JP6545937B2 - 紙送りローラ - Google Patents
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Description
近年、融点が70℃〜100℃である低融点ワックスを含み、低温で定着させることのできる低融点トナーが、電子写真装置の省エネルギー化のために利用されている。この低融点トナーを、従来のEPDM等からなる紙送りローラを定着工程より下流に配した電子写真装置に用いると、紙送り不良、紙詰まりなどが生じる問題がある。これは、定着工程において加熱された低融点ワックスが冷えて固まる前に紙送りローラと接触し、紙送りローラのゴム層に低融点ワックスが浸透してローラが膨潤することにより、円周の長さが変動して紙送り量が変化したり、紙が通過する隙間が狭くなるためである。
1.中心軸であるシャフトと、
繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンからなり、前記シャフトの外周を覆う弾性層と、
を有する紙送りローラ。
2.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、メチル基で置換されていないことを特徴とする1.に記載の紙送りローラ。
3.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2〜4のアルキレン基からなることを特徴とする、1.または2.に記載の紙送りローラ。
4.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2のアルキレン基を有することを特徴とする、1.〜3.のいずれかに記載の紙送りローラ。
5.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを定着工程より下流に有し、融点が70℃〜100℃であるワックスを含むトナーを用いる電子写真装置。
6.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを有する、ノンカーボン紙印刷用の電子写真装置。
7.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを有する搬送装置。
本発明の紙送りローラは、紙やフィルム等を搬送する全てのローラを意味し、例えば、電子写真装置における給紙ローラ、排紙ローラ、搬送ローラ、反転ローラ、従動ローラ、中継ローラ等、搬送装置における搬送ローラ等の総称である。
本発明の紙送りローラの基本構造を図1に示す。紙送りローラ1は、シャフト2と、このシャフト2の外周を覆う弾性層3とからなる。図2に示すように、弾性層は、シャフトの外周に断続的に設けることもできる。また、弾性層の表面に凹凸を設けることもできる。
シャフトは、紙送りローラを回転可能に支持する軸である。シャフトの両端部には、歯付きベルト等の駆動部品と噛み合わせるための精密加工を施すことができる。また、すべり軸受や玉軸受で回転可能に支持してもよい。シャフトを形成する素材は、導電性を有しているものであれば特に限定されず、金属が好ましく用いられる。金属としては、たとえば鉄、銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルなどが好ましく用いられる。また、これらに溶融メッキ、電解メッキ、無電解メッキなどの手法によるメッキ処理を施したものを用いることができる。
弾性層は、紙送りローラに要求される表面硬度や摩擦力等の特性を発揮する層であり、シャフトの外周を覆うように形成される。本発明は、紙送りローラの弾性層を、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンから形成することを特徴とする。
本発明において使用するポリオールとしては、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを特に制限することなく使用することができる。主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基は、メチル基で置換されていてもよいが、メチル基で置換されていないほうが好ましい。さらに、主鎖の炭素数は2〜4であることがより好ましく、2であることが最も好ましい。
また、開始剤であるジオール化合物に由来する上記式(2)においてR4で表されるメチル基で置換されていてもよい主鎖の炭素数が2〜10のアルキレン基は、メチル基で置換されていないほうが好ましい。また、R4で表されるアルキレン基の主鎖の炭素数は2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、2であることが最も好ましい。
本発明において使用するポリイソシアネートとしては、特に限定されない。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族イソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート類;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)などの脂環式ポリイソシアネート類;上記の各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート類;または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート類などを使用することができる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
弾性層を形成するウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、安定剤、反応性促進触媒、軟化剤、加工助剤、離型剤、消泡剤、難燃剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の紙送りローラの弾性層を形成する熱硬化性ポリウレタンは、上記ポリエステルポリオールと上記ポリイソシアネートとを熱硬化させることにより得ることができる。熱硬化させる際には硬化剤を配合することができる。
また、予め上記ポリエステルポリオールと上記ポリイソシアネートとを反応させてウレタンプレポリマーとし、このプレポリマーと硬化剤とを反応させてもよい。ウレタンプレポリマーを合成する際には、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとは、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの活性水素基とのモル当量比であるNCOインデックス値(イソシアネート基/活性水素基)が、2〜10の範囲となるように配合することが好ましい。
本発明の熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層は、20mm×20mm×2mmのシートとした時に、DSCの変曲点から求めた融点72.5℃の直鎖脂肪酸エステル系ワックスに90℃で300時間、浸漬したときの重量変化率が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることが最も好ましい。また、20mm×20mm×2mmのシートとした時に、フェニル・キシリル・エタンに55℃で168時間、浸漬したときの重量変化率が60.0%以下であることが好ましく、さらに好ましくは35.0%以下であり、さらに好ましくは27.0%以下であり、さらに好ましくは10.0%以下であり、さらに好ましくは6.5%以下であり、4.0%以下であることが最も好ましい。
弾性層を形成する熱硬化性ポリウレタンの厚さ2mmのシートを6枚重ねて厚さ12mmとしたときの表面硬度(JIS−A:JIS K6301−1995)は、35〜85の範囲内が搬送力、耐膨潤性の点から好ましい。
コハク酸とジエチレングリコールとの縮合物であるコハク酸エステルポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ON−300)に対して、4,4’−MDI(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:G412)を、NCOインデックス値が0.9となるように混合して樹脂組成物1を得た。
この樹脂組成物1を、金型に注型して150℃で1時間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmの熱硬化性ポリウレタンからなるシート1を得た。
NCOインデックス値が1.0となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート2を得た。
「実施例3」
NCOインデックス値が1.1となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート3を得た。
コハク酸とMDIとからなるウレタンプレポリマー(DIC株式会社製、商品名:パンデックスCPU−S1510、NCO含有量15.0wt%)100gに対して、コハク酸と、エチレングリコール、およびジエチレングリコールとの縮合物であるコハク酸エステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライトOD−X−2802)を196.9g、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比97:3となるように配合した硬化剤9.96gを混合して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、実施例1と同様にして硬化して、熱硬化性ポリウレタンからなるシート4を得た。
ウレタンプレポリマー(DIC株式会社製、商品名:パンデックスCPU−S1510、NCO含有量15.0wt%)100gに対して、コハク酸エステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライトOD−X−2802)を102.8g、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比97:3となるように配合した硬化剤13.1gを混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート5を得た。
高分子量ポリオールとしてポリエチレンアジペート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ニッポラン4060、数平均分子量:2000、水酸基価:56.2mgKOH/g)を用いた。80℃で12時間減圧乾燥させた高分子量ポリオール100gに対して、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ミリオネートMT)39.5gを加え、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーのNCO含有量は6.5wt%であった。
このウレタンプレポリマーに対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比60:40となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.95となるように混合した後、140℃で1時間遠心成形機で成形して、厚さ2mmの熱硬化性ポリウレタンからなるシート6を得た。
1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比70:30となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.92となるように混合した以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート7を得た。
「実施例8」
1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比80:20となるように配合した硬化剤を用いた以外は、実施例7と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート8を得た。
高分子量ポリオールとしてポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン工業株式会社、商品名:ニッポラン4010、数平均分子量:2000、水酸基価:56.2mgKOH/g)を使用したプレポリマー(NCO含有量6.5wt%)を用いた以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート9を得た。
高分子量ポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社、商品名:プラクセル220、数平均分子量:2000、水酸基価:56.1mgKOH/g)を使用したプレポリマー(NCO含有量6.5wt%)を用い、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比65:35となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.84となるように混合した以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート10を得た。
アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの縮合物であるポリエステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライト OD−X−3400)に、2,4−TDI:2,6−TDI=80:20の混合物(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:スミジュールT−80、NCO含有率48.2重量%)をNCOインデックス値が0.87となるように混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして熱硬化性ポリウレタンからなるシート11を得た。
80℃で1時間真空引きし、脱泡、脱水したポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学株式会社製、商品名:PTMG2000、数平均分子量:2000)100gに対して、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ミリオネートMT)を32.0g加え、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーのNCO含有量は7.0wt%であった。
このプレポリマー100gに対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比99:1となるように配合した硬化剤を5.0g混合して樹脂組成物2を得た。この樹脂組成物2を、110℃で1時間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmのポリエーテルポリオールを用いた熱硬化性ポリウレタンからなるシート12を得た。
ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、商品名:プレミノールS3003、数平均分子量:3000、水酸基価56.0mgKOH/g)に、XDI(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)をNCOインデックス値が1.05となるように混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテルポリオールを用いた熱硬化性ポリウレタンからなるシート13を得た。
エチレンプロピレンジエンゴム(JSR株式会社製、商品名:EP11)100g、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、商品名:シースト3)50g、パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、商品名:サンフレックス2280)15g、酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製、商品名:酸化亜鉛3種)5g、ジクミルパーオキサイド3.5g、老化防止剤としてノクラックMB(大内新興化学株式会社製)2gを混合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を158℃で30分間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmのEPDMからなるシート14を得た。
上記厚さ2mmのシート1を6枚重ねて、厚さ12mmとした試験片の表面硬度(JIS−A)を、JIS K6301−1995に準拠して、スプリング式A形硬度計(株式会社テクロック製)を用いて測定した。具体的には、温度23℃、湿度50%RHの環境中に12時間以上放置したシートを重ねた試験片に対して、押針(高さ0.50mm、φ0.16mm、円柱形)を垂直にあて、押込みに必要な荷重を測定することによって評価した。測定は、場所を代えて3回行い、その相加平均値を表面硬度の値とした。
同様にして、シート2〜14について、表面硬度の値を測定した。
・低融点ワックス
上記シート1〜14から、20mm×20mmの試験片を切り出した。試験片を直鎖脂肪酸エステル系ワックス(DSC曲線の変曲点から求めた融点72.5℃)に浸漬し、90℃に設定したギアオーブン中で300時間放置した。その後、試験片を取り出し、ウェスを用いて表面のワックスを拭きとり、浸漬前の重さをWa、浸漬後の重さをWbとし、下記式で求められる重量変化率を測定し、重量変化率を評価した。
重量変化率(%)=(Wb/Wa)×100
ノンカーボン紙の高沸点溶剤として使用されているフェニル・キシリル・エタン(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名:日石ハイゾールSAS 296)に浸漬し、55℃に設定したギアオーブン中で168時間放置した以外は、上記低融点ワックスと同様にして重量変化率を評価した。
表面硬度、重量変化の測定結果を表1に示す。
実施例1〜11の低融点ワックス浸漬後の重量変化率は約−1.13%〜0.23%であり、ワックスがほとんど浸透しないことが確認できた。また、その多くが重量変化率が負となり、重量が減少した。これは、ポリエステルポリオールから得られたポリウレタンは吸水しやすいため内部に水を含んでいたが、90℃に設定したギアオーブン中で300時間放置することで内部の水分が抜けたためであると推測される。
コハク酸エステルポリオールを用いた実施例1〜5の重量変化率は2.7〜6.2%、ポリエチレンアジペートを用いた実施例6〜8の重量変化率は3.7〜9.8%、ポリブチレンアジペートを用いた実施例9の重量変化率は26.1%、ポリカプロラクトンジオールを用いた実施例10の重量変化率は34.3%、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの縮合物であるポリエステルポリオールを用いた実施例11の重量変化率は58.5%であった。
繰り返し単位中にメチル基で置換されている主鎖の炭素数が5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを用いた実施例11と比較して、メチル基で置換されていない主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを用いた実施例1〜10の方がフェニル・キシリル・エタンに対する耐膨潤性に優れていることが確認できた。
また、メチル基で置換されていないアルキレン基の中でも、主鎖の炭素数5のアルキレン基を有する実施例10、主鎖の炭素数4のアルキレン基を有する実施例9と比較すると、コハク酸、またはエチレングリコールに由来する主鎖の炭素数が2であるアルキレン基を有する実施例1〜8は、フェニル・キシリル・エタンに対する耐膨潤性が10%未満と顕著に優れていた。
本発明の熱硬化性ポリウレタンは、フェニル・キシリル・エタンに対して、ポリエーテルポリオールから得られたポリウレタン、EPDMと比較して顕著に優れた耐膨潤性を示しており、ノンカーボン紙に用いられる電子写真装置の内部に備え付ける紙送りローラとして好適である。
金属製のシャフト(直径:10mm、SUS303製)を中心にセットした円筒金型を150℃に予熱した。この金型に、上記実施例1で調製した樹脂組成物1を流し込み、150℃で1時間熱硬化させた。脱型後、80℃で12時間エージング処理を行い、ローラ前駆体を得た。このローラ前駆体表面を研磨して、長さ20mm、厚さ5mmの熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ1を得た。
上記比較例1で調製した樹脂組成物2を用いた以外は実施例12と同様にして、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られた熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ2を得た。
紙送りローラ1と、紙送りローラ2とを、80℃に保った上記重量変化測定で使用した低融点ワックスに浸漬した。所定時間経過毎に取り出し、ウェスを用いて表面のワックスを拭きとり、常温で一時間冷却した後に、外径をレーザ寸法測定器(株式会社キーエンス製、装置名:LS−3000)で測定し、経時での外径変化と、浸透前の外径との変化率を評価した。
結果を表2に示す。
これに対し、本発明のローラの外径変化率は−0.25%であるため、その搬送量は0.77mmしか変化せず、また、紙が通過するための隙間も狭くならないため紙詰まりが起こることはない。
したがって、本発明の紙送りローラを用いると、従来のポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られた熱硬化性ポリウレタン紙送りローラと比較して、紙送り量の変動、紙詰まりが顕著に抑えられることが確かめられた。
2.シャフト
3.弾性層
Claims (7)
- 中心軸であるシャフトと、
繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られる注型タイプの熱硬化性ポリウレタンからなり、前記シャフトの外周を覆う弾性層と、
を有する紙送りローラ。(ただし、前記熱硬化性ポリウレタンとして、エステル系ポリウレタン/エーテル系ポリウレタンの質量比が、90/10〜50/50であるものを除く。) - 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、メチル基で置換されていないことを特徴とする、請求項1に記載の紙送りローラ。
- 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2〜4のアルキレン基からなることを特徴とする、請求項1、または2に記載の紙送りローラ。
- 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2のアルキレン基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の紙送りローラ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを定着工程より下流に有し、融点が70℃〜100℃であるワックスを含むトナーを用いる電子写真装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを有する、ノンカーボン紙印刷用の電子写真装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを有する搬送装置。
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