JP6544944B2 - 吊り下げ対象物の位置計測方法及び計測システム - Google Patents

吊り下げ対象物の位置計測方法及び計測システム Download PDF

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Description

本発明は、作業船上のクレーンから吊り下げられる吊り下げ対象物の水中での位置を計測する、吊り下げ対象物の位置計測方法及び計測システムに関するものである。
クレーンから吊り下げられるグラブバケットや吊り荷等の吊り下げ対象物の、水中での位置を計測する必要がある場合、例えば、グラブバケットを用いて浚渫作業を行う場合に、グラブ浚渫船による浚渫記録は、水中のグラブバケットの位置を演算により求め、水底でグラブバケットを閉じた位置の掘り跡を記録している。この際、水中のグラブバケットの位置は、船体に取り付けたGPSや方位計による計測位置、クレーン旋回角やブーム角度、ワイヤ繰り出し量等から求めている。しかしながら、この方法は、クレーンの旋回や水流の影響を考慮していないため、クレーンの旋回速度が速い場合や、水流が速い海域における浚渫作業では、水中のグラブバケットの位置が正確に算出できないといった問題が生じている。従って、このような問題を解決するために、水中トランスポンダ等の超音波を用いた水中位置計測装置を使用して、水中のグラブバケットの位置を計測する方法が発案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−90101号公報
しかしながら、上述した水中トランスポンダを使用する方法では、グラブバケットを水中に投入した直後は、バケット投入の際に発生する気泡の影響で、グラブバケット近傍に取り付けた水中トランスポンダにより正しく計測が行えず、気泡の影響が消えて計測可能となるまで、数分の時間を要するという課題を抱えている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吊り下げ対象物の水中での位置を、より正確に安定して計測することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)作業船上のクレーンのブームを介して複数のワイヤにより吊り下げられると共に上下位置が制御される吊り下げ対象物の水中での位置を計測する方法であって、前記クレーンの、前記ブームの旋回動作にのみ追従する箇所に、位置計測手段を設置し、該位置計測手段により、前記複数のワイヤの各々の、前記吊り下げ対象物との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測し、該位置計測結果に基づいて、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項1)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、作業船上のクレーンの、ブームの旋回動作にのみ追従する(ブームの起伏動作には追従しない)箇所に、複数のワイヤの水平方向の位置を計測可能な位置計測手段を設置する。具体的には、ブームの根元近傍やクレーンの操縦室の前方等に、位置計測手段を設置する。そして、設置した位置計測手段により、複数のワイヤの各々の、吊り下げ対象物との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測する。この際、ブームの先端から水中へ上下方向に延びている複数のワイヤの、所定高さ(例えば、位置計測手段の設置高さと同じ高さ)の部位の水平位置を計測する。そして、複数のワイヤの各々の、水平方向の位置から、吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する。
すなわち、所定高さにおけるワイヤの水平方向の位置が判明することで、例えば、ブーム先端からワイヤの位置が判明している部位までの長さや、ワイヤが鉛直に吊り下がっている状態からの、所定高さにおけるワイヤの水平方向の変位量等が算出される。このため、これらの値から、ワイヤの先端に接続されている吊り下げ対象物の水平方向の位置が求まるものである。又、吊り下げ対象物の回転角度を求める際には、例えば、吊り下げ対象物の回転状態に関わらず、複数のワイヤ同士の位置関係が不変であって、常に複数のワイヤが平面視で所定形状(一例として、直線状)の配置となると仮定する。この場合、複数のワイヤの各々の、所定高さにおける水平方向の位置が判明していることで、吊り下げ対象物が回転していない状態の複数のワイヤが成す所定形状と、計測時の複数のワイヤが成す所定形状との間の、水平方向の角度差が求められる。そして、この角度差は、計測時の吊り下げ対象物の回転角度と略等しいと考えられるため、吊り下げ対象物の回転角度が求まる。
このように、本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、水中に投入される吊り下げ対象物の位置を直接的に計測するのではなく、吊り下げ対象物を吊持している複数のワイヤの位置から、吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する。このため、水中の気泡や水流の影響を直接的に受けることなく、安定して計測するものである。更に、複数のワイヤの位置を計測する位置計測手段を、クレーンの、ブームの旋回動作にのみ追従する箇所に設置していることから、ブームの起伏動作により位置計測手段の設置高さが変化することはなく、又、常に位置計測手段の前方に複数のワイヤが位置する態様となるため、より安定して計測するものとなる。又、吊り下げ対象物を吊持している複数のワイヤは、吊り下げ対象物の水中への投入位置や回転に追従して位置が変化するため、複数のワイヤの位置から、吊り下げ対象物の水平位置や回転角度を正確に算出するものとなる。
(2)上記(1)項において、前記位置計測手段としてレーザ距離計を使用し、該レーザ距離計により前記複数のワイヤまでの距離及び角度を計測して、該計測結果から前記複数のワイヤの水平方向の位置を算出する吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項2)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、位置計測手段としてレーザ距離計を使用する。このレーザ距離計は、例えば、水平方向に扇状の範囲にレーザ光を射出し、計測対象物に反射して戻ってきた反射レーザ光を受けることで、計測対象物までの距離及び角度を計測するものである。従って、設置の際に把握できるレーザ距離計の設置位置の情報と、レーザ距離計による複数のワイヤまでの距離及び角度の計測結果とから、複数のワイヤの位置が判明する。このため、複数のワイヤの位置を、より正確に計測するものとなる。
(3)上記(1)(2)項において、前記複数のワイヤとして、前記吊り下げ対象物を支持する少なくとも2本の支持ワイヤを含む2本以上のワイヤを対象とし、前記複数のワイヤの位置計測結果から、平面視で前記少なくとも2本の支持ワイヤ間の中心位置をワイヤ中心位置として算出し、該ワイヤ中心位置を利用して、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項3)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、水平方向の位置を計測する複数のワイヤとして、吊り下げ対象物を支持する少なくとも2本の支持ワイヤを含む2本以上のワイヤを対象とする。そして、これら複数のワイヤの位置計測結果から、平面視で少なくとも2本の支持ワイヤ間の中心位置を求め、この中心位置を、複数のワイヤの中心位置であるワイヤ中心位置に設定する。そして、算出したワイヤ中心位置を利用して、吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出するものである。
すなわち、吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出する場合は、例えば、算出したワイヤ中心位置を、複数のワイヤの位置を加味した代表位置として利用して、ブーム先端からワイヤ中心位置までの長さや、ワイヤが鉛直に吊り下がっている状態のワイヤ中心位置からの、算出したワイヤ中心位置の水平方向の変位量等を算出する。又、吊り下げ対象物の回転角度を算出する場合は、例えば、吊り下げ対象物が回転していない状態で複数のワイヤが成す所定形状を、算出したワイヤ中心位置を通る位置まで水平方向にシフト移動した、仮想形状を設定する。すると、設定した仮想形状と、計測時の複数のワイヤが成す所定形状とが、ワイヤ中心位置で交わる態様となるため、この状態で、2つの形状間の水平方向の角度差を算出する。このようにして、吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を、効率よく算出するものである。
(4)上記(3)項において、前記ブームに設置した傾斜角計測手段により前記ブームの傾斜角度を計測し、該傾斜角度の計測結果から前記ブーム先端に具備され前記複数のワイヤが掛け回されるシーブの位置を算出し、前記複数のワイヤのうち、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラムに設置した繰り出し量計測手段により、前記少なくとも1本のワイヤの繰り出し量を計測し、該繰り出し量の計測結果から、前記シーブから前記吊り下げ対象物までのワイヤ長さを算出し、前記ワイヤ中心位置と、前記シーブの位置と、前記ワイヤ長さとを利用して、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出する吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項4)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、クレーンのブームに傾斜角計測手段を設置し、この傾斜角計測手段により、作業に応じて傾斜するブームの傾斜角度を計測する。そして、計測したブームの傾斜角度と、予め取得されるブームの長さ等とから、ブーム先端に具備され、複数のワイヤが掛け回されるシーブの位置を算出する。又、複数のワイヤのうち、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラムに、繰り出し量計測手段を設置し、この繰り出し量計測手段により、少なくとも1本のワイヤの繰り出し量を計測する。そして、計測したワイヤの繰り出し量と、予め取得されるワイヤドラムからシーブまでのワイヤの長さ等とから、シーブから吊り下げ対象物までのワイヤ長さを算出する。更に、算出したワイヤ中心位置、シーブの位置、ワイヤ長さを利用して、吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出する。
より具体的には、例えば、算出したシーブの位置から、ワイヤがシーブから鉛直に吊り下がっている状態のワイヤ中心位置を算出し、このワイヤ鉛直状態のワイヤ中心位置と、複数のワイヤの計測位置から算出したワイヤ中心位置とから、ワイヤが鉛直に吊り下がっている状態からの、計測時のワイヤの水平方向の移動量を算出する。更に、ワイヤの水平方向の移動量と、シーブから吊り下げ対象物までのワイヤ長さとから、吊り下げ対象物がシーブから鉛直に吊り下がっている状態からの、吊り下げ対象物の水平方向の移動量を求める。そして、シーブから鉛直に吊り下がっている状態の吊り下げ対象物の位置と、計測時の吊り下げ対象物の水平方向の移動量とから、吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出するものである。従って、傾斜角計測手段と繰り出し量計測手段とを利用して、より正確に吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出するものとなる。
(5)上記(3)(4)項において、前記複数のワイヤの位置計測結果から、平面視で前記少なくとも2本の支持ワイヤの位置を通る直線を算出し、平面視で前記クレーンの正面方向と直交すると共に前記ワイヤ中心位置を通る回転基準線を算出し、前記直線と前記回転基準線とを利用して、前記吊り下げ対象物の回転角度を算出する吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項5)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、複数のワイヤの位置計測結果から、複数のワイヤが成す所定形状として、平面視で少なくとも2本の支持ワイヤの位置を通る直線を算出する。又、吊り下げ対象物が回転していない状態で複数のワイヤが成す所定形状を、水平方向にシフト移動した仮想形状として、平面視でクレーンの正面方向と直交すると共に、複数のワイヤの計測位置から算出したワイヤ中心位置を通る、回転基準線を算出する。そして、算出したワイヤ中心位置において交わる、支持ワイヤの位置を通る直線と、回転基準線とが成す角度を算出し、この角度を、吊り下げ対象物の回転角度とするものである。このように、吊り下げ対象物を支持している少なくとも2本の支持ワイヤが成す直線形状を利用して、吊り下げ対象物の回転角度を効率よく算出するものである。
(6)上記(1)から(5)項において、前記吊り下げ対象物として、支持ワイヤと開閉ワイヤとを含む前記複数のワイヤにより上下位置及び開閉動作が制御される、浚渫作業用のグラブバケットを用いる吊り下げ対象物の位置計測方法(請求項6)。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、複数のワイヤにより吊り下げる吊り下げ対象物として、浚渫作業用のグラブバケットを用いるものである。このグラブバケットは、船上のクレーンのブームから吊り下げられる、支持ワイヤと開閉ワイヤとを含む複数のワイヤにより、上下位置及び開閉動作が制御される。このようなグラブバケットの水中への投入位置を、グラブバケットを吊持している複数のワイヤの水平方向の位置から計測することで、水流等の影響を受けることなく安定して計測を行い、浚渫位置の記録等をより正確に行うものである。
(7)上記(2)から(6)項において、前記レーザ距離計を、正面視で前記ブームの中心線上に設置する吊り下げ対象物の位置計測方法。
本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、位置計測手段として用いるレーザ距離計を、正面視でブームの中心線上に設置することで、計算の効率化を図るものである。すなわち、本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法と異なり、レーザ距離計を正面視でブームの中心線上に設置しない場合は、レーザ距離計の設置位置に応じたオフセット量を考慮して、演算を行う必要がある。しかしながら、本項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法は、レーザ距離計を、正面視でブームの中心線上の、例えば、ブームの根元近傍に、計測範囲の水平方向中心をブームの中心線に合わせて設置する。これにより、ブームの略中心線上に位置するシーブから吊り下げられるワイヤの位置計測を、ブームの中心線上から行うこととなるため、オフセット量に係る演算が省略され、計算の効率化が図られる。従って、吊り下げ対象物の位置の計算を、より正確に実行するものとなる。
(8)作業船上のクレーンのブームを介して複数のワイヤにより吊り下げられると共に上下位置が制御される吊り下げ対象物の水中での位置を計測するシステムであって、前記クレーンの、前記ブームの旋回動作にのみ追従する箇所に設置され、前記複数のワイヤの各々の、前記吊り下げ対象物との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測するための位置計測手段と、該位置計測手段による計測結果に基づいて、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する制御手段と、を含む吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項7)。
(9)上記(8)項において、前記位置計測手段が、前記複数のワイヤまでの距離及び角度を計測するレーザ距離計である吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項8)。
(10)上記(8)(9)項において、前記複数のワイヤとして、前記吊り下げ対象物を支持する少なくとも2本の支持ワイヤを含む2本以上のワイヤが対象とされ、前記制御手段は、前記位置計測手段の計測結果から、平面視で前記少なくとも2本の支持ワイヤ間の中心位置をワイヤ中心位置として算出し、該ワイヤ中心位置を利用して、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出するものである吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項9)。
(11)上記(10)項において、前記ブームに設置され、該ブームの傾斜角度を計測するための傾斜角計測手段と、前記複数のワイヤのうち、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラムに設置され、前記少なくとも1本のワイヤの繰り出し量を計測する繰り出し量計測手段と、を含み、前記制御手段は、前記傾斜角計測手段の計測結果から、前記ブーム先端に具備され前記複数のワイヤが掛け回されるシーブの位置を算出し、前記繰り出し量計測手段の計測結果から、前記シーブから前記吊り下げ対象物までのワイヤ長さを算出し、前記ワイヤ中心位置と、前記シーブの位置と、前記ワイヤ長さとを利用して、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置を算出するものである吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項10)。
(12)上記(10)(11)項において、前記制御手段は、前記位置計測手段の計測結果から、平面視で前記少なくとも2本の支持ワイヤの位置を通る直線を算出し、平面視で前記クレーンの正面方向と直交すると共に前記ワイヤ中心位置を通る回転基準線を算出し、前記直線と前記回転基準線とを利用して、前記吊り下げ対象物の回転角度を算出するものである吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項11)。
(13)上記(8)から(12)項において、前記吊り下げ対象物が、支持ワイヤと開閉ワイヤとを含む前記複数のワイヤにより上下位置及び開閉動作が制御される、浚渫作業用のグラブバケットである吊り下げ対象物の位置計測システム(請求項12)。
(14)上記(8)から(13)項において、前記レーザ距離計が、正面視で前記ブームの中心線上に設置されている吊り下げ対象物の位置計測システム。
そして、(8)〜(14)項の吊り下げ対象物の位置計測システムは、各々、上記(1)〜(7)項に記載の吊り下げ対象物の位置計測方法に利用されることで、上記(1)〜(7)項の吊り下げ対象物の位置計測方法に対応する同等の作用を奏するものである。
本発明は上記のような構成であるため、吊り下げ対象物の水中での位置を、より正確に安定して計測することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システムの構成の一例を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システムを搭載する作業船のイメージ図である。 本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システムを用いて計測を行う様子を示すイメージ図である。 本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法の一例を示すフロー図である。 図4の吊り下げ対象物の位置計測方法において、位置計測手段によりワイヤの位置を計測する様子を示すイメージ図である。 図4の吊り下げ対象物の位置計測方法において、吊り下げ対象物の回転角度を算出する方法を説明するためのイメージ図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づき説明する。なお、図面の全体にわたって、同一部分は同一符号で示している。
図1〜図3は、夫々、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システム10の構成と、吊り下げ対象物の位置計測システム10を搭載した作業船24と、作業船24のクレーン26近傍とを示している。まず、図2を参照して、吊り下げ対象物の位置計測システム10を搭載する作業船24の構成について、簡単に説明する。
図2の例において、作業船24は、浚渫作業を行うためのクレーン26を搭載した浚渫船であり、吊り下げ対象物34として、浚渫用のグラブバケットを吊り下げている。クレーン26は、グラブバケット(吊り下げ対象物)34に接続された複数のワイヤ32を介して、グラブバケット34の上下移動及び開閉動作の制御を行う。複数のワイヤ32の各々は、ワイヤドラム38(図3参照)から繰り出され、ブーム30と、ブーム30の先端に具備されるシーブ36とを介して、グラブバケット34を吊持している。又、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システム10では、複数のワイヤ32が、図5で確認できるように、2本の支持ワイヤ32aと、2本の開閉ワイヤ32bとで構成されている。2本の支持ワイヤ32aは、主にグラブバケット34を支持するためのものであり、2本の開閉ワイヤ32bは、グラブバケット34の開閉制御を担うものである。又、これら4本のワイヤ32は、2本の支持ワイヤ32aの間に、2本の開閉ワイヤ32bが位置する態様で、平面視で略直線状に並んだ配置となっている。
次に、吊り下げ対象物の位置計測システム10の構成を説明する。図1に示すように、吊り下げ対象物の位置計測システム10は、位置計測手段12、傾斜角計測手段14、繰り出し量計測手段16、旋回角計測手段18、制御手段20を含んでいる。
位置計測手段12は、図3に示すように、ブーム30の旋回動作に追従し、ブーム30の起伏動作に追従しない箇所、図示の例では、ブーム30の根元近傍に設置されている。本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システム10では、位置計測手段12として、正面視(図3の右から見る方向)でブーム30の中心線上に、レーザ距離計が設置されている。このレーザ距離計12は、詳しくは後述するが、ブーム30のシーブ36から吊り下がっている複数のワイヤ32の、レーザ距離計12からの距離及び角度を計測するものである。なお、位置計測手段12の設置位置は、ブーム30の旋回動作に追従し、ブーム30の起伏動作に追従しない位置であればよく、例えば、クレーン26の操縦室28の前方に設置されていてもよい。
傾斜角計測手段14は、ブーム30に設置され、起伏動作によって傾斜するブーム30の傾斜角度αを計測するものである。傾斜角計測手段14には、種々の角度計測器が用いられる。
又、繰り出し量計測手段16は、複数のワイヤ32のうちの、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラム38に設置され、設置されたワイヤドラム38から繰り出されるワイヤの繰り出し量を計測するものである。繰り出し量計測手段16には、ワイヤの繰り出し量を計測可能な任意の計測機器を用いることができる。
旋回角計測手段18は、図3での図示は省略しているが、旋回動作を行うクレーン26のブーム30の旋回角度を計測するものであり、ブーム30の旋回角度を計測可能な適切な位置に設置される。この旋回角計測手段18として、種々の角度計測器が用いられる。
又、制御手段20は、上述した位置計測手段12、傾斜角計測手段14、繰り出し量計測手段16、旋回角計測手段18の各々に接続されており、各計測手段を制御すると共に、各計測手段から計測結果を取得する。そして、詳しくは後述するが、取得した計測結果に基づいて、吊り下げ対象物34の水中での位置を求めるための、様々な演算を行うものである。制御手段20は、操縦室28等の適切な位置に設置され、種々のコンピュータで構成することができる。
続いて、上述した吊り下げ対象物の位置計測システム10を用いて実行する、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法について、図4に示すフロー図に沿って説明する。本説明は、説明の便宜上、特に断り書きの無い限り、ブーム30がクレーン26の正面方向を向いた状態(すなわち、旋回角度がゼロ)、かつ、クレーン26の吊り下げ対象物34が前方向(図3の右方向)のみに移動している状態のときに、吊り下げ対象物34の位置を計測する場合を例にして説明する。なお、本例では、作業船24を図2に示したような浚渫船、吊り下げ対象物34を図2や図3に示したようなグラブバケットとして説明しており、吊り下げ対象物の位置計測システム10や浚渫船24の構成については、適宜、図1〜図3を参照されたい。
S10(各構成要素設置):吊り下げ対象物の位置計測システム10の各構成要素を、浚渫船24の、上述したような適切な位置に設置する。特に、位置計測手段12は、レーザ距離計を用いることとし、このレーザ距離計12を、正面視でブーム30の中心線上の、ブーム30の根元近傍に設置する。
S20(クレーン情報登録):クレーン26の諸元等に関する各情報を、制御手段20に設定する。例えば、ブーム30の長さ、ワイヤドラム38からシーブ36までのワイヤの長さ等を設定する。更に、これらの情報に加えて、レーザ距離計12の設置位置の情報を設定する。
S30(位置計測手段による計測):位置計測手段12により、グラブバケット34の投入位置の計測を所望するタイミングで、複数のワイヤ32の水平方向の位置を計測する。すなわち、本例では、位置計測手段として設置したレーザ距離計12により、4本のワイヤ32の各々の、レーザ距離計12からの距離及び角度を計測する。この際、レーザ距離計12は、図5に示すように、レーザ距離計12の前方に位置する4本のワイヤ32に向かって、水平方向に扇状に複数のレーザ光12aを射出する。そして、4本のワイヤ32に反射して戻る反射光から、2本の支持ワイヤ32a及び2本の開閉ワイヤ32bの夫々までの、距離及び角度を読み取ることで、計測を行う。
S40(ワイヤ位置抽出):制御手段20により、レーザ距離計12から計測値を取得し、4本のワイヤ32の水平方向の位置を算出する。具体的には、レーザ距離計12から取得する、レーザ距離計12から4本のワイヤ32の各々までの距離及び角度と、レーザ距離計12の設置位置の情報とに基づき、例えば、浚渫船24に対する相対座標として、4本のワイヤ32の水平方向の位置を算出する。この際、ブーム30が旋回した状態である場合は、旋回角計測手段18からブーム30の旋回角度を取得し、この旋回角度を加味して、4本のワイヤ32の水平方向の位置を算出する。
ここで、4本のワイヤ32の位置関係、レーザ距離計12の分解能、ワイヤの太さや揺れ等の影響により、上記S30における計測結果が、4本のワイヤ32に対応する4つの物体よりも少ない物体を示す場合、及び、4本のワイヤ32に対応する4つの物体よりも多くの物体を示す場合について言及する。まず、4つの物体よりも少ない物体を示す場合、例えば、3つの物体を示す計測結果が得られた場合は、予め取得できる通常時(シーブ36から鉛直に吊り下がっている状態のとき等)の4本のワイヤ32の位置関係と、3つの物体を示す計測結果とを比較する。そして、4本のワイヤ32のうち、計測できなかったワイヤを抽出すると共に、計測できなかったワイヤの位置を、4本のワイヤ32の位置関係と、3つの物体を示す計測結果とから算出すればよい。一方、4つの物体よりも多くの物体を示す場合、例えば、5つの物体を示す計測結果が得られた場合は、4本中1本のワイヤを2つの物体として計測したことが考えられる。このため、5つの物体を示す計測結果のうち、位置が最も近い2つの物体を示す計測結果が統一されるように、フィルタ処理等を行い、4本のワイヤ32の位置を抽出すればよい。
S50(ワイヤ中心位置算出):制御手段20により、4本のワイヤ32の水平方向の位置から、4本のワイヤ32の中心位置としてのワイヤ中心位置を算出する。この際、本例では、平面視で略直線状に並ぶ4本のワイヤ32のうち、外側に位置する2本の支持ワイヤ32a間の中心位置を、ワイヤ中心位置c(図6参照)として算出する。
S60(ブーム傾斜角度計測):図3に示すように、ブーム30に設置した傾斜角計測手段14により、ブーム30の傾斜角度αを計測する。
S70(シーブ位置算出):制御手段20により、上記S60での計測結果から、シーブ36の位置を算出する。すなわち、ブーム30の傾斜角度α、予め設定されるブーム30の長さ等から、例えば、浚渫船24に対する相対座標として、シーブ36の位置を算出する。
S80(ワイヤ繰り出し量計測):図3に示すように、4本のワイヤ32のうち、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラム38に設置した繰り出し量計測手段16により、ワイヤドラム38から繰り出されているワイヤの繰り出し量を計測する。
S90(ワイヤ長さ算出):制御手段20により、上記S80での計測結果から、シーブ36からグラブバケット34までのワイヤ長さを算出する。すなわち、ワイヤの繰り出し量、予め設定されるワイヤドラム38からシーブ36までのワイヤの長さ等から、シーブ36からグラブバケット34までのワイヤ長さd1を算出する。
S100(吊り下げ対象物の位置算出):制御手段20により、上記の算出結果から、グラブバケット(吊り下げ対象物)34の水平方向の位置を算出する。具体的には、図3で確認できるように、まず、上記S70で算出したシーブ36の位置から、ブーム30が傾斜角度αで傾斜した状態で、シーブ36から4本のワイヤ32が鉛直に吊り下がっていると仮定したとき(図3に二点鎖線で示す)の、レーザ距離計12から4本のワイヤ32までの距離d2を算出する。この際、4本のワイヤ32全てまでの距離を算出する必要はなく、例えば、4本のワイヤ32の平面視での中心位置c’に相当する位置までの距離を、ブーム30の長さ×cosα等で算出すればよい。
次に、上記S50で算出したワイヤ中心位置cの位置に基づき、レーザ距離計12からワイヤ中心位置cまでの距離を算出する。ここで、本実施例では、グラブバケット34が前方向(図3中右方向)のみに移動していることから、レーザ距離計12からワイヤ中心位置cまでの距離が、図3に示す距離d2+d3に相当することとなる。
続いて、レーザ距離計12から、鉛直に吊り下がっていると仮定したときのワイヤ中心位置c’までの距離d2と、レーザ距離計12からワイヤ中心位置cまでの距離d2+d3とに基づき、距離d3を算出する。すなわち、鉛直に吊り下がっていると仮定したときのワイヤ中心位置c’から、計測時の4本のワイヤ32のワイヤ中心位置cまでの、ワイヤの前方向への移動量d3を算出する。
次に、ワイヤ32の前方向への移動量d3、シーブ36からグラブバケット34までのワイヤ長さd1等に基づき、グラブバケット34の前方向への移動量d4を算出する。この際、例えば、複数のワイヤ32が、シーブ36からグラブバケット34まで、略直線状に延びていると考えられる場合は、シーブ36の位置と計測時のワイヤ中心位置cとを通る直線上に、グラブバケット34があると考えられる。このため、そのような直線の式等から、グラブバケット34の移動量d4を算出する。一方、例えば、複数のワイヤ32が、シーブ36からグラブバケット34まで、弛みながら曲がって延びていると考えられる場合は、懸垂曲線の理論式等を用いて、グラブバケット34の移動量d4を算出してもよい。そして、グラブバケット34の前方向への移動量d4から、計測時のグラブバケット34の水平方向の位置を算出する。
S110(支持ワイヤ直線算出):制御手段20により、4本のワイヤ32のうち、外側に位置する2本の支持ワイヤ32aを通る直線を算出する。すなわち、上記S40で得られた2本の支持ワイヤ32aの水平方向の位置から、図6に示すように、平面視で2本の支持ワイヤ32aを通る直線L1を算出する。
S120:(回転基準線算出):制御手段20により、上記S110で算出した2本の支持ワイヤ32aを通る直線の傾きを算出するための、比較対象となる回転基準線を算出する。具体的には、図6に示すように、平面視でクレーン26の正面方向(図中上方向)と直交し、かつ、上記S50で算出したワイヤ中心位置cを通る直線L2を、回転基準線として算出する。なお、クレーン26が旋回した状態である場合は、平面視で旋回したクレーン26の正面方向と直交すると共に、ワイヤ中心位置cを通る直線L2を、回転基準線として算出する。
S130(吊り下げ対象物の回転角度算出):制御手段20により、上記の算出結果から、グラブバケット(吊り下げ対象物)34の回転角度を算出する。すなわち、図6に示すように、上記S110で算出した直線L1と、上記S120で算出した回転基準線L2とは、ワイヤ中心位置cで交わる態様となるため、この状態で2本の直線L1、L2が成す角度βを算出する。ここで、グラブバケット34は、4本のワイヤ32に吊持されているため、クレーン26に対する4本のワイヤ32の水平方向の傾き角度βは、クレーン26に対するグラブバケット34の回転角度と略等しいと考えられる。このため、算出した角度βを、グラブバケット34の回転角度βとして採用する。
上記の実施例では、ブーム30が旋回していない状態、かつ、グラブバケット34が前方向のみに移動している状態のときに、グラブバケット34の投入位置を計測する場合について説明したが、ここで、上記実施例と異なる条件において計測を行う場合について言及する。まず、ブーム30が旋回している状態で計測を行う場合は、ワイヤ等の位置や角度を算出する際に、旋回角計測手段18からブーム30の旋回角度を取得し、この旋回角度を加味して、各計算を行えばよい。又、グラブバケット34が横方向(図3の紙面と直交する方向)に移動している状態で計測を行う場合は、クレーン26からワイヤを見たときの、ワイヤの横方向への移動量を算出し、この算出したワイヤの移動量から、グラブバケット34の横方向の移動量を算出すればよい。更に、グラブバケット34が斜め方向に移動している状態で計測を行う場合は、グラブバケット34が前後方向に移動している場合と、グラブバケット34が横方向に移動している場合との、算出方法を組み合わせて計算を行えばよい。又、上記の実施例では、位置計測手段(レーザ距離計)12をブーム30の中心線上に設置して計測を行っているが、位置計測手段12をブーム30の中心線上ではない、例えば操縦室28の前方等に設置した場合は、設置位置に応じた距離や角度のオフセット量を加味して、各計算を行えばよい。
更に、上記の実施例では、2本の支持ワイヤ32aと2本の開閉ワイヤ32bとに接続された、グラブバケット34の投入位置を計測しているが、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、これに限定されるものではない。例えば、計測対象である吊り下げ対象物34が、2本の支持ワイヤにより吊り下げられた、吊り具等の作業用具や、吊り荷自体であってもよい。この場合には、上記S30及びS40において、2本の支持ワイヤの位置を計測及び抽出し、上記S50において、2本の支持ワイヤ間の中心位置をワイヤ中心位置として算出する。そして、算出したワイヤ中心位置を利用して、上記S100において、吊り荷等の水平方向の位置を算出する。更に、上記S110において、2本の支持ワイヤを通る直線を算出し、上記S110において、吊り荷等の回転角度を算出すればよい。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、図1〜図3に示すような構成の吊り下げ対象物の位置計測システム10を用いて、図4に示すようなフロー図の流れで実行するものである。まず、図2及び図3で確認できるように、作業船24上のクレーン26の、ブーム30の旋回動作にのみ追従する(ブーム30の起伏動作には追従しない)箇所に、複数のワイヤ32の水平方向の位置を計測可能な位置計測手段12を設置する(図4のS10)。具体的には、ブーム30の根元近傍やクレーン26の操縦室28の前方等に、位置計測手段12を設置する。そして、設置した位置計測手段12により、複数のワイヤ32の各々の、吊り下げ対象物34との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測する(図4のS30)。この際、ブーム30の先端から水中へ上下方向に延びている複数のワイヤ32の、所定高さ(例えば、位置計測手段12の設置高さと同じ高さ)の部位の水平位置を計測する。そして、複数のワイヤ32の各々の、水平方向の位置から、吊り下げ対象物34の水平方向の位置及び回転角度を算出する。
すなわち、所定高さにおけるワイヤ32の水平方向の位置が判明することで、例えば、ブーム30先端からワイヤ32の位置が判明している部位までの長さや、ワイヤ32が鉛直に吊り下がっている状態(図3の二点鎖線)からの、所定高さにおけるワイヤ32の水平方向の変位量d3等が算出される。このため、これらの値から、ワイヤ32の先端に接続されている吊り下げ対象物34の水平方向の位置を求めることができる(図3のS100)。又、吊り下げ対象物34の回転角度を求める際には、例えば、吊り下げ対象物34の回転状態に関わらず、複数のワイヤ32同士の位置関係が不変であって、常に複数のワイヤ32が平面視で所定形状(図6の例では直線状)の配置となると仮定する。この場合、複数のワイヤ32の各々の、所定高さにおける水平方向の位置が判明していることで、吊り下げ対象物34が回転していない状態の複数のワイヤ34が成す所定形状と、計測時の複数のワイヤ34が成す所定形状との間の、水平方向の角度差βが求められる。そして、この角度差βは、計測時の吊り下げ対象物34の回転角度と略等しいと考えられるため、吊り下げ対象物34の回転角度として求めることができる(図3のS130)。
このように、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、水中に投入される吊り下げ対象物34の位置を直接的に計測するのではなく、吊り下げ対象物34を吊持している複数のワイヤ32の位置から、吊り下げ対象物34の水平方向の位置及び回転角度を算出する。このため、水中の気泡や水流の影響を直接的に受けることなく、安定して計測することができる。更に、複数のワイヤ32の位置を計測する位置計測手段12を、クレーン26の、ブーム30の旋回動作にのみ追従する箇所に設置していることから、ブーム30の起伏動作により位置計測手段12の設置高さが変化することはなく、又、常に位置計測手段12の前方に複数のワイヤ32が位置する態様となるため、より安定して計測することが可能となる。又、吊り下げ対象物34を吊持している複数のワイヤ32は、吊り下げ対象物34の水中への投入位置や回転に追従して位置が変化するため、複数のワイヤ32の位置から、吊り下げ対象物34の水平位置や回転角度を正確に算出することができる。
又、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、位置計測手段12として、図5に示すようなレーザ距離計12を使用する。このレーザ距離計12は、例えば、水平方向に扇状の範囲にレーザ光12aを射出し、計測対象物(複数のワイヤ32)に反射して戻ってきた反射レーザ光を受けることで、計測対象物までの距離及び角度を計測するものである。従って、設置の際に把握できるレーザ距離計12の設置位置の情報と、レーザ距離計12による複数のワイヤ32までの距離及び角度の計測結果とから、複数のワイヤ32の位置が判明する。このため、複数のワイヤ32の位置を、より正確に計測することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、水平方向の位置を計測する複数のワイヤ32として、吊り下げ対象物34を支持する図5に示すような2本の支持ワイヤ32aを含む2本以上のワイヤ、図示の例では4本のワイヤ32を対象とする。そして、これら4本のワイヤ32の位置計測結果から、図6に示すように、平面視で2本の支持ワイヤ32a間の中心位置cを求め、この中心位置cを、複数のワイヤ32の中心位置であるワイヤ中心位置cに設定する(図4のS50)。そして、算出したワイヤ中心位置cを利用して、吊り下げ対象物34の水平方向の位置及び回転角度を算出するものである。
すなわち、吊り下げ対象物34の水平方向の位置を算出する場合は、例えば、算出したワイヤ中心位置cを、複数のワイヤ32の位置を加味した代表位置として利用して、ブーム30先端からワイヤ中心位置cまでの長さや、ワイヤ32が鉛直に吊り下がっている状態のワイヤ中心位置c’からの、算出したワイヤ中心位置cの水平方向の変位量d3(図3参照)等を算出する。又、吊り下げ対象物34の回転角度を算出する場合は、図6に示すように、吊り下げ対象物34が回転していない状態で複数のワイヤ32が成す所定形状を、算出したワイヤ中心位置cを通る位置まで水平方向にシフト移動した、仮想形状を設定する。すると、設定した仮想形状と、計測時の複数のワイヤ32が成す所定形状とが、ワイヤ中心位置cで交わる態様となるため、この状態で、2つの形状間の水平方向の角度差βを算出する。このようにして、吊り下げ対象物34の水平方向の位置及び回転角度を、効率よく算出することができる。
又、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、図3に示すように、クレーン26のブーム30に傾斜角計測手段14を設置し、この傾斜角計測手段14により、作業に応じて傾斜するブーム30の傾斜角度αを計測する(図4のS60)。そして、計測したブーム30の傾斜角度αと、予め取得されるブーム30の長さ等とから、ブーム30先端に具備され、複数のワイヤ32が掛け回されるシーブ36の位置を算出する(図4のS70)。又、複数のワイヤ32のうち、少なくとも1本のワイヤのワイヤドラム38に、繰り出し量計測手段16を設置し、この繰り出し量計測手段16により、少なくとも1本のワイヤの繰り出し量を計測する(図4のS80)。そして、計測したワイヤの繰り出し量と、予め取得されるワイヤドラム38からシーブ36までのワイヤの長さ等とから、シーブ36から吊り下げ対象物34までのワイヤ長さd1を算出する(図4のS90)。更に、算出したワイヤ中心位置c、シーブの位置、ワイヤ長さd1を利用して、吊り下げ対象物34の水平方向の位置を算出する。
より具体的には、例えば、算出したシーブ36の位置から、ワイヤがシーブ36から鉛直に吊り下がっている状態のワイヤ中心位置c’を算出し、このワイヤ鉛直状態のワイヤ中心位置c’と、複数のワイヤ32の計測位置から算出したワイヤ中心位置cとから、ワイヤが鉛直に吊り下がっている状態からの、計測時のワイヤの水平方向の移動量d3を算出する。更に、ワイヤの水平方向の移動量d3と、シーブ36から吊り下げ対象物34までのワイヤ長さd1とから、吊り下げ対象物34がシーブ36から鉛直に吊り下がっている状態からの、吊り下げ対象物34の水平方向の移動量d4を求める。そして、シーブ36から鉛直に吊り下がっている状態の吊り下げ対象物34の位置と、計測時の吊り下げ対象物34の水平方向の移動量d4とから、吊り下げ対象物34の水平方向の位置を算出するものである。従って、傾斜角計測手段14と繰り出し量計測手段16とを利用することで、より正確に吊り下げ対象物34の水平方向の位置を算出することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、図6に示すように、複数のワイヤ32の位置計測結果から、複数のワイヤ32が成す所定形状として、平面視で2本の支持ワイヤ32aの位置を通る直線L1を算出する(図4のS110)。又、吊り下げ対象物34が回転していない状態で複数のワイヤ32が成す所定形状を、水平方向にシフト移動した仮想形状として、平面視でクレーン26の正面方向(図6の上方向)と直交すると共に、複数のワイヤ32の計測位置から算出したワイヤ中心位置cを通る、回転基準線L2を算出する(図4のS120)。そして、算出したワイヤ中心位置cにおいて交わる、支持ワイヤ32aの位置を通る直線L1と、回転基準線L2とが成す角度βを算出し、この角度βを、吊り下げ対象物34の回転角度βとするものである。このように、吊り下げ対象物34を支持している少なくとも2本の支持ワイヤ32が成す直線形状を利用することで、吊り下げ対象物34の回転角度を効率よく算出することができる。
又、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、複数のワイヤにより吊り下げる吊り下げ対象物34として、浚渫作業用のグラブバケットを用いるものである。このグラブバケット34は、船上のクレーン26のブーム30から吊り下げられる、支持ワイヤ32aと開閉ワイヤ32bとを含む複数のワイヤ32により、上下位置及び開閉動作が制御される。このようなグラブバケット34の水中への投入位置を、グラブバケット34を吊持している複数のワイヤ32の水平方向の位置から計測することで、水流等の影響を受けることなく安定して計測を行うことができるため、浚渫位置の記録等をより正確に行うことが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、位置計測手段12として用いるレーザ距離計12を、正面視でブーム30の中心線上に設置することで、計算の効率化を図るものである。すなわち、レーザ距離計12を正面視でブーム30の中心線上に設置しない場合は、レーザ距離計12の設置位置に応じたオフセット量を考慮して、演算を行う必要がある。しかしながら、本吊り下げ対象物の位置計測方法は、レーザ距離計12を、正面視でブーム30の中心線上の、例えば、ブーム30の根元近傍に、計測範囲の水平方向中心をブーム30の中心線に合わせて設置する。これにより、ブーム30の略中心線上に位置するシーブ36から吊り下げられるワイヤの位置計測を、ブーム30の中心線上から行うこととなるため、オフセット量に係る演算を省略することができ、計算の効率化が図られる。従って、吊り下げ対象物34の位置の計算を、より正確に実行することができる。
更に、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法は、吊り下げ対象物34が、少なくとも2本の支持ワイヤにより吊り下げられた吊り荷であってもよいものである。すなわち、例えば、ブロックや漁礁等を水底へ据え付ける場合に、これらを吊り荷34としてクレーン26により吊り上げ、上述したような方法によって、吊り荷34の水中での位置と回転角度とを算出する。これにより、吊り荷34の位置及び回転角度を、効率よく正確に算出することができるため、吊り荷34であるブロックや漁礁等の設置構造物を、設計通りの位置へ正確に据え付けることが可能となる。
一方、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測システム10は、上述した各演算や各計測手段の制御を、制御手段20によって行うことにより、本発明の実施の形態に係る吊り下げ対象物の位置計測方法に対応する同等の作用効果を奏するものである。
なお、上記の実施例では、複数のワイヤ32の計測位置から、吊り下げ対象物34の水平方向の位置を算出しているが、当然のことながら、ワイヤの繰り出し量やワイヤ長さd1等に基づいて、吊り下げ対象物34の水中での深度を算出することも可能である。
10:吊り下げ対象物の位置計測システム、12:位置計測手段(レーザ距離計)、14:傾斜角計測手段、16:繰り出し量計測手段、20:制御手段、24:作業船(浚渫船)、26:クレーン、30:ブーム、32:複数のワイヤ、32a:支持ワイヤ、32b:開閉ワイヤ、34:吊り下げ対象物(グラブバケット)、36:シーブ、38:ワイヤドラム、α:ブームの傾斜角度、d1:ワイヤ長さ、c:ワイヤ中心位置、L1:支持ワイヤの位置を通る直線、L2:回転基準線、β:回転角度

Claims (6)

  1. 作業船上のクレーンのブームを介して複数のワイヤにより吊り下げられると共に上下位置が制御される吊り下げ対象物の水中での位置を計測する方法であって、
    前記クレーンの、前記ブームの旋回動作にのみ追従する箇所に、位置計測手段を設置し、
    該位置計測手段により、前記複数のワイヤの各々の、前記吊り下げ対象物との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測し、
    該位置計測結果に基づいて、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出することを特徴とする吊り下げ対象物の位置計測方法。
  2. 前記位置計測手段としてレーザ距離計を使用し、該レーザ距離計により前記複数のワイヤまでの距離及び角度を計測して、該計測結果から前記複数のワイヤの水平方向の位置を算出することを特徴とする請求項1記載の吊り下げ対象物の位置計測方法。
  3. 前記吊り下げ対象物として、支持ワイヤと開閉ワイヤとを含む前記複数のワイヤにより上下位置及び開閉動作が制御される、浚渫作業用のグラブバケットを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の吊り下げ対象物の位置計測方法。
  4. 作業船上のクレーンのブームを介して複数のワイヤにより吊り下げられると共に上下位置が制御される吊り下げ対象物の水中での位置を計測するシステムであって、
    前記クレーンの、前記ブームの旋回動作にのみ追従する箇所に設置され、前記複数のワイヤの各々の、前記吊り下げ対象物との接続部から上方へと延びる部分の水平方向の位置を計測するための位置計測手段と、
    該位置計測手段による計測結果に基づいて、前記吊り下げ対象物の水平方向の位置及び回転角度を算出する制御手段と、を含むことを特徴とする吊り下げ対象物の位置計測システム。
  5. 前記位置計測手段が、前記複数のワイヤまでの距離及び角度を計測するレーザ距離計であることを特徴とする請求項記載の吊り下げ対象物の位置計測システム。
  6. 前記吊り下げ対象物が、支持ワイヤと開閉ワイヤとを含む前記複数のワイヤにより上下位置及び開閉動作が制御される、浚渫作業用のグラブバケットであることを特徴とする請求項4又は5記載の吊り下げ対象物の位置計測システム。
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