JP6542587B2 - マンホールの浮上防止工法 - Google Patents

マンホールの浮上防止工法 Download PDF

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Description

本発明は、特に地震時に生じる虞のあるマンホールの地面からの浮上を防止するための浮上防止工法に関するものである。
地震時にマンホールが浮上して下水道を破損したり、交通障害を起こすことが生じている。マンホールの浮上は、地震時に生じる地盤の液状化に伴う過剰間隙水圧の増大による浮力の増大を原因とすることが多い。しかし、マンホールの浮上は、必ずしも地盤の液状化現象に伴う過剰間隙水圧の増加のみを原因として生じるものではなく、地下水位の上昇に伴う地下水圧の増加を原因として生じることもある。
マンホールの浮上を防止するための代表的な工法として、セフティパイプ工法、マンホールフランジ工法、アンカーウイング工法等がある。例えばセフティパイプ工法は、マンホールの壁面に貫通穴を形成すると共に、該貫通穴に予め設定された圧力を感知したときに開放する弁を配置している。そして、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が弁に設定された圧力を超えたとき、該弁が開放して地下水をマンホールの内部に排水することで該過剰間隙水圧を消散させるようにしている。
また、マンホールフランジ工法は、マンホールの外壁に鋳鉄やコンクリート塊等からなる重量の大きいフランジを固定することで、見掛け上の比重を大きくしている。このため、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が上昇しても、マンホールの重量がこの水圧に対抗することで浮上を防止することが可能である。
また、アンカーウイング工法は、支持体を地盤の定着層へ回転貫入させて打設すると共にマンホールの外壁に片持ち梁状の頭部固定金具を固定し、ロッドによって支持体と頭部固定金具を連結している。このため、マンホールは、ロッド、頭部固定金具を介して定着層に固定されることとなり、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が上昇しても、この水圧に対抗してマンホールの浮上を防止することが可能である。
上記したセフティパイプ工法やマンホールフランジ工法、或いはアンカーウイング工法は何れもマンホールを新設する際に施工することが有利である。しかし、既設のマンホールに対して施工するには容易ではない。このため、既設のマンホールを浮上防止構造とするための技術の開発が望まれている。
このような要求に応える一つの方法として、既設のマンホールの外周にバンドを固定すると共に、該マンホールを中心として重量物からなる浮上を抑制するためのリングを設置する技術が提案されている。この技術は、マンホールが埋設されている地盤を、該マンホールの全外周に沿って所定の深さまで掘削し、この掘削部分を利用してマンホールの外周にバンドを固定する作業を行うと共に、重量物からなるリングを設置するものである。そして、マンホールに浮力が作用して浮上したとき、バンドがリングと係合して浮上を抑制することができる。
上記した既設のマンホールの外周にバンドを固定すると共に、重量物からなるリングを設置して浮上を抑制する技術では、該マンホールの周囲の地山を全周にわたって掘削することが必須である。しかし、既設のマンホールの近傍には一般的にガス管や水道管等の他の管が敷設されており、これらの管のマンホールからの距離や深さによっては、これらの管と干渉してしまい、リングを設置するのに必要なリング状の溝を掘削することができないという問題が生じている。
本発明の目的は、マンホールの周囲に存在する既設の管との干渉を避けることができ、且つマンホールを地山に定着させた支持部材を介して固定することで浮上を防止することができる浮上防止工法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るマンホールの浮上防止工法は、地中に埋設されているマンホールの周囲の地山を放射状に深さ方向に開削して立溝を形成する工程と、前記マンホールの前記立溝と対応する位置であって、深さ方向の所定位置に該マンホールの周壁を貫通した孔を形成する工程と、一方側の端部を前記マンホールの周壁に形成した孔を通して該マンホールに係止すると共に、他方側の端部を前記立溝の地山に臨ませて支持部材を前記立溝に対し略水平に又は前記マンホールから立溝の地山に向かって上昇或いは下降するように斜めに配置する工程と、前記支持部材を配置した立溝を埋め戻して該支持部材を埋設する工程と、を含む。
特に、前記支持部材は、前記立溝に対し、略水平に又は前記マンホールから立溝の地山に向かって上昇或いは下降するように斜めに配置されていることを特徴としている
上記マンホールの浮上防止工法に於いて、前記立溝前記マンホールを中心として略等角度間隔で複数形成されていることが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記立溝は、前記マンホールに接続されている管路を回避する位置に形成されていることが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記立溝に支持部材を配置した後、該立溝にグラウト材を充填して少なくとも該支持部材の地山に臨む端部を埋設することが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記支持部材の一方側の端部には前記マンホールの周壁に形成された孔の寸法よりも大きい寸法を持った一対の板部材が設けられており、該一対の板部材によって前記マンホールの周壁を厚さ方向に挟んで係止されていることが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記支持部材の自由端側には、該支持部材の断面積よりも大きい断面積を有し且つ地山との摩擦を発現する支持体が構成されていることが好ましい。
また、上記マンホールの浮上防止工法に於いて、前記立溝に対し前記マンホールから立溝の地山に向かって下降するように斜めに配置された支持部材は、ワイヤからなり、少なくとも地山に臨む端部側には土砂と離隔するためのスペーサが配置されていることが好ましい。
本発明に係るマンホールの浮上防止工法(以下単に「本工法」という)は、既に地中に埋設されている既設のマンホールの浮上を防止する構造を確実に実現することができる。即ち、地中に埋設されているマンホールの周囲の地山を放射状に且つ深さ方向に開削して立溝を形成し、このマンホールの立溝と対応する位置で且つ深さ方向の所定位置に該マンホールの周壁を貫通した孔を形成し、一方側の端部を孔を通して該マンホールに係止すると共に他方側の端部を立溝の地山に臨ませて支持部材を配置して立溝を埋め戻して該支持部材を埋設することで、支持部材の一方側の端部をマンホールの周壁に係止して他方側の端部を地山に定着することができる。
埋戻し土砂層及び地山を開削して立溝を形成するので、地盤を部分的に掘削することとなり、作業性の良い工法とすることができる。特に、マンホールの周囲に複数の管が敷設されているような場合でも、マンホールを中心として放射状に開削して立溝を形成することで確実にこれらの管を回避することができる。
また、立溝がマンホールを中心として略等角度間隔で複数形成されていることで、各立溝毎に支持部材を略等角度間隔で配置することができる。このため、マンホールに浮力が作用したとき、各支持部材には略等しい力が作用することとなり、確実にマンホールの浮上を防止することができる。
また、立溝が、マンホールに接続されている管路を回避する位置に形成されているので、立溝と管路が干渉することがない。
また、立溝に支持部材を配置した後、該立溝にグラウト材を充填して少なくとも該支持部材の地山に臨む端部を埋設することで、支持部材を確実に地山に定着することが可能となり、これに伴って、支持部材を介してマンホールを地山に支持することができる。
また、支持部材の一方側の端部にマンホールの周壁に形成された孔の寸法よりも大きい寸法の一対の板部材を設けることで、この板部材によってマンホールの周壁を厚さ方向に挟んで係止することができる。このため、支持部材をマンホールに係止したとき、強固な結合を実現することができるため、マンホールの浮上を確実に防ぐことができる。
また、支持部材の自由端側に該支持部材の断面積よりも大きい断面積を有し且つ地山との摩擦を発現する支持体が構成されているので、マンホールに作用する浮力に応じて支持部材に作用する力を、支持体と地山との摩擦によって対抗することができる。このため、マンホールの浮上を確実に防ぐことができる。
また、支持部材は立溝に対し、略水平に又は前記マンホールから立溝の地山に向かって上昇或いは下降するように斜めに配置されているので、支持部材の材質や形状を選択する際の自由度を高めることができる。即ち、支持部材として棒鋼のように曲げ剛性の高い材料を選択した場合、略水平に、或いは斜めに配置することができる。特に、略水平に配置した場合には立溝を浅くすることができる。
また、立溝に対し前記マンホールから立溝の地山に向かって下降するように斜めに支持部材を配置する場合、支持部材としてワイヤのように曲げ剛性が低いものの引張強度の高い材料を選択することができる。そして、ワイヤの少なくとも地山に臨む端部側には土砂と離隔するためのスペーサが配置されていることで、該ワイヤと地山との間に間隙を形成することができる。このため、立溝にグラウト材を充填する場合、支持部材の周囲に充分に充填することができ、支持部材の地山に対する定着を確実なものとすることができる。
本工法による支持部材を水平に2本配置したマンホールの浮上防止構造を説明する平面図である。 図1のII‐II断面図である。 支持部材を4本配置した例を説明する平面図である。 本工法の手順を説明する図である。 本工法の手順を説明する図である。 支持部材の例を説明する図である。 本工法による支持部材を斜めに配置したマンホールの浮上防止構造の例を説明する断面図である。 本工法の他の例を説明する図である。
以下、本発明に係る浮上防止工法(以下「本工法」という)について説明する。本工法は、地震時に地盤の流動化現象の発生に伴って生じる過剰間隙水圧の増加、或いは何等かの原因によって生じる地下水圧の増加、に起因する浮力の増大に伴って生じる虞のあるマンホールの浮上を防止する構造を実現するためのものである。
本工法は、マンホールを構築した際に該マンホールの周囲に形成される埋戻し土砂層が流動化現象を生じやすいことに着目し、マンホールを地山に定着させた支持部材と接続することで、浮上を防止し得るようにしたものである。特に、マンホールの周囲の地山を放射状に開削して立溝を形成し、この立溝を利用して必要な作業を進行させることで、円滑な作業を実現することが可能である。このため、本工法は既設のマンホールを浮上防止構造に改造する際に適用すると有利である。
尚、本発明に於いて、「地山」とはマンホールの外周部位に存在する地盤であって、マンホール周辺の自然土砂層、及び自然土砂層となじんだ埋戻し土砂層をいうものとする。また、「埋戻し土砂層」とはマンホール構築時に該マンホールの周辺を埋戻した際の埋戻し土砂からなる層であって、まだ周辺の自然土砂層となじんでいないことから、液状化し易くマンホールが浮上する可能性を有する層をいうものとする。
本工法に於いて、浮上を防止すべきマンホールの構造を限定するものではなく、現場打ちコンクリートによる一体構造のマンホール、或いは複数の直壁管を縦方向に積み重ねて最上部に斜壁管を配置した組立マンホール、の何れであっても良い。
また、マンホールの周囲に形成される立溝の数(地山と定着する支持部材の数)は限定するものではなく、マンホールが敷設されている土壌や地盤の条件に応じて適宜設定することが好ましい。即ち、立溝は1つであって良く、複数であっても良い。特に、複数の立溝を形成する場合には、マンホールを中心として略等角度間隔で放射状に形成することが好ましい。このように、略等角度間隔で複数の立溝を形成することによって、各立溝に配置される支持部材も略等角度間隔で配置することが可能となり、マンホールに浮力が作用したとき、各支持部材に略均等な力を負担させることが可能となる。
立溝をマンホールを中心として略等角度間隔で形成し、この立溝にマンホールを中心として支持部材を配置する場合、支持部材の配置数を限定するものではなく2以上あれば良い。また、マンホールを中心とする平面内に於ける支持部材の配置角度は厳密に等角度である必要はなく、略等角度であれば良い。このように、略等角度間隔で支持部材を配置することによって、マンホールに浮力が生じた際には、各支持部材に略同等の力が作用することとなり、確実に浮上を防止することが可能となる。
支持部材を配置すべき立溝が管路と干渉することは好ましくはない。このため、立溝は管路を回避する位置に形成されることが必要である。また、支持部材を配置するための立溝の深さを限定するものではなく、マンホールのサイズや埋戻し土砂層の厚さ、地山の地耐力等の条件、及び支持部材の形状や材質等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。
支持部材はマンホールと地山を接続し、マンホールに浮力が作用したとき、この浮力に応じて作用する力を地山に支持させるものである。このため、支持部材の一方側の端部はマンホールの周壁に形成された孔に係止され、他方側の端部(自由端)は地山に定着される。
支持部材の長さは限定するものではないが、先端が地山に到達して定着されるのに充分な長さであれば良い。通常、マンホールの周囲に形成される埋戻し土砂層の厚さは約1m程度であり、このため、支持部材は通常約1.0m〜約2.0m程度で良い。しかし、支持部材の長さをこの範囲に限定するものではない。
支持部材を水平に配置するか、マンホールから地山に向かって上昇又は下降するように配置するかは限定するものではなく、マンホールのサイズや地山或いは埋戻し土砂層等の条件、及び支持部材の材料に応じて適宜設定することが好ましい。
支持部材としては、マンホールに浮力が作用したときに負担すべき力の大きさと方向、及び地山の条件等に応じて、鋼棒、ステンレス鋼棒、鋼管、断面が長方形の角鋼管を縦長にして、I形鋼或いは角バー、ワイヤ、合成樹脂製の棒やパイプ等を選択的に採用することが可能である。支持部材として棒鋼や厚肉のパイプを採用する場合、取扱い性の良い比較的短い長さ(例えば1m程度)で両端部分にねじを形成した棒状の部材を用意しておき、カプラー等の接続具を利用して必要な長さに接続しても良い。
特に、上記の如く支持部材を複数の部材を接続して構成する場合、自由端側に配置する部材として、一端にねじを形成すると共に他端にコンクリートブロックを一体化させた支持体、或いは複数の板材を一体化させた支持体を構成しておくことが好ましい。
立溝に対し支持部材を水平方向に配置する場合、マンホールに浮力が作用したとき、この支持部材には曲げ方向の力が作用する。このため、支持部材としては、曲げ剛性の高い材料である鋼棒、ステンレス鋼棒、鋼管、断面が長方形の角鋼管を縦長にして、I形鋼或いは角バー等の材料を用いることが好ましい。
また、支持部材を斜めに上方に向けて配置する場合、該支持部材には斜めの角度とマンホールに作用する浮力に応じた圧縮力と曲げ力が作用することとなる。しかし、支持部材が斜めに配置されていることによって、大きな曲げモーメントが作用することはないが、座屈が生じる。このため、支持部材として、曲げ剛性を大きくすることなく、圧縮強度の大きい材料を採用することが好ましい。
また、支持部材を斜めに下方に向けて配置する場合、該支持部材には斜めの角度とマンホールに作用する浮力に応じた引張力と曲げ力が作用することとなる。しかし、支持部材が斜めに配置されていることによって、大きな曲げモーメントが作用することがない。このため、支持部材として、曲げ剛性を大きくすることなく、必要な引張強度を有する材料を採用することが可能となる。
この場合、支持部材はマンホールに作用する浮力を引張応力として支持し得るものであれば良く、形状や材質を限定するものではない。特に、地盤が液状化したときマンホールに作用する浮力に対抗する際に、個々の支持部材に作用する引張力を2トン〜3トン程度の範囲になるようにすることが好ましい。このため、支持部材として、鋼やステンレス鋼等の金属系材料からなる棒やワイヤ等、或いは強化繊維を含む合成樹脂系材料からなる棒等、から選択的に採用することが可能である。
特に、支持部材としてワイヤを利用した場合、ワイヤの曲げ性に起因して地山に臨む端部が立溝の底面と接触してしまう虞があり、充填されたグラウト材が充分にワイヤにかぶらないことがある。このため、ワイヤの端部にスペーサを配置しておき、このスペーサによってワイヤの端部を確実に立溝の底面から離隔させておくことが好ましい。このように、ワイヤからなる支持部材の地山に臨む端部にスペーサを配置することで、該端部を確実に地山から離隔させることが可能となり、充填されたグラウト材によるかぶりを充分なものとすることが可能となる。
スペーサの形状は特に限定するものではなく、該スペーサによって支持部材の端部を地山から離隔させると共に、充填されたグラウト材が支持部材を確実にかぶることが可能な構造であれば良い。このようなスペーサとして、例えば鉄筋籠がある。
支持部材を斜めに配置する場合、角度は限定するものではないものの、マンホールの垂直線に対し30度〜60度程度の範囲であることが好ましい。しかし、既に設置されているマンホールを浮上防止構造に施工する場合、マンホールのサイズや深さ等の条件に応じて必ずしも前記角度範囲である必要はない。
支持部材の一方側の端部をマンホールの周壁に係止する手段は限定するものではない。例えば、支持部材を、一方の端部側の所定位置に孔の大きさよりも大きい寸法を持った1枚の板部材を溶接或いはロウ付け、ねじ等によって固定し、端部にねじを形成して構成する。そして、この端部をマンホールの外周面側から孔に通してねじを内部に露出させ、露出した端部に孔よりも大きい寸法の板部材を挿通して、ねじにナットを締結して一対の板部材によってマンホールの周壁を挟んで締め付けることで係止することが可能である。
支持部材の他方の端部である自由端の地山に対する定着構造は特に限定するものではなく、立溝を埋め戻したときの埋戻し土砂と定着し、或いは立溝に充填されたグラウト材と定着していれば良い。このため、支持部材の自由端側は地山に対し確実に定着し得る形状であれば良く、形状を限定するものではない。
例えば、支持部材の自由端側の形状として、支持部材として採用した棒鋼や鋼管、形鋼等をそのまま地山に臨ませることで良い。また、支持部材に力が作用したとき、この力に対し充分な抵抗を発揮し得るような形状であると好ましい。このような構成としては、支持部材として採用された材料の断面積よりも大きい断面積を有するコンクリートブロックからなる支持体や、複数の板材を支持部材の長手方向に配置して一体化させた支持体であることが好ましい。
また、支持体は上記構成にのみ限定するものではなく、地山との結合を確実に行うために複数の突起を有する部材、立溝を埋戻した土砂或いはグラウト材との確実な一体化をはかるオーガ状の部材、等の種々の形状を有するものがある。そして、これらの形状を有する支持体を選択して利用することが好ましい。
上記の如き形状を有する支持体を設けた支持部材では、何れも埋戻し土砂やグラウト材を介して確実地山に定着することが可能である。特に、このような特殊な形状を有する支持体を単独で構成しておき、一方の端部をマンホールに係止し得るように構成した棒状の支持部材と着脱可能に構成することも好ましい。このように、マンホールに対する係止側と支持体を着脱可能に構成しておくことで、地山の性状に対応させて種々の支持体を選択的に採用することが可能となる。
支持部材を配置した後、立溝は埋戻し土砂によって埋め戻され、或いはグラウト材が充填される。埋戻し土砂或いはグラウト材は、支持部材を地山に定着するための機能を有するものであり、この機能を発揮し得ることが必要である。
例えば、立溝に充填されるグラウト材としては、セメントミルクやモルタルがあり、このセメントミルクやモルタルであれば、立溝に充填した後、経時的に硬化して支持部材を地山に定着することが可能である。
また、マンホールの周壁に形成された孔と支持部材とで構成された空間には地下水のマンホール内部への漏水を防ぐために、止水材を充填しておくことが好ましい。この止水材としては、グラウト材であっても良いが、弾性を有するパッキンであることが好ましい。このように、弾性を有する止水材を充填することによって、支持部材とマンホールとの間で僅かな変位が生じた場合でも、この変位を吸収することが可能となり、且つ充分な止水性を確保することが可能となる。
次に、本工法について図により説明する。尚、本実施例では、支持部材3は、マンホールAを中心として等角度間隔に複数か所で、且つ管路Bを回避し得る位置に、水平方向に配置されている。
先ず、本実施例に係る工法を実施することによって浮上防止を実現したマンホールの構造について図1、図2により簡単に説明する。図に示すマンホールAは下水道用の管路に代表される管路Bに設けられており、地震時に生じた過剰間隙水圧の上昇、或いは地下水圧の上昇に伴って作用する浮力によって浮上するのを防止し得るように構成されている。
マンホールAは管路Bの長さ方向に、予め設定された距離毎に設置されており、個々のマンホールAは地表面Cから管路Bまでの深さに対応した寸法を有している。マンホールAは、地山Dを掘削して予め設定された深さの立坑を形成し、底盤11上にインバートブロック12及び幾つかの直壁管13と地表面C部分に設けた斜壁管14とを積み上げて構成されている。そして、設置されたマンホールAの周囲を埋め戻すことで、地山Cとの間に埋戻し土砂層Eが形成されている。
図1に示すように、マンホールAの中心軸1aを中心とする平面を想定し、管路Bの敷設方向に対し略直交する方向に分割した線1b上に、埋戻し土砂層Eから地山Dに至る立溝Fが形成されている。立溝FのマンホールAの中心軸1aからの距離は支持部材3の長さに対応する値に設定されており、且つ深さは予め設定された支持部材3の配置深さと充填すべきグラウト材5の量等の条件に応じて設定されている。
マンホールAの周壁であって管路Bを回避し得る位置には、該周壁を貫通して複数(本実施例では2つ)の孔2が形成されており、これらの孔2に夫々支持部材3の一方側の端部である先端3aが挿通されている。特に、孔2の径は限定するものではなく、支持部材3の太さや種類、水平に配置するか斜めに配置するか等の条件に対応して最適な径となるように設定することが好ましい。
本実施例に係る工法に於いて、支持部材3は孔2を貫通して水平方向に配置されている。支持部材3の先端3aは孔2に係止されており、他方の端部(自由端)である後端3bは埋戻し土砂層Eを通して地山Dに望み、立溝Fに充填されたグラウト材5によって該地山Dに定着している。
本実施例に係る工法では、支持部材3としては、外径が約25mm程度の鋼棒を用いており、外周はグラウト材との付着性を向上させるようにねじ状に形成されている。この支持部材3は、単位長さの棒状の部材を継手を介して所望の長さに接続して目的の長さに構成される。従って、支持部材3を、目的のマンホールAに周辺に於ける埋戻し土砂層Eの厚さや、地山Dに於ける安定地盤までの距離等の条件に対応した長さに設定することが可能である。
また、グラウト材5としてセメントミルクを用いており、該グラウト材5が硬化した層を支持部材3の後端3bからマンホールAの外周壁に至る間に形成することによって略全長にわたって被覆している。このため、グラウト材5が硬化した層は埋戻し土砂層Eを貫通して地山Dまで連続して構成されており、支持部材3と定着すると共に地山D、埋戻し土砂層Eとも定着している。従って、支持部材3に曲げ力が作用したとき、この曲げ力はグラウト材5が硬化した層を介して地山D、埋戻し土砂層Eに伝えられ、主として地山Dにより対抗することが可能となる。
立溝Fに充填されたグラウト材5は、支持部材3を充分にかぶっていれば良く、深さを限定するものではない。即ち、グラウト材5は立溝Fを地表面Cまで充満させて充填されていても良く、支持部材3のかぶり深さを確保して上面の深さが地表面Cよりも下方となるように充填されていても良い。グラウト材5が地表面Cよりも下方に充填されている場合、グラウト材5の硬化した層の上部を埋め戻して埋戻し層Gを構成することが必要である。
支持部材3の先端3a側は、一対の板部材4a、4bを介してマンホールAの周壁に係止される。この板部材4a、4bは、マンホールAの周壁に形成された孔2の径よりも充分に大きい寸法を有しており、孔2と対向して接触したとき、該孔2を隙間なく閉塞することが可能である。
そして、図6(a)に示すように、一方の板部材4aは、支持部材3の先端3a側の所定位置に溶接等の手段で固定されている。また、支持部材3の先端3aにはナット4cが締結されるねじ4dが形成されている。特に、一対の板部材4a、4bの互いに対向した面にはゴムライニングを施すか、これらの板部材4a、4bと同じ寸法のゴム板を介在させることが好ましい。一対の板部材4a、4bをこのように構成することで、支持部材3をマンホールAの周壁に係止したとき、両者の間に形成される虞のある隙間を閉塞することが可能となる。
上記支持部材3の先端3aをマンホールAの外周側から孔2に挿通して板部材4aを外周面に接触させ、内周面側に板部材4bを配置してねじ4dにナット4cを螺合することで、周壁の内外周面を板部材4a、4bに挟んで係止することが可能である。更に、孔2には予め弾性を有する止水材6が充填されており、地下水がマンホールAの内部に漏水することを防止している。
止水材6として、予め孔2の内径と略等しい外径と支持部材3の外径と略等しい内径を持って予め成形されたウレタンゴムを支持部材3の傾斜角度に対応させて斜めに形成したものを用いることが可能である。しかし、止水材5としてウレタンゴムの成形品に限定するものではなく、孔2に例えばウレタン等の発泡剤を充填して現場で構成しても良い。
マンホールAを上記の如く構成することによって、マンホールAに浮力が作用したとき、支持部材3の後端3b、及び支持部材3がグラウト材5の硬化した層を介して安定地盤である地山Dに定着していることから、マンホールAに対する安定した支持を実現することが可能である。
即ち、マンホールAに浮力が作用したとき、この浮力に応じて支持部材3に曲げ力が作用するが、支持部材3が曲げ強度の高い材料を利用しているため、マンホールAの浮上を確実に防止することが可能である。
また、図3は、マンホールAに4本の支持部材3を係止した例を説明するものである。この場合、4本の支持部材3は夫々管路Bを回避して略90度で分割した線1b上に配置されている。前述したように、マンホールAを何本の支持部材3を用いて地山Dに定着するかは、地山Dの性状や埋戻し土砂層Fの性状に対応させて適宜設定するべきである。
次に、上記したマンホールAの浮上防止構造を実現するための本工法について図4、図5により説明する。
先ず、図4(a)に示すように、マンホールAを中心とし、且つ管路Bを回避し得る位置に略180度の角度間隔を持って複数の立溝Fを開削する。この立溝Fは地表面Cから重機を利用して開削することが可能であり、短時間で構築することが可能となる。前述したように、立溝Fの深さや地山Dまでの距離は、予めマンホールAのサイズや、埋戻し土砂層E、地山Dの地耐力等の条件に応じて予め設定されている。
図4(b)に示すように、立溝Fを形成した後、該立溝Fに露出したマンホールAの周壁に孔2を形成する。この作業は、立溝Fに図示しないコアカッターを予め設定された深さ位置に設置し、このコアカッターを回転させつつ押し当てることで行う。
次いで、図5(a)に示すように、支持部材3を立溝F側に用意し、先端3aをマンホールAの孔2に挿通して板部材4aを外周面に接触させる。このとき、板部材4aとマンホールAの外周面との間に、弾性を有するパッキンを介在させることで、両者の間に形成される虞のある隙間を塞ぐことが可能である。
また、支持部材3の先端3aをマンホールAの孔2に挿通する際に、該孔2に弾性を有する止水材6を充填しておく。次いで、マンホールAの内周面側に露出した支持部材3の先端3aに板部材4bを挿通し、ねじ4dにナット4cを螺合する。このとき、板部材4aと同様に、板部材4bとマンホールAの内周面との間に弾性を有するパッキンを介在させる。
上記の如くして支持部材3を一対の板部材4a、4bによってマンホールAの周壁を挟み込んで係止することが可能となる。そして、先端3aがマンホールAに係止された支持部材3は立溝Fの内部に略水平な状態で配置される。
その後、図5(b)に示すように、立溝Fにグラウト材5を充填する。そして、充填されたグラウト材5によって支持部材3が充分にかぶったことを確認した後、充填されたグラウト5が硬化するのを待ち、硬化を確認した後、立溝Fを土砂によって埋め戻すことで、埋戻し層G(図2)を形成する。
上記の如く、本工法ではマンホールAの周壁に対する孔2の形成、孔2に対する支持部材3の挿通と係止、を開削された立溝F側からとマンホールAの内部側から行うことが可能となり、これらの作業を容易に行うことが可能である。また、立溝Fにグラウト材5を充填する作業も地表面Cから行うことが可能である。このため、各作業を容易に且つ確実に行うことが可能となり、信頼性の高いマンホールの浮上防止構造を実現することが可能である。
次に、支持部材21をマンホールAから地山Dに向かって斜め下方に配置した浮上防止構造について図7により説明する。図7に示す浮上防止構造では、支持部材21がマンホールAの外周壁から地山Dに向けて斜め下方に配置されている他は、前述した浮上防止構造と同じである。このため、図1と同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
特に、図7に示す浮上防止構造を構築するための工法は、前述の工法と実質的に同一であるため説明を省略する。
即ち、前述の工法では支持部材3が水平方向に配置されているのに対し、図に示す浮上防止構造では、支持部材21が斜め下方に向けて配置されている点が異なるのみである。従って、立溝Fを開削する際の深さは前述した工法よりも深くなり、またマンホールAの周壁に形成する孔2の径も大きくなる。
本工法で用いる支持部材21はワイヤを利用して構成されている。特に、図6(b)に示すように、支持部材21の先端21a側の所定位置には板部材22aが溶接等の手段で固定されており、端部にはねじ22dが形成されている。ねじ22dは、ワイヤの外径と略等しい穴を有するスリーブを利用し、該スリーブをワイヤの先端に溶接或いはロウ付け、かしめ等の手段で固定して外周面にねじを形成して構成されている。
また、22bは支持部材21をマンホールAに係止する際に周壁を挟む板部材であり、22cはねじ22dに締結されるナットである。
支持部材21の後端21bにはスペーサ24が配置されている。このスペーサ24は鉄筋籠として構成されており、支持部材21を斜めに配置した際に該支持部材21自体の撓みによって後端21b側が地山Dに接近した場合でも、後端21bが直接地山Dに接触することなく、スペーサ24の寸法に応じた隙間を確保し得るように構成されている。また、立溝Fにグラウト材5が充填されたとき、該グラウト材5がスペーサ24に形成されている隙間から侵入して支持部材21に定着し得るように形成されている。
支持部材21はマンホールAの中心軸1aに対し45度の傾斜角度を持って、先端21aが上方に後端21bが下方に配置されると共に、該後端21bが立溝Fに於ける地山Dに臨んで配置されている。
このように支持部材21が斜め下方に傾斜しているため、マンホールAの周壁に形成される孔2は支持部材21の径と傾斜角度に対応した径を有している。従って、支持部材21の先端21a側に配置される一対の板部材22a、22bも孔2の大きさよりも大きい寸法を有している。
また、図6(b)では、板部材22aが支持部材21に対し直交するような角度で固定しているが、目的の傾斜角度に対応させた角度で傾斜させた状態で溶接或いはロウ付け等の手段で固定することが好ましい。
支持部材21をマンホールAに係止する場合、先端21aをマンホールAに形成した孔2から内部に向けて挿通して板部材22bを取り付ける。このとき、板部材22bから突出した端部に、支持部材21の傾斜角度に対応させた傾斜面を有する三角形状の取付部材23を取り付けている。このため、支持部材21の先端21aに形成したねじ22dにナット22cを螺合したとき、取付部材23を介してナット22cを確実に締結することが可能である。
上記の如く構成されたマンホールAでは、該マンホールAに浮力が作用したとき、支持部材21の後端21bがグラウト材5の硬化した層を介して安定地盤である地山Dに定着していることから、マンホールAに対する安定した支持を実現することが可能である。
即ち、マンホールAに浮力が作用したとき、この浮力に応じて支持部材21に引張力が作用する。このとき、支持部材21の周囲に定着したグラウト材5の硬化した層が形成されることで、該支持部材21に作用する引張力に応じて支持部材21とグラウト材5の硬化した層との間、及び硬化した層と地山D、埋戻し土砂層Eとの間に摩擦抵抗が生じる。このため、生じた摩擦抵抗がマンホールAの浮上を阻止する抵抗として作用し、アンカーとしての効果を発揮して確実にマンホールAの浮上を防止することが可能となる。
次に、本工法による浮上防止構造の更に他の例について図8により説明する。図に示す浮上防止構造では、支持部材31が、コンクリートブロック状の部材からなる支持体32と、マンホールAに係止される係止部材33をカプラー34によって接続して構成されている点で、図1に示す浮上防止構造とは異なるものの、他の部分は同じである。このため、図1と同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
支持部材31は、図6(c)に示すように、支持体32と係止部材33をカプラー34によって接続して構成されている。しかし、支持部材31を、支持体32と係止部材33のみによって構成されることに限定するものではなく、これらの間に、両端部にねじを形成した棒状の部材を接続して所望の長さに構成することが可能である。
支持体32は、ブロック部32aと、該ブロック部32aから突出した継手部32bと、からなり、継手部32bにはねじ32cが形成されている。特に、ブロック部32aは断面積を大きくすることが好ましい。このように、断面積を大きくすることで、支持部材31を埋設した後、マンホールAに浮力が作用した場合、大きな抵抗を発揮することが可能である。
係止部材33は、一方側の端部にねじ33aが他方側の端部にねじ33bが形成されており、ねじ33bが形成された端部側に板部材33cが溶接等の手段で固定されている。そして、33dは支持部材31をマンホールAに係止する際に周壁を挟む板部材であり、33eはねじ33bに締結されるナットである。
カプラー34は、支持体32のねじ32cと係止部材33のねじ33aとに螺合して両部材を連結するものであり、ねじ32c、33aを互いに右ねじとして螺合させても良く、また一方を右ねじとし、他方を左ねじとしてターンバックル状に形成しても良い。
上記の如く形成された支持部材31は、地山に臨む端部がブロック状の支持体32として構成されているため重量が大きくなり、施工中に支持しておく必要がある。このため、立溝Fを形成する際に、マンホールAの直壁管13に形成した孔2と略同じ程度の深さまで掘削し、この掘削面を転圧して孔2の下面と同レベルか僅かに低いレベルの底面36を形成している。
立溝Fを形成する際に、埋戻し土砂層E、地山Dに既に敷設されている管37a〜37cが存在する場合、この立溝Fは手掘り作業で開削される。このように、立溝Fを横断して管37a〜37cが存在しているような場合、長い支持部材を配置することが困難となる。このため、支持部材31が、支持体32と係止部材33に分割されていると、分割された支持体32、係止部材33を管37a〜37cの間を通過させて配置することが容易となり有利である。
立溝Fの底面36に載置された支持体32と、ねじ33b側をマンホールAの穴2に挿通した係止部材33と、をカプラー34によって接続する順位が特に限定するものではない。即ち、係止部材33をマンホールAの周壁に固定した後、該係止部材33に支持体32を接続しても良く、支持体32と係止部材33を接続した後、係止部材33のねじ33bを孔2に挿通してマンホールAの周壁に固定しても良い。何れにしても、カプラー34がターンバックル状に形成されていると、接続作業を容易に進めることが可能である。
上記の如くして、支持部材31をマンホールAの周壁に固定した後、立溝Fを土砂によって埋め戻す。このとき、埋め戻す土砂にセメント或いは石灰を混合させておくことが好ましく、このような埋戻し土砂を用いることで強固な埋戻し層を実現することが可能である。立溝Fを埋め戻した後、少なくとも支持体32の埋設部位に対応する表面、好ましくは全表面を転圧することで、支持部材31を強固に締め付けた土砂によって埋設する。
特に、支持部材31がコンクリートブロック状の支持体32を有するため、立溝Fを土砂によって埋め戻すことで、地山に対し充分に定着させることが可能である。そして、支持部材31に力が作用したとき、支持体32と地山との摩擦により、作用する力に抵抗することが可能である。
また、支持部材31の支持体32に代えて、図6(d)に示す支持体35を用いることも可能である。この支持体35は、接手部32bの自由端側(ねじ32cが形成されている端部の反対の端部側)に複数の板35aが配置されており、夫々の板35aは継手部32bに溶接等の手段で一体化している。
支持部材31として上記の如く構成された支持体35を用いた場合でも、該支持部材31をマンホールAの周壁に固定し、立溝Fを土砂によって埋め戻して転圧することで、土砂を板35aの間に充填すると共に締め付けて支持体35を地山に対し充分に定着させることが可能である。このため、支持部材31に力が作用したとき、支持体35と地山との摩擦により、作用する力に抵抗することが可能である。
本発明に係るマンホールの浮上防止工法は、既設のマンホールの浮上を防止する構造を構成する際に利用して有利である。
A マンホール
B 管路
C 地表面
D 地山
E 埋戻し土砂層
F 立溝
G 埋戻し層
1a 中心軸
1b 線
2 孔
3、21 支持部材
3a、21a 先端
3b、21b 後端
4a、4b、22a、22b
板部材
4c、22c ナット
4d、22d ねじ
5 グラウト材
6 止水材
11 底盤
12 インバートブロック
13 直壁管
14 斜壁管
31 支持部材
32、35 支持体
32a ブロック部
32b 継手部
32c、33a、33b ねじ
33 係止部材
33c、33d 板部材
33e ナット
34 カプラー
35a 板
36 底面
37a〜37c 管

Claims (7)

  1. 地中に埋設されているマンホールの周囲の地山を放射状に深さ方向に開削して立溝を形成する工程と、
    前記マンホールの前記立溝と対応する位置であって、深さ方向の所定位置に該マンホールの周壁を貫通した孔を形成する工程と、
    一方側の端部を前記マンホールの周壁に形成した孔を通して該マンホールに係止すると共に、他方側の端部を前記立溝の地山に臨ませて支持部材を前記立溝に対し略水平に又は前記マンホールから立溝の地山に向かって上昇或いは下降するように斜めに配置する工程と、
    前記支持部材を配置した立溝を埋め戻して該支持部材を埋設する工程と、
    を含むことを特徴とするマンホールの浮上防止工法。
  2. 前記立溝が前記マンホールを中心として略等角度間隔で複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載したマンホールの浮上防止工法。
  3. 前記立溝は、前記マンホールに接続されている管路を回避する位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載したマンホールの浮上防止工法。
  4. 前記立溝に支持部材を配置した後、該立溝にグラウト材を充填して少なくとも該支持部材の地山に臨む端部を埋設することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
  5. 前記支持部材の一方側の端部には前記マンホールの周壁に形成された孔の寸法よりも大きい寸法を持った一対の板部材が設けられており、該一対の板部材によって前記マンホールの周壁を厚さ方向に挟んで係止されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
  6. 前記支持部材の自由端側には、該支持部材の断面積よりも大きい断面積を有し且つ地山との摩擦を発現する支持体が構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
  7. 前記立溝に対し前記マンホールから立溝の地山に向かって下降するように斜めに配置された支持部材は、ワイヤからなり、少なくとも地山に臨む端部側には土砂と離隔するためのスペーサが配置されていることを特徴とする請求項に記載したマンホールの浮上防止工法。
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