JP2014066908A - 電子写真装置用ローラー - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネルギーに寄与することができる電子写真装置用ローラーを提供すること。
【解決手段】液体現像方式の電子写真装置に用いられ、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなる弾性体層が芯体の外周に形成されている電子写真装置用ローラーであって、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が、ポリイソシアネートと数平均分子量1000を超え4000未満のポリエステルポリオールとを含有し、前記ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートで、前記ポリエステルポリオールが、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上の第一のグリコール(A1)と、水酸基を3個以上有する第二のグリコール(A2)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をジカルボン酸(B)と反応させてなるポリエステルポリオールであり、前記弾性体層のJIS−A硬度が10以上25以下であることを特徴とする電子写真装置用ローラーを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真装置用ローラーに関し、より詳しくは、液体現像方式の電子写真装置に用いられる電子写真装置用ローラーに関する。
従来、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、感光体の外周面に所定のニップ幅で接触させて用いられる現像ローラーをはじめとして各種のローラーが備えられており、この種のローラーは、通常、回転軸となる芯体と、該芯体の外周に備えられた弾性体層とを有し、接する相手材との間に前記弾性体層の変形性に応じたニップ圧が前記芯体を通じて加えられることによって前記ニップ幅が調整されて電子写真装置に備えられている。
ところで、流動パラフィン、シリコンオイル、鉱物油、あるいは、植物油などのキャリアと呼ばれる液体に1μm程度にまで微細化されたトナー粒子を分散させた液体現像剤(液体トナーともいう)を用いた液体現像方式の電子写真装置が近年その利用範囲を拡大させており、下記特許文献1には、特定の成分を含有する熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を熱硬化させて弾性体層を形成させることによって前記キャリアに対して膨潤等の悪影響を受け難い弾性体層が形成されることが記載されている。
この種の電子写真装置用ローラーは、通常、この特許文献1にも記載されているように前記弾性体層のJIS−A硬度が30〜60となるように形成されている。
特開2008−8982号公報
電子写真装置用ローラーとして、現像ローラーを例に挙げると、感光体との間に所定のニップ幅を形成させるためには、弾性体層をより低硬度にさせることで必要なニップ圧を低下させることができる。
その場合には、現像ローラーや、該現像ローラーと接する相手材である感光体を回転させるために必要な回転トルクの低減を図ることができ、電子写真装置の省エネルギー化に有効となる。
ただし、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる際の架橋密度を単に低下させて弾性体層を低硬度化させるだけでは、弾性変形後の復元力が低下したり、キャリアによる膨潤が生じ易くなるなど液体現像方式の電子写真装置に利用されるローラーとして求められる性能までもが損なわれるおそれを有する。
このようなことから、本発明は、液体現像方式の電子写真装置に利用されるローラーとして求められる性能が損なわれることを抑制しつつも弾性体層の低硬度化を図り、ひいては、省エネルギーに寄与することができる電子写真装置用ローラーを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を構成するポリオールとポリイソシアネートとを所定のものとすることで弾性変形後の復元性やキャリアによる膨潤性において問題が生じることを抑制しつつ従来のものよりも低硬度な弾性体層を形成させうることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、電子写真装置用ローラーに係る本発明は、液体現像方式の電子写真装置に用いられ、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなる弾性体層が芯体の外周に形成されている電子写真装置用ローラーであって、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が、ポリイソシアネートと数平均分子量1000を超え4000未満のポリエステルポリオールとを含有し、前記ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートで、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上の第一のグリコール(A1)と、水酸基を3個以上有する第二のグリコール(A2)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をジカルボン酸(B)と反応させてなるポリエステルポリオールであり、前記弾性体層のJIS−A硬度が10以上25以下であることを特徴としている。
本発明によれば、弾性体層を、JIS−A硬度が10以上25以下の低硬度なものとしながらも、弾性変形後の復元性やキャリアによる膨潤性に問題を生じさせるおそれを抑制させ得る。
従って、現像ローラーをはじめとして各種の電子写真装置用ローラーに本発明の電子写真装置用ローラーを採用することでこれらの駆動トルクを低減させることができ電子写真装置の省エネルギー化に寄与させうる。
一態様の電子写真装置用ローラーを示す概略斜視図。 弾性体層の復元性(ローラー当接痕深さ)評価方法を表す概略図。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における電子写真装置用ローラー(現像ローラー)の斜視図であり、該電子写真装置用ローラー1は、液体現像方式の電子写真装置に用いられるもので、この図にも示されているように、その回転中心軸となる金属製の丸棒状の芯体11(以下「芯金11」ともいう)と、該芯金11の外表面に接するようにして設けられた弾性体層12と、該弾性体層12の外表面を覆う表面被覆層13とを備えている。
前記弾性体層12は、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を硬化させて形成されたもので前記芯金11の外周において一定厚みとなるようにして設けられている。
前記弾性体層12は、特定のポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを含有する熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が熱硬化されて形成されたものであり、そのJIS−A硬度が10以上25以下となって形成されている。
なお、本明細書中におけるJIS−A硬度は、1998年に廃止されたJIS K6301に基づいて測定される瞬時値を意図している。
この旧JISに準拠した測定器は、例えば、高分子計器株式会社より「アスカーゴム硬度計JA型」という商品名で現在でも市販がされていることからJIS−A硬度についてはこのような測定器を用いて測定することができる。
なお、仮にこのような旧JISに準拠した計器を入手することが困難である場合には、JIS K6253−3に規定のタイプAデユロメータ硬さ測定を行っても実質的にJIS−A硬度と同等の測定結果を得ることができる。
前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を構成するポリエステルポリオールとしては、電子写真装置用ローラーに求められる特性が損なわれるおそれを抑制させつつも弾性体層を低硬度なものとさせる点において数平均分子量が1000を超え4000未満で、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上の第一のグリコール(A1)と、水酸基を3個以上有する第二のグリコール(A2)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をジカルボン酸(B)と反応させてなるものを採用することが重要である。
特に前記ポリエステルポリオールとしては、炭素数2〜3の直鎖グリコールを第三のグリコールとして含有し、該第三のグリコールが、前記第一のグリコール及び前記第二のグリコールと所定比率で含有されている前記グリコール成分(A)をジカルボン酸(B)と反応させてなるものを採用することが好ましい。
なお、前記ポリエステルポリオールは、数平均分子量が1000を超え3000未満であることが好ましく、該数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定することができ、例えば、東ソー社製GPC:型名「HLC−8020」を用いて、カラム「G−4000」、「G−3000」、「G−2000」(いずれも東ソー社製)を三本連結させて、移動相にクロロホルムを使用することにより測定することができる。
また、本明細書中におけるポリオールの平均官能基数(F)とは、ポリオールの製造に用いられる構成分子の活性水素基の数によって決定される理論的官能基数を意味する。
ただし、ポリオールの製造時の副反応等による影響で実際の官能基数とは異なり得るものである。
なお、本実施形態におけるポリエステルポリオールとして、電子写真装置用ローラーの弾性体層の形成に用いられる通常のポリオールに比べて過度に高い平均官能基数(F)を有するものを採用するとポリイソシアネートと反応させた後のポリウレタンの架橋密度が高くなってしまい弾性体層のJIS−A硬度を25以下とすることが難しくなるおそれを有する。
一方で本実施形態におけるポリエステルポリオールとして過度に低い平均官能基数(F)を有するものを採用すると弾性体層が弾性変形後の復元性に劣るものとなったりキャリアによって膨潤され易くなったりするおそれを有する。
このようなことから、本実施形態におけるポリエステルポリオールとしては、電子写真装置用ローラーに求められる特性が損なわれるおそれをより確実に抑制させつつも弾性体層を低硬度なものとさせ得る点において平均官能基数(F)が2.0以上3.0以下のものを採用することが好ましい。
(第一のグリコール(A1))
前記ポリエステルポリオールを構成する前記第一のグリコール(A1)は、グリコール成分(A)における主成分たるもので、側鎖を含めて炭素数が4以上のグリコールである。
なお、該第一のグリコールとしては、前記炭素数が9以下であることが好ましい。
該第一のグリコール(A1)としては、例えば、炭素数4〜9のジオールが挙げられ、具体的には、2−メチルプロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや3−メチル−2,4−ペンタンジオールといった3−メチルペンタンジオール(略称3MPD)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
また、前記第一のグリコール(A1)としては、ラクトン開環重合系ポリエステルポリオールも用いることができ、例えば、ペンタノ−4−ラクトン系化合物、γ−バレロラクトン系化合物、4,4−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン化合物等の側鎖を含有した環状エステル化合物(即ち、ラクトン類)の開環重合により得られるラクトン開環重合系ポリエステルポリオールを挙げることができる。
これらの中では、キャリアに対する耐性に優れた弾性体層の形成に有利である点において、前記第一のグリコール(A1)としては、2−メチルプロパンジオール、3−メチルペンタンジオールを採用することが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを採用することが特に好ましい。
なお、これら第一のグリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
(第二のグリコール(A2))
水酸基を3個以上有する三官能以上のポリオールである前記第二のグリコール(A2)は、弾性体層を構成するポリウレタン硬化物中に架橋構造を導入させるのに有効な成分で、弾性体層にキャリアによる膨潤を抑制する効果を発揮させるための成分として重要なものである。
また、前記第二のグリコール(A2)は、変形に対する優れた復元力を弾性体層に発揮させるための成分としても重要なものである。
該第二のグリコール(A2)としては、例えばトリメチロールプロパン(略称TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等の三官能化合物、又は、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の二量体(ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリストール)、ソルビトール等の糖類等の三官能を超える化合物が挙げられる。
これらの中では、前記第二のグリコール(A2)として、トリメチロールプロパン、グリセリンを採用することが好ましく、ハンドリングの点からはトリメチロールプロパンを採用することがより好ましい。
なお、これら第二のグリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
(第三のグリコール)
前記第一のグリコール及び前記第二のグリコールとともに前記グリコール成分に含有させることが好適な炭素数2〜3の直鎖構造を有する前記第三のグリコールは、キャリア耐性(膨潤抑制)効果及び圧縮永久歪の低減(残留歪み抑制)効果をポリウレタン硬化物に対して発揮させるのに有効な成分で、該第三のグリコールとしては、例えば、エチレングリコール(略称EG)、1,3−プロピレングリコール(1,3PD)等の炭素数2〜3のジオールが挙げられる。
前記グリコール成分(A)には、第一のグリコール(A1)と第三のグリコール(A3)が90/10〜30/70モル比((A1)/(A3))となって含有されることが好ましく、80/20〜50/50の前記モル比で含有されることが特に好ましい。
前記第一のグリコール(A1)と前記第三のグリコール(A3)の合計に対し、3官能以上の前記第二のグリコール(A2)は、モル比[{(A1)+(A3)}/(A2)]で、99/1〜85/15となるようにグリコール成分に含有させることが好ましく、97/3〜90/10の前記モル比でグリコール成分に含有させることが特に好ましい。
第一のグリコール(A1)と第三のグリコール(A3)とのモル比が上記のような範囲であることが好ましいのは、当該グリコール成分を用いて得られるポリエステルポリオールを、前記弾性体層に優れたキャリア耐性を付与するのに有効なものとし得るためでありある。
また、第一のグリコール(A1)と第三のグリコール(A3)との合計に対する第二のグリコール(A2)のモル比は、当該グリコール成分を用いて得られるポリエステルポリオールの分岐の度合いに影響し、キャリア耐性に優れ、変形に対する復元性に優れた前記弾性体層を形成させる上において上記のような範囲であることが好ましいものである。
(ジカルボン酸(B))
前記グリコール成分と反応させて前記ポリエステルポリオールを形成させるための前記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ、なかでも、前記ポリエステルポリオールを構成するジカルボン酸としてはアジピン酸が好ましい。
このようなポリエステルポリオールとともに熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に含有される前記ポリイソシアネートとしては、低硬度で弾性変形後の復元性に優れ且つキャリアによる影響を受け難い弾性体層を得る上においてヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するものを採用することが重要である。
即ち、本実施形態のポリイソシアネートとしては、一般に“変性HDI”などと呼ばれているものを採用することができる。
なお、本実施形態におけるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基と反応する官能基を2以上有する有機化合物によって複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合されて、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートで構成されたポリイソシアネートが好ましい。
このポリイソシアネートは、分岐のない直線的な分子構造を有するものであっても、分岐構造を有するものであってもよいが、弾性体層を硬度の低い柔軟なものとする上においては、分子内に芳香族基や脂環族基といった剛直性を発揮する構造を存在させないことが好ましい。
即ち、ヘキサメチレンジイソシアネートどうしを結合する前記有機化合物としては、置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、本実施形態のポリイソシアネートとしては、この置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素を介して複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合され、且つ、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートとなるように前記結合されたものが好ましい。
なお、ヘキサメチレンジイソシアネートどうしを結合する前記有機化合物としては、主鎖にエーテル結合を備えた分子構造、及び、アルキル基を側鎖として備えた分子構造の内、少なくともいずれかの分子構造を有する分子量500以下のグリコールが好ましい。
即ち、本実施形態のポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基と前記グリコールの水酸基とを縮合反応によって結合させたものが好ましい。
より具体的には、前記ポリイソシアネートとしては、下記構造式(1)、(2)に示すようなヘキサメチレンジイソシアネートの多量体(下記構造式(1))か、トリメチロールプロパン等の低分子量のグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとをウレタン結合によって結合させたアダクト体(下記構造式(2))かのいずれか、又は、これらの内の1種以上の混合物であることが好ましく、特に下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートの1種以上と、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートの1種以上とを混合して用いることが好ましい。
なお、下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートと、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートとを含有する混合物を、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を構成するためのポリイソシアネートとして採用する場合には、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートの分子の数よりも下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートの分子の数が多くなるように前記混合物を形成させることが好ましい。
Figure 2014066908
また、前記ポリイソシアネートとしては、前記のような構造式(1)、(2)で表されるものの一部、又は、全部に代えてジエチレングリコールなどのエーテル結合を有する多価アルコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオールなどの側鎖アルキル基を有する多価アルコール、若しくは、ジプロピレングリコールなどのようにエーテル結合と側鎖アルキル基との両方を有する多価アルコールとヘキサメチレンジイソシアネートとをウレタン結合で結合させたポリイソシアネートを採用しても良い。
即ち、これらの多価アルコールの水酸基とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基とを結合させたポリイソシアネートも本実施形態の熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を構成するためのポリイソシアネートとして好適に採用しうる。
また、本実施形態のポリイソシアネートは、その平均官能基数が高過ぎる場合には弾性体層を低硬度にすることが難しくなり、平均官能基数が低すぎる場合には弾性体層がキャリアに影響され易くなる点においては前記ポリエステルポリオールと同じである。
従って、本実施形態におけるポリイソシアネートとしては、より確実に弾性体層を低硬度にさせるとともに弾性変形後の復元性やキャリアによる影響をより確実に抑制させ得る点において平均官能基数が2.5以上6.0以下であることが好ましい。
なかでも、本実施形態におけるポリイソシアネートとしては、平均官能基数が3.0以上5.8以下であることが好ましく、3.5以上5.5以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態におけるポリイソシアネートは、そのNCO%が、12%以上20%以下であることが好ましい。
なお、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物には、前記ポリエステルポリオール以外のポリオールや、上記のようなポリイソシアネート以外のポリイソシアネートを本発明の効果が著しく損なわれない範囲において含有させても良く、例えば、全ポリオールに占める割合が10質量%以下程度であれば、前記ポリエステルポリオール以外のポリオールを含有させることができる。
また、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物には、含有される全ポリイソシアネートに占める割合が10質量%以下程度であれば、前記ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートを含有させることができる。
前記ポリエステルポリオール以外のポリオールとしては、ポリエーテルポリオールや前記のようなポリエステルポリオールとは異なるポリエステルポリオールを1種単独、又は、複数混合して用いることができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール及びそれらの混合物等が挙げられ、前記ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、2個以上の活性水素含有基を有する化合物を出発原料とし、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応により得られるものを採用することができる。
なお、この2個以上の活性水素含有基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール、ショ糖等の3価以上の多価アルコール;レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等の多価フェノール;エチレンジアミン、トリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、イソホロンジアミン等の多価アミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、それらの変性物等が挙げられる。
また、前記のポリエステルポリオール以外のポリエステルポリオールとしては、一般的な、ジカルボン酸と多価アルコールの縮合反応により得られるものを採用することができる(ただし、ジカルボン酸がアジピン酸で、多価アルコールが3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及び、トリメチロールプロパンである場合は除く)。
なお、このジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体、これらの酸無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
このジカルボン酸とともにポリエステルポリオールを構成する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリイソシアネート以外のイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ポリイソシアネート;リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)などの脂環式ポリイソシアネート;上記の各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどが挙げられる。
さらに、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物には、このようなポリオール、及び、ポリイソシアネート以外に、各種添加剤を含有させることができる。
例えば、鎖伸長剤として、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)へプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール等の二官能成分を前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとの反応に際して添加してもよい。
さらには、該鎖伸長剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等の三官能化合物、又は、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の二量体、ソルビトール等の糖類といった三官能を超える化合物も採用が可能である。
なお、該鎖伸長剤の使用量は、前記ポリエステルポリオール100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部の範囲であり、より好ましくは3〜5質量部の範囲である。
前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物には、この鎖伸長剤以外の添加剤として、ポリオールとポリイソシアネートとの反応触媒、カーボンブラックやグラファイトといった導電性付与剤、無機フィラー、シランカップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌剤等を適宜含有させることができる。
また、この弾性体層12の表面を覆う表面被覆層13は、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン、アクリル系樹脂などをベースポリマーとしカーボンブラックや黒鉛などの導電剤を含有させたポリマー組成物によって形成させることができる。
さらに、前記芯金11は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属及びその合金からなるものや、これらに、溶融めっき、電解めっき、無電解めっきなどの手段によるめっきを施したものを用いることができる。
次いで、このような電子写真装置用ローラー1を製造する製造方法について説明する。
本実施形態に係る電子写真装置用ローラー1は、所謂注型成形によって芯金11の外周に導電性弾性体を所定厚みで形成させた後、この導電性弾性体の外径を調整して前記弾性体層12を形成させ、該弾性体層12の表面に前記表面被覆層13を設けることによって製造することが可能である。
より具体的には、本実施形態の電子写真装置用ローラー1は、例えば、製造する弾性体層12の外径よりも僅かに大径な円柱状のキャビティを有する金型の中心部に芯金11をセットするとともに適度な粘度を有する液体状態の熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を作製し、該熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を前記金型に注入して、金型ごと加熱して前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を熱硬化させた後に脱型し、芯金周りに円筒状に硬化した弾性体の外周面を研磨して厚み調整を行って弾性体層12とし、その後でこの弾性体層12の表面に前記表面被覆層13を設けることによって製造することが可能である。
このようにして得られる電子写真装置用ローラー1は、接する相手材に対して小さなニップ圧で所定のニップ幅を確保させることができる。
従って、本実施形態の電子写真装置用ローラー1は、高いニップ圧を必要としていた従来のローラーに比べて低い回転トルクで回転させることができる。
しかも、本実施形態の電子写真装置用ローラー1は、相手材との接触によって生じていた変形を素早く復元させることができ、且つ、キャリアによって外径等に変化を生じ難いため乾式の電子写真装置に比べてローラー類が高速回転される液体現像方式の電子写真装置用のローラーとして好適なものである。
なお、本実施形態においては、表面被覆層を備えた現像ローラーを例示しているが、表面被覆層の設けられていないものや、スクウィズローラーや中間転写ローラーなどといった現像ローラー以外の電子写真装置用ローラーも本発明の意図する範囲のものである。
また、弾性体層と表面被覆層との間に他の層を備えた電子写真装置用ローラーも本発明が意図する範囲である。
なお、ここではこれ以上の説明を行わないが、本発明の電子写真装置用ローラーは、上記例示以外に各種の変更を設け得るものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリエステルポリオール)
弾性体層を形成させるためのポリエステルポリオールとして、二官能グリコール、三官能グリコール、及び、ジカルボン酸を構成成分とし、しかも、前記二官能グリコールとして3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3−MPD)、前記三官能グリコールとしてトリメチロールプロパン(TMP)、及び、前記ジカルボン酸としてアジピン酸(AA)を構成成分とした平均官能基数2.5、数平均分子量2000のポリエステルポリオールを用意した。
(ポリイソシアネート)
上記のポリエステルポリオールとともに弾性体層を形成させるためのポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するNCO%=16.4%のポリイソシアネートを用意した。
なお、該ポリイソシアネートは、前記構造式(1)で表されるポリイソシアネートと前記構造式(2)で表されるポリイソシアネートとの混合物で、且つ、ポリイソシアネートの分子数がポリイソシアネートの分子数よりも多くなるように配合された混合物で、計算により求められる平均官能基数(f)は、4.0である。
前記ポリエステルポリオールに反応触媒を添加したものを用意し、これを減圧雰囲気下で80℃に加熱し、減圧状態のまま120分間この温度を維持させて減圧脱水を行った。
また、ポリイソシアネートについても同様の条件で減圧脱水を行った。
その後、それぞれを40℃の温度まで冷却して混合し、弾性体層を形成させるための熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を作製した。
なお、この熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を作製するのに際しては、前記ポリイソシアネートによって導入されるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する前記ポリエステルポリオールによって導入される水酸基の数〔NOH(mol)〕の比率(α=NOH/NNCO)が1.221となるように含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した。
この熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を80℃に加熱された金型に注型して熱硬化させることにより、以下(a)〜(c)の3種類の試料を作製した。
(a)厚み約2mmのシート試料
(b)直径29mm、高さ12.5mmの円柱状試料
(c)直径6mmの芯金に厚み5mmの弾性体層を設けた外径16mm、長さ240mmのローラー試料
(JIS−A硬度)
高分子計器株式会社製のデュロメータ(商品名「アスカーゴム硬度計JA型」)を、同社の定圧荷重器(商品名「CL−150」)にセットし、且つ、1kgfの荷重を定圧荷重器にセットした。
前記円柱状試料(b)を、円形面が接地面と天面となるようにしてデュロメータの真下にセットして、該デュロメータを3.2mm/sの速度で落下させ、その探針が円柱状試料(b)の略中心部に押し込まれるようにしてJIS−A硬度(瞬時値)を測定した。
その結果、実施例1において作製した円柱状試料(b)のJIS−A硬度は、12であった。
即ち、直接的な計測ではないが、ローラー試料の弾性体層のJIS−A硬度が12であることがこの測定によって確認できた。
(CS:圧縮永久歪み)
前記円柱状試料(b)の圧縮永久歪みをJIS K7312に準拠して測定した。
即ち、円柱状試料(b)の高さをダイヤルゲージを使って正確に読み取った後、これに25%圧縮を加えて23℃の温度条件下、24時間放置し、圧縮を開放した5分後、及び、30分後の円柱状試料(b)の高さを再びダイヤルゲージを使って正確に読み取って5分後、及び、30分後の圧縮永久歪み(CS5、CS30)を計算により求めた。
その結果、実施例1において作製した円柱状試料(b)の圧縮永久歪みは、それぞれ、5分値(CS5)が0.4%で30分値が(CS30)0.3%であることがわかった。
(tanδ:損失正接)
シート試料(a)を幅3mm×長さ25mmにカットして短冊状試料を作製し、該短冊状試料を動的粘弾性測定器にセットした。
そして、初期荷重25gfを加えて伸長し、動歪0.03%、周波数10Hzで加振し、温度−50℃から150℃までの粘弾性測定を行った。
その結果、温度20℃での複素弾性率の実数部分(貯蔵弾性率)に対する虚数部分(損失弾性率)の割合(tanδ(at20℃))が0.35で、50℃の温度条件ではこの割合(tanδ(at50℃))が0.22となっていることがわかった。
(外径変化率)
ローラー試料(c)がキャリアによって受ける影響を確認すべく、炭化水素系キャリアとして液体トナーに多く用いられている流動パラフィンにローラー試料(c)を浸漬させた前後の寸法変化、及び、シリコーンオイル系キャリアとして液体トナーに多く用いられているジメチルポリシロキサンにローラー試料(c)を浸漬させた前後の寸法変化を観察した。
具体的には、ローラー試料(c)の初期外径(φS)を測定した上で、それぞれ55℃の温度に加熱された流動パラフィン(コスモ石油株式会社製、商品名「コスモホワイトP60」)とジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SH200」)とに96時間浸漬させた後で室温まで冷却し、流動パラフィンに浸漬させたローラー試料(c)の浸漬後外径(φE)、及び、シリコーンオイルに浸漬させたローラー試料(c)の浸漬後外径(φE)を求め、芯金の直径(φ0)から以下の式に基づいて外径変化率を算出した。

外径変化率(%)=〔{(φE−φS)/2}/{(φS−φ0)/2}〕×100%

結果、実施例1のローラー試料(c)は、流動パラフィン浸漬時における外径変化率が0.3%で、ジメチルポリシロキサン浸漬時における外径変化率が−0.4%であり、キャリアによる影響を受け難いものであることが確認できた。
(ニップ幅)
ローラ試料の表面に赤色のスタンプインキ(サンビー株式会社製 染料インク)を塗布した後、SUS板上に置いたコピー用紙上に約2秒間静置し、該静置後にコピー用紙上にローラの接触痕をスタンプインキで明示させた。
なお、その際にはローラ試料両端のシャフト部に5Nずつの荷重をかけた状態で、且つ、コピー用紙上を転がらないように注意してさせて接触痕をコピー用紙上に残すようにした。
この接触痕の幅を、該接触痕の長さ方向に沿って任意に選択した3箇所においてJIS1級鋼尺にて測定し、ニップ幅を求めた。
(ローラー当接痕深さ(図2参照))
ローラー試料(c)の弾性体層の外周面に部材を圧接させて弾性変形を生じさせ、該部材を取り除いた直後の弾性変形の回復具合を評価した。
具体的には、直径50mmの金属製ローラー(図2「P」)を回転軸が水平になるように支持し、該金属製ローラーの回転軸とローラー試料(c)の回転軸とが水平方向に平行するようにして金属製ローラーと評価用ローラーとを配置した。
その後、ローラー試料(c)を金属製ローラーに接近させ、該ローラー試料(c)が初めに金属製ローラーと接する位置よりも金属製ローラー側にさらに600μm接近させてローラー試料(c)(図2「Q」)を位置決めした。
即ち、ローラー試料(c)が金属製ローラーによってこれらの回転軸間方向(径方向)に600μmの変形を受ける状態で金属製ローラーとローラー試料(c)との位置決めを行った。
そして、この状態のまま15時間経過させた後に、ローラー試料(c)を回転させて、該ローラー試料(c)の回転に伴って金属製ローラーを供回りさせた。
この金属製ローラーとの接触位置に対して反対側となる位置(180度回転した位置)に測定スポットを当てたレーザー変位計(図2「R」)で回転直後の残留変形量を測定した。
結果、実施例1のローラー試料(c)は、ローラー当接痕深さが40μmで、弾性変形後の復元性に優れていることがわかった。
(実施例2)
前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する水酸基の数〔NOH(mol)〕の前記比率(α=NOH/NNCO)が1.14となるように、含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この実施例2の評価結果を、実施例1の評価結果と併せて下記表に示す。
(実施例3)
弾性体層を形成させるためのポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有し、NCO%が10.9%のポリイソシアネート(主鎖にエーテル結合を有する分子量500以下のグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとがウレタン結合で結合されたアダクト体、前記構造式(1)で表されるポリイソシアネート、及び、前記構造式(2)で表されるポリイソシアネートとの混合物)を用いたこと、及び、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する水酸基の数〔NOH(mol)〕の前記比率(α=NOH/NNCO)が1.05となるように、含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この実施例3の評価結果を下記表に示す。
(実施例4)
弾性体層を形成させるためのポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有しNCO%が23.1%で、平均官能基数(f)が5.3のポリイソシアネート(アルキル基を側鎖として有する分子量500以下のグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとがウレタン結合で結合されたアダクト体、前記構造式(1)で表されるポリイソシアネート、及び、前記構造式(2)で表されるポリイソシアネートとの混合物)を用いたこと、及び、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する水酸基の数〔NOH(mol)〕の前記比率(α=NOH/NNCO)が1.4となるように、含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この実施例4の評価結果を下記表に示す。
(比較例1)
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3−MPD)、トリメチロールプロパン(TMP)、及び、アジピン酸(AA)を構成成分とした数平均分子量1000、平均官能基数2.5のポリエステルポリオールを用いたこと、及び、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する水酸基の数〔NOH(mol)〕の前記比率(α=NOH/NNCO)が1.45となるように、含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この比較例1の評価結果を下記表に示す。
(比較例2)
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(3−MPD)、トリメチロールプロパン(TMP)、及び、アジピン酸(AA)を構成成分とした数平均分子量4000、平均官能基数2.5のポリエステルポリオールを用いたこと、及び、前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネート基の数〔NNCO(mol)〕に対する水酸基の数〔NOH(mol)〕の前記比率(α=NOH/NNCO)が1.05となるように、含有させるポリイソシアネートと前記ポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この比較例2の評価結果を下記表に示す。
(比較例3)
ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートに代えてトリレンジイソシアネート(TDI)を用い、前記比率(α=NOH/NNCO)が1.45となるように熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に含有させるTDIとポリエステルポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この比較例3の評価結果を下記表に示す。
(比較例4)
ポリエステルポリオールに代えて平均官能基数2.2、数平均分子量2500のひまし油系ポリオール(豊国製油株式会社製、商品名「HS3G−500B」)とトリメチロールプロパン(TMP)との混合品(HS3G−500B:TMP=98.6:1.4、質量比)を用いるとともに、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートに代えて、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDIと2,4'−MDIとの混合品、住化バイエルウレタン株式会社製、商品名「スミジュールG412」)を用い、前記比率(α=NOH/NNCO)が0.95となるように、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に含有させるMDIとポリオールとの配合割合を調製した以外は実施例1と同様に試料を作製して、実施例1と同様に評価を行った。
この比較例4の評価結果を下記表に示す。
(比較例5)
ひまし油系ポリオール(豊国製油株式会社製、商品名「HS3G−500B」)とトリメチロールプロパン(TMP)との混合比(質量比)を「HS3G−500B」:「TMP」=97.4:2.6としたこと、前記比率(α=NOH/NNCO)が0.96となるように熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に含有させるMDIとポリオールとの配合割合を調製した以外は比較例4と同様に試料を作製して、比較例4と同様に評価を行った。
この比較例5の評価結果を下記表に示す。
Figure 2014066908
以上のことからも、本発明によれば、弾性体層を、JIS−A硬度が10以上25以下の低硬度なものとしながらも、弾性変形後の復元性やキャリアによる膨潤性に問題を生じさせるおそれを抑制させ得ることがわかる。
即ち、本発明の電子写真装置用ローラーは、電子写真装置の省エネルギー化に有効であることが以上のことからわかる。
1:電子写真装置用ローラー、11:芯体、12:弾性体層、13:表面被覆層

Claims (6)

  1. 液体現像方式の電子写真装置に用いられ、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなる弾性体層が芯体の外周に形成されている電子写真装置用ローラーであって、
    前記熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が、ポリイソシアネートと数平均分子量1000を超え4000未満のポリエステルポリオールとを含有し、前記ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートで、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上の第一のグリコール(A1)と、水酸基を3個以上有する第二のグリコール(A2)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をジカルボン酸(B)と反応させてなるポリエステルポリオールであり、前記弾性体層のJIS−A硬度が10以上25以下であることを特徴とする電子写真装置用ローラー。
  2. 前記第一のグリコール(A1)が3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、前記第二のグリコール(A2)がトリメチロールプロパンで、且つ、前記ジカルボン酸(B)がアジピン酸である請求項1記載の電子写真装置用ローラー。
  3. 前記グリコール成分(A)には、さらに、第三のグリコール(A3)が含有されており、該第三のグリコール(A3)が炭素数2〜3の直鎖状のグリコールで、且つ、当該第三のグリコール(A3)は、前記第一のグリコール(A1)とのモル比[(A1)/(A3)]が80/20〜50/50となる割合で前記グリコール成分(A)に含有され、前記第一のグリコール(A1)との合計量が前記第二のグリコールとのモル比[{(A1)+(A3)}/(A2)]で97/3〜90/10となる割合で前記グリコール成分(A)に含有されている請求項1又は2記載の電子写真装置用ローラー。
  4. 前記ポリイソシアネートが、主鎖にエーテル結合を備えた分子構造、及び、アルキル基を側鎖として備えた分子構造の内の少なくとも一方の前記分子構造を有する分子量500以下のグリコールと前記ヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させてなるポリイソシアネートである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真装置用ローラー。
  5. 前記ポリエステルポリオールの平均官能基数が2.0以上3.0以下で、前記ポリイソシアネートの平均官能基数が2.5以上6.0以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真装置用ローラー。
  6. 前記ポリイソシアネートのNCO%が、12%以上20%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子写真装置用ローラー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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