大きい。また、セット部材56の前後方向(奥行方向)の長さ寸法は、液体収容体28の前後方向(長手方向)の長さ寸法と流路形成部材55の前後方向の厚さ寸法との和よりも、流路形成部材55の厚さ寸法程度の長さ分だけ長い。そのため、それぞれの長手方向が前後方向に沿う4つの液体収容体28a〜28dと厚さ方向が前後方向に沿う1つの流路形成部材55は、図3及び図4に示すように、並列態様の液体収容体28a〜28dの後壁部64に流路形成部材55が接合された状態で、セット部材56内にセットされる。
また、セット部材56における右壁部56cと左壁部56dの互いに対向する各内側面には、左右両壁部56c,56dの上端面から上下方向のほぼ中間位置まで垂直に延びる左右で一対のガイド溝69が形成されている。このガイド溝69は、その溝幅が液体収容体28a,28dの各外側面に形成された円柱状の凸部58の直径よりも僅かに広い溝である。そのため、セット部材56に液体収容体28a〜28dをセットする際には、並列配置の液体収容体28a〜28dにおける左右両端から突出する凸部58をセット部材56のガイド溝69に位置合わせした状態で摺動部として下方へ摺動させると、液体収容体28a〜28dは、前後、左右及び上下の各方向において位置決めされる。この点で、凸部58及びガイド溝69は位置合わせ機構として機能する。
また、セット部材56における右壁部56cの外側面と左壁部56dの外側面には、円柱状の凸部70が外方に向けて突設されている。すなわち、右壁部56cには、上下方向の略中間位置で前後方向に一定の距離だけ離れた2位置に円柱状の凸部70が突設される一方、左壁部56dには、同じく上下方向の略中間位置で前後方向において右壁部56c側の2つの凸部70の間に位置する1つの凸部70が突設されている。そして、セット部材56は、図3及び図4に示すように、その内部に液体収容体28a〜28d及び流路形成部材55をセットした状態で、保持部材57内に保持される。
保持部材57は、その上方側及び前方側が開放された平面視矩形状のケースであって、底壁部57aと後壁部57bと右壁部57cと左壁部57dを有している。これら底壁部57aと後壁部57bと右壁部57cと左壁部57dは、保持部材57の内側と外側とを区画する区画壁として機能する。また、後壁部57bにおける上部左方寄りの位置には、正方形状の貫通孔71が形成され、その貫通孔71には液体供給チューブ50及び信号線54が挿通される。そして、その場合において、貫通孔71の内周面と液体供給チューブ50等との間には、インク吸収材等からなる封止部材72(図5参照)がシール材として封入される。尚、保持部材57は、液体収容体28a〜28dの少なくとも一部を覆う外装部材としての機能も有している。
また、右壁部57cと左壁部57dの互いに対向する各内側面には、ガイド部として機能する縦溝73が、左右両壁部57c,57dの上端面から上下方向の略中間位置まで形成されている。右壁部57cには、前後方向に一定の距離だけ離れた2つの縦溝73が形成される一方、左壁部57dには、前後方向で右壁部57c側の2つの縦溝73の間に位置する1つの縦溝73が形成されている。そして、これら3つの縦溝73の各下端部は、上下方向において同じ高さ位置で水平な平面内に位置することにより、縦溝73内を上方から下方に移動する他のもの(本実施形態では、セット部材56の凸部70)に対して下方から係止する係止部74として機能するように構成されている。
なお、保持部材57における右壁部57cの内側面と左壁部57dの内側面との間隔寸法は、セット部材56における右壁部56cの外側面と左壁部56dの外側面との間隔寸法よりも僅かに大きい。また、保持部材57の前後方向(奥行方向)の長さ寸法は、セット部材56の前後方向(奥行方向)の長さ寸法よりも、保持部材57の後壁部57bの厚さ寸法程度の長さ分だけ長い。
そのため、セット部材56の左右各壁部56c,56dから突出する凸部70を、保持部材57の左右の各縦溝73に位置合わせした状態で摺動部として下方へ摺動させると、液体収容体28a〜28dは、筐体15内に固定された保持部材57に対してセット部材56を介して前後、左右及び上下の各方向において位置決めされる。この点で、凸部70及び縦溝73は位置合わせ機構として機能する。なお、液体収容体28は、こうして筐体15内に保持部材57及びセット部材56を介して取り付けられたとき、その上壁部60が鉛直方向と交差する方向(本実施形態では水平方向)に延びた状態となる。なお、1つの凸部70と1つの縦溝73の組み合わせで1つの位置合わせ機構とした場合、位置合わせ機構は、4つ以上を有してもよいし、その一部又は全部をねじ止め等他の方法で位置合わせと位置決めを行ってもよい。
図5に示すように、液体収容体28には、液体収容室59内のインクの残量を検出するための残量検知部75が設けられている。残量検知部75は、例えば発光素子と受光素子を有するフォトインタラプタ等で構成され、4つの液体収容体28a〜28dごとに設けられている。そのため、図3及び図5等では信号線54が1本しか図示していないが、実際には、発光素子に接続される信号線と受光素子に接続される信号線との2本一組が液体収容体28a〜28dの個数分の4組あり、更に共用される接地用の信号線が1本あるため、合計9本(=2本×4組+1本)の信号線がコネクター48bに接続されている。
また、液体収容体28は、セット部材56及び保持部材57を介して筐体15内の前面側で且つ右端部寄りの位置に収容された状態において、液体注入口61の上端部が上部筐体17の開口部32内に位置している。そして、液体収容体28における液体注入口61の上端部の周りと上部筐体17の開口部32の周縁との間には、液体注入口61と開口部32との間の隙間をシールする円環状のシール部材76が設けられている。すなわち、このシール部材76は、インク注入時に液体注入口61の外側にインクが漏れた場合において、そのような漏れたインクが液体収容体28の上壁部60上に流れ拡がって液体収容体28を汚さないようにするために設けられている。そして、その断面形状から理解されるように、シール部材76には、その上に漏れたインクが流れ広がるのを抑制可能な凹部77が凹み形成されている。
さらに、液体収容体28の上壁部60において、液体注入口61の形成位置よりも後方側には液体収容室59を大気と連通させる大気連通部78が設けられている。なお、この大気連通部78は、例えば細長い溝が蛇行して形成された蛇溝と呼ばれる細い流路構造や空気等の気体の通過は許容する一方で液体の通過は規制する防水透湿性素材等で構成される。
例えば図5及び図6に示すように、液体収容体28は、外装部材の一例である筐体15により、その少なくとも一部(本実施形態では、全部)が覆われている。そして、その筐体15のうち上部筐体17における凹部29aの底面となる水平面部31において上部筐体17で上方から覆っている液体収容体28の液体注入口61と対向する位置に、その液体注入口61を露出させ得る開口部32が形成されている。
したがって、インクの注入時には、液体収容室59側となる内端開口(第1開口61a)を有する液体注入口61と、それとは反対側の外端開口を有する開口部32とで構成される液体受入部を通じて、液体収容体28にインクが注入されることになる。なお、通常は、液体注入口61は、開口部32を介して上方から挿入されるゴム等の栓79によって常に閉栓されている。また、その栓79は画像読取装置13が閉じ位置にある場合には外部から見えないように隠蔽される。因みに、図5に示すように、画像読取装置13内にはコンタクトイメージセンサーモジュール(CISM)13aが移動自在に配置されており、透明板13b上に載置された原稿(図示略)を読み取る。
図6に示すように、液体収容体28における漏斗状の液体注入口61と上部筐体17の水平面部31に形成された開口部32と液体収容体28の上壁部60との一方向(この場合は液体噴射ヘッド42の主走査方向及び各液体収容体28a〜28dの並び方向である左右方向、あるいは、上壁部60の短手方向)における大きさを比較すると、次のようになっている。すなわち、液体注入口61の第1開口(内端開口)61aの開口幅D1が一番小さく、それよりも上壁部60の左右方向の幅寸法D3、液体注入口61の第1開口61aとは反対側の第2開口61bの開口幅D2、上部筐体17の水平面部31に形成された開口部32の開口幅D4の順で、だんだん寸法が大きくなるよう形成されている。なお、上部筐体17の水平面部31に形成される開口部32は、液体注入口61に近い側の第3開口32aと液体注入口61から遠い側の第4開口(外端開口)32bの開口幅が同一となる円筒面形状の開口である。また、図6において、開口部32と液体注入口61との間の隙間には、シール部材76が装着され、上部筐体17の内部にインクが浸入することを防止している。
そこで次に、印刷装置12及び液体供給ユニット27の作用について説明する。
さて、液体供給装置として機能する液体供給ユニット27を印刷装置12の筐体15内に収容するときには、まず、筐体15の下部筐体16に保持部材57をねじ止めなどにより固定する。すなわち、下部筐体16内の前面寄りで且つ右端寄りとなる位置に、保持部材57を固定する。その一方、筐体15の外部において、セット部材56に対して複数(4つ)の液体収容体28a〜28dと流路形成部材55をセットする。そして、液体収容体28及び流路形成部材55がセットされたセット部材56を、保持部材57に対して取り付ける。
なお、その場合、セット部材56は、保持部材57に対して凸部70が縦溝73に係合することで位置合わせされるとともに、凸部70が縦溝73の下端部である係止部74に係止することで前後、左右、上下の各方向への移動不能に位置決めされる。その結果、筐体15内の前面寄りで且つ右端寄りとなる位置に、複数(4つ)の液体収容体28が、それらの長手方向を前後方向にして左右方向に連続して並ぶように、位置決め配置される。そして、ポンプ68の駆動により液体収容体28から液体噴射ヘッド42に向けてインクが液体供給チューブ50を介して供給される。尚、ポンプ68を用いずに、液体収容室59内のインクの液面の高さ位置と、液体噴射ヘッド42のノズル面の高さ位置との水頭差、および、ノズルの吸引力とを利用してインク(液体)を供給してもよい。
また、この場合、液体収容体28の液体注入口61は上端側の第2開口61bの開口幅が、液体収容体28の並び方向である左右方向(一方向)において、液体収容体28の開口形成壁部である上壁部60の幅寸法よりも大きいため、隣り合う液体収容体28の液体注入口61同士が接触し、隣り合う液体収容体28同士の間に隙間を形成する虞がある。しかし、本実施形態では、隣り合う液体収容体28同士の液体注入口61は交互に位置をずらせたオフセット配置であるため、隣り合う液体収容体28同士の間にそのような隙間を形成させることなく、複数の液体収容体28は、互いの側面同士が接合したコンパクトな重なり態様となり、装置全体の省スペース化にも貢献する。
また、残量検知部75の検知結果に基づき液体収容体28のインク量がニアエンド状態となったときには、ユーザーは、図7に示すように、画像読取装置13を開いて、液体注入口61から栓79を取り外した後、開口部32及び液体注入口61を介して液体収容室59内にインクを注入する。すなわち、ユーザーは、開口部32を介して液体注入口61内に液体注入部材の一例であるインクボトル80を差し込み、そのインクボトル80からインクを液体収容室59内に補充する。そして、開閉扉23の透明部材と液体収容体28a〜28dの透明な視認部63とを通してインク量を確認し、インク量が上限部63aが示す満杯になったならば、インクの注入を終了し、液体注入口61に栓79を差し込み、画像読取装置13を元に戻す。
そして、インクを注入する際において、複数の開口部32及び液体注入口61は、オフセット配置で液体収容体28の上壁部60の幅寸法よりも開口幅が大きいため、液体注入部材としてのインクボトル80の位置合わせも容易とされる。さらに、インク注入時には、液体収容体28に注入されたインクの液面の上昇程度が視認部63から視認可能とされ、その視認部63に設けられた上限部63aまで液面が上昇すると、インクの注入が終了される。
また、インクの注入時に、液体収容体28を上方から覆う外装部材として機能する上部筐体17における開口部32の周りにインクが零れたとしても、そのインクがケーブル35の配線領域36や回路基板47及び電気接続部37まで流れ広がることは段差状をなす凹部29aの垂直面部33により遮断される。この点で、上部筐体17における凹部29aの垂直面部33は、インク(液体)の流れを遮断可能な遮断部として機能する。
本実施形態の印刷装置12及び液体供給装置としての液体供給ユニット27によれば次のような効果を得ることができる。
(1)液体供給ユニット27は、筐体15の保持部材57により位置決め状態に保持されて筐体15内に収容されているため、液体供給ユニット27の全体が筐体15の外部に配置される場合に比して、装置全体の設置面積を少なくできる。そのため、安定に保持された状態の液体収容体28に液体を注入できるとともに、設置面積が広く確保できないところでも印刷装置12を使用できる可能性が高まる点で、使い勝手を向上させることができる。
(2)液体供給ユニット27は、位置決めされた状態が固定的に保持されるので、安定した状態でインクを注入することができる。
(3)液体収容体28を含んで一体的に取り扱い可能とされた液体供給ユニット27は、筐体15に設けられた保持部材57に対して位置合わせ機構として機能する凸部70と縦溝73の働きにより位置合わせされて取り付けられる。そのため、保持部材57に対して液体収容体28が位置ずれした状態で保持される虞を低減できる。
(4)保持部材57側に設けられたガイド部としての縦溝73に対して液体供給ユニット27側に設けられた摺動部としての凸部70を接触させた状態で、その凸部70を縦溝73に沿って摺動させることにより、保持部材57に対して液体収容体28を容易に取り付けることができる。
(5)保持部材57に対して液体供給ユニット27を複数の液体収容体28の並び方向における一端側と他端側の少なくとも2点で位置決めすることができる。
(6)セット部材56にセットされた複数の液体収容体28は、それらの並び方向に沿う平面内に位置する3つの係止部74により、その平面と交差する下方向への移動が規制されるため、例えば水平方向が並び方向とされている場合は、水平方向に沿う平面内で位置決めされる。
(7)保持部材57内に保持されている液体収容体28から万が一にもインクが漏れたとしても、その漏れたインクが保持部材57の外側に流れ広がることを、保持部材57において区画壁として機能する各壁部57a〜57dにより遮ることができる。そのため、筐体15内における保持部材57以外の箇所がインクで汚れることを抑制できる。
(8)保持部材57内の液体収容体28から保持部材57外に位置する液体噴射ヘッド42に対して後壁部57bの貫通孔71に挿通させた液体供給チューブ50を介してインクを供給できる一方、保持部材57内の液体収容体28から万が一にも漏れたインクが貫通孔71を介して保持部材57外に流出することを封止部材72によって抑制できる。
(9)残量検知部75による残量検知結果に基づき、液体収容体28に対するインクの注入の必要性を容易に知ることができる。
(10)液体注入口61から注入されて液体収容体28内に収容されているインクを、ポンプ68の駆動に伴い、液体噴射ヘッド42に向けて供給することができる。
(11)液体収容体28には大気連通部78が設けられているため、液体収容体28から液体噴射ヘッド42に向けてインクをスムーズに供給することができる。
(12)液体収容体28が筐体15内に収容されているため、液体収容体28が筐体15の外部に位置する場合に比して、装置全体の設置面積を少なくできるとともに、筐体15には内部の液体収容体28の液体注入口61と対応する位置に開口部32を有するので、その開口部32から液体注入口61にインクを注入できる。そのため、インクの注入を容易に行うことができると共に、設置面積が広く確保できないところでも印刷装置12を使用できる可能性が高まる点で、使い勝手を向上させることができる。
(13)筐体15において、その内部に収容した液体収容体28の液体注入口61を露出させる開口部32は、筐体15(上部筐体17)の上面に設けられたケーブル35の配線領域36を避けた位置に設けられているので、インクの注入時に液体注入口61から零れたインクによってケーブル35を汚してしまう虞を低減できる。
(14)液体収容体28の液体注入口61に筐体15の開口部32を介してインクを注入したときにインクが開口部32の周りに零れたとしても、その零れたインクが電気接続部37まで流れることを遮断部として機能する垂直面部33により遮断できるので、電気接続部37にインクが付着してしまうことを抑制できる。
(15)液体収容体28に対する液体受入部(開口部32と液体注入口61)は、液体収容室59側となる内端開口(第1開口61a)とは反対側の外端開口(第4開口32b)の大きさが、一方向(例えば、液体収容体28の並び方向、あるいは、液体収容体28の内端開口が形成された開口形成壁部である上壁部60の短手方向)において、内端開口が形成された液体収容体28の開口形成壁部(上壁部60)の幅以上の大きさである。そのため、インクを注入するとき、例えば液体注入部材(インクボトル80)を液体受入部の外端開口に対して位置合わせしやすくなる。したがって、容易に注入作業を行うことができるようになり、使い勝手が向上する。
(16)液体受入部(開口部32と液体注入口61)における内端開口(第1開口61a)が形成される開口形成壁部(上壁部60)の面は、上向きの水平面で構成されているので、インクを注入し易い位置に液体受入部(開口部32と液体注入口61)を設定することができる。
(17)一方向に並んで配置された複数の液体収容体28の液体注入口61は、隣り合う他の液体収容体28の液体注入口61に対して、一方向と交差する方向にオフセットして配置されているので、複数の液体収容体28の並び方向での占有面積を小さくすることができる、その分、印刷装置12の大型化を抑制することができる。
(18)ユーザーは、インクの注入時には、液体注入口61からインクが溢れ出ないように、視認部63に設けられた上限部63aに対する液体収容室59内の液面の上昇程度を確認しながらインクを注入することができる。
(19)液体注入口61の周りには上部筐体17の開口部32との間の隙間をシールするシール部材76を設けたので、液体収容体28を覆った外装部材としても機能する保持部材57の内側に液体注入口61から漏れたインクが入り込んで汚れを生じさせることを抑制できる。
(20)インクの注入時に液体注入口61からインクがシール部材76上に漏れた場合に、その漏れたインクはシール部材76上の凹部77に溜まるので、漏れたインクが無用に流れ広がることを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、印刷装置を含む複合機の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態は、筐体15に対する液体供給ユニット27の取り付け態様及び液体注入口61の位置などが、第1実施形態に示す液体供給ユニット27の取り付け態様と異なっているだけで、その他の点では第1実施形態と同一である。したがって、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
図8に示すように、液体供給装置としての液体供給ユニット27は、印刷装置12が有する下部筐体16の前面側において、右端部寄りであって、排紙トレイ20及び給紙カセット22と隣り合う位置に設けられている。この液体供給ユニット27は、一部が下部筐体16から前方向へ突出するように設けられている。すなわち、液体供給ユニット27を構成する複数の液体収容体28a〜28d及びセット部材56において、後面寄りとなる一部が下部筐体16に収容され、前面寄りとなる一部が下部筐体16から露出するように設けられている。なお、前後方向において液体供給ユニット27は、その前端が、排紙トレイ20の前端及び給紙カセット22の前端と比較して、略同じ位置又は筐体15寄りの位置となるように設けられている。すなわち、前方向において、液体供給ユニット27の突出量は、排紙トレイ20及び給紙カセット22に突出量以下になるよう構成されている。上記の構成から、第2実施形態に示す液体供給ユニット27は、第1実施形態と比較して、その一部が筐体15外に露出するよう前方向にやや引き出された構成であるといえる。また、液体供給ユニット27が突出するに伴って、保持部材57も同様に突出している。
図8、図9に示すように、筐体15外において、下部筐体16から突出された複数の液体収容体28の上面には、液体注入口61がそれぞれ左右方向に沿って一列に並んで形成されている。これらの液体注入口61は、その左右方向における第2開口61bの開口幅が、左右方向におけるそれぞれの上壁部60の幅寸法よりも小さくなるよう形成されている。一方、前後方向における第2開口61bの開口幅は、左右方向における第2開口61bの開口幅よりも大きく、且つ左右方向におけるそれぞれの上壁部60の幅寸法よりも大きくなるよう形成されている。すなわち、液体注入口61は、前後方向に延びるような楕円形状を有して形成されている。
そして、これらの液体収容体28及びセット部材56を含んで構成される液体供給ユニット27は、液体収容体28の右側面、左側面及び底面から液体収容体28を覆う保持部材57により保持されている。また、この保持部材57は、筐体15外において、液体収容体28を外部の衝撃から保護するための保護部材57Aとしても機能する。また、保護部材57Aは、その前面及び上面が開放される構成であり、前方向から見たときに液体収容体28に形成される視認部63を覆わないように構成されている。そして、保護部材57Aの上面からは、液体収容体28が有する液体注入口61が露出する。
次に、第2実施形態に示す印刷装置12及び液体供給ユニット(液体供給装置)27の作用について説明する。
図10に示すように、液体収容体28の上面となる上壁部60に形成される液体注入口61は、液体収容室59から遠い側となる第2開口61bが前後方向に大きく開口する構成であるため、液体収容体28にインクを供給するに際して、液体注入口61に対してインクボトル80を前方向から斜めに挿入可能となっている。すなわち、第2実施形態における液体収容体28は、第1実施形態のように液体注入口61に対してインクボトル80を上方向から真っ直ぐ下向きに差し込む場合よりも、インクを供給し易い構成となっている。
第2実施形態における印刷装置12及び液体供給装置としての液体供給ユニット27によれば、次のような効果を得ることができる。
(21)液体収容体28は、その一部が筐体15内に収容されているため、液体収容体28の全体が筐体15の外部に位置する場合に比して、装置全体の設置面積を少なくできる。そのため、設置面積が広く確保できないところでも印刷装置12を使用できる可能性が高まる点で、使い勝手を向上させることができる。
(22)液体収容体28において、筐体15から突出した部分に液体注入口61があることで、ユーザーは液体の注入がやりやすくなる。
(23)液体収容体28において、筐体15から外部に向かって前方向に突出している部分は、同じく筐体15から前方向に突出した保持部材57により覆われている。すなわち、保持部材57が液体収容体28を保護する保護部材57Aとして機能し、保護部材57Aによって、その突出している部分に外部から物が当たったりすることで液体収容体28の位置ずれが生じてしまう虞を低減できる。
(24)液体収容体28を保護する保護部材57Aは、その上面が開口した構成であるため、液体収容体28内のインクが少なくなった場合には、保護部材57Aの上面を介して露出する液体注入口61からインクを注入することにより、印刷を継続して行わせることができる。
(25)筐体15から前方向へ突出する液体供給ユニット27の突出量は、排紙トレイ20及び給紙カセット22の突出量よりも小さくなるよう構成されているため、液体収容体28に外部から物が当たったりする虞を低減でき、結果として、液体収容体28の位置ずれが生じてしまう虞を低減できる。
(26)液体注入口61における内端開口である第1開口61aとは反対側の第2開口61bは、液体収容体28の並び方向の開口幅よりも並び方向と交差する方向の開口幅の方が大きいため、液体収容体28の並び方向の大きさを小さくして、印刷装置12の大型化を抑制することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態は、以下のように変更してもよい。
・第1実施形態の印刷装置12において、操作パネル部18を手差し部29の前側まで右方に延ばし、筐体15の前面側から見た場合に操作パネル部18の裏側となる位置に開口部32が設けられる構成としてもよい。この構成によれば、印刷装置12の手前側からは操作パネル部18が目隠しとなって、開口部32を人目に付かないようにできるので、印刷装置12の見栄えを良好にできる。
・第2実施形態の印刷装置12において、複数の液体収容体28の液体注入口61における第1開口(内端開口)61aとは反対側の第2開口61bは、液体収容体28の並び方向の開口幅の方が並び方向と交差する方向の開口幅よりも大きい構成であってもよい。この構成によれば、例えば液体噴射ヘッド42が主走査方向に移動しながら用紙Pに印刷する構成であって、複数の液体収容体28が主走査方向に並んで配置されている場合には、液体注入口61における第1開口(内端開口)61aとは反対側の第2開口61bの開口幅が大きいため、液体注入口61に対する液体注入をし易い。
・例えば、図11に示すように、液体収容体28の液体注入口61と上部筐体17の開口部32との間にシール部材76を設けない場合には、液体注入口61の根元となる箇所に、液体吸収材81を配置するようにしてもよい。この構成によれば、液体収容体28に液体注入口61を介してインクを注入するときにインクが周りに零れたとしても、そのように零れたインクを液体吸収材81により吸収して保持できる。
・例えば、図12に示すように、上部筐体17の開口部32の直下に液体収容体28の液体注入口61を位置させ、液体注入口61と開口部32との間にシール部材76を介在させることなく、液体注入口61の第2開口61bの開口幅D2よりも開口部32の第4開口32bの開口幅D4の方を大きくする構成としてもよい。この場合、ユーザーは、液体収容体28にインクを注入するとき、一方向(例えば、液体収容体28の並び方向、あるいは、液体収容体28の内端開口が形成された開口形成壁部である上壁部60の短手方向)での大きさが液体注入口61よりも大きい上部筐体17(外装部材)の開口部32に対して液体注入部材等を位置合わせすることにより、容易に注入作業を行うことができる。
・例えば、図13(a)〜(d)に示すように、印刷装置12は、筐体15の上に画像読取装置13と原稿カバー部材13Aが設けられている構成であってもよい。すなわち、自動給紙装置14の代わりに原稿カバー部材13Aを備える複合機であってもよい。
・印刷装置12において、筐体15に形成される液体注入用の開口部32の開口位置は第1実施形態及び第2実施形態に示す態様に限らない。例えば、図13(a)に示すように、開口部32(液体受入部の外端開口である第4開口32b)は、閉じ位置にある画像読取装置13の下面と対面することなく、当該画像読取装置13よりも前方で、原稿カバー部材13Aの上面と略同一高さで水平方向に延びる開口形成面15aに形成してもよい。また、図13(b)に示すように、開口部32(液体受入部の外端開口である第4開口32b)は、閉じ位置にある画像読取装置13の下面と対面することなく、当該画像読取装置13よりも前方で、前下がり勾配の傾斜面とした開口形成面15aに形成してもよい。
また、図13(c)に示すように、開口部32は、閉じ位置にある画像読取装置13の下面と筐体15の前面寄りの位置で対面する水平面となる開口形成面15aに形成してもよい。また、図13(d)に示すように、開口部32(液体受入部の外端開口である第4開口32b)は、閉じ位置にある画像読取装置13の下面と対面することなく、当該画像読取装置13よりも前方で、原稿カバー部材13Aの先端部下面とは距離をおいて対向する水平面の開口形成面15aに形成してもよい。
図13(a)、(b)の場合は、画像読取装置13を閉じ位置から開き位置に開き動作させる手間をかけなくても、外部に露出している開口部32(液体受入部の外端開口である第4開口32b)を介して液体注入口61から液体収容体28内にインク(液体)を注入することができる。また、図13(c)の場合は、閉じ位置にある画像読取装置13により液体注入口61を常には覆い隠しておくことができるので、ユーザーが不用意に液体受入部に触れることを抑制できる。更に、図13(c)の場合は、原稿カバー部材13Aの液体注入口61と対向する側に、液体注入口61の栓79を設けてもよい。また、図13(d)の場合は、開口形成面15aと原稿カバー部材13Aの間に手差し部が形成されるため、原稿カバー部材13Aの開放動作が容易となる。
・印刷装置12の筐体15に対する液体収容体28の取り付け態様は、第1実施形態及び第2実施形態に示すような態様に限らない。例えば、図14(a)又は図14(b)に示すように、液体収容体28(28a〜28d)は、それぞれの長手方向が筐体15の側面側から奥行方向である前後方向と直交する左右方向に沿う側面取り付け態様で、その全体又はその一部が筐体15内に収容される構成であってもよい。
そして、この場合において、液体受入部の外端開口(図14(a)の場合は上部筐体に形成された開口部の外端開口、図14(b)の場合は筐体の外側に位置している液体注入口の内端開口とは反対側の開口)は、筐体15の側面寄りに配置された構成であるため、側面からのインク注入操作がし易いという効果が得られる。なお、第1実施形態と第2実施形態の場合は、液体受入部の外端開口(上部筐体17に形成された開口部32の外端開口、又は、筐体15の前方に位置している液体注入口61の内端開口とは反対側の開口)が、筐体15の前面寄りに配置された構成であるため、前面からのインク注入操作がし易いという効果が得られる。
また、図14(c)又は図14(d)に示すように、液体収容体28は、それぞれの長手方向が筐体15の前面と側面が交わる角部から奥行方向である前後方向及びこれと直交する左右方向の何れに対しても斜めとなる方向に沿う斜め取り付け態様で、その全体又はその一部が筐体15内に収容される構成であってもよい。
・印刷装置12の筐体15に取り付けられる液体収容体28の形状は、第1実施形態及び第2実施形態に示すような略直方体状に限らない。例えば、図15に示すように、筐体15に取り付けられる液体収容体28は、筐体15内から筐体15外へ向けて右方向に延び、筐体15外において、筐体15の右側面に沿うように後方向に屈曲した形状を有する構成であってもよい。また、図16(a)及び図16(b)に示すように、筐体15に取り付けられる液体収容体28は、筐体15内から筐体15外へ向けて右方向に延び、筐体15外において筐体15の右側面に沿うように上方向に屈曲した形状を有する構成であってもよい。図15、図16に示すような液体収容体28であれば、第1実施形態及び第2実施形態に示すような構成の液体収容体28と比較して、より多くのインクを収容することができる。なお、図示はしていないが、図15、図16に示す液体収容体28の各々にも液体注入口は設けられている。
・例えば、図17(a)に示すように、第1実施形態及び第2実施形態と比較して大容量の液体収容体28の一部を筐体15内に収容した場合、筐体15内において液体収容体28の上方となる位置に、インクを吸収するインク吸収材などの機能部材82を配置する構成であってもよい。また、図17(b)に示すように、筐体15の外側に液体供給装置としての大容量の液体収容体28を外装部材として機能する液体収容体ハウジング83により覆われた状態で取り付ける場合においても、筐体15内において液体収容体28の上方となる位置に、インク吸収材などの機能部材82を配置する構成であってもよい。なお、図示はしていないが、図17に示す液体収容体28にも液体注入口は設けられている。
・印刷装置12の筐体15における上部筐体17に形成され、且つ上方向から見て液体注入口61が露出される開口部32は、第1実施形態に示すような1つの開口部32に対して1つの液体注入口61が露出する態様に限らない。例えば、図18に示すように、上方向から見て、上部筐体17に形成された矩形状をなす1つの開口部32によって、4つの液体収容体28がそれぞれ有する4つの液体注入口61のすべてが露出される構成であってもよい。なお、この場合の開口部32は複数の液体収容体28の並び方向である左右方向の開口幅の方が並び方向と交差する前後方向の開口幅よりも大きいため、液体注入口61に対するインク注入操作をし易い。
・例えば、図19に示すように、上部筐体17に設けられる開口部32と液体収容体28に設けられる液体注入口61とが連続した漏斗状をなす構成としてもよい。具体的には、上部筐体17の下面と液体注入口61の上端とが密着されたうえで、上部筐体17に設けられる開口部32が、第2開口61bの開口幅D2と略同一の径で開口する内側の第3開口32aと、それとは反対側の外端開口で液体収容体28の幅寸法D3よりも大きい開口幅D4で開口する第4開口32bとを有するように形成される。この構成によれば、広い開口部32からインクを容易に注入することができる。また、この構成においては、上部筐体17と液体注入口61の上端とが接する箇所に、インク漏れを抑制するシール部84を別途取り付けることが好ましい。
・印刷装置12において、液体収容体28は、例えば、図20に示すように、液体収容体28の上壁部60から前方向にやや突出した流れ規制部60aが設けられた構成であってもよい。この構成によれば、仮に、開閉扉23の裏面にインク吸収材26を設けない場合、インクが液体収容体28の前壁部62に流れてしまうと、前壁部62に形成された視認部63にインクが付着することで汚れてしまい、液体収容体28に収容されるインクの残量を視認することができなくなってしまう。そこで、上壁部60から開閉扉23と接触する位置まで前方向に突出した流れ規制部60aを設けることで、インクが前壁部62に流れてしまうことを抑制し、視認部63が汚損される虞を低減している。
・印刷装置12において、液体収容体28を保持する保持部材57を筐体15の前面側に突出させて保護部材57Aとして機能させる場合、例えば、図21に示すように、図8の示す構成の場合よりも、さらに、液体収容体28の前方及び上方も覆う構成であってもよい。なお、その際には、保持部材(保護部材57A)の上面に開口部32を形成するとともに、液体収容体28に収容されたインクの残量を視認可能な視認部63を保持部材57(保護部材57A)の外側からも視認可能とする透明な窓部57Bを保持部材57の前面に設けることが好ましい。そして、この場合において、窓部57Bにインクの注入上限をユーザーに知らせるための上限部63aを設けてもよい。
・印刷装置12において、例えば図22(a)、図22(b)に示すように、筐体15外に取り付けられる液体供給装置としての液体供給ユニット27に、液体収容体28に対するインク注入時にシール部材76上に漏れたインクを液体供給ユニット27の外へ流すような機構を設けてもよい。具体的には、印刷装置12の筐体15とは別体構成とされ、液体供給ユニット27を内部に保持して筐体15の右側面に取り付けられる外装部材の一例である液体収容体ハウジング83において、印刷装置12と接触する左側面とは反対側となる右側面の上部から、上下方向に沿って延びる溝状の液体誘導路85を複数形成する。これにより、シール部材76上に漏れたインクが溜まって溢れそうになると、そのインクが液体収容体ハウジング83の右側面に導出され、その右側面を伝って下方に流れる。なお、図22(a)は、図22(b)における22a−22a線で矢視した場合の断面図である。
ここで仮に、図22に示す液体供給ユニット27(液体供給装置)の一部(同図の場合は左側の部分)が、筐体15内に設けられているとすると、液体供給ユニット27の左側には、排紙トレイ20や、回路基板47が位置しているため、液体供給ユニット27の左側にインクが流れ出るのは好ましくない。そこで、図22に示す液体供給ユニット27(液体供給装置)は、シール部材76上に溜まったインクを外装部材の一例である液体収容体ハウジング83の右側に流れ出るようにすることで、シール部材76上に溜まったインクが液体収容体ハウジング83の左側に流れ出す虞を低減している。したがって、この構成によれば、印刷装置12における印刷不良が生じる虞を低減できる。
・また、図22に示す液体供給ユニット27(液体供給装置)において、液体供給ユニット27を内部に保持して筐体15の右側面に取り付けられる外装部材の一例である液体収容体ハウジング83は、その左側面を構成する壁部がなくて、筐体15の右側面を構成する壁部と共同して液体収容体28を覆う構成としてもよい。すなわち、液体噴射ヘッド42等を収容した筐体15の一部を液体供給ユニット27(液体供給装置)の外装部材の一部として利用してもよい。
・上記実施形態において、液体収容体28に設けられる液体注入口61を閉栓する栓79は、例えば図23に示すように、画像読取装置13の下面に一体形成される栓79Aの構成であってもよい。この構成によれば、液体収容体28にインクを注入する際、液体注入口カバー蓋部材として機能する画像読取装置13を開き位置に変位させるだけで、液体注入口61を閉栓していた栓79Aが取り外される。そして、この場合の栓79Aは、画像読取装置13と一体化されているため、ユーザーが栓79Aを取り外した際に、その栓79Aを紛失する虞を低減できる。また、この場合において、画像読取装置13と一体化される栓79Aを複数の液体収容体28a〜28dの複数の液体注入口61と個別に対応する複数の栓79Aの構成とすれば、1つの開閉操作で全ての液体注入口61を一斉に開閉可能となる。しかも、液体注入口61と栓79Aは位置関係が決まっているので、1つの液体注入口61の栓79Aが他の液体注入口61にキャップされることで混色が生じる虞を低減できる。
・印刷装置12において、液体収容体28が有する液体注入口61の外側の開口である第2開口61bの左右方向における開口幅D2は、第1実施形態の図6に示すように、液体収容体28の上壁部60の左右方向における幅寸法D3よりも長くなるよう形成される態様に限らない。例えば、図24(a)及び図24(b)に示すように、第2開口61bの開口幅D2が、液体収容体28の上壁部60の幅寸法D3よりも短い構成であってもよい。具体的には、上部筐体17の下面と液体注入口61の上端とが密着されたうえで、上部筐体17に設けられる開口部32が、第2開口61bの開口幅D2と略同一の径で開口する内側の第3開口32aと、それとは反対側の外端開口で液体収容体28の幅寸法D3よりも大きい開口幅D4で開口する第4開口32bとを有するように形成される。これらの場合も、広い開口部32からインクを容易に注入することができる。なお、液体受入部は、液体収容体28のみで形成されても良いし、液体収容体28とこれに連続する上部筐体17の開口部32とで形成されていてもよい。さらに、液体注入口61の液体収容体28側のみが漏斗状でも良いし、上部筐体17側のみが漏斗状でも良いし、液体収容体28側と上部筐体17側の双方が漏斗状でも良い。さらに漏斗状というのは、図24(a)に示すように、なめらかな錐状に限らず、図24(b)に示すように、階段状であってもよいし、錐状と階段状との組み合わせであってもよい。
・第1実施形態及び図22の変形例において、シール部材76が形成する凹部77は、例えば図25(a)、(b)、(c)に示すように、外装部材の一例である液体収容体ハウジング83とシール部材76とが共同して形成してもよい。
・上記実施形態において、液体収容体28は、例えば図26(a)及び(b)に示すように、その後面側に液体供給弁部90と大気連通弁部91を備えた構成であってもよい。この場合、筐体15内において液体収容体28を位置決め状態にして保持可能な保持部となる保持空間部57Cの内奥側(図26では右側)には、液体供給弁部90に対して挿抜自在な液体供給針92と大気連通弁部91に対して挿抜自在な大気連通針93が配置される。液体供給針92には液体噴射ヘッド42に一端側が接続された液体供給チューブ50の他端側が接続され、大気連通針93には大気に一端側が開放された大気連通チューブ94の他端側が接続されている。
図26(a)に示すように、この変形例の液体収容体28は、筐体15の前面の開閉扉23を開放させた状態で、同図に白抜き矢印で示すように前面側から筐体15内の保持空間部57Cに挿入される。すると、図26(b)に示すように、液体供給弁部90に液体供給針92が挿入されると共に、大気連通弁部91に大気連通針93が挿入され、各々の弁部90,91内の弁体(図示略)が開弁される。その結果、液体収容体28内からインクが液体供給弁部90、液体供給針92及び液体供給チューブ50を介して液体噴射ヘッド42に供給される。また、液体収容体28内は大気連通弁部91、大気連通針93及び大気連通チューブ94を介して大気開放される。
なお、図26(a)及び(b)に示すように、筐体15内における保持空間部57Cの上部には、レバー部材95が軸部96を中心にして水平姿勢(図26(a)参照)と垂直姿勢(図26(b)の実線で示す姿勢)との間での回動可能に設けられている。このレバー部材95は、例えば図示しない操作部材の操作により回動され、液体収容体28が保持空間部57Cに挿入されて各弁部90,91に対して各針92,93が挿入されたとき、垂直姿勢となるように回動操作され、液体収容体28の上壁面に形成された凹状部97に係止する。そして、この凹状部97に対するレバー部材95の係止によって、液体収容体28は保持空間部57Cからの抜け止めが規制された位置決め状態となる。
・上記実施形態において、位置合わせ機構を構成する凸部70と縦溝73は、凸部70が保持部材57側に設けられ、縦溝73が液体収容体28側に設けられていてもよい。
・上記実施形態において、位置合わせ機構は、凸部70と縦溝73からなる構成に限らず、例えば雄ねじと雌ねじとの組み合わせや印刷された識別マークなどでもよい。
・第2実施形態において、液体供給ユニット27の筐体15の前面からの突出量は排紙トレイ20の突出量よりも大きくても小さくてもよい。
・液体収容体28の一部が筐体15から突出した第2実施形態において、液体注入口61が筐体15の内部に位置していてもよい。なお、この場合は、液体注入口61の上方となる位置に開口部32が形成されていることが好ましい。この場合も、インクの収容可能容量を大きくできる。
・液体収容体28に、流れ規制部60aや上限部63aは設けなくてもよい。更に、インク量のニアエンドを示す下限部(図示せず)を視認部63に設けてもよい。また、例えば半分の量を示す目盛等を視認部63に設けてもよい。
・上記各実施形態において、印刷装置12は、媒体に印刷することができるものであれば、ドットインパクトプリンターやレーザープリンターであってもよい。また、印刷装置12は、印刷機能だけを備えた単独構成であって、複合機には含まれないものであってもよい。さらに、印刷装置12は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターであってもよい。
・上記各実施形態において、印刷装置12は、4色のインクを用いるものを記載してきたが、1色のインクのみを用いるものでも良いし、2色や3色あるいは5色以上のインクを用いるものであってもよい。液体収容室59の数や液体供給チューブ50等の数は、使用するインクの色数に対応させればよい。
・液体収容体28は、インクの色毎に独立して形成されていてもよいし、複数の色(全ての色であってもよい)の液体収容体28が一体形成をされて一体となっていてもよい、
・媒体は、用紙Pに限定されず、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシート等であってもよい。
・上記実施形態において、印刷装置12は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。