以下、複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に共通する部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1から図8を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1を採用した家庭内伝言システム100では、冷蔵庫1は、無線アクセスポイント101を介して外部のネットワーク102に通信可能に接続されている。この冷蔵庫1は、ネットワーク102に接続されている端末装置103やサーバ104(外部装置に相当する)との間で各種の情報をやり取りする。本実施形態では、ネットワーク102としていわゆるインターネットを想定している。なお、端末装置103は、住宅105の外部だけで無く、住宅105内であっても冷蔵庫1と通信可能である。また、端末装置103としては、住宅105内に設置されているパソコン等であってもよい。以下、冷蔵庫1と通信可能な装置を、便宜的に外部の機器と称する。これら冷蔵庫1と外部の機器との間でやり取りされる情報には、本実施形態で対象とする伝言が含まれている。また、本実施形態では、端末装置103としていわゆるスマートフォンやタブレット型パソコン等を想定している。
冷蔵庫1は、図2および図3に示すように、本体2の内部に、上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵室である冷蔵室3、野菜室4、製氷室5と上部冷凍室6、および下部冷凍室7が設けられている。冷蔵室3および野菜室4と、製氷室5および上部冷凍室6との間は、断熱仕切壁により仕切られている。冷蔵室3は、図2に示すように、いわゆる観音式の左扉3aおよび右扉3bによって開閉され、野菜室4、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7は、引き出し式の扉4a、扉5a、扉6aおよび扉7aによってそれぞれ開閉されるようになっている。また、各扉には、その開閉状態を検知するセンサ(図4参照。冷蔵室左扉センサ35a、冷蔵室右扉センサ35b、野菜室扉センサ36、製氷室扉センサ37、上部冷凍室扉センサ38、下部冷凍室扉センサ39)が設けられている。なお、上記した貯蔵室の構成は一例であり、各貯蔵室の配置順が異なっていたり、例えば上部冷凍室6が冷蔵と冷凍とを切り替え可能な切替室であるような構成でもよい。この冷蔵庫1は、例えばキッチンなど、人が生活する際に必ず利用する場所であるいわゆる生活動線内に設置されている。
図3に示すように、冷蔵室3の後方には、冷蔵室3や野菜室4用の冷蔵用冷却器8と、この冷蔵用冷却器8により冷却された空気を循環させる冷蔵用ファン9とが設けられている。また、製氷室5の後方には、製氷室5、上部冷凍室6および下部冷凍室7用の冷凍用冷却器10、およびこの冷凍用冷却器10により冷却された空気を循環させる冷凍用ファン11が設けられている。これら冷蔵用冷却器8および冷凍用冷却器10は、下部冷凍室7の後方の機械室12に配置されているコンプレッサ13により駆動される。このコンプレッサ13は、冷蔵用冷却器8および冷凍用冷却器10とともに、周知の冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルは、冷蔵室温度センサ14および冷凍室温度センサ15により検知された庫内温度に応じて、主制御部30(図4参照)によりその運転状態が制御される。
図2に示すように、冷蔵室3の左扉3aには、表示器およびスイッチ類を有する操作パネル16(操作入力手段を構成する)が設けられている。操作パネル16の表示器は、例えば液晶表示器や有機EL表示器などで構成されており、冷蔵庫1に関する各種の情報を文字やグラフなどを用いて表示する。また、操作パネル16のスイッチ類は、機械式のスイッチやタッチパネル式のスイッチ等の複数のスイッチで構成されており、人によって冷蔵庫1に対する設定等の各種の操作が入力される。
冷蔵室3の右扉3bには、人感センサ17(人検知手段を構成する)が設けられている。人感センサ17は、例えば赤外線や可視光、超音波などを検出する検出器(あるいは、それらの検出器を組み合わせたもの)を有しており、冷蔵庫1の前方に位置する人を非接触で検知する。この場合、人感センサ17は、例えば一定時間連続して検知した場合(つまり、人を複数回検知した場合)に最終的に人を検知したと判定する構成としてもよいし、距離を計測可能とし、冷蔵庫1に接近していると判断される場合に人を検知する構成としてもよい。
冷蔵室3の各扉には、それぞれ左ドアタッチセンサ18a(人検知手段を構成する)および右ドアタッチセンサ18b(人検知手段を構成する)が設けられており、それぞれのタッチセンサを人がタッチすると、本体2の上部に設けられている開扉装置19(図2参照)によて、対応する扉が開扉される。
また、冷蔵室3の右扉3bには、表示端末20(報知手段、表示出力手段、通信手段を構成する)、撮像カメラ21(人検知手段を構成する)、マイク22(通信手段を構成する)、およびスピーカ23(報知手段、音声出力手段を構成する)が設けられている。表示端末20は、図3に示すように、その表面が、冷蔵室3の右扉3bと同一面あるいは僅かに右扉3b内部に位置するように設けられている。なお、表示端末20の構成の詳細については、後述する図4にて説明する。
撮像カメラ21は、例えばCCDやCMOSなどの撮像素子を有しており、冷蔵庫1の庫外を撮像する。この撮像カメラ21は、静止画および動画の双方を撮像可能に構成されている。なお、撮像素子は、カラー画像あるいはモノクロ画像のいずれもよい。以下、静止画および動画をまとめて画像と称する。また、撮像カメラ21は、表示端末20の上側且つ中央付近の位置、すなわち、表示端末20を見ている対象者をほぼ正面から撮像可能な位置に設けられている。マイク22は、庫外の音声、例えば人の声を取得する。スピーカ23は、表示端末20側からの音声を出力する。
このような構成の冷蔵庫1は、図4に示すように、主制御部30により制御されている。主制御部30は、CPU31、ROM32およびRAM33などを有するコンピュータにより構成されており、例えばROM32などに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって冷蔵庫1の全体を制御する。また、主制御部30は、計時手段としてのリアルタイムクロック(以下、RTC34と称する)を有しており、時刻情報を取得可能となっている。なお、取得可能な時刻情報には、時間、日付、曜日などが含まれている。より具体的には、主制御部30は、周囲温度や冷蔵室温度センサ14あるいは冷凍室温度センサ15により検知された貯蔵室の温度などに応じて、冷凍サイクルの動作(各冷却器および各ファンの動作)を制御する。また、主制御部30は、人感センサ17により人を検知していない場合や、RTC34から取得した時刻が深夜である場合など、冷蔵庫1を使用する可能性が低いと判定できるような場合に省エネ運転とする制御などを行っている。
また、主制御部30は、冷蔵室左扉センサ35a、冷蔵室右扉センサ35b、野菜室扉センサ36、製氷室扉センサ37、上部冷凍室扉センサ38および下部冷凍室扉センサ39に接続されており、各扉の開閉状態を検知する。これら各センサは、いずれも人検知手段を構成する。具体的には、主制御部30は、人感センサ17が人を検知した場合、操作パネル16が操作された場合、冷蔵室3のタッチセンサが操作された場合、いずれかの扉が解放された場合、および、いずれかの扉が開放された後に閉鎖された場合に、人を検知したと判定する。人を検知した旨を示す情報は、後述するように表示端末20側に送信される。
冷蔵庫1の主制御部30は、表示端末20と通信可能に接続されている。表示端末20は、制御部40により制御されている。この制御部40は、CPU41、ROM42、RAM43およびRTC44などを有するコンピュータにより構成されており、例えばROM42などに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって表示端末20の全体を制御する。また、制御部40は、上記した撮像カメラ21、マイク22およびスピーカ23、ならびに、表示部45、タッチパネル46および通信部47に接続している。
表示部45は、液晶表示器や有機EL表示器などで構成されており、後述する伝言を含めた各種の情報を表示する。タッチパネル46は、表示部45に対応して設けられており、対象者の操作を受け付ける。通信部47は、無線アクセスポイント101との間で無線通信方式にて通信を行い、ネットワーク102を介して、端末装置103との間で伝言を含む各種の情報の送受信を可能としている。
このような構成の冷蔵庫1により報知される伝言は、冷蔵庫1ではなく、外部のサーバ104に記憶されている。この伝言には、後述するように、付帯情報として、伝言の対象となる人を特定可能な情報と、伝言の内容を特定可能な情報とが少なくとも紐付けされて記憶されている。ここで、伝言の内容を特定可能な情報とは、伝言そのものに加えて、伝言の分類(カテゴリ)や、伝言に対する返信を必要とするか否か、伝言の保存形式などが含まれる。
具体的には、本実施形態では、後述する図7に示すように、伝言の対象となる人(図7に示す「宛先」)を特定可能な情報として、例えば住宅105の住人が4人であり、その両親、息子および娘を想定し、それぞれを示す「お父さん」、「お母さん」、「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」が設定されている。また、伝言の内容を特定可能な情報として、伝言の分類(図7に示す「内容」)を示す「連絡」、「要返信」、「食材」、「その他」が設定されている。また、伝言の保存形式として、「音声」、「映像」、「文字」が設定されている。なお、各項目の詳細については、後述する。
次に、冷蔵庫1の作用について説明する。
冷蔵庫1は、食品を貯蔵する貯蔵室を有していることから、調理を行うためにほぼ毎日利用するものであり、また、日常生活でほぼ必ず立ち寄って利用する場所(いわゆる生活動線)に設置されていることが多い。そのため、冷蔵庫1は、伝言を報知するための家電製品として好適である。
冷蔵庫1は、図5に示す報知処理を実行しており、報知タイミングになったか否かを判定している(A1)。ここで、報知タイミングとは、「人を検知したとき」とほぼ同意義であるが、本実施形態では、「人を検知したとき」として、
・人感センサ17にて人が接近していることを検知したとき
・操作パネル16が操作されたとき。
・冷蔵室3の左ドアタッチセンサ18aまたは右ドアタッチセンサ18bが操作されたとき。
・いずれかの貯蔵室の扉が開放されたとき。
・いずれかの貯蔵室の扉が開放された後で、その扉が閉鎖されたとき。
が想定される。そのため、これらを総称して「報知タイミング」と称している。なお、本実施形態では、いずれを報知タイミングとするかは予め設定されているものとしているが、後述する第2実施形態のように付帯情報に基づいて報知タイミングを個別に設定・変更してもよい。
冷蔵庫1は、予め設定されている報知タイミングになったと判定すると(A1:YES)、伝言の有無をサーバ104に確認する(A2)。続いて、冷蔵庫1は、伝言がない場合には(A3:NO)、ステップA1に移行する。一方、冷蔵庫1は、伝言がある場合には(A3:YES)、伝言の有無を報知する(A4)。つまり、冷蔵庫1は、まず伝言が記憶されているかを確認した後、いきなり伝言を再生するのでは無く、伝言の有無をまず報知して、伝言を確認するように促している。これにより、例えば他の人宛の伝言が再生された場合に感じる煩わしさを低減している。
このとき、冷蔵庫1は、表示端末20の表示部45に、図6に一例として示す報知画面を表示することで、伝言の有無を報知する報知動作を行っている。この表示部45には、『伝言があります』等のメッセージとともに、宛先アイコンM1〜M4(「お父さん」、「お母さん」「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」)、記憶されている伝言の件数を各宛先毎に表示する件数表示エリアM5〜M8、記憶されている伝言を再生する再生操作を入力するための再生ボタンM9、および再生された伝言に関する情報を表示する情報表示エリアM10が設けられている。
図6の場合、「お父さん」に1件、「お姉ちゃん」に2件の伝言があることを示している。また、伝言が無い「お母さん」と「お兄ちゃん」のアイコンは、グレーアウトされることで、伝言が無いことが報知されている。つまり、冷蔵庫1は、伝言の対象となる人を特定し、その人に対する伝言がある旨を報知している。なお、図6には、グレーアウトを模式的にハッチングにて示している。
このように伝言の有無が報知されると、人は、表示部45を確認してまず自分のアイコンをタッチ操作することで再生対象の伝言を選択し、続いて、再生ボタンM9をタッチ操作することで(再生操作を行うことで)、記憶されている伝言を再生することになる。なお、伝言が1件だけの場合や、宛先として1人だけが設定されている場合等には、そのまま再生ボタンM9をタッチ操作すれば伝言を再生することができる。
そのため、冷蔵庫1は、再生操作が行われたか(A5)、および、所定期間が過ぎたか(A8)を判定しており、再生操作が行われた場合には(A5:YES)、サーバ104から伝言を取得し(A6)、取得した伝言を再生する(A7)。このとき、伝言が音声であればスピーカ23から音声にて伝言が再生され、伝言が画像(静止画、動画等)であれば表示部45に映像が再生される。また、文章(いわゆるテキスト)であれば、情報表示エリアM10にテキストが表示される。なお、情報表示エリアM10には、付帯情報である「宛先」や「内容」等も併せて表示され、また、差出人を示す「From」(後述する図11参照)等も表示される。
この場合、伝言の有無が報知されると、人は、画面を確認し、自分宛の伝言でなければ再生操作を行わないと考えられる。そのため、冷蔵庫1は、再生操作が行われないまま所定期間が過ぎた場合には(A8:YES)、処理を終了する。なお、所定期間は、例えば30秒等のように、任意に設定することができる。
このように、冷蔵庫1は、伝言の有無の報知、および伝言の再生を行っている。
ここで、冷蔵庫1にて再生する伝言を記憶させる手順について説明する。以下では、冷蔵庫1を用いて伝言を記憶させる例を説明するが、伝言は、端末装置103等を用いて記憶させることも勿論できる。
冷蔵庫1では、伝言を記憶するとき、図7に一例として示すように、表示部45に伝言記憶画面を表示する。この伝言記憶画面には、『伝言を残します』といったメッセージとともに、宛先アイコンM1〜M4、内容アイコンM11〜M14(「連絡」、「要返信」、「食材」、「その他」)、保存形式アイコンM15〜M17(「音声」、「映像」、「文字」)が表示されている。
伝言を残す人は、伝言の対象となる人を選択する。具体的には、宛先アイコンM1〜M4のいずれかをタッチ操作することで、対象となる人を選択する。なお、2人以上を選択する場合には、それぞれのアイコンをタッチ操作すればよい。続いて、内容アイコンM11〜M14のいずれかをタッチ操作することで、伝言の内容(分類)を選択する。具体的には、「連絡」は、いわゆる音声メモであり、ちょっとした伝言を残す場合に選択される。
「要返信」は、伝言を聞いた後で回答などを求める伝言を残す場合に選択される。この「要返信」が選択された場合、伝言の有無の報知は、図8に一例として示すような態様となる。図8は、伝言の有無を報知する報知画面であり、「お父さん」に伝言が1件あることが示されているとともに、電話アイコンM18が表示されており、伝言の内容が「要返信」であることが示されている。これにより、お父さんは、この画面を見るだけで、何らかの返信を求められていることを把握できる。換言すると、冷蔵庫1は、電話アイコンM18を表示することで、通信を促している。なお、図8では伝言が1件であるので、その付帯情報が情報表示エリアM10に表示されている。
この電話アイコンM18は、電話機能を実行するための操作ボタンとしても機能する。具体的には、電話アイコンM18がタッチ操作されると、撮像カメラ21、マイク22、スピーカ23が駆動され、差出人である「おばあさん」との間で、いわゆるテレビ電話による通話が可能となる。なお、相手先が電話機能のみの場合には、マイク22とスピーカ23とが駆動され、一般的な音声通話となる。
「食材」は、上記した夜食等の食事や冷蔵庫1に保存されている食材等に関する伝言を残す場合に選択される。つまり、特許請求の範囲に記載した「食材に関するもの」とは、野菜や肉等の食材そのものだけでなく、食事に関する情報をも含んでいる。「その他」は、他の分類の伝言を残す場合に選択される。なお、これらの内容アイコンM11〜M14に設定される分類は、予めメーカにより設定されていてもよいし、使用者が任意に設定可能としてもよい。
そして、保存形式アイコンM15〜M17のいずれかをタッチ操作することで、伝言の保存形式を選択する。この場合、「音声」が選択されれば、マイク22から入力される音声を伝言として記憶する。「映像」が選択されれば、撮像カメラ21から入力された画像と、マイク22から入力される音声とが伝言として記憶する。「文字」が選択されれば、例えばソフトウェアキーボードや手書きパッド等が表示部45に表示され、入力された文章(テキスト)が伝言として記憶される。
このとき、記憶される伝言は、冷蔵庫1ではなく、サーバ104に記憶される。このため、冷蔵庫1には大容量の記憶手段を設ける必要は無い。また、伝言だけでなく、宛先や内容、保存形式なども付帯情報として伝言に紐付けして記憶される。なお、例えばスマートフォン等の端末装置103のように表示部を備えている機器であれば、同様の手順にて伝言を記憶させることができる。また、カメラ類を備えていない端末装置であれば、予め保存形式を音声だけにすることもできる。すなわち、伝言の保存形式は、伝言を残すのに用いた機器に応じて選択すればよい。
このように、冷蔵庫1は、伝言の有無、さらには、伝言の再生を行っている。
以上説明した本実施形態の冷蔵庫1によれば次のような効果を奏する。
冷蔵庫1は、人を検知する人検知手段と、伝言の有無を報知する報知手段とを備えており、人検知手段により人が検知されると、伝言の有無を報知する。つまり、冷蔵庫1では、人の操作によらず、伝言の有無を報知する。このため、人を検知しない場合には伝言の有無を報知しないので、不要な報知が行われることが無くなるとともに、人を検知しない場合には冷蔵庫1をいわゆる待機状態とすることができるので、省電力化を図ることができる。
また、人が伝言の有無を確認する操作を行わなくても、人を検知したタイミングで伝言の有無を報知するので、負担を強いることがない。また、伝言を再生する前に、伝言の有無を報知するので、他の人向けの伝言が誤って再生されることが無く、煩わしさを感じさせることがない。
さらに、一般的な家庭では冷蔵庫1を生活動線に設置していることが多いので、伝言を確認するといった意識を持っていなくても、日常生活の中で伝言の有無を確認することができ、利便性が向上する。
冷蔵庫1では、伝言は、サーバ104つまり冷蔵庫1の外部に記憶されている。伝言の保存形式が映像の場合、そのデータ量が多くなることが想定されるが、伝言を冷蔵庫1の外部に記憶させることで、冷蔵庫1に大容量の記憶手段を設ける必要が無い。したがって、コストの上昇を抑制することができる。
報知手段を表示部45のような表示出力手段で構成しているので、伝言を音声だけで無く映像でも残すことができる。したがって、より密なコミュニケーションをとることができる。勿論、報知手段としてスピーカ23のような音声出力手段でも構成しているので、音声メモを残すことができる。
人感センサ17により冷蔵庫1に接近する人を非接触で検知しているので、人が接近したとき、すなわち、冷蔵庫1の扉を開放する前に、伝言の有無を報知することができる。このため、冷蔵庫1の扉を開ける必要が無いにも関わらず無駄に扉を開けてしまうことを防止できる。
報知タイミングとして冷蔵庫1に対する操作が行われた時点を設定可能であるので、人が確実に冷蔵庫1の前に居るときに伝言の有無を報知することができ、伝言の有無の報知そのものが伝わらないことを防止できる。
報知タイミングとして冷蔵庫1の扉が開放された時点を設定可能であるので、扉を開けて保存されている食材を選択する際にアドバイスを行うといったことができる。
報知タイミングとして冷蔵庫1の扉が開放された後に閉鎖され時点を設定可能であるので、扉を開けた際に伝言が報知されて扉が開けっ放ししたまま伝言を確認するといった状況を回避することができる。
伝言は対象となる人およびその内容を特定可能な情報である付帯情報と紐付けて記憶されているので、伝言の対象となる人が誰であるのかを特定できる。そして、図6に示したように対象となる人に伝言がある旨を報知することで、確実に伝言を対象となる人が再生するようになるとともに、不必要に他人宛の伝言を再生することなどを防止できる。
伝言の内容が食材に関するものであることを特定したとき、冷蔵庫1の扉が開放される前のタイミングで伝言の有無を報知するので、扉の不要な開け閉めが防止される。これにより、冷蔵庫1の庫内温度が変化することが防止され、省エネにもつながる。
伝言の内容が返信を求めるものである場合、電話アイコンM18を表示することでテレビ電話等による通信を促すことができる。つまり、複雑な操作をしなくても、電話アイコンM18を操作するだけで、伝言を残した相手との通話が可能となる。これにより、冷蔵庫1を例えば高齢者が操作する場合であっても、容易に通話することができる。また、テレビ電話により通話を行うことができるため、より直接的且つ密接なコミュニケーションを行うことができる。
冷蔵庫1は、図5の報知処理に示したように伝言が有る場合には伝言の有無を報知する報知動作を行う一方、伝言が無い場合には報知動作そのものを行わないので、不要な電力を消費することを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図9および図10を参照しながら説明する。第2実施形態では、付帯情報に応じて報知タイミングを設定する点において、第1実施形態と異なっている。なお、冷蔵庫の構成は第1実施形態と共通するので、詳細な説明は省略する。
本実施形態の冷蔵庫1では、伝言の有無を報知する報知タイミングは、付帯情報に基づいて、具体的には、例えば伝言の内容や宛先に応じて設定される。
伝言の分類が「食材」である場合、報知タイミングは、人感センサ17にて人が接近していることを検知したとき、すなわち、冷蔵庫1の扉を開ける前ことが望ましい場合がある。これは、例えばお父さん用の夜食がレンジや戸棚といった冷蔵庫1の外に用意されている場合などでは、冷蔵庫1を開けなくても、伝言を聞けば夜食の在処が分かるので、冷蔵庫1を無駄に開け閉めする必要が無い。しかし、外部のサーバ104に伝言を記憶する構成の場合、本来は『開扉前』に伝えたい伝言が、サーバ104との通信に時間が掛かったせいで『開扉前』に伝えられないことが想定される。
また、伝言の分類が「連絡」である場合には、報知タイミングは、いずれかの貯蔵室の扉が開放された後でその扉が閉鎖されたときが望ましい場合がある。これは、冷蔵庫1の扉が閉鎖された後であれば、冷蔵庫1に対する操作が終了した(食材等を取り出した後)であるため、伝言を確認する時間が取れ、扉を開放したまま伝言を確認するといったことを防止することができるからである。
つまり、伝言の内容や宛先によっては、どのタイミングで報知するのかを変更したい場合がある。
そこで、本実施形態の冷蔵庫1は、図9に示すように伝言の内容に応じて報知タイミングを設定したり、図10に示すように伝言の対象となる人に応じて報知タイミングを設定したりする。以下、それぞれについて説明する。
冷蔵庫1は、図9に示すように、まず伝言の有無をサーバ104に確認する(B1)。このとき、冷蔵庫1は、例えば1時間毎や予め定められた時間など、所定の期間ごとに繰り返しタイミング設定処理を実行している。つまり、冷蔵庫1は、定期的にタイミング設定処理を実行している。そして、伝言が存在する場合には、その内容が食材に関するものであるかを判定し(B2)、食材である場合には(B2:YES)、報知タイミングを『開扉前』、すなわち、冷蔵庫1の扉が解放される前に設定する。なお、伝言の内容が食材でない場合には(B2:NO)、タイミングを変更すること無く処理を終了する。
このとき、冷蔵庫1は、伝言の内容が食材であること、および報知タイミングが『開扉前』であることを、主制御部30や制御部40のRAMなどに記憶する。これは、伝言の有無を示す情報や報知タイミングの設定に関する情報は、そのデータ量が小さいと考えられるためである。報知タイミングを設定すると、冷蔵庫1は、上記した図5に示す報知処理のステップA1のように、報知タイミングになれば報知動作を行う。この場合、伝言の有無は既に確認しているので、図5の報知処理では行っているステップA2およびA3の処理は省略することができる。
同様に、冷蔵庫1は、図10に示すように、伝言の有無を確認し(C1)、宛先が「お母さん」であれば(C2:YES)、報知タイミングを『閉扉後』、すなわち、扉をしめた後に設定する(C3)。
このように、本実施形態の冷蔵庫1は、付帯情報に基づいて、報知タイミングを設定・変更している。これにより、適切なタイミングで伝言の有無を報知できるようになる。また、伝言の内容毎に報知タイミングを設定・変更することで、利便性も向上する。
また、伝言の有無および報知タイミングを自身で(つまり、冷蔵庫1にて)記憶しておくことで、即座に伝言の有無を報知できるようになる。例えば、伝言を『開扉前』に伝えたい場合、人を検知してから伝言の有無をサーバ104に問い合わせると、その通信に時間が掛かってしまい、伝言の有無を報知するときに既に扉が解放されてしまっている可能性も考えられる。そのため、伝言の有無については冷蔵庫1側で記憶しておくことで、迅速且つ適切なタイミングで報知することができるようになる。
勿論、冷蔵庫1は、「連絡」や「要返信」といった内容についても、その報知タイミングを個別に設定することができる。また、図9に示す内容に基づく処理と、図10に示す宛先に基づく処理とを組み合わせ、「宛先」+「内容」に応じて、それぞれ個別に報知タイミングを設定してもよい。すなわち、付帯情報に基づいているのであれば、付帯情報の組み合わせは任意である。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。また、以下に示す変形例及び拡張例の一部または全部は、任意に組み合わせることができる。
表示端末20は、図12に示すように、冷蔵庫1から着脱可能な携帯端末装置60を採用してもよい。この携帯端末装置60は、端末側カメラ61(人検知手段、通信手段を構成する)、端末側マイク62(通信手段を構成する)、端末側スピーカ63(報知手段を構成する)、端末側表示部64(報知手段を構成する)、端末側制御部65(人検知手段、報知手段を構成する)、端末側通信部66(通信手段を構成する)などを備えている。この携帯端末装置60は、常には、冷蔵庫1の右扉3bに着脱可能な状態で設けられているが、冷蔵庫1から取り外すこともできる。なお、携帯端末装置60は、図示は省略するが、冷蔵庫1に取り付けられている状態では、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信あるいはUSB規格などの有線通信などにより、冷蔵庫1との間で通信を行う近距離通信手段も備えている。
携帯端末装置60は、例えばリビングや外出先などにおいてネットワーク102を介してサーバ104との間で通信を行い、伝言の有無の確認、および、伝言の再生を行うことができる。つまり、表示端末20として、いわゆるタブレット型のパソコンやスマートフォンあるいは携帯電話などの携帯端末装置60を採用することができる。勿論、携帯端末装置60から伝言を残すこともできる。この場合、各実施形態のように冷蔵庫1に撮像カメラ21やマイク22等を設けるのではなく、端末側カメラ61にて撮像し、端末側マイク62にて音声を入力するような構成としてもよい。この場合、携帯端末装置60が冷蔵庫1に取り付けられているときには冷蔵庫1から携帯端末装置60へ充電可能とすれば、バッテリ切れのおそれを低減することができるとともに、充電の確認等をわざわざ行わなくてもよくなり、利便性が向上する。
各実施形態の冷蔵庫1では通信手段として無線通信方式を採用しているので無線アクセスポイント101を用いているが、有線方式の通信手段を採用しても勿論よい。
冷蔵庫1単体や端末装置103との間で伝言をやり取りする例を示したが、住宅105内でパソコンや住人が所有する装置との間で伝言をやり取りしてもよいし、ネットワーク102を介して接続されている他の住宅の冷蔵庫1との間で伝言をやり取りするようにしてもよい。
図5に示す報知処理において、ステップA3を省略してもよい。すなわち、伝言が無い場合であっても、伝言の有無を報知する報知動作を行うようにしてもよい。これは、冷蔵庫1が伝言を報知する機能を備えていることを使用者が知っている場合、報知動作が行われないと故障したと判断する可能性があるためである。この場合、図6の「お母さん」や「お兄ちゃん」のアイコンのように、全ての宛先をグレーアウトすることで、伝言が無いことを報知することができる。より好ましくは、伝言が無い場合に報知動作を行うか否かを設定可能とし、使用者が設定できる構成とするとよい。
人感センサ17を例えば照度センサにて構成し、庫外の照度が予め定められている基準値を超えた場合に人が存在すると判定する等、間接的に人を検知する構成としてもよい。
伝言の対象となる人を識別可能な構成としてもよい。そして、対象となる人に応じて報知タイミングを設定してもよい。また、識別した人が対象となる人でない場合には、報知動作を行わないように構成してもよい。すなわち、付帯情報に基づく報知タイミングの設定は、任意に行えばよいし、どのように組み合わせてもよい。この場合、報知タイミングとして設定可能なタイミングは複数設けておき、使用者にどのタイミングを利用するかを選択可能とすると、利便性を一層向上させることができる。
付帯情報として時刻を採用してもよい。この場合、例えば朝食を作っている最中は伝言の有無を報知しないなど、時刻に応じて報知タイミングを設定する利用形態等をとることができ、さらに利便性が向上する。
各センサ等の位置や数あるいは取り付け方法など、各実施形態で例示したものに限定されない。例えば、撮像カメラ21の向きを可変としたり、広角レンズを用いて設置されている部屋全体の広範囲を撮像可能としたり、複数の撮像カメラ21を設けることなどが考えられる。
各実施形態では主制御部30と制御部40とを設けた例を示したが、いずれか一方を設け、各処理を一つの制御手段により実行する構成としてもよい。
各実施形態では無線アクセスポイント101を個別に設けたが、冷蔵庫1に無線アクセスポイント101を統合してもよい。常時給電されている冷蔵庫1にアクセスポイントとしての機能を持たせることにより、誤ってアクセスポイントの電源が切られるなどのおそれを回避することができる。つまり、冷蔵庫1に、家庭内ネットワークのアクセスポイントとしての機能を持たせてもよい。
また、上記した携帯端末装置60を設けた場合には、携帯端末装置60をアクセスポイントとして利用してもよい。この場合、冷蔵庫1に、宅内のルータやアクセスポイントなどを経由せず、ネットワーク102に直接接続することが可能な例えば3G通信機能のように携帯通信網に接続する機能や、いわゆる広域無線LAN(WiMAX(登録商標)など)に接続する機能などを持たせてもよい。すなわち、冷蔵庫1に設ける通信手段としては、各実施形態で示した無線アクセスポイント101との間の通信機能だけでなく、外部のネットワーク102と直接的に接続可能な通信機能をも含まれている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。