JP6298122B2 - プラットホーム化マットレス及びその使用方法 - Google Patents

プラットホーム化マットレス及びその使用方法 Download PDF

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本発明は、ギャッチベッド等に使用されるマットレスであって、マットレス上に横臥する患者等の状態に応じて適切な特性にカスタマイズすることができるプラットホーム化マットレス及びその使用方法に関する。
ギャッチベッド及び固定ベッド等のベッドのフレーム上には、マットレスが載置されており、患者等のベッド使用者は、マットレス上に横臥する。この場合に、マットレスは、体圧分散性を重視したもの、寝返り等の動きやすさを重視したもの、快適性(寝心地)を重視したもの、使用者の身体がずれにくいもの、褥瘡防止を重視したもの並びにギャッチベッドの背上げ及び背下げ動作に際して曲がりやすいもの等、必要とする機能に応じて、種々の製品が用意されている。ベッド使用者は、自己が必要とする機能に応じて、適切な製品を選択して、使用することになる。
しかしながら、上述のごとく、マットレスは機能によって異なる製品となっており、病院及び介護施設等の患者を収容する施設においては、機能が異なる種々のマットレス製品を用意しておく必要がある。このため、このようなマットレス製品の購入のために、病院及び介護施設等の施設においては、多大の設備コストを負担する必要が生じ、資金力が乏しい施設においては、このようなコストを負担できず、治療上及び介護上、必要十分なマットレスを設備することができないという問題点がある。
また、新機能のマットレス製品が発売された場合には、その都度、新しいマットレスを購入して設備する必要があり、この点でも、設備コストの増大が問題となっている。
更に、患者の状態に応じて、必要な機能は、日によって、又は時間によって、変化するが、自宅介護の場合に、異なる機能をもつ種々のマットレスを用意することは、費用コスト及び保管場所等の問題から、到底できない。
従来、提案されているベッド用マットレスとして、特許文献1には、マットレス素材を側地により被包したマットレス片を、上層及び下層の2層構造とし、更に、この上層及び下層のマットレス片をベッド長手方向に複数対配置して、上層マットレス片がスライドすることにより、身体の沈み込みを防止し、褥瘡の発生を防止したものが開示されている。
また、特許文献2には、マットレスの上に敷布団を重ねて載置し、使用者の各身体部材に応じて敷布団の硬度を調整できると共に、運搬及び収納を容易にした寝具が開示されている。
更に、特許文献3には、下層のアンダーマットの上にアッパーマットを重ね、アッパーマットは、3つに分割された本体部と、本体部の左右両側に配置され3つに分割されたエッジマットとから構成された組み立て式マットレスが開示されており、本体部及びエッジマットの各分割体の境界が一致しないようにすることにより、隣接するマット部材間に生ずる段差により生ずる違和感を軽減した組み立て式マットレスが開示されている。
更にまた、特許文献4には、ベッド長手方向に3個に分割した各マットレス構成体が、下側マットレス片と上側マットレス片とを、マットレスカバーで被包したものであり、ギャッチベッドに適用した場合に、3個の分割されたマットレス構成体が、ベッドの形態に沿った形状に湾曲して、マットレス上の使用者の身体がずれないようにし、褥瘡を防止した分割型マットレスが開示されている。
更にまた、特許文献5には、複数個のクッション部材を、ファスナーにて連結した組み立て式マットレスであって、各クッション部材を分割状態で選択することを可能にした組み立て式マットレスが開示されている。
更にまた、特許文献6には、ギャッチ式ベッドのマットレスとして、第1の層状部材と第2の層状部材とを、それらの間に滑沢性シートを介装して積層し、これらの内装体を外装体で被包して一体化させたものが開示されている。このマットレスは、ギャッチベッドで背上げ動作が行われたときには、第1層状部材と第2層状部材とが滑沢性シートにより相対的に滑動すると共に、外装体が伸縮して、曲げやすくなっている。
特開2004−8616号公報 特開2011−189109号公報 特開2011−19822号公報 特開2003−265272号公報 特開2001−281号公報 特許第3525027号公報
しかしながら、これらの特許文献1乃至6に開示されたマットレスは、患者等のベッド使用者にとって、個別的に必要な機能を簡易にカスタマイズすることができるものではない。従って、ベッド使用者にとって、個別的に必要な機能を得ようとする場合は、マットレスの全体を交換する必要があり、前述の如く、設備コストが高いという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、患者等のベッド使用者にとって特有的に必要な機能を、低コストで用意することができ、各ベッド使用者に応じて最適のマットレスをカスタマイズすることが容易にできるプラットホーム化マットレス及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプラットホーム化マットレスは、
ベッド上のマットレスとして必要な機能を備える下層マットレス部材と、
ベッド使用者の特性に応じて前記下層マットレス部材に付加又は増大すべき機能をもち、一体化構造の上層マットレス部材と、
前記下層マットレス部材上に前記上層マットレス部材を分離可能に重ねた状態で、これらを被包する袋状のカバーと、
を有し、
前記上層マットレス部材は、ベッド使用者の固有の特性に応じて必要となる機能をもち、前記下層マットレス部材は、全ての患者に共通に使用されるものであり、
前記下層マットレス部材は、複数個の部材から構成され、その長手方向の大腿部に相当する位置に他の部材よりも硬さが高い部材が配置されていることを特徴とする。
このプラットホーム化マットレスにおいて、前記上層マットレス部材は、そのベッド長手方向に複数個に分割された領域と、ベッド幅方向の両側部の領域とを有し、各領域の機能が異なるように構成することができる。
更に、本発明に係るプラットホーム化マットレスの使用方法は、
ベッド上のマットレスとして必要な機能を備える下層マットレス部材と、
ベッド使用者の特性に応じて前記下層マットレス部材に付加又は増大すべき機能をもつ複数個の一体化構造の上層マットレス部材と、
前記下層マットレス部材上に前記上層マットレス部材を分離可能に重ねた状態で、これらを被包する袋状のカバーと、
を有するプラットホーム化マットレスを使用し、
ベッド使用者が変更になった場合、又はベッド使用者の状態が変化した場合、そのベッド使用者の現在の状態に応じて、適切な機能をもつ上層マットレス部材を選択し、前記下層マットレス部材と前記適切な機能をもつ上層マットレス部材とを重ねた状態で、これらを前記カバーにより被包し、マットレスとして使用し、
前記上層マットレス部材は、ベッド使用者の固有の特性に応じて必要となる機能をもつものを使用し、前記下層マットレス部材は、全ての患者に共通に使用するものであり、
前記下層マットレス部材は、複数個の部材から構成され、その長手方向の大腿部に相当する位置に他の部材よりも硬さが高い部材が配置されていることを特徴とする。
本発明は、下層マットレス部材が、ベッド上のマットレスとして必要な機能をもち、種々の患者等のベッド使用者にとって、共通に必要な機能を備えており、最低限の寝心地を有して、それだけでも、患者が横臥するマットレスとしての機能を有する。また、患者等のベッド使用者の特性に応じて前記下層マットレス部材に付加又は増大すべき機能、即ち、個々のベッド使用者にとって固有的に必要な機能であって、下層マットレス部材では不足する機能は、上層マットレス部材がもつ。そして、下層マットレス部材と上層マットレス部材とをカバー内に格納し、一体化させてマットレスとして使用する。これにより、異なる患者がベッドを使用することになり、その患者に必要な特有の機能が、前の患者と異なる場合、又は、患者の容体が年月と共に変化して、必要な機能が変化した場合に、上層マットレス部材のみを、適切なものに変更することにより、ベッド使用者固有の特性に応じた機能を付加又は選択することができる。従って、ベッド使用者にとって最適の機能をもつマットレスを容易に且つ低コストで得ることができ、このカスタマイズのための費用を著しく低減することができる。
(a)、(b)、(c)は、夫々、本発明の実施形態に係るプラットホーム化マットレスを示す斜視図である。 (a)、(b)、(c)は、夫々、本発明の実施形態に係るプラットホーム化マットレスを示す側面図である。 本発明の実施形態に係るプラットホーム化マットレスの外観図である。
以下、本発明の実施形態に係るプラットホーム化マットレス及びその使用方法について説明する。図1(a)及び図2(a)は、下層マットレス部材1を示す図である。下層マットレス部材1は、ベッドの全面に対応する幅及び長さを有する第1部材2と、この第1部材2の頭部側及び足部側の部分の下面に接合された第2部材3,4と、第1部材2の腰部の部分の上面に接合された第3部材6と、平面視で第1部材2における第3部材6と足部側第2部材4との間の部分における下面に接合された第4部材5とから構成される。第1部材2と第3部材6の上面はほぼ面一であり、第2部材3,4及び第4部材5の下面と、第1部材2における腰部の部分の下面とは、ほぼ面一である。従って、下層マットレス部材1は全体で板状をなす。第1部材2は、例えば、硬さが200N(40%圧縮)以上のポリエステル硬綿製であり、第2部材3,4及び第3部材6は、例えば、硬さが50乃至130N(40%圧縮)のウレタン製である。第4部材5は、同様に、ウレタン製であるが、硬さが150乃至500N(40%圧縮)であり、第2部材3,4及び第3部材6より高硬度としてある。ポリエステル硬綿製の第1部材2は、下層マットレス部材1の基本的な構造材となる。そして、腰部に相当する第3部材6は若干軟らかい素材で形成され、大腿部に相当する第4部材5は若干硬い素材で形成されている。
上層マットレス部材10は、図1(b)及び図2(b)に示すように、下層マットレス部材1の上に、分離可能に重ねられる。この上層マットレス部材10は下層マットレス部材1と同様の平面形状(幅及び長さ)を有し、その中央部分の第5部材11と、幅方向の両端部の第6部材13とから構成される。第5部材11は、例えば、硬さが50乃至130N(40%圧縮)のウレタン製であり、第6部材13は、例えば、同じくウレタン製であるが、硬さが150乃至500N(40%圧縮)と、中央部の第5部材11より硬くなっている。また、第5部材11の表面は、粗面化処理12が施されている。上層マットレス10は、例えば、その下面の一部に面ファスナーを接合しておき、下層マットレス部材1の上面の素材として、面ファスナーの機能をもつものを使用すると、上層マットレス部材10と下層マットレス部材1とを、この面ファスナー同士で、分離可能に係止し、相互に固定することができる。この下層マットレス部材1の面ファスナーの機能をもつものとして、下層マットレス部材1の第3部材6を、例えば、膜なしウレタンで形成することができる。この膜なしウレタンは、洗浄時の流水性及び乾燥時の通気性を良くするために、通常のウレタンフォームの組織にある小さな膜を飛ばし、骨格のみ残したウレタンのことをいう。これにより、第3部材6は、その上面が面ファスナーとしての機能をもち、上層マットレス部材10の下面の面ファスナーとの間で、上層マットレス部材10と下層マットレス部材1とを相互に係止することができる。
図3は、本実施形態のカバー40を示す斜視図である。この図3に示すように、カバー40は、袋状をなし、下層マットレス部材1及び上層マットレス部材10の積層体を内部に収納して、これらの下層マットレス部材1及び上層マットレス部材10を被包する。カバー40のベッド長手方向の端部の辺と、それに続く両側の辺の一部に、ファスナー41が設けられていて、このファスナー41を開閉することにより、下層マットレス部材1及び上層マットレス部材10を内部に収納する。このカバー40の両側部には、取っ手42が2対設けられていて、マットレスを運搬する際の便宜に供するようになっている。例えば、カバー40の上部40aは、ニット製であり、下部40bは、織物製であって、カバー40の側部で接合してある。なお、上部40aの上面には、製品ロゴ等をシルク印刷により表示することができる。
図1(c)及び図2(c)は、別の上層マットレス部材20を示す。この上層マットレス部材20は、ベッド幅方向に中央にてベッド長手方向に並置された2個の第7部材21及び第8部材22を有する。この第8部材22は、均一な厚さの部分と、厚さが徐々に小さくなって、その上面が傾斜した傾斜面23である部分とが、ベッドの長手方向に連なっている。そして、第7部材21及び第8部材22の平坦な表面上に、第9部材24及び第10部材25が配置されており、第8部材22の傾斜面23上に、第11部材26が配置されている。これらの第9部材24,第10部材25及び第11部材26は均一な厚さを有する。ベッド幅方向におけるこれらの第7部材21及び第8部材22の両側方には、ベッド長手方向の全長に延びる第12部材27が配置されており、この第12部材27の上には、ベッド長手方向に伸びる第13部材28が配置されている。これらの第7部材21〜第13部材28は、相互に接合されて、一体的に構成されている。第7部材21、第9部材24,第10部材25及び第11部材26は、例えば、硬さが50乃至130N(40%圧縮)のウレタン製であり、第8部材22は、例えば、硬さが150乃至500N(40%圧縮)のウレタン製である。そして、第12部材27は、例えば、硬さが200N(40%圧縮)以上のポリエステル硬綿製であり、第13部材28は、例えば、硬さが50乃至130N(40%圧縮)のウレタン製である。この上層マットレス部材20は2層構造であり、マットレス上の位置における硬さをより任意に且つ広範に調整することができる。
なお、下層マットレス部材1は、それだけで、ベッド上のマットレスとして必要な機能をもつ。従って、下層マットレス部材1は、種々の患者等にとって、共通に必要な機能を備えており、最低限の寝心地を有していて、それだけでも、患者が横臥するマットレスとしての機能を有する。下層マットレス部材1は、前述のごとく、その上に横臥した患者は、動きやすいと共に、臀部の体圧分散性がすぐれている。図1(a)に示す下層マットレス部材1は、例えば、厚さが7cmであり、薄型タイプのマットレスといえる。図1(b)に示す下層マットレス部材1と上層マットレス部材10との組み合わせのスタンダードタイプのプラットホーム化マットレスは、厚さが例えば9cmであり、図1(c)に示す下層マットレス部材1と上層マットレス部材20との組み合わせの床ずれ防止タイプのプラットホーム化マットレスは、厚さが例えば12.5cmである。このように、上層マットレス部材の厚さが異なるので、カバー40は、各厚さに対応したものを用意することが好ましい。即ち、患者等のベッド使用者の特性に応じて付加すべき機能、即ち、個々のベッド使用者にとって必要な機能は、上層マットレス部材がもつが、マットレス全体の厚さは、この上層マットレス部材の厚さにより変化するので、それに応じて適切なカバーを用意することが好ましい。
上述のごとく構成された本実施形態においては、図1(b)、図2(b)に示すように、下層マットレス部材1の上に上層マットレス部材10を重ね、図3に示すカバー40のファスナー41を開にして、カバー40内に上層マットレス部材10及び下層マットレス部材1の積層体を収納する。そして、ファスナー41を閉にして、上層マットレス部材10及び下層マットレス部材1を一体的に格納した後、取っ手42を利用してこのマットレスをベッドのフレーム上に運搬し、使用に供する。このマットレスにおいては、下層マットレス部材1は、マットレスとして万人に共通に必要な機能を備え、又は、寝具として最低限必要な機能を備え、この下層マットレス部材1のみを使用しても、マットレスとしての使用が可能である。そして、個々のベッド使用者にとって、下層マットレス部材1のみでは不足する機能、即ち、個々のベッド使用者にとって、固有的に必要ではあるが、下層マットレス部材1のみでは得られない機能は、上層マットレス部材10が受け持つ。
図1(a),図2(a)の下層マットレス部材1は、第1部材2が硬さが200N以上のポリエステル硬綿で成形されており、この第1部材2が、ベッド長手方向の全域に配置されているが、ベッド上に横臥した使用者の腰部の部分は、第1部材2上に、硬さが50乃至130Nの軟らかいウレタン製の第3部材6が配置されているので、ベッド使用者の背部及び脚部は、硬い素材に支持され、腰部は、柔らかい素材に支持されることになる。このため、本実施形態の下層マットレス部材1は、腰部が沈み込みやすく、背部及び脚部が沈み込みにくいという特性をもつものとなる。
また、上層マットレス部材10においては、ベッドの幅方向の端部に患者が座して、ベッドから離床しようとする端座位の姿勢をとったときに、上層マットレス部材10の端部の第6部材13の硬度が中央部よりも高いので、患者はベッドから離床しやすいという特性を持つ。そして、下層マットレス部材1の上に配置される上層マットレス部材10は、その幅方向中央部の部分が、長手方向の全域にわたって、硬さが50乃至130Nの軟らかいウレタン製の第5部材11で占められているので、下層マットレス部材1による支持の相対的な硬軟の関係は、変化しない。つまり、下層マットレス部材1上に上層マットレス部材10が重ねられたマットレスとして、ベッド使用者の背部及び脚部は、比較的硬い素材に支持され、腰部は、比較的軟らかい素材に支持される。
このように、ベッド使用者(患者)がベッド上に横臥した場合、その腰部(臀部)は、最下層に硬さが200N以上の硬い第1部材2をおいて、その上に、硬さが50乃至130Nの第5部材11と硬さが50乃至130Nの第3部材6の積層体が配置されたものの上に位置するので、実質的に硬さが50乃至130Nのウレタンにより支持されることになる。また、患者の背部は、硬さが50乃至130Nの第2部材3を最下層において、硬さが200N(40%圧縮)以上の硬いポリエステル硬綿からなる第1部材2と、硬さが50乃至130Nの第5部材11との積層体が配置されたものの上に位置しているので、硬い第1部材2の影響が強く、腰部(臀部)よりも硬い部分に支持されることになる。脚部は背部と同様の硬さの部分に支持されることになる。更に、患者の大腿部は、硬さが150乃至500Nの第4部材5と、ポリエステル硬綿からなる第1部材2と、硬さが50乃至130Nの第5部材11との積層体の上に位置しているので、腰部はもとより、背部及び脚部よりも硬い部材に支持されることになる。
このように、下層マットレス部材1と上層マットレス部材10とが積層されたマットレスの場合は、患者の臀部が最も軟らかい部分(硬さ50乃至130N)に支持され、背部及び脚部が臀部の部分より硬い部分に支持され、大腿部が背部及び脚部の部分より硬い部分に支持される。このため、このマットレスは、患者が寝返りをしやすいと共に、患者の臀部は硬さが50乃至130Nの部分に支持されるので、体圧分散性が優れていて、寝心地と体圧分散性との双方が優れたバランスが良いものとなる。しかも、ベッド端座位に、硬さが150乃至500Nの硬い第6部材が配置されているので、前述のごとく、患者はベッドから離床しやすい。従って、下層マットレス部材1と上層マットレス部材10との組み合わせは、寝心地と体圧分散性が優れ、更に、端座位が安定するという機能をもつスタンダードタイプのマットレスとなる。
一方、上層マットレス部材10の代わりに、上層マットレス部材20を下層マットレス部材1と組み合わせて使用した場合には、硬さが50乃至130Nの第7部材21と硬さが150乃至500Nの第8部材22とがベッド長手方向に配置されており、硬さが150乃至500Nの第8部材22は、傾斜面23の部分で厚さがベッド長手方向に徐々に減少しているので、硬さも同様に徐々に低下している。よって、上層マットレス部材20の場合は、ベッド長手方向に硬さが変化する。即ち、ベッド使用者は、背部が軟らかい第7部材21により支持され、臀部が比較的硬い第8部材22により支持され、第8部材22の硬さは、足部側になるにつれて低くなっている。そして、上層マットレス部材20は2層構造でその上層には、軟らかい第9部材24,第10部材25及び第11部材26が配置されているので、ベッド使用者の感触が心地よいものとなっている。また、臀部の第8部材22の硬さが比較的硬いので、人体の中で比較的重い臀部が上層マットレス部材20内で沈み込んだ場合でも、この臀部が下層マットレス部材1まで到達する所謂底付きが生じることが防止される。また、上層マットレス部材20の場合も、ベッドの端座位の位置では硬さが高いので、端座位が安定し、例えば、リハビリテーション中の患者が端座位で立ち上がりやすくなる。但し、上層マットレス部材10と異なり、上層マットレス部材20の場合は、端座位が2層構造になっており、下層の第12部材27は硬さが200N以上と硬いが、その上層の第13部材28は硬さが50乃至130Nと軟らかくなっているので、ベッド使用者の触感が心地よいものとなっている。
更に、上層マットレス部材20の場合は、前述の如く、端座位が安定すると共に、仰臥位及び側臥位のいずれの場合も、また30°以下の背上げ時においても、優れた体圧分散性が得られる。上層マットレス部材20は、2層構造であり、例えば厚さが12.5cmと、単層構造の上層マットレス部材10(例えば,厚さが9cm)よりも3.5cm厚いため、ベッド使用者との接触面積が上層マットレス部材10よりも増大している。よって、この上層マットレス部材20と下層マットレス部材1とを組み合わせたマットレスの場合は、体圧分散性が極めて優れており、床ずれ防止に極めて有効である。即ち、このマットレスは、仰臥位、側臥位、及び背上げ時の体圧分散性が優れているという機能をもつ床ずれ防止タイプのマットレスとなる。なお、上層マットレス部材を、より軟らかく、厚さをより厚くすると、患者の身体との接触面積がより増大し、体圧分散性がより優れたものとなり、褥瘡の予防に有効なマットレスを組み立てることができる。
上述のごとく、ベッド使用者の固有の特性に応じて、必要となる機能をもつ上層マットレス部材を選択し、これを共通に使用する1個の下層マットレス部材1と組み合わせて、所望の特性をもつマットレスを得る。一般的な患者の場合は、上層マットレス部材10を使用し、床ずれが著しい患者の場合は、上層マットレス部材20を使用する。下層マットレス部材1は、全ての患者に共通に使用する。このため、本実施形態においては、患者の固有の特性に応じて必要な機能を、上層マットレス部材を交換するだけで得ることができるので、その機能をもつ専用のマットレスを用意しておく必要がなく、病院及び介護施設においては、設備コストを低減できる。在宅介護の場合も、被介護者は、月単位又は年単位で、その容体が変化する。当初は、褥瘡がなかった被介護者が、年月の経過と共に、褥瘡が酷くなる場合があるが、このように容体が変化した場合も、上層マットレス部材を交換するだけで、その時に最適な特性のマットレスを得ることができる。よって、介護に必要な費用を節約することができる。このように、本実施形態においては、患者に必要な特有の機能を、上層マットレス部材のみを、適切なものに変更することにより、ベッド使用者固有の特性に応じた機能を付加することができるので、ベッド使用者にとって最適の機能をもつマットレスを容易に且つ低コストで得ることができ、このカスタマイズのための費用を著しく低減することができる。
本発明においては、マットレス特性を、容易に且つ低コストで、ベッド使用者に最適な特性にカスタマイズすることができるので、病院及び介護施設のベッド並びに在宅介護用ベッドのマットレス特性を容易に最適なものに調整することができ、介護の適正化及び低コスト化に多大の貢献をなす。
1:下層マットレス部材
2:第1部材
3、4:第2部材
5:第4部材
6:第3部材
10、20:上層マットレス部材
11:第5部材
13:第6部材
21:第7部材
22:第8部材
24:第9部材
25:第10部材
26:第11部材
27:第12部材
28:第13部材

Claims (3)

  1. ベッド上のマットレスとして必要な機能を備える下層マットレス部材と、
    ベッド使用者の特性に応じて前記下層マットレス部材に付加又は増大すべき機能をもち、一体化構造の上層マットレス部材と、
    前記下層マットレス部材上に前記上層マットレス部材を分離可能に重ねた状態で、これらを被包する袋状のカバーと、
    を有し、
    前記上層マットレス部材は、ベッド使用者の固有の特性に応じて必要となる機能をもち、前記下層マットレス部材は、全ての患者に共通に使用されるものであり、
    前記下層マットレス部材は、複数個の部材から構成され、その長手方向の大腿部に相当する位置に他の部材よりも硬さが高い部材が配置されていることを特徴とするプラットホーム化マットレス。
  2. 前記上層マットレス部材は、そのベッド長手方向に複数個に分割された領域と、ベッド幅方向の両側部の領域とを有し、各領域の機能が異なることを特徴とする請求項1に記載のプラットホーム化マットレス。
  3. ベッド上のマットレスとして必要な機能を備える下層マットレス部材と、
    ベッド使用者の特性に応じて前記下層マットレス部材に付加又は増大すべき機能をもつ複数個の一体化構造の上層マットレス部材と、
    前記下層マットレス部材上に前記上層マットレス部材を分離可能に重ねた状態で、これらを被包する袋状のカバーと、
    を有するプラットホーム化マットレスを使用し、
    ベッド使用者が変更になった場合、又はベッド使用者の状態が変化した場合、そのベッド使用者の現在の状態に応じて、適切な機能をもつ上層マットレス部材を選択し、前記下層マットレス部材と前記適切な機能をもつ上層マットレス部材とを重ねた状態で、これらを前記カバーにより被包し、マットレスとして使用し、
    前記上層マットレス部材は、ベッド使用者の固有の特性に応じて必要となる機能をもつものを使用し、前記下層マットレス部材は、全ての患者に共通に使用するものであり、
    前記下層マットレス部材は、複数個の部材から構成され、その長手方向の大腿部に相当する位置に他の部材よりも硬さが高い部材が配置されていることを特徴とするプラットホーム化マットレスの使用方法。
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