JP6545361B2 - 電動機、空気調和機、制御装置、及び電動機の製造方法 - Google Patents

電動機、空気調和機、制御装置、及び電動機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固定子及び回転子を有する電動機に関する。
一般に、電動機の内部の記憶部に格納された制御プログラム及び制御パラメータなどのデータに基づいてモータ制御が実行される電動機が用いられている。特許文献1には、制御パラメータ設定用の通信線及びエンコーダ用コネクタを有する電動機が開示されている。さらに、特許文献1の電動機は、制御プログラムデータを書き換えるための専用の通信線及び通信コネクタを有する。
特開平8-256492号公報
しかしながら、特許文献1の電動機のように、書き込みデータの種類に応じてデータ書き込み用の信号線及びコネクタを電動機に搭載する場合、データの種類に伴って信号線又はコネクタなどの部品が増加し、部品の増加に伴って部品を配置するためのスペースが必要になるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、電動機の外部からデータ書き込みが可能な電動機を、信号線又はコネクタ等の部品を追加することなく低コストで提供することである。
本発明の電動機は、回転子と、巻線を有する固定子と、を備えた電動機であって、駆動電流を前記巻線に供給する駆動部と、記憶部と、第1の装置から入力された第1の信号に従って前記駆動部を制御し、第2の装置から入力された第2の信号に従って前記記憶部への書き込み処理を行う制御部と、前記第1の信号及び前記第2の信号を前記制御部に伝送する信号線とを備え、前記制御部は、前記駆動部に印加される電圧を検出する検出部を有し、前記検出部で検出された電圧が閾値以上の場合、前記制御部に前記第1の信号が入力され、前記検出部で検出された電圧が閾値未満の場合、前記記憶部に前記第2の信号が入力される
本発明によれば、外部からデータ書き込みが可能な電動機を、信号線又はコネクタ等の部品を追加することなく低コストで提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る電動機の内部構造を概略的に示す断面図である。 巻線(3相コイル)及び複数のホールICの構成を概略的に示す図である。 各相における相信号(誘起電圧)とホールICの出力(磁極位置信号)との関係を示す図である。 (a)及び(b)は、基板上における電子部品の配置関係の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、基板上における電子部品の配置関係の他の例を示す図である。 電動機の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。 電圧監視部の構成を概略的に示す回路図である。 パワートランジスタICの内部構成を概略的に示す回路図である。 過電流検出部の内部構成を概略的に示す回路図である。 変形例に係る電動機における制御部の構成を示すブロック図である。 比較例に係る電動機の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。 電動機の製造工程を示すフローチャートである。 相信号と磁極位置信号との関係の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る電動機100の内部構造を概略的に示す断面図である。
電動機100は、回転子1と、固定子3(モールド固定子)と、駆動部としてのパワートランジスタIC(Integrated Circuit)4と、マイクロコントローラ5と、少なくとも1つのホールIC7と、コネクタ11が搭載された制御装置としての基板8(基板部)とを有する。電動機100は、例えば、ブラシレスDC(Direct Current)モータである。本実施の形態では、電動機100は、インナーロータ型モータであるが、アウターロータ型モータであってもよい。
さらに、電動機100は、回転子1の回転を外部に伝える回転軸1bと、回転軸1bを支える軸受6a(出力側軸受)及び軸受6b(反出力側軸受)と、固定子3と一体化され軸受6a及び6bを支えるブラケット13とを有し、制御装置としての基板8には、信号線(通信線)としてのリード線10が接続されている。
回転子1は、回転子マグネット1aと、回転子センサマグネット1cとを有する。回転子1は、回転軸1bの軸線である軸線A1を回転中心として回転自在である。
回転子マグネット1aは、永久磁石によって構成されている。回転子マグネット1aは、後述する固定子鉄心3aと対向するように回転軸1bに固定されている。回転子マグネット1aは、例えば、フェライト磁石又は希土類磁石によって構成される。
回転軸1bは、軸受6a及び6bによって回転自在に支持されている。
回転子センサマグネット1cは、ホールIC7によって磁界が検出されるように回転子マグネット1aに固定されている。回転子センサマグネット1cは、軸線A1を回転中心として、回転子マグネット1a及び回転軸1bと共に回転する。
固定子3は、複数の電磁鋼板が積層された固定子鉄心3aと、インシュレータ3bと、巻線2とを有する。巻線2と固定子鉄心3aとを絶縁するため、巻線2と固定子鉄心3aとの間にインシュレータ3bが備えられている。本実施の形態では、固定子鉄心3a及びインシュレータ3bは一体成型されている。固定子3は、固定子鉄心3a及びインシュレータ3bによって形成された複数のティース部を有する。各ティース部間には、スロットが形成されている。巻線2は、各ティース部に巻回されている。本実施の形態では、巻線2及び固定子3により、3相コイルが形成される。
軸受6aは、電動機100の出力側に固定されている。軸受6bは、電動機100の反出力側に固定されている。
パワートランジスタIC4は、電動機100の外部の高圧電源に接続されている。その高圧電源から電力E1がパワートランジスタIC4に供給される。ただし、パワートランジスタIC4に供給される電力は、電動機100の内部に備えられたバッテリからの電力でもよい。
パワートランジスタIC4は、巻線端子9を介して巻線2に接続されている。パワートランジスタIC4は、回転子1を回転させるための駆動電流を、巻線端子9を介して巻線2に供給する。パワートランジスタIC4は、6個のパワートランジスタを有し、これらのパワートランジスタを、回転子マグネット1aの磁極位置に応じて適切なタイミングでスイッチングさせることにより、回転子1に回転動力を与える。パワートランジスタのスイッチングは、マイクロコントローラ5から入力された制御信号に従って行われる。
図2は、巻線2(3相コイル)及び複数のホールIC7の構成を概略的に示す図である。
図3は、各相における相信号SG6(誘起電圧)とホールIC7の出力(磁極位置信号SG5)との関係を示す図である。
ホールIC7は、回転子1の回転位置(位相)を検出する。具体的には、ホールIC7は、回転子センサマグネット1cの回転位置を検出することによって、回転子1の回転位置を検出する。図2に示されるように、本実施の形態では、巻線2が巻かれた固定子3の相数は、U相(U)、V相(V)、及びW相(W)の3相であり、各相に対応するホールIC7が、磁界を検出する。図3に示されるように、ホールIC7の出力(磁極位置信号SG5)は、相信号SG6(誘起電圧)に応じて切り替わる。
基板8は、回転子1の回転を制御する電子回路を有する。本実施の形態では、パワートランジスタIC4、マイクロコントローラ5、複数のホールIC7、及びコネクタ11が、基板8に固定されている。基板8は、軸線A1に対して直交するように、固定子3と軸受6aとの間に配置されている。基板8は、固定子3とともにモールド樹脂12によって覆われており、基板8の位置は、モールド樹脂12によって固定されている。コネクタ11はモールド樹脂12によって覆い隠され、固定子3の外に露出していない。
図4(a)及び(b)は、基板8上における電子部品の配置関係の一例を示す図である。
本実施の形態では、図4(a)に示されるように、基板8のステータ面8a上にマイクロコントローラ5及び複数のホールIC7が固定されている。図4(b)に示されるように、ステータ面8aの裏面である反ステータ面8b上に、リードタイプのパワートランジスタIC4が固定されている。リードタイプのパワートランジスタIC4は、片面フロー工程において基板8上に取り付けることができる。コネクタ11は、基板8の端部に固定されている。これらの部品以外の電子部品(例えば、抵抗及びコンデンサなど)は、基板8のステータ面8a及び反ステータ面8b上に配置することができる。
図5(a)及び(b)は、基板8上における電子部品の配置関係の他の例を示す図である。
基板8上における電子部品の配置関係は、図4(a)及び(b)に示される例に限られない。例えば、図5(a)に示されるように、基板8のステータ面8a上にマイクロコントローラ5、複数のホールIC7、及び表面実装タイプのパワートランジスタIC4を固定してもよい。表面実装タイプのパワートランジスタIC4は、片面リフロー工程において基板8上に取り付けることができる。これらの部品以外の電子部品(例えば、抵抗及びコンデンサなど)は、基板8のステータ面8a及び反ステータ面8b上に配置することができる。
基板8に固定されたコネクタ11には、電動機100の外部から入力された制御信号SG1(第1の信号)及び制御信号SG2(第2の信号)を伝送する多重化を行えるリード線10が接続されている。
コネクタ11に接続されたリード線10の他端は、電動機100が搭載される第1の装置(例えば、空気調和機の制御基板)又は、制御プログラム(第1の制御情報)若しくは制御パラメータ(第2の制御情報)などの回転子を制御するための制御データ(制御情報)を書き込むための第2の装置としてのコンピュータ端末(例えば、データ送信機などの制御基板)に接続される。リード線10は、電動機100が搭載される装置(第1の装置)に接続された場合、電動機100が搭載された装置から制御信号SG1(第1の信号)を受信し、制御プログラム又は制御パラメータなどのデータを書き込むためのコンピュータ端末(第2の装置)に接続された場合、コンピュータ端末から制御信号SG2(第2の信号)を受信する。
リード線10は、制御信号SG1を第1のタイミングでマイクロコントローラ5(具体的には、後述する制御部51)に伝送し、制御信号SG2を第2のタイミングでマイクロコントローラ5(具体的には、後述する制御部51)に伝送する。
第1のタイミングと第2のタイミングとは、互いに異なるタイミングである。例えば、第1のタイミングとは、リード線10と第1の装置とが電気的に接続されている状態において、第1の装置から入力された制御信号SG1を、リード線10が伝送するタイミングである。例えば、第2のタイミングとは、リード線10と第2の装置とが電気的に接続されている状態において、第2の装置から入力された制御信号SG2を、リード線10が伝送するタイミングである。
モールド樹脂12は、基板8及び固定子3の周囲に充填され、基板8と固定子3とを固定する。
ブラケット13は、電動機100の反出力側の開口部を塞ぐように、固定子3に取り付けられている。例えば、ブラケット13は、固定子3の内側に嵌め込むことによって固定子3に固定することができる。軸受6bは、ブラケット13の内側に嵌め込まれている。ブラケット13は、導電性材料によって形成されている。
電動機100の制御系の構成及び動作を詳細に説明する。
図6は、電動機100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように、電動機100の制御系は、図示しない高圧電源に接続され高圧電源から電力E1を供給すると共に、巻線端子9を介して巻線2(固定子3)に接続されるパワートランジスタIC4と、パワートランジスタIC4に接続されると共にリード線10に接続されるマイクロコントローラ5とで構成されている。パワートランジスタIC4はグラウンド(GND)に繋がれており、パワートランジスタIC4とグラウンドとの間に過電流検出用の抵抗R3が直列に配置されている。
マイクロコントローラ5は、回転子1を制御する駆動情報(例えば、制御信号SG1)が入力される制御部51と、回転子1を制御する制御情報(例えば、制御プログラム及び制御パラメータ等)が記憶される記憶部52とを有する。
制御部51は、リード線10を介して入力される制御信号SG1もしくは制御信号SG2のいずれかの出力を選択する選択部としてのマルチプレクサ514と、後述する記憶部52に格納された制御プログラムを読み出すと共に、制御信号SG1に従って固定子3に流す電流(パワートランジスタIC4から出力される電流)を制御するモータ制御部511と、制御信号SG2に従って制御パラメータなどの情報(制御情報)を記憶部52に送る通信部512と、高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧(固定子3に流れる電圧)を検出する検出部としての電圧監視部513と、モータ制御部511からパワートランジスタIC4に出力される制御信号SG3によってパワートランジスタIC4に印加される過電流を検出する過電流検出部515とを有する。なお、これらはマイクロコントローラ5の内部のハードウェアとして存在しているのではなく、ソフトウェアおよびマイクロコントローラ5の周辺回路と組み合わさって機能を実現してよい。
制御部51は、リード線10を介して、制御信号SG1(第1の信号)を第1のタイミングで受信し、制御信号SG2(第2の信号)を第2のタイミングで受信する。制御部51は、電動機100の外部からリード線10に入力される種々の信号の内、制御信号SG1及び制御信号SG2のいずれか一つを、リード線10を介して選択的に受信することもできる。制御部51は、電動機100の外部から入力された制御信号SG1に従ってパワートランジスタIC4を制御する。さらに、制御部51は、電動機100の外部から入力された制御信号SG2に従って記憶部52へパワートランジスタIC4の制御パラメータ等の書き込み処理を行う。
制御信号SG1は、パワートランジスタIC4を制御する信号(制御信号)である。本実施の形態では、制御信号SG1は、回転子1の回転速度(回転数)を制御する信号(回転速度制御信号)である。制御信号SG1は、例えば、電動機100が搭載された装置(例えば、空気調和機)から出力され、電動機100に入力される。ただし、制御信号SG1は、回転数を指令する信号(回転数指令信号)であってもよい。さらに、制御信号SG1は、ホールIC7によって検出された回転数に基づく回転数フィードバック信号を含んでもよい。
制御信号SG2は、記憶部52への書き込み処理の実行を制御部51に要求する信号(書き込み要求信号)である。制御信号SG2は、電動機100の設定(例えば、制御プログラム又は制御パラメータなどの書き込み)を行うユーザ(データ送信機)によって入力される。制御信号SG2は、書き込み要求信号以外の制御パラメータなどのデータを含んでもよい。さらに、制御信号SG2は、書き込み要求信号ではなく、回転子1の制御に用いられる制御プログラム(第1の制御情報)及び制御パラメータ(第2の制御情報)などの制御データ(制御情報)そのものでもよい。なお、制御信号SG2の中にCRC(Cyclic Redundancy Code)などの符号を加え、該符号を用いて誤書き込みを抑制しても良い。
制御部51は、高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧を検出する。制御部51は、検出された電圧(例えば、検出された電圧の絶対値)が、予め定められた閾値以上であると判断した場合、リード線10を介して受信した制御信号SG1に従ってパワートランジスタIC4を制御する。制御部51は、検出された電圧(例えば、検出された電圧の絶対値)が、予め定められた閾値よりも小さいと判断した場合、リード線10を介して受信した制御信号SG2に従って書き込み処理を行う。なお、予め定められた閾値とは、回転子1が回転している間にパワートランジスタIC4又は固定子3に印加されると推定される電圧値のバラツキ最小より小さい電圧値である。
記憶部52は、書き換え可能な不揮発性メモリである。例えば、記憶部52は、フラッシュメモリである。記憶部52には、例えば、パワートランジスタIC4の制御に用いられる制御プログラム、又はパワートランジスタIC4を制御するための制御パラメータなどの制御データが格納される。
制御部51の構成及び動作の例についてより具体的に説明する。
第1のタイミングの一例として、電圧監視部513で検出された電圧(高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧)が予め定められた閾値以上の場合、制御部51に制御信号SG1が入力される。具体的には、電圧監視部513で検出された電圧が予め定められた閾値以上の場合、電圧監視部513は制御信号SG1の出力を指示する切替信号SG4をマルチプレクサ514に出力し、マルチプレクサ514が制御信号SG1をモータ制御部511に送信する。すなわち、マルチプレクサ514は、切替信号SG4に基づいて制御信号SG1の出力先(モータ制御部511)を選択する。
モータ制御部511は、パワートランジスタIC4におけるスイッチングを制御する。例えば、モータ制御部511は、リード線10を介して電動機100の外部から入力された制御信号SG1に従って制御信号SG3をパワートランジスタIC4に出力することにより、パワートランジスタIC4を制御する。モータ制御部511は、記憶部52に格納された制御プログラムを読み出し、読み出された制御プログラムに従って各種制御(例えば、回転子1の制御)を行う。さらに、モータ制御部511は、記憶部52に格納された制御パラメータを用いて制御信号SG3を生成する。すなわち、制御信号SG3は、パワートランジスタIC4から出力される駆動電流を制御する信号(駆動制御信号)である。
第2のタイミングの一例として、電圧監視部513で検出された電圧(高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧)が予め定められた閾値未満の場合、制御部51に制御信号SG2が入力される。具体的には、電圧監視部513で検出された電圧が予め定められた閾値未満の場合、電圧監視部513は制御信号SG2の出力を指示する切替信号SG4をマルチプレクサ514に出力し、マルチプレクサ514が制御信号SG2を通信部512に送信する。すなわち、マルチプレクサ514は、切替信号SG4に基づいて制御信号SG2の出力先(通信部512)を選択する。
通信部512は、リード線10を介して電動機100の外部から入力された制御信号SG2に従って記憶部52への書き込み処理を行うことができる。さらに、通信部512は、制御信号SG2に従って、記憶部52に格納されたデータの読み出し処理を行うことができる。さらに、制御信号SG2が制御プログラム等の制御データを含む場合、記憶部52に予め格納された制御プログラム等の制御データは、制御信号SG2に含まれる制御データへ上書き(書き換え)される。通信部512は、制御信号SG2に従って、記憶部52に格納されるデータの書き換え処理を行うことができる。制御信号SG2が制御パラメータ等の制御データを含む場合、通信部512は、制御信号SG2を記憶部52に送ってもよい。
図7は、電圧監視部513の構成を概略的に示す回路図である。
パワートランジスタIC4に電力E1を流すリード線とグラウンド(GND)との間に、高圧電源と接続される分圧抵抗R1及び分圧抵抗R2が直列に配置され、分圧抵抗R1と分圧抵抗R2との間からコンパレータ513aに接続される信号線とグラウンドとの間に、ノイズ除去用コンデンサC1が配置されている。また、コンパレータ513aとグラウンドとの間には基準電圧発生装置V1が配置されている。
電圧監視部513において、コンパレータ513a(コンパレータ回路)に印加される電圧がコンパレータ513aの耐電圧(例えば、5V)を超えないように、高圧電源(電源電圧Vin)の分圧(例えば、70:1)を行う必要がある。したがって、分圧抵抗R1とコンパレータ513aとの間の信号線とグラウンド(GND)との間に、ノイズ除去用コンデンサC1が配置されている。マイクロコントローラが内蔵されているコンパレータ513aを用いることがコストの観点から望ましい。ただし、コンパレータICを用いることにより、マイクロコントローラが内蔵されていないコンパレータを採用してもよい。基準電圧発生装置V1による基準電圧は、マイクロコントローラが内蔵されたDA(Digital to Analog)変換器によって生成されることがコストの観点から望ましい。ただし、DA変換器ICを用いて、基準電圧発生装置V1による基準電圧を生成してもよい。さらに、マイクロコントローラが内蔵されたDA変換器の代わりに、低圧電源から分圧された電圧によって基準電圧発生装置V1による基準電圧を生成してもよい。
電圧監視部513は、電動機100に接続された高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧を検出する。電圧監視部513は、検出された電圧(例えば、電圧の絶対値)に基づいて、マルチプレクサ514に送信する切替信号SG4を生成する。
例えば、検出された電圧の絶対値が、予め定められた閾値以上である場合、電圧監視部513は、マルチプレクサ514が制御信号SG1を選択するような切替信号SG4を生成し、マルチプレクサ514に送信する。検出された電圧が、予め定められた閾値よりも小さい場合、電圧監視部513は、マルチプレクサ514が制御信号SG2を選択するような切替信号SG4を生成し、マルチプレクサ514に送信する。すなわち、検出された電圧の絶対値が、予め定められた閾値以上である場合、リード線10は回転子1の回転制御用のリード線として使用される。一方、検出された電圧の絶対値が、予め定められた閾値よりも小さい場合、リード線10は記憶部52への書き込み処理用のリード線として使用される。
電圧監視部513は、パワートランジスタIC4に電力E1が供給されている間、パワートランジスタIC4に印加される電圧を、常時、検出してもよいし、又は周期的に検出してもよい。
電圧監視部513が、パワートランジスタIC4に印加される電圧に基づいてマルチプレクサ514の出力を制御するので、回転子1が回転している間における記憶部52への書換えが防止される。したがって、電動機100の動作中(例えば、回転子1の回転中)において発生したノイズによって記憶部52への誤書き込みを防止することができる。
図8は、パワートランジスタIC4の内部構成を概略的に示す回路図である。
図9は、過電流検出部515の内部構成を概略的に示す回路図である。
図8に示されるように、パワートランジスタIC4の下アームトランジスタ(低電圧側のトランジスタ)のソースとグラウンド(GND)との間に、過電流検出用の抵抗R3が配置されている。過電流検出部515は、抵抗R3の両端子間の電圧を監視することにより、過電流を検出する。例えば、図9に示されるように、過電流検出部515において、コンパレータ515aが、過電流検出信号SG7と基準電圧V2とを比較し、過電流が検出される。
過電流検出部515は、電動機100の停止(回転子1の停止)、又は巻線2への駆動電流の供給の停止を決定する電流値である過電流リミット値を算出する。算出された過電流リミット値は、パワートランジスタIC4(スイッチング信号生成部)に入力される。過電流リミット値は、基準電圧V2の値と抵抗R3の抵抗値とによって算出される。例えば、基準電圧V2の値が0.5Vであり、抵抗R3の抵抗値が1Ωである場合、コンパレータ515aのヒステリシス及びオフセットをゼロとすると、過電流リミット値は0.5A(=0.5/1)である。基準電圧V2の生成及びコンパレータは、マイクロコントローラ5の外部の回路によって実現されてもよい。
過電流リミット値は、抵抗R3の抵抗値、基準電圧V2の値、コンパレータ515aのヒステリシス、又はコンパレータ515aのオフセットのバラつきによって、例えば、±10%の範囲でバラつくことがある。したがって、理想的な過電流リミット値(設計値)と電動機100の実際の過電流リミット値との差を補正することにより、電動機100の制御(回転子1の回転制御)が行われることが望ましい。
例えば、電動機100の製造後における検査によって過電流リミット値を測定し、測定値と設計値との差(補正データ)を制御信号SG2によって記憶部52に格納する。モータ制御部511は、記憶部52に格納された制御パラメータとしての補正データを用いて、電動機100の実際の過電流リミット値を補正し、電動機100の制御を行うことができる。例えば、過電流リミット値の設計値が0.5Aに対して過電流リミット値の測定値が0.45Aにずれていた場合、基準電圧V2が0.5Vから0.55Vに補正されることにより、過電流リミット値の測定値が0.5Aに補正される。
基準電圧V2、コンパレータ515aのヒステリシス、又はコンパレータ515aのオフセットのバラつき(例えば、±10%)は、過電流検出用の抵抗R3の抵抗値バラツキ(例えば、±1%)より大きいため、基準電圧V2を調整することにより、過電流リミット値バラツキの大半を補正可能である。
変形例.
図10は、変形例に係る電動機における制御部51aの構成を示すブロック図である。制御部51aは、実施の形態1に係る電動機100における制御部51に対し、マルチプレクサ514を使用せずに制御信号SG1又は制御信号SG2を選択する構成のみが異なり、制御部51aは、実施の形態1に係る電動機100における制御部51に適用可能である。
制御部51aに接続されたリード線10はリード線10aとリード線10bの2つに分岐され、リード線10aはモータ制御部511のポートに接続され、リード線10bは通信部512のポートに接続されている。モータ制御部511及び通信部512はそれぞれ電圧監視部513と信号線で接続される。
電圧監視部513は、高圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧を検出する。第1のタイミングの一例として、検出された電圧が予め定められた閾値以上の場合、動作停止信号SG8を通信部512に送信する。第2のタイミングの一例として、検出された電圧が予め定められた閾値未満の場合、動作停止信号SG8をモータ制御部511に送信する。なお、予め定められた閾値とは、回転子1が回転している間にパワートランジスタIC4又は固定子3に印加されると推定される電圧値のバラツキ最小より小さい電圧値である。
すなわち、回転子1が回転している間(例えば、第1のタイミング)は、動作停止信号SG8が通信部512に送信され、通信部512の動作が停止する。一方、モータ制御部511の動作が停止している間(例えば、第2のタイミング)は、動作停止信号SG8がモータ制御部511に送信され、モータ制御部511の動作が停止する。
リード線10は、制御信号SG1(第1の信号)を第1のタイミングでマイクロコントローラ5(具体的には、制御部51)に伝送し、制御信号SG2(第2の信号)を第2のタイミングでマイクロコントローラ5(具体的には、制御部51a)に伝送する。すなわち、制御部51aは、リード線10を介して、制御信号SG1を第1のタイミングで受信し、制御信号SG2を第2のタイミングで受信する。
よって、回転子1が回転している間、通信部512を動作させ記憶部52へのデータ書き込み処理を行うことは不可能になるため、回転子1が回転している間に発生するノイズの影響によるデータの誤書き込みを防止することができる。
また、リード線10aとモータ制御部511の間には、制御信号SG1のフィルタリングを行うフィルタ516a(第1のフィルタ)が接続され、リード線10bと通信部512の間には制御信号SG2のフィルタリングを行うフィルタ516b(第2のフィルタ)が接続されている。
なお、フィルタ516aの時定数はフィルタ516bの時定数よりも大きい。この理由は、フィルタ516aの時定数は回転子1が回転している間に発生するノイズを取り除くため、例えば10μsと大きく設定されているが、通信部512が動作している間は時定数が大きいと通信速度が低下してしまうため、フィルタ516bの時定数は例えば16nsと小さく設定されているためである。
さらに、閾値を低圧電源からパワートランジスタIC4に印加される電圧値よりも小さい例えば13.5Vにすることで、電動機100が搭載された装置(例えば、空気調和機)側の故障などにより低圧電源が高圧電源に回り込んだ場合に生じる記憶部52への誤書き込みを防止することができる。
なお、図10においてリード線10bを1本で示しているが、2本であっても良い。リード線10bが2本である場合、例えば、2本のうちの1本には、制御信号SG1として電動機100が搭載される装置から送信される回転速度指令信号が通信されるとともに、制御信号SG2として電動機100が搭載される装置から送信されるタイミング(クロック)信号が通信され、2本のうちのもう1本には、制御信号SG1として電動機100が搭載される装置へ送信される回転速度情報信号が通信されるとともに、制御信号SG2としてデータ信号が電動機100が搭載される装置と相互通信される。制御信号SG2はI2C(Inter−Integrated Circuit)通信である。
図11を用いて実施の形態1に係る電動機100の効果を説明する。
図11は、比較例に係る電動機100aの制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
比較例に係る電動機100aは、マイクロコントローラ5a(具体的には、制御部51b)が電圧監視部513及びマルチプレクサ514を有しておらず、かつ、制御信号SG1を伝送するリード線10が接続されるコネクタ30と、リード線10とは異なるリード線20を接続するコネクタ40を有する点で実施の形態1に係る電動機100と異なり、その他の点は互いに同じである。すなわち、比較例に係る電動機100aは、電動機の外に露出するコネクタ30及び40を有すると共に、記憶部52への書き込み処理用のリード線20を、制御信号SG1を伝送するリード線10とは別に有する。
記憶部52への書き込み処理は常時行われる動作ではない為、通常、リード線20はコネクタ40に接続されていない。例えば、比較例に係る電動機100aを、空気調和機の室外機におけるファンモータとして使用する場合、熱交換器の霜を除去する際に発生する結露などの付着により、リード線20が接続されていないコネクタ40の内部のコネクタピンにさびが生じ、記憶部52への誤書き込み、電動機100aの不具合が生じるおそれがある。
実施の形態1に係る電動機100では、制御プログラム又は制御パラメータなどのデータを書き込むための信号線として多重化が行えるリード線10を用いる。したがって、電動機100の制御(回転子1の回転制御)を行う際の制御信号SG1を伝送する信号線(リード線10)を、データの書き込み処理を行う際の制御信号SG2を伝送するリード線として使用することができるので、電動機100の制御及びデータの書き込み処理に用いる信号線の共用(駆動情報及び制御情報の共有)が可能な電動機100を提供することができる。
言い換えると、制御信号SG1を伝送する信号線とは異なる信号線(データ書き込み用信号線)の配線が不要になるので、リード線が常時接続されていないコネクタが不要になり、比較例に係る電動機100aと比較して、コネクタのさびなどによる電動機の不具合を防ぐことができると共に、電動機から引き出される信号線(リード線)の数が少ない電動機100を提供することができる。すなわち、電動機100の外部からデータ書き込みが可能な信号線の数を低減することができる。したがって、低コストで電動機100を提供することができる。
また、リード線が常時接続されたコネクタであっても固定子の外に露出したコネクタの場合、温度変化の影響を受けやすいためコネクタピンへ結露の付着を完全に防ぐことはできない。そこで本実施の形態1に係る電動機100では固定子の外に露出したコネクタを有していない為、コネクタのさびなどによるさらなる電動機の不具合を防ぐことができる。
さらに、実施の形態1に係る電動機100によれば、電動機100の外部から、制御プログラム及び制御パラメータなどの複数の種類のデータを、信号線(リード線10)を介して、記憶部52に書き込むことができる。したがって、データの種類に伴う信号線又はコネクタなどの部品の増加を抑えることができる。
実施の形態1に係る電動機100によれば、過電流リミット値及びホールICの磁極位置信号の位相ズレなどの制御パラメータを記憶部52に書き込むことができるので、電動機100の特性を補正可能な電動機100を提供することができる。結果として、モータ効率、騒音、最大出力などの電動機100の特性の個体差を低減することができる。
さらに、実施の形態1に係る電動機100によれば、モータ効率、進角などの制御パラメータを記憶部52に書き込むことができるので、電動機100が搭載される装置(例えば、空気調和機)に最適な電動機100を提供することができる。例えば、モータ効率の良い電動機100、騒音の少ない電動機100、又は最大出力が大きい電動機100を提供することができる。
実施の形態1に係る電動機100によれば、電圧監視部513が、パワートランジスタIC4に印加される電圧に基づいてマルチプレクサ514の出力を制御するので、回転子1が回転している間における記憶部52への書換えが防止される。したがって、電動機100の動作中(例えば、回転子1の回転中)において発生したノイズによって記憶部52への誤書き込みを防止することができる。
実施の形態1に係る電動機100によれば、マルチプレクサ514からの出力が切り替わる基準電圧(記憶部52への書き込み処理が可能な基準電圧)を低圧電源から電動機100に印加される電圧よりも小さくすることにより、記憶部52への誤書き込みを防止することができる。
実施の形態1に係る電動機100によれば、マルチプレクサ514において、通信部512に接続されるフィルタ516bの時定数は、モータ制御部511に接続されるフィルタ516aの時定数よりも小さいので、回転子1が回転する間におけるノイズ耐量を高めることができる。さらに、記憶部52への書き込み処理の通信速度(処理速度)を高めることができる。
電動機100の製造方法を以下に説明する。
図12は、電動機100の製造工程を示すフローチャートである。
ステップS1では、複数の電磁鋼板を積層し、固定子鉄心3aを作製する。
ステップS2では、固定子鉄心3aとインシュレータ3bとを一体成型する。
ステップS3では、一体成型した固定子鉄心3aとインシュレータ3bに巻線2を巻き付けることにより固定子3を作製する。具体的には、固定子鉄心3a及びインシュレータ3bによって形成された複数のティース部に巻線2を巻き付ける。
ステップS4では、パワートランジスタIC4、マイクロコントローラ5(記憶部52を含む)、複数のホールIC7、リード線10、及びコネクタ11などの電子部品を、制御装置(制御基板)としての基板8に固定する。さらに、これらの電子部品が固定された基板8を、固定子3に取り付ける。
ステップS5では、基板8及び固定子3の周囲にモールド樹脂12を充填し、基板8と固定子3とを固定する。
ステップS6では、永久磁石によって回転子マグネット1aを作製する。
ステップS7では、回転子マグネット1aと、回転子センサマグネット1cとを樹脂によって一体成型し、回転子1を作製する。
ステップS8では、軸受6a及び6bを回転軸1bに圧入する。
ステップS1からステップS8までの順序は、図12に示される順序に限られない。例えば、ステップS1からステップS5までの固定子3の組み立てステップと、ステップS6からステップS8までの回転子1の組み立てステップとは、互いに並行して行うことができる。ステップS6からステップS8までの回転子1の組み立てステップは、ステップS1からステップS5までの固定子3の組み立てステップよりも先に行われてもよい。
ステップS9では、ステップS1からステップS5までにおいて作製された固定子3(巻線2が巻かれた固定子3)の内側に、ステップS6からステップS8までにおいて作製された回転子1を回転可能に挿入する。さらに、回転子1が挿入された固定子3の内側に、ブラケット13を嵌め込むことによって電動機100の反出力側の開口部が塞がれ、電動機100が組み立てられる。
ステップS10では、電動機100の検査を行う。検査では、例えば、過電流リミット値及びホールICの磁極位置信号の位相ズレなどの測定を行う。
ステップS11では、制御プログラム又は制御パラメータなどの制御データを書き込むためのコンピュータ端末(データ送信機)を用いて、コネクタ11を介してリード線10に制御信号SG2を入力することにより、パワートランジスタIC4を制御するための制御データを記憶部52に書き込む。例えば、ステップS10で測定された過電流リミット値又は位相ズレなどの制御パラメータを、電動機100内の記憶部52に書き込む。さらに、電動機100が搭載される装置(例えば、空気調和機)に応じて、制御プログラム、又はモータ効率若しくは進角(磁極位置信号と、磁極位置を示す誘起電圧との位相差)などの制御パラメータを書き換えてもよい。
基板8へのホールIC7の取り付け精度などによって、ホールIC7からの出力(磁極位置信号の位相)が、理想的な位相ずれ(設計値)からさらにずれることがある。ステップS11では、設計値との位相差(ずれ量)を測定し、測定値を記憶部52に書き込む。
設計値との位相差(ずれ量)の補正の具体例を以下に説明する。
図13は、磁極位置(回転位置)を示す相信号SG6(誘起電圧)と磁極位置信号SG5(ホールIC7の出力)との関係の一例を示す図である。
図13に示される例では、磁極位置信号SG5と相信号SG6との間の理想的な位相ずれ(設計値)がθ1=30°であり、電動機100における磁極位置信号SG5と相信号SG6との間の位相ずれの測定値はθ2=35°である。したがって、設計値との位相差(ずれ量)θ3(=θ1−θ2)を補正する制御データとしての補正値θ4=+5°を、記憶部52に書き込む。
記憶部52に書き込まれた補正値θ4を用いて電動機100の制御(回転子1の回転制御)を行うことにより、位相ずれを補正することができる。具体的には、理想的な進角がθ5=20°である場合、記憶部52に書き込まれた補正値θ4を用いて、進角が25°(=θ5+θ4)となるように電動機100の制御(回転子1の回転制御)を行うことにより、磁極位置信号SG5の位相ずれを補正することができる。
以上に説明した製造工程により、電動機100を製造することができる。
実施の形態1に係る電動機100の製造方法によれば、制御プログラム又は制御パラメータなどのデータを書き込むための信号線としてリード線10を用いる。したがって、電動機100の制御(回転子1の回転制御)を行う際の制御信号SG1を伝送する信号線(リード線10)を、データの書き込み処理に使用することができるので、制御信号SG1を伝送する信号線とは異なる信号線(データ書き込み用信号線)の配線が不要になる。したがって、例えば、比較例に係る電動機100aと比較して、電動機100から引き出される信号線(リード線)の数が少ない電動機100を製造することができる。言い換えると、電動機100の制御及びデータの書き込み処理に用いる信号線の共用(駆動情報及び制御情報の共有)が可能な電動機100を製造することができる。したがって、低コストで電動機100を製造することができる。
実施の形態1に係る電動機100の製造方法によれば、過電流リミット値及びホールICの磁極位置信号の位相ズレなどの制御パラメータを記憶部52に書き込むことができるので、電動機100の特性を補正可能な電動機100を製造することができる。例えば、電動機100の組み立て後に、ホールIC7からの出力(磁極位置信号)の理想的な位相ずれ(設計値)との位相差(ずれ量)を測定し、測定値を記憶部52に書き込むことができるので、磁極位置信号の位相ずれを補正可能な電動機100の製造方法を提供することができる。
実施の形態1に係る電動機100の製造方法によれば、電動機100の組み立て後に、モータ効率、進角などの制御パラメータを記憶部52に書き込むことができるので、電動機100が搭載される装置(例えば、空気調和機)に最適な電動機100を製造することができる。例えば、モータ効率の良い電動機100、騒音の少ない電動機100、又は最大出力が大きい電動機100を製造することができる。
例えば、書き込み処理用の信号線を有していない電動機において、ステップS11よりも前のステップ(例えば、電子部品を基板8に取り付けた段階)で制御データを書き込む方法は、電動機を組み立てた後に制御データを書き換えることができない。したがって、書き込み処理用の信号線を有していない電動機は、その電動機が搭載される装置に対して必ずしも最適な特性を有するとは限らない。その装置に対して最適な電動機を搭載するためには、多様な制御パラメータが書き込まれた多くの電動機を用意する必要がある。結果として、在庫管理、及び生産設備などのコストが増加する。これに対して実施の形態1に係る電動機100の製造方法は、電動機を組み立てた後にデータを記憶部52に書き込むことができるので、電動機100が搭載される装置に最適な電動機100を製造することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る空気調和機200について説明する。
図14は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機200の構成を概略的に示す図である。
実施の形態2に係る空気調和機200は、室内機211と、冷媒配管212と、冷媒配管212によって室内機211と接続された室外機213とを備える。
室内機211は、電動機211aと、送風機211b(室内機用送風機)とを有する。室外機213は、電動機213aと、送風機(室外機用送風機)としてのファン213bと、熱交換器213cとを有する。
実施の形態2に係る空気調和機200において、室内機211及び室外機213の少なくとも一つは、実施の形態1で説明した電動機100(変形例を含む)を有する。具体的には、送風機の駆動源として、電動機211a及び213aの少なくとも一方に、実施の形態1で説明した電動機100(変形例を含む)が適用される。
空気調和機200は、例えば、室内機211から冷たい空気を送風する冷房運転、又は温かい空気を送風する暖房運転等の運転を行うことができる。室内機211において、電動機211aは、送風機211bを駆動するための駆動源である。送風機211bは、調整された空気を送風することができる。室外機213において、電動機213aは、ファン213bを駆動するための駆動源である。
実施の形態2に係る空気調和機200によれば、電動機211a及び213aの少なくとも一方に、実施の形態1で説明した電動機100(変形例を含む)が適用されるので、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を有する。
さらに、実施の形態2に係る空気調和機によれば、モータ効率、進角などの制御パラメータを電動機の記憶部に書き込むことができるので、空気調和機200において電動機の最適な制御を行うことができる。したがって、運転効率の良い空気調和機200、騒音の少ない空気調和機200、又は最大出力が大きい空気調和機200を提供することができる。
実施の形態1で説明した電動機100(変形例を含む)は、空気調和機200以外に、換気扇、家電機器、又は工作機など、駆動源を有する機器に搭載できる。
以上に説明した各実施の形態における特徴及び変形例における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。なお、第1の信号を第1の情報に読み替えてもよく、第2の信号を第2の情報に読み替えてもよい。
1 回転子、 2 巻線、 3 固定子、 4 パワートランジスタIC、 5 マイクロコントローラ、 6a,6b 軸受、 7 ホールIC、 8 基板、 9 巻線端子、 10,10a,10b リード線、 11 コネクタ、 12 モールド樹脂、 13 ブラケット、 20,40 コネクタ、 51,51a 制御部、 52 記憶部、 100,211a,213a 電動機、 200 空気調和機、 211 室内機、 212 冷媒配管、 213 室外機、 511 モータ制御部、 512 通信部、 513 電圧監視部、 514 マルチプレクサ、 515 過電流検出部、 516a,516b フィルタ。

Claims (14)

  1. 回転子と、巻線を有する固定子と、を備えた電動機であって、
    駆動電流を前記巻線に供給する駆動部と、
    記憶部と、
    第1の装置から入力された第1の信号に従って前記駆動部を制御し、第2の装置から入力された第2の信号に従って前記記憶部への書き込み処理を行う制御部と、
    前記第1の信号及び前記第2の信号を前記制御部に伝送する信号線と
    を備え、
    前記制御部は、前記駆動部に印加される電圧を検出する検出部を有し、
    前記検出部で検出された電圧が閾値以上の場合、前記制御部に前記第1の信号が入力され、
    前記検出部で検出された電圧が閾値未満の場合、前記記憶部に前記第2の信号が入力される
    電動機。
  2. 前記第1の信号は、前記回転子の回転速度を制御する情報である請求項1の電動機。
  3. 前記第2の信号は、前記回転子の制御に用いられる制御情報である請求項1又は2に記載の電動機。
  4. 前記閾値は、前記回転子が回転している間に前記固定子に印加されると推定される電圧値のバラツキ最小より小さい値である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機。
  5. 前記制御部は、前記信号線に入力された前記第1の信号及び前記第2の信号の出力先を選択する選択部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機。
  6. 前記制御部は、
    前記第1の信号に従って前記駆動部を制御するモータ制御部と、
    前記第2の信号を前記記憶部へ送る通信部と、
    前記信号線と前記モータ制御部との間に接続された第1のフィルタと、
    前記信号線と前記通信部との間に接続された第2のフィルタと
    を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機。
  7. 前記第1のフィルタの時定数は、前記第2のフィルタの時定数よりも大きい請求項6に記載の電動機。
  8. 前記駆動部、前記記憶部、及び前記制御部を覆うモールド樹脂をさらに有する請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機。
  9. 前記制御部が搭載された基板と、
    前記基板に搭載され、前記信号線が接続されるコネクタと
    をさらに有し、
    前記固定子及び前記基板は、前記モールド樹脂によって覆われており、
    前記コネクタは、前記モールド樹脂によって覆い隠されている
    請求項8に記載の電動機。
  10. 室内機と前記室内機に接続された室外機とを備え、
    前記室内機及び前記室外機の少なくとも一つは、請求項1から9のいずれか1項に記載の電動機を有する
    空気調和機。
  11. 電動機の固定子に電流を供給する駆動部から出力される前記電流を制御する制御装置であって、
    記憶部と、
    第1の装置から入力された第1の信号に従って前記駆動部を制御し、第2の装置から入力された第2の信号に従って前記記憶部への書き込み処理を行う制御部と、
    前記第1の信号及び前記第2の信号を前記制御部に伝送する信号線と
    を備え、
    前記制御部は、前記駆動部に印加される電圧を検出する検出部を有し、
    前記検出部で検出された電圧が閾値以上の場合、前記制御部に前記第1の信号が入力され、
    前記検出部で検出された電圧が閾値未満の場合、前記記憶部に前記第2の信号が入力される
    制御装置。
  12. 固定子と、前記固定子に回転可能に設けられた回転子と、前記固定子に電流を供給する駆動部と、前記回転子を制御する制御部及び記憶部を搭載する基板部と、前記制御部に送信される第1の信号と前記記憶部に送信される第2の信号が流れる信号線とを備えた電動機の製造方法であって、
    前記固定子を作製するステップと、
    前記回転子を作製するステップと、
    前記信号線を前記基板部に固定するステップと、
    前記基板部を前記固定子に取り付けるステップと、
    前記固定子の内側に前記回転子を挿入するステップと
    前記信号線に前記第2の信号を入力することにより、前記駆動部を制御するための制御データを前記記憶部に書き込むステップと
    を備える電動機の製造方法。
  13. 前記固定子への電流の供給の停止を決定する電流値である過電流リミット値の測定を行うステップをさらに備える請求項12に記載の電動機の製造方法。
  14. 前記回転子の回転位置を検出するホールICから出力される磁極位置信号の位相ズレの測定を行うステップをさらに備える請求項12に記載の電動機の製造方法。
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