次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定の特図当り判定条件(当り判定条件)の成立(後述する第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞部31の第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出(図柄変動)を行う演出実行手段としての表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の前面側に設けられてパチンコ球が流下する遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板が窓口を覆うように配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口の下方位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、中枠12や前枠13に、1つの球受け皿のみを備える構成とすることもできる。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動させる操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、右回転させるように遊技者が操作レバー16aを回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21へのパチンコ球の打ち出し位置を任意に変更し得るようになっている。すなわち、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1の球流下領域21a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち遊技」と称される遊技形態、該遊技盤20に形成された第2の球流下領域21b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち(ゴム打ち)遊技」と称される遊技形態とに切り替えて遊技を行い得るようになっている。なお、実施例では、前記表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の装置を採用し得る。また、前枠13には、窓口の外周を囲繞するようランプ装置(発光演出手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、合成樹脂材やベニヤ材等からなる略矩形状の板状部材であって、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が遊技領域21内の適宜位置に開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。なお、後述するように実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として枠状装飾体25、飾り部材91、特別入賞部40、ゲート部48等が配設される装着口が形成されている。そして、前記打球発射装置から発射されて遊技領域21へ打ち出され、該遊技領域21を流下するパチンコ球が前記遊技盤設置部品に設けられた入球部(第1始動入賞部30,30、第2始動入賞部31、特別入賞部40、特殊入賞部80、ゲート部48等)に入球することにより所定の遊技が行われるようになっている。そして、前記遊技盤20において遊技領域21の最下部位置に、該遊技領域21の最下部位置まで流下したパチンコ球を遊技盤20の裏側に排出するアウト口26が開設されている。なお、前記アウト口26は、遊技領域21において前記第1の球流下領域21aを流下したパチンコ球および前記第2の球流下領域21bを流下したパチンコ球が共に到来し得る領域に形成されている。また、遊技盤20の裏側には、前方へ開口した箱状に形成された設置部材(図示せず)が配設されており、前記表示装置17や各種演出装置が当該設置部材に配設されている。ここで、遊技盤20および設置部材は、正面視における外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、遊技盤20の後面に設置部材を取着した状態で、設置部材が遊技盤20の後面を全面的に覆うよう構成されている。なお、遊技盤20をアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材により光透過性を有するよう形成してもよい。また、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対する遊技盤設置部品の配設数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
図2に示すように、前記遊技盤20の前面には、左側部の上下隅部に第1および第2盤面保護部材27a,27bが夫々配設されると共に、右側部において上下隅部に亘るように第3盤面保護部材27cが配設されている。これら第1〜第3盤面保護部材27a,27b,27cの夫々は、遊技盤20の中心側を向く内縁が円弧状に形成されており、該第1〜第3盤面保護部材27a,27b,27cの内縁に沿って配設された略円形状に湾曲形成された前記案内レール22および第3盤面保護部材27cにより、パチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。案内レール22は、第1盤面保護部材27aの下端部から第2盤面保護部材27bおよび第3盤面保護部材27cの上端部の内縁に沿って配設されて、遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール28aと、第3盤面保護部材27cの下端部から左側の外レール28aの内側に配置されて、遊技盤20の右下部および左上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された内レール28bとから構成される。また、内レール28bは、外レール28aとの間に1個のパチンコ球が通過可能な発射通路29を画成するよう配設されると共に、該内レール28bは、図2に示す如く、前記遊技盤20の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路29の下方開口から飛翔して、内レール28bの開放端側から遊技領域21内に打ち出されるようになっている。実施例では、案内レール22および第3盤面保護部材27cが、パチンコ球が流下可能な遊技領域21を画成するレール部として機能する。
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘23が設けられると共に、後述する枠状装飾体25の左側方に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材24との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材24は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材24の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に形成された装着口(図示せず)に、センター役とも称される枠状装飾体25が配設されている。前記枠状装飾体25は、窓口25aが前後に開口する環状に形成されて、当該窓口25aを介して、遊技盤20の裏側の表示装置17の表示部17aを前面側から視認し得るようになっている。前記枠状装飾体25は、遊技盤20から前方へ突出するよう形成されて窓口25aの内側へのパチンコ球の移動を規制するよう構成されている。具体的に、枠状装飾体25は、装着口に沿って延在する環状に形成された薄板状の台板25bと、該台板25bの開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部(図示せず)と、該台板25bの開口内周に沿って設けられて、遊技盤20の前面より前方へ突出して窓口25aの内側へのパチンコ球の移動を規制する庇部25cとを備える。そして、枠状装飾体25は、装着口内に内周壁部を挿入した状態で、遊技盤20に台板25bが前側からネジ止めされて、該枠状装飾体25の外側、具体的には庇部25cと案内レール22および第3盤面保護部材27cの間にパチンコ球が流下する球流下領域21a,21bが画成されるようになっている。なお、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で、庇部25cの後端縁から外方に延出する台板25bが遊技盤20の前面に沿って延在して、該台板25bの前側をパチンコ球が通り得るようになっている。枠状装飾体25は、一体に樹脂形成される構成であっても、複数の部材を組み合わせて全体として環状をなすよう形成される構成であってもよい。また、枠状装飾体25は、前後に開口する形態に限らず、当該開口の全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
前記遊技盤20に画成された前記遊技領域21は、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側部に形成された第1の球流下領域21aと、当該枠状装飾体25の右側部に形成された第2の球流下領域21bとに区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球を第1の球流下領域21aに流下させる遊技形態(左打ち遊技)およびパチンコ球を第2の球流下領域21bに流下させる遊技形態(右打ち遊技)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、前記遊技領域21は、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2の球流下領域21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2の球流下領域21a,21bが合流する領域に、後述する第2始動入賞部31が配設されると共にアウト口26が形成されている。また、第2始動入賞部31の左側の第1の球流下領域21aに第1始動入賞部30が配設されると共に、該第2始動入賞部31の右側の第2の球流下領域21bに第1始動入賞部30が配設される。更に、実施例のパチンコ機10では、後述する特別入賞部40や特殊入賞部80が第2の球流下領域21bに位置するように設けられている。すなわち実施例では、第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球だけが特殊入賞部80の特殊入賞口80aや特別入賞部40の特別入賞口40aに入賞し得るようになっている。
前記枠状装飾体25には、図2に示す如く、窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)に、ステージ25dが設けられると共に、窓口25aの左側に、前記第1の球流下領域21a(遊技領域21)に開口して該第1の球流下領域21aを流下するパチンコ球を枠状装飾体25の内側(ステージ25d)に取り込む球導入部25eが設けられ、該球導入部25eがステージ25dに連通するよう構成される。そして、球導入部25eからステージ25dに通出されたパチンコ球は、ステージ25d上を左右に転動した後に、後述する第2始動入賞口31aが設けられている遊技領域21に排出される。また、ステージ25dには、左右方向の中央位置に、ステージ25d上のパチンコ球を遊技領域21に排出可能な排出部25fが設けられている。
(特殊入賞部80について)
前記特殊入賞部80は、図2に示すように、前記第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球が入賞し得るよう前記枠状装飾体25の右側部に配設されている。具体的に、前記特殊入賞部80は、前記枠状装飾体25の右側面に形成されて前記遊技領域21(第2の球流下領域21b)に開口する特殊入賞口80aと、当該特殊入賞口80aを開放可能に閉鎖する特殊入賞開閉部材(開閉部材)81と、当該特殊入賞開閉部材81を開閉作動する駆動手段としての特殊入賞ソレノイド82とを備えており、当該特殊入賞ソレノイド82の駆動に伴って特殊入賞開閉部材81が特殊入賞口80aを開閉するようになっている。ここで、前記特殊入賞口80aは、前記枠状装飾体25の右側方に開口するよう形成されると共に、前記特殊入賞開閉部材81は、前後方向に延在する支軸81aを介して特殊入賞口80aの開口下縁部側に揺動可能に軸支されており、特殊入賞ソレノイド82の駆動に伴って、特殊入賞口80aを閉鎖してパチンコ球の入賞を阻止する閉鎖状態と、特殊入賞口80aを開放してパチンコ球の入賞を許容する開放状態とに揺動変位し得るようになっている。
また、図3に示すように、前記特殊入賞部80には、前記特殊入賞口80aに連通して当該特殊入賞口80aから左方向へ向けて下方傾斜する特殊入賞通路83を備えている。前記特殊入賞通路83には、前記特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球を検出する球検出手段としての特殊入賞検出センサ84が設けられると共に、当該特殊入賞検出センサ84がパチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図6参照)に配線接続されている。そして、特殊入賞検出センサ84からの球検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定し、当該決定に基づいてメイン制御基板60から払出制御基板に対して払出制御信号が出力されるようになっている。特殊入賞口80aに対応した特殊入賞検出センサ84によるパチンコ球の検出(すなわち特殊入賞口80aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。ここで、前記特殊入賞部80は、第1始動入賞部30および第2始動入賞部31へのパチンコ球の入賞(第1始動入賞検出センサ34および第2始動入賞検出センサ35の検出)を契機として行われる特図当り判定の結果小当り遊技が付与される場合に、特殊入賞口80aを開放させるようメイン制御基板60によって特殊入賞ソレノイド82が駆動制御される。すなわち、第1始動入賞部30および第2始動入賞部31へのパチンコ球の入賞を契機として、特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81を開放作動させるか否かの特殊入賞口開放判定が行われるようになっている。
図3に示すように、前記特殊入賞通路83は、前記特殊入賞検出センサ84の配設位置よりも下流側において、複数の分岐通路85,86に分岐するよう構成されている。実施例では、特殊入賞通路83が2つの分岐通路85,86に分岐するよう構成されており、上流側に位置する分岐通路(特殊入賞口80aに近接する通路)を第1分岐通路85とし、下流側に位置する分岐通路(特殊入賞口80aから離間する通路)を第2分岐通路86として区別する場合がある。なお、前記第1分岐通路85および第2分岐通路86は、下端部において遊技盤20の裏側に開口して、前記設置部材に設けられた図示しない球通路を介して遊技盤20の外部に連通するようになっている。
そして、図3に示すように、前記第1分岐通路85には、当該第1分岐通路85を通過するパチンコ球を検出する球検出手段としての特定領域検出センサ87が設けられており、当該特定領域検出センサ87が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして、特定領域検出センサ87からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを大当り遊技の生起条件として、該メイン制御CPU60aが大当り遊技を生起することを決定するようになっている。ここで、後述するように、特定領域検出センサ87によるパチンコ球の検出(すなわち第1分岐通路85のパチンコ球の通過)を契機として大当り遊技の生起条件が成立した場合には、特殊入賞部80を開放する小当り遊技の終了後に継続大当り遊技が生起されるよう構成されている。なお、前記特定領域検出センサ87は、前記第1分岐通路85における球入口の下方に隣接して配置されており、第1分岐通路85に移動したパチンコ球を速やかに特定領域検出センサ87で検出し得るようになっている。
また、前記第2分岐通路86には、当該第2分岐通路86を通過するパチンコ球を検出する球検出手段としての非特定領域検出センサ88(図6参照)が設けられており、当該非特定領域検出センサ88が前記メイン制御基板60に配線接続されている。すなわち、前記特定領域検出センサ87または非特定領域検出センサ88からの球検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることで、特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が特殊入賞部80から排出されたことをメイン制御CPU60aが識別し得るようになっている。また、非特定領域検出センサ88によるパチンコ球の検出(すなわち第2分岐通路86のパチンコ球の通過)によって大当り遊技の生起条件が成立しないよう構成されている。すなわち、実施例の特殊入賞部80における第1分岐通路85は、特定領域検出センサ87がパチンコ球を検出することで大当り遊技を生起させる特定領域として機能し、第2分岐通路86は、非特定領域検出センサ88がパチンコ球を検出することで大当り遊技を生起させない非特定領域として機能するものである。
また、前記特殊入賞部80は、図3に示すように、特殊入賞通路83が複数の分岐通路85,86に分岐する分岐位置に、当該特殊入賞通路83を通過するパチンコ球を何れかの分岐通路85,86に振り分ける振分体89が設けられると共に、当該振分体89を作動する駆動手段としての振分ソレノイド90とを備えている。前記振分体89は、前記第1分岐通路85の球入口を開放する一方で第2分岐通路86の球入口を閉鎖する第1姿勢(図3に二点差線で示す)と、第1分岐通路85の球入口を閉鎖する一方で第2分岐通路86の球入口を開放する第2姿勢(図3に実線で示す)とに変位し得るよう設けられており、振分ソレノイド90の駆動に伴って第1姿勢および第2姿勢に姿勢変位されることで、特殊入賞通路83を通過するパチンコ球が第1および第2分岐通路85,86の何れかに振り分けられるようになっている。ここで、前記特殊入賞部80は、常には振分体89が第2姿勢に保持され、小当り遊技の当選に伴って後述する所定の動作パターンで第1姿勢および第2姿勢に振分体89が姿勢変位するよう振分ソレノイド90が駆動制御される。すなわち、小当り遊技でないときに特殊入賞口80aにパチンコ球が入賞したとしても、当該パチンコ球が特定領域としての第1分岐通路85に振り分けられないようになっている。このように、実施例の特殊入賞部80は、特殊入賞開閉部材81が不正に操作されて特殊入賞口80aが不正に開放された場合に、大当り遊技の生起条件が成立して継続大当り遊技が生起されるのを防止するよう構成されている。なお、前記振分体89は、前記第1分岐通路85と第2分岐通路86との間に配置されて、前後方向に延在する支軸89aを介して特殊入賞通路83の下縁部側に揺動可能に軸支されている。
(飾り部材91について)
前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25が配設される装着口の下方に、前記案内レール22を構成する内レール28bおよび第3盤面保護部材27cの内面に沿って延在する大型の下部装着口(図示せず)が開設されており、該下部装着口に飾り部材91が配設されている。この飾り部材91には、遊技領域を流下するパチンコ球が入球可能な第1始動入賞部30、第2始動入賞部31および普通入賞部45が設けられている。なお、各始動入賞部30,31および普通入賞部45の構成については後述する。また、各入賞部30,31,45が備える後述する各入賞口30a,31a,45aにパチンコ球が入球することについて、各入賞口30a,31a,45aにパチンコ球が入賞するという場合がある。
前記飾り部材91は、図4および図5に示す如く、外周縁が略弧状に形成された平板状の前面板92と、該前面板92の裏側に配設されたカバー部材93,94とを備え、該飾り部材91は、前記下部装着口内にカバー部材93,94を挿入した状態で、遊技盤20に前面板92が前側からネジ止めされることで位置決め固定される。飾り部材91を遊技盤20に取り付けた状態で、前面板92が遊技盤20の前面に沿って延在して、該前面板92の前側をパチンコ球が通り得るようになっている。前面板92は、非光透過性の材料から形成されると共に、複数箇所に前後に貫通する開口部92a,92bが形成されており、各開口部92a,92bに対応して前面板92の裏側に配設された装飾部材95,96の前面95a,96aが、対応する開口部92a,92bから前側に露出するよう構成される。また、各開口部92a,92bから前側に露出する装飾部材95,96の前面95a,96aは、前面板92の前面と略一同位置に臨んでおり、該装飾部材95,96の前側をパチンコ球が流下可能に構成されている。すなわち、遊技盤20に配設された飾り部材91には、該遊技盤20の遊技領域21を流下するパチンコ球が前側を流下可能な装飾部が装飾部材95,96の前面95a,96aにより形成されている。言い替えると、装飾部(装飾部材95,96の前面95a,96a)の前側が、パチンコ球の遊技領域21の一部を構成している。なお、以後は、装飾部材95,96の前面95a,96aの前面を装飾部95a,96aと指称するものとする。また、装飾部材95,96は、光透過性の材料から形成されて、装飾部95a,96aを透して後側が視認可能に構成されている。
実施例では、図5に示す如く、前記前面板92の左右方向の中央を挟んで左右両側に2箇所ずつの合計4箇所に前記開口部92a,92a,92b,92bが形成されており、以後の説明において左右方向の中央より左側に位置する2つの開口部92a,92bについて、中央から離間する側を左第1開口部92a、中央に近接する側を左第2開口部92bと指称すると共に、左右方向の中央より右側に位置する2つの開口部92a,92bについて、中央から離間する側を右第1開口部92a、中央に近接する側を右第2開口部92bと指称して区別する場合もある。また、各開口部92a,92a,92b,92bに対応して配設される装飾部材95,95,96,96についても、開口部92a,92a,92b,92bと対応して、左右方向の中央より左側に位置する2つの装飾部材95,96について、中央から離間する側を左第1装飾部材95、中央に近接する側を左第2装飾部材96と指称すると共に、左右方向の中央より右側に位置する2つの装飾部材95,96について、中央から離間する側を右第1装飾部材95、中央に近接する側を右第2装飾部材96と指称して区別する場合もある。
前記カバー部材93,94は、図5に示す如く、前面板92における左右方向の左半分の裏側に配設される左カバー部材93と、右半分の裏側に配設される右カバー部材94とからなり、各カバー部材93,94と前面板92との間に、対応する側の前記第1および第2装飾部材95,96、光拡散部材97,98および照明部99,100が夫々前後に重なるように配設されている。光拡散部材97,98としては、左第1装飾部材95および左第2装飾部材96の裏側に共通して重なるように位置する左光拡散部材97と、右第1装飾部材95および右第2装飾部材96の裏側に共通して重なるように位置する右光拡散部材98とが設けられる。各光拡散部材97,98は、光透過性の材料を基材として形成されたものであって、裏面全体にダイヤモンドカット等の凹凸による光拡散加工が施されると共に、前面にはパチンコ機10のモチーフとなる絵柄等が光透過性のインクやシール等によって形成されている。
前記照明部99,100としては、左光拡散部材97の裏側に重なるように位置する左照明部99と、右光拡散部材98の裏側に重なるように位置する右照明部100とが設けられる。各照明部99,100は、発光基板101と、該発光基板101の前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体(発光部)101aとを備える。すなわち、各照明部99,100の発光体101aを発光することで、各光拡散部材97,98の前面に形成された絵柄が明輝されると共に、該光拡散部材97,98を透過した光によって各装飾部材95,96の装飾部95a,96aが照明されるようになっている。言い替えると、前記遊技領域21の一部を構成している光透過性の装飾部95a,96aが照明されることで、該遊技領域21が飾り部材91に設けられた照明部99,100(具体的には発光体101a)によって照明されるように構成されている。
(入賞部30,31,45について)
実施例では、図2,図4に示す如く、前記飾り部材91の左右方向の中央に第2始動入賞部31が設けられると共に、該第2始動入賞部31を挟む左右両側に第1始動入賞部30が夫々設けられている。具体的には、前記ステージ25dにおける左右方向の中央に設けられて該ステージ25dを転動したパチンコ球が遊技領域21に排出される前記排出部25fと前記アウト口26との間に第2始動入賞部31が位置して、該第2始動入賞部31を挟んで左右対称な位置に第1始動入賞部30が夫々配設されている。また、飾り部材91には、第2始動入賞部31を挟む左右両側に、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞部45が夫々設けられている。具体的には、各第1始動入賞部30の外側(第2始動入賞部31から離間する側)に各普通入賞部45が設けられており、実施例では2つの第1始動入賞部30,30および2つの普通入賞部45,45が、第2始動入賞部31を挟んで左右対称な位置に設けられている。なお、以後の説明において、第2始動入賞部31を挟んで左右に位置する第1始動入賞部30,30および普通入賞部45,45について、名称の前に「右」または「左」を付して区別する場合がある。
ここで、前述したように、前記飾り部材91に配設される第2始動入賞部31に対する左右の第1始動入賞部30,30および普通入賞部45,45の関係は左右対称であるので、第1始動入賞部30,30および普通入賞部45,45の関連構成については、第2始動入賞部31の右側に配設される入賞部30,45に関して説明し、左側に配設される入賞部30,45の同一部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
前記第2始動入賞部31に対して右第1始動入賞部30は、図2,図4に示す如く、右側に離間すると共に所定高さ上側に位置するよう設定されて、右第1始動入賞部30に入賞(入球)しなかったパチンコ球は第2始動入賞部31に入賞可能に構成されている。また、右第1始動入賞部30に対して右普通入賞部45は、右側に離間すると共に所定高さ上側に位置するよう設定されて、右普通入賞部45に入賞(入球)しなかったパチンコ球は右第1始動入賞部30に入賞可能に構成されている。すなわち、右普通入賞部45、右第1始動入賞部30および第2始動入賞部31は、相互に左右方向に離間すると共に上下方向に所定の高低差で位置している。また、第2始動入賞部31と右第1始動入賞部30とは、前記右第2開口部92bを挟んで設けられており、右第1始動入賞部30に入賞しなかったパチンコ球は右第2開口部92bから前側に臨む前記右第2装飾部材96における装飾部96aの前側を流下可能に構成されている。
前記右普通入賞部45は、前記右第1開口部92aより内側(枠状装飾体側)で該右第1開口部92aの上下方向の中間に位置しており、前記第2の球流下領域21bを右普通入賞部45に向けて流下してくるパチンコ球が、該右普通入賞部45の左右両側の領域を流下可能に構成されている。具体的には、右普通入賞部45は、前記案内レール22を構成する第3盤面保護部材27cから内側に離間しており、該右普通入賞部45と第3盤面保護部材27cとの間を通るパチンコ球は、右第1開口部92aから前側に臨む右第1装飾部材95における装飾部95aの前側を流下し、右普通入賞部45の左側を通るパチンコ球は、該右普通入賞部45と右第1始動入賞部30との間から右第1装飾部材95における装飾部95aの前側を流下したり、右第1始動入賞部30に入賞可能になっている。
(右第1始動入賞部30について)
前記右第1始動入賞部30は、前記飾り部材91における前面板92の前側に突出して配設される第1口形成部材36と、該第1口形成部材36によって前面板92の前側に画成されて上方に開口する第1始動入賞口(始動口,入球口)30aとを備える。第1始動入賞口30aは、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、第1始動入賞口30aには遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞(入球)可能に構成されている。なお、右第1始動入賞口30aに入賞したパチンコ球は、前面板92に形成された第1通孔92cを介して遊技盤20の裏側に通出されるようになっている。
(第2始動入賞部31について)
前記第2始動入賞部31は、前記飾り部材91における前面板92の前側に突出して配設される第2口形成部材37と、該第2口形成部材37によって前面板92の前側に画成されて上方に開口する第2始動入賞口(始動口)31aと、第2口形成部材37と前面板92との間に配設されて、第2始動入賞口31aの開口寸法を可変可能な始動口開閉部材(開閉部材)33とを備え、該始動口開閉部材33は、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図6参照)の駆動に伴って第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞(入球)が困難な閉成位置とパチンコ球の入賞(入球)が容易な開放位置とに変位するよう構成されている。実施例では、始動口開閉部材33は前後方向に延在する軸回りに回動可能な一対の開閉体から構成されて、両開閉体を相互に近接した該始動口開閉部材33の閉成位置の状態(図2の状態)で、第2始動入賞口31aの上側に複数の遊技釘23が植設されており、該始動口開閉部材33の閉成位置では第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞は不可能(0%)となるように構成されている。そして、一対の開閉体を相互に離間して始動口開閉部材33を閉成位置に移動することで、第2始動入賞口31aの上側に位置する遊技釘23に阻まれることなくパチンコ球が該第2始動入賞口31aに入賞可能となるよう構成される。すなわち、第2始動入賞口31aは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、始動口開閉部材33を閉成位置から開放位置に変位して第2始動入賞口31aを開放する開放条件および始動口開閉部材33を開放位置から閉成位置に変位して第2始動入賞口31aを閉成する閉成条件としては、始動口開閉部材33が開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口31aの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。また、第2始動入賞口31aに入賞したパチンコ球は、前面板92に形成された第2通孔92dを介して遊技盤20の裏側に通出されるようになっている。
(始動入賞検出センサ34,35について)
前記右第1始動入賞部30は、前記第1始動入賞口30aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサ34(図5,図6参照)が設けられている。また、前記第2始動入賞部31は、前記第2始動入賞口31aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサ35(図5,図6参照)が設けられている。第1および第2始動入賞検出センサ34,35は、前記メイン制御基板60(図6参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
前記第1および第2始動入賞検出センサ34,35の何れかによるパチンコ球の検出(パチンコ球を検出した検出信号のメイン制御基板60への入力)に伴い特図当り判定条件(特定条件、当り判定条件)が成立するようになっている。そして、特図当り判定条件が成立することで、特図当り(大当りまたは小当り)を生起させるか否かに関する後述の特図当り判定(当り判定)が行われ、該特図当り判定の結果に応じて後述する特別入賞部40の特別入賞開閉部材43を開閉作動する特別入賞ソレノイド42や前記特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81を開閉作動する特殊入賞ソレノイド82が駆動制御されて、当該特殊入賞開閉部材81が開閉動作するよう構成されている。実施例では、第1および第2始動入賞口30a,31aが、パチンコ球の入賞(入球)によって特図当り判定(当り判定)が行われる特定条件が成立する始動口として機能している。
実施例では、前記特図当り判定の判定結果が大当りの判定であった場合に、前記表示装置17や特図表示部50A,50B(後述)に所定の大当り表示が確定停止表示されて、前記特別入賞部40の特別入賞開閉部材43を開放する遊技者に有利な大当り遊技が付与されるよう構成され、前記特図当り判定の判定結果が小当りの判定であった場合に、表示装置17や特図表示部50A,50Bに所定の小当り表示が確定停止表示されて、前記特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81を開放する遊技者に有利な小当り遊技が付与されるよう構成される。また、実施例のパチンコ機10では、前記第1および第2始動入賞検出センサ34,35がパチンコ球を検出することで賞球払出条件が成立するよう構成されており、当該賞球払出条件の成立に伴ってメイン制御基板60が図示しない払出制御装置に制御信号を出力して、所定数(例えば3個)の賞球が前記上球受け皿14または下球受け皿15に払い出されるようになっている。
(右普通入賞部45について)
前記飾り部材91に配設される前記右普通入賞部45は、図4,図5に示す如く、前記前面板92の前側に突出して配設される普通口形成部材38と、該普通口形成部材38によって前面板92の前側に画成されて上方に開口する普通入賞口(入球口)45aとを備える。普通入賞口45aは、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、普通入賞口45aには遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。なお、実施例では、前端が閉塞された樋状の普通口形成部材38が前面板92に一体に形成されて前後方向に延在しており、普通入賞口45aに入賞したパチンコ球は、普通口形成部材38における前面板92の裏側に延出する後端から遊技盤20の裏側に設けられた球排出経路(図示せず)に排出されるようになっている。
(普通入賞検出センサ47について)
前記右普通入賞口45aに入賞したパチンコ球は、該パチンコ球の球排出経路に設けた入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47(図6参照)によって検出可能に構成されている。この普通入賞検出センサ47は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該普通入賞検出センサ47によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞口45aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
(流路変更部材102,103について)
前記飾り部材91には、前記遊技領域21を流下するパチンコ球を受けて該パチンコ球の流下方向を変える流路変更部材102,103が設けられている。実施例では、前記各普通入賞部45および対応する第1始動入賞部30の間に第1流路変更部材102が夫々設けられると共に、該各第1始動入賞部30と第2始動入賞部31との間に第2流路変更部材103が夫々設けられている。流路変更部材102,103の構成は左右対称であるので、第2始動入賞部31の右側に配設される流路変更部材102,103に関して説明し、左側に配設される流路変更部材102,103の詳細説明は省略する。
(第1流路変更部材102について)
前記第1流路変更部材102は、図5に示す如く、前記右第1装飾部材95の装飾部95aから前側に突出して設けられて、右普通入賞部45と右第1始動入賞部30との間の遊技領域21に臨んでいる。第1流路変更部材102は、図2に示す如く、右普通入賞部45の左下方に位置すると共に、右側から左側(第3盤面保護部材側から枠状装飾体側)に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されており、右普通入賞部45に入賞(入球)することなく該右普通入賞部45の左側を通るパチンコ球を当該第1流路変更部材102で受けて該パチンコ球を右第1始動入賞部30(第1始動入賞口30a)に向けて案内し得るようになっている。また、第1流路変更部材102と右第1始動入賞部30(具体的には第1口形成部材36)との間は、パチンコ球が通過可能な間隔に設定されており、右普通入賞口45aに入賞(入球)しなかったパチンコ球は、第1流路変更部材102と右第1始動入賞部30との間の第1隙間S1を通って前記右第1装飾部材95における装飾部95aの前側を流下し得るよう構成されている。このように、第1流路変更部材102と右第1始動入賞部30との間に第1隙間S1を形成することで、パチンコ球が第1隙間S1から下側に落ちることなく右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aへ向かうことへの関心を高め得るようになっている。前記第1流路変更部材102は、右第1装飾部材95に一体に形成された部材であって、該第1流路変更部材102は光透過性に構成されており、前記右光拡散部材98を透過した光によって第1流路変更部材102が明輝し得るよう構成されている。
(第2流路変更部材103について)
前記右第1始動入賞部30と第2始動入賞部31との間には、図2,図4に示す如く、複数(実施例では2つ)の第2流路変更部材103が左右方向に離間すると共に所定の高低差で設けられている。各第2流路変更部材103は、前記右第2装飾部材96の装飾部96aから前側に突出して設けられて(図5参照)、右第1始動入賞部30と第2始動入賞部31との間の遊技領域21に臨んでいる。なお、2つの第2流路変更部材103について、右第1始動入賞部30に近接する側を上側第2流路変更部材103と指称し、第2始動入賞部31に近接する側を下側第2流路変更部材103と指称して区別する場合がある。
前記上側第2流路変更部材103は、図2に示す如く、右第1始動入賞部30の左下方に位置すると共に、該上側第2流路変更部材103の上面は、右側から左側(右第1始動入賞部側から第2始動入賞部側)に向かうにつれて下方傾斜する傾斜面が形成されており、右第1始動入賞部30に入賞(入球)することなく該右第1始動入賞部30の左側を通るパチンコ球を当該上側第2流路変更部材103で受けて該パチンコ球を第2始動入賞部31(第2始動入賞口31a)に向けて案内し得るようになっている。また、下側第2流路変更部材103は、上側第2流路変更部材103の左下方で、開放位置の前記始動口開閉部材33の開放端に近接して位置しており、該下側第2流路変更部材103で受けたパチンコ球を、開放している第2始動入賞口31aに向けて案内し得るよう構成されている。また、右第1始動入賞部30(具体的には第1口形成部材36)と上側第2流路変更部材103との間、2つの第2流路変更部材103,103の間、および下側第2流路変更部材103と第2始動入賞部31(具体的には第2口形成部材37)との間は、パチンコ球が通過可能な間隔に設定されており、右第1始動入賞口30aに入賞(入球)しなったパチンコ球は、右第1始動入賞部30、上側第2流路変更部材103、下側第2流路変更部材103および第2始動入賞部31の各部材の間の第2隙間S2を通って前記右第2装飾部材96における装飾部96aの前側を流下し得るよう構成されている。このように、右第1始動入賞部30、上側第2流路変更部材103、下側第2流路変更部材103および第2始動入賞部31の各部材の間に第2隙間S2を形成することで、パチンコ球が隙間から下側に落ちることなく第2始動入賞部31の第2始動入賞口31aへ向かうことへの関心を高め得るようになっている。
前記各第2流路変更部材103は、右第2装飾部材96に一体に形成された部材であって、該第2流路変更部材103は光透過性に構成されており、前記右光拡散部材98を透過した光によって第2流路変更部材103が明輝し得るよう構成されている。なお、各第2流路変更部材103は、前側が閉塞した後側に開口する筒状に形成されており、装飾部96aから前方に延出する壁部と、該第2流路変更部材103の前面とで明輝態様が変わるようになっている。
(ゲート部48について)
図2に示す如く、前記右普通入賞部45より上方位置に、遊技領域21(第2の球流下経路21b)を流下するパチンコ球が入球可能なゲート部48が配設されている。ゲート部48は、ゲート入口が遊技領域21に常に上方開口するよう設けられており、遊技盤20の遊技領域21を流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで入球可能な常時開放型の入球部として構成されている。ゲート部48には、該ゲート入口に入球して当該ゲート部48を通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ49(図6参照)が設けられている。このゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り判定条件が成立するようになっている。そして、普図当り判定条件の成立に伴って普図当りを生起させるか否かに関する後述の普図当り判定が行われ、該普図当り判定の判定結果に応じて前記第2始動入賞部31の始動口開閉部材33を開閉作動する始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて、当該始動口開閉部材33が開放されるよう構成されている。すなわち、前記ゲート部48をパチンコ球が通過(ゲートセンサ49がパチンコ球を検出)することで、前記第2始動入賞部31の始動口開閉部材33を開放作動させるか否かを判定する始動入賞口開放判定条件が成立するようになっている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部40は、図2に示すように、前記飾り部材91における右第1始動入賞部30の上方で前記遊技領域21(第2の球流下領域21b)に開口する特別入賞口40aと、当該特別入賞口40aを開放可能に閉鎖する特別入賞開閉部材(開閉部材)43と、当該特別入賞開閉部材43を開閉作動する駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図6参照)とを備えており、当該特別入賞ソレノイド42の駆動に伴って特別入賞開閉部材43が特別入賞口40aを開閉するようになっている。実施例の特別入賞開閉部材43は、前記特別入賞口40aを閉鎖可能な平板状に形成されて、特別入賞ソレノイド42の駆動に伴って前後方向に回動することで、特別入賞口40aを開閉するようになっており、該特別入賞開閉部材43により特別入賞口40aが閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞口40aを閉鎖する状態では、前記特別入賞開閉部材43の前面が遊技盤20の前面と略同一面位置に位置するよう構成されて、第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球が特別入賞開閉部材43の前面を通過し得るようになっている。
前記特別入賞部40は、前記特別入賞口40aに入賞したパチンコ球を検出する球検出手段としての特別入賞検出センサ44(図6参照)が設けられると共に、当該特別入賞検出センサ44が前記メイン制御基板60に配線接続されている。そして、特別入賞検出センサ44からの球検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定し、当該決定に基づいてメイン制御基板60から払出制御基板に対して払出制御信号が出力されるようになっている。特別入賞口40aに対応した特別入賞検出センサ44によるパチンコ球の検出(すなわち特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では15個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、前記特別入賞ソレノイド42は、特別入賞部40を開放する大当り遊技または継続大当り遊技が付与される場合に、当選した大当り遊技または継続大当り遊技の種類に応じた開閉条件に従って特別入賞口40aを開閉するようメイン制御基板60によって駆動制御される。すなわち、大当り遊技または継続大当り遊技の生起に伴って特別入賞口40aが開放されることで、多数の賞球を獲得する機会が与えられるようになっている。
(特図表示部50A,50Bについて)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21の外側左下部位置)には、前記第1または第2始動入賞口30a,31aへの入賞(対応の始動入賞検出センサ34,35による球検出)を契機として作動する特図表示部(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示部は、前記第1始動入賞口30a,30aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では12個ずつ)のLEDにより構成されている。そして、前記第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的にLEDが確定的に灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、メイン制御CPU60aによる特図当り判定(特図当り抽選)の結果が特図当り(大当りや小当り)であるか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bは、LEDの点灯位置により大当りの当選を認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての特図と、小当りの当選を認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての特図とが表示可能に構成されて、特図当り判定の結果に応じて1つの特図が確定停止表示される。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
ここで、前記第1始動入賞口30a,30aにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留情報)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留情報)として記憶されるようになっている。そして、第1および第2特図始動保留情報の保留数は、図示しない特図保留表示部で表示されて、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動の回数)が報知されるようになっている。
(普図表示部55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域21の外側左下部位置に、複数のLED(実施例では2個)からLEDが構成された普図表示部(普図表示手段)55が配設されている。この普図表示部55では、前記ゲートセンサ49によるパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では3種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、上側LEDだけが点灯する発光態様,下側LEDだけが点灯する発光態様および上下のLEDが点灯する発光態様により3種類の普図を示している。なお、以下では、上側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Aとし、下側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、上下のLEDが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当り判定の結果がはずれの場合に普図表示部55に普図Aが表示され、普図当りの場合に普図表示部55に普図Bまたは普図Cが表示されるよう構成されている。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当り表示となり、はずれを認識できる普図が普図はずれ表示となる。
(変短状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、特典遊技状態としては、始動口開閉部材33により開閉される前記第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機が、当該特典遊技状態が付与されていない状態と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31aを開放する始動口開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31aを開放する始動口開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、始動口開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動口開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、特典遊技状態として上記(1)および(3)を組み合わせており、以下の説明では便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。ここで、変短状態の付与条件は、後述するように大当り図柄の種類および小当り図柄の種類毎に定められている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図当り判定において大当りに当選した場合に、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り図柄の種類に応じて前記特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開閉動作されるようになっている。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、開放した特別入賞口40aの入賞上限個数(例えば8個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別入賞開閉部材43を閉鎖状態で保持させるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図7に示すように、特図当り判定において大当りに当選した場合に、複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技を付与するかは、特図当り判定で大当りに当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいてメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
(第1始動入賞口30aへの入賞に基づく大当り図柄と大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図7(a)に示すように、第1始動入賞口30aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄A〜図柄C)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。なお、複数種類の大当り図柄(図柄A〜図柄C)の選択割合は、各大当り図柄毎に割り当てられている特図決定用判定値の割当数により定められ、大当り図柄毎の特図決定用判定値の割当数を変更することで、大当り図柄の振分割合を任意に調整することが可能である。
ここで、メイン制御CPU60aが図柄A〜図柄Bを決定した場合に付与される大当り遊技は、図7(a)に示すように、規定ラウンド数が「8回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。これに対し、メイン制御CPU60aが図柄Cを決定した場合に付与される大当り遊技は、図7(a)に示すように、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また、図柄A〜図柄Cに対応した大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口40aを開放する開放動作を特別入賞開閉部材43に行わせるよう設定された全開放ラウンド遊技で構成されている。すなわち、各ラウンド遊技において特別入賞開閉部材43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別入賞開閉部材43が繰り返すようになっている。図柄A〜図柄Bに対応した大当り遊技は、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として、入賞上限個数のパチンコ球が特別入賞口40aに入賞可能な時間に設定されている。具体的には、図柄A〜図柄Bに対応した大当り遊技におけるラウンド遊技時間は「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別入賞開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。これに対し、図柄Cに対応した大当り遊技は、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として、入賞上限個数のパチンコ球が特別入賞口40aに入賞不能な時間に設定されている。具体的には、図柄Cに対応した大当り遊技におけるラウンド遊技時間は「0.04(秒)」が設定されている。なお、ラウンド間インターバル時間は、「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、図柄A〜図柄Bに対応した大当り遊技では、1回の大当り遊技が終了するまでの間に同等の賞球を獲得し得るよう設定されているのに対し、図柄Cに対応した大当り遊技は、1回の大当り遊技が終了するまでの間に殆ど賞球を獲得できないよう設定されている。
また、図柄A〜図柄Cに対応した大当り遊技は、当該大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(以下変短回数という)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。ここで、変短状態が付与される変短回数は、図柄A〜図柄C毎に異なる回数に定められており、決定された大当り図柄(図柄A〜図柄C)の種類に応じて大当り遊技後に付与される特典(変短回数)が変動するようになっている。具体的に、実施例では、図7(a)に示すように、図柄Aが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が100回に設定され、図柄Bが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が10回に設定され、図柄Cが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が20回に設定されている。
(第2始動入賞口31aへの入賞に基づく大当り図柄と大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図7(b)に示すように、第2始動入賞口31aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄a〜図柄c)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。なお、複数種類の大当り図柄(図柄a〜図柄c)の選択割合は、各大当り図柄毎に割り当てられている特図決定用判定値の割当数により定められ、大当り図柄毎の特図決定用判定値の割当数を変更することで、大当り図柄の振分割合を任意に調整することが可能である。また、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合には、前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合と比べて、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数が多くなるよう設定されている。また、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合には、前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(大当り)の場合と比べて、大当り遊技後に変短状態が付与される割合が高くなるよう設定されている。
ここで、メイン制御CPU60aが図柄a〜図柄bを決定した場合に付与される大当り遊技は、図7(b)に示すように、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。これに対し、メイン制御CPU60aが図柄cを決定した場合に付与される大当り遊技は、図7(b)に示すように、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また、図柄a〜図柄cに対応した大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口40aを開放する開放動作を特別入賞開閉部材43に行わせるよう設定された全開放ラウンド遊技で構成されている。すなわち、各ラウンド遊技において特別入賞開閉部材43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別入賞開閉部材43が繰り返すようになっている。図柄a〜図柄cに対応した大当り遊技は、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として、入賞上限個数のパチンコ球が特別入賞口40aに入賞可能な時間に設定されている。具体的には、図柄a〜図柄cに対応した大当り遊技におけるラウンド遊技時間は「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別入賞開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、ラウンド間インターバル時間は、「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、図柄a〜図柄bに対応した大当り遊技では、1回の大当り遊技が終了するまでの間に同等の賞球を獲得し得るよう設定され、図柄cに対応した大当り遊技では、1回の大当り遊技が終了するまでの間に獲得し得る賞球は図柄a〜図柄bに対応した大当り遊技の場合より少なくなるよう設定されている。
また、図柄a〜図柄cに対応した大当り遊技は、当該大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、大当り遊技の終了後に所定の変短回数の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。ここで、変短状態が付与される変短回数は、図柄a〜図柄c毎に異なる回数に定められており、決定された大当り図柄(図柄a〜図柄c)の種類に応じて大当り遊技後に付与される特典(変短回数)が変動するようになっている。具体的に、実施例では、図7(b)に示すように、図柄aが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が100回に設定され、図柄bが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が10回に設定され、図柄cが決定された場合に、対応する大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が20回に設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図当り判定において小当りに当選した場合に、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、前記特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81が開閉動作するようになっている。そして、小当り遊技においてパチンコ球が前記特殊入賞部80の特定領域としての第1分岐通路85を通過すること(特定領域検出センサ87がパチンコ球を検出したこと)が継続大当り遊技の付与条件として設定されており、当該継続大当り遊技の付与条件が成立した場合に、小当り遊技の終了後に継続大当り遊技が引き続き行われるようになっている。また、小当り遊技は、小当り遊技の終了後の遊技状態を小当りの当選時における遊技状態のまま継続させるよう設定されており、小当りの当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されないようになっている。但し、小当り遊技中に継続大当り遊技の付与条件が成立した場合には、小当り遊技の当選に伴い決定された小当り図柄に基づいて小当り遊技に引き続いて行われる継続大当り遊技後の遊技状態が定まるよう設定されている。
ここで、図9に示すように、小当り遊技における前記特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81の開閉動作パターンは、特図当り判定が行われる時点での遊技状態に応じて定められている。そして、特図当り判定を行う時点での遊技状態に応じて特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81が所定の開閉動作を行うか、開放した特殊入賞口80aに規定個数(例えば8個)のパチンコ球が入賞することで、小当り遊技が終了するよう構成されている。実施例では、遊技状態が非変短状態で小当りに当選した場合には、変短状態で小当りに当選した場合と比べて、図柄変動演出(特図変動表示)が終了してから特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81が開放動作を開始するまでの時間を長くするよう設定されている。このように、実施例では、特図当り判定を行う時点での遊技状態が変短状態であるか否かにより、特殊入賞開閉部材81の開閉動作が定まるよう構成されている。
具体的には、図9に示すように、非変短状態で小当りに当選した場合は、小当り遊技の開始に伴って所定の演出時間(実施例では8000ミリ秒)のオープニング演出が行われた後に、遊技領域21(第2の球流下領域21b)を流下するパチンコ球が特殊入賞部80の特殊入賞口80aに入賞可能な開放時間(1700ミリ秒)で開放するように特殊入賞開閉部材81を開放動作させるよう設定されている。ここで、小当り遊技のオープニング演出において、小当り遊技の当選を知らせる画像や映像を前記表示装置17に表示したり、音声出力をするよう構成され、特殊入賞開閉部材81を開放動作する前に特殊入賞部80の特殊入賞口80aが開放することを遊技者に報知するようになっている。このように、非変短状態で小当りに当選した場合には、図柄変動演出(特図変動表示)が終了してから特殊入賞部80の特殊入賞口80aを開放するまでに所定の演出時間(8000ミリ秒)を設けることで、小当り遊技に当選したことを遊技者に確実に報知すると共に、第1の球流下領域21aにパチンコ球を流下させる左打ち遊技から第2の球流下領域21bにパチンコ球を流下させる右打ち遊技への遊技形態の切り替えを促すようになっている。
一方で、変短状態で小当りに当選した場合は、小当り遊技の開始に伴って前記演出時間より短い所定時間(実施例では4ミリ秒)が経過した後に、遊技領域21(第2の球流下領域21b)を流下するパチンコ球が特殊入賞部80の特殊入賞口80aに入賞可能な開放時間(1700ミリ秒)で開放するよう特殊入賞開閉部材81を開放動作させるよう設定されている。このように、変短状態で小当りに当選した場合には、図柄変動演出(特図変動表示)が終了してから特殊入賞部80の特殊入賞口80aを開放するまでの時間を極めて短くすることで、図柄変動演出の終了から間断なく小当り遊技が連続するスピード感のある遊技を実現している。また、実施例のパチンコ機10では、非変短状態での小当りの当選および変短状態での小当りの当選に関わらず、特殊入賞部80の特殊入賞口80aにパチンコ球を入賞可能な開放時間は同一時間に設定されて、特殊入賞口80aへのパチンコ球の入賞を期待し得るようになっている。
(小当り遊技おける特殊入賞部80の作動制御について)
次に、前記小当り遊技に当選した場合における特殊入賞部80の振分体89の作動制御について説明する。
前記特殊入賞部80は、前記小当り遊技において前記第1姿勢および第2姿勢に振分体89が切り替わるよう前記振分ソレノイド90をメイン制御CPU60aが駆動制御して、特殊入賞口80aに入賞して特殊入賞通路83を通過するパチンコ球を第1分岐通路(特定領域)85および第2分岐通路(非特定領域)86に振り分けるよう構成されている。すなわち、前記振分体89が第1姿勢にあるタイミングで分岐位置に移動したパチンコ球を第1分岐通路85に誘導し、振分体89が第2姿勢にあるタイミングで分岐位置に移動したパチンコ球を第2分岐通路86に誘導するようになっている。ここで、実施例では、特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が概ね1/5の確率で第1分岐通路85に振り分けられるよう前記特殊入賞部80の振分体89が姿勢変位するよう振分ソレノイド90が駆動制御される。なお、前記特殊入賞部80は、小当り遊技に当選した際の遊技状態(変短状態か否か)や、決定された小当り図柄の種類に関わらず、一定パターンで振分体89が第1姿勢および第2姿勢に切り替わるよう振分ソレノイド90が駆動制御される。
具体的に、図10に示すように、前記特殊入賞部80は、小当り遊技に伴って前記特殊入賞開閉部材81が開放してから所定時間(例えば4ミリ秒)が経過した後に第2姿勢から第1姿勢に切り替わって1回目の第1分岐通路85の球入口の開放を行うと共に、第1姿勢に切り替わってから所定時間(例えば400ミリ秒)が経過した後に第1姿勢から第2姿勢に切り替わるよう前記振分ソレノイド90が駆動制御される。更に、第2姿勢に切り替わってから所定時間(例えば420ミリ秒)が経過した後に第2姿勢から第1姿勢に切り替わって2回目の第1分岐通路85の球入口の開放を行うと共に、第1姿勢に切り替わってから所定時間(例えば120ミリ秒)が経過した後に第1姿勢から第2姿勢に切り替わるよう前記振分ソレノイド90が駆動制御される。そして、2回目の第2姿勢への切り替わりから所定時間(例えば2000ミリ秒)が経過した後に第2姿勢から第1姿勢に切り替わって3回目の第1分岐通路85の球入口の開放を行うと共に、第1姿勢に切り替わってから所定時間(例えば40ミリ秒)が経過した後に第1姿勢から第2姿勢に切り替わるよう前記振分ソレノイド90が駆動制御される。
このように、実施例の特殊入賞部80は、第2姿勢から第1姿勢への振分体89の切り替えを複数回(3回)行われるよう構成されており、前記小当り遊技において特定領域としての第1分岐通路85にパチンコ球が振り分けられる期待感を継続して維持し得るよう構成されている。また、特殊入賞部80は、前記特殊入賞開閉部材81が特殊入賞口80aを閉鎖した後にも第2姿勢から第1姿勢に振分体89が切り替わる(3回目の切り替わり)よう構成され、特殊入賞開閉部材81が閉鎖した後も特殊入賞通路83に残留するパチンコ球が第1分岐通路85に振り分けられる可能性を残すことで、小当り遊技の最後まで継続大当り遊技が生起される期待感を維持し得るようになっている。
(継続大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される継続大当り遊技について説明する。継続大当り遊技は、特図当り判定において小当りに当選した場合に特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が第1分岐通路85を通過した場合(特定領域検出センサ87がパチンコ球を検出した場合)に、小当り遊技が終了した後に開始されるよう設定されており、特殊入賞口80aを開放する契機となった小当り図柄の種類に応じて前記特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開閉動作されるようになっている。なお、実施例の継続大当り遊技では、前記特図当り判定において大当りに当選した場合に付与される大当り遊技と同様に、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、開放した特別入賞口40aに入賞上限個数(例えば8個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、継続大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別入賞開閉部材43を閉鎖状態で保持させるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(継続大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図8に示すように、小当り遊技において前記特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過(入球)した場合に、複数種類の継続大当り遊技の中から1つの継続大当り遊技が決定され、その決定された継続大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の継続大当り遊技の内で何れの継続大当り遊技が付与されるかは、特殊入賞口80aを開放する契機となった小当りに当選した特図当り判定で決定された小当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。なお、小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過(入球)して継続大当り遊技が決定された場合は、当該小当り遊技を継続大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技としてカウントするよう設定されている。
(第1始動入賞口30aへの入賞に基づく小当り図柄と継続大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の小当り図柄の中から1つの小当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図8に示すように、第1始動入賞口30aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の小当り図柄(図柄D〜図柄E)の中から1つの小当り図柄を決定するようになっている。なお、複数種類の小当り図柄(図柄D〜図柄E)の選択割合は、各小当り図柄毎に割り当てられている特図決定用判定値の割当数により定められ、小当り図柄毎の特図決定用判定値の割当数を変更することで、小当り図柄の振分割合を任意に調整することが可能である。
ここで、メイン制御CPU60aが図柄D〜図柄Eを決定して行われる小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合に、小当り遊技に引き続いて付与される継続大当り遊技は、図8に示すように、規定ラウンド数が「2回」に設定されて、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口40aを開放する開放動作を特別入賞開閉部材43に行わせるよう設定された全開放ラウンド遊技で構成されている。すなわち、各ラウンド遊技において特別入賞開閉部材43が1回だけ開放し、継続大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別入賞開閉部材43が繰り返すようになっている。ここで、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技は、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として、入賞上限個数のパチンコ球が特別入賞口40aに入賞不能な時間に設定されている。具体的には、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技におけるラウンド遊技時間は「0.04(秒)」が設定されている。なお、継続大当り遊技前の小当り遊技が1ラウンド目となることから、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技は、実質的に1回のラウンド遊技分だけ特別入賞開閉部材43が開放動作するように設定されている。すなわち、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技は、1回の小当り遊技が終了するまでの間に殆ど賞球を獲得できないよう設定されている。
また、図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技は、当該継続大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、継続大当り遊技の終了後に所定の変短回数の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。ここで、変短状態が付与される変短回数は、図柄D〜図柄E毎に異なる回数に定められており、継続大当り遊技の契機となる小当り図柄(図柄D〜図柄E)の種類に応じて継続大当り遊技後に付与される特典(変短回数)が変動するようになっている。具体的に、実施例では、図8に示すように、図柄Dが決定された場合に、対応する継続大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が100回に設定され、図柄Eが決定された場合に、対応する継続大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が10回に設定されている。すなわち、第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づいて賞球の獲得が殆ど期待できない図柄D〜図柄Eに対応した継続大当り遊技が決定された場合には、当該継続大当り遊技後に変短状態が付与されるように設定されている。
(第2始動入賞口31aへの入賞に基づく小当り図柄と継続大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の小当り図柄の中から1つの小当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図8に示すように、第2始動入賞口31aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の小当り図柄(図柄d〜図柄e)の中から1つの小当り図柄を決定するようになっている。なお、複数種類の小当り図柄(図柄d〜図柄e)の選択割合は、各小当り図柄毎に割り当てられている特図決定用判定値の割当数により定められ、小当り図柄毎の特図決定用判定値の割当数を変更することで、小当り図柄の振分割合を任意に調整することが可能である。
ここで、メイン制御CPU60aが図柄dを決定して行われる小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合に、小当り遊技に引き続いて付与される継続大当り遊技は、図8に示すように、規定ラウンド数が「16回」に設定されて、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。これに対し、メイン制御CPU60aが図柄eを決定して行われる小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合に、小当り遊技に引き続いて付与される継続大当り遊技は、図8に示すように、規定ラウンド数が「5回」に設定されて、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。また、図柄d〜図柄eに対応した継続大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口40aを開放する開放動作を特別入賞開閉部材43に行わせるよう設定された全開放ラウンド遊技で構成されている。すなわち、各ラウンド遊技において特別入賞開閉部材43が1回だけ開放し、継続大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別入賞開閉部材43が繰り返すようになっている。図柄d〜図柄eに対応した継続大当り遊技は、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として、入賞上限個数のパチンコ球が特別入賞口40aに入賞可能な時間に設定されている。具体的には、図柄d〜図柄eに対応した継続大当り遊技におけるラウンド遊技時間は「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別入賞開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、継続大当り遊技前の小当り遊技が1ラウンド目となることから、図柄dに対応した継続大当り遊技は、実質的に15回のラウンド遊技分だけ特別入賞開閉部材43が開放動作するように設定されると共に、図柄eに対応した継続大当り遊技は、実質的に4回のラウンド遊技分だけ特別入賞開閉部材43が開放動作するように設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、図柄dに対応した継続大当り遊技と図柄eに対応した継続大当り遊技とでは、1回の小当り遊技が終了するまでの間に獲得し得る賞球が異なるように設定されている。
また、図柄d〜図柄eに対応した継続大当り遊技は、当該継続大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、継続大当り遊技の終了後に所定の変短回数の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。ここで、変短状態が付与される変短回数は、図柄d〜図柄e毎に異なる回数に定められており、継続大当り遊技の契機となる小当り図柄(図柄d〜図柄e)の種類に応じて継続大当り遊技後に付与される特典(変短回数)が変動するようになっている。具体的に、実施例では、図8に示すように、図柄dが決定された場合に、対応する継続大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が100回に設定され、図柄eが決定された場合に、対応する継続大当り遊技の終了後に変短状態が付与される変短回数が10回に設定されている。
このように、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)で、小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合には、前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)で、小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合と比べて、1回の継続大当り遊技において獲得可能な賞球数が多くなるよう設定される。また、実施例では、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)で、小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合には、前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞)に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定(小当り)で、小当り遊技において特殊入賞部80の第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合と比べて、大当り遊技後に変短状態が付与される割合が同じに設定されている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図6に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18や照明部99,100等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19(図1、図6参照)の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18や照明部99,100等)の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図6に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動入賞検出センサ34,34、第2始動入賞検出センサ35、特別入賞検出センサ44、特殊入賞検出センサ84、特定領域検出センサ87、非特定領域検出センサ88およびゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞部31の始動入賞ソレノイド32、特別入賞部40の特別入賞ソレノイド42、特殊入賞部80の特殊入賞ソレノイド82や振分ソレノイド90が夫々接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われる。
前記メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30a,30aおよび第2始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34,34、第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(遊技情報)としての特図当り判定用乱数、特図決定用乱数等の各種乱数の値や、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(遊技情報)としての普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数の値を、所定の周期(実施例では4ミリ秒)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種遊技情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りまたは小当りを発生するか否かの特図当り判定(特図当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数であり、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、実施例では、特図決定用乱数の各値には、はずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す大当り表示に対応する乱数と、小当りを示す小当り表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、特図表示部50A,50Bに確定停止表示される特図が特定されるようになっている。また、前記大当り図柄や小当り図柄としての特図1および特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類や継続大当り遊技の種類が特定されるようになっている。また、大当り遊技や継続大当り遊技の種類毎に変短状態が付与されるか否かが対応して定められており、特図決定用乱数が変短状態を付与するか否かを決定する乱数(情報)としての機能も有している。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数および特図決定用乱数は、第1始動入賞口30a,30a、第2始動入賞口31aの何れかにパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34,34、第2始動入賞検出センサ35の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31aの開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「35535」の全35536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、普図決定用乱数は、普図当り判定の結果に応じて普図表示部55に確定停止表示させる普図を決定する際に用いる乱数(実施例での設定数255個)である。ここで、普図決定用乱数の各値には、普図はずれを示す1種類の普図表示に対応する乱数と、普図当りを示す2種類の普図表示に対応する乱数とが設定されており、該普図決定用乱数の値により、普図表示部55に確定停止表示される普図が特定されるようになっている。そして、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当り遊技を生起するか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、第1始動入賞口30a,30a、第2始動入賞口31aの何れかにパチンコ球が入賞した際に取得した特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致した場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与することが決定される一方、特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致しない場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与しないことが決定される。
ここで、実施例では、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合と、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合とで、大当り遊技に当選する確率(大当り遊技が生起される確率)は同一の確率に設定されている。具体的に、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機とする特図当り判定に用いられる大当り判定値として、219個の判定値が設定され、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とする特図当り判定に用いられる大当り判定値として、219個の判定値が設定され、第1始動入賞口30a,30aおよび第2始動入賞口31aの何れかへの入賞を契機として特図当り判定が行われた場合に、1/299.25の確率で大当り判定に当選するように設定されている。
また、前記メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて小当り遊技を生起するか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、第1始動入賞口30a,30a、第2始動入賞口31aの何れかにパチンコ球が入賞した際に取得した特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致した場合に、図柄変動演出の終了後に小当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定する一方、特図当り判定用乱数が特図当り判定値と一致しない場合に、図柄変動演出の終了後に小当り遊技を付与しないことをメイン制御CPU60aが決定する。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞部30a,30aおよび第2始動入賞部31の夫々に対応した始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出を契機として、前記特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81を開放作動させるか否かの特殊入賞口開放判定(特図当り判定)を行う開放判定手段としての機能を有している。
ここで、実施例では、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合と、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合とで、小当り遊技に当選する確率(小当り遊技が生起される確率)が異なるよう設定されている。すなわち、第1始動入賞口30a,30aにパチンコ球が入賞した場合と、第2始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した場合とで、前記特殊入賞部80の特殊入賞口80aが開放する割合を異ならせることで、多様な遊技態様を実現している。実施例では、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合と比べて、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定が行われる場合の方が、小当り遊技に当選する確率(小当り遊技が生起される確率)が高くなるよう設定されており、普図当り判定条件の成立に伴って別途行われる普図当り判定に伴って第2始動入賞口31aが開放することへの関心を高めてある。具体的に、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機とする特図当り判定に用いられる小当り判定値として、156個の判定値が設定されて、第1始動入賞口30a,30aへの入賞を契機として特図当り判定が行われた場合に、1/420.10の確率で小当り判定に当選するよう設定されると共に、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とする特図当り判定に用いられる小当り判定値として、13110個の判定値が設定されて、第2始動入賞口31aへの入賞を契機として特図当り判定が行われた場合に、1/4.998の確率で小当り判定に当選するよう設定されている。
実施例のように、前記第2の球流下領域21bにのみゲート部48が設けられる盤面構成のパチンコ機10は、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を主とする遊技形態(左打ち遊技)の場合には、特図当り判定において大当り遊技に当選するか否かを主とした遊技性の遊技が行われ、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を主とする遊技形態(右打ち遊技)の場合には、特図当り判定において小当り遊技に当選するか否かを主とした遊技性の遊技が行われるよう構成されている。すなわち、非変短状態で行われる左打ち遊技と、変短状態で行われる右打ち遊技とで遊技性が全く異なる遊技を行い得るようになっている。なお、前記大当り判定値および小当り判定値には、異なる値の判定値が設定され、一度の特図当り判定によって大当り遊技と小当り遊技とに同時に当選しないよう構成してある。
また、前記メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が大当りの場合(大当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、100種類の特図決定用乱数に対応した種類の整数値が設定されている。そして、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の大当り図柄として設定された前記3種類の図柄A〜図柄Cに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄A〜図柄Cの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。同様に、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の大当り図柄として設定された前記3種類の図柄a〜図柄cに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄a〜図柄cの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、前記特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が小当りの場合(小当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる小当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる小当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。すなわち、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として小当り判定に当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の小当り図柄として設定された前記2種類の図柄D〜図柄Eに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄D〜図柄Eの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。同様に、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として小当り判定に当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の小当り図柄として設定された前記2種類の図柄d〜図柄eに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄d〜図柄eの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、前記メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、ゲート部48をパチンコ球が通過した際に取得した普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致した場合に、普図変動の終了後に第2始動入賞部31の始動口開閉部材33を開閉作動することが決定される一方、普図当り判定用乱数が普図当り判定値と一致しない場合に、普図変動の終了後に第2始動入賞部31の始動口開閉部材33を開閉作動しないことが決定される。なお、ゲート部48へのパチンコ球の通過を契機とする普図当り判定に用いられる普図当り判定値として、49152個の判定値が設定され、ゲート部48の通過を契機として普図当り判定が行われた場合に、49152/65536の確率で普図当り判定に当選するよう設定されている。
前記メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示部55に確定停止表示させる普図を、普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、普図当りを示す前述した種類の普図決定用乱数に対応した整数値(実施例での設定数255個)が設定されている。ここで、図11に示すように、前記非変短状態で普図当り判定が行われる場合には、普図Bに対して254個の普図決定用判定値が割り当てられ、普図Cに対して1個の普図決定用判定値が割り当てられるよう設定されている。また、前記変短状態で普図当り判定が行われる場合には、普図Bに対して100個の普図決定用判定値が割り当てられ、普図Cに対して155個の普図決定用判定値が割り当てられるよう設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aは、ゲートセンサ49によるパチンコ球の検出を契機として、前記第2始動入賞部31の始動口開閉部材33を開閉作動させるか否かを判定(すなわち普図当り判定)する始動口開閉判定手段として機能すると共に、普図当り判定の判定結果が肯定の場合に、第2始動入賞部31の始動入賞ソレノイド32を駆動させて第2始動入賞口31aを開放させる駆動制御手段として機能するようになっている。
(第2始動入賞部31における始動口開閉部材33の開閉制御について)
次に、前記ゲート部48をパチンコ球が通過することを契機として行われる前記第2始動入賞部31(第2始動入賞口31a)における始動口開閉部材33の開閉制御について説明する。
(普図当りの種類について)
実施例のパチンコ機10では、前記ゲート部48をパチンコ球が通過することを契機として行われる普図当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の開閉動作パターンの中から1つの開閉動作パターンをメイン制御CPU60aが決定し、その決定された開閉動作パターンに基づいて前記第2始動入賞部31(第2始動入賞口31a)の始動口開閉部材33を開閉動作させるよう設定されている。すなわち、実施例におけるメイン制御CPU60aは、始動口開閉部材33を開閉動作させる開閉条件を定めた開閉動作パターンを決定可能な開閉条件決定手段として機能している。なお、実施例では、メイン制御CPU60aが決定可能な開閉動作パターンとして4種類の開閉動作パターンが設定されている。
ここで、図11に示すように、開閉動作パターンは、普図当りの際に始動口開閉部材33を開放させる開閉態様(開放時間および開放回数)を特定するものである。そして、複数種類の開閉動作パターンの内で何れの開閉動作パターンで始動口開閉部材33を開放動作させるかは、普図当り判定に当選した際に決定される普図の種類に応じて決定されるようになっている。前述のように、実施例では、普図当り判定の結果がはずれの場合に決定される普図Aと、普図当り判定の結果が当りの場合に決定される普図Bおよび普図Cの2種類が設定されており、普図当りとなる普図Bおよび普図Cが決定された場合に、決定された普図に応じた開閉動作パターンで始動口開閉部材33が開閉動作するようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aが決定可能な開閉動作パターンは、普図当り判定を行う時点での遊技状態に応じて定められている。実施例では、普図当り判定を行う時点での遊技状態が変短状態であるか否かにより、決定可能な開閉動作パターンの種類が定められている。具体的に、遊技状態が非変短状態の場合には、普図Bに対して第1開閉動作パターンが対応づけられると共に、普図Cに対して第2開閉動作パターンが対応づけられている。また遊技状態が変短状態の場合には、普図Bに対して第3開閉動作パターンが対応づけられると共に、普図Cに対して第4開閉動作パターンが対応づけられている。ここで、第1〜第4開閉動作パターンは、1回の普図当りによって始動口開閉部材33を開放させる総開放時間が異なるよう設定されており、第1〜第4開閉動作パターンの何れの開閉動作パターンで始動口開閉部材33が開閉動作するかによって第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞期待度が異なるようになっている。
第1開閉動作パターンは、図11に示すように、遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31aに略入賞不能な開放時間で始動口開閉部材33を開放動作させるよう設定されている。具体的には、実施例の第1開閉動作パターンは、始動口開閉部材33が「32ミリ秒」の開放動作を1回行うよう設定されて、当該開放動作に伴って第2始動入賞口31aへの入賞が殆ど期待できないようになっている。一方で、第2開閉動作パターンは、遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31aに入賞可能な開放時間で始動口開閉部材33を開放動作させるよう設定されている。具体的には、実施例の第2開閉動作パターンは、始動口開閉部材33が「32ミリ秒」の開放動作を1回行った後に、「5000ミリ秒」の開放動作を1回行うよう設定されて、2回目の開放動作時に第2始動入賞口31aへの入賞が可能となるよう設定されている。すなわち、非変短状態では、普図当り判定に伴って普図Cが決定された場合に限り、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞(特図当り判定条件の成立)を期待し得るようになっている。
また、第3開閉動作パターンおよび第4開閉動作パターンは、図11示すように、遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31aに入賞可能な開放時間で始動口開閉部材33を開放動作させるよう設定されている。具体的には、実施例の第3開閉動作パターンは、始動口開閉部材33が「1068ミリ秒」の開放動作を5回行うよう設定され、第4開閉動作パターンは、始動口開閉部材33が「1072ミリ秒」の開放動作を5回行うよう設定されて、1回目〜5回目の開放動作時に第2始動入賞口31aへの入賞が可能となるよう設定されている。すなわち、変短状態では、普図当り判定に伴って普図Bおよび普図Cの何れが決定された場合であっても、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞(特図当り判定条件の成立)を期待し得るようになっている。なお、第3開閉動作パターンおよび第4開閉動作パターンでは、始動口開閉部材33が閉鎖してから次の開放動作を行うまでのインターバル時間が800ミリ秒に設定されている。
このように、非変短状態で行われる左打ち遊技では、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞頻度を抑えることで、第1始動入賞口30a,30aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定において大当り遊技に当選するか否かを主とした遊技性の遊技を実現すると共に、変短状態で行われる右打ち遊技では、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞頻度を高めることで、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定において小当り遊技に当選するか否かを主とした遊技性の遊技を実現している。
すなわち、可変入賞口としての第2始動入賞口31aを含む始動入賞口30a,30aa,31aへの入賞を契機として遊技情報を取得する遊技情報取得手段、取得した遊技情報に基づいて当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)を生起するか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する遊技状態決定手段(入賞率向上状態決定手段)として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間(変短回数)を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ入賞率向上状態を付与する遊技状態付与手段(入賞率向上状態付与手段)としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態の付与期間(変短回数)として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、決定された当り遊技の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口30a,30aa,31aへの入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール22により画成された発射通路29を介して遊技領域21内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域21の第1の球流下領域21aまたは第2の球流下領域21bをパチンコ球が流下する。
前記飾り部材91における前記第1の球流下領域21aに臨む部位には、図2に示す如く、前記左普通入賞部45および左第1始動入賞部30が所定の高低差で設けられており、第1の球流下領域21aを流下するパチンコ球が左普通入賞部45や左第1始動入賞部30に入賞する可能性がある。すなわち、前記遊技盤20に設けられた遊技領域21の第1の球流下領域21aにパチンコ球を打ち出して流下させる遊技形態(左打ち遊技)では、遊技盤20に植設された遊技釘23に当って流下方向が変更されたパチンコ球が左普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞すると、前記普通入賞検出センサ47によって該パチンコ球が検出されて、前記メイン制御CPU60aの制御下に所定数の賞球が払い出される。また、飾り部材91には、左普通入賞部45と左第1始動入賞部30との間に第1流路変更部材102が設けられており、左普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞することなく該左普通入賞部45の右側を流下するパチンコ球は、該第1流路変更部材102によって左第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに向けて案内される。そして、左第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞したパチンコ球が第1始動入賞検出センサ34により検出されることで、特図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて特図当り判定が行われる。
前記第1流路変更部材102と左第1始動入賞部30との間には第1隙間S1が形成されているので、該第1流路変更部材102によって左第1始動入賞部30まで案内されなかったパチンコ球は、該第1隙間S1を通って当該飾り部材91に設けた左第1装飾部材95における装飾部95aの前側を流下する。そして、該パチンコ球は前記アウト口26まで流下して、該アウト口26から排出される。また、左普通入賞部45と前記内レール28bとは離間しており、左普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞することなく該左普通入賞部45の左側を流下するパチンコ球は、前記左第1装飾部材95における装飾部95aの前側を通って前記アウト口26まで流下して該アウト口26から排出される。
前記飾り部材91には、左第1始動入賞部30と第2始動入賞部31との間に第2流路変更部材103,103が設けられており、左第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞することなく該左第1始動入賞部30の右側を流下するパチンコ球は、該第2流路変更部材103,103によって第2始動入賞部31に向けて案内される。なお、第2始動入賞部31の前記始動口開閉部材33は、前記ゲートセンサ49の球検出を契機として実行される普図当り判定で当選した場合にのみ開放されるものであるので、左打ち遊技を行っている状態では始動口開閉部材33は開成位置に保持されている。従って、第2流路変更部材103,103によってパチンコ球が第2始動入賞部31に向けて案内されたとしても、該パチンコ球が第2始動入賞口31aに入賞することはない。
ここで、前記左第1始動入賞部30、上側第2流路変更部材103、下側第2流路変更部材103および第2始動入賞部31の間には第2隙間S2が夫々形成されているので、左第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞しなかったパチンコ球は、第2始動入賞部31まで案内されることなく各第2隙間S2を通って当該飾り部材91に設けた左第2装飾部材96における装飾部96aの前側を流下する場合もある。そして、該パチンコ球は、前記アウト口26まで流下して、該アウト口26から排出される。
前記飾り部材91に配設された前記左照明部99の発光体101aを発光すると、該光が前記左光拡散部材97の裏面に照射されて該左光拡散部材97が明輝する。また、左光拡散部材97を透過した光が左側の第1および第2装飾部材95,96における装飾部95a,96aを裏側から照明する。装飾部95a,96aは、遊技領域21の一部を構成しており、前記左普通入賞部45や左第1始動入賞部30に入賞することなく各入賞部45,30より下側を流下するパチンコ球が装飾部95a,96aの前側を通る際には、装飾部95a,96aが照らされることで該パチンコ球も照明されてパチンコ球の動きを目立たせることができ、遊技の興趣を向上し得る。また、飾り部材91に配設した発光体101aによって遊技領域21を発光装飾して装飾性を高めることができる。
前記飾り部材91における前記第2の球流下領域21bに臨む部位には、図2に示す如く、前記右普通入賞部45および右第1始動入賞部30が所定の高低差で設けられており、第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球が右普通入賞部45や右第1始動入賞部30に入賞する可能性がある。すなわち、前記遊技盤20に設けられた遊技領域21の第1の球流下領域21aにパチンコ球を打ち出して流下させる遊技形態(右打ち遊技)では、前記左打ち遊技の場合と同様に、遊技盤20に植設された遊技釘23に当って流下方向が変更されたパチンコ球が右普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞すると、前記普通入賞検出センサ47によって該パチンコ球が検出されて、前記メイン制御CPU60aの制御下に所定数の賞球が払い出される。また、飾り部材91には、右普通入賞部45と右第1始動入賞部30との間に第1流路変更部材102が設けられており、右普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞することなく該右普通入賞部45の左側を流下するパチンコ球は、該第1流路変更部材102によって右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに向けて案内される。そして、右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞したパチンコ球が第1始動入賞検出センサ34により検出されることで、特図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて特図当り判定が行われる。
前記第1流路変更部材102と右第1始動入賞部30との間には第1隙間S1が形成されているので、該第1流路変更部材102によって右第1始動入賞部30まで案内されなかったパチンコ球は、該第1隙間S1を通って当該飾り部材91に設けた右第1装飾部材95における装飾部95aの前側を流下する。そして、該パチンコ球は前記アウト口26まで流下して、該アウト口26から排出される。また、右普通入賞部45と前記第3盤面保護部材27cとは離間しており、右普通入賞部45の普通入賞口45aに入賞することなく該右普通入賞部45の右側を流下するパチンコ球は、前記右第1装飾部材95における装飾部95aの前側を通って前記アウト口26まで流下して該アウト口26から排出される。
前記飾り部材91には、右第1始動入賞部30と第2始動入賞部31との間に第2流路変更部材103,103が設けられており、右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞することなく該右第1始動入賞部30の左側を流下するパチンコ球は、該第2流路変更部材103,103によって第2始動入賞部31に向けて案内される。
ここで、前記第2の球流下領域21bには、前記第2始動入賞部31の配設位置より上方に前記ゲート部48が設けられており、該ゲート部48に入球したパチンコ球が前記ゲートセンサ49で検出されることで実行される普図当り判定で当選した場合は、前記始動口開閉部材33が開放される。すなわち、前記始動口開閉部材33が開放した状態で、前記飾り部材91に配設されている前記第2流路変更部材103,103によってパチンコ球が第2始動入賞部31に向けて案内された場合は、該パチンコ球が第2始動入賞口31aに入賞する。そして、第2始動入賞部31の第2始動入賞口31aに入賞したパチンコ球が第2始動入賞検出センサ35により検出されることで、特図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて特図当り判定が行われる。
ここで、前記右第1始動入賞部30、上側第2流路変更部材103、下側第2流路変更部材103および第2始動入賞部31の間には第2隙間S2が夫々形成されているので、右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aに入賞しなかったパチンコ球は、第2始動入賞部31まで案内されることなく各第2隙間S2を通って当該飾り部材91に設けた左第2装飾部材96における装飾部96aの前側を流下する場合もある。そして、該パチンコ球は、前記アウト口26まで流下して、該アウト口26から排出される。
前記飾り部材91に配設された前記右照明部100の発光体101aを発光すると、該光が前記右光拡散部材98の裏面に照射されて該右光拡散部材98が明輝する。また、右光拡散部材98を透過した光が右側の第1および第2装飾部材95,96における装飾部95a,96aを裏側から照明する。装飾部95a,96aは、遊技領域21の一部を構成しており、前記右普通入賞部45や右第1始動入賞部30に入賞することなく各入賞部45,30より下側を流下するパチンコ球が装飾部95a,96aの前側を通る際には、装飾部95a,96aが照らされることで該パチンコ球も照明されてパチンコ球の動きを目立たせることができ、遊技の興趣を向上し得る。また、飾り部材91に配設した発光体101aによって遊技領域21を発光装飾して装飾性を高めることができる。
前記飾り部材91は、普通入賞部45,45、第1始動入賞部30,30、第2始動入賞部31および照明部99,100を備えて一体で扱い得るよう構成されており、該飾り部材91を前記遊技盤20に形成した下部装着口に取り付けることで、普通入賞部45,45、第1始動入賞部30,30、第2始動入賞部31および照明部99,100を遊技盤20に対して位置決めすることができる。すなわち、普通入賞部45,45、第1始動入賞部30,30、第2始動入賞部31および照明部99,100を個々に取り付けるための装着口を遊技盤20に設ける必要はなく、遊技部品を取り付けるために遊技盤20に施す加工工数を低減して製造コストを低廉に抑えることができる。また、遊技盤20に飾り部材91を取り付けるだけで、普通入賞部45,45、第1始動入賞部30,30、第2始動入賞部31および照明部99,100を遊技盤20に組み付けることができるので、組み付け工数を低減して遊技部品の組み立てに要する手間を軽減し得る。更に、飾り部材91に複数の遊技部品を設けているので、遊技部品の取り付け領域を削減することができ、図柄変動演出を行う表示装置17の大型化を可能とし得る。
前記飾り部材91に、図2に示す如く、パチンコ球の流下方向を変更する流路変更部材102,103を設けたので、遊技盤20に別途設ける遊技釘23等の流路変更部材を減らすことができ、これによって遊技部品の点数を低減して製造コストを更に低減し得る。また、第1流路変更部材102は、第1始動入賞口30aに向けてパチンコ球を案内するべく機能するので、該第1流路変更部材102と第1始動入賞口30aとの関係を一定に保持することができ、遊技盤20への取り付け後の調節を不要とし得る。また、第2流路変更部材103,103は、第2始動入賞口31aに向けてパチンコ球を案内するべく機能するので、該第2流路変更部材103,103と第2始動入賞口31aとの関係を一定に保持することができ、遊技盤20への取り付け後の調節を不要とし得る。すなわち、遊技釘等のように遊技盤20に取り付けた後に調節を行うことなく、各始動入賞口30a,31aに予め設定された入球率を維持し得る。
次に、ゲート部48および各入賞口30a,31a,80aの配設位置によって創出される遊技について説明する。
前記右打ち遊技において、前記第2の球流下領域21bを流下したパチンコ球が前記ゲート部48のゲート入口に入球し、該パチンコ球が当該ゲート部48に設けられたゲートセンサ49により検出されることで、普図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて普図当り判定が行われる。また、ゲートセンサ49で検出されたパチンコ球は、ゲート部48のゲート出口を通出して、前記飾り部材91に設けられた右普通入賞部45や右第1始動入賞部30に向けて流下する。このパチンコ球は、右普通入賞部45や右第1始動入賞部30に入賞する可能性がある。そして、右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aにパチンコ球が入賞し、該パチンコ球が第1始動入賞検出センサ34により検出されることで、特図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて特図当り判定が行われる。
このように、実施例のパチンコ機10では、ゲート部48が配設される第2の球流下領域21bにおいて該ゲート部48より下方に右第1始動入賞部30を設け、右第1始動入賞口30aにパチンコ球が入賞する前にゲート部48を通出可能に構成したことで、右第1始動入賞口30aへの入賞に伴う特図当り判定条件と、ゲート部48のパチンコ球の通過に伴う普図当り判定条件(特図当り判定条件とは異なった別の判定条件)とを1つのパチンコ球により成立させることが可能となる。すなわち、遊技領域21を流下する1個のパチンコ球がゲート部48のゲートセンサ49および右第1始動入賞部30の第1始動入賞検出センサ34で検出されることで、普図当り判定条件の成立に伴って行われる普図当り判定の結果に応じて第2始動入賞部31における第2始動入賞口31aが開放する契機が得られると共に、特図当り判定条件の成立に伴って行われる特図当り判定の結果に応じて大当り遊技や小当り遊技が生起される機会が得られる。
また、ゲート部48に対応したゲートセンサ49によるパチンコ球の検出に伴う普図当り判定の判定結果に関わらず、第1始動入賞口30aが常時開口する右第1始動入賞部30をゲート部48より下方に配置することで、ゲート部48へのパチンコ球の入球と右第1始動入賞口30aへの入賞とを1つのパチンコ球により実現することが可能となる。このように、常時開口する右第1始動入賞部30を、ゲート部48を通過したパチンコ球が流下する第2の球流下領域21bに配置することにより、第1始動入賞口30aへの入賞に伴い特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が生起される期待を持たせると同時に、当該常時開口した第1始動入賞口30aに入賞する前にパチンコ球がゲート部48を通過することに伴って第2始動入賞部31の始動口開閉部材33が開放作動される期待を持たせることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、前記右第1始動入賞部30(左第1始動入賞部30)に対応した第1始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出を契機としてメイン制御CPU60aが特図当り判定を行う場合に、特殊入賞部80の特殊入賞口80aが開放される小当りに当選する確率(実施例では1/420.10)よりも、前記第2始動入賞部31に対応した第2始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出を契機としてメイン制御CPU60aが特図当り判定を行う場合に、特殊入賞部80の特殊入賞口80aが開放される小当りに当選する確率(実施例では約1/5)の方が高くなるよう設定されている。すなわち、前記右第1始動入賞部30に対応した第1始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出を契機として特図当り判定が行われるよりも、前記第2始動入賞部31に対応した第2始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出を契機として特図当り判定が行われる場合の方が、メイン制御CPU60aが肯定判定(小当り判定)する割合が高くなっている。
このように、常時開口した右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aにパチンコ球が入賞した際には、当該第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞に起因した特図当り判定条件の成立に伴って当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が生起される期待感が得られるだけでなく、当該第1始動入賞口30aへの入賞の前にゲート部48をパチンコ球が通過した場合は、第2始動入賞部31の第2始動入賞口31aが開放して特殊入賞部80の特殊入賞開閉部材81が開放作動される期待感を高めることができる。また、特殊入賞開閉部材81の開放作動に伴い特殊入賞部80の特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が特定領域としての第1分岐通路85を通過することで、当該特殊入賞部80を開放する小当り遊技に引き続いて特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開放作動する継続大当り遊技が生起される。このように、右第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aにパチンコ球が入賞するのに伴って、特別入賞部40の特別入賞口40aにパチンコ球を入賞させ得る大当り遊技(通常の大当り遊技および継続大当り遊技)が生起される複数の異なった機会を創出することが可能で、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、前記特殊入賞部80は、特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が特定領域としての第1分岐通路85を概ね1/5の確率で通過する動作態様で前記振分体89が第1姿勢および第2姿勢に切り替わるよう作動される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞部31が開放作動して第2始動入賞口31aにパチンコ球が入賞することで、小当りに当選する確率(実施例では1/5)および特殊入賞口80aに入賞したパチンコ球が特定領域としての第1分岐通路85を通過する確率(実施例では1/5)を掛け合わせた確率(1/25)で継続大当り遊技が生起され、前記右第1始動入賞部30に対応した第1始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出を契機としてメイン制御CPU60aが特図当り判定を行って大当りに当選する確率(実施例では1/299.25)と比べて極めて高確率で継続大当り遊技が生起されるようになっている。これにより、ゲート部48へのパチンコ球の入球と第1始動入賞口30aへの入賞とを1つのパチンコ球により実現可能とすることで、第1始動入賞口30aへの入賞に伴い特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が生起される期待を持たせると同時に、より高確率で継続大当り遊技が生起される第2始動入賞部31の始動口開閉部材33が開放作動されることへの関心を高めることができる。このため、第1始動入賞口30aへの入賞に伴って行われる特図変動表示(図柄表示演出)だけでなく、ゲート部48への入球に伴って行われる普図変動表示に対する関心を高め、遊技の興趣を増大することができる。また、表示装置17においてゲート部48への入球に伴って行われる普図変動に合わせて表示装置17において第2始動入賞部31が開放作動するか否かに関する演出を行うようにすることで、一層遊技の興趣を高めることも可能となる。
また、前記特殊入賞部80は、第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球が入賞可能な位置に特殊入賞口80aが開口するよう設けられている。このため、非変短状態において左打ち遊技を行っている際に特殊入賞部80を開放作動する小当り遊技に当選した場合には、遊技盤20に形成された第2の球流下領域21bにパチンコ球を打ち出して流下させる右打ち遊技に切り替えて遊技が行われる。このように、小当り遊技に伴って能動的に遊技形態を切り替えて遊技を行うようにすることで、遊技に対する遊技者の関心を維持することができる。
ここで、非変短状態で小当り遊技に当選した場合には、特殊入賞部80を開放作動する前に、小当り遊技に当選したこと(特殊入賞部80が開放作動すること)を報知するオープニング演出が行われることで、左打ち遊技から右打ち遊技に遊技形態を切り替えるべきことを遊技者に確実に認識させることができ、適切な遊技形態での遊技を遊技者に行わせて遊技を楽しむことが可能となる。また、大当り遊技(通常の大当り遊技および継続大当り遊技)に伴って開放する特別入賞部40を第2の球流下領域21bに設けてあるから、特殊入賞部80が開放作動する小当り遊技に伴って左打ち遊技から右打ち遊技に遊技形態を切り替えさせることで、当該特別入賞部40が開放作動する可能性(大当りの可能性)が高まっていることを遊技者に実感させることができ、高揚感の高い遊技を行うことができる。そして、小当り遊技において特定領域としての第1分岐通路85をパチンコ球が通過した場合には、小当り遊技時の遊技形態(右打ち遊技)からパチンコ球の打ち出し位置を変更することなくそのまま継続大当り遊技を続けることができるから、遊技に煩わしさがなく、不慣れな遊技者でも戸惑いなく遊技を楽しむことができる。
また、変短状態では、第2の球流下領域21bにパチンコ球を打ち出して流下させる右打ち遊技を行うことで、図2に示すように、当該第2の球流下領域21bを流下するパチンコ球がゲート部48に入球する。そして、ゲート部48のゲート入口に入球したパチンコ球が当該ゲート部48に設けられたゲートセンサ49により検出されることで、普図当り判定条件が成立して、メイン制御CPU60aにおいて普図当り判定が行われる。すなわち、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞率が向上していない非変短状態では、左打ち遊技により左第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞に伴う大当りの当選を、特別入賞部40が開放作動される主要パターンとする遊技を行い得る一方で、第2始動入賞部31の第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞率が向上する変短状態では、右打ち遊技により当該第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に伴う小当りの当選および小当り遊技中の継続大当り遊技の当選(特定領域としての第1分岐通路85へのパチンコ球の通過)を、特別入賞部40が開放作動される主要パターンとする遊技を行うことができ、バリエーションのある遊技を行い得る。
(変更例)
遊技機としては、実施例に示したものに限らず、種々の構成を採用可能である。
(1) 実施例では、飾り部材に配設された第2始動入賞部を挟んで左右対称となるように一対の普通入賞部および一対の第1始動入賞部を該飾り部材に設けたが、普通入賞部(入球口)および第1始動入賞部(始動口)は左右何れか一方にのみ設けた構成を採用し得る。すなわち、第2始動入賞部の左側に、普通入賞部および第1始動入賞部を設けた構成、または第2始動入賞部の右側に、普通入賞部および第1始動入賞部を設けた構成であってもよい。具体的には、第2始動入賞部より右側に位置する前面板、光拡散部材、照明部およびカバー部材を省略した構成、または第2始動入賞部より左側に位置する前面板、光拡散部材、照明部およびカバー部材を省略した構成を採用し得る。
(2) 実施例では、飾り部材に第1始動入賞口(始動口)と第2始動入賞口(始動口)とを設けた場合で説明したが、第1始動入賞口または第2始動入賞口の何れか一方の始動入賞口(始動口)と普通入賞口(入球口)とを設けた構成を採用し得る。
(3) 実施例では、飾り部材に普通入賞口(入球口)と2つの始動入賞口(第1始動入賞口,第2始動入賞口)とを設けた場合で説明したが、普通入賞口を省略して2つの始動入賞口のみを設けた構成を採用し得る。この場合に、始動入賞口としては、第1始動入賞口と第2始動入賞口、2つの第1始動入賞口または2つの第2始動入賞口の組み合わせを採用することができ、2つの始動入賞口を設けた構成では、一方の始動入賞口が入球口で、他方の始動入賞口が始動口となる。
(4) 飾り部材に設けられる入球口は、入球したパチンコ球によって機械的に開閉部材が開閉作動する機械式の入賞装置の入賞口、所要条件の成立を契機として駆動手段によって開閉部材が開閉作動される電動式の入賞装置の入賞口、特別入賞部の特別入賞口等であってもよい。
(5) 実施例では、飾り部材に設けられる入球口として、普通入賞口を挙げたが、ゲート部に設けられるゲート入口であってもよい。すなわち、飾り部材に設けられる入球口は、遊技球の入球によって賞球が発生するものであっても、賞球が発生することなく遊技領域から入球した遊技球が再び遊技領域に通出されるものであってもよい。
(6) 実施例では、飾り部材の最下部に第2始動入賞部を設けたが、該第2始動入賞部と第1始動入賞部との位置を入れ替えた構成を採用し得る。なお、第2始動入賞部は、1つでも2つであってもよい。
(7) 実施例では、流路変更部材を装飾部材に設けた場合で説明したが、前面板に設けるものであってもよい。また、流路変更部材を設ける位置は、各入賞口(入球口,始動口)の間に限らず、任意の位置に設ける構成を採用し得る。
(8) 実施例では、飾り部材に設けた発光体(発光部)によって、該飾り部材に設けた装飾部を照明するよう構成したが、該発光体によって遊技盤の前面(遊技領域)を照明する構成を採用することができる。例えば、中空に形成された流路変更部材の内部に発光体を配設し、該発光体からの光が遊技盤の前面に向けて照射されるように構成することで、飾り部材に設けた発光体によって遊技盤の前面(遊技領域)を照明できる。なお、発光体の配設部位は流路変更部材に限られるものでなく、口形成部材に設けることもできる。
(9) 飾り部材は、枠状装飾体の上下方向の中間位置から下側に配設されるものに限らず、枠状装飾体の上下方向の中間位置から上側に配設されるものであってもよく、該飾り部材の配設位置は任意である。
(10) 遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞部と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞部とを始動入賞部として備え、各始動入賞部毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞部の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞部への入賞と、第2入賞検出部への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(11) メイン制御基板が備える機能の全部または一部をサブ制御基板が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御基板およびサブ制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御基板やサブ制御基板が備える機能の全部または一部を、別の制御基板に備えさせてもよい。
(12) 演出用の図柄(飾図)を表示する表示手段(表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示部)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、表示手段に表示するようにしてもよい。
(13) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。