JP2008289630A - 床擦れ防止ベッド - Google Patents

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Tokitaka Hirakawa
隆孝 平川
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【課題】 圧接点の変更時の揺れや振動を抑制して就寝時に安眠できるようにした床擦れ防止ベッドを提供する。
【解決手段】 空気の送排気で膨縮できる複数のエアチューブ2aをベッドの長手方向に列設し、2本おきのエアチューブ2a間の上面位置にエアチューブ2aより大径の圧接ロール3をエアチューブ2aと同方向に列置し、奇数列と偶数列のエアチューブ2aの空気の送排気を独立して行うエアコンプレッサ6を設け、各エアチューブ2aの膨縮で圧接ロール3を左右へ移動させて圧接点を変更できるようにする。エアコンプレッサ6は、奇数列と偶数列のエアチューブ2aの空気の送排気が逆となるように設定した時間おきにタイマで自動的に切り替えて作動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、身障者や寝たきり患者の床擦れを防止するベッドに関する。
従来のベッドとしては、内部にスプリングやウレタンフォームを組み込んでクッション性を均一に付与した平坦なマットレスを備えたものが主流である。このようなマットレスは、お年寄りや身障者,患者など自身で寝返りが困難な人が長時間に渡って使用していると、身体の血行を阻害して床擦れを生じさせる恐れがあった。
そこで、出願人は特許文献1で開示されている床擦れ防止ベッドを開発した。この技術は、ベッドフレームに複数の圧接ロールを列設して回転自在に軸支した構造で、圧接ロール上で身体を動かして圧接点を変えることで床擦れを防止できるようにしたことを特徴としている。
しかし、前記技術では身体を積極的に動かす必要があるから、介護者の介護が必要で負担が大きかった。また、圧接ロールを設定した時間おきに自動的に正逆回転させて身体を左右へ移動させ、介護者の負担を軽減できるようにした技術も開示されているが、就寝時では身体の移動に伴う揺れや振動で安眠を邪魔することがあった。
特開2004−254984号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、圧接点の変更時の揺れや振動を抑制して就寝時に安眠できるようにした床擦れ防止ベッドを提供することにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 空気の送排気で膨縮できる複数のエアチューブをベッドの長手方向に列設し、1本おきのエアチューブ間の上面位置にエアチューブより大径の圧接ロールをエアチューブと同方向に列置し、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気を独立して行う空気送排気手段を設け、各エアチューブの膨縮で圧接ロールを左右へ移動させて圧接点を変更できるようにした、床擦れ防止ベッド
2) エアチューブと圧接ロールの途中位置を縮径して中折れできるようにした、前記1)記載の床擦れ防止ベッド
3) 隣接する圧接ロール同士を紐材で連結した、前記1)又は2)記載の床擦れ防止ベッド
4) 空気送排気手段が、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気が逆となるように設定した時間おきに自動的に切り替えて作動させるようにしたものである、前記1)〜3)いずれか記載の床擦れ防止ベッド
にある。
本発明では、空気送排気手段を奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気が逆となるように作動させると、膨張したエアチューブと収縮したエアチューブが交互に並んだ状態となり、圧接ロールが収縮したエアチューブ側へ自重で移動する。その後、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気を前記とは逆に行うと、膨張していたエアチューブが収縮するとともに収縮していたエアチューブが膨張し、圧接ロールが膨張により押し上げられた後に収縮した隣のエアチューブ側へ自重で移動する。
このように、エアチューブの膨縮による圧接ロールの移動で身体が定位置のまま圧接点が左右に変わるから、圧接点の変更時は身体の揺れがほとんどなく、また身体の移動も不要で、就寝時に安眠できるようになる。
本発明では、エアチューブと圧接ロールの途中位置を縮径すると、エアチューブの膨張時でも身体の上半身を起こすために中折れできるようになる。隣接する圧接ロール同士を紐材で連結すると、全ての圧接ロールの動きを連動させて左右へ確実に移動できるようになる。空気送排気手段として、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気が逆となるように設定した時間おきに自動的に切り替えて作動できるものを用いると、介護者の負担を軽減できる。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は実施例の床擦れ防止ベッドの平面図、図2は実施例のエアマットの平面図、図3は実施例の床擦れ防止ベッドの断面図、図4は実施例のエアコンプレッサの説明図、図5は実施例の床擦れ防止ベッドの使用状態を示す説明図、図6は実施例の床擦れ防止ベッドの中折れを示す側面図、図7は実施例のタイマによるエアコンプレッサの作動を示すチャートである。
図中、1は床擦れ防止ベッド、2はエアマット、2aはエアチューブ、2bはバルブ、2cは固定ロール、2dは溶着部、2eは縮径部、3は圧接ロール、3aは縮径部、5は紐材、6はエアコンプレッサ(空気送排気手段)、6aはポンプ、6bは切替バルブ、6cはコントローラ、6dはCPU、6eはRAM、6fはROM、6gはタイマ、6hはインターフェイス、7は空気管、Bは介護用モーターベッド、Hは使用者、Mはマットレス、Maは敷布団である。
エアマット2は、図2に示すように長さ2.0m、幅1.0mの閉じた熱可塑性のシート状袋体を12本の長尺のエアチューブ2aが形成されるように表裏を溶着し、奇数列と偶数列のエアチューブ2aの内部空間を独立させるとともに各列のエアチューブ2a同士を連通した構造にしている。膨張時のエアチューブ2aの外径は高さ方向が3.5cm、幅方向が4.5cmで、エアチューブ2aの中心軸間距離は7cmである。奇数列と偶数列のそれぞれいずれか1本のエアチューブ2aにはエアコンプレッサ6の空気管7を脱着自在に接続するバルブ2bを設けている。エアマット2の左右端には固定ロール2cを設け、使用者Hが落ちないようにしている。エアチューブ2aと固定ロール2cの途中位置は3箇所縮径して中折れできるようにしている。
圧接ロール3は、図1に示すように圧縮した綿を布袋で密封した円柱状の長尺な弾性体で、2本おきのエアチューブ2aの上面位置にそれぞれ列置している。圧接ロール3はエアチューブ2aの縮径部2eと同じ位置を紐等で緊締して縮径し、エアチューブ2aとともに中折れできるようにしている。圧接ロール3の外径は6.5cmである。隣接する圧接ロール3の縮径部3a同士は紐材5で連結し、左右への移動を連動できるようにしている。
エアコンプレッサ6は、図4に示すように圧縮空気を送るポンプ6aと、空気の送排気を切り替える切替バルブ6bと、ポンプ6aの作動と切替バルブ6bの切替えを制御するコントローラ6cとで構成されている。コントローラ6cは、CPU6d・RAM6e・ROM6f・タイマ6g・インターフイス6hとで構成され、ROM6f内に記録したプログラムで2体の切替バルブ6bを20分間隔で相対的に切り替えて自動運転できるようにしている。
本実施例では、圧接ロール3の上面位置に敷布団Maを敷いて使用する。エアコンプレッサ6を作動させて奇数列のエアチューブ2aに空気を送気すると、図5(a)に示すように奇数列(左側から1本目、3本目、5本目・・・)のエアチューブ2aが膨張し、偶数列(左側から2本目、4本目、6本目・・・)のエアチューブ2aは収縮したままとなる。圧接ロール3は奇数列のエアチューブ2aの膨張で押し上げられた後に収縮している偶数列のエアチューブ2a側へ自重で移動する。使用者Hが敷布団Ma上に仰向けに寝ると、敷布団Maは使用者Hの体重と圧接ロール3間の間隔により凹凸となり、使用者Hの背中は敷布団Maと部分的に接して圧接され、接していない部分は血行が維持される。
前記の状態が20分経過すると、エアコンプレッサ6は2体の切替バルブ6bをそれぞれ逆に切り替え、偶数列のエアチューブ2aに空気を3分間かけて送気するとともに、奇数列のエアチューブ2a内の空気が大気開放して排気され、図5(b)に示すように偶数列のエアチューブ2aが膨張するとともに奇数列のエアチューブ2aは収縮する。すると、偶数列のエアチューブ2a側に位置していた圧接ロール3が膨張で押し上げられた後に収縮した奇数列のエアチューブ2a側へ自重で移動し、圧接ロール3の移動で使用者Hはほぼ定位置のまま圧接点が横方向へ3.5cm変わる。
このように、奇数列と偶数列のエアチューブ2aの空気の送排気の切り替えによる膨縮で圧接ロール3が左右へ移動して圧接点が変わるから、血行を維持して床擦れが防止され、動けない身障者や寝たきり患者でも介護者の介護を受けることなく長時間同じ姿勢で寝ることができるようになった。しかも、身体が定位置のまま圧接点が変わるから、圧接点の変更時は身体の揺れがほとんどなく、身体の移動も不要であり、使用者Hは就寝時に安眠できるようになった。また、図6に示すようにエアチューブ2aと固定ロール2cと圧接ロール3の途中位置を縮径しているから、マットレスM(又はフレーム)を電動で中折れできる介護用モーターベッドBに配置して使用することができる。
本発明の床擦れ防止ベッドは、自身で寝返りが困難な身障者や寝たきり患者に有用である。
実施例の床擦れ防止ベッドの平面図である。 実施例のエアマットの平面図である。 実施例の床擦れ防止ベッドの断面図である。 実施例のエアコンプレッサの説明図である。 実施例の床擦れ防止ベッドの使用状態を示す説明図である。 実施例の床擦れ防止ベッドの中折れを示す側面図である。 実施例のタイマによるエアコンプレッサの作動を示すチャートである。
符号の説明
1 床擦れ防止ベッド
2 エアマット
2a エアチューブ
2b バルブ
2c 固定ロール
2d 溶着部
2e 縮径部
3 圧接ロール
3a 縮径部
5 紐材
6 エアコンプレッサ(空気送排気手段)
6a ポンプ
6b 切替バルブ
6c コントローラ
6d CPU
6e RAM
6f ROM
6g タイマ
6h インターフェイス
7 空気管
B 介護用モーターベッド
H 使用者
M マットレス
Ma 敷布団

Claims (4)

  1. 空気の送排気で膨縮できる複数のエアチューブをベッドの長手方向に列設し、2本おきのエアチューブ間の上面位置にエアチューブより大径の圧接ロールをエアチューブと同方向に列置し、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気を独立して行う空気送排気手段を設け、各エアチューブの膨縮で圧接ロールを左右へ移動させて圧接点を変更できるようにした、床擦れ防止ベッド。
  2. エアチューブと圧接ロールの途中位置を縮径して中折れできるようにした、請求項1記載の床擦れ防止ベッド。
  3. 隣接する圧接ロール同士を紐材で連結した、請求項1又は2記載の床擦れ防止ベッド。
  4. 空気送排気手段が、奇数列と偶数列のエアチューブの空気の送排気が逆となるように設定した時間おきに自動的に切り替えて作動させるようにしたものである、請求項1〜3いずれか記載の床擦れ防止ベッド。
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