JP6547236B2 - コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置 - Google Patents

コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6547236B2
JP6547236B2 JP2015019467A JP2015019467A JP6547236B2 JP 6547236 B2 JP6547236 B2 JP 6547236B2 JP 2015019467 A JP2015019467 A JP 2015019467A JP 2015019467 A JP2015019467 A JP 2015019467A JP 6547236 B2 JP6547236 B2 JP 6547236B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cord
rubber
rubber coating
tension
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015019467A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016141075A (ja
Inventor
慶 大西
慶 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015019467A priority Critical patent/JP6547236B2/ja
Publication of JP2016141075A publication Critical patent/JP2016141075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6547236B2 publication Critical patent/JP6547236B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置に関する。
コード−ゴムコーティング反は、スチールタイヤの製造において用いられる。このコード−ゴムコーティング反は、複数本のスチールコードをクリールスタンドにセットされたスプールから引き出し、整列させた後、カレンダー装置などを用いてスチールコードにゴムを被覆(コーティング)することにより製造される。製造されたコード−ゴムコーティング反は、所定の長さに切断された後、両側縁部を接合して接続されることによりタイヤのカーカスやベルトの部材として次工程に供給される。
製造されたコード−ゴムコーティング反が所定の長さに切断されたとき、切断したシートの耳部が跳ね上がって「カール(反り)」が発生することがある。カールが発生すると搬送時にコンベアベルト上で引っかかり搬送性が阻害されると共に、自動化された接続機械を用いた場合にうまく接続されず生産性が著しく悪化するなどの問題の発生を招く恐れがある。
このようなカールの発生は、整列された複数本のスチールコードの曲りが一定方向に揃った時やスチールコードの真直性が低い場合に発生しやすいことが分かっている。
そこで、例えば、整列された複数本のスチールコードの曲りが一定方向に揃わないように、スプール芯径を大きくする方法、スプール上側巻出しと下側巻出しを交互にする方法、および搬送用ベルトコンベア上でコード−ゴムコーティング反のカール方向を下側へ向ける方法のいずれか、またはこれらを組み合わせて実施する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開平8−13366号公報 特開2012−166441号公報
しかしながら、スプール芯径を大きくする方法や搬送用ベルトコンベア上でカール方向を下側へ向ける方法は、汎用装置の大幅な改造を必要とする。また、カール方向を下側に向ける方法を用いても、カールの程度が大きい場合には接続性の向上が望めないという問題がある。また、スプール上側巻出しと下側巻出しを交互にする方法は、大幅に作業工数が増加して、生産性が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、汎用装置の大幅な改造や作業工数の大幅な増加を必要とすることなく、コード−ゴムコーティング反におけるカールの発生を抑制する技術を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
クリールスタンドにセットされた複数のスプールに巻きつけられた複数のスチールコードを引き出して整列させた後、ゴムでコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反を製造するコード−ゴムコーティング反の製造方法であって、
ゴムをコーティングする工程の上流側において、整列させた前記スチールコードに掛かる引出しテンションを測定し、
測定された前記引き出しテンションが予め設定されている圧力範囲内の場合は、ブレーキ圧力を調整しないで、そのままスチールコードを引き出し、
測定された前記引出しテンションが予め設定されている圧力範囲を外れている場合、前記クリールスタンドのブレーキ圧力を調整して、引出しテンションが前記予め設定されている圧力範囲内となるように調整して、前記スチールコードを引き出し、
前記予め設定されている圧力範囲が700cN/本±3%である
ことを特徴とするコード−ゴムコーティング反の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記引出しテンションの測定をロードセルにより行うことを特徴とする請求項1に記載のコード−ゴムコーティング反の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記スチールコードとして、コード径0.30〜1.50mm、エンズ15〜75本/5cmの撚線を使用し、幅500〜1500mmのコード−ゴムコーティング反を製造することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコード−ゴムコーティング反の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、
クリールスタンドにセットされた複数のスプールに巻きつけられた複数のスチールコードを引き出して整列させた後、ゴムでコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反を製造するコード−ゴムコーティング反の製造装置であって、
整列させた前記スチールコードをカレンダーロールまで誘導する誘導手段と、
整列させた前記スチールコードにゴムをコーティングするカレンダーロールと
を備えており、
さらに、整列させた前記スチールコードに掛かる引出しテンションを測定するテンションメーターが、前記クリールスタンドと前記カレンダーロールの間に設けられており、
測定された前記引き出しテンションが予め設定されている圧力範囲内の場合は、ブレーキ圧力を調整しないで、そのままスチールコードを引き出し、
測定された前記引出しテンションが予め設定されている圧力範囲を外れている場合、前記クリールスタンドのブレーキ圧力を調整して、引出しテンションが前記予め設定されている圧力範囲内となるように調整して、前記スチールコードを引き出すように構成されおり、
前記予め設定されている圧力範囲が700cN/本±3%である
ことを特徴とするコード−ゴムコーティング反の製造装置である。
請求項5に記載の発明は、
前記テンションメーターがロードセルであることを特徴とする請求項4に記載のコード−ゴムコーティング反の製造装置である。
本発明によれば、汎用装置の大幅な改造や作業工数の大幅な増加を必要とすることなく、コード−ゴムコーティング反におけるカールの発生を抑制する技術を提供することができる。
コード−ゴムコーティング反に発生するカールの要因を説明する斜視図である。 撚り線コードを説明する斜視図である。 コード−ゴムコーティング反における残留トーションを要因とするカールの発生を概念的に説明する斜視図である。 コード−ゴムコーティング反におけるアークハイトを要因とするカールの発生を概念的に説明する斜視図である。 コード−ゴムコーティング反に発生するカールの要因別の比率を示す図である。 コード−ゴムコーティング反に発生するカールを示す図である。 従来のコード−ゴムコーティング反の製造方法の概略を模式的に示す側面図である。 スチールコードの巻出し長さとスチールコードに掛かるテンションの関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法の概略を模式的に示す側面図である。 実施例において測定された荷重とスチールコードの巻出し長さの関係(a)、および、クリールスタンドブレーキ圧と巻出し長さの関係(b)を示す図である。 比較例において測定された荷重とスチールコードの巻出し長さの関係(a)、および、クリールスタンドブレーキ圧と巻出し長さの関係(b)を示す図である。 実施例におけるコード−ゴムコーティング反に発生するカールの要因別の比率を示す図である。 比較例におけるコード−ゴムコーティング反に発生するカールの要因別の比率を示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
1. 本発明に至った経緯
初めに、本発明に至った経緯について説明する。
前記したように、コード−ゴムコーティング反の製造に際して、整列された複数本のスチールコードの曲りが一定方向に揃った時やスチールコードの真直性が低い場合にカールが発生しやすい。
具体的には、整列された複数本のスチールコードの曲りが一定方向に揃った場合には、図1(a)に示すように、シートGの対角が立ち上がるカールが発生しやすく、スチールコードの真直性が低い場合には、図1(b)に示すように、シートGの四隅が立ち上がるカールが発生しやすい。
このようなカールが発生するメカニズムは以下のように考えられる。
まず、図1(a)に示すシートGの対角が立ち上がるカールは、図2で示すように、スチールコード1として、フィラメント(単線)Fを撚り合わせて作った撚り線のスチールコード1が使用されていることにより発生する。このような撚り線コードにゴムをコーティングした後フリーにした際、例えば、図3に示す矢印Aのように、残留トーションとしてスチールコード1が回転して撚りが緩む力があると、太い矢印Bで示すようにシートGが上方にカールする。また、逆に、残留トーションとしてスチールコード1が回転して撚りが締まる力があると、シートGが下方にカールする。
スチールコードを生産する過程で残留トーションがゼロ(緩みも締まりもしない)になるように生産していたとしても、コード−ゴムコーティング反を生産する工程において、ゴムコーティング前に過剰な引出しテンションをかけると、スチールコードの撚りが緩む方向に回転してしまい、ゴムコーティングした後にスチールコードをフリーにした際スチールコードが締まる方向に戻るため、シートの対角が立ち上がるカールが発生する。逆に引出しテンションが低すぎる場合も、同様に、シートの対角が立ち上がるカールが発生する。
即ち、残留トーションによるシートの対角が立ち上がるカールの発生は、コード−ゴムコーティング反を生産する工程におけるスチールコードの引出しテンションと関係している。
一方、図1(b)に示すシートの四隅が立ち上がるカールは、スチールコードの真直性が低い場合、スチールコードをフリーにして置いた際、アーチ状に変形すること(アークハイト要因)により発生する。即ち、スチールコード1がアーチ状に変形して、図4(a)に示す矢印Cのように力が働くと、太い矢印Dで示すようなカールが発生して、シートGの四隅が立ち上がる。
なお、スチールコード1のアークハイトの程度は、図4(b)に示すように、スチールコード1の両端をフリーにして500mm長さに置いた際の曲がりにより発生する高さにより評価される。
本発明者が、従来のコード−ゴムコーティング反の製造方法において発生したカールについて、その要因を調査したところ、27万m/月のスピードで2週間、コード−ゴムコーティング反を製造した場合、カールの発生が61件見られ、その内訳は、図5に示すように、残留トーションに起因して発生するカールが全体の77%を占めているのに対して、アークハイト要因によるカールは10%に留まっており(残りは、不明の要因により発生したカール)、カールの発生の抑制に際しては、残留トーションのコントロールが重要であることが分かった。
なお、図5における分類は、図6に示すように、基準線に対するカールの高さに基づいて行った。具体的には、上端のカールの高さと下端のカールの高さとの積に基づいて、図6(a)のように、カールの発生が+、−であり、積が負となる場合は「残留トーション要因」とし、図6(b)のようにカールの発生がいずれも+であり、積が正となる場合は「アークハイト要因」とし、その他で積が0となる場合は「不明の要因」と分類した。
そこで、本発明者は、従来のコード−ゴムコーティング反の製造方法において何故カールが発生するのか検討を行った。図7は、従来のコード−ゴムコーティング反の製造方法の概略を示す側面図である。図7に示すように、クリールスタンド2にセットされた複数のスプール9から引き出された各スチールコード1は、整列ロール3で整列した後、ゴムロール4およびプレスロール5によりカレンダーロール6まで誘導されて、カレンダーロール6においてゴムでコーティングされてコード−ゴムコーティング反となる。
このとき、クリールスタンド2のブレーキ圧は一定に設定されているため、引出し径がスチールコードの巻出しによって変化していき、スチールコード1を巻出すにつれてスチールコード1に掛かる引出しテンションが変化する。この従来のコード−ゴムコーティング反の製造装置におけるスチールコードの巻出し長さ(m)とスチールコードに掛かる引出しテンション(cN/本)との関係の一例を図8に菱形の点で示す。
図8より、スチールコード巻出し長さが長くなるにつれて、スプール9の重量が軽くなって、ブレーキの効きが良くなり、スチールコード1に掛かる引出しテンションが大きくなっていくことが分かり、この引出しテンションが大きくなっていくことが残留トーションを発生させてカールの発生を招いていることが分かった。
そこで、本発明者は、スチールコードの巻出し長さによらず、スチールコードに掛かる引出しテンションが殆ど変化せず一定の範囲に留まるように制御することができれば、残留トーションに基づくカールの発生が抑制できると考え、本発明のコード−ゴムコーティング反の製造方法に思い至った。
2.本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法および装置
以下、本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法および装置について説明する。
本発明の実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法は、整列させたスチールコードに掛かる引出しテンションを一定の範囲内に調整することにより、カールの発生が抑制されたコード−ゴムコーティング反を製造する方法である。
即ち、本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法は、クリールスタンドにセットされた複数のスプールに巻きつけられた複数のスチールコードを引き出し、整列させた後、ゴムでコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反を製造するコード−ゴムコーティング反の製造方法であって、ゴムをコーティングする工程の上流側において、整列させた前記スチールコードに掛かる引出しテンションを測定し、測定された引出しテンションが、カールの発生を招かない圧力範囲として予め設定されている圧力範囲を外れている場合、クリールスタンドのブレーキ圧力を調整して、引出しテンションが予め設定されている圧力範囲内となるように調整して、スチールコードを引き出す。
本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造方法におけるスチールコードの巻出し長さとスチールコードに掛かる引出しテンションとの関係の一例を図8に正方形の点で示す。図8に示すように、本実施の形態においては、スチールコード巻出し長さが長くなっても引出しテンションが殆ど変化せず、ほぼ700cN/本で一定になるように制御されている。
この結果、コード−ゴムコーティング反の全体に亘り、カールの発生を招かない圧力範囲でスチールコードが引き出されてコーティングされることになり、カールが発生しにくくなる。以下、具体的に説明する。
図9は本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造装置の概略を示す側面図である。
図9において、1はスチールコード、2はクリールスタンド、3は整列ロール、4はゴムロール、5はプレスロール、6はカレンダーロール、9はスプールであり、以上は、従来のコード−ゴムコーティング反の製造装置と同様である。
しかし、本実施の形態に係るコード−ゴムコーティング反の製造装置は、図9に示すように、整列ロール3とゴムロール4との間に、ロードセル(荷重計)10が設けられており、ロードセル10により測定される荷重が所定の数値範囲内となるように調整するように構成されている点において従来のコード−ゴムコーティング反の製造装置と異なっている。
ロードセル10を用いて引き出されたスチールコード1からロードセル10に掛かる荷重を測定することにより、スチールコード1に掛かる引出しテンションを求めることができるため、ロードセル10をテンションメータとして使用し、測定される荷重が所定の数値範囲内となるように調整することにより、スチールコードに掛かる引出しテンションを所定の圧力範囲内となるように調整することができる。
具体的には、整列ロール3とゴムロール4の間の整列したスチールコードにロードセル10が接触し、スチールコード1を押さえるようにしてロードセル10に掛かる荷重を測定している。そして、測定された荷重に基づいてスチールコードに掛かる引出しテンションを求め、クリールスタンド2にフィードバックする。このとき、ロードセル10による測定荷重が予め設定された数値範囲を外れている場合には、測定荷重がこの数値範囲に収まるように、クリールスタンド2のブレーキ圧力を調整して、スチールコードを引き出す。
これにより、スチールコードの引出しテンションを、スチールコード巻出し長さが長くなっても常に一定の圧力範囲内にコントロールすることができるため、残留トーションの発生が抑制されてカールが発生しにくくなる。
なお、本実施の形態においては、スチールコードとして、コード径0.30〜1.50mm、エンズ15〜75本/5cmの撚線を使用し、幅が500〜1500mmのコード−ゴムコーティング反を製造することが好ましく、このようなスチールコードを用いてコード−ゴムコーティング反を製造した場合、残留トーションを要因とするカールの発生をより顕著に抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
1.試験体の作成
(1)実施例
コード径0.69mm(コード撚り1×4×0.27HT)、エンズ40本/5cmの撚線を使用しゴムをコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反をプライ作製用のTOP反として製造した。
このとき、ロードセルによる測定荷重を600kgの設定に対して、±3%の範囲を外れた時、測定荷重が設定荷重値600kgの±3%の範囲内になるようにクリールスタンドブレーキ圧を当初の0.14kgf/cmから増減させる制御を行うことにより、引出しテンションが予め設定されている圧力範囲内となるように調整した。
図10に、実施例において測定された荷重とスチールコードの巻出し長さの関係(a)、および、クリールスタンドブレーキ圧と巻出し長さの関係(b)を示す。
図10より分かるように、実施例においては、測定された荷重が設定範囲(±3%)の上限に達した時点で、クリールスタンドブレーキ圧を下げることにより、荷重を当初設定された荷重値に戻すことを繰り返して、荷重が所定の設定範囲内に留まり、引出しテンションが所定の設定範囲内に留まるように制御している。
(2)比較例
クリールスタンドブレーキ圧を当初の0.14kgf/cmから変化させなかったこと以外は、実施例と同様にして、TOP反を製造した。
図11に、比較例において測定された荷重とスチールコードの巻出し長さの関係(a)、および、クリールスタンドブレーキ圧と巻出し長さの関係(b)を示す。
図11より分かるように、比較例においては、クリールスタンドブレーキ圧を一定に設定しているため、ロードセルにより測定された荷重は巻出し長さの増加に合わせて上昇し、引出しテンションも増加している。
2.カールの発生量についての評価
実施例および比較例に基づいて、27万m/月のスピードで2週間コード−ゴムコーティング反の製造を行い、カールの発生件数を測定し、さらに、カールが発生した要因について調査した。
その結果、カールの発生が実施例では18件に留まり、比較例における61件に比べて大きく減少することが確認できた。そして、要因ごとに分類した結果を、図12(実施例)および図13(比較例)に示す。そして、表1に、残留トーションを要因とするカールの発生件数を、比較例における発生件数を100とする相対評価で示す。
Figure 0006547236
図12より分かるように、実施例においては、残留トーションによるカール発生は全体の28%(5件)に留まっており、比較例における78%(48件)に比較して大幅に減少している(件数ベースでは、表1に示すように89%減少)。なお、アークハイトを要因とするカールの発生件数や不明な要因によるカールの発生件数は、実施例と比較例の間で差は認められなかった。このため、図12においては、アークハイトを要因とするカールの発生比率、および不明な要因によるカールの発生比率が比較例よりも高くなっている。
この結果より、スチールコードの巻出し長さによらず、常にスチールコードに掛かる引出しテンションが一定になるように制御することにより、残留トーションによるカールの発生を大きく低減させて、全体としてのカールの発生も減少させることができることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 スチールコード
2 クリールスタンド
3 整列ロール
4 ゴムロール
5 プレスロール
6 カレンダーロール
9 スプール
10 ロードセル
A、B、C、D 矢印
F フィラメント
G シート

Claims (5)

  1. クリールスタンドにセットされた複数のスプールに巻きつけられた複数のスチールコードを引き出して整列させた後、ゴムでコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反を製造するコード−ゴムコーティング反の製造方法であって、
    ゴムをコーティングする工程の上流側において、整列させた前記スチールコードに掛かる引出しテンションを測定し、
    測定された前記引き出しテンションが予め設定されている圧力範囲内の場合は、ブレーキ圧力を調整しないで、そのままスチールコードを引き出し、
    測定された前記引出しテンションが予め設定されている圧力範囲を外れている場合、前記クリールスタンドのブレーキ圧力を調整して、引出しテンションが前記予め設定されている圧力範囲内となるように調整して、前記スチールコードを引き出し、
    前記予め設定されている圧力範囲が700cN/本±3%である
    ことを特徴とするコード−ゴムコーティング反の製造方法。
  2. 前記引出しテンションの測定をロードセルにより行うことを特徴とする請求項1に記載のコード−ゴムコーティング反の製造方法。
  3. 前記スチールコードとして、コード径0.30〜1.50mm、エンズ15〜75本/5cmの撚線を使用し、幅500〜1500mmのコード−ゴムコーティング反を製造することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコード−ゴムコーティング反の製造方法。
  4. クリールスタンドにセットされた複数のスプールに巻きつけられた複数のスチールコードを引き出して整列させた後、ゴムでコーティングすることによりコード−ゴムコーティング反を製造するコード−ゴムコーティング反の製造装置であって、
    整列させた前記スチールコードをカレンダーロールまで誘導する誘導手段と、
    整列させた前記スチールコードにゴムをコーティングするカレンダーロールと
    を備えており、
    さらに、整列させた前記スチールコードに掛かる引出しテンションを測定するテンションメーターが、前記クリールスタンドと前記カレンダーロールの間に設けられており、
    測定された前記引き出しテンションが予め設定されている圧力範囲内の場合は、ブレーキ圧力を調整しないで、そのままスチールコードを引き出し、
    測定された前記引出しテンションが予め設定されている圧力範囲を外れている場合、前記クリールスタンドのブレーキ圧力を調整して、引出しテンションが前記予め設定されている圧力範囲内となるように調整して、前記スチールコードを引き出すように構成されおり、
    前記予め設定されている圧力範囲が700cN/本±3%である
    ことを特徴とするコード−ゴムコーティング反の製造装置。
  5. 前記テンションメーターがロードセルであることを特徴とする請求項4に記載のコード−ゴムコーティング反の製造装置。
JP2015019467A 2015-02-03 2015-02-03 コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置 Active JP6547236B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015019467A JP6547236B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015019467A JP6547236B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016141075A JP2016141075A (ja) 2016-08-08
JP6547236B2 true JP6547236B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=56569315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015019467A Active JP6547236B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6547236B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112813711B (zh) * 2019-11-18 2022-12-16 宝钢金属有限公司 一种精确控制钢帘线扭转波动的生产方法及其装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3687394A (en) * 1971-06-09 1972-08-29 Goodyear Tire & Rubber Cord creel
JPH0415524U (ja) * 1990-05-29 1992-02-07
JPH04173324A (ja) * 1990-11-08 1992-06-22 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd クリールレットオフ装置
JPH05229028A (ja) * 1992-02-24 1993-09-07 Bando Chem Ind Ltd ゴムベルト成形機へのコード繰出装置
WO2002086348A1 (en) * 2001-04-18 2002-10-31 The Coe Manufacturing Company Belt making apparatus and method
JP5618488B2 (ja) * 2009-02-16 2014-11-05 株式会社Ihi カレンダ設備
PL2536554T3 (pl) * 2010-02-18 2017-01-31 Siempelkamp Maschinen- Und Anlagenbau Gmbh Instalacja i sposób wytwarzania taśm przenośnikowych z wkładką z lin stalowych
JP2014176991A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴムシート材料の製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016141075A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10487448B2 (en) Steel cord with reduced residual torsions
US7185838B2 (en) Spool filled with multiple elongated elements wound closely together
JP6547236B2 (ja) コード−ゴムコーティング反の製造方法および製造装置
JP2014176991A (ja) ゴムシート材料の製造装置および製造方法
JP4806587B2 (ja) スチールコードの製造方法及びスチールコード
JP5475332B2 (ja) スチールコードの製造方法
JPH07119059A (ja) 超電導成形撚線の製造方法
US7434381B2 (en) Method and device for manufacturing a wire cord
JPH08209567A (ja) 金属コード、その製造方法及び同コードとゴムとの複合物
JP2007332489A (ja) ゴム物品補強用スチールコードおよびタイヤ
WO2016151650A1 (ja) スチールコードを内包するゴムシートの製造方法及び製造装置
JP6664653B2 (ja) ゴムシート材料の製造装置および製造方法
JP2008025040A (ja) スチールコード及びその製造方法
JP5623105B2 (ja) スチールコードの製造方法
JP4666555B2 (ja) 鋼線の複数本束巻き取り方法
JP4860051B2 (ja) 鋼素線の製造方法
JP3588402B2 (ja) ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置
JP6612590B2 (ja) スチールコードを内包するゴムシートの製造方法及び製造装置
JP4669405B2 (ja) タイヤ補強材としてのゴムシートの製造方法および同製造方法により製造されたゴムシートを用いたタイヤ
JP2006007428A (ja) ゴムシートの製造方法
CN116072354B (zh) 一种线缆加工用束丝机的放丝设备
JP2013209769A (ja) スチールコードの製造方法、およびそれにより得られたスチールコード
JP5868762B2 (ja) スチールコードの製造方法、およびそれにより得られたスチールコード
JP5536372B2 (ja) ゴムシートの製造装置及び製造方法
WO2016120922A1 (ja) スチールコードを内包するゴムシートの製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190527

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6547236

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250