JP6545529B2 - 防水コネクタ - Google Patents

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Description

本明細書によって開示される技術は、防水コネクタに関する。
従来、機器のケースに設けられた取付孔に嵌合可能な機器用コネクタとして、特開2014−107152号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。この機器用コネクタは、合成樹脂製のハウジングを有し、このハウジングは、機器の取付孔に嵌合可能な嵌合部と、電線が引き出された装着部とを有している。嵌合部の内部には、端子収容部が前方から収容されており、この端子収容部は、ホルダによって前方への抜けが抑制されている。嵌合部の外周面にはゴムリングが装着されている。
特開2014−107152号公報
しかしながら、上記の機器用コネクタでは、ゴムリングの回り止めが考慮されていないため、ゴムリングが正規の位置で嵌合部の外周面に装着されたか否かがわからない。
そこで、図6に示すような防水コネクタ1によってゴムリング2の回り止めを行うことが考えられる。この防水コネクタ1は、合成樹脂製のハウジング3を有し、このハウジング3は、嵌合部4と、嵌合部4に装着される端子収容部5と、端子収容部5を嵌合部4に保持するフロントリテーナ6とを備えて構成されている。ゴムリング2の側縁には一対の回り止めリブ2Aが突出して設けられている。回り止めリブ2Aは、ハウジング3に設けられた係止溝3Aに嵌まり込むことで、嵌合部4の外周面に装着されたゴムリング2の回り止めを行うものとされている。
ところが、リブ2Aは略方形の断面形状であり、このリブ2Aの形状に沿った係止溝3Aは底面と底面から直角に立ち上がる一対の側面とからなる角形の溝であるため、リブ2Aが係止溝3Aの底面から浮き上がるおそれがあり、リブ2Aが係止溝3Aから外れてしまうと、ゴムリング2の回り止め機能が失われることになる。
本明細書によって開示される防水コネクタは、環状のゴムリングと、前記ゴムリングが装着されるハウジングとを備えた防水コネクタであって、前記ゴムリングの側縁には、一対の係合面を有する回り止めリブが設けられている一方、前記ハウジングには、前記回り止めリブが収容される収容溝が設けられており、前記収容溝は、底面と、前記底面の両側に配されて前記回り止めリブの前記係合面と係合することで前記回り止めリブを前記底面に押し込む一対の被係合面とによって構成されている。
このようにすると、ゴムリングに回転方向の力がかかると、回り止めリブの係合面が収容溝の被係合面に係止することによりゴムリングが底面に押し込まれるため、回り止めリブが収容溝の底面から浮き上がることはなく、引き続きゴムリングの回り止め機能を果たすことができる。
本明細書によって開示される防水コネクタは、以下の構成としてもよい。
前記ハウジングは、機器のケースに設けられた取付孔に嵌合可能な嵌合部と、前記嵌合部に装着される端子収容部と、前記端子収容部を前記嵌合部に保持するフロントリテーナとを備えて構成され、前記底面は前記嵌合部に設けられている一方、前記一対の被係合面は前記フロントリテーナに設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、底面と一対の被係合面とをそれぞれ既存の構成部品に設けたから、従来と同じ作業工数で収容溝を構成することができる。
前記フロントリテーナは、前記嵌合部に外嵌するフード部を有し、前記底面は前記嵌合部の外周面の一部である一方、前記一対の被係合面は前記フード部の内周面と外周面とを連結し、かつ、前記フード部の周方向に対向する一対の対向面である構成としてもよい。
このような構成によると、一対の被係合面については例えばフード部の一部を切り欠くことによって一対の対向面を形成したものであり、底面については嵌合部の外周面をそのまま利用したものであるから、大幅な設計変更を伴うことなく収容溝を構成することができる。
本明細書によって開示される防水コネクタによれば、回り止めリブが収容溝の底面から浮き上がりにくくできる。
実施形態における防水コネクタの構成部品を示した分解斜視図 防水コネクタの正面図 防水コネクタの平面図 防水コネクタの側面図 図4におけるA−A線断面図 本願発明に関連する技術として開示した防水コネクタの構成部品を示した分解斜視図
<実施形態>
実施形態を図1から図5の図面を参照しながら説明する。本実施形態の防水コネクタ10は、図1に示すように、合成樹脂製のハウジング20、ゴムリング30、フロントリテーナ40などを備えて構成されている。また、図示はしないものの、防水コネクタ10が接続される機器のケースには、取付孔が貫通して形成されており、この取付孔に防水コネクタ10が嵌合可能とされている。
ハウジング20は、機器の取付孔に嵌合可能な嵌合部21と、電線Wが引き出された引出部22と、嵌合部21に装着される端子収容部23とを有している。この端子収容部23は、フロントリテーナ40によって前方への抜けが抑制されている。図5に示すように、端子収容部23の内部には、端子50が収容されている。
図1に示すように、ゴムリング30は、嵌合部21の外周面に装着されるようになっている。また、嵌合部21の後方には、嵌合部21の外周面に装着されたゴムリング30が突き当たることでゴムリング30の前後方向の装着位置を決定する突当部24が設けられている。突当部24には、一対の係止溝25が上方および前方に開口して設けられている。
一方、ゴムリング30は、複数条の外周リップ32が周設された環状の本体部31と、本体部31の後縁から後方に突出して設けられた一対の角形リブ33と、本体部31の前縁から前方に突出して設けられた一対の台形リブ34とを備えて構成されている。角形リブ33は略方形の断面形状をなして前後方向に延びる柱状をなし、台形リブ34は略台形の断面形状をなして前後方向に延びる柱状をなしている。また、一対の角形リブ33は本体部31の上部において周方向に並んで配され、一対の台形リブ34は本体部31の両側部に1つずつ配されている。
図3に示すように、一対の角形リブ33は、突当部24の一対の係止溝25に適合して収容される。これにより、ゴムリング30の周方向の装着位置が決定される。また、フロントリテーナ40は、嵌合部21の外周面に外嵌されるフード部41を有しており、このフード部41の後縁によってゴムリング30の前方への抜けが抑制されている。突当部24の外周面とフード部41の外周面とは、ほぼ同じ高さとされており、外周リップ32よりも低く設定されている。
さて、ハウジング20におけるフード部41の両側には、図4に示すように、ゴムリング30の一対の台形リブ34が適合して収容される一対の収容溝26が設けられている。この収容溝26は、図5に示すように、嵌合部21の外周面の一部である底面21Aと、フード部41の一部を切り欠くことで形成された上下一対の対向面42とによって構成されている。一対の対向面42は、フード部41の内周面と外周面とを連結し、かつ、上下方向に対向している。また、対向面42は、図1に示すように、フード部41の後端開口縁に至る範囲で設けられている。このため、一対の対向面42に挟まれた収容空間は、後方に開口する形態をなしている。
図5に示すように、上側の対向面42は、フード部41の内周面から外周面に向けて斜め下方に延びる形態をなし、下側の対向面42は、フード部41の内周面から外周面に向けて斜め上方に延びる形態をなしている。一方、台形リブ34は、上下一対の対向面42に近接して配される上下一対の傾斜面35を有している。傾斜面35とこれに対面する対向面42とは、わずかな隙間を介して当接可能な位置に設けられている。
このため、図5の図示右側の台形リブ34が下方に移動しようとすると、下側の傾斜面35が下側の対向面42に係合することで本体部31が嵌合部21の底面21Aに押し込まれる。このとき、上側の傾斜面35も上側の対向面42によって嵌合部21の底面21Aから離れることができないため、台形リブ34が収容溝26から外れることが抑制される。したがって、各台形リブ34によるゴムリング30の回り止めが継続される結果、各角形リブ33においてもゴムリング30の回り止めが継続されることになる。このように本実施形態では、実質的に4つのリブ33、34でゴムリング30の回り止めを行うことになるから、当然のことながら、図6に示す2つの回り止めリブ2Aでゴムリング2の回り止めを行うよりも、回り止め力が格段に高くなる。
以上のように本実施形態では、ゴムリング30に回転方向の力がかかると、回り止めリブ(台形リブ34)の係合面(傾斜面35)が収容溝26の被係合面(対向面42)に係止することによりゴムリング30が底面21Aに押し込まれるため、回り止めリブが収容溝26の底面21Aから浮き上がることはなく、引き続きゴムリング30の回り止め機能を果たすことができる。
ハウジング20は、機器のケースに設けられた取付孔に嵌合可能な嵌合部21と、嵌合部21に装着される端子収容部23と、端子収容部23を嵌合部21に保持するフロントリテーナ40とを備えて構成され、底面21Aは嵌合部21に設けられている一方、一対の被係合面(対向面42)はフロントリテーナ40に設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、底面21Aと一対の被係合面(対向面42)とをそれぞれ既存の構成部品に設けたから、従来と同じ作業工数で収容溝26を構成することができる。
フロントリテーナ40は、嵌合部21に外嵌するフード部41を有し、底面21Aは嵌合部21の外周面の一部である一方、一対の被係合面はフード部41の内周面と外周面とを連結し、かつ、フード部41の周方向に対向する一対の対向面42である構成としてもよい。
このような構成によると、一対の被係合面については例えばフード部41の一部を切り欠くことによって一対の対向面42を形成したものであり、底面21Aについては嵌合部21の外周面をそのまま利用したものであるから、大幅な設計変更を伴うことなく収容溝26を構成することができる。
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態ではフロントリテーナ40を備えた防水コネクタ10を例示しているものの、フロントリテーナ40を備えていない防水コネクタにも適用することができる。
(2)上記実施形態では収容溝26がハウジング20とフロントリテーナ40によって構成されているものの、収容溝がハウジングのみによって構成されているものとしてもよいし、収容溝がフロントリテーナのみによって構成されているものとしてもよい。
(3)上記実施形態では回り止めリブとして台形リブ34を例示しているものの、回り止めリブの形状は問わないし、収容溝の形状についても問わない。
10…防水コネクタ
20…ハウジング
21…嵌合部
21A…底面
23…端子収容部
26…収容溝
30…ゴムリング
34…台形リブ(回り止めリブ)
35…傾斜面
40…フロントリテーナ
41…フード部
42…対向面(被係合面)

Claims (3)

  1. 環状のゴムリングと、
    前記ゴムリングが装着されるハウジングとを備えた防水コネクタであって、
    前記ゴムリングは、前後方向に開口し環状の本体部と、前記本体部の後縁から後方に突出して設けられた角形リブと、前記本体部の前縁から前方に突出して設けられ一対の係合面を有する回り止めリブとを備えて構成されている一方、
    前記ハウジングには、機器のケースに設けられた取付孔に嵌合可能な嵌合部と、前記嵌合部に外嵌するフード部と、前記回り止めリブが収容される収容溝と、前記角形リブが収容される係止溝とが設けられており、
    前記収容溝は、底面と、前記底面の両側に配されて前記回り止めリブの前記係合面と係合することで前記回り止めリブを前記底面に押し込む一対の被係合面とによって構成されており、
    前記底面は前記嵌合部に設けられている一方、前記一対の被係合面は前記フード部に設けられている防水コネクタ。
  2. 環状のゴムリングと、
    前記ゴムリングが装着されるハウジングとを備えた防水コネクタであって、
    前記ゴムリングの側縁には、一対の係合面を有する回り止めリブが設けられている一方、
    前記ハウジングには、前記回り止めリブが収容される収容溝が設けられており、
    前記収容溝は、底面と、前記底面の両側に配されて前記回り止めリブの前記係合面と係合することで前記回り止めリブを前記底面に押し込む一対の被係合面とによって構成されており、
    前記ハウジングは、機器のケースに設けられた取付孔に嵌合可能な嵌合部と、前記嵌合部に装着される端子収容部と、前記端子収容部を前記嵌合部に保持するフロントリテーナとを備えて構成され、
    前記底面は前記嵌合部に設けられている一方、前記一対の被係合面は前記フロントリテーナに設けられている防水コネクタ。
  3. 前記フロントリテーナは、前記嵌合部に外嵌するフード部を有し、前記底面は前記嵌合部の外周面の一部である一方、前記一対の被係合面は前記フード部の内周面と外周面とを連結し、かつ、前記フード部の周方向に対向する一対の対向面である請求項2に記載の防水コネクタ。
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