JP6547917B1 - 圧延機及び圧延機の設定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態に係る圧延機と当該圧延機の設定方法では、ロール間に発生するスラスト力をなくし、蛇行及びキャンバーのない、あるいは蛇行及びキャンバーが極めて軽微な製品を安定して製造することを目的とする。図1に、被圧延材Sの圧延時において圧延機のロール間に発生するスラスト力及びスラスト反力を説明するための、圧延機の概略側面図及び概略正面図を示す。以下では、図1に示すように、ロール胴長方向の作業側をWS(Work Side)、駆動側をDS(Drive Side)と表す。
図2〜図6に基づいて、本発明の第1の実施形態に係る圧延機及び当該圧延機を制御するための装置の構成と、圧延機の設定方法とについて説明する。第1の実施形態に係る圧延機の設定方法では、圧下位置零点調整前または圧延開始前に、基準とするロールと他のロールとのロール間クロス角をゼロにするように調整し、スラスト力の発生しない圧延を実現する。
まず、図2に基づいて、本実施形態に係る圧延機と、当該圧延機を制御するための装置とを説明する。図2は、本実施形態に係る圧延機と、当該圧延機を制御するための装置との構成を示す説明図である。なお、図2に示す圧延機は、ロール胴長方向の作業側から見た状態を示しているとする。また、図2では、下補強ロールを基準ロールとした場合の構成を示す。なお、基準ロールは、チョックとハウジングとの接触面積が大きく、位置が安定する最下部または最上部に位置するロールが好ましい。
本実施形態に係る圧延機の設定方法では、圧下位置零点調整前または圧延開始前に、圧下方向に配列された各ロールのうちいずれか1つのロールを基準ロールとして、まず、少なくとも補強ロール以外のロールに作用するロール胴長方向におけるスラスト反力を測定する。そして、測定されたスラスト反力が許容範囲内となるように、基準ロールのロールチョックの圧延方向位置を基準位置として固定し、基準ロール以外のロールのロールチョックを被圧延材の圧延方向に移動させ、ロールチョックの位置を調整する。このようにロールチョックの位置を調整することで、ロール間クロス角をなくし、ロール間スラスト力が発生しないようにする。以下、本実施形態に係る圧延機の設定方法について、具体的に説明する。
まず、図3A〜図4に基づいて、本実施形態に係る圧延機の設定方法について説明する。図3A及び図3Bは、本実施形態に係る圧延機の設定方法を説明するフローチャートであって、基準ロールと反対側のロールからロール位置を調整する場合の例を示す。図4は、本実施形態に係る圧延機の設定方法におけるロール位置調整の手順を示す説明図である。なお、図4においては、ロール間に作用する荷重分布の記載を省略し、スラスト力及びスラスト反力については、対象とするロール間スラスト力のみがスラスト反力の測定値として現れる場合のみを記載している。
圧延を開始するにあたり、図3Aに示すように、まず、ロール間クロス制御装置23は、圧下装置27に、上作業ロール1と下作業ロール2とが所定のキスロール状態となるように、圧下方向におけるロール位置を調整させる(S100a)。圧下装置27は、当該指示に基づきロールに対して所定の負荷を与え、作業ロール1、2をキスロール状態とする。
第1調整では、図4に示すように、基準ロールである下補強ロール4と反対側のロール系にある上補強ロール3に対して作用する上補強ロールスラスト反力がゼロとなるように調整する。そこで、まず、ロール間クロス制御装置23は、駆動用電動機制御装置22により駆動用電動機21を駆動させて、各ロールを回転させる。そして、上補強ロール3に作用するスラスト反力を、上補強ロールスラスト反力測定装置19により測定する(S102a)。上補強ロールスラスト反力測定装置19により測定された上補強ロール3に作用するスラスト反力は、ロール間クロス制御装置23へ出力される。
次いで、第2調整では、図4に示すように、基準ロールである下補強ロール4と反対側のロール系にある上作業ロール1に対して作用する上作業ロールスラスト反力がゼロとなるように、圧延機が調整される。ロール間クロス制御装置23は、駆動用電動機21により各ロールが回転されている状態で、上作業ロール1に作用するスラスト反力を、上作業ロールスラスト反力測定装置17により測定する(S108a)。上作業ロールスラスト反力測定装置17により測定された上作業ロール1に作用するスラスト反力は、ロール間クロス制御装置23へ出力される。
そして、第3調整では、図3B及び図4に示すように、基準ロールである下補強ロール4と同じ側のロール系にある下作業ロール2または下補強ロール4に対して作用するスラスト反力がゼロとなるようにロールチョックの位置を調整することで、各ロールの位置を調整する。既に下作業ロール2から上方のロール系のロール間クロスが調整されていることから、ロール間クロスは下作業ロール2と下補強ロール4との間のみ存在し、それによりスラスト反力が発生する。このとき、同じ大きさで符号の異なるスラスト反力が下作業ロール2と下補強ロール4とに生じる。したがって、いずれかのスラスト反力をゼロにするようにロールチョック位置を調整することによって、ロール間クロスをゼロにすることができる。
次に、図5A〜図6に基づいて、本実施形態に係る圧延機の設定方法の他の例として、基準ロールと反対側の補強ロール以外のロールスラスト反力を測定する場合について説明する。図5A及び図5Bは、本実施形態に係る圧延機の設定方法を説明するフローチャートであって、基準ロール側のロールからロールの位置を調整する場合の例を示す。図6は、本実施形態に係る圧延機の設定方法におけるロール位置調整の手順を示す説明図である。なお、図6においては、ロール間に作用する荷重分布の記載を省略し、スラスト力及びスラスト反力については、対象とするロール間スラスト力のみがスラスト反力の測定値として現れる場合のみを記載している。
圧延を開始するにあたり、図5Aに示すように、まず、ロール間クロス制御装置23は、圧下装置27に、上作業ロール1と下作業ロール2とが所定のキスロール状態となるように、圧下方向におけるロール位置を調整させる(S100b)。圧下装置27は、当該指示に基づきロールに対して所定の負荷を与え、作業ロール1、2をキスロール状態とする。
第1調整では、図6に示すように、基準ロールである下補強ロールに対して作用する下補強ロールスラスト反力がゼロとなるように調整する。そこで、まず、ロール間クロス制御装置23は、駆動用電動機制御装置22により駆動用電動機21を駆動させて、各ロールを回転させる。そして、下補強ロール4に作用するスラスト反力を、下補強ロールスラスト反力測定装置20により測定する(S102b)。下補強ロールスラスト反力測定装置20により測定された下補強ロール4に作用するスラスト反力は、ロール間クロス制御装置23へ出力される。
次いで、第2調整では、図6に示すように、基準ロールである下補強ロール4側のロール系にある下作業ロール2に対して作用する下作業ロールスラスト反力がゼロとなるように、圧延機が調整される。ロール間クロス制御装置23は、駆動用電動機21により各ロールが回転されている状態で、下作業ロール2に作用するスラスト反力を、下作業ロールスラスト反力測定装置18により測定する(S108b)。下作業ロールスラスト反力測定装置18により測定された下作業ロール2に作用するスラスト反力は、ロール間クロス制御装置23へ出力される。
そして、第3調整では、図5B及び図6に示すように、基準ロールである下補強ロール4と反対側のロール系にある上作業ロール1に対して作用するスラスト反力がゼロとなるようにロールチョックの位置を調整することで、各ロールの位置を調整する。上作業ロールスラスト反力測定装置17は、駆動用電動機21により各ロールが回転されている状態で、上作業ロール1に作用するスラスト反力を測定する(S114b)。上作業ロールスラスト反力測定装置17により測定された上作業ロール1に作用するスラスト反力は、ロール間クロス制御装置23へ出力される。
次に、図7〜図9に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る圧延機及び当該圧延機を制御するための装置の構成と、圧延機の設定方法とについて説明する。第2の実施形態に係る圧延機の設定方法では、まず、上作業ロール1と上補強ロール3とからなる上ロール系と、下作業ロール2と下補強ロール4とからなる下ロール系とについて、それぞれ作業ロールと補強ロールとの間のスラスト反力がゼロとなるようにする。その後、上作業ロール1と下作業ロール2とをキスロール状態にして、上作業ロール1と下作業ロール2との間のスラスト反力がゼロとなるようにする。これにより、圧延機を構成するすべてのロールのロール間クロス角をゼロにするように調整し、スラスト力の発生しない圧延を実現する。
まず、図7に基づいて、本実施形態に係る圧延機と、当該圧延機を制御するための装置とを説明する。図7は、本実施形態に係る圧延機と、当該圧延機を制御するための装置との構成を示す説明図である。図7に示す圧延機は、ロール胴長方向の作業側から見た状態を示しており、下補強ロールを基準ロールとした場合の構成を示している。
次に、図8A〜図9に基づいて、本実施形態に係る圧延機の設定方法について説明する。図8A及び図8Bは、本実施形態に係る圧延機の設定方法を示すフローチャートである。図9は、図8A及び図8Bに示す圧延機の設定方法におけるロール位置調整の手順を示す説明図である。なお、図9においては、ロール間に作用する荷重分布の記載を省略し、スラスト力及びスラスト反力については、対象とするロール間スラスト力のみがスラスト反力の測定値として現れる場合のみを記載している。
まず、図8Aに示すように、ロール間クロス制御装置23は、圧下装置27に、上作業ロール1と下作業ロール2とのロールギャップが所定の間隙を有する開状態となるように、圧下方向におけるロール位置を調整させる(S200)。圧下装置27は、当該指示に基づきインクリースベンディング力をバランス状態として、作業ロール1、2のロールギャップを開状態とする。なお、ここで、バランス状態とは、作業ロール、ロールチョック等の自重を持ち上げる程度のベンディング力を負荷している状態のことをいい、作業ロールと補強ロールとの間に作用する荷重がほぼゼロであることを意味する。
上ロール系及び下ロール系それぞれにおいて、作業ロールと補強ロールとのロール間クロスが調整されると、次に、ロール間クロス制御装置23は、第2調整として、図9下側に示すように、上ロール系と下ロール系とのロール間クロスを調整する。まず、ロール間クロス制御装置23は、圧下装置27に、上作業ロール1と下作業ロール2とが所定のキスロール状態となるように、圧下方向におけるロール位置を調整させる(S210)。圧下装置27は、当該指示に基づきロールに対して所定の負荷を与え、作業ロール1、2を接触させてキスロール状態とする。
上述の第1及び第2の実施形態に係る圧延機の設定方法では、ロール間クロスをなくすために、ロール間に発生するスラスト反力がゼロまたは許容範囲内の値となるように、ロールチョックの位置制御を行っている。これは、スラスト反力とロール間クロス角との間に、以下に示すような相関があるという知見に基づいている。以下、図10〜図16に基づいて、ロール間クロス角と各種値との関係について説明する。
まず、図10〜図12に基づいて、作業ロールのロールギャップが開状態である場合での、ロール間クロスと各種値との関係について説明する。図10は、ロールギャップが開状態である圧延機の、作業ロール1、2及び補強ロール3、4の配置を示す説明図である。図11は、ロール間クロス角の定義を示す説明図である。図12は、作業ロール径80mmの小型圧延機において行った実験結果であり、ロールギャップ開状態での、補強ロールクロス角と、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力との一関係を示すグラフである。なお、図12において、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力は、補強ロールクロス角を増加方向に設定した場合と減少方向に設定した場合とについてそれぞれ測定し、増加方向での測定値と減少方向での測定値とを平均化した値を表示している。
次に、図13及び図14に基づいて、作業ロールがキスロール状態である場合での、ロール間クロスと各種値との関係について説明する。図13は、キスロール状態にされた圧延機の、作業ロール1、2及び補強ロール3、4の配置を示す説明図である。図14は、キスロール状態での、補強ロールクロス角と、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力との一関係を示すグラフである。なお、図14において、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力は、補強ロールクロス角を増加方向に設定した場合と減少方向に設定した場合とについてそれぞれ測定し、増加方向での測定値と減少方向での測定値とを平均化した値を表示している。
次に、図15及び図16に基づいて、作業ロールがキスロール状態である場合での、ロール間クロスと各種値との関係について説明する。図15は、キスロール状態にされた圧延機の、作業ロール1、2及び補強ロール3、4の配置を示す説明図である。図16は、キスロール状態での、作業ロールと補強ロールとのペアクロス角、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力の一関係を示すグラフである。なお、図16において、上下の補強ロールスラスト反力、及び、上下の作業ロールスラスト反力は、ペアクロス角を増加方向に設定した場合と減少方向に設定した場合とについてそれぞれ測定し、増加方向での測定値と減少方向での測定値とを平均化した値を表示している。
例えば、上記実施形態では、例えば図2に示すように、作業ロールチョックの圧延方向における位置を検出するロールチョック位置検出機能付の駆動装置を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ロールチョック位置検出装置の代わりに、回転角検出機能付サーボモータを用いても、作業ロールチョックの圧延方向における位置を測定することができる。すなわち、図17に示す上作業ロール1及び上作業ロールチョック5のように、上作業ロールチョック5の圧延方向において、上作業ロールチョック位置検出機能付駆動装置11と対向するように、回転角検出機能付サーボモータ34を設けてもよい。
図21に基づいて、上述の本発明の各実施形態に係る圧延機を制御するための装置のハードウェア構成例について、詳細に説明する。図21は、本発明の各実施形態に係る圧延機を制御するための装置として機能する情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
2 下作業ロール
3 上補強ロール
4 下補強ロール
5a 上作業ロールチョック(作業側)
5b 上作業ロールチョック(駆動側)
6a 下作業ロールチョック(作業側)
6b 下作業ロールチョック(駆動側)
7a 上補強ロールチョック(作業側)
7b 上補強ロールチョック(駆動側)
8a 下補強ロールチョック(作業側)
8b 下補強ロールチョック(駆動側)
9 上作業ロールチョック押圧装置
10 下作業ロールチョック押圧装置
11 上作業ロールチョック位置検出機能付駆動装置
12 下作業ロールチョック位置検出機能付駆動装置
13 上補強ロールチョック押圧装置
14 上補強ロールチョック位置検出機能付駆動装置
15 ロールチョック圧延方向力制御装置
16 ロールチョック位置制御装置
17 上作業ロールスラスト反力測定装置
18 下作業ロールスラスト反力測定装置
19 上補強ロールスラスト反力測定装置
20 下補強ロールスラスト反力測定装置
21 駆動用電動機
22 駆動用電動機制御装置
23 ロール間クロス制御装置
24a 入側上インクリースベンディング装置
24b 出側上インクリースベンディング装置
25a 入側下インクリースベンディング装置
25b 出側下インクリースベンディング装置
26 インクリースベンディング制御装置
27 圧下装置
28a 上荷重測定装置(作業側)
28b 上荷重測定装置(駆動側)
29a 下荷重測定装置(作業側)
29b 下荷重測定装置(駆動側)
30 ハウジング
32 上側差荷重演算部[減算器]
33 下側差荷重演算部[減算器]
34 回転角検出機能付サーボモータ
40 下補強ロールチョック押圧装置
41 上中間ロール
42 下中間ロール
43 上中間ロールチョック
43a 上中間ロールチョック(作業側)
43b 上中間ロールチョック(駆動側)
44 下中間ロールチョック
44a 下中間ロールチョック(作業側)
44b 下中間ロールチョック(駆動側)
45 上中間ロールスラスト反力測定装置
46 下中間ロールスラスト反力測定装置
Claims (10)
- 圧延機の設定方法であって、
前記圧延機は、少なくとも一対の作業ロールと前記作業ロールを支持する一対の補強ロールとを含む、複数のロールを備える4段以上の圧延機であり、
圧下位置零点調整前または圧延開始前に、圧下方向に配列された各ロールのうちいずれか1つのロールを基準ロールとして、
少なくとも前記補強ロール以外の前記ロールに作用するロール胴長方向におけるスラスト反力を測定するスラスト反力測定ステップと、
測定された前記スラスト反力が許容範囲内となるように、前記基準ロールのロールチョックの圧延方向位置を基準位置として固定し、前記基準ロール以外の前記ロールのロールチョックを被圧延材の圧延方向に移動させ、前記ロールチョックの位置を調整するロールチョック位置調整ステップと、
を含む、圧延機の設定方法。 - 前記複数のロールのうち圧下方向において最下部または最上部に位置するロールを前記基準ロールとする、請求項1に記載の圧延機の設定方法。
- 前記ロールチョック位置調整ステップでは、前記作業ロールをキスロール状態にして、前記基準ロールと反対側のロールから順に、隣接する前記ロール間に発生するスラスト反力が許容範囲内となるように、位置調整対象の前記ロールの前記ロールチョックを前記被圧延材の圧延方向に移動させて、当該ロールチョックの位置を調整し、
このとき、すでに前記ロールチョックの位置が調整された前記ロールの前記ロールチョックを、位置調整対象の前記ロールの前記ロールチョックとの相対位置を保持しながら、同時かつ同方向に制御する、請求項2に記載の圧延機の設定方法。 - 前記ロールチョック位置調整ステップでは、前記作業ロールをキスロール状態にして、前記基準ロール側から順に、隣接する前記ロール間に発生するスラスト反力が許容範囲内となるように、位置調整対象の前記ロールの前記ロールチョックを前記被圧延材の圧延方向に移動させて、当該ロールチョックの位置を調整し、
このとき、前記ロールチョックの位置が未調整である前記ロールの前記ロールチョックを、位置調整対象の前記ロールの前記ロールチョックとの相対位置を保持しながら、同時かつ同方向に制御する、請求項2に記載の圧延機の設定方法。 - 4段の前記圧延機において、前記被圧延材に対して圧下方向上側に設けられた複数のロールを上ロール系、前記被圧延材に対して圧下方向下側に設けられた複数のロールを下ロール系として、
前記ロールチョック位置調整ステップでは、
前記作業ロールのロールギャップを開状態とし、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、前記作業ロールの前記ロールチョックと前記補強ロールの前記ロールチョックとの位置を調整する第1調整と、
前記第1調整を終えた後、前記作業ロールをキスロール状態にして、前記上ロール系または前記下ロール系のいずれか一方を基準ロール系とし、他方のロール系の各ロールの前記ロールチョックを、当該ロールチョックの相対位置を保持しながら同時かつ同方向に制御して、当該ロールチョックの位置を調整する第2調整と、
を実施し、
前記第1調整では、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、前記作業ロールの前記ロールチョックに対してベンディング装置によりベンディング力を負荷させた状態で、測定された前記スラスト反力が許容範囲内となるように、前記基準ロール側の前記作業ロールの前記ロールチョック、及び、前記基準ロールと反対側のロール系の前記作業ロールの前記ロールチョックまたは前記補強ロールの前記ロールチョックのいずれか一方を前記被圧延材の圧延方向に移動させて、前記ロールチョックの位置を調整する、請求項2に記載の圧延機の設定方法。 - 前記圧延機は、前記作業ロールと前記補強ロールとの間に中間ロールをそれぞれ備える6段の前記圧延機であり、
前記被圧延材に対して圧下方向上側に設けられた複数のロールを上ロール系、前記被圧延材に対して圧下方向下側に設けられた複数のロールを下ロール系として、
前記ロールチョック位置調整ステップでは、
前記作業ロールのロールギャップを開状態とし、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、前記中間ロールの前記ロールチョックと前記補強ロールの前記ロールチョックとの位置を調整する第1調整と、
前記第1調整を終えた後、前記作業ロールのロールギャップを開状態に維持して、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、前記中間ロールの前記ロールチョックと前記作業ロールの前記ロールチョックとの位置を調整する第2調整と、
前記第2調整を終えた後、前記作業ロールをキスロール状態にして、前記上ロール系または前記下ロール系のいずれか一方を基準ロール系とし、他方のロール系の各ロールの前記ロールチョックを、当該ロールチョックの相対位置を保持しながら同時かつ同方向に制御して、当該ロールチョックの位置を調整する第3調整と、
を実施し、
前記第1調整及び前記第2調整は、前記中間ロールの前記ロールチョック及び前記作業ロールの前記ロールチョックに対してベンディング装置によりベンディング力を負荷させた状態で行われ、
前記第1調整では、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、測定された前記スラスト反力が許容範囲内となるように、前記基準ロール側の前記中間ロールの前記ロールチョック、及び、前記基準ロールと反対側のロール系の前記中間ロールの前記ロールチョックまたは前記補強ロールの前記ロールチョックのいずれか一方を前記被圧延材の圧延方向に移動させて、前記ロールチョックの位置を調整し、
前記第2調整では、前記上ロール系及び前記下ロール系それぞれについて、
測定された前記スラスト反力が許容範囲内となるように、前記基準ロール側の前記作業ロールの前記ロールチョック、及び、前記基準ロールと反対側のロール系の前記中間ロールの前記ロールチョックまたは前記作業ロールの前記ロールチョックのいずれか一方を前記被圧延材の圧延方向に移動させて、前記ロールチョックの位置を調整し、
前記基準ロールと反対側のロール系の前記中間ロールの前記ロールチョックを移動させる場合には、当該中間ロールの前記ロールチョックとこれに隣接する前記補強ロールの前記ロールチョックとの相対位置を保持しながら同時かつ同方向に制御する、請求項2に記載の圧延機の設定方法。 - 少なくとも一対の作業ロールと前記作業ロールを支持する一対の補強ロールとを含む、複数のロールを備える4段以上の圧延機であって、
圧下方向に配列された各ロールのうちいずれか1つのロールを基準ロールとして、
少なくとも前記補強ロール以外の各前記ロールに作用するロール胴長方向におけるスラスト反力を測定する測定装置と、
少なくとも前記基準ロール以外の前記ロールのロールチョックに対し、圧延方向入側または出側のいずれか一方に設けられ、被圧延材の圧延方向に押圧する押圧装置と、
少なくとも前記基準ロール以外の前記ロールのロールチョックに対し、圧延方向において前記押圧装置と対向するように設けられ、被圧延材の圧延方向に移動させる駆動装置と、
前記基準ロールのロールチョックの圧延方向位置を基準位置として固定し、前記駆動装置を駆動して、各前記ロールのスラスト反力が許容範囲内の値となるように、前記基準ロール以外の前記ロールの前記ロールチョックの圧延方向における位置を制御する位置制御装置と、
を備える、圧延機。 - 前記複数のロールのうち圧下方向において最下部または最上部に位置するロールを前記基準ロールとする、請求項7に記載の圧延機。
- 前記ロールに対してベンディング力を付与するベンディング装置を備え、
前記位置制御装置は、位置調整対象とする前記ロールと位置調整対象外の前記ロールとのロールギャップを開状態にし、前記位置調整対象の前記ロールの前記ロールチョックに対して、前記ベンディング装置によりベンディング力を付与する、請求項7または8に記載の圧延機。 - 前記駆動装置は、ロールチョック位置検出装置を備えた油圧シリンダである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の圧延機。
Applications Claiming Priority (3)
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Publications (2)
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