JP6545937B2 - 紙送りローラ - Google Patents

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Description

本発明は、プリンター、複写機、FAX、複合機等の電子写真装置、並びに、輪転機、枚葉印刷機、コーター、ラミネーター、乾燥機等の紙やフィルムを搬送する機構を有する搬送装置に用いられる紙送りローラに関する。特に、低融点トナーを使用した電子写真装置、及び、ノンカーボン紙の印刷に使用する電子写真装置、有機溶媒系インク、または有機溶媒系塗工料を用いて印刷、塗工、貼合等を行う搬送装置に好適に利用することができる紙送りローラに関する。
紙やフィルムを搬送するための紙送り機構には、紙送りローラが用いられている。紙送りローラは、紙やフィルムを摩擦力により保持しながら回転することにより、紙等を搬送する。紙送りローラの弾性層の材料には、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られる熱硬化性ポリウレタン等が使用されている。
近年、融点が70℃〜100℃である低融点ワックスを含み、低温で定着させることのできる低融点トナーが、電子写真装置の省エネルギー化のために利用されている。この低融点トナーを、従来のEPDM等からなる紙送りローラを定着工程より下流に配した電子写真装置に用いると、紙送り不良、紙詰まりなどが生じる問題がある。これは、定着工程において加熱された低融点ワックスが冷えて固まる前に紙送りローラと接触し、紙送りローラのゴム層に低融点ワックスが浸透してローラが膨潤することにより、円周の長さが変動して紙送り量が変化したり、紙が通過する隙間が狭くなるためである。
特許文献1では、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのみからなるポリエーテルポリオールから得られたウレタン組成物を用いた紙送りローラが提案されている。この紙送りローラは、定着工程より下流の搬送経路に用いられ、耐膨潤性に優れておりパラフィンワックスによる膨潤が抑えられることが記載されているが、パラフィン以外のワックスに対する耐膨潤性は報告されていない。
また、伝票や帳票の複写のためにはノンカーボン紙が用いられる。ノンカーボン紙は、発色剤を含むマイクロカプセルを含んでおり、筆記具などで字を書くと、圧力が加わりマイクロカプセルが壊れて発色剤が放出される。放出された発色剤と、複写面に塗布された顕色剤とが化学反応を起こすことにより発色して、複写することができる。ノンカーボン紙のマイクロカプセルには、マイクロカプセルが崩壊した時に発色剤を効率的に移行させるために、高沸点溶剤が含まれている。電子写真装置にノンカーボン紙を通紙すると、マイクロカプセルから滲み出た高沸点溶剤が紙送りローラに浸透し、ローラが膨潤して、紙送り不良、紙詰まりが生じるという問題がある。
特許第4356801号公報
本発明は、耐膨潤性に優れた紙送りローラを提供する。
本発明者は、上記課題を解決するために様々な材料を用いて鋭意努力を重ねた結果、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンが、耐膨潤性に有意に優れていることを見出して、本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
1.中心軸であるシャフトと、
繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンからなり、前記シャフトの外周を覆う弾性層と、
を有する紙送りローラ。
2.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、メチル基で置換されていないことを特徴とする1.に記載の紙送りローラ。
3.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2〜4のアルキレン基からなることを特徴とする、1.または2.に記載の紙送りローラ。
4.前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2のアルキレン基を有することを特徴とする、1.〜3.のいずれかに記載の紙送りローラ。
5.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを定着工程より下流に有し、融点が70℃〜100℃であるワックスを含むトナーを用いる電子写真装置。
6.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを有する、ノンカーボン紙印刷用の電子写真装置。
7.1.〜4.のいずれかに記載の紙送りローラを有する搬送装置。
本発明の紙送りローラは、低融点トナー中の低融点ワックス、ノンカーボン紙に含まれる高沸点溶剤等の親油性化合物に対する耐膨潤性に優れている。そのため、低融点トナーを使用する電子写真装置や、ノンカーボン紙の印刷に使用する電子写真装置、有機溶媒系インク、または有機溶媒系塗工料を用いる輪転機、枚葉印刷機、コーター、ラミネーター、乾燥機等の搬送装置に配される紙送りローラとして使用しても、紙送りローラが膨潤しにくいため、紙送り量の変動が小さく、紙詰まり等の搬送不良が起こりにくい。
シャフトの外周を連続的に覆う弾性層を有する紙送りローラを示す図。 シャフトの外周を断続的に覆う複数の弾性層を有する紙送りローラを示す図。
(紙送りローラ)
本発明の紙送りローラは、紙やフィルム等を搬送する全てのローラを意味し、例えば、電子写真装置における給紙ローラ、排紙ローラ、搬送ローラ、反転ローラ、従動ローラ、中継ローラ等、搬送装置における搬送ローラ等の総称である。
本発明の紙送りローラの基本構造を図1に示す。紙送りローラ1は、シャフト2と、このシャフト2の外周を覆う弾性層3とからなる。図2に示すように、弾性層は、シャフトの外周に断続的に設けることもできる。また、弾性層の表面に凹凸を設けることもできる。
(シャフト)
シャフトは、紙送りローラを回転可能に支持する軸である。シャフトの両端部には、歯付きベルト等の駆動部品と噛み合わせるための精密加工を施すことができる。また、すべり軸受や玉軸受で回転可能に支持してもよい。シャフトを形成する素材は、導電性を有しているものであれば特に限定されず、金属が好ましく用いられる。金属としては、たとえば鉄、銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルなどが好ましく用いられる。また、これらに溶融メッキ、電解メッキ、無電解メッキなどの手法によるメッキ処理を施したものを用いることができる。
(弾性層)
弾性層は、紙送りローラに要求される表面硬度や摩擦力等の特性を発揮する層であり、シャフトの外周を覆うように形成される。本発明は、紙送りローラの弾性層を、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンから形成することを特徴とする。
[ポリオール]
本発明において使用するポリオールとしては、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを特に制限することなく使用することができる。主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基は、メチル基で置換されていてもよいが、メチル基で置換されていないほうが好ましい。さらに、主鎖の炭素数は2〜4であることがより好ましく、2であることが最も好ましい。
繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールとしては、下記式(1)で表される縮合系ポリエステルポリオール類、下記式(2)で表されるラクトン系ポリエステルポリオール類、下記式(3)で表されるカーボネート系ポリエステルポリオール類を挙げることができる。
(式(1)中、R、Rはそれぞれ独立してメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素に置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を示す。nは繰り返し単位であって1以上の整数である。)
(式(2)中、Rはメチル基で置換されていてもよい主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を示す。Rはメチル基で置換されていてもよい主鎖の炭素数が2〜10のアルキレン基を示し、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい。l、mは繰り返し単位であって、それぞれ独立して1以上の整数である。)
(式(3)中、Rはメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素に置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を示す。pは繰り返し単位であって1以上の整数である。)
上記式(1)で表される縮合系ポリエステルポリオールは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ジグリコール酸、オキシビスメチレンビス酢酸等から選ばれるジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等から選ばれるジオール化合物とを縮合反応させて得られる。ジカルボン酸化合物、および/または、ジオール化合物は、2種以上を用いてもよい。上記式(1)においてR、Rで表される主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基は、メチル基で置換されていないほうが好ましい。また、R、Rで表されるアルキレン基の主鎖の炭素数は2〜4であることが好ましく、RまたはRの一方の炭素数が2であることがより好ましく、RとRの両方の炭素数が2であることが最も好ましい。
上記式(2)で表されるラクトン系ポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、4−オキサ−2,6−ヘプタンジジオール、4−オキサヘプタン−1,7−ジオール、1,10−デカンジオール等から選ばれるジオール化合物を開始剤として、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等から選ばれるラクトン化合物を開環反応させて得られる。ラクトン化合物は2種以上を用いてもよい。上記式(2)においてRで表される主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基は、メチル基で置換されていないほうが好ましい。また、Rで表されるアルキレン基の主鎖の炭素数は2〜4であることが好ましい。
また、開始剤であるジオール化合物に由来する上記式(2)においてRで表されるメチル基で置換されていてもよい主鎖の炭素数が2〜10のアルキレン基は、メチル基で置換されていないほうが好ましい。また、Rで表されるアルキレン基の主鎖の炭素数は2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、2であることが最も好ましい。
上記式(3)で表されるカーボネート系ポリエステルポリオールは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等から選ばれるジオール化合物と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート等から選ばれる炭酸ジエステル化合物とを縮合反応させて得られる。ジオール化合物は2種以上を用いてもよい。上記式(3)においてRで表されるアルキレン基は、メチル基で置換されていないほうが好ましい。また、Rで表されるアルキレン基の主鎖の炭素数は2〜4であることが好ましく、2または3であることがより好ましく、2であることが最も好ましい。
これらの中で、特に、コハク酸を用いた縮合系ポリエステル、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオールが好ましく、コハク酸を用いた縮合系ポリエステル、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートがより好ましく、コハク酸を用いた縮合系ポリエステル、ポリエチレンアジペートがさらに好ましく、コハク酸を用いた縮合系ポリエステルが最も好ましい。ポリエステルポリオールは、1種単独で用いてもよく、相溶する2種以上を混合して用いてもよい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜4000であることが好ましい。500未満であると、硬度が高くなりすぎ永久歪が大きくなる。4000以上であると粘度が高すぎて取り扱い性に劣り、ポリイソシアネートと均一に混合しにくくなり、また、永久歪が悪化する。
[ポリイソシアネート]
本発明において使用するポリイソシアネートとしては、特に限定されない。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族イソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート類;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)などの脂環式ポリイソシアネート類;上記の各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート類;または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート類などを使用することができる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[その他成分]
弾性層を形成するウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、安定剤、反応性促進触媒、軟化剤、加工助剤、離型剤、消泡剤、難燃剤等の添加剤を配合することができる。
[熱硬化性ポリウレタン]
本発明の紙送りローラの弾性層を形成する熱硬化性ポリウレタンは、上記ポリエステルポリオールと上記ポリイソシアネートとを熱硬化させることにより得ることができる。熱硬化させる際には硬化剤を配合することができる。
また、予め上記ポリエステルポリオールと上記ポリイソシアネートとを反応させてウレタンプレポリマーとし、このプレポリマーと硬化剤とを反応させてもよい。ウレタンプレポリマーを合成する際には、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとは、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの活性水素基とのモル当量比であるNCOインデックス値(イソシアネート基/活性水素基)が、2〜10の範囲となるように配合することが好ましい。
熱硬化させる際に配合する硬化剤としては特に限定されず、例えば、1,4−ブタンジオール、エタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等の2価アルコール;エチレンジアミン、ジアミノブタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の2価アミン;トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上の多価アルコール;トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等の多価アミン;トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミノ多価アルコール;及び多価アルコール、または多価アミノアルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、又はこれらの混合物を開環重合させてなる多価アルコール等が挙げられる。
これらの中で、2価アルコール単独、または、2価アルコールと3価アルコールとを併用することが好ましい。但し、3価アルコールの量が多いと得られる熱硬化性ポリウレタンの力学物性が低下するので、2価アルコールと3価アルコールとの合計量に対して、3価アルコールは40モル%以下であることが好ましい。さらに、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの組み合わせが好ましい。
これら硬化剤は、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリエステルポリオール及び硬化剤の有する活性水素基とのモル比が0.50〜1.50になるように配合する。また、ウレタンプレポリマーに対して硬化剤を配合する際には、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と硬化剤の有する活性水素基とのモル比が0.50〜1.50になるように配合する。
さらに、硬化反応を促進するために触媒を用いることができる。触媒としては水酸基とイソシアネート基とのウレタン化を促進するものであれば特に限定されず、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン;N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン;ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール;エトキシル化アミン;エトキシル化ジアミン;ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン;トリエチレンジアミン;N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体;N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体;N,N’−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等のアミン系化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物;2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等の有機スズ化合物;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムのアルカリ金属との塩である飽和脂肪酸アルカリ金属塩;ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、及びこれらのフェノール樹脂塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等の感温性触媒等を使用することができる。
本発明の紙送りローラの弾性層を形成する熱硬化性ポリウレタンは、耐膨潤性に優れている。本発明者は、鋭意努力の結果、繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化性ポリウレタンが、耐膨潤性に有意に優れていることを見出した。本発明の熱硬化性ポリウレタンがなぜ耐膨潤性に優れているかは不明であるが、EPDMや、ポリエーテルポリオールから形成されたポリウレタンと比較して、顕著に優れた耐膨潤性を有する。
紙送りローラは、ワックスや溶剤等の親油性化合物が弾性層に浸透することで膨潤するため、弾性層を親油性化合物に浸漬させたときの重量変化により、耐膨潤性を評価することができる。
本発明の熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層は、20mm×20mm×2mmのシートとした時に、DSCの変曲点から求めた融点72.5℃の直鎖脂肪酸エステル系ワックスに90℃で300時間、浸漬したときの重量変化率が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることが最も好ましい。また、20mm×20mm×2mmのシートとした時に、フェニル・キシリル・エタンに55℃で168時間、浸漬したときの重量変化率が60.0%以下であることが好ましく、さらに好ましくは35.0%以下であり、さらに好ましくは27.0%以下であり、さらに好ましくは10.0%以下であり、さらに好ましくは6.5%以下であり、4.0%以下であることが最も好ましい。
紙送りローラの弾性層は、従来公知の押出成形や型注入成形などによって、シャフトの外周を覆うように形成される。弾性層の軸方向の長さ、厚さは、印刷用紙の大きさにより定まり、A4サイズの紙に用いられるものであれば、長さ220〜250mm、厚さ1〜10mm、A3サイズの紙に用いられるものであれば、310〜330mm、厚さ1〜10mmの範囲である。また、輪転機や枚葉機、コーター、ラミネーター等の搬送装置に用いられるのであれば、弾性層の軸方向の長さは300〜3000mm、厚さ2〜100mmの範囲である。シャフトの外周を覆うように形成された弾性層は、研磨処理により、形状を整えられる。
弾性層を形成する熱硬化性ポリウレタンの厚さ2mmのシートを6枚重ねて厚さ12mmとしたときの表面硬度(JIS−A:JIS K6301−1995)は、35〜85の範囲内が搬送力、耐膨潤性の点から好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
「実施例1」
コハク酸とジエチレングリコールとの縮合物であるコハク酸エステルポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ON−300)に対して、4,4’−MDI(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:G412)を、NCOインデックス値が0.9となるように混合して樹脂組成物1を得た。
この樹脂組成物1を、金型に注型して150℃で1時間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmの熱硬化性ポリウレタンからなるシート1を得た。
「実施例2」
NCOインデックス値が1.0となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート2を得た。
「実施例3」
NCOインデックス値が1.1となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート3を得た。
「実施例4」
コハク酸とMDIとからなるウレタンプレポリマー(DIC株式会社製、商品名:パンデックスCPU−S1510、NCO含有量15.0wt%)100gに対して、コハク酸と、エチレングリコール、およびジエチレングリコールとの縮合物であるコハク酸エステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライトOD−X−2802)を196.9g、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比97:3となるように配合した硬化剤9.96gを混合して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、実施例1と同様にして硬化して、熱硬化性ポリウレタンからなるシート4を得た。
「実施例5」
ウレタンプレポリマー(DIC株式会社製、商品名:パンデックスCPU−S1510、NCO含有量15.0wt%)100gに対して、コハク酸エステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライトOD−X−2802)を102.8g、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比97:3となるように配合した硬化剤13.1gを混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート5を得た。
「実施例6」
高分子量ポリオールとしてポリエチレンアジペート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ニッポラン4060、数平均分子量:2000、水酸基価:56.2mgKOH/g)を用いた。80℃で12時間減圧乾燥させた高分子量ポリオール100gに対して、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ミリオネートMT)39.5gを加え、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーのNCO含有量は6.5wt%であった。
このウレタンプレポリマーに対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比60:40となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.95となるように混合した後、140℃で1時間遠心成形機で成形して、厚さ2mmの熱硬化性ポリウレタンからなるシート6を得た。
「実施例7」
1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比70:30となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.92となるように混合した以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート7を得た。
「実施例8」
1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比80:20となるように配合した硬化剤を用いた以外は、実施例7と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート8を得た。
「実施例9」
高分子量ポリオールとしてポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン工業株式会社、商品名:ニッポラン4010、数平均分子量:2000、水酸基価:56.2mgKOH/g)を使用したプレポリマー(NCO含有量6.5wt%)を用いた以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート9を得た。
「実施例10」
高分子量ポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社、商品名:プラクセル220、数平均分子量:2000、水酸基価:56.1mgKOH/g)を使用したプレポリマー(NCO含有量6.5wt%)を用い、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとをモル当量比65:35となるように配合した硬化剤を、NCOインデックス値が0.84となるように混合した以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性ポリウレタンからなるシート10を得た。
「実施例11」
アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの縮合物であるポリエステルポリオール(DIC株式会社製、商品名:ポリライト OD−X−3400)に、2,4−TDI:2,6−TDI=80:20の混合物(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:スミジュールT−80、NCO含有率48.2重量%)をNCOインデックス値が0.87となるように混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして熱硬化性ポリウレタンからなるシート11を得た。
「比較例1」
80℃で1時間真空引きし、脱泡、脱水したポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学株式会社製、商品名:PTMG2000、数平均分子量:2000)100gに対して、4,4’−MDI(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:ミリオネートMT)を32.0g加え、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーのNCO含有量は7.0wt%であった。
このプレポリマー100gに対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンをモル当量比99:1となるように配合した硬化剤を5.0g混合して樹脂組成物2を得た。この樹脂組成物2を、110℃で1時間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmのポリエーテルポリオールを用いた熱硬化性ポリウレタンからなるシート12を得た。
「比較例2」
ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、商品名:プレミノールS3003、数平均分子量:3000、水酸基価56.0mgKOH/g)に、XDI(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)をNCOインデックス値が1.05となるように混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテルポリオールを用いた熱硬化性ポリウレタンからなるシート13を得た。
「比較例3」
エチレンプロピレンジエンゴム(JSR株式会社製、商品名:EP11)100g、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、商品名:シースト3)50g、パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、商品名:サンフレックス2280)15g、酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製、商品名:酸化亜鉛3種)5g、ジクミルパーオキサイド3.5g、老化防止剤としてノクラックMB(大内新興化学株式会社製)2gを混合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を158℃で30分間熱硬化させた後、80℃で12時間エージング処理を行い、厚さ2mmのEPDMからなるシート14を得た。
[表面硬度]
上記厚さ2mmのシート1を6枚重ねて、厚さ12mmとした試験片の表面硬度(JIS−A)を、JIS K6301−1995に準拠して、スプリング式A形硬度計(株式会社テクロック製)を用いて測定した。具体的には、温度23℃、湿度50%RHの環境中に12時間以上放置したシートを重ねた試験片に対して、押針(高さ0.50mm、φ0.16mm、円柱形)を垂直にあて、押込みに必要な荷重を測定することによって評価した。測定は、場所を代えて3回行い、その相加平均値を表面硬度の値とした。
同様にして、シート2〜14について、表面硬度の値を測定した。
[重量変化]
・低融点ワックス
上記シート1〜14から、20mm×20mmの試験片を切り出した。試験片を直鎖脂肪酸エステル系ワックス(DSC曲線の変曲点から求めた融点72.5℃)に浸漬し、90℃に設定したギアオーブン中で300時間放置した。その後、試験片を取り出し、ウェスを用いて表面のワックスを拭きとり、浸漬前の重さをWa、浸漬後の重さをWbとし、下記式で求められる重量変化率を測定し、重量変化率を評価した。
重量変化率(%)=(Wb/Wa)×100
・フェニル・キシリル・エタン
ノンカーボン紙の高沸点溶剤として使用されているフェニル・キシリル・エタン(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名:日石ハイゾールSAS 296)に浸漬し、55℃に設定したギアオーブン中で168時間放置した以外は、上記低融点ワックスと同様にして重量変化率を評価した。
表面硬度、重量変化の測定結果を表1に示す。
「低融点ワックスに対する重量変化率」
実施例1〜11の低融点ワックス浸漬後の重量変化率は約−1.13%〜0.23%であり、ワックスがほとんど浸透しないことが確認できた。また、その多くが重量変化率が負となり、重量が減少した。これは、ポリエステルポリオールから得られたポリウレタンは吸水しやすいため内部に水を含んでいたが、90℃に設定したギアオーブン中で300時間放置することで内部の水分が抜けたためであると推測される。
ポリエーテルポリオールから得られたポリウレタンを用いた比較例1、2の低融点ワックス浸漬後の重量変化率は6.3%、11.8%と、本発明のポリエステルポリオールから得られたポリウレタンを用いた実施例1〜11と比べると大きかった。本発明の熱硬化性ポリウレタンは、ポリエーテルポリオールから得られたポリウレタンと比べて極めて膨潤しにくいことが確認できた。
比較例3のエチレンプロピレンジエンゴムは、低融点ワックスに対する重量変化率が233.2%と非常に大きかった。エチレンプロピレンジエンゴムからなる紙送りローラは、低融点ワックスに対して非常に膨潤しやすく、紙送り不良、紙詰まりが起こりやすいため低融点トナーを用いる電子写真装置の紙送りローラとして不適である。
「フェニル・キシリル・エタンに対する重量変化率」
コハク酸エステルポリオールを用いた実施例1〜5の重量変化率は2.7〜6.2%、ポリエチレンアジペートを用いた実施例6〜8の重量変化率は3.7〜9.8%、ポリブチレンアジペートを用いた実施例9の重量変化率は26.1%、ポリカプロラクトンジオールを用いた実施例10の重量変化率は34.3%、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの縮合物であるポリエステルポリオールを用いた実施例11の重量変化率は58.5%であった。
繰り返し単位中にメチル基で置換されている主鎖の炭素数が5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを用いた実施例11と比較して、メチル基で置換されていない主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールを用いた実施例1〜10の方がフェニル・キシリル・エタンに対する耐膨潤性に優れていることが確認できた。
また、メチル基で置換されていないアルキレン基の中でも、主鎖の炭素数5のアルキレン基を有する実施例10、主鎖の炭素数4のアルキレン基を有する実施例9と比較すると、コハク酸、またはエチレングリコールに由来する主鎖の炭素数が2であるアルキレン基を有する実施例1〜8は、フェニル・キシリル・エタンに対する耐膨潤性が10%未満と顕著に優れていた。
比較例1〜3の重量変化率は、それぞれ180.0%、210.2%、182.9%と非常に大きく、比較例1〜3で用いたゴム組成物はフェニル・キシリル・エタンに対する耐膨潤性を全く有していない。
本発明の熱硬化性ポリウレタンは、フェニル・キシリル・エタンに対して、ポリエーテルポリオールから得られたポリウレタン、EPDMと比較して顕著に優れた耐膨潤性を示しており、ノンカーボン紙に用いられる電子写真装置の内部に備え付ける紙送りローラとして好適である。
「実施例12」
金属製のシャフト(直径:10mm、SUS303製)を中心にセットした円筒金型を150℃に予熱した。この金型に、上記実施例1で調製した樹脂組成物1を流し込み、150℃で1時間熱硬化させた。脱型後、80℃で12時間エージング処理を行い、ローラ前駆体を得た。このローラ前駆体表面を研磨して、長さ20mm、厚さ5mmの熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ1を得た。
「比較例4」
上記比較例1で調製した樹脂組成物2を用いた以外は実施例12と同様にして、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られた熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ2を得た。
[外径変化]
紙送りローラ1と、紙送りローラ2とを、80℃に保った上記重量変化測定で使用した低融点ワックスに浸漬した。所定時間経過毎に取り出し、ウェスを用いて表面のワックスを拭きとり、常温で一時間冷却した後に、外径をレーザ寸法測定器(株式会社キーエンス製、装置名:LS−3000)で測定し、経時での外径変化と、浸透前の外径との変化率を評価した。
結果を表2に示す。
本発明の熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ1を用いた実施例12は、低融点ワックスに316時間浸漬後の外径の変化率が−0.25%と収縮した。これは、上記「重量変化率」と同じく、吸水していた水分が抜けたためであると推測される。また、浸漬開始48時間後と316時間後とで、ほぼ同一の外径を維持しており、寸法変化しにくいことが確かめられた。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られた熱硬化性ポリウレタンからなる弾性層を有する紙送りローラ2を用いた比較例4は、浸漬開始48時間で1.42%膨潤した。231時間後の外径と316時間後の外径は約2.2%とほぼ等しいことから、浸漬開始231時間後には低融点ワックスの浸透量は飽和したと推測される。316時間後の外径変化率は2.18%と大きかった。
直径20mmのローラが2%膨潤し、直径が20.4mmとなると、その円周は62.8mmから64.1mmへと大きくなる。A4サイズの紙の長辺の長さは297mmであるから、外径20mmのローラはA4サイズの紙を搬送するのに4.73回転するが、2%膨張したローラが4.73回転すると6.15mmも余分に搬送してしまう。また、ローラの直径が0.4mm増加すると、紙が通過するための隙間は0.2mm狭くなる。紙の厚さは0.1〜0.2mm程度であるため、隙間が0.2mm狭くなるだけで紙が通過できなくなり、紙詰まりが起こってしまう。
これに対し、本発明のローラの外径変化率は−0.25%であるため、その搬送量は0.77mmしか変化せず、また、紙が通過するための隙間も狭くならないため紙詰まりが起こることはない。
したがって、本発明の紙送りローラを用いると、従来のポリテトラメチレンエーテルグリコールから得られた熱硬化性ポリウレタン紙送りローラと比較して、紙送り量の変動、紙詰まりが顕著に抑えられることが確かめられた。
1.紙送りローラ
2.シャフト
3.弾性層

Claims (7)

  1. 中心軸であるシャフトと、
    繰り返し単位中にメチル基で置換されていてもよく、隣接しないメチレン基が酸素で置換されてエーテルを形成してもよい、主鎖の炭素数が2〜5のアルキレン基を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られる注型タイプの熱硬化性ポリウレタンからなり、前記シャフトの外周を覆う弾性層と、
    を有する紙送りローラ。(ただし、前記熱硬化性ポリウレタンとして、エステル系ポリウレタン/エーテル系ポリウレタンの質量比が、90/10〜50/50であるものを除く。)
  2. 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、メチル基で置換されていないことを特徴とする、請求項1に記載の紙送りローラ。
  3. 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2〜4のアルキレン基からなることを特徴とする、請求項1、または2に記載の紙送りローラ。
  4. 前記ポリエステルポリオールの繰り返し単位が、主鎖の炭素数が2のアルキレン基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の紙送りローラ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを定着工程より下流に有し、融点が70℃〜100℃であるワックスを含むトナーを用いる電子写真装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを有する、ノンカーボン紙印刷用の電子写真装置。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の紙送りローラを有する搬送装置。
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