JP6544888B2 - 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6544888B2
JP6544888B2 JP2014076470A JP2014076470A JP6544888B2 JP 6544888 B2 JP6544888 B2 JP 6544888B2 JP 2014076470 A JP2014076470 A JP 2014076470A JP 2014076470 A JP2014076470 A JP 2014076470A JP 6544888 B2 JP6544888 B2 JP 6544888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal polyester
producing
aromatic
liquid crystalline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014076470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015196796A (ja
Inventor
勝利 坂本
勝利 坂本
吉昭 田口
吉昭 田口
晃司 中谷
晃司 中谷
陽子 橋爪
陽子 橋爪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP2014076470A priority Critical patent/JP6544888B2/ja
Priority to PCT/JP2015/057421 priority patent/WO2015151763A1/ja
Priority to TW104109924A priority patent/TW201609856A/zh
Publication of JP2015196796A publication Critical patent/JP2015196796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6544888B2 publication Critical patent/JP6544888B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/60Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from the reaction of a mixture of hydroxy carboxylic acids, polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/605Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from the reaction of a mixture of hydroxy carboxylic acids, polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds the hydroxy and carboxylic groups being bound to aromatic rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は、液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法に関する。
液晶性ポリエステルは、機械的特性等に優れ、様々な分野において応用されている。液晶性ポリエステルは、一般的に、芳香族ヒドロキシ酸の水酸基を脂肪酸無水物によってアシル化してアシル化物を得、該アシル化物を芳香族カルボン酸とエステル交換反応させることによって得られる(特許文献1参照)。
特開平11−246653号公報
しかし、本発明者らによる検討の結果、液晶性ポリエステルの製造において、アシル化及び/又はエステル交換の際に、エステル結合以外の結合が形成され、該結合によって生じた生成物によって反応系の粘度が高まり、反応効率が低下する可能性が見出された。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、液晶性ポリエステルの製造において、エステル結合以外の結合の形成を抑制できる液晶ポリエステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、所定の触媒の存在下で、アシル化及び/又はエステル交換を行うことによって上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化してアシル化物を得るアシル化工程と、
前記アシル化工程で得られたアシル化物と、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸とをエステル交換するエステル交換工程とを含む液晶ポリエステルの製造方法であって、
前記アシル化工程及び/又はエステル交換工程は、触媒の存在下で行われ、
前記触媒は、酢酸ランタン(III)、ジアザビシクロウンデセン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)モリブデンジオキシド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、酢酸セリウム(III)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、1−メチルイミダゾール、及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記液晶ポリエステル中に含まれる、エステル結合以外の異種結合量が0〜200mmol/kgである液晶ポリエステルの製造方法。
(2) 前記触媒は、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、及び1−メチルイミダゾールからなる群から選択される少なくとも1種である(1)に記載の液晶ポリエステルの製造方法。
(3) 前記液晶ポリエステルの平均重合度は、5以上15以下である(1)又は(2)に記載の液晶ポリエステルの製造方法。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の製造方法により製造した液晶ポリエステルと、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物とを溶融混合する溶融混合工程を含む熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法。
(5) (1)から(3)のいずれかに記載の製造方法により製造した液晶ポリエステルと、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物とを、溶媒の存在下で混合する混合工程を含む熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法。
(6) (4)又は(5)に記載の製造方法により製造した熱硬化性液晶ポリエステル組成物を硬化する硬化工程を含む硬化物の製造方法。
本発明によれば、液晶性ポリエステルの製造において、エステル結合以外の結合の形成を抑制できる液晶ポリエステルの製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<液晶性ポリエステル>
本発明における液晶性ポリエステルとは、溶融加工性ポリエステルであり、溶融時に光学的異方性を示す。溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
本発明における液晶性ポリエステルは、芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化してアシル化物を得て、該アシル化物と、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸とをエステル交換することで得られる。
芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び脂肪酸無水物のそれぞれは、通常、液晶性ポリエステルの製造において使用される公知の成分(例えば、特開2009−108180等を参照)を使用できる。
芳香族ジオールとしては、下記(I)の一般式(式中、Arは、芳香族基、脂環基及び脂肪族基から選ばれる2価の基を表わす)で表わされるものを使用できる。芳香族ジオールの具体例としては、1,4−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、ナフタレン−2,6−ジオール、4,4’−ビフェニレンジオール、3,3’−ビフェニレンジオール、4,4’−ジヒロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを挙げることができる。
Figure 0006544888
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、下記(II)の一般式(式中、Arは、2価の芳香族基を表わす)で表わされるものを使用できる。芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸等を挙げることができる。
Figure 0006544888
脂肪酸無水物としては、アシル化剤として公知のものを使用でき、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の酸無水物や酢酸クロライド等の酸塩化物等が挙げられる。
本発明における液晶性ポリエステルの態様は特に限定されず、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミド等が挙げられる
本発明における液晶性ポリエステルは、より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル
(2)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール及び/又はその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからなるポリエステル
(3)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上とからなるポリエステルアミド
(4)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び/又はその誘導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール及び/又はその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからなるポリエステルアミド等が挙げられる。
液晶性ポリエステルの構成成分として、必要に応じて、安息香酸等の単官能モノマー、芳香族ヒドロキシジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸等の3官能モノマー等の分子量調整剤を併用してもよい。
<液晶性ポリエステルの製造方法>
本発明の製造方法においては、アシル化工程及び/又はエステル交換工程で所定の触媒を使用する。具体的には、酢酸ランタン(III)、ジアザビシクロウンデセン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)モリブデンジオキシド、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、酢酸セリウム(III)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、1−メチルイミダゾール、及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジンからなる群から選択される少なくとも1種が使用される。本発明の効果を奏しやすいという点で、触媒は、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、及び1−メチルイミダゾールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
通常、アシル化工程及び/又はエステル交換工程における触媒は、重合速度を増加させる作用を有するが、本発明者らによる検討の結果、上記の触媒によれば、重合速度を増加させるだけではなく、液晶性ポリエステルの製造において、エステル結合以外の異種結合が形成しにくくなることが見出された。エステル結合以外の異種結合としては、公知の文献(例えば、“Polymer Degradation and Stability 76 (2002) 85−94”)に例示されるケトン結合、エーテル結合等が挙げられる。液晶性ポリエステルの製造において、エステル結合以外の異種結合の形成が低減されると、反応系の粘度(溶融粘度等)が過度に高まるのを抑制でき、反応効率を改善し得る。
アシル化工程及び/又はエステル交換工程における触媒の使用量は特に限定されないが、0.01〜1molであってもよい。従来行われてきた液晶ポリエステルの製造方法におけるアシル化工程及び/又はエステル交換工程において、触媒を上記のものに変更することで、本発明の効果が奏される。
アシル化工程における反応条件としては、液晶性ポリエステルの構成成分のアシル化において通常適用されるものであってもよく、例えば、温度100〜220℃、常圧、反応時間1〜240分であってもよい。反応条件は、使用する出発原料、目的とする反応生成物の種類等により適宜設定することができる。
エステル交換工程における反応条件としては、液晶性ポリエステルの構成成分のエステル交換工程において通常適用されるものであってもよく、例えば、温度160〜400℃、圧力1torr〜常圧、反応時間5〜60分であってもよい。反応条件は、使用する出発原料、目的とする反応生成物の種類等により適宜設定することができる。
本発明による液晶性ポリエステルの製造方法においては、本発明の効果を阻害又は低下させない範囲で、安定剤、着色剤、充填剤等を添加して重合することも可能である。
本発明の製造方法から得られた液晶性ポリエステルは、公知の重合反応(溶融重合法、溶液重合法等)に供してもよい。本発明における液晶性ポリエステルの平均重合度は、5以上15以下に調整してもよい。液晶性ポリエステルの平均重合度をかかる範囲に調整することで、低融点化でき、熱重合性官能基を添加した際に生じる硬化を抑制できる。液晶性ポリエステルの平均重合度は、液晶ポリエステルの末端数の算出(特開平5−271394号公報に記載のアミン分解HPLC法による)、及びGPC測定に基づき特定する。
本発明の製造方法によれば、エステル結合以外の異種結合量が0〜200mmol/kgに低減された液晶ポリエステルが得られる。異種結合量は、公知の文献(例えば、Polymer Degradation and Stability 76 (2002) 85−94)に記載される、ガスクロマトグラフィーによって特定される。
<熱硬化性液晶ポリエステル組成物>
本発明の製造方法から得られた液晶性ポリエステルを使用して、熱硬化性液晶ポリエステル組成物を調製してもよい。熱硬化性液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステルと、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物とを混合することで得られる。
水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物は、分子内(一分子中)に、液晶ポリエステルが分子鎖末端に有する付加反応性基(水酸基、アシルオキシ基、芳香族環、及び共役ジエン構造からなる群より選択された少なくとも1種)と反応する官能基と、熱重合性官能基(熱硬化性官能基)とを少なくとも有する化合物である。
熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造における混合は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒は、その沸点(Tv)と、液晶ポリエステルの融点(Tm)との差(Tv−Tm)が、−30℃以上30℃以下である溶媒であってもよい。
溶媒の具体例としては、特に限定されないが、ペンタフルオロフェノール(PFP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、o−ジクロロベンゼン等が挙げられる。
溶媒の使用量は、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物の使用量との関係で調整してもよい。具体的には、該化合物の量が、溶媒100質量部に対して10質量部以上200質量部以下となるように調整してもよい。
<硬化物>
本発明における熱硬化性液晶ポリエステル組成物を加熱等によって硬化させる(硬化反応を進行させる)ことにより、硬化物が得られる。加熱によって主に、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物に起因する熱重合性官能基同士の反応(重合反応)が進行し、硬化物が形成される。加熱の手段としては、公知乃至慣用の手段を利用することができ、特に限定されない。
本発明における熱硬化性液晶ポリエステル組成物を硬化させる際の加熱温度(硬化温度)は、特に限定されないが、170〜250℃が好ましく、より好ましくは210〜250℃、さらに好ましくは220〜250℃である。硬化温度が170℃以上であると、硬化反応の進行が十分となりやすく、硬化物の物性が低下しにくい。一方、硬化温度が250℃以下であると、硬化物を生成させる工程が煩雑となりにくく、生産性が低下しにくい。なお、硬化温度は、硬化させる間一定となるように制御することもできるし、段階的又は連続的に変動するように制御することもできる。
本発明における熱硬化性液晶ポリエステル組成物を硬化させる際の加熱時間(硬化時間)は、特に限定されないが、3〜600分が好ましく、より好ましくは5〜480分、さらに好ましくは5〜360分である。硬化時間が3分以上であると、硬化反応の進行が十分となりやすく、硬化物の物性が低下しにくい。一方、硬化時間が600分以下であると、硬化物の生産性が低下しにくい。
本発明における熱硬化性液晶ポリエステル組成物の硬化は、常圧下で行うこともできるし、減圧下又は加圧下で行うこともできる。また、上記硬化は、一段階で行うこともできるし、二段階以上の多段階に分けて行うこともできる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例:液晶ポリエステルの製造]
コンデンサーと撹拌機を取り付けた500mLのフラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸94.3g(0.682mol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸102.7g(0.546mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル25.4g(0.136mol)、無水酢酸156.3g(1.53mol)、及び、表1中の「触媒の種類」の項に示す触媒10.0mg(0.10mol)を入れ、窒素雰囲気下で140℃まで徐々に温度を上げた後、温度を維持しながら3時間反応させてアシル化反応を完結させた。次いで、0.8℃/分の速度で340℃まで昇温しながら酢酸及び未反応の無水酢酸を留去した。その後、340℃の温度で30分撹拌することでエステル交換反応を完結させ、液晶ポリエステルを得た。
[Tmの測定]
上記で得られた液晶ポリエステルの融点(Tm)を、示差走査熱量分析装置(「DSC6200」、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)にて、20℃/分の昇温条件(窒素気流下)で測定した。その結果は、表1の「Tm」の項に示すとおりであった。
[重合度の算出]
上記で得られた液晶ポリエステルの重合度を、該液晶ポリエステルの末端数の算出(特開平5−271394号公報に記載のアミン分解HPLC法による)、及びGPC測定に基づき、算出した。その結果は、表1の「重合度」の項に示すとおりであった。
[異種結合量の算出]
各液晶ポリエステルの異種結合量(エステル結合以外の結合の量)は、Polymer Degradation and Stability 76 (2002) 85−94に記載される、ガスクロマトグラフィーによって算出した。
[熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造]
上記で得られた液晶ポリエステル200gと、溶媒(o−ジクロロベンゼン)130g中に分散させたメチレンビスマレイミド(「MBPM」とも称され、「水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物」に相当する)65gとを、170℃で30分混合し、混合物を得た。MBPMの使用量は、溶媒100質量部に対して50質量部である。その後、溶媒を10torrの真空下で除去することで、熱硬化性液晶ポリエステル組成物を得た。
[熱硬化性液晶ポリエステル組成物の評価]
得られた熱硬化性液晶ポリエステル組成物の溶融粘度及び熱硬化性を下記のように評価した。
(溶融粘度)
各熱硬化性液晶ポリエステル組成物の溶融粘度は、回転型粘度計(アントンパール社製MCR301)を用い、温度170℃、せん断速度5sec−1で測定した。その結果は、表1の「溶融粘度」の項に示すとおりであった。
(熱硬化性)
各熱硬化性液晶ポリエステル組成物の熱硬化性は、回転型粘度計(アントンパール社製MCR301)を用い、温度250℃、30分間、せん断速度5sec−1で測定したときの複素粘性率を測定し、以下の基準に基づき判定した。その結果は、表1の「熱硬化性」の項に示すとおりであった。
○:>5×10Pa・s
×:≦5×10Pa・s
Figure 0006544888
表1に示されるとおり、本発明の製造方法によって得られる液晶ポリエステルにおいてはエステル結合以外の異種結合量が低減されており、かつ、得られる液晶ポリエステル組成物の溶融粘度が低いことがわかる。また、本発明の製造方法によって得られる液晶ポリエステルによれば、熱硬化性に優れた熱硬化性液晶ポリエステル組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化してアシル化物を得るアシル化工程と、
    前記アシル化工程で得られたアシル化物と、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸とをエステル交換するエステル交換工程とを含む液晶ポリエステルの製造方法であって、
    前記アシル化工程及び/又はエステル交換工程は、触媒の存在下で行われ、
    前記触媒は、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)又は1−メチルイミダゾールであり、
    前記液晶ポリエステル中に含まれる、エステル結合以外の異種結合量が0〜200mmol/kgであり、
    前記液晶ポリエステルの平均重合度は、5以上15以下である液晶ポリエステルの製造方法。
  2. 晶ポリエステルと、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物とを溶融混合する溶融混合工程を含む熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法であって、
    前記液晶ポリエステルは、
    芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化してアシル化物を得るアシル化工程と、
    前記アシル化工程で得られたアシル化物と、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸とをエステル交換するエステル交換工程とを含む液晶ポリエステルの製造方法であって、
    前記アシル化工程及び/又はエステル交換工程は、触媒の存在下で行われ、
    前記触媒は、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)であり、
    前記液晶ポリエステル中に含まれる、エステル結合以外の異種結合量が0〜200mmol/kgであり、
    前記液晶ポリエステルの平均重合度は、5以上15以下である液晶ポリエステルの製造方法により製造したものである、
    熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法
  3. 晶ポリエステルと、水酸基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱重合性官能基を分子内に有する化合物とを、溶媒の存在下で混合する混合工程を含む熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法であって、
    前記液晶ポリエステルは、
    芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化してアシル化物を得るアシル化工程と、
    前記アシル化工程で得られたアシル化物と、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸とをエステル交換するエステル交換工程とを含む液晶ポリエステルの製造方法であって、
    前記アシル化工程及び/又はエステル交換工程は、触媒の存在下で行われ、
    前記触媒は、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)であり、
    前記液晶ポリエステル中に含まれる、エステル結合以外の異種結合量が0〜200mmol/kgであり、
    前記液晶ポリエステルの平均重合度は、5以上15以下である液晶ポリエステルの製造方法により製造したものである、
    熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法
  4. 請求項又はに記載の製造方法により製造した熱硬化性液晶ポリエステル組成物を硬化する硬化工程を含む硬化物の製造方法。
JP2014076470A 2014-04-02 2014-04-02 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法 Expired - Fee Related JP6544888B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076470A JP6544888B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法
PCT/JP2015/057421 WO2015151763A1 (ja) 2014-04-02 2015-03-13 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法
TW104109924A TW201609856A (zh) 2014-04-02 2015-03-27 液晶聚酯之製造方法、熱硬化性液晶聚酯組合物之製造方法以及硬化物之製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076470A JP6544888B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015196796A JP2015196796A (ja) 2015-11-09
JP6544888B2 true JP6544888B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=54240095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014076470A Expired - Fee Related JP6544888B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6544888B2 (ja)
TW (1) TW201609856A (ja)
WO (1) WO2015151763A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7220828B1 (ja) * 2022-03-16 2023-02-10 住友化学株式会社 液晶ポリエステル、液晶ポリエステルの製造方法、液晶ポリエステル組成物、フィルム、フィルムの製造方法、及び、回路基板

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3732439B2 (ja) * 2001-12-18 2006-01-05 ポリプラスチックス株式会社 液晶性ポリマーの製造方法
KR101659081B1 (ko) * 2010-03-26 2016-09-23 삼성전기주식회사 액정성 열경화형 올리고머 또는 폴리머 및 이를 포함하는 열경화성 조성물 및 기판
KR101963458B1 (ko) * 2011-07-29 2019-03-28 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 액정 폴리에스테르의 제조 방법 및 액정 폴리에스테르
JP2013166848A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル組成物及び成形体
JP6128804B2 (ja) * 2012-09-28 2017-05-17 株式会社ダイセル 熱硬化性液晶ポリエステル組成物及びその硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
TW201609856A (zh) 2016-03-16
JP2015196796A (ja) 2015-11-09
WO2015151763A1 (ja) 2015-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8859711B2 (en) Method for preparing wholly aromatic liquid crystalline polyester amide resin and method for preparing wholly aromatic liquid crystalline polyester amide resin compound
KR101834703B1 (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드
TWI278465B (en) Micro powder and method for producing the same
KR101817366B1 (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드
JP5970455B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル樹脂の製造方法及び芳香族液晶ポリエステル樹脂コンパウンドの製造方法
KR20140074095A (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드
KR20140074094A (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 아미드 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 아미드 수지 컴파운드
KR101817365B1 (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드
JP6544888B2 (ja) 液晶ポリエステルの製造方法、熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法
JP2014506952A (ja) 全芳香族液晶ポリエステル樹脂の製造方法、該製造方法によって製造された樹脂、及び該樹脂を含むコンパウンド
JP4559789B2 (ja) 非液晶性光学活性ポリエステルを含有する液晶性高分子組成物
JPH0360331B2 (ja)
TWI789540B (zh) 液晶性樹脂的製造方法
JP6426994B2 (ja) 液晶ポリマーの製造方法
JP6278799B2 (ja) 熱硬化性液晶ポリエステル組成物の製造方法及び硬化物の製造方法
KR20150079072A (ko) 전방향족 액정 폴리에스테르 섬유 및 이의 제조 방법
JPS6323925A (ja) 完全芳香族の液晶ポリエステル
JPH02102223A (ja) 芳香族ポリエステルおよびその製造方法
JPH01115926A (ja) 流動性の改善された芳香族ポリエステル
JP2020019866A (ja) 液晶性樹脂の製造方法
NL1040533C2 (en) Thermotropic polymers based on 2,5-furandicarboxylic acid.
JPH0813876B2 (ja) 液晶ポリエステル及びその製造方法
CN118684868A (zh) 液晶性树脂的制造方法
KR101819752B1 (ko) 방향족 액정 폴리에스테르 아미드 수지의 제조방법 및 방향족 액정 폴리에스테르 아미드 수지 컴파운드
CN109563244A (zh) 全芳族高性能嵌段共聚物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170323

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180419

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180501

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6544888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees