JP6544752B1 - エアセル及びエアマットレス - Google Patents

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    • A61G7/05769Arrangements for preventing bed-sores or for supporting patients with burns, e.g. mattresses specially adapted therefor with inflatable chambers

Abstract

【課題】身体から局所的に突出する骨突出部においても接触圧を低減すると共にハンモック現象を防ぐことができるエアセル等を提供する。【解決手段】エアセルは、エアマットレスにおいて並設されて使用されるエアセルであって、可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセルと、可撓性を有する材料により形成され、上記第1及び第2の側壁を上記セルの内部から複数箇所において接続すると共に、エアマットレスに並設された状態で当該エアセルに荷重がかかる方向における当該エアセルの沈み込みを抑制する手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、床ずれ(褥瘡)防止用のエアマットレスに用いられるエアセル及びエアマットレスに関する。
床ずれ(褥瘡)とは、多くの場合、体重を受ける骨突出部等の局所の皮膚組織が圧迫され続けることにより虚血を起こすよって発生する、局所の皮膚圧迫潰瘍のことである。病気や怪我、老衰などにより、寝たきり又は身体を動かすことが困難な状態の人にとって、床ずれを防止することは非常に重要である。
床ずれ防止用のエアマットレスとしては、筒状に成形されたエアセルにエアを封入し、ベッドの長手方向と直交する向きに複数本並設したものが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。床ずれ防止用のエアマットレスにおいては、通常、各エアセル内の空気圧を、使用者の身体が沈み込む程度に低圧に維持することにより、身体への接触圧を低減し、床ずれ防止を図っている。
特許文献1には、細長い袋状のエアセルをベッドの長手方向と直交する向きに寝かせた状態でベッドの長手方向に沿って複数本並設したエアマットレスにおいて、各エアセルを、袋状の内部空間を上下に二分する仕切り板を長手方向の両端部近傍まで側壁間に掛け渡して設けた構成とすることが開示されている。
特許文献2には、並設されたエアセルを複数の系統に分け、エアセルを系統ごとに順に膨張、収縮させることにより、エアセルを波動させる技術が開示されている。このようにエアセル内の圧力を順次変化させるエアマットレスは圧切替型と呼ばれ、使用中にエアセル内の圧力を変化させないエアマットレスは静止型と呼ばれる。なお、圧切替型エアマットレスは、医療機器ではなく、介護保険の適用のある「床ずれ防止用具」と称される福祉用具である。
特許文献3には、細長い平面形状をなす膨張可能なマットレスであって、マットレスの長手方向の軸に沿って延びる列に連続して配置され、各々が細長い形状をなす膨張可能な複数のセルを備えるエアマットレスが開示されている。
特開2005−6939号公報 特開2011−160894号公報 米国特許第5704084号明細書
骨の変形や長期の寝たきり療養生活に伴う筋肉の萎縮による病的な骨突出、或いは、特に高齢の入院患者やがん患者に多く見られるサルコペニア(加齢等により筋肉量が減少すること)、がん痩せ(悪液質)、るい痩(脂肪の減少)等による骨格筋や脂肪組織等の身体のクッション組織が喪失した結果による相対的な骨突出が生じている患者は、床ずれの発症するリスクが非常に高い。
本発明者が、難治性褥瘡の予後に低圧保持可能な圧切替型のマットレスを使用した患者の経過観察を行ったところ、患部の回復が停滞してしまうケースが相当数あることがわかった。また、褥瘡内褥瘡(褥瘡の患部内に新たな褥瘡が生じてしまうこと)を繰り返し発症する患者も存在した。そのため、本発明者は、従来の低圧保持や圧切替型のマットレスでは、骨突出が顕著な患者には対応できず、そのようなハイリスクな患者に適合するエアマットレスの開発が急務であることを確信するに至った。
ここで、一般的なエアセルの表面はフラットなシート状となっているため、内圧が低圧に維持されたエアマットレスにおいて、エアマットレスの一部に身体の荷重が集中すると、身体がエアセルに極端に沈み込み、エアセルの支持面(エアセルの表面のうち身体と接する側の面)のシートによって身体が吊り下げられている状態になってしまう。このような状態は、ハンモック現象と言われる。ハンモック現象が発生すると、支持面に接している身体の部分における接触圧が大きくなり、床ずれが発生するリスクが高くなる。また、上述した病的な骨突出や相対的な骨突出など局所的に突出している部分がある場合には、骨突出部に部分的なハンモック現象が生じていることもある。
ハンモック現象に関して、特許文献3においては、外側シートに内側シートをスポット溶接で固定することによりエアセルの支持面にプリーツを形成し、このプリーツによりエアマットレスに身体が深く沈む余裕が支持面に生まれ、ハンモッキングが回避されることとしている。
しかしながら、特許文献3においては、身体をエアマットレスに深く沈み込ませた場合に生じ得るハンモック現象の回避が考慮されているだけであり、上述した病的な骨突出や相対的な骨突出などの局所的な骨突出部、特に、痩せ型の患者に多く見られる骨突出部に対する接触圧の低減や、骨突出部におけるハンモック現象については一切考慮されていない。
また、一般的なエアマットレスのように、エアマットレスの長手方向と直交するようにエアセルが並設されている場合、各エアセルは両端において固定されているため、エアセルの長手方向の中央部が最も沈み込み易くなる。つまり、このようなエアマットレスは、拘縮やるい痩、サルコペニアが生じている患者にとっては、エアマットレスで仰臥位を取ったときに、背面の中央部や尾てい骨への接触圧が大きくなる構造を有しているとも言える。そのため、圧切替型のエアマットレスにおいては、エアセルの膨張時には脊柱を中心として背面に圧力がかかり、エアセルの収縮時にはエアセルの中央部が沈み込むため、脊柱や尾てい骨など身体の中心部に位置する骨突出部が支持面のシートに吊り下げられている状態となる。つまり、床ずれが生じるリスクが高い骨突出部は、エアセルの膨張時にも収縮時にもエアセルから力を受けていることになる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、身体から局所的に突出する骨突出部においても接触圧を低減すると共にハンモック現象を防ぐことができるエアセル及びエアマットレスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様であるエアセルは、エアマットレスにおいて並設されて使用されるエアセルであって、可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセルと、可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記セルの内部から複数箇所において接続すると共に、前記エアマットレスに並設された状態で当該エアセルに荷重がかかる方向における当該エアセルの沈み込みを抑制する手段と、を備えるものである。
上記エアセルにおいて、前記手段は、前記第1及び第2の側壁の各々に対して複数の接合部において接合された接続部材であり、前記複数の接合部のうち、前記第1の側壁に設けられた第1群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第1群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、前記複数の接合部のうち、前記第2の側壁に設けられた第1群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第2群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、前記第1群の接合部の前記第1段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第1段目の接合部とは、互い違いに配置され、前記第1群の接合部の前記第2段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第2段目の接合部とは、互い違いに配置されても良い。
上記エアセルにおいて、前記接続部材はシート状をなし、前記複数の接合部は、前記接続部材の主面に設けられていても良い。
上記エアセルにおいて、可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより各々が筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、前記セルの外周面のうち、前記エアマットレスにおいて床側となる領域に、前記セルの長手方向と平行になるように取り付けられた第2及び第3のセルをさらに備えても良い。
本発明の別の態様であるエアマットレスは、少なくとも上記エアセルを含む複数のエアセルが並設されたものである。
本発明のさらに別の態様であるエアマットレスは背上げ機能及び膝上げ機能が設けられ、背上げ可能な第1のボトムと、該第1のボトムに隣接して配置された第2のボトムと、第2のボトムに隣接して配置され、該第2のボトムと共に膝上げ可能な第3のボトムとを備えるベッドボトムに配置して使用されるエアマットレスであって、可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセルと、可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記セルの内部から複数箇所において接続すると共に、前記エアマットレスに並設された状態で当該エアセルに荷重がかかる方向における当該エアセルの沈み込みを抑制する手段と、を有し、前記エアマットレスの長手方向と直交する向きに並設された複数の第1のエアセルと、可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張し、前記エアマットレスの長手方向と直交する向きに並設された複数の第2のエアセルと、を備え、前記第1のボトムと前記第2のボトムとの境界の前記第1のボトム側の領域である第1の領域に少なくとも1つの前記2のエアセルが配置され、前記第2のボトムと前記第3のボトムとの境界の両側の領域である第2の領域に少なくとも1つずつの前記第2のエアセルが並設され、少なくとも前記第1の領域と前記第2の領域との間に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されているものである。
上記エアマットレスにおいて、前記第2の領域よりも前記第3のボトムの端部側の領域に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されていても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記第1の領域よりも前記第1のボトムの端部側の領域であって、少なくとも前記第1のボトムの端部を除く領域に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されていても良い。
本発明によれば、第1及び第2の側壁をセルの内部から複数箇所において接続すると共に沈み込みを抑制する手段を設けるので、エアセルにエアを封入すると、第1及び第2の側壁が接続部材により互いに引き寄せられてエアセルが蛇腹状に膨張し、エアセルの支持面に皺が形成される。そのため、身体から局所的に突出する骨突出部をこの皺によって包み込むように広い面積で保持し、骨突出部への接触圧を低減することができる。また、エアセルに身体を乗せた場合であっても、上記手段によって、身体がエアセルに過度に沈み込むことがなくなるので、骨突出部を上記皺によって包みつつ、骨突出部の周辺をエアセルで保持することができ、骨突出部に集中しがちなエアセルから接触圧を分散させることが可能となる。さらに、エアセルへの身体の過度な沈み込みを抑制することにより、エアセル表面の張力の増加を抑えることができるので、局所的な骨突出部においてもハンモック現象を防ぐことが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るエアセルの外観を示す正面図である。 図1に示すエアセルの上面図(エアを封入した状態)である。 図1に示すエアセルのB1−B1拡大断面図(エアを封入した状態)である。 図1に示すエアセルのB2−B2拡大断面図(エアを封入した状態)である。 図1に示すエアセルのB3−B3拡大断面図(エアを封入した状態)である。 本発明の第2の実施形態に係るエアセルの外観を示す正面図である。 図5に示すエアセルの底面図である。 図5に示すエアセルのC−C拡大断面図(荷重をかけていない状態)である。 図5に示すエアセルのC−C拡大断面図(荷重をかけている状態)である。 図5に示すエアセルにおける体圧分散の原理を説明するための模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。 図9に示すエアセルを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。 図11Aに示すマットレスの側面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るエアセル及びエアマットレスについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。以下の説明において参照する図面は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、比率、及び位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、比率、及び位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエアセルの外観を示す正面図である。図2は、同エアセルの上面図である。図3Aは、同エアセルのB1−B1拡大断面図である。図3Bは、同エアセルのB2−B2拡大断面図である。図4は、同エアセルのB3−B3拡大断面図である。このうち、図1は、エアセルにエアが封入されていない状態を示し、図2〜図4は、エアセルにエアが封入されている状態を示す。
以下において、エアセルの表面のうち、当該エアセルにエアを封入してエアマットレスに並設した場合に上側となる面、即ち、身体と接触して身体を支持する面のことを支持面といい、支持面と反対側の面のことを底面という。また、以下において、エアセルの上側又は上方向とは、支持面側又は支持面方向のことをいい、エアセルの下側又は下方向とは、底面側又は底面方向のことをいう。
本実施形態に係るエアセルは、内部にエアを封入して用いられるエアマットレスを構成するエアセルである。図1〜図4に示すように、本実施形態に係るエアセル2は、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセル20と、セル20の内部に配置され、セル20の対向する2つの側壁20a、20bを接続する接続部材21とを備える。接続部材21は、セル20の対向する2つの側壁20a、20bを接続すると共に、エアマットレスに並設された状態で当該エアセル2に荷重がかかる方向における当該エアセル2の沈み込みを抑制する手段である。
セル20は、ウレタン等の可撓性を有するシート材の周縁部同士を溶着することにより筒状に成形したものである。セル20の両端には、シート材の端部の閉じ部23が突出しており、この閉じ部23に、エアセル2をベッドフレームに固定したりエアセル2同士を接続したりするためのホック24が取り付けられている。また、セル20の底部(エアマットレスにおいて床側となる領域)には、エアセル2内にエアを注入するための注入口25が設けられている。
エアセル2のサイズは、エアマットレスを使用するベッドフレームに適合させることができれば特に限定されない。また、使用者の体形や体格、使用時におけるエアセル2の内圧等を考慮してエアセル2のサイズを決定しても良い。一例として、介護用ベッドにおいては、ベッドフレームの短手方向の長さが850mm又は950mmのものが一般的であるので、これに適合するように、エアセル2にエアが封入されている状態で、エアセル2の短手方向における幅W2を60〜80mm程度、厚さH2を80〜130mm程度にしても良い。
接続部材21は、ウレタン等の可撓性を有するシート材により形成されている。なお、セル20を形成する材料と、接続部材21を形成する材料とは、同じ材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。
接続部材21は、エアセル2にエアが封入されていない状態では、セル20の対向する側壁20a、20bと略平行になるように配置されている(図1参照)。そのため、エアセル2にエアを封入し、エアマットレスの一部として配置した状態では、接続部材21は縦方向に立つような姿勢となる(図4参照)。
接続部材21は、セル20の対向する2つの側壁20a、20bに対し、主面の複数箇所において、溶着により接合されている。一方の側壁20aと接続部材21との溶着部(接合部)22aと、他方の側壁20bと接続部材21との溶着部(接合部)22bとは、互いの正面において面することがないように配置されている。
詳細には、エアセル2にエアを封入せずに、接続部材21を平面状に配置した場合に(図1参照)、一方の側壁20aにおいては複数の溶着部22aがエアセル2の長手方向に沿って2段に並べられていると共に、1段目の溶着部22aと、2段目の溶着部22bとが互い違いに配置されている。また、他方の側壁20bにおいても、複数の溶着部22bがエアセル2の長手方向に沿って2段に並べられていると共に、1段目の溶着部22bと、2段目の溶着部22bとが互い違いに配置されている。そして、2つの側壁20a、20bの間では、側壁20aの1段目の溶着部22aと側壁20bの一段目の溶着部22bとが互い違いに配置されていると共に、側壁20aの2段目の溶着部22aと側壁20bの2段目の溶着部22bとが互い違いに配置されている。
また、各溶着部22a、22bの形状は、各側壁20a、20bにおいて2段の配置が可能となるように円形状となっている。なお、溶着部22a、22bの形状は、2段の配置が可能であれば円形状に限定されず、例えば、楕円形、正方形、長方形、その他の多角形等の形状であっても良い。
溶着部22a、22bの配置としては、図1に示すようにエアを封入していない状態で、一方の側壁(例えば側壁20a)において、一方の段で隣接する2つの溶着部22aと、他方の段でこれらの2つの溶着部22aの両方に近接する1つの溶着部22aとが二等辺三角形を形成するように決定することが好ましい。また、一方の段で隣接する2つの溶着部22a間の距離d1が、これらの溶着部22aの各々と他方の段の近接する溶着部22aとの間の距離d2、d3よりも長い二等辺三角形となるように、配置を決定すると、より好ましい。このように、扁平な二等辺三角形となるように溶着部22a、22bを配置することにより、エアセル2への荷重に対してより形状を保持し易い構造を形成することが可能となる。隣接する2つの溶着部22a間の距離d1は、エアを封入していない状態での側壁20aの短手方向の長さの1/2〜3/4程度にすることが好ましい。
エアセル2にエアを封入すると、セル20全体は膨張するが、側壁20a、20bのうち溶着部22a、22bは接続部材21に引き寄せられ、セル20の長手方向の長さは、エアを封入していない状態よりも縮んだ状態となる。そして、セル20の支持面に、膨張した凸部26と、溝状にくびれた凹部(皺)27とが形成され、全体として蛇腹のような凹凸(プリーツ)が生じる(図2参照)。この凹凸により、使用者の身体を包み込むように広い面積で支持することができるので、身体の各部、特に骨突出部に対する接触圧を低減させ、床ずれを防止することが可能となる。
溶着部22a、22bの数は特に限定されず、エアセル2のサイズや、エアを封入した際に形成される凹凸のサイズや大きさに応じて適宜決定すれば良い。例えば、溶着部22a、22bの数を増やした場合、エアセル2の上面には比較的細かい凹凸が数多く形成される。他方、溶着部22a、22bの数を減らした場合、エアセル1の上面には比較的大きな凹凸が形成される。
上述したように、エアセル2にエアを封入すると、接続部材21により側壁20a、20b同士が引き寄せられてエアセル2が蛇腹状に膨張し、エアセルの支持面に凹凸が形成される。このようなエアセル2に使用者の身体を乗せると、凸部26及び凹部27によって包み込まれるように身体が支持される。つまり、一般的な筒状のエアセルのように平面で身体を支持するのではなく、エアセル2に生じた凹凸によりエアセル2のシート材が身体に緩く追従し(所謂ルーズフィット)、使用者の身体を広い面積で支持することができる。従って、身体の各部に対する接触圧を低減させ、床ずれを防止することが可能となる。特に、局所的に突出する骨突出部についても、凹部27によって包み込むように個別に支持することができる。
また、エアセル2の上段(図3A参照)と下段(図3B参照)とでは、側壁20a側の溶着部22aの位置と、側壁20b側の溶着部22bの位置とがずれているため、側方に膨張する凸部28の位置も、上段と下段とでずれてくる。つまり、上段と下段では、側壁20a側と側壁20b側とが交互に膨らみ、蛇腹の向きが逆になる(図3B、図4参照)。それにより、エアセル2に、上方からの荷重に対して形状を保持し易い3次元的な構造が形成される。従って、エアセル2に使用者の身体が乗せられても、身体の過度な沈み込みを抑制することができる。そのため、エアセル2に身体を乗せた場合、凹部27によって骨突出部を包むように支持しつつ、骨突出部の周囲をエアセル2で保持して、骨突出部に集中しがちな支持面からの圧力を骨突出部の周辺に分散させることが可能となる。
さらに、エアセル2への身体の沈み込みを抑制することにより、エアセル2の厚みを過度に厚くすることなく、底付きを防ぐことができる。加えて、エアセル2への身体の沈み込みを抑制することにより、エアセル2の支持面に凹部27が十分に残っている状態を維持し、支持面における張力の増加を抑制することができる。従って、骨突出部等における局所的なハンモック現象を防ぐことが可能となる。
なお、上記第1の実施形態においては、接続部材21をセル20の側壁20a、20bに溶着することとしたが、接続部材21を側壁20a、20bに接合する手段は溶着に限定されない。エアセル2にエアを封入し、エアセル2に荷重がかかった場合の変形に耐える強度を得ることができれば、例えば、接着剤や縫製等の手段を用いても良い。また、溶着方法についても特に限定されず、熱板溶着、高周波溶着など、公知の方法を用いることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るエアセルの外観を示す正面図である。図6は、同エアセルの底面図である。図7A及び図7Bは、同エアセルのC−C拡大断面図である。このうち、図5は、エアセルにエアが封入されていない状態を示し、図6〜図7Bは、エアセルにエアが封入されている状態を示す。
図5〜図7Bに示すように、本実施形態に係るエアセル3は、上記第1の実施形態に係るエアセル2の底部(エアマットレスの床側となる領域)に対し、第2及び第3のセル(ベースセル31、32)を長手方向に沿って設けたものである。
ベースセル31、32は、ウレタン等の可撓性を有するシート材からなる1つの袋体30により一体的に形成されている。袋体30の短手方向の略中央部には、長手方向に沿って溶着部33が形成されている(図6参照)。溶着部33は、袋体30の対向するシート材を接続している(図7A参照)。これにより、袋体30が2つのベースセル31、32に分離される。また、袋体30は、溶着部33の少なくとも一部においてセル20の底部と接続されている。袋体30とセル20の底部とを接続する箇所は特に限定されず、例えば、溶着部33の両端のみであっても良いし、溶着部33の全体であっても良い。或いは、袋体30とセル20の底部とを、ホックやボタン等により複数箇所で接続しても良い。
また、袋体30には、袋体30にエアを注入するための注入口34が設けられている。袋体30は、セル20との間でのエアの流通が遮断されており、注入口34からエアを封入することにより、ベースセル31、32が筒状に膨張する。
袋体30の長手方向の両端と溶着部33との間、及び2つの溶着部33の間には、ギャップ領域35が設けられている。このギャップ領域35により、2つのベースセル31、32の間においてエアの流通が可能となる。従って、袋体30にエアを供給したり、エアセル2を押圧したりした場合であっても、各ベースセル31、32における内圧はほぼ均等となり、ベースセル31、32の径も概ね同じ状態が維持される。
なお、図6においては、袋体30の長手方向に沿って、溶着部33を2箇所に分けて形成しているが、溶着部33の数はこれに限定されない。例えば、袋体30の長手方向に沿って溶着部33を一体的に形成しても良い。或いは、溶着部33をさらに細かく(例えば、4〜5箇所に)分けても良い。ここで、セル20にエアを封入すると、側壁20a、20bが部分的に側方に膨らむため、底部が蛇行しているような状態になる。そのため、特に溶着部33全体で袋体30をセル20の底部に接続する場合には、溶着部33を複数箇所に分け、セル20と袋体30とが溶着されていない「遊び」を設けることが好ましい。それにより、袋体30を真っ直ぐな状態に維持し、セル20を安定的に保持することができるからである。
エアセル3のサイズは、エアマットレスを使用するベッドフレームに適合させることができれば特に限定されない。また、使用者の体形や体格、使用時におけるエアセル3の内圧等を考慮してエアセル3のサイズを決定しても良い。一例として、エアセル3(セル20及びベースセル31、32)にエアが封入されている状態で、厚さH3を110〜160mm程度、ベースセル31、32の径φを30〜50mm程度にしても良い(図7A参照)。好ましくは、ベースセル31、32の径φを、セル20の幅W2の1/3〜1/2程度にすると良い。
図7Aに示すように、エアセル3に荷重がかかっていない状態では、ベースセル31、32は概ね円筒状に膨らんでいる。セル20と袋体30とは、溶着部33の少なくとも一部において、幅広い面ではなく概ね線状に接続されているため、エアセル3に荷重がかかっていないとき、セル20に対して各ベースセル31、32は、溶着部33を軸として可動な状態となっている。
これに対し、図7Bに示すように、エアセル3に荷重がかかると、セル20と各ベースセル31、32とが面状に接するようになる。セル20は、ベースセル31、32の各々がセル20と接触する2つの面を介して、2つのベースセル31、32により支持される。
図8は、エアセル3における体圧分散の原理を説明するための模式図である。エアセル3によりエアマットレスを構成する場合、ベッドフレーム上にエアセル3を並設し、各エアセル3のセル20及びベースセル31、32にエアを封入する。図8に示すように、エアセル3に荷重をかけると、2つのベースセル31、32によって1つのセル20を支持するトラス構造が形成される。
セル20の内部は、使用者の身体への接触圧を低減するため、身体がセル20に多少沈む程度の圧力に維持される。これに対し、ベースセル31、32の内圧は、ほぼいっぱいにエアが充填された状態に維持される。このように、セル20とは別に、ベースセル31、32の内圧を所定圧に維持することにより、セル20に対して局所的な圧力がかかった場合であっても、エアセル3全体として底付きを防止することができる。
また、使用者がエアセル3に身体を乗せると、身体が直接接触するセル20に荷重P1がかかる。このとき、荷重P1によりセル20の形状が歪むと、通常であれば身体が最も沈み込んだ部分(先端)に局所的な接触圧がかかることとになる。しかしながら、本実施形態においては、2つのベースセル31、32によって1つのセル20を支持するトラス構造が形成されているので、荷重P1が2つのベースセル31、32の方向(矢印P2、P3参照)に分散される。言い換えると、ベースセル31、32から受ける反力により沈み込んだ身体が広く支持されることになり、身体の局所への接触圧が低減する。それにより、床ずれ防止効果を高めることができる。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態において説明したハンモック現象の防止効果に加え、トラス構造による体圧分散効果も得ることができ、床ずれ防止効果を向上させることが可能となる。さらには、セル20とベースセル31、32との間においてエアの流通が遮断されているので、エアセル3全体として底付きを防止することができる。
上述した本発明の第1及び第2の実施形態に係るエアセルをベッドフレーム上に並設することにより、エアマットレスを構成することができる。エアマットレスを構成する際には、第1及び第2の実施形態に係るエアセルのいずれかを使用しても良いし、第1及び第2の実施形態に係るエアセルを適宜組み合わせて使用しても良い。或いは、第1及び第2の実施形態に係るエアセルに加え、他の種類のエアセルを組み合わせてエアマットレスを構成しても良い。例えば、使用者の体重が集中し易い腰部辺りの領域(ベッドフレームの概ね中央付近)に、本発明の第1及び第2の実施形態に係るエアセルのいずれかを並設し、それ以外の領域に、一般的な筒状のエアセルを並設しても良い。
第1及び第2の実施形態に係るエアセルは、個々のエアセルの構造により、骨突出部を包み込んで接触圧を低減させる効果、骨突出部の周辺をエアセルで保持することにより、集中しがちなエアセルから圧力を骨突出部の周囲に分散させる効果、エアセルへの身体の過度な沈み込みを抑制することによりハンモック現象を防ぐ効果等を発揮する。そのため、このようなエアセルを並設したエアマットレスにおいても、当然ながら上記効果を得ることができる。
以下においては、第1及び第2の実施形態に係るエアセルを用いてエアマットレスを構成した実施形態を説明する。
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。図9に示すエアマットレス6は、背上げ機能及び膝上げ機能を有するベッドボトムにも使用可能なエアマットレスである。
ここで、マットレスが載置されるベッドフレームの分野においては、ベッドボトムの頭側の領域を立ち上げる「背上げ機能」や、背上げした際の身体のずり下がりを防止するため、膝部分のベッドボトムを山型に立ち上げる「膝上げ機能」が設けられた機種がある。背上げ機能及び膝上げ機能を有するベッドボトムは、一般に、頭側から、背ボトム(第1のボトム)と、該背ボトムに隣接して配置された腰ボトム(第2のボトム)と、該腰ボトムに隣接して配置された脚ボトム(第3のボトム)との少なくとも3つのボトムを備えている。背ボトムは、腰ボトムとの境界を軸として頭側の端部を立ち上げることができる。また、腰ボトム及び脚ボトムは、両者の境界(概ね膝が乗る部分)を山として立ち上げることができる。以下に説明するエアマットレスのうち、概ね背ボトム上に配置される領域のことを背ボトム領域(第1の領域)、概ね腰ボトム上に配置される領域のことを腰ボトム領域(第2の領域)、概ね脚ボトム上に配置される領域のことを脚ボトム領域(第3の領域)という。
図9に示すように、ベッドボトム6a上のうち、背ボトム領域の頭側端部から概ね半分程度までの領域と、腰ボトム領域と脚ボトム領域との境界の両側と、脚ボトム領域の端部とには、複数のエアセル5が並設されている。そして、残る領域のうち、背ボトム領域及び腰ボトム領域側には、複数のエアセル2Aが並設され、脚ボトム領域側には、複数のエアセル2Bが並設されている。エアセル2A、2Bの構造は、上記第1の実施形態に係るエアセル2(図1〜図4参照)と同様であり、単に、並設されている領域が異なっているだけである。
図10は、エアセル5を示す断面図である。図10に示すように、エアセル5は、全体として1つの袋体51からなる一般的な1気室のエアセルである。エアセル5のサイズは、並設される他のエアセル2A、2Bと整合可能なサイズであれば特に限定されない。袋体51の内周面には、エアマットレスの床面と略平行な向きとなるように架け渡された膜状部材(所謂、吊り)52が設けられている。膜状部材52は、袋体51の厚みの略半分の位置に溶着され、内周面のうち互いに対向する領域をつないでいる。このような膜状部材52を設けることにより、エアセル5に圧力がかかった場合であっても、エアセル5が横方向に膨らむのを防ぎ、エアセル5の厚さ方向における圧縮量を抑制することができる。
エアマットレス6には、4つのエア供給系統が設けられている。即ち、所定の内圧となるまでエアを供給した後はエアの吸排気を遮断して内圧を変化させない静止系統、及び、エアの内圧を所定の周期で順に変化させる第1〜第3系統である。並設されたエアセルのうち、全てのエアセル5と脚ボトム領域のエアセル2Bは静止系統に接続され、背ボトム領域及び腰ボトム領域のエアセル2Aは、第1系統〜第3系統に順に接続されている。
このように、使用者の背部や腰部、臀部などの所謂躯幹部が乗せられ、大きな荷重がかかる領域にエアセル2Aを配置することにより、身体の過度な沈み込みを防ぐことができる。また、エアセル2Aが膨張した状態であっても、シートの蛇腹で包み込むように広い面積で身体を支持することができると共に、エアセル2Bが収縮した状態であっても、同様に身体を支持しつつ、沈み込みによるハンモック現象を防ぐことができる。
また、脚部にエアセル2Bを配置することにより、踵や踝など、様々な向きに突出する骨突出部を、シートの蛇腹で包み込むように支持することができる。
ここで、一般的な圧切替型のエアマットレスにおいては、全てのエアセルの内圧を周期的に切り替える機種が多い。この場合、使用者の頭部も周期的に動かされることになり、船酔いに似た状態になることがある。それに対し、本実施形態においては、頭部が乗せられる領域に配置されたエアセル5を静止系統に接続している。それにより、使用者が船酔い状態になるのを防ぐことができる。このように、静止型と圧切替型を組み合わせることにより、床ずれ予防だけでなく、使用者にとっても気持ちよく安心して使用できるエアマットレスを実現することが可能となる。
(第4の実施形態)
図11Aは、本発明の第4の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図であり、図11Bは、同マットレスの側面図である。図11A及び図11Bに示すエアマットレス8も、第3の実施形態と同様、背上げ機能及び膝上げ機能を有するベッドボトムにも使用可能なエアマットレスである。
ベッドボトム8a上のうち、背ボトム領域の頭側端部から概ね半分程度までの領域には、エアセル5が並設されている。背ボトム領域と腰ボトム領域との境界近傍の背ボトム側の領域と、腰ボトム領域と脚ボトム領域との境界の両側には、アンカーセルとしてエアセル5Aが並設されている。そして、残る領域のうち、背ボトム領域及び腰ボトム領域側にはエアセル3Aが並設され、脚ボトム領域側にはエアセル3Bが並設されている。
エアセル3A、3Bの構造は、上記第2の実施形態に係るエアセル3(図5〜図7B参照)と概ね同様であるが、エアセル3Aの方は、セル20と袋体30(ベースセル31、32)との間でエアの流通が遮断されており、エアセル3Bの方は、セル20と袋体30との間でエアが流通可能であるという点が異なっている。エアセル5、5Aの構造(図10参照)は互いに同様であり、単に、並設されている領域が異なっているだけである。
エアマットレス8には、5つのエア供給系統が設けられている。即ち、所定の内圧となるまでエアを供給した後はエアの吸排気を遮断して内圧を変化させない静止系統及びアンカー・ボトム静止系統と、エアの内圧を所定の周期で順に変化させる第1〜第3系統である。このうち、静止系統とアンカー・ボトム静止系統との間では、内圧の設定値が異なっており、静止系統よりもアンカー・ボトム静止系統の方が内圧が高くなるように設定されている。
エアセル5及びエアセル3Bは静止系統に接続されている。静止系統の内圧は比較的低圧にしても良く、エアセル5及びエアセル3Bにおいて、使用者の身体をある程度沈ませて支持しても良い。頭部のエアセルを静止系統に接続することにより、船酔い状態になるのを防ぐことができる。また、膝より下の脚部においては、蛇腹状に膨張したセル20によって、身体を包み込むように広い面積で保持することができる。
主に使用者の躯幹部が乗せられる領域に配置されたエアセル3Aのうちセル20の部分は、第1系統〜第3系統に順に接続されている。これにより、蛇腹状に膨張したセル20によって、包み込むように広い面積で身体を支持しつつ、セル20を膨収させることにより、床ずれ防止効果を発揮することができる。また、セル20及び接続部材21からなるエアセル2(図7A参照)自体が、荷重に対して自身の形状を維持する構造を有しているので、エアセル3Aに局所的に大きな荷重がかかった場合であっても、極端な沈み込みを抑制し、ハンモック現象を防ぐことができる。また、身体の沈み込みを抑制することから、介助者による体位変換の負担を軽減できるという効果も得られる。
エアセル3Aのうち袋体30の部分、及び、互いに隣接するボトム領域の境界近傍に配置されたエアセル5Aは、アンカー・ボトム静止系統に接続されている。エアセル3Aにおいては、袋体30に十分な内圧のエアを充填することにより、底付きを防止すると共に、トラス構造(図8参照)による体圧分散効果を得ることができる。また、背ボトム領域のエアセル5Aは背上げした際に谷になる領域に配置され、腰ボトム領域と脚ボトム領域との境界近傍のエアセル5Aは膝上げした際に山になる領域に配置されていることから、これらのエアセル5Aに十分な内圧のエアを充填することにより、使用者の姿勢を保持し、位置ずれ(前ずれ)を抑制する効果を得ることができる。なお、使用者の姿勢を保持し、位置ずれを抑制するために配置されるエアセルは、アンカーセルとも呼ばれる。
(変形例)
さらなる変形例として、上記第1若しくは第2の実施形態に係るエアセル又はこれらの変形例に係るエアセルを用いてオーバーレイのエアマットレスを構成しても良い。オーバーレイのエアマットレスとは、標準マットレス上に重ねて使用されるエアマットレスのことである。具体的には、上記第1若しくは第2の実施形態に係るエアセル又はこれらの変形例に係るエアセルを、エアマットレスの長手方向と直交する向きとなるように並設する。
ここで、JIS規格(JIS9254:2009)においては、安全性(ベッドからの転落防止)の観点から、マットレスの上面からサイドレール又はベッド用グリップの一番高い箇所までの高さが規定されている。現在普及している介護ベッドにおいて、この規格に適合させるためには、一般に、標準マットレスとオーバーレイのマットレスの厚みの合計を16cm以下にすると良いと言われている。一般的な標準マットレスの厚さは7.5〜8cmであるので、オーバーレイ式のエアマットレスを構成する場合、上記第1若しくは第2の実施形態に係るエアセル又はこれらの変形例に係るエアセルの厚さを8cm以下にすれば良い。
一つの変形例として、第1の実施形態に係るエアセル2に対し、溶着部を上下2段ではなく、1段に減らしたエアセル(以下、本変形例に係るエアセル)を用いても良い。溶着部を1段にした場合であっても、エアセルの厚さを8cm以下にすることにより、エアセルの過度な沈み込みを抑制し、ハンモック現象を防ぐことができると共に、広い面積で骨突出部を含む使用者の身体を支持し、接触圧を低減することが可能となる。
ここで、一般的なオーバーレイのエアマットレス(即ち、単純な円筒状のエアセルを並設したエアマットレス)においては、内圧を低圧に保持するため、エアマットレスに使用者の身体が沈み込んでしまい、介助者による体位変換が困難という問題があった。これに対し、本実施形態に係るエアマットレスにおいては、上記第1若しくは第2の実施形態に係るエアセル又はこれらの変形例に係るエアセルそのものが過度な沈み込みを抑制し、形状をある程度保持する構造を有しているため、介助者による体位変換が容易になり、介助者の負担を軽減するという効果も得られる。
第1及び第2の実施形態に係るエアセルを並設したエアマットレスにおけるさらなる効果として、自動体位変換サポート機能を有するベッドフレームでの使用に適していることが挙げられる。自動体位変換サポート機能とは、ベッドボトムがその長手方向に沿って2つ以上に分割されており、分割されたベッドボトムの一部がベッドボトムの長手方向に沿って立ち上がることにより、使用者の体位変換を補助する機能のことである。
ここで、一般的な筒状のエアセルは、エアセルの長手方向において折り曲げると、反発力により、元の真っ直ぐな状態に戻り易い。そのため、一般的な筒状のエアセルをベッドフレームの短手方向と平行に並設したエアマットレスを、自動体位変換サポート機能付きのベッドフレームに使用すると、当該機能を使用した際に、エアマットレスがベッドボトムの動きに追従できず、エアマットレスが浮いたりベッドボトムからずれたりしてしまう。そのため、従来は、自動体位変換サポート機能付きのベッドフレームにエアマットレスを使用することができなかった。
これに対し、第1及び第2の実施形態に係るエアセルは、長手方向における曲げに柔軟に追従することができる。これは、第1及び第2の実施形態に係るエアセルにおいては、支持面及びその反対側の面に蛇腹状の皺が形成されているからである。つまり、エアセルを一方の面(例えば支持面)の方に折り曲げると、当該面においては皺が縮み、反対側の面においては皺が伸びるため、折り曲げた状態を容易に維持することができる。従って、第1及び第2の実施形態に係るエアセルをベッドボトムの短手方向に並設したエアマットレスを、自動体位変換サポート機能付きのベッドフレームに使用した場合、当該機能を使用した際にも、エアマットレスがベッドボトムの動きに柔軟に対応し、浮きやずれを生じさせることなく、快適且つ安全にエアマットレスを使用することが可能となる。
以上説明した本発明は、上記第1〜第4の実施形態に限定されるものではなく、上記第1〜第4の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上記第1〜第4の実施形態に示した全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、上記第1〜第4の実施形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
2、2A、2B、3、3A、3B、5、5A エアセル
6、8 エアマットレス
6a、8a ベッドボトム
20 セル
20a、20b 側壁
21 接続部材
22a、22b、33 溶着部
23 閉じ部
24 ホック
25、34 注入口
26、28 凸部
27 凹部
30 袋体
31、32 ベースセル
35 ギャップ領域
51 袋体
52 膜状部材

Claims (7)

  1. エアマットレスにおいて並設されて使用されるエアセルであって、
    可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセルと、
    可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記セルの内部から複数箇所において接続すると共に、前記エアマットレスに並設された状態で当該エアセルに荷重がかかる方向における当該エアセルの沈み込みを抑制する接続部材であって、前記第1及び第2の側壁の各々に対して複数の接合部において接合された接続部材と、
    を備え、
    前記複数の接合部のうち、前記第1の側壁に設けられた第1群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第1群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記複数の接合部のうち、前記第2の側壁に設けられた第2群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第2群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記第1群の接合部の前記第1段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第1段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記第1群の接合部の前記第2段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第2段目の接合部とは、互い違いに配置される、エアセル。
  2. 前記接続部材はシート状をなし、前記複数の接合部は、前記接続部材の主面に設けられている、請求項1に記載のエアセル。
  3. 可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより各々が筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、前記膨張するセルの外周面のうち、前記エアマットレスにおいて床側となる領域に、前記膨張するセルの長手方向と平行になるように取り付けられた第2及び第3のセルをさらに備える請求項1又は2に記載のエアセル。
  4. 少なくとも請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアセルを含む複数のエアセルが並設されたエアマットレス。
  5. 背上げ機能及び膝上げ機能が設けられ、背上げ可能な第1のボトムと、該第1のボトムに隣接して配置された第2のボトムと、第2のボトムに隣接して配置され、該第2のボトムと共に膝上げ可能な第3のボトムとを備えるベッドボトムに配置して使用されるエアマットレスであって、
    可撓性を有するシート材により形成され、互いに対向する第1及び第2の側壁を有し、内部にエアを封入することにより膨張するセルと、可撓性を有する材料により形成され、前記第1及び第2の側壁を前記セルの内部から複数箇所において接続すると共に、前記エアマットレスに並設された状態で当該エアセルに荷重がかかる方向における当該エアセルの沈み込みを抑制する接続部材であって、前記第1及び第2の側壁の各々に対して複数の接合部において接合された接続部材と、を有し、前記エアマットレスの長手方向と直交する向きに並設された複数の第1のエアセルと、
    可撓性を有するシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張し、前記エアマットレスの長手方向と直交する向きに並設された複数の第2のエアセルと、
    を備え、
    前記複数の接合部のうち、前記第1の側壁に設けられた第1群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第1群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記複数の接合部のうち、前記第2の側壁に設けられた第2群の接合部は、前記セルの長手方向に沿って2段に並べて設けられ、該第2群の接合部のうち第1段目の接合部と第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記第1群の接合部の前記第1段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第1段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記第1群の接合部の前記第2段目の接合部と、前記第2群の接合部の前記第2段目の接合部とは、互い違いに配置され、
    前記第1のボトムと前記第2のボトムとの境界の前記第1のボトム側の領域である第1の領域に少なくとも1つの前記2のエアセルが配置され、
    前記第2のボトムと前記第3のボトムとの境界の両側の領域である第2の領域に少なくとも1つずつの前記第2のエアセルが並設され、
    少なくとも前記第1の領域と前記第2の領域との間に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されている、エアマットレス。
  6. 前記第2の領域よりも前記第3のボトムの端部側の領域に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されている、請求項5に記載のエアマットレス。
  7. 前記第1の領域よりも前記第1のボトムの端部側の領域であって、少なくとも前記第1のボトムの端部を除く領域に、2つ以上の前記第1のエアセルが並設されている、請求項5又は6に記載のエアマットレス。

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