JP6400867B1 - エアマットレス - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者の体位や体形に応じて様々な部位に発症し得る床ずれを防止し、又は抑制することができるエアマットレス等を提供する。【解決手段】エアマットレスは、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第1のセルと、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて上面側となる領域に、第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けられた第2及び第3のセルと、を有する積層エアセルを含む複数のエアセルを備え、複数の積層エアセルが、当該エアマットレスの少なくとも一部の領域に、該エアマットレスの長手方向と平行に並設されているものである。【選択図】図1

Description

本発明は、床ずれ(褥瘡)防止用のエアマットレス及びエアマットレスにおいて使用されるエアセルに関する。
従来、病気や怪我、老衰などにより、寝たきり又は身体を動かすことが困難な状態の人にとって、床ずれ(褥瘡)を防止することは非常に重要である。床ずれは、多くの場合、体重を受ける骨突出部等の局所の皮膚組織が圧迫され続けることにより虚血を起こすよって発生する、局所の皮膚圧迫潰瘍のことである。
床ずれ防止用のエアマットレスには、通常のマットレスの上に重ねて使用するタイプ(オーバーレイタイプとも呼ばれる)や、通常のマットレスと入れ替えて使用するタイプ(リプレイスメントタイプとも呼ばれる)がある。床ずれ防止用のエアマットレスにおいては、通常、各エアセル内の空気圧を、使用者の身体が沈み込む程度に低圧に維持することにより、身体への接触圧を低減し、床ずれ防止を図ることとしている。
床ずれ防止用のエアマットレスに関連する技術として、例えば特許文献1には、細長い袋状に成形されたエアセルにエアを封入し、ベッドの長手方向と直交する向きに複数本並設したエアマット装置が開示されている。また、特許文献2には、複数本の袋状のエアセルをベッドの長手方向に沿って並設したエアマット装置が開示されている。
また、マットレスが載置されるベッドフレームの分野においては、ベッドボトムの頭側の領域を立ち上げる「背上げ機能」や、背上げした際の身体のずり下がりを防止するため、膝部分のベッドボトムを山型に立ち上げる「膝上げ機能」が設けられた機種がある。なお、このような機種は、介護保険の適用のある「特殊寝台」に分類される。
特開2002−238706号公報 特開2002−126013号公報
床ずれは、主に体圧が集中する部位に発症する。例えば、使用者が仰臥位を取っている場合には、仙骨部に床ずれが発症し易い。これに対し、仰臥位から背上げを行い、背上げの角度が大きくなると尾骨部に床ずれが発症し易くなる。また、側臥位では、大転子部や外踝部などの骨突出部に床ずれが発症し易い。要介護高齢者のように、長期の療養によって拘縮やるい痩(脂肪の減少)が発生した患者の場合、床ずれの好発部位(骨突出部)はさらに多様になる。
しかしながら、従来のエアマットレスにおいては、使用者が主に仰臥位を取ることが前提とされており、使用者が仰臥位以外の体位を取った場合に発症し得る床ずれについては、あまり考慮されていない。具体的には、従来においては、エアマットレスの内圧を低圧に保持して躯幹部全体をエアマットレスに沈み込ませることにより、仰臥位を取ったときに圧迫される仙骨部への接触圧を低減している。ところが、低圧に保持されたエアマットレスにおいて使用者が例えば側臥位を取り、大転子や外踝部などの骨突出部がエアマットレスに直接乗せられると、骨突出部がエアセルに局所的に沈み込み、エアセル表面のシート部分で骨突出部を吊り下げている状態になってしまう。この状態は、ハンモック現象とも呼ばれる。ハンモック現象は当該骨突出部に体圧が集中している状態であるため、床ずれが発症するおそれがある。
また、従来、床ずれ防止の観点から、仰臥位で背上げをする場合に、身体の下方へのずれや仙骨部への圧迫を最小限にするために、背上げの角度を30度以下に制限することが推奨されている(参考:一般社団法人日本褥瘡学会ホームページ <http://www.jspu.org/jpn/journal/yougo3.html#30>)。これは、30度ルールとも呼ばれる。他方、近年では、急性期におけるリハビリテーションや、血圧などの体調管理、誤嚥防止といった観点から、30度に留まらず、積極的に背上げすることも推奨されている。
この点に関し、ベッドフレームについては、背上げの角度を30度以下に制限せず、積極的な背上げに対応する特殊寝台が存在する。しかしながら、エアマットレスについては、現在のところ、従来の30度ルールに対応する製品しか市販されていない。そのため、内圧を低圧に保持する従来のエアマットレスを使用して30度を超える背上げをした場合、上半身の体重が臀部に集中し、ハンモック現象により床ずれが生じてしまうおそれがある。これに加え、エアマットレスの表面がさらに沈み、エアマットレスの底に到達する、所謂底付きが発生するおそれもある。底付きは、使用者の身体がベッドフレームの硬い床面にエアマットレスの薄いシートを介して当たっている状態なので、床ずれ防止機能が喪失している状態となり、使用者の安全性の観点から好ましくない。
このように、従来のエアマットレスにおいては、使用者の体位や体形に応じて様々な部位に発症し得る床ずれを防止し、又は抑制することが困難であった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、使用者の体位や体形に応じて様々な部位に発症し得る床ずれを防止し、又は抑制することができるエアマットレス及びエアセルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様であるエアマットレスは、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第1のセルと、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、前記第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて上面側となる領域に、前記第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けられた第2及び第3のセルと、を有する積層エアセルを含む複数のエアセルを備え、複数の前記積層エアセルが、当該エアマットレスの少なくとも一部の領域に、該エアマットレスの長手方向と平行に並設されているものである。
上記エアマットレスにおいて、前記第2及び第3のセルは、該第2及び第3のセルの長手方向に沿って設けられた略線状の領域において前記第1のセルに取り付けられていても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記第2及び第3のセルは、前記シート材を袋状に成形した袋体により一体的に形成され、前記略線状の領域は、前記袋体の短手方向の略中央部に設けられ、前記略線状の領域において、前記袋体が前記第1のセルに接続されると共に、前記袋体が前記第2のセルをなす領域と前記第3のセルとなす領域とに分離されても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記袋体の少なくとも一部に、前記第2のセルと前記第3のセルとの間においてエアの流通を可能とするギャップ領域が設けられ、前記第2のセルと前記第3のセルとのいずれか一方に、前記第1のセルとの間におけるエアの流通口が設けられていても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記積層エアセルは、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第4及び第5のセルであって、前記第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて床側となる領域に、前記第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けれた第4及び第5のセルをさらに有し、前記第1〜第5のセルにエアが封入された際に、前記第4及び第5のセルによって前記第1、第2、及び第3のセルが支持されても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記第4及び第5のセルは、前記シート材を袋状に成形した第2の袋体により一体的に形成され、前記第2の袋体は、該第2の袋体の短手方向の略中央部に長手方向に沿って設けられた略線状の領域において前記第1のセルに接続されると共に、該略線状の領域において前記第4のセルをなす領域と前記第5のセルをなす領域とに分離されても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記第2の袋体の少なくとも一部に、前記第4のセルと前記第5のセルとの間においてエアの流通を可能とするギャップ領域が設けられ、前記第1のセルと前記第4及び第5のセルとの間において、エアの流通が遮断されていても良い。
上記エアマットレスにおいて、当該エアマットレスの長手方向の略中央部から頭部側に位置する第1の領域と、前記中央部から脚部側に位置する第2の領域との各々に、複数の前記積層エアセルが、前記エアマットレスの長手方向と平行に並設され、前記第1の領域及び前記第2の領域に前記エアマットレスの長手方向に並べられた2つの前記積層エアセルの間で、前記第1〜第3のセル内のエアが流通していても良い。
上記エアマットレスにおいて、当該エアマットレスの長手方向の略中央部から頭部側に位置する第1の領域と、前記中央部から脚部側に位置する第2の領域との各々に、複数の前記積層エアセルが、前記エアマットレスの長手方向と平行に並設され、前記第1及び第2の領域の各々に並設された複数の前記積層エアセルの間で、前記第4及び第5のエアセル内のエアが流通していても良い。
上記エアマットレスにおいて、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域に、複数の前記積層エアセルが、前記エアマットレスの短手方向と平行に並設されていても良い。
上記エアマットレスにおいて、当該エアマットレスの側方の端部領域に、複数の前記積層エアセルが当該エアマットレスの長手方向と平行に並設され、前記端部領域に並設された複数の前記積層エアセルの間でエアが流通していても良い。
本発明の別の態様であるエアセルは、可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第1のセルと、撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、前記第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて上面側となる領域に、前記第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けられた第2及び第3のセルと、を備え、前記第2及び第3のセルは、前記シート材を袋状に成形した袋体により一体的に形成され、前記袋体は、該袋体の短手方向の略中央部に長手方向に沿って設けられた略線状の領域において前記第1のセルに接続されると共に、該略線状の領域において前記第2のセルをなす領域と前記第2のセルをなす領域とに分離されるものである。
本発明によれば、各積層エアセルの上面側に第2及び第3のセルを設けるので、これらの第2及び第3のセルによって、身体の各部を広い面積で包み込むように保持することができる。それにより、個々の積層エアセルから受ける接触圧を低減することが可能となる。また、本発明によれば、エアマットレスの少なくとも一部の領域に、エアマットレスの長手方向と平行に積層エアセルを並設するので、この領域においては、概ね身体が伸びる方向に沿って、積層エアセルにより身体を支持することができる。それにより、積層エアセルに荷重がかかった場合であっても、当該積層エアセルにおける局所的な沈み込みを防ぐことができる。従って、使用者の体位や体形に応じて様々な部位に発症し得る床ずれを防止し、又は抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。 図1に示すエアマットレスの側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図3に示すエアマットレスを背上げした状態を示す断面図である。 図1に示すエアマットレスにおいて使用される積層エアセルの基本的な構造を説明するための模式図である。 図6に示す積層エアセルの上面図である。 図6に示す積層エアセルの底面図である。 図6のC−C断面図である。 図6のC−C断面図(荷重されている状態)である。 図6に示す積層エアセルにおける体圧分散の原理を説明するための模式図である。 図6に示す積層エアセルの製造方法の一例を説明するための断面図である。 図6に示す積層エアセルの製造方法の一例を説明するための断面図である。 図6に示す積層エアセルの製造方法の一例を説明するための断面図である。 骨盤部領域及び大腿部領域の内側に配置される積層エアセルを示す上面図である。 図1に示す頭部側及び脚部側の端部領域に配置されるエアセルの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。 図1のD−D断面図である。 背部及び下脚部領域の内側に配置される積層エアセルの示す上面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るエアマットレス及びエアセルについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。以下の説明において参照する図面は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、比率、及び位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、比率、及び位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。図2は、同エアマットレスの側面図である。図3は、図1のA−A断面図である。図4は、図1のB−B断面図である。図5は、図3に示すエアマットレスを背上げした状態を示す断面図である。図1〜図5に示すように、本実施形態に係るエアマットレス1は、複数の積層エアセル10a〜10d及びエアセル20を並設したものである。
図2〜図5に示すように、エアマットレス1は、ベッドボトム100の上に載置して用いられる。ここで、エアマットレス1を使用可能なベッドの構成は特に限定されないが、本実施形態においては、一例として、背上げ機能及び膝上げ機能を有する特殊寝台にエアマットレス1を用いるものとする。図5に示すように、特殊寝台のベッドボトムは、ベッドの長手方向の略中央部を境界として分割され、頭部側のボトムが立ち上がる構造を有している。また、脚部側のボトムは、概ね中央部においてさらに分割され、膝部分が山型に立ち上げられる構造となっている。
本実施形態においては、頭部側から、背ボトム101、腰ボトム102、脚ボトム103、下脚ボトム104の4つの領域に分割されたベッドボトム100上にエアマットレス1を載置する例を説明する。各ボトムは板状の部材であり、通気性のため、部分的にメッシュ状になっていることもある。
背ボトム101上のエアマットレスには、通常、使用者の頭部〜背部が乗せられる(図3の頭部領域及び背部領域参照)。腰ボトム102上のエアマットレスには、通常、使用者の背部〜腰部が乗せられる(同背部領域及び腰部領域参照)。腰ボトム102はさらに細かい板状に分割されており(図2〜図5においては8つの部分)、背ボトム101を立ち上げるとなだらかに湾曲する構造となっている。脚ボトム103上のエアマットレスには、通常、使用者の骨盤部〜大腿部が乗せられる(同骨盤部領域及び大腿部領域参照)。下脚ボトム104上のエアマットレスには、通常、使用者の下脚部が乗せられる(同下脚部領域参照)。脚ボトム103と下脚ボトム104との境界近傍のエアマットレスには、通常、使用者の膝裏が当てられる(同膝部領域参照)。なお、背部から骨盤部にわたる部分は、躯幹部とも呼ばれる。
エアマットレス1は、積層エアセル10a〜10d及びエアセル20を含む複数のエアセルを備える。エアマットレス1の一部の領域には、積層エアセル10a、10b、10cが、エアマットレス1の長手方向と平行に並設され、残りの領域には、積層エアセル10d及びエアセル20が、エアマットレス1の短手方向と平行に並設されている。なお、各積層エアセル10a〜10d及びエアセル20の構造については後述する。
詳細には、エアマットレス1の頭部側(図1の上側)及び脚部側(図1の下側)の端部領域には、複数のエアセル20がエアマットレス1の短手方向と平行に並設されている。また、腰ボトム102と脚ボトム103との境界近傍の領域(図2においては腰ボトム102側)、及び、脚ボトム103と下脚ボトム104との境界近傍の領域には、複数の積層エアセル10dがエアマットレス1の短手方向と平行に並設されている。
背部領域、骨盤部領域及び大腿部領域、並びに下脚部領域の内側の領域には、複数の積層エアセル10aがエアマットレス1の長手方向と平行に並設されている。また、骨盤部領域及び大腿部領域、並びに下脚部領域の左右の両端部には、複数の積層エアセル10bがエアマットレス1の長手方向と平行に並設されている。さらに、背部領域の左右の両端部には、積層エアセル10cがエアマットレス1の長手方向と平行に並設されている。なお、各図に示す積層エアセル10a〜10d及びエアセル20の数は一例であり、各領域に配置されるこれらの数は、エアマットレス1のサイズや各エアセルのサイズに応じて適宜変更することができる。
次に、各種の積層エアセル10a〜10d及びエアセル20の構造について説明する。
図6は、積層エアセル10a〜10dの基本的な構造を説明するための模式図である。図7は、図6に示すエアセルの上面図である。図8は、同エアセルの底面図である。図9は、図6のC−C断面図である。図10は、図6に示すエアセルが荷重されている状態のC−C断面図である。
図6〜図10に示すように、積層エアセル10は、内部にエアを封入することにより筒状に膨張するセル111、121、122、131、133を有する。このうち、セル121、122(第2及び第3のセル)は、セル111(第1のセル)の上面側となる領域に、セル111と平行且つ互いに隣り合うように取り付けられている。また、セル131、132(第4及び第5のセル)は、セル111の床側となる領域に、セル111と平行且つ互いに隣り合うように取り付けられている。以下、センターのセル111のことをメインセルともいう。また、上面側のセル121、122のことを、トップセルともいう。さらに、床側のセル131、132のセルのことを、ベースセルともいう。
本実施形態において、セル111、121、122、131、133は、ウレタン等の可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成された3種の袋体11、12、13により形成されている。袋体11、12、13を構成する樹脂材料は、互いに同材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。
メインセル111は、袋体11により形成されている。袋体11の両端には、積層エアセル10をベッドフレームに固定したり、積層エアセル10同士を連結したりするための固定部(例えばホック)112を設けても良い。
トップセル121、122は、袋体12により一体的に形成されている。袋体12は、エアを封入することにより筒状に膨張する形状をなし、長手方向と平行な略線状をなす溶着部123において袋体11の上面側に取り付けられている。つまり、溶着部123は、袋体12を袋体11に接続すると共に、袋体12の内部を2つの領域(セル121、122)に分離している。各セル121、122の径は、メインセル111の径よりも小さく、好ましくは1/3〜1/2程度となっている。各トップセル121、122は、メインセル111に対し、溶着部123を軸として回転方向に可動な状態になっている。
袋体12の長手方向の両端と、溶着部123との間にはギャップ領域124が設けられている。このギャップ領域124により、トップセル121、122の間においてエアの流通が可能となる。これにより、積層エアセル10に荷重がかかった場合であっても、各トップセル121、122の内圧はほぼ均等となる。
袋体11と袋体12との間には、エアの流通口が設けられている。図8に示すように、袋体11にはエア供給口125が設けられており、エア供給口125からエアを注入することにより、袋体11、12にエアが充填される。なお、上述したように、トップセル121、122の間ではエアの流通が可能なので、上記エアの流通口は1箇所で良い。
ベースセル131、132は、袋体13により一体的に形成されている。袋体13は、エアを封入することにより筒状に膨張する形状をなし、長手方向と平行な略線状をなす溶着部133において袋体11の床側に取り付けられている。つまり、溶着部133は、袋体13を袋体11に接続すると共に、袋体13の内部を2つの領域(セル131、132)に分離している。各セル131、132の径は、セル111の径よりも小さく、好ましくは1/3〜1/2程度となっている。
袋体13の長手方向の両端と、溶着部133との間にはギャップ領域134が設けられている。このギャップ領域134により、ベースセル131、132の間においてエアの流通が可能となる。これにより、積層エアセル10に荷重がかかった場合であっても、各ベースセル131、132の内圧はほぼ均等となり、ベースセル131、132の径も概ね同じ状態が維持される。袋体11、12、13全体にエアが封入されると、2つのベースセル131、132によってメインセル111及びトップセル121、123が支持される。
図8に示すように、袋体13にはエア供給口135が設けられている。エア供給口135からエアを注入することにより、袋体13にエアが充填される。袋体11と袋体13との間のエアの流通状態は、エアマットレス1における積層エアセル10a〜10dの具体的な配置や機能によって適宜設計すれば良い。
図9に示すように、積層エアセル10に荷重がかかっていない状態では、メインセル111、トップセル121、122、及びベースセル131、132のいずれも、概ね円筒状に膨らんでいる。上述したように、袋体11と袋体13とは、溶着部133において、幅広い面ではなく概ね線状に接続されているため、積層エアセル10に荷重がかかっていないとき、メインセル111に対して、ベースセル131、132は、溶着部123を軸として可動な状態となっている。これに対し、図10に示すように、積層エアセル10に荷重がかかると、メインセル111及びベースセル131、132の各々が扁平状に変形し、メインセル111とベースセル131、132とが面状に接するようになる。これらの接触面を介して、メインセル111が2つのベースセル131、132により支持される。
図11は、積層エアセル10における体圧分散の原理を説明するための模式図である。積層エアセル10(及びこれと同様の構造を有する積層エアセル)によりエアマットレスを構成する場合、ベッドフレーム上に積層エアセル10を並設し、図9に示すように、各積層エアセル10を構成する袋体11、12、13にエアを封入する。図10に示すように、積層エアセル10に荷重をかけると、図11に示すように、2つのベースセル131、132によってメインセル111を支持するトラス構造が形成される。
積層エアセル10に身体を乗せると、身体が直接接触するトップセル121、122と、これを支持するメインセル111に荷重P1がかかる。このとき、2つのベースセル131、132によって1つのメインセル111を支持するトラス構造が形成されているので、荷重P1が2つのベースセル131、132の方向に分散される(荷重P2、P3参照)。つまり、ベースセル131、132から受ける反力により、沈み込んだ身体が複数の方向から支持されるので、体圧を分散することができる。それにより、床ずれ防止効果を高めることができる。
図12〜図14は、積層エアセル10の製造方法の一例を説明するための断面図である。まず、図12に示すように、可撓性を有する樹脂材料(ウレタン等)からなるシート140の一端側の領域に、同様の樹脂材料からなる筒状のシート141を重ねる。筒状のシート141は、予め、2枚のシート141a、141bを重ね、両端(図の左右)同士を溶着することにより閉じておく。或いは、1枚のシートを2つ折りにし、重ね合わせられた端部を溶着することにより、筒状に成形しても良い。
続いて、図13に示すように、シート140と筒状のシート141(シート141a、141b)とを重ねたまま、筒状のシート141の長手方向に沿った細長い領域で溶着する。溶着方法としては、シート140、141を部分的に溶着することができれば特に限定されない。例えば、図13に示すように、加熱した金型143、144によりシート140、141を挟み込む熱溶着を行っても良いし、高周波溶着を行っても良い。好ましくは、ピン溶着を行っても良い。この場合、溶着部の幅を容易に狭くすることができるので、トップセルやベースセルの可動域を増やせるという利点がある。
また、シート140の他端側の領域にも、同様に、筒状のシートを重ねて溶着する。
そして、図14に示すように、シート140の両端側の領域に溶着された筒状のシート141が重なり合うように、シート140を2つ折りにし、シート140の端部を溶着することにより、シート140を筒状に成形する。さらに、筒状に成形されたシート140、及び、これに溶着された2つの筒状のシート141の開口を溶着して閉じる。このようにして袋状に成形されたシート140が袋体11となり、一方のシート141が袋体12となり、他方のシート141が袋体13となる。なお、エア供給口125、135(図8参照)を取り付けるための開口や、袋体11、12の間でエアを流通させるための開口は予め形成しておく。
積層エアセル10の製造方法は上記に限定されないが、シート140とシート141とを重ねて溶着する場合、各袋体12、13の内部空間を分離する作業と、袋体12、13を袋体11に接続する作業とを一度に完了することができるという利点がある。
次に、エアマットレス1に配置される各種の積層エアセル10a〜10d及びエアセル20の構造について、具体的に説明する。積層エアセル10a〜10dは、基本的に、上述した積層エアセル10と同様に、メインセルと、メインセルの上面側に2列に設けられたトップセルと、メインセルの床側に2列に設けられたベースセルとを備える。各積層エアセル10a〜10dの間では、トップセル及びベースセルの数や長さが異なっている。
図15は、エアマットレス1の内側に配置される積層エアセル10aを示す上面図である。図15に示すように、積層エアセル10aは、メインセルを構成する袋体11aと、トップセル151、152を構成する袋体12a(1)と、トップセル153、154を構成する袋体12a(2)と、ベースセルを構成する2つの袋体13a(図3参照)とを有する。2つの袋体12a(1)、12a(2)は、それぞれ、略線状をなす溶着部155、156において袋体11aに接続されている。袋体12a(1)と袋体12a(2)との間では、袋体11aを介してエアが流通している。また、ベースセルを構成する2つの袋体13aも、それぞれ、袋体11aに溶着されている。
積層エアセル10aにおいては、トップセル151、152及びトップセル153、154を、互いに独立した袋体12a(1)、12a(2)によって形成するので、メインセルに対し、溶着部155、156を軸として、トップセル151、152及びトップセル153、154が互いに独立に動くことができる。つまり、トップセルを1つの袋体により一体的に形成する場合と比較して、各トップセルの動きの自由度が増す。
このような積層エアセル10aをエアマットレス1の内側に配置する理由は、以下のとおりである。使用者が側臥位を取った場合、肩や大転子、外踝部などの骨突出部がエアマットレスに当たるため、これらの部位に床ずれが発症し易い。また、身体にねじれが生じている場合には、仰臥位であっても外踝部がエアマットレスに当たるなど、通常とは異なる部位に床ずれが発症することもある。そこで、使用者が通常横たわるエアマットレス1の内側の領域に積層エアセル10aを配置することにより、メインセルよりも小さいトップセル151〜154により、身体の各骨突出部を包み込むように支持することができる。上述したように、トップセル151、152及びトップセル153、154は動きの自由度が高いため、身体の動きやねじれに応じてトップセル151、152及びトップセル153、154が柔軟に追従し、骨突出部を包み込むように支持した状態を維持することができる。
図2に示すように、骨盤部領域及び大腿部領域、並びに下脚部領域の左右の両端部に配置される積層エアセル10bは、メインセルを構成する袋体11bと、トップセルを構成する袋体12bと、ベースセルを構成する袋体13bとを有する。積層エアセル10bの構造は、図6〜図8に示す積層エアセル10と同様である。
背部領域の左右の両端部に配置される積層エアセル10cは、メインセルを構成する袋体11cと、トップセルを構成する1つの袋体12cと、ベースセルを構成する2つの袋体13cとを有する。袋体12cの構成は、図7に示す袋体12と同様である。他方、2つの袋体13cは、図15に示す袋体12a(1)、12a(2)と同様に、互いに独立に設けられている。積層エアセル10cのように、背上げの際に湾曲するベッドボトム上に配置されるエアセルにおいては、互いに独立した複数の袋体13cによってベースセルを構成することにより、背上げした際に積層エアセル10cがベッドボトムに追従し易くなるという利点がある。
図4に示すように、腰部領域及び膝部領域に配置される積層エアセル10dは、メインセルを構成する袋体11dと、トップセルを構成する2つの袋体12dと、ベースセルを構成する2つの袋体13dとを有する。
ここで、一般には、背上げのためベッドボトム及びエアマットレスを立ち上げると、使用者の躯幹部が滑って前方(ベッドの足部側の方)にずれ易い。そこで、背上げをする際にベッドボトムが折れ曲がる領域近傍に、積層エアセル10dをエアマットレス1の短手方向と平行に配置することにより、エアマットレス1がベッドボトムに追従して曲がり易くなる。また、積層エアセル10dのトップ面には、メインセルよりも径が小さいトップセルが配置されているので、これらのトップセルにより使用者の姿勢が保持され、位置ずれ(前ずれ)を防止することができる。このように、使用者の姿勢を保持し、位置ずれを防止するために配置されるエアセルは、アンカーセルとも呼ばれる。
また、一般には、膝上げのためベッドボトムを山型に立ち上げると、使用者の下肢が腰の方向にずれ易い。そこで、脚ボトム103と下脚ボトム104の境界の両側にも、アンカーセルとして積層エアセル10dを配置している。
積層エアセル10dにおいて、トップセル及びベースセルを左右に分割して設ける理由は、以下のとおりである。ベッドフレームの中には、ベッドボトムを左右に分割し、左右のいずれかの一方のベッドボトムの側端部を立ち上げて傾斜させることにより、寝返りや起き上がりを補助する機能(体位変換機能と呼ばれる)が設けられているものがある。このようなベッドフレームに適用する場合、短手方向と平行に配置される積層エアセル10dのトップセル及びベースセルを左右に分割することにより、エアマットレス1がベッドボトムに追従し易くなるという利点がある。
これらの積層エアセル10a〜10dのサイズは、エアマットレス1が適用されるベッドフレームに適合させることができれば特に限定されない。一例として、介護用ベッドにおいては、ベッドフレームの短手方向の長さが850mm又は950mmのものが一般的であるので、これに適合するように、積層エアセル10dの長手方向の長さLx(図4参照)を830mm程度又は930mm程度にすると良い。また、エアマットレス1の長手方向に沿って配置される積層エアセル10a、10b、10cの長さLy(図2参照)は、他のエアセル(積層エアセル10d、エアセル20等)の幅や数などに応じて、例えば350〜400mm程度にすると良い。積層エアセル10a〜10dの幅W(図9参照)は例えば70〜80mm程度、メインセル111の厚さH1は例えば70〜80mm程度、積層エアセル10a〜10d全体の厚さH2は例えば120〜150mm程度にすると良い。
図16は、頭部側及び下脚部側の端部領域に配置されるエアセル20の断面図である。図16に示すように、エアセル20は、全体として1つの袋体21からなる一般的な1気室のエアセルである。エアセル20のサイズは、エアマットレスを使用するベッドフレームに適合させることができ、且つ、他の積層エアセル10a〜10dと整合可能なサイズであれば特に限定されない。一例として、エアセル20の厚さH3を、積層エアセル10a〜10dの全体の厚さ(ベースセルの下端からトップセルの上端までの高さ)に合わせて、120〜150mm程度にすると良い。
袋体21の内周面には、エアマットレスの床面と略平行な向きとなるように架け渡された膜状部材(所謂、釣り)22が設けられている。膜状部材22は、袋体21の厚みの略半分の位置に溶着され、内周面のうち互いに対向する領域をつないでいる。このような膜状部材22を設けることにより、エアセル20に圧力がかかった場合であっても、エアセル20が横方向に膨らむのを防ぎ、エアセル20の厚さ方向における圧縮量を抑制することができる。
次に、エアマットレス1に配置される各エアセル内、及び複数のエアセル間における好ましいエアの流通状態について説明する。
ここで、汎用のエアマットレスにおいては、一般に、エアマットレス全体においてエアセル内のエアが互いに流通可能な状態となっている。従って、エアマットレス内のエアは、大きな荷重がかけられたエアセルから、あまり荷重がかけられていないエアセルに容易に移動する。そのため、躯幹部や大腿部のように身体の重い部分が乗せられた領域が大きく沈み込み、その分、頭部側、脚部側、又は左右の端部領域が大きく膨らむという状態になり易い。それにより、ハンモック現象や底付きが発生してしまうことがある。
これに対し、本実施形態においては、個々の積層エアセル10a〜10dの構造によりハンモック現象や底付きの発生リスクを抑制すると共に、エアマットレス1を複数の領域に分け、領域ごとにエアの流通状態を決定することにより該リスクを低減している。基本的な考え方としては、エアマットレス1を、大きな荷重がかかり易い領域(即ち、躯幹部や大腿部が乗る内側の領域)と、大きな荷重がかかることの少ない領域(即ち、頭部側、脚部側、及び左右の端部領域)とに分け、大きな荷重がかかり易い領域では他の領域との間でのエアの流通を遮断し、当該領域内のみでエアを流動させる。
躯幹部領域及び大腿部領域に配置される積層エアセル10aには、荷重が集中し易い。そのため、各積層エアセル10aにおいては、メインセル(袋体11a)及びトップセル(袋体12a)と、ベースセル(袋体13a)との間でエアの流通を遮断することが好ましい。そして、メインセル及びトップセルにおいては内圧を比較的低く保ち、使用者の身体を沈み込ませると共に、径の小さい複数のトップセルにより広い面積で包み込むように身体を支持する。他方、ベースセルには十分な内圧のエアを充填することにより、底付きを防止すると共に、トラス構造(図11参照)を形成することによって体圧を分散させる。
また、躯幹部領域に配置される積層エアセル10a、10dの間では、ベースセル同士でエアを流通させることとしても良い。この場合、各ベースセルへのエアの供給経路を簡素化することができる。
また、躯幹部領域及び大腿部領域においては、エアマットレス1の長手方向に並ぶ積層エアセル10aの間で、メインセル及びトップセル(即ち、袋体11、12)のエアを互いに流通させても良い。具体的には、図1に示す積層エアセル10a(1)と積層エアセル10a(1)’との間で、メインセル及びトップセルのエアを流通させる。また、積層エアセル10a(2)と積層エアセル10a(2)’との間で、メインセル及びトップセル(同上)のエアを流通させる。その他の積層エアセル10aについても同様である。これにより、積層エアセル10a(1)及び積層エアセル10a(1)’全体で、圧のバランスを取ることができる。例えば、仰臥位から背上げをして、使用者の体重が骨盤部に集中すると、積層エアセル10a(1)の一部に大きな荷重がかかるため、その部分のエアが長手方向に並ぶ積層エアセル10a(1)’に逃げようとする。しかし、積層エアセル10a(1)’には身体の別の部分により荷重がかかっているため、結局、使用者の骨盤部が極端に沈み込むことはない。そのようにして、身体の極端な沈み込みを抑制し、ハンモック現象を防ぐことができる。つまり、積層エアセル10a(1)及び積層エアセル10a(1)’において、身体が伸びる方向に沿って圧を適切に再分配することができる。
なお、長手方向に並んだ積層エアセル間でエアを流通させない場合であっても、エアマットレス1の長手方向と平行に並設された個々の積層エアセルにおいて、使用者の身体が伸びる方向に沿って、上述した圧の再分配作用は生じている。
エアマットレス1の左右の端部領域に配置される10b、10c、及び、アンカーセルとして配置される積層エアセル10dにおいては、メインセル、トップセル、及びベースセルの間でエアを流通させて1気室にしても良い。さらに、これらの積層エアセル10b〜10d及びエアセル20の間でエアを流通させ、内圧を、積層エアセル10aのメインセル及びトップセルの内圧よりも高めに維持しても良い。それにより、これらのエアセルへのエアの供給経路を簡素化することができると共に、使用者の体位を変換する際の介助がし易くなる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、メインセルの上面側にメインセルよりも径が小さいトップセルを設けるので、各積層エアセルにおいて、身体の各部を広い面積で包み込むように支持することができる。特に、本実施形態においては、トップセルを、幅広い面状ではなく略線状にメインセルに取り付けるので、略線状の取付領域(溶着部)を軸として、メインセルに対するトップセルの可動域を広げることができる。それにより、トップセルが、積層エアセルに乗せられる身体の部位や状態に柔軟に追従して、各部を広い面積で包み込むように支持した状態を維持することができ、身体の各部への接触圧を低減し、良好な床ずれ防止効果を得ることができる。つまり、本実施形態においては、単にエアセル内を低圧にして身体を沈み込ませることで身体への接触圧を低減するのではなく、複数のセルにより身体を包み込むように支持することで接触圧を低減させているので、低圧のエアセルに身体の一部が局所的に沈み込み、ハンモック現象により接触圧がむしろ高くなるといった事態を防ぐことができる。また、図15に示す積層エアセル10aのように、長手方向においてトップセルの連続性を断つ場合には、分断された各トップセルの動きの自由度が広がるので、さらに身体に追従し易くなる。
また、本発明の第1の実施形態によれば、各積層エアセルにおいて、2つのベースセルによってメインセルを支持するトラス構造を形成するので、トップセル及びメインセルにかかる荷重を2つのベースセルの方向に分散することができる。それにより、体圧を分散し、床ずれ防止効果を向上させることが可能となる。
また、本発明の第1の実施形態によれば、メインセル及びトップセルとベースセルとの間でエアを遮断することにおり、積層エアセルの一部に局所的な荷重がかかったり、メインセル及びトップセルの内圧が低下したりした場合であっても、ベースセルによってメインセル及びトップセルを支持し、底付きを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施形態によれば、このようなベースセル、メインセル、及びトップセルの3層からなる積層エアセルを、エアマットレスの一部の領域に、エアマットレスの長手方向と平行に並設しているので、使用者の身体を、身体が伸びる方向に沿って広い面積で支持することができる。また、概ね身体が伸びる方向に沿って配置された積層エアセルにおいては、当該方向に沿って圧を再配分することができる。従って、積層エアセルの一部に大きな荷重がかかった場合でも、積層エアセルの局所的な沈み込みを抑制し、ハンモック現象や底付きを防止して、安全且つ安心してエアマットレスを使用することが可能となる。
本発明の第1の実施形態によれば、使用者の体形や好みの体位によって様々な部位に生じ得る床ずれを防止又は抑制することができると共に、治療の過程で実施され様々な体位(例えば、30度を超える背上げ)も安全且つ安心してサポートすることができる。
(第2の実施形態)
図17は、本発明の第2の実施形態に係るエアマットレスを示す上面図である。図18は、図17のD−D断面図である。図17及び図18に示すように、本実施形態に係るエアマットレス2は、上記第1の実施形態に係るエアマットレス1に対し、背部領域及び下脚部領域の内側に配置される積層エアセル10aを、積層エアセル10eに変更したものである。
図19は、積層エアセル10eを示す上面図である。図19に示すように、積層エアセル10eは、メインセルを構成する袋体11eと、複数のトップセル171を構成する袋体12eと、ベースセルを構成する2つの袋体13e(図18参照)とを有する。袋体12eは、くびれ172により複数(図19においては3つ)の領域173に分けられており、略線状をなす3箇所の溶着部174において袋体11eに接続されている。複数の領域173の間では、メインセルに対し、トップセル171が溶着部174を軸に互いにほぼ独立に動くことができる。また、3つの領域173の間ではエアが流通していると共に、袋体12eと袋体11eとの間でもエアが流通している。ベースセルを構成する2つの袋体13eは、それぞれ、袋体11eに溶着されている。
ここで、背部領域や下脚部領域に乗せられる身体部分には、肩やひじ、手首、膝、踝、踵など多様な骨突出部が存在し得る。そこで、これら領域に積層エアセル10eを配置することにより、複数のトップセル171が使用者の体形や体位にフレキシブルに追従し、骨突出部を広い面積で包み込むように支持することができる。
また、複数のトップセル171は、袋体12eにより一体的に形成されているので、積層エアセル10eの製造工程を簡素化することができる。複数のトップセル171とメインセルとの間のエアの流通口は、袋体12eに1箇所のみ設ければ良いので、積層エアセル10eの構造も簡素化することができる。
躯幹部領域及び大腿部領域に配置される積層エアセル10a、10eの間では、第1の実施形態と同様にエアを流通させても良い。具体的には、エアマットレス2の長手方向に並んだ2つの積層エアセル10a(1)、10e(1)の間でメインセル及びトップセルのエアを流通させる。また、2つの積層エアセル10a(2)、10e(2)の間でメインセル及びトップセルのエアを流通させる。その他の積層エアセル10a、10eについても同様である。これにより、積層エアセル10aの一部に大きな荷重がかかった場合であっても、長手方向に並んだ積層エアセル10a、10eにおいて圧を再分配し、ハンモック現象や底付きを防ぐことができる。
以上説明した第1及び第2の実施形態においては、エアマットレスの一部に積層エアセルをエアマットレスの長手方向と平行に並設する態様を説明したが、エアマットレスの全領域に積層エアセルをエアマットレスの長手方向と平行に並設しても良い。この場合、積層エアセルの長さを、ベッドボトムを構成する各ボトム(背ボトム、腰ボトム等)の長さに合わせて設定することが好ましい。それにより、背上げや膝上げをした際に、ベッドボトムの形状に追従してエアマットレスが容易に変形するので、背上げや膝上げをした状態でも安定して使用者の身体を保持することが可能となる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、2列に並ぶトップセルを1つの袋体により一体的に形成したが、各トップセルを別々の袋体により形成しても良い。この場合においても、各トップセルを略線状の領域においてメインセルに取り付けることが好ましい。ベースセルについても同様である。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、積層エアセルにベースセルを設けることとしたが、ベースセルは必須ではなく、メインセル及びトップセルだけでも、従来よりも高い床ずれ防止効果を得ることができる。しかしながら、ベースセルを設けることにより、床ずれ防止効果を一層高めることができるという利点がある。
以上説明した本発明は、上記第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、上記第1及び第2の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、第1及び第2の実施形態に示した全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、第1及び第2の実施形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
1 エアマットレス
10、10a〜10e 積層エアセル
11、11a〜11e、12、12a〜12e、13、13a〜13e、21 袋体
20 エアセル
22 膜状部材
100 ベッドボトム
101 背ボトム
102 腰ボトム
103 脚ボトム
104 下脚ボトム
111 セル(メインセル)
112 固定部
113 エア供給口
121、122 セル(トップセル)
123、133、174 溶着部
124、134 ギャップ領域
125、135 エア供給口
131 セル(ベースセル)
140、141、141a、141b シート
143、144 金型
151〜154、171 トップセル
155 溶着部
172 くびれ
173 領域

Claims (8)

  1. 複数の積層エアセルであって、各積層エアセルが、
    可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第1のセルと、
    可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第2及び第3のセルであって、前記第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて上面側となる領域に、前記第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けられた第2及び第3のセルと、
    を有し、
    前記第2及び第3のセルは、該第2及び第3のセルの長手方向に沿って設けられた1列の略線状の領域において前記第1のセルに取り付けられ、
    前記第2及び第3のセルは前記第1のセルに対し、前記1列の略線状の領域を軸として可動である、複数の積層エアセルを含む複数のエアセルを備え、
    前記複数の積層エアセルが、当該エアマットレスの少なくとも一部の領域に、該エアマットレスの長手方向と平行に並設されている、エアマットレス。
  2. 当該エアマットレスの長手方向に、2つ以上の前記積層エアセルが並べられている、請求項に記載のエアマットレス。
  3. 前記複数の積層エアセルのうち少なくとも一部の積層エアセルの各々において、
    前記第2及び第3のセルは、前記シート材を袋状に成形した袋体により一体的に形成され、
    前記第1のセルの前記上面側となる領域に、前記袋体が当該積層エアセルの長手方向に沿って並べて取り付けられている、
    請求項1又は2に記載のエアマットレス。
  4. 前記複数の積層エアセルのうち少なくとも一部の積層エアセルの各々において、
    前記第2及び第3のセルが当該積層エアセルの長手方向に沿って複数ずつ並べて設けられ、該複数ずつ並べて設けられた前記第2及び第3のセルは、前記シート材を袋状に成形した袋体により一体的に形成されている、請求項1又は2に記載のエアマットレス。
  5. 前記複数の積層エアセルのうち少なくとも一部の積層エアセルの各々は、
    可撓性を有する樹脂材料からなるシート材により形成され、内部にエアを封入することにより筒状に膨張する第4及び第5のセルであって、前記第1のセルの外周面のうち、当該エアマットレスにおいて床側となる領域に、前記第1のセルと平行且つ互いに隣り合うように取り付けれた第4及び第5のセルをさらに有し、
    前記第1〜第5のセルにエアが封入された際に、前記第4及び第5のセルによって前記第1、第2、及び第3のセルが支持される、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のエアマットレス。
  6. 前記第4及び第5のセルは、該第4及び第5のセルの長手方向に沿って設けられた略線状の領域において前記第1のセルに取り付けられている、請求項に記載のエアマットレス。
  7. 前記第1のセルと前記第4及び第5のセルとの間において、エアの流通が遮断され、
    前記第4のセルと前記第5のセルとの間において、エアの流通が可能である、
    請求項又はに記載のエアマットレス。
  8. 当該エアマットレスの長手方向の略中央部から頭部側に位置する第1の領域と、前記中央部から脚部側に位置する第2の領域との各々に、前記複数の積層エアセルが、前記エアマットレスの長手方向と平行に並設されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のエアマットレス。

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