JP5618488B2 - カレンダ設備 - Google Patents
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Description
ただし、単一の冷却ローラの冷却能力は限られており、時には冷却装置における冷却ローラの数が十数個に及ぶ場合もある。このため、冷却装置が非常に背丈の高い構造となる。
しかしながら、背丈の高い冷却装置の上方にシートを供給するためには、カレンダ装置から排出されたシートを長い距離上方に引き上げる必要が生じ、シートを引き上げている間にシートの変形やシートの位置ズレが生じ易くなる。
冷却装置の冷却性能を低減可能である場合には、冷却装置が備える冷却ローラの数が減少し、冷却装置の背丈を抑えることが可能となり、シートの引き上げ距離を短くすることが可能となる。また、冷却装置を設置しない構成を採用する場合には、シートの引き上げ距離をなくすことが可能となる。
したがって、本発明によれば、冷却装置に供給するためのシートの引き上げ距離を短くするあるいは無くすことによって、シート変形やシート位置ズレの発生を抑制することが可能となる。
図1及び図2は、本実施形態のカレンダ設備S1の概略構成を示す図であり、図1が側面図であり、図2が平面図である。
本実施形態のカレンダ設備S1は、タイヤの製造工場に設置されるものであり、複数の金属ワイヤからなるコードがゴムシートによって挟み込まれたタイヤの構成部品(以下、製品シート100と称する)を製造するための設備である。
そして、図1及び図2に示すように、本実施形態のカレンダ設備S1は、スプライスプレス装置1と、カレンダ装置2と、コンベア装置3と、ロードセル4と、厚み計測装置5と、オーバテンションブライダルローラ装置6と、ライナ送出装置7と、冷却装置8と、ワインドアップアキュムレータ装置9(溜置装置)と、センタリング装置10と、ワインドアップフィードローラ装置11と、巻取装置12と、カッタ装置13とを備えている。
このカレンダ装置2は、S字状に配列される4つの加熱ローラ2aと、該加熱ローラ2aを駆動するモータ2b等を備えており、上流側(コード200が送出される方向と反対側)から供給されるコード200に、加熱ローラ2a間で成型したゴムシートを貼り付けることによって製品シート100を形成する。そして、カレンダ装置2は、製品シート100を斜め上方に向けて送出する。
なお、カレンダ装置2は、各加熱ローラ2aの傾きや湾曲を調節するための不図示の調節機構を備えている。
なお、コンベア装置3は、加熱ローラ2a間に均等にゴムを供給するために供給する側の先端が左右に回動可能とされたウィグワグコンベア装置3aと、該ウィグワグコンベア装置3aにゴムを供給するためのフィードコンベア装置3bとを備えている。
なお、ロードセル4の検出結果は、冷却装置8の駆動ローラの回転を制御する制御信号として用いられる。
なお、厚み計測装置5の検出結果は、カレンダ装置2の各加熱ローラ2aの傾きや湾曲を調節するための調節機構を制御する制御信号として用いられる。
なお、オーバテンションブライダルローラ装置6は、製品シート100に対して正常な張力が掛かっている場合には、製品シート100を支持し、水平方向から供給された製品シート100を下方に送出するガイドローラとして機能する。
なお、ライナ送出装置7の下方には、ガイドローラ14が設置されており、当該ガイドローラ14によって上方から供給される製品シート100が水平方向に送出される。
各冷却ローラ8aは、内部に冷媒が供給されることによって表面が冷却されており、廻し掛けられる製品シート100を冷却するものである。また、支持部材8bは、鉛直方向に立設されている。
そして、冷却ローラ8aは、支持部材8bの左右に交互に支持されて鉛直方向に配列されている。
なお、最下流の冷却ローラ8aを含む3つの冷却ローラ8aが、モータ8c(図2参照)によって回転駆動される駆動ローラとして機能する。
このようなワインドアップアキュムレータ装置9によれば、冷却装置8からの製品シート100の供給を止めることなく、ワインドアップアキュムレータ装置9の下流側の製品シート100の搬送を停止することができる。
ワインドアップアキュムレータ装置は、設置面に対して固定される固定フレーム9bと、油圧シリンダ9dによって支持されることによって設置面に対して移動可能とされるキャリッジ9c(移動フレーム)とを備えている。そして、複数のローラ9aが、固定フレーム9bとキャリッジ9cとに分かれて設置されている。なお、以下の説明において、固定フレーム9bに設置されたローラ9aを固定ローラ9a1と称し、キャリッジ9cに設置されたローラ9aを移動ローラ9a1と称する。
このようなワインドアップアキュムレータ装置9においては、キャリッジ9cが上昇することによって、固定ローラ9a1と移動ローラ9a2との間が離間され、多くの製品シート100を溜め置くことが可能となる。このため、製品シート100の供給速度に合わせてキャリッジ9cが上昇されることによって、冷却装置8からの製品シート100の供給を止めることなく、ワインドアップアキュムレータ装置9の下流側の製品シート100の搬送を停止することができる。
具体的には、内部に冷媒が供給されることによって表面が冷却され、廻し掛けられた製品シート100の冷却を行う。
このワインドアップフィードローラ装置11は、センタリング装置10の下流側に設置されており、センタリング装置10との間に設置されたガイドローラ15によって略水平方向に送出された製品シート100が供給され、この供給された製品シート100を下方に送出する。
そして、いずれかの巻取装置12によってワインドアップフィードローラ装置11から送出される製品シート100が巻き取られる。
なお、以下の動作において、特に断りがない限り、動作の主体者は制御装置である。
ここで、コード200の後端がスプライスプレス装置1を通過する際には、スプライスプレス装置1によって、コード200の後端と次のコード200の先端とがゴムによって接続される。
なお、コード200に掛かる張力は、カレンダ装置2の上流側に設置されたブレーキ装置によって制御されている。
そして、カレンダ装置2に供給されたコード200は、その両面に加熱ローラ2aによって形成されたゴムシートが貼付されることによって製品シート100とされる。
なお、ロードセル4によって製品シート100に掛かっている張力が検出され、当該検出結果に基づいて冷却装置8の駆動ローラ(冷却ローラ8a)の回転駆動が制御されることによってカレンダ装置2から冷却装置8までの間に製品シート100に掛かる張力が一定に保たれる。
また、厚み計測装置5によって、製品シート100の幅方向の厚みが検出され、当該検出結果に基づいて、製品シート100の厚みが均一化されるようにカレンダ装置2の加熱ローラ2aの傾き及び湾曲が調節される。
また、製品シート100に掛かる張力が異常に増加した場合には、オーバテンションブライダルローラ装置6が製品シート100の支持を解除することによって製品シート100への損傷が抑制される。
また、製品シート100は、冷却装置8に供給される前にライナ送出装置7の近傍を通過し、ライナ送出装置7から送出されるライナが両面に貼付される。
冷却装置8から送出された製品シート100は、ワインドアップアキュムレータ装置9を介してセンタリング装置10に供給されることによって位置ズレを修正される。
そして、本実施形態のカレンダ設備S1においては、製品シート100がワインドアップアキュムレータ装置9を通過する際に、固定ローラ9a1において冷却される。
なお、巻取装置12を切り替える際には、カッタ装置13によって製品シート100が切断されると共に、ワインドアップフィードローラ装置11の回転駆速度が低減されてワインドアップアキュムレータ装置9のキャリッジ9cが上昇されることによって、ワインドアップアキュムレータ装置9より下流側の製品シート100の搬送が停止される。そして、巻取装置12の切り切り替えが完了した後は、ワインドアップフィードローラ装置11の回転駆速度が通常状態よりも増加されてワインドアップアキュムレータ装置9に溜まった製品シート100を送出し、その後ワインドアップフィードローラ装置11の回転駆動力が通常状態となる。
このため、従来のカレンダ設備と比較して冷却装置8が備える冷却ローラ8aの数が減少し、冷却装置8の背丈を抑えることが可能となり、製品シート100の引き上げ距離を短くすることが可能となる。
したがって、本実施形態のカレンダ設備S1によれば、冷却装置8に供給するためのシートの引き上げ距離を短くすることによって、製品シート100の変形や製品シート100の位置ズレの発生を抑制することが可能となる。
このため、移動体に対して冷媒を供給する必要がなく、冷媒の供給を容易に行うことが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
本実施形態のカレンダ設備S2においては、ワインドアップアキュムレータ装置9の固定ローラ9a1に加えて移動ローラ9a2に対しても冷媒が供給されており、これによってワインドアップアキュムレータ装置9の冷却能力が増強されている。
そして、図4に示すように、本実施形態のカレンダ設備S2においては、ワインドアップアキュムレータ装置9が備える固定ローラ9a1(冷却ローラ)と移動ローラ9a2(冷却ローラ)のみで製品シート100を冷却し、上記実施形態で示した冷却装置8を省略する構成を採用している。
そして、本実施形態のカレンダ設備S2においては、固定ローラ9a1及び移動ローラ9a2に加えて駆動ローラ9eも冷却ローラとされている。
したがって、本実施形態のカレンダ設備S2によれば、より確実に製品シート100の変形や製品シート100の位置ズレの発生を抑制することが可能となる。
このため、冷却装置8を備えていない場合であっても、製品シート100のテンションカットを行うことが可能となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、カレンダ装置2及びワインドアップアキュムレータ装置9を除く装置構成については、製品シート100の仕様に応じて任意に変更可能である。
Claims (4)
- シートの形成を行うカレンダ装置と、前記シートが廻し掛けられる複数のロール間の距離を変更することによって該カレンダ装置から排出された前記シートを一時的に溜置き可能な溜置装置とを備えるカレンダ設備であって、
前記溜置装置が設置面に対して固定される固定フレームと前記設置面に対して移動可能とされる移動フレームとを備えると共に、前記固定フレームと前記移動フレームとに前記ローラが設置され、
前記固定フレームに設置された前記ローラは、前記移動フレームに設置された前記ロータよりも下方に配置されると共に前記シートの冷却を行う冷却ローラである
ことを特徴とするカレンダ設備。 - 前記溜置装置が、前記シートの搬送方向における最上流側に、前記シートのテンションカットが可能な駆動ローラを備えることを特徴とする請求項1記載のカレンダ設備。
- 前記駆動ローラが前記冷却ローラであることを特徴とする請求項2記載のカレンダ設備。
- 前記カレンダ装置から排出された前記シートを前記溜置装置が備える冷却ローラのみで冷却することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のカレンダ設備。
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