(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した従来の冷蔵庫に関し、以下の問題が生じることを見出した。
上記従来の冷蔵庫では、冷蔵庫を開閉したユーザが前に開閉したユーザと同じユーザであるか否かを認識できない。このため、同じユーザに重複した情報を提供するおそれがある。また、冷蔵庫の開または閉の度に、常に異なる情報を提供している場合には、冷蔵庫を開閉したユーザが前に開閉したユーザと異なるユーザであっても、異なる情報を提供することになる。このため、異なるユーザのそれぞれが例えば天気予報を知りたいと思っていても、一人のユーザしか天気予報を知ることができない。このように、従来の冷蔵庫では、冷蔵庫を開閉したユーザに適した情報を提供できないおそれがある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、一以上の電気機器と接続する冷蔵庫の制御方法であって、前記冷蔵庫は、扉および引き出しの少なくとも一方とコンピュータを備え、前記コンピュータに、前記扉および前記引き出しの少なくとも一方の開または閉を検知させ、前記一以上の電気機器から、当該一以上の電気機器の動作状態を示す状態情報を受信させ、前記一以上の電気機器はユーザが調理している時に動作し得る電気機器であり、受信された前記状態情報に基づいて、前記ユーザが調理しているか否かを判定させ、前記ユーザが調理していると判定された時に前記開または前記閉が検知された場合、前記開または前記閉が検知される度に、異なる情報を前記ユーザへ通知させる。
これによれば、料理期間中においては、冷蔵庫の扉および引き出しの少なくとも一方の開または閉を行ったユーザに対して、同じ情報を通知することを抑制できる。また、これにより、処理にかかる時間を短縮できるため、冷蔵庫の消費電力を低減できる。
例えば、前記冷蔵庫は、さらに、前記ユーザに通知する前記情報を格納するサーバと接続し、前記コンピュータに、さらに、前記サーバから、前記情報を受信させてもよい。
例えば、前記コンピュータに、さらに、前記サーバから、複数の前記情報、および前記複数の情報の通知順序を示す順序情報を受信させ、前記順序情報に基づいて前記複数の情報を順番に通知させることで、前記開または前記閉が検知される度に、異なる前記情報を前記ユーザへ通知させてもよい。
例えば、前記コンピュータに、さらに、前記電気機器が動作開始する時点を前記ユーザが調理開始する時点として特定し、かつ、前記電気機器が動作終了する時点、または前記電気機器が動作終了してから所定時間が経過した時点を前記ユーザが調理終了する時点として特定させることで、前記ユーザが調理しているか否かを判定させてもよい。
このため、より確実に料理中であるか否かを判定できる。
例えば、前記冷蔵庫は、複数の前記電気機器と接続し、前記コンピュータに、さらに、前記複数の電気機器の動作状態に基づいて、前記ユーザが調理しているか否かを判定させてもよい。
例えば、前記電気機器は、IHクッキングヒータ、照明、換気扇、電子レンジ、ホットカーペット及びフードプロセッサの中の少なくとも一であってもよい。
このように、料理中に使用する電気機器の動作状態を用いて料理期間中であるか否かを判定することで、より確実に料理期間中であるか否かを判定できる。
例えば、前記電気機器は、ディスプレイを備える情報端末であり、前記コンピュータに対して、さらに、前記状態情報として、前記ディスプレイにおいて前記調理にかかるレシピサイトの表示が開始されたことを示す第1情報を受信した場合、前記第1情報を受信した時点を前記ユーザが調理開始する時点として特定させ、かつ、前記状態情報として、前記ディスプレイにおけるレシピサイトの表示が終了されたことを示す第2情報を受信した場合、前記第2情報を受信した時点を前記ユーザが調理終了する時点として特定させることで、前記ユーザが調理しているか否かを判定させてもよい。
このため、より確実に料理期間中であるか否かを判定できる。
例えば、前記コンピュータに、さらに、前記情報端末から、前記レシピサイトのレシピに含まれる調理手順を受信させ、受信された前記状態情報に基づいて、前記調理手順の中で現在行われている第1調理手順を特定させ、特定された前記第1調理手順の次の手順である第2調理手順に関する情報を前記ユーザへ通知させてもよい。
これによれば、現在行われている料理のうちの次に行われる料理手順に関する情報を提供しているため、ユーザは、事前に次の手順に関する情報を知ることができる。このため、冷蔵庫の扉または引き出しを開けた状態で、次の手順に関して考えることを抑制できる。これにより、冷蔵庫の扉または引き出しが開いている時間を短縮でき、冷蔵庫の消費電力を低減できる。
例えば、前記コンピュータに、さらに、前記開または前記閉を行った人物を識別させ、前記識別された人物が前記ユーザであるか否か判定し、前記識別された人物が前記ユーザであると判定された場合、前記ユーザに応じた情報を前記ユーザへ通知させてもよい。
これによれば、ユーザを識別して情報を通知するため、当該ユーザに対して重複した情報を通知することをより確実に抑制できる。また、一旦ユーザを識別すれば料理期間中は同一人物であると見なすため、それ以降の識別にかかる処理を省略することができる。これにより、消費電力を低減できる。
例えば、前記冷蔵庫は、前記人物の顔を撮像するカメラを備え、前記コンピュータに、さらに、前記カメラを用いて、前記人物の顔の画像を撮像させ、前記画像を顔認識処理することによって、前記人物を識別させてもよい。
例えば、前記冷蔵庫は、音声を出力する音声出力装置を備え、前記情報は、前記音声出力装置を介して音声によって通知されてもよい。
また、本発明の一態様に係る冷蔵庫は、扉および引き出しの少なくとも一方を備える冷蔵庫であって、前記扉および前記引き出しの少なくとも一方の開または閉を検知する検知部と、前記開または前記閉が検出されたときに、情報の通知を行う通知部と、前記冷蔵庫に接続された前記冷蔵庫とは異なる電気機器の動作状態を示す状態情報を取得する取得部と、前記電気機器は、ユーザが調理している時に動作し得る電気機器であり、取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザが調理しているか否かを判定する判定部と、を備え、前記通知部は、前記判定部が前記ユーザが調理していると判定し、前記検知部が前記開または前記閉を検知した場合、前記検知部が前記開または前記閉が検知する度に異なる情報の通知を行う。
また、本発明の一態様に係る制御方法は、扉および引き出しの少なくとも一方を備える冷蔵庫、および前記冷蔵庫とは異なる一以上の電気機器と接続し、ユーザに情報通知する情報提供装置の制御方法であって、前記電気機器は、前記ユーザが調理している時に動作し得る電気機器であり、前記情報提供装置はコンピュータを備え、前記制御方法は、前記コンピュータに、前記冷蔵庫から、前記扉および前記引き出しの少なくとも一方の開または閉を検知したことを示す開閉情報を受信させ、前記一以上の電気機器から、当該一以上の電気機器の動作状態を示す状態情報を受信させ、受信された前記状態情報に基づいて、前記ユーザが調理しているか否かを判定させ、前記ユーザが調理していると判定された時に前記開閉情報が受信された場合、前記開閉情報が受信される度に、異なる情報を前記ユーザへ通知させる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1について、説明する。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態における冷蔵庫を備える情報提供システムの構成の概要について説明する。
図1は、実施の形態1における情報提供システムの構成を示す概略図である。図2は、実施の形態1における情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、実施の形態1にかかる情報提供システム10は、冷蔵庫100と、電気機器としてのIHクッキングヒータ200と、インターネット300を介して通信接続されているサーバ400とにより構成されている。
冷蔵庫100は、扉/引き出し110の開または閉のタイミングでサーバ400から取得した情報を音声でユーザに提供する。冷蔵庫100は、インターネット300にWi-
Fi(登録商標)またはEthernet(登録商標)により通信可能に接続されている。
IHクッキングヒータ200は、冷蔵庫100が設置されている部屋(空間)と同じ部屋(空間)に設置される機器であり、例えば、キッチンに設置される電気機器である。なお、電気機器は、電子レンジ、フードプロセッサ、トースターなどの調理家電や、キッチン照明、換気扇、ホットカーペット、キッチン床暖房、エアコン、電気ストーブなどのキッチンを快適にするための家電の少なくともいずれか1つであってもよい。また、調理家電は、使用中にユーザが当該機器のそばに居ることが必要な機器が好ましいが、上述の他に、炊飯器、電気ケトル、ホームベーカリーなどを含んでいてもよい。IHクッキングヒータ200は、Wi−Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)などの無線接続により冷蔵庫100と通信可能である。
サーバ400は、インターネット300経由でユーザに通知するための情報を提供する。
次に、冷蔵庫100の具体的な構成について説明する。
冷蔵庫100は、扉/引き出し110と、検出部120と、通知部130と、取得部140と、判定部150と、記憶部160とを有する。
扉/引き出し110は、貯蔵室の開口を開閉自在に塞ぐ扉と、貯蔵室と貯蔵室の外方空間との間をスライド可能な引き出しとの少なくとも一方である。扉/引き出し110は、開閉されることにより、冷蔵庫100の貯蔵室が開放された開状態と、密閉された閉状態とが切り替えられる。扉/引き出し110は、ユーザにより開状態にされることで、貯蔵室から貯蔵されている物品をユーザが取り出したり、貯蔵室へ物品をユーザが収納したりすることが可能な状態となる。
検出部120は、扉/引き出し110の開または閉を検出する。具体的には、検出部120は、扉/引き出し110が閉状態から開状態になったことを検出し、検出したことを示す信号を通知部130に送信する。なお、冷蔵庫100は、通常時は、扉/引き出し110が閉じている状態であるため、扉/引き出し110が閉状態から開状態に遷移したことを検出したほうが好ましいが、反対に開状態から閉状態に遷移したことを検出してもよいし、上記の2パターンの遷移の両方を検出してもよい。なお、以下では、開状態から閉状態に遷移すること、閉状態から開状態に遷移すること、または、これらの2パターンの遷移の両方のことを「開閉する」とも言う。検出部120は、例えば、フォトインタラプタなどのセンサにより実現される。
通知部130は、検出部120により扉/引き出し110の開または閉が検出されたときに、通知を行う。具体的には、通知部130は、開または閉が検出されたタイミングで、ユーザに対してスピーカから音声を出力することにより情報を通知する。通知部130は、例えば、天気予報、各ユーザ(ユーザを含む家族)のスケジュールや、設置されている地域のゴミ捨てスケジュールなどの生活情報を通知する。
また、通知部130は、後述する料理期間中に検出部120により扉/引き出し110の開または閉が検出された場合、当該料理期間中に開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行う。つまり、通知部130は、料理期間中に検出部120により扉/引き出し110の開または閉が複数回検出された場合、複数回の開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なす。さらに言い換えると、ここでは、同一の料理期間中であれば、冷蔵庫100の扉/引き出し110の開または閉を行うユーザは、同一人物であると推測できるので、同一人物であると見なした通知を行う。
例えば、通知部130は、料理期間中において開または閉が検出された場合、開または閉の度に異なる情報の通知を行うことで、所定の通知を行う。
ここで、開または閉の度に異なる情報を通知する通知方法について、具体的に説明する。説明の便宜上、通知部130から通知するための情報を、通知情報として説明する。
図3A、図3B、図3C、図3Dは、ぞれぞれ、実施の形態1における通知条件を表す情報のデータ構成の一例を示す図である。
取得部140は、サーバ400から、図3A〜3Dに示すような、「情報種別」、「頻度」、「開始時刻」、「終了時刻」、および「優先度」の項目を含む通知条件を表す情報を予め取得する。通知条件を表す情報は、例えば、記憶部160に格納される。
「情報種別」の項目は、通知情報の種別を表し、例えば、天気予報、ごみの日、ニュース、占い、などと入力されている。取得部140によって別途サーバ400から取得される通知情報が、いずれの情報種別に該当するかによって、いずれの通知条件が適用されるか決定される。例えば、通知情報の情報種別が天気予報である場合には、通知条件Aが適用される。また、例えば、通知情報の情報種別がニュースである場合には、通知条件Cが適用される。
「頻度」の項目は、通知情報がどの程度の頻度で通知される情報であるかを表す。この項目に入力されている情報に基づいて、該当する通知情報が通知される日が決定される。
「開始時刻」の項目は、通知情報が通知される時間帯の開始時刻を表す。「終了時刻」の項目は、通知情報が通知される時間帯の終了時刻を表す。例えば、「開始時刻」が6:30、「終了時刻」が8:30である通知条件が適用される通知情報は、6:30から8:30の間に扉/引き出し110の開または閉が検出された場合に通知される。すなわち、9:00に扉/引き出し110の開または閉が検出された場合には、通知情報は通知されない。ただし、通知条件Dのように、通知情報が通知される時間帯に9:00が含まれる通知条件に該当する通知情報が存在する場合には、その通知情報が通知される。
「優先度」の項目は、通知条件間でいずれの通知条件に合致する通知情報が優先して通知されるかを表す。ここでは、入力されている数値が小さいほど、優先度が高いものとする。例えば、通知条件Aと通知条件Cは、どちらも「頻度」、「開始時刻」、「終了時刻」が同じであるが、通知条件Aの方が優先度は高い。そのため、例えば、8:00に扉/引き出し110の開または閉が検出された場合、通知条件Aに該当する天気予報が通知される。また、6:30から8:30の間であって、同一の料理期間中であると判断されている間に、扉/引き出し110の開または閉が2回検出された場合には、1回目の検出時には通知条件Aに該当する天気予報が通知され、2回目の検出時には通知条件Cに該当するニュースが通知される。
さらに、この日が月曜日であった場合には、1回目の検出時には前述のケースと同様に通知条件Aに該当する天気予報が通知されるが、2回目の検出時には、通知条件Cよりも優先度の高い通知条件Bに該当するごみの日の情報が通知される。
通知情報には、具体的な通知内容と、その通知情報の情報種別を示すデータが含まれている。通知内容は、例えば、「今日の天気は晴れです。」というテキスト情報であってもよく、このテキスト情報に基づいて、通知部130において音声合成が実行されて音声による通知が実現されてもよい。また、テキスト情報の代わりに、音声情報が含まれていてもよい。この音声情報に基づいて、通知部130において音声通知が実現されてもよい。また、通知情報の情報種別を示すデータに基づいて、後述する判定部150において、その通知情報がいずれの通知条件に該当する情報であるか判定され、実際に通知される通知情報が決定される。判定部150は、記憶部160に格納されている通知条件と通知情報とを参照して、いずれの通知情報を通知するか決定するとしてもよい。
このとき、取得部140は、予めサーバ400から複数の通知情報を取得しておいても良いし、扉/引き出し110の開または閉が検出された時点で、取得部140がサーバ400に対して問合わせを行い、通知情報を取得するとしてもよい。
一方で、通知部130は、料理期間中以外の期間中には、予め定められた情報をランダムに繰り返し通知する。通知部130は、例えば、プロセッサ、プログラムが格納されたメモリ、スピーカなどによって実現される。
なお、この場合の所定の通知を行う料理期間中とは、連続した1まとまりの期間である。つまり、通知部130は、料理期間が複数ある場合には、複数の料理期間ごとにユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行う。これは、複数の料理期間のうちの第一料理期間で同一人物であると見なしたユーザと、第二料理期間で同一人物であると見なしたユーザとは異なるユーザの場合があるからである。
取得部140は、IHクッキングヒータ200の動作状態を示す状態情報を取得する。具体的には、取得部140は、状態情報として、例えば、IHクッキングヒータ200の電源のオンオフの状態を示す情報を取得する。また、取得部140は、状態情報として、例えば、IHクッキングヒータ200の加熱状態を示す情報を取得してもよい。つまり、取得部140は、料理のための動作が行われているか否かを示す情報をIHクッキングヒータ200の状態情報として取得する。
また、取得部140は、通知部130から通知するための情報をサーバ400から取得する。具体的には、取得部140は、上述した生活情報を取得する。取得部140は、例えば、プロセッサ、プログラムが格納されたメモリ、通信モジュールなどによって実現される。つまり、取得部140は、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線接続による無線通信や、Ethernet(登録商標)などの有線接続による有線通信によって、各種情報を取得する。
判定部150は、取得部140により取得された状態情報に応じて、IHクッキングヒータ200を用いて料理が行われている料理期間中であるか否かを判定する。具体的には、判定部150は、IHクッキングヒータ200の動作が開始された場合に、料理期間が開始されたと判定し、かつ、IHクッキングヒータ200の動作が終了された場合、または、IHクッキングヒータ200の動作が終了されたときから所定時間が経過した場合に、料理期間が終了したと判定することで、料理期間中であるか否かを判定する。なお、判定部150は、IHクッキングヒータ200の動作の開始または終了を、電源のオンオフの状態や加熱状態等に基づいて判定する。判定部150は、例えば、プロセッサ、プログラムが格納されたメモリ、通信モジュールなどによって実現される。
記憶部160は、取得部140がサーバ400から取得した通知条件を表す情報および通知情報を格納する。記憶部160は、例えば、メモリ、ハードディスクなどによって実現される。
なお、上記実施の形態では、IHクッキングヒータ200の動作のみに基づいて、料理期間中であるか否かを判断する例を説明したが、例えば、IHクッキングヒータ200と、図示しない他の電気機器との動作に基づいて料理期間中であることを判断してもよい。例えば、IHクッキングヒータ200と他の電気機器とが両方とも動作を開始した場合に、料理期間が開始されたと判定してもよい。また、IHクッキングヒータ200と他の電気機器との両方が動作している状態からIHクッキングヒータ200と他の電気機器の両方が動作を終了した状態に変化した場合、または、IHクッキングヒータ200と他の電気機器との両方が動作を終了してから所定時間が経過した場合に、料理期間が終了したと判定してもよい。さらに、IHクッキングヒータ200と他の電気機器との両方が動作している状態からIHクッキングヒータ200と他の電気機器とのいずれか一方が動作を終了した状態に変化した場合、または、IHクッキングヒータ200と他の電気機器とのいずれか一方が動作を終了してから所定時間経過した場合に、料理期間が終了したと判定してもよい。このように、料理期間の開始と終了とを判定することで、料理期間中であるか否かを判定してもよい。
ここで、他の電気機器は、例えば、換気扇、キッチンの手元照明、キッチンの暖房器具、調理用秤、活動量計、蛇口などである。さらに、他の電気機器として、スマートフォン、タブレットなども想定される。他の電気機器として、スマートフォン、タブレットが用いられる場合、ウェブサイトの閲覧またはアプリケーションの実行によって、ユーザが調理レシピを閲覧していると判定される場合に、他の電気機器(スマートフォン、タブレット)が動作中であると判定される。
IHクッキングヒータ200は、検出部210と、通信部220とを備える。
検出部210は、IHクッキングヒータ200の動作状態を検出し、検出した動作状態を示す状態情報を通信部220に出力する。検出部210が検出する動作状態は、上述した取得部140が取得する動作状態と同じであるため、説明を省略する。
通信部220は、検出部210により出力された状態情報を、Wi−Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)などの無線通信で冷蔵庫100に送信する。
サーバ400は、天気予報、ニュースなどの情報提供サーバであり、冷蔵庫100の取得部140から送信された要求に応じた情報を提供する。
次に、冷蔵庫100で行われる情報提供処理について説明する。
図4は、実施の形態1における冷蔵庫において行われる情報提供処理を示すフローチャートである。
まず、検出部120が、冷蔵庫100の開または閉が行われたか否かを検出する(S10)。
次に、取得部140が、IHクッキングヒータ200の動作状態を示す状態情報を取得する(S20)。
次に、判定部150が、取得された状態情報に応じて、IHクッキングヒータ200を用いて料理が行われている料理期間中であるか否かを判定する(S30)。なお、判定部150による判定処理の詳細については、後述する。
次に、通知部130が、判定結果に応じて、ユーザに情報を通知する(S40)。なお、通知部130の通知処理の詳細については、後述する。
次に、図4で示したステップS30の判定処理の詳細について説明する。
図5は、実施の形態1における判定処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、判定部150は、料理中であると判定した状態であるか否かを判定する(S31)。具体的には、判定部150は、料理中であるか否かを示すフラグが、料理中であることを示していれば、料理中であると判定した状態であると判定し、当該フラグが料理中でないことを示していれば、料理中であると判定した状態でないと判定する。なお、当該フラグは、例えば、料理中である場合には「1」で示され、料理中でない場合には「0」で示される。
判定部150は、料理中であると判定した状態であると判定した場合(S31でYes)、IHクッキングヒータ200が停止してから所定時間経過したか否かを判定する(S32)。
判定部150は、IHクッキングヒータ200が停止してから所定時間経過したと判定した場合(S32でYes)、料理中ではないと判定する(S33)。具体的には、判定部150は、この場合(S32でYes)、料理中でないと判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「1」から「0」に変更し、料理期間が終了したと判定する。
一方で、判定部150は、IHクッキングヒータ200が停止してから所定時間経過していないと判定した場合(S32でNo)、料理中であると判定する(S34)。具体的には、判定部150は、この場合(S32でNo)、料理中であると判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「1」のままにする(変更しない)。
また、判定部150は、料理中であると判定した状態でないと判定した場合(S31でNo)、IHクッキングヒータ200が動作中であるか否かを判定する(S35)。
判定部150は、IHクッキングヒータ200が動作中であると判定した場合(S35でYes)、料理中であると判定する(S36)。具体的には、判定部150は、この場合(S32でYes)、料理中であると判定し、上記フラグを料理中であることを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「0」から「1」に変更し、料理期間が開始したと判定する。
一方では、判定部150は、IHクッキングヒータ200が動作中でないと判定した場合(S35でNo)、料理中でないと判定する(S37)。具体的には、判定部150は、この場合(S35でNo)、料理中でないと判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「0」のままにする(変更しない)。
判定部150は、ステップS33〜S37のいずれかの処理を終了することで、ステップS30の判定処理を終了する。
次に、図4で示したステップS40の通知処理の詳細について説明する。
図6は、実施の形態1における通知処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、通知部130は、判定部150により料理中であると判定されたか否かを判定する(S41)。具体的には、通知部130は、上述したステップS31と同様に、料理中であるか否かを示すフラグが、料理中であることを示していれば、料理中であると判定した状態であると判定し、当該フラグが料理中でないことを示していれば、料理中であると判定した状態でないと判定する。
そして、通知部130は、料理中であると判定した状態であると判定した場合(S41でYes)、所定の情報を通知する(S42)。具体的には、通知部130は、この場合(S41でYes)、料理期間中であると判定し、開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行う。
一方で、通知部130は、料理中でないと判定した状態であると判定した場合(S41でNo)、通常の情報を通知する(S43)。具体的には、通知部130は、この場合(S41でNo)、料理期間中でないと判定し、開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なしていない通知を行う。
以上、本実施の形態によれば、料理期間中においては、冷蔵庫100の扉/引き出し110の開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行うため、同じユーザに対して重複した処理を行うことを防ぐことができる。これにより、冷蔵庫100の消費電力を低減できる。
また、本実施の形態によれば、料理期間中において冷蔵庫100の扉/引き出し110の開または閉が検出された場合、開または閉の度に異なる情報の通知を行うことで、所定の通知を行う。このため、料理期間中においては、当該ユーザに対して、同じ情報を通知することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、判定部150は、IHクッキングヒータ200の動作が開始された場合に、料理期間が開始されたと判定し、かつ、IHクッキングヒータ200の動作が終了されたときから所定時間が経過した場合に、料理期間が終了したと判定することで、料理期間中であるか否かを判定する。このため、より確実に料理中であるか否かを判定できる。
また、本実施の形態によれば、取得部140は、IHクッキングヒータ200の状態情報として、IHクッキングヒータ、照明、換気扇、電子レンジ、ホットカーペット及びフードプロセッサの少なくとも一つの動作状態を示す状態情報を取得する。このように、料理中に使用する電気機器の動作状態を用いて料理期間中であるか否かを判定することで、より確実に料理期間中であるか否かを判定できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、説明する。
図7は、実施の形態2における情報提供システムの構成を示す概略図である。図8は、実施の形態2における情報提供システムの構成を示すブロック図である。
実施の形態2にかかる情報提供システム10aは、実施の形態1にかかる情報提供システム10と比較して、他の電気機器が情報端末200aであることが異なる。また、冷蔵庫100の取得部140により、取得される情報端末200aの状態情報が異なる。また、冷蔵庫100の判定部150により行われる判定処理の内容が異なる。
以下、実施の形態1の冷蔵庫100と異なる構成についてのみ説明する。
情報端末200aは、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータなどであり、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、携帯電話通信網などの無線接続による無線通信によりインターネット300を介してサーバ400と接続されている。情報端末200aは、実施の形態1と同様に、動作状態を検出する検出部210aと、通信部220aとを有する。
検出部210aは、情報端末200aによりレシピサイトが閲覧されているか否かを検出する。つまり、検出部210aは、レシピサイトを図示しない表示部に出力している状態であるか否かを検出する。検出部210aは、検出した結果を示す状態情報を通信部220aに出力する。なお、ここで、レシピサイトとは、料理に使用する材料(所定の人数分当たりの分量を含む)、調理器具、調理にかかる時間、調理手順などを示すレシピに関する情報を公開しているウェブサイトである。
通信部220aは、検出部210aに出力された状態情報を、Wi−Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)などの無線通信で冷蔵庫100に送信する。
そして、冷蔵庫100の判定部150は、取得部140により取得された状態情報に応じて、情報端末200aを用いて料理を行うためのレシピが閲覧中であるか否かを判定することで、料理期間中であるか否かを判定する。具体的には、判定部150は、情報端末200aがレシピサイトの表示を開始した場合に、料理期間が開始されたと判定し、かつ、情報端末200aがレシピサイトの表示を終了した場合に、料理期間が終了したと判定することで、料理期間中であるか否かを判定する。
次に、実施の形態2にかかる冷蔵庫100で行われる情報提供処理について説明する。
実施の形態2では、実施の形態1の判定処理のうちの一部の処理が異なり、その他の処理は同じであるため、異なる処理のみについて説明し、その他の処理については説明を省略する。
図9は、実施の形態2における判定処理の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態2の判定処理は、実施の形態1の判定処理のステップS32及びステップS35の代わりに、それぞれステップS38及びステップS39を行う。以下、具体的に説明する。
判定部150は、料理中であると判定した状態であると判定した場合(S31でYes)、情報端末200aでレシピサイトの表示が終了したか否かを判定する(S38)。
判定部150は、情報端末200aでレシピサイトの表示が終了したと判定した場合(S38でYes)、料理中ではないと判定する(S33)。具体的には、判定部150は、この場合(S38でYes)、料理中でないと判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「1」から「0」に変更し、料理期間が終了したと判定する。
一方で、判定部150は、情報端末200aでレシピサイトが表示中であると判定した場合(S38でNo)、料理中であると判定する(S34)。具体的には、判定部150は、この場合(S38でNo)、料理中であると判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「1」のままにする(変更しない)。
また、判定部150は、料理中であると判定した状態でないと判定した場合(S31でNo)、情報端末200aでレシピサイトの表示中であるか否かを判定する(S39)。
判定部150は、情報端末200aでレシピサイトの表示中であると判定した場合(S39でYes)、料理中であると判定する(S36)。具体的には、判定部150は、この場合(S39でYes)、料理中であると判定し、上記フラグを料理中であることを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「0」から「1」に変更し、料理期間が開始したと判定する。
一方では、判定部150は、情報端末200aが動作中でないと判定した場合(S39でNo)、料理中でないと判定する(S37)。具体的には、判定部150は、この場合(S39でNo)、料理中でないと判定し、上記フラグを料理中でないことを示す設定にする。つまり、判定部150は、上記フラグを示す数値を「0」のままにする(変更しない)。
以上、本実施の形態によれば、判定部150は、情報端末200aがレシピサイトの表示を開始した場合に、料理期間が開始されたと判定し、かつ、情報端末200aがレシピサイトの表示を終了した場合に、料理期間が終了したと判定することで、料理期間中であるか否かを判定する。このため、より確実に料理中であるか否かを判定できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、説明する。
図10は、実施の形態3における情報提供システム10bの構成を示すブロック図である。
実施の形態3にかかる情報提供システム10bは、実施の形態1にかかる情報提供システム10と比較して、冷蔵庫100bの構成が異なる。具体的には、冷蔵庫100bは、冷蔵庫100の構成にさらに、識別部170を備える。また、冷蔵庫100bの通知部130bは、冷蔵庫100の通知部130と異なり、判定部150の判定結果、及び、識別部170の識別結果を用いて通知を行う。冷蔵庫100bのその他の構成は、冷蔵庫100と同様であるため、説明を省略する。
以下、実施の形態1の冷蔵庫100と異なる構成についてのみ説明する。
識別部170は、冷蔵庫100の扉/引き出し110を開閉したユーザを識別する。
次に、実施の形態3にかかる冷蔵庫100bで行われる情報提供処理について説明する。
図11は、実施の形態3における冷蔵庫100bにおいて行われる情報提供処理を示すフローチャートである。
実施の形態3の情報提供処理は、実施の形態1の情報提供処理にさらに識別処理が追加されている点と、実施の形態1の情報提供処理の通知処理が識別処理の結果を用いている点とが異なる。その他の処理については、実施の形態1の情報提供処理と同様であるため、説明を省略する。
まず、実施の形態3の情報提供処理では、実施の形態1の情報提供処理におけるステップS10〜ステップS30が行われる。
ステップS30の後に、識別部170は、上述した識別方法の少なくとも1つでユーザを識別する(S50)。
次に、通知部130が、判定部150の判定結果及び識別部170の識別結果に応じて、ユーザに情報を通知する(S40b)。つまり、ステップS50において、識別部170が冷蔵庫100bの扉/引き出し110を開閉したユーザがユーザAであると識別した場合には、通知部130は、ユーザA向けの情報を通知し、冷蔵庫100bの扉/引き出し110を開閉したユーザがユーザBであると識別した場合には、通知部130は、ユーザB向けの情報を通知する。
なお、ステップS50の識別処理は、ステップS20の取得処理よりも前に行ってもよい。
また、ステップS50の識別処理が行われた後に、取得部140が、識別処理で識別されたユーザ向けの情報をサーバ400から取得する取得処理が行われてもよい。この場合、当該取得処理の後に、通知部130が、取得部140により取得された情報を通知する。
以下、識別部170の具体例について説明する。
具体的には、識別部170は、ユーザから発話された音声を検出し、検出した音声を用いて発話したユーザを識別してもよい。つまり、識別部170は、音声認識によりユーザを識別する。この場合、識別部170は、予めユーザ毎に関連付けられた音声を示す音声情報と、検出した音声とを比較することによりユーザを識別する。識別部170は、例えば、プロセッサ、プログラム及び音声情報が格納されたメモリ、ユーザから発話された音声を取得するマイクなどによって実現される。
この場合の識別部170により識別処理では、まず、スピーカから例えば挨拶を出力する。挨拶は、例えば、現在時刻に応じて出力され、午前であれば「おはよう」、午後であれば「こんにちは」、「こんばんは」などである。そして、スピーカから出力された挨拶に対してユーザからの挨拶などの発話による返答がされた場合に、識別部170は、当該返答をマイクにより検出し、ユーザを識別する。
また、識別部170は、ユーザが扉/引き出し110を掴んだ位置を検出し、検出した位置を用いて扉/引き出し110を開閉したユーザを識別してもよい。この場合、扉/引き出し110は冷蔵庫100の扉であり、識別部170は、扉の取っ手が掴まれた高さを検出し、予めユーザ毎に関連付けられた高さを示す高さ情報と、検出した高さとを比較することによりユーザを識別する。この場合の識別部170は、例えば、プロセッサ、プログラム及び高さ情報が格納されたメモリ、扉の取っ手におけるユーザが掴んだ位置を検出するためのセンサなどによって実現される。
また、識別部170は、ユーザが扉/引き出し110を開閉した速度(以下、「開閉速度」という。)を検出し、検出した開閉速度を用いて扉/引き出し110を開閉したユーザを識別してもよい。なお、開閉速度は、ユーザにより扉/引き出し110が閉状態及び開状態の一方の状態から他方の状態に遷移したときにかかる速度である。この場合、識別部170は、予めユーザ毎に関連付けられた開閉速度を示す速度情報と、検出した開閉速度とを比較することによりユーザを識別する。この場合の識別部170は、例えば、プロセッサ、プログラム及び速度情報が格納されたメモリ、扉/引き出し110の開閉速度を検出するためのセンサなどによって実現される。
また、識別部170は、ユーザの顔又はユーザのシルエットを検出し、検出したユーザの顔又はユーザのシルエットを用いてユーザを識別してもよい。この場合、識別部170は、予めユーザ毎に関連付けられた顔の画像もしくは顔の特徴を示す顔情報又はシルエットを示すシルエット情報と、検出したユーザの顔又はユーザのシルエットとを比較することによりユーザを識別する。なお、識別部170は、ユーザのシルエットを検出することによりユーザを識別する場合には、ユーザのシルエットからユーザの身長を検出し、検出した身長を用いてユーザを識別してもよい。この場合の識別部170は、例えば、プロセッサ、プログラム及び顔情報又はシルエット情報が格納されたメモリ、ユーザの顔又はユーザのシルエットを検出するためのカメラなどのセンサなどによって実現される。
また、識別部170は、ユーザの体重を検出し、検出したユーザの体重を用いてユーザを識別してもよい。この場合、識別部170は、予めユーザ毎に関連付けられた体重を示す体重情報と、検出した体重とを比較することによりユーザを識別する。この場合の識別部170は、例えば、プロセッサ、プログラム及び体重情報が格納されたメモリ、ユーザの体重を検出するための重量センサなどによって実現される。
識別部170は、上述した複数の識別方法のうちの1つを用いて、ユーザを識別してもよいし、複数の識別方法の任意に組み合わせることでユーザを識別してもよい。
以上、本実施の形態にかかる冷蔵庫100bによれば、冷蔵庫100bを開閉したユーザを識別し、識別したユーザに応じた情報を通知するため、当該ユーザに対して重複した情報を通知することをより確実に抑制できる。
また、本実施の形態にかかる冷蔵庫100bによれば、料理期間中にユーザが既に識別されていれば、当該料理期間中において扉/引き出し110の開または閉が再度検出された場合に、料理期間中は同一人物が扉/引き出し110を開閉したと見なすことができるため、識別処理を再度行わなくてもよい。このように、同じ料理期間中における2回目以降の扉/引き出し110の開または閉では、識別処理を行わなくてもよいため、情報提供処理にかかる処理負荷を低減できる。また、これにより、消費電力を低減できる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、説明する。
図12は、実施の形態4における情報提供システム10cの構成を示すブロック図である。
実施の形態4にかかる情報提供システム10cは、実施の形態2にかかる情報提供システム10aと比較して、冷蔵庫100cがさらに特定部180を有する点と、取得部140cの処理内容とが異なる。また、実施の形態4にかかる情報提供システム10cは、他の電気機器、IHクッキングヒータ200及び情報端末200aを備える点が異なる。
以下、実施の形態2の冷蔵庫100と異なる構成についてのみ説明する。
取得部140cは、IHクッキングヒータ200及び情報端末200aの両方から状態情報を取得する。取得部140cにより取得される状態情報は、実施の形態1及び実施の形態2で説明した状態情報と同様である。また、取得部140cは、情報端末200aにより閲覧されているレシピサイトのレシピを取得する。具体的には、取得部140cは、当該レシピを示すレシピ情報を情報端末200aから取得してもよいし、当該レシピ情報を特定するためのレシピIDのみを情報端末200aから取得して、取得したレシピIDに基づいてサーバ400からレシピ情報を取得してもよい。取得部140cは、レシピ情報を取得することで、レシピに含まれる料理手順を取得する。
特定部180は、取得部140cにより取得されたIHクッキングヒータ200の状態情報に応じて、取得部140cにより取得された料理手順のうち現在行われている手順を特定する。
次に、実施の形態4にかかる冷蔵庫100cで行われる情報提供処理について説明する。
図13は、実施の形態4における冷蔵庫100cにおいて行われる情報提供処理を示すフローチャートである。
実施の形態4の情報提供処理は、実施の形態2の情報提供処理(つまり、実施の形態1の情報提供処理の判定処理を図9に示す判定処理に変えた処理)にさらに料理手順を取得する処理及び特定処理が追加されている点と、実施の形態2の情報提供処理の通知処理が特定処理の結果を用いている点とが異なる。その他の処理については、実施の形態2の情報提供処理と同様であるため、説明を省略する。
まず、実施の形態4の情報提供処理では、実施の形態2の情報提供処理におけるステップS10〜ステップS30が行われる。なお、ステップS30では、実施の形態1の判定処理が行われていてもよい。
ステップS30の後に、取得部140cは、情報端末200aに表示されているレシピサイトのレシピに含まれる料理手順を取得する(S60)。
次に、特定部180が、取得部140cにより取得された状態情報に応じて、取得部140cにより取得された料理手順のうち現在行われている手順を特定する(S70)。
ここで、特定部180により行われるステップS70の特定処理について詳細に説明する。
図14は、実施の形態4にかかる冷蔵庫100cの特定部180で行われる特定処理について説明するための図である。具体的には、図14の(a)は、取得部140cにより取得されるレシピに含まれる料理手順を示す図であり、取得したレシピに含まれる料理手順と、料理手順に対応する他の電気機器の想定される動作状態(想定状態)と、想定される経過時間(想定時間)とが関連付けられたテーブルである。図14の(b)は、取得部140cにより取得された現在の状態情報を示す図であり、具体的には、動作が開始されてから(つまり料理期間が開始されてから)現在までの経過時間と、現在の動作状態とを含む。
特定部180は、図14の(b)に示す状態情報に基づいて、図14の(a)の料理手順のうちで、状態情報に対応する料理手順を特定する。つまり、この場合、特定部180は、動作状態が「強」であり、かつ、経過時間が「12分」である手順2を特定する。なお、図14では、特定部180は、経過時間及び動作状態の両方に基づいて、料理手順の手順を特定しているが、経過時間及び動作状態の一方に基づいて、料理手順の手順を特定してもよい。
次に、通知部130が、特定部180により特定された手順の次の手順に関する情報を通知する(S40c)。この場合、具体的には、通知部130は、手順2の次の手順3の情報を通知する。つまり、通知部130は、3分経過後に、次の手順3の「中」で5分間焼く手順を行う旨の通知を行う。
本実施の形態の冷蔵庫100cによれば、現在行われている料理のうちの次に行われる料理手順に関する情報を提供しているため、ユーザは、事前に次の手順に関する情報を知ることができる。このため、冷蔵庫の扉または引き出しを開けた状態で、次の手順に関して考えることを抑制できる。これにより、冷蔵庫100cの扉/引き出し110が開いている時間を短縮でき、冷蔵庫100cの消費電力を低減できる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について、説明する。
図15は、実施の形態5における情報提供システム10dの構成を示すブロック図である。
実施の形態5にかかる情報提供システム10dは、実施の形態1にかかる情報提供システム10と比較して、冷蔵庫100dの構成と、情報提供装置500をさらに備える点とが異なる。具体的には、冷蔵庫100dは、実施の形態1の冷蔵庫100の検出部120、通知部130、取得部140、及び判定部150を除いた構成であり、扉/引き出し110を備える点が異なる。つまり実施の形態5の冷蔵庫100dは、情報を通知する機能を有しない従来の冷蔵庫である。
また、情報提供装置500は、実施の形態1の冷蔵庫100の検出部120、通知部130、取得部140、及び判定部150を備える。つまり、情報提供装置500は、実施の形態1の冷蔵庫100から情報の通知する機能を実現するための構成を分離した構成である。このため、各構成要素については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態によれば、従来の冷蔵庫100dに対しても、情報提供装置500を設置すれば、実施の形態1の冷蔵庫100と同様の機能を実現できる。このため、ユーザは、冷蔵庫を実施の形態1の冷蔵庫100に交換しなくても、情報提供装置500を設置すれば、実施の形態1と同様の機能を実現させることができる。
(変形例)
上記実施の形態によれば、扉/引き出し110の数については言及していないが、扉/引き出し110を複数備える冷蔵庫にも適用できる。この場合、検出部120は、複数の扉/引き出し110のうちの所定の扉/引き出し110の開または閉を検出するようにしてもよいし、全ての扉/引き出し110の開または閉を検出するようにしてもよい。なお、検出部120が全ての扉/引き出し110の開または閉を検出する場合には、複数の扉/引き出し110のいずれか一つが開閉されたことを検出する。
また、上記実施の形態によれば、通知部130は、音声をスピーカから出力することにより情報をユーザに通知しているが、音声でユーザに通知することに限らない。例えば、冷蔵庫にディスプレイなどの表示部を設けて、表示部に表示を行うことでユーザに情報を通知してもよい。
また、上記実施の形態によれば、通知部130は、料理期間中に開または閉を行ったユーザが同一人物であると見なした所定の通知として、開または閉の度に異なる情報の通知を行っているが、これに限らずに、例えば、ユーザから音声などの入力を受け付けて、当該入力に応答する通知を行う構成がある冷蔵庫(例えば、実施の形態3の冷蔵庫100b)の場合には、当該料理期間中に受け付けられた全ての入力及び全ての出力を考慮した通知を行ってもよい。具体的には、例えば、ユーザに明日のこの地域の天気を質問され、例えば、「晴れです」と回答した後に、同じ料理期間中において「明後日は?」とユーザに質問された場合には、明後日のこの地域の天気を質問されたものと解釈して、明後日の天気を通知してもよい。この場合に、回答が「晴れです」であれば、料理期間中であっても同じ通知を行う可能性がある。つまり、同一の料理期間中において開または閉の度に異なる通知を行わなくてもよい。
また、上記実施の形態によれば、通知部130は、料理期間ごとにユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行うとしたが、料理期間ごとではなく料理期間であれば特定の一人の人物であると見なした所定の通知を行ってもよい。例えば、ユーザAが料理を行うユーザであると予め設定されていれば、通知部は、料理期間中はユーザAに適した情報の通知を行ってもよい。
また、上記実施の形態1によれば、他の電気機器は、IHクッキングヒータ200のみであるが、これに限らずに、実施の形態1で例示した家電を複数組み合わせたものであってもよい。つまり、判定部は、複数の家電のそれぞれから取得された動作状態に基づいて、料理期間の判定を行ってもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の情報提供装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、冷蔵庫の扉及び引き出しの少なくとも一方の開または閉を検出し、前記開または前記閉が検出されたときに、情報の通知を行い、電気機器の動作状態を示す状態情報を取得し、取得された前記状態情報に応じて、前記電気機器を用いて料理が行われている料理期間中であるか否かを判定し、前記情報の通知では、前記料理期間中において前記開または前記閉が検出された場合、前記通知として、前記開または前記閉を行ったユーザが同一人物であると見なした所定の通知を行う情報提供方法を実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る冷蔵庫について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。