JP6249440B2 - マンホールの浮上防止工法 - Google Patents

マンホールの浮上防止工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6249440B2
JP6249440B2 JP2013271069A JP2013271069A JP6249440B2 JP 6249440 B2 JP6249440 B2 JP 6249440B2 JP 2013271069 A JP2013271069 A JP 2013271069A JP 2013271069 A JP2013271069 A JP 2013271069A JP 6249440 B2 JP6249440 B2 JP 6249440B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manhole
support member
hole
ground
anchor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013271069A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015124566A (ja
Inventor
伸吉 大岡
伸吉 大岡
康彦 小西
康彦 小西
恒 喜多島
恒 喜多島
張 満良
満良 張
Original Assignee
東亜グラウト工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東亜グラウト工業株式会社 filed Critical 東亜グラウト工業株式会社
Priority to JP2013271069A priority Critical patent/JP6249440B2/ja
Publication of JP2015124566A publication Critical patent/JP2015124566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6249440B2 publication Critical patent/JP6249440B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Description

本発明は、特に地震時に生じる虞のある地面からの浮上を防止し得るマンホールを実現するための浮上防止工法に関するものである。
地震時にマンホールが浮上して下水道を破損したり、交通障害を起こすことが生じている。マンホールの浮上は、地震時に生じる地盤の液状化に伴う過剰間隙水圧の増大による浮力の増大を原因とすることが多い。しかし、マンホールの浮上は、必ずしも地盤の液状化現象に伴う過剰間隙水圧の増加のみを原因として生じるものではなく、地下水位の上昇に伴う地下水圧の増加を原因として生じることもある。
マンホールの浮上を防止するための工法として、セフティパイプ工法、マンホールフランジ工法、アンカーウイング工法がある。例えばセフティパイプ工法は、マンホールの壁面に貫通穴を形成すると共に、該貫通穴に予め設定された圧力を感知したときに開放する弁を配置している。そして、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が弁に設定された圧力を超えたとき、該弁が開放して地下水をマンホールの内部に排水することで該過剰間隙水圧を消散させるようにしている。
また、マンホールフランジ工法は、マンホールの外壁に鋳鉄やコンクリート塊等からなる重量の大きいフランジを固定することで、見掛け上の比重を大きくしている。このため、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が上昇しても、マンホールの重量がこの水圧に対抗することで浮上を防止することが可能である。
また、アンカーウイング工法は、アンカー体を地盤の定着層へ回転貫入させて打設すると共にマンホールの外壁に片持ち梁状の頭部固定金具を固定し、ロッドによってアンカー体と頭部固定金具を連結している。このため、マンホールは、ロッド、頭部固定金具を介して定着層に固定されることとなり、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が上昇しても、この水圧に対抗してマンホールの浮上を防止することが可能である。
上記したセフティパイプ工法や、マンホールフランジ工法に対してはいくつかの提案がなされているが、アンカーウイング工法に対しては殆ど提案がないのが実情である。また、これらの工法は何れもマンホールを新設する際に施工することが有利であるが、既設のマンホールに対して施工するには容易ではないという問題を有している。
特にアンカーウイング工法の場合、ウイングが水平に配置されるため、作用する浮力に応じて曲げモーメントが発生する。この曲げモーメントに対抗するために、ウイングは剛性が大きいことが必要となり、材質、断面形状が複雑となり、且つマンホールとの接合部位の構造が複雑になるという問題が生じている。
本発明の目的は、マンホールを地山に定着させた支持部材を介して固定することで浮上を防止することができる浮上防止工法とを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るマンホールの浮上防止工法は、地中に埋設されているマンホールの周囲に於ける埋戻し土砂層の外周の地山で且つ該マンホールに接続されている管路を回避し得る複数の位置の深さ方向の地耐力を調査する工程と、前記工程で調査した地山の地耐力の結果に基づいてアンカーの深さとマンホールからの距離を含むアンカーとすべき位置を決定し、その後、マンホールの側壁に貫通孔を形成すると共に、前記埋戻し土砂層を貫通して前記アンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程と、前記貫通孔から前記穴に支持部材を挿通して先端をアンカーとすべき位置に到達させると共に後端を前記マンホールの側壁から突出させる工程と、前記支持部材を挿通した前記穴にグラウト材を充填する工程と、前記穴に充填されたグラウト材が硬化した後、前記支持部材の後端を取付部材を介して前記マンホールの側壁に取り付ける工程と、を有することを特徴とするものである。
上記マンホールの浮上防止工法に於いて、前記地耐力を調査する工程が、埋戻し土砂層の外周の地山に対しボーリング穴を形成して調査することが好ましく、また、地山に形成されたボーリング穴に、グラウト材を充填することが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記マンホール外周の埋戻し土砂層を貫通してアンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程は、前記マンホールの側壁に形成された貫通孔の径と等しいか又は小さい径を持った円筒状のケーシングを用いて行い、前記ケーシングの内部に支持部材を挿通した後、グラウト材を充填することが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記マンホール外周の埋戻し土砂層を貫通してアンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程は、前記穴を斜め下方に形成して埋戻し土砂層を貫通させてアンカーとすべき位置に到達させるものであることが好ましい。
また、上記何れかのマンホールの浮上防止工法に於いて、前記穴に充填されたグラウト材が硬化した後、前記支持部材の後端を取付部材を介して前記マンホールの側壁に取り付ける工程に先立って、前記マンホールの側壁に形成された貫通孔と前記支持部材とで構成された空間に弾性材を充填することが好ましい。
本発明に係るマンホールの浮上防止工法(以下単に「本工法」という)は、地中に埋設されている既設のマンホール、新たに設置するマンホールの浮上を防止する構造を確実に実現することができる。
即ち、マンホール周囲の埋戻し土砂層の更に外周の地山であって、該マンホールに接続されている管路を回避し得る複数の位置の深さ方向の地耐力を調査することで、マンホールと地山を接続する支持部材が配置される位置又はアンカーとなる位置の地耐力を確認することができる。そして、調査した地耐力の結果に基づいてアンカーとすべき位置(深さ、マンホールからの距離を含む、以下「アンカー位置」という)を決定することができる。このとき、地耐力を調査した位置が必ずしもアンカー位置となる必要はなく、単に支持部材が通過する位置であって良い。
アンカー位置が決定した後、該アンカー位置とマンホールの壁面に於ける開口からの所定深さ位置を結ぶ線を想定し、この想定した線に沿って、マンホールの側壁に貫通孔を形成し、この貫通孔からアンカー位置まで穴を形成する。そして、貫通孔から穴に支持部材を挿通して先端をアンカー位置に到達させ、後端をマンホールの側壁から突出させておき、支持部材を挿通した穴にグラウト材を充填する。更に、穴に充填されたグラウト材が硬化した後、支持部材の後端を取付部材を介してマンホールの側壁に取り付けることで、支持部材を介してマンホールをアンカーに接続することができる。従って、マンホールに浮力が作用した場合でも、作用する浮力に対抗して浮上を防止することができる。
特に、埋戻し土砂層の外周の地山に対しボーリング穴を形成した場合、容易に地耐力を調査することができ、また、地耐力が小さい場合、このボーリング穴にグラウト材を充填して地耐力の向上をはかることができる。
また、マンホール外周の埋戻し土砂層を貫通してアンカー位置に到達する穴を形成する際に、マンホールの側壁に形成された貫通孔の径と等しいか小さい径を持った円筒状のケーシングを用い、支持部材を挿通した後、グラウト材を充填することで、支持部材に引き抜き方向の力が作用したとき、硬化したグラウト材との摩擦によって対抗することができる。
また、穴をマンホールの側壁に形成した貫通孔から斜め下方に形成して埋戻し土砂層を貫通させてアンカーとすべき位置に到達させることで、該穴に挿通した支持部材を斜めに配置することができる。このため、マンホールに浮力が作用したとき、支持部材には引張力が作用することとなり、比較的細い支持部材であっても対抗することができる。
また、支持部材の後端をマンホールの側壁に取り付ける際に、マンホールの側壁に形成された貫通孔と支持部材とで構成された空間に弾性材を充填することで、支持部材とマンホールとの間に相対的なずれが生じた場合、このずれを吸収することができる。
マンホールと地山の地耐力を調査する位置との関係を説明する平面図である。 図1のII‐II断面図である。 本工法の手順を説明する図である。 本工法の手順を説明する図である。 本工法の手順を説明する図である。 本工法によって構成されたマンホールの平面図である。 図6のVII−VII断面図である。
以下、本発明に係る浮上防止工法(以下「本工法」という)について説明する。本工法は、地震時に地盤の流動化現象の発生に伴って生じる過剰間隙水圧の増加、或いは何等かの原因によって生じる地下水圧の増加、に起因する浮力の増大に伴って生じる虞のあるマンホールの浮上を防止する構造を実現するためのものである。本工法の場合、既設のマンホールを浮上防止構造に改造する際に適用すると有利である。
本工法は、予め地山の地耐力を調査し、この調査結果に基づいてアンカーとすべき位置(アンカー位置)を決定し、マンホールの側壁から決定されたアンカー位置まで支持部材を挿通して定着させることで、作用する浮力に対抗し得るようにしたものである。特に、本工法では、マンホールの側壁に複数の貫通孔を形成すると共に、周囲の埋戻し土砂層の外周に存在する地山に決定されたアンカー位置まで穴を形成し、各穴に支持部材を挿通して一端を地山に定着させている。また、支持部材の他端をマンホールの側壁に取り付けることで、該マンホールに作用する浮力に対抗し得るようにしている。
尚、本発明に於いて、「地山」とはマンホールの外周部位に存在する地盤であって、マンホール周辺の自然土砂層、及び自然土砂層となじんだ埋戻し土砂層をいうものとする。また、「埋戻し土砂層」とはマンホール構築時に該マンホールの周辺を埋戻した際の埋戻し土砂からなる層であって、まだ周辺の自然土砂層となじんでいないことから、液状化し易くマンホールが浮上する可能性を有する層をいうものとする。
また、アンカーとは、マンホールに浮力が作用したとき、この浮力を地山に伝えると共に該浮力に対抗する機能をいう。このため、アンカーは地山に固定された点として認識されることもあり、また地山との摩擦を発揮する面として認識されることもある。
浮上を防止すべきマンホールの構造を限定するものではなく、現場打ちコンクリートによる一体構造のマンホール、或いは複数の直壁管を縦方向に積み重ねて最上部に斜壁管を配置した組立マンホール、の何れであっても良い。
地山の地耐力を調査する位置は、マンホールを設置する際に形成された埋戻し土砂層の外周に存在する地山であって、マンホールに接続されている管路を回避し得る複数の位置であることが必要である。この地耐力を調査する位置及び数は限定するものではなく、少なくとも2か所あれば良い。しかし、マンホールと地山を接続する支持部材の配置位置及び配置数と同じであることが好ましい。
即ち、地山に於ける支持部材を挿通する深さ方向の部位の地耐力を調査することによって、該支持部材の長さやグラウト材の構成等の条件を適宜設定してアンカー位置を決定することが可能となる。例えば、予め想定した支持部材の長さやマンホールの中心軸に対する角度から設定された地山に於ける深さの範囲が充分な地耐力を有していることが判明した場合、該支持部材の少なくとも先端部分を地山に定着させてアンカーとすることが可能である。また、地山が充分な地耐力を有していないことが判明した場合、支持部材を想定した長さよりも長くしたり、支持部材の周囲にグラウト材を充填して該支持部材と定着したグラウト材の硬化層を形成し、この硬化層を含めてアンカーとすることが可能である。
地山の地耐力を調査する方法は限定するものではなく、支持部材を定着させるべき深さを基準として、より深い方向及びより浅い方向に於ける地耐力を調査することが可能な方法であれば良い。このような方法として、地山をボーリングして調査する方法があり、この方法を採用することが好ましい。地山をボーリングして地耐力を調査する方法では、調査が終了した後、形成されたボーリング穴にグラウト材を充填することで、地耐力の向上をはかることが可能となる。
地山をボーリングする際に用いる装置については特に限定するものではなく、従来より用いられている貫入試験装置を採用することが可能である。例えば、応用地質株式会社製の「動的貫入試験装置:MODEL−4352」を用いるとコーンを直接地盤に貫入させることで、迅速な地盤の地耐力を求めることが可能であり、好ましい。
地山の地耐力を調査する位置、即ち、支持部材の水平面内に於ける配置位置は、マンホールに接続された管路を回避し得る位置であって、略等角度間隔で複数の位置であることが好ましい。このように複数の支持部材が略等角度間隔に配置されることによって、マンホールに浮力が作用したとき、夫々の支持部材に均等に負荷がかかり、確実な浮上防止を実現することが可能である。
グラウト材として材質を特に限定するものではなく、経時的に硬化して支持部材と定着し、該支持部材と地山或いは埋戻し土砂層とを間接的に定着させ得るものであれば良い。このようなグラウト材としてセメントミルクやモルタルがあり、このセメントミルクやモルタルであれば、地山や埋戻し土砂層への注入が容易であり、且つ経時的に硬化して硬化層を構成することが可能である。
マンホールの側壁から埋戻し土砂層を貫通して地山に定着される支持部材が、略水平方向に配置されるか、或いは斜め下方に配置されるか、は限定するものではなく地山に於けるアンカーとなる位置の深さに対応して設定することが好ましい。
従って、支持部材はマンホールの側壁に形成された貫通孔を貫通して略水平方向に、或いは斜め下方に配置され、且つマンホールに接続された管路を回避する位置に配置される。支持部材を斜め下方に配置する場合、角度は特に限定するものではなく、既設のマンホールの側壁に貫通孔を形成する際の作業を円滑に行うことが可能で、且つマンホールの壁面に対して可及的に鋭角であることが好ましい。このように、支持部材を可及的に鋭角に配置することによって、狭いマンホールの内部空間を活用して、貫通孔を形成する作業や、支持部材を接続する作業等の作業性を向上させることが可能となる。
また、支持部材が略水平方向に配置される場合、マンホールに作用する浮力の変化がないときには支持部材に対し特別な力が作用することはない。しかし、マンホールに対し支持部材を設置したときの浮力よりも大きい浮力が作用すると、支持部材には曲げ力が作用することとなる。このため、支持部材の曲げ剛性を大きくする必要があり、曲げ強度の大きい材料を採用することが必要である。
支持部材を略水平方向に配置する場合、支持部材としては、鋼管を用いたり、断面が長方形の角鋼管を縦長にして用いたり、I形鋼或いは角バー等の鋼材を用いることが可能である。また、これらの支持部材とマンホールとの接合部分では、マンホールが浮上する際にせん断力が作用するため、このせん断力に対抗し得る構造であることが必要となる。
このように、支持部材とマンホールとの接合部分の構造は作用するせん断力に充分に対抗し得るものであれば良く、この構造を特に限定するものではない。例えば、マンホールの側壁に形成された貫通孔に、一方の端部にマンホールの内壁に面接するフランジが形成され、他方の端部がマンホールの外壁から充分な長さで突出し得るようにした鋼管を有する筒体を用いることが可能である。そして、鋼管の内部にグラウト材を充填して支持部材を一体的に拘束することで、作用するせん断力に対し、鋼管、グラウト材、支持部材によって対抗することが可能である。
特に、上記筒体の場合、支持部材を略水平方向に配置した構造にのみ用いることに限定することなく、斜め下方に配置した支持部材に適用しても良い。更に、筒体を構成する鋼管がマンホール外周の埋戻層を貫通して地山に到達する程度に充分に長い場合、この筒体によって支持部材とすることも可能である。
また、支持部材を斜め下方に配置した場合、該支持部材には下方への角度とマンホールに作用する浮力に応じた引張力と曲げ力が作用することとなる。しかし、支持部材が斜め下方に配置されていることによって、この支持部材には大きな曲げモーメントが作用することがない。このため、支持部材として、曲げ剛性を大きくすることなく、必要な引張強度を有する材料を採用することが可能となり、断面形状を単純にすることが可能である。
この場合、支持部材はマンホールに作用する浮力を引張応力として支持し得るものであれば良く、形状や材質を限定するものではない。特に、地盤が液状化したときマンホールに作用する浮力に対抗する際に、個々の支持部材に作用する引張力を2トン〜3トン程度の範囲になるようにすることが好ましい。このため、支持部材として、鋼やステンレス鋼等の金属系材料からなる棒やワイヤ等、或いは強化繊維を含む合成樹脂系材料からなる棒等、から選択的に採用することが可能である。
略水平に配置される支持部材又は斜め下方に配置される支持部材は、何れも先端が安定地盤である地山まで到達させることが必要である。マンホールが新設されるものである場合、マンホールの周囲に埋戻し土砂層を形成するのに先立って支持部材の先端を地山に到達させることが可能であり、上記した種々の材料からなる支持部材を選択することが可能である。しかし、マンホールが既設のものである場合、支持部材の先端を埋戻し土砂層を貫通させて地山に到達させることが必要となり比較的高い強度が要求される。このような場合、支持部材として予め設定された太さを有する鋼棒や鋼管を用いることが好ましい。
斜め下方に配置される支持部材の太さは前述した引張強度を発揮し得れば良く、選択した材料に応じて適宜設定することが可能である。支持部材として棒鋼を用いる場合、太さ約12mm〜30mm程度のものが採用される。また、支持部材が中実状の棒であるか、軸方向に貫通した穴を有するかも限定するものではない。特に、後述するように、支持部材の先端が地山に到達した後、この地山及び埋戻し土砂層にグラウト材を充填するような場合、軸方向に貫通した穴を有する筒状の棒であると、該棒を通してグラウト材の充填が可能となるため好ましい。
支持部材の長さは限定するものではないが、地山の地耐力の調査結果に応じて設定することが好ましく、先端が地山に到達して定着されるのに充分な長さであれば良い。支持部材は通常約1.5m〜約2.0m程度であるが、この範囲に限定するものではない。また、支持部材はマンホールの内部で容易に作業することが可能な単位長さの棒状に形成されたものを用い、この棒を接続部材によって接続して長尺とすることが好ましい。
支持部材を斜め下方に配置する場合、角度は限定するものではないものの、マンホールの垂直線に対し30度〜60度程度の範囲であることが好ましい。しかし、既に設置されているマンホールを浮上防止構造に施工する場合、マンホールの内径や深さ等の条件に応じて必ずしも前記角度範囲である必要はないが、斜め下方であることは必要である。。
支持部材の水平面内に於ける配置は、マンホールに接続された管路を回避し得る位置であって、略等角度間隔で複数の位置であることが好ましい。このように複数の支持部材が略等角度間隔に配置されることによって、マンホールに浮力が作用したとき、夫々の支持部材に均等に負荷がかかり、確実な浮上防止を実現することが可能である。
複数の支持部材のみで地山に定着してマンホールの浮上を防止し得るようにすることが好ましい。しかし、必ずしも支持部材のみでマンホールの浮上を防止し得る必要はなく、支持部材の周囲にグラウト材による硬化層を形成することで、該硬化層と共に浮上を防止し得るように構成しても良い。
支持部材は中心に軸方向の貫通穴を有する筒状(例えば鋼管)であることが好ましく、このような貫通穴があると、支持部材の先端が地山に到達した後、該貫通穴を利用してグラウト材を充填することが可能となる。また、支持部材の外周はねじ状であることが好ましい。このようなねじ状とすることで、複数の支持部材をナット状の継手を利用して接続することが可能となる。このため、個々の支持部材の長さを短くすることが可能となり、狭いマンホール内での作業が容易となる。更に、ねじ状の部分によってグラウト材との付着性を向上させることも可能となる。
マンホールの側壁に貫通孔を形成する場合、該マンホールの製造過程で形成することが好ましいが、既設のマンホールに対しては現場施工することが必要となる。貫通孔の径は特に限定するものではないが、大きい径を持った貫通孔を形成するのに伴ってマンホール自体の強度も減少することとなるため自ずから制限があり、直径約40mm〜約100mmの範囲で形成することが好ましい。
マンホールの側壁に形成された貫通孔と支持部材とで構成された空間にグラウト材が充填されていても良い。しかし、前記空間に弾性材が充填されていることが好ましい。このように、弾性材を充填することによって、支持部材とマンホールとの間で僅かな変位が生じた場合、この変位を弾性材によって吸収することが可能となる。更に、弾性材によって止水性を確保することも可能となる。
弾性材として如何なるものを採用するかは限定するものではなく、予め貫通孔の内径よりも僅かに大きい外径を有し、且つ支持部材の外径よりも僅かに小さい内径を有する筒状のゴム等の弾性材を用いることが可能である。また、貫通孔と支持部材との空間に充填されて発泡することで、該空間を密封する発泡ウレタン等の弾性材であっても良い。
次に、本工法の実施例について図1〜図7により説明する。尚、本実施例では、支持部材3は、マンホールAを中心として等角度間隔に4か所で、且つ管路Bを回避し得る位置に、斜め下方に向けて配置されている。
先ず、本工法を実施することによって浮上防止を実現したマンホールの構造について図6、図7により簡単に説明する。図に示すマンホールAは下水道用の管路に代表される管路Bに設けられており、地震時に生じた過剰間隙水圧の上昇、或いは地下水圧の上昇に伴って作用する浮力によって浮上するのを防止し得るように構成されている。
マンホールAは管路Bの長さ方向に、予め設定された距離毎に設置されており、個々のマンホールAは地表から管路Bまでの深さに対応した寸法を有している。マンホールAは、地山Cを掘削して予め設定された深さの立坑を形成し、底盤上にインバートブロック及び幾つかの直壁管と地表部分に設けた斜壁管とを積み上げて構成されている。そして、設置されたマンホールAの周囲を埋め戻すことで、地山Cとの間に埋戻し土砂層Dが形成されている。
マンホールAを中心として、埋戻し土砂層Dの外周の地山Cに於ける管路Bを回避し得る複数の位置(本実施例では4か所)に地山Cの地耐力を調査するためのボーリング穴Eが形成されている。また、各ボーリング穴Eは、地山Cの深さ方向の地耐力を調査した後、グラウト材が充填され、該グラウト材の硬化層10によって閉塞されている。
本実施例に於いて、ボーリング穴Eは、マンホールAの中心軸1aを中心とする平面を想定し、管路Bを回避して90度で分割した線1b上で且つ地山Cに対応する位置に配置されている。また、ボーリング穴EのマンホールAの中心軸1aからの距離は、後述する支持部材3の傾斜角度と想定される長さとに対応する値に設定されている。
マンホールAの側壁であって管路Bを回避し得る位置には、該側壁を貫通して複数(本実施例では4つ)の貫通孔2が形成されており、この貫通孔2に夫々支持部材3が配置されている。前述したように貫通孔2は複数あれば良く、数を特に限定するものではない。しかし、マンホールAの平面中心である中心軸1aを中心とする対象位置に設けられることが好ましい。
貫通孔2の径は特に限定するものではなく、支持部材3の太さや種類等の条件に対応して最適な径となるように設定することが好ましい。通常は、前述したように約40mm〜約100mmの範囲から選択している。本実施例の貫通孔2は径が約60mmで形成されている。
支持部材3は貫通孔2を貫通して斜め下方に配置されている。そして、支持部材3の先端3aが貫通孔2及び埋戻し土砂層Dを通して地山Cに定着しており、後端3bはマンホールAの側壁であって貫通孔2に配置した取付部材4を介して取り付けられている。
前述したように、支持部材3の傾斜角度(図6に示す角度θ)は限定するものではないが、本実施例では約45度に設定している。特に、既設のマンホールに対し現場施工するような場合、支持部材3の傾斜角度は必ずしも前記角度に納まらないことは許容されるべきである。
支持部材3としては、外径が約25mm程度で中心に軸方向の穴が形成された筒状の鋼棒を用いており、外周はグラウト材との付着性を向上させるようにねじ状に形成されている。支持部材3がねじ状に形成されるため、単位長さの支持部材材を継手を介して所望の長さに接続して目的の支持部材3を構成することが可能である。従って、支持部材3を、目的のマンホールAに周辺に於ける埋戻し土砂層Dの厚さや、地山Cに於ける安定地盤までの距離等の条件に対応した長さに設定することが可能である。本実施例では、支持部材3として軸方向の穴を有するものを用いたが、軸方向の穴を有しないものを用いても良い。
例えば、支持部材3として、外周にねじが形成されており、軸方向に貫通穴が形成されているようなものが好ましい。特に、先端3aは支持部材3を埋戻し土砂層D、地山Cを圧密し、或いは掘削することが可能なビットとして構成されていることが好ましい。このビットは必ずしも支持部材3の一部を成形して構成する必要はなく、予め形成されたものをねじを介して締結したものであって良い。
このような先端3aを構成するビットには側面に支持部材3の貫通穴と連結した穴が設けられており、これらの穴を利用してグラウト材を吐出して地山C、埋戻し土砂層Dに充填することが可能である。そして、充填されたグラウト材からなる硬化層が構成されたとき、残地されたビットによって異形状の先端3aを構成して地山Cに定着される。
また、支持部材3の先端3aが回動可能な複数のフックによって構成されたものも好ましく用いることが可能である。このように構成された先端3aでは、支持部材3を埋戻し土砂層D、地山Cに圧入する際に、複数のフックは支持部材3の外周面に沿った位置にあり、支持部材3を引き戻す際に、回動して地山Cに引っ掛かる。従って、複数のフックが異形状の先端3aを構成し、このフックが地山Cに係止されることで、先端3aが定着される。
本実施例ではグラウト材としてセメントミルクを用いており、硬化層5を支持部材3の先端3aからマンホールAの外壁に至る間に構成することによって、支持部材3の略全長にわたって被覆している。このため、硬化層5は埋戻し土砂層Dを貫通して地山Cまで連続して構成されており、支持部材3と定着すると共に地山C、埋戻し土砂層Dとも定着している。従って、支持部材3に引張力が作用したとき、この引張力は硬化層5を介して地山C、埋戻し土砂層Dに伝えられ、主として地山Cにより対抗することが可能となる。
上記の如く、支持部材3の先端3aは、硬化したグラウト材からなる硬化層5を介して地山Cに定着されている。このため、先端3a及び該先端3aを含む硬化層5がアンカーとしての機能を発揮している。
マンホールAの側壁に形成された貫通孔2には弾性材6が充填されており、この弾性材6に支持部材3の後端3bが貫通して保持されている。弾性材6として、予め貫通孔2の内径と略等しい外径と支持部材3の外径と略等しい内径を持って予め成形されたウレタンゴムを支持部材3の傾斜角度に対応させて斜めに形成したものを用いている。しかし、弾性材5としてはウレタンゴムの成形品に限定するものではなく、貫通孔2に例えばウレタン等の発泡剤を充填して現場で構成しても良い。
支持部材3の後端3bは取付部材4を介してマンホールAの側壁の内周面に取り付けられている。取付部材4は、マンホールAに形成された貫通孔2を覆う座板4aと、支持部材3の後端3bに螺合する袋ナット4bと、支持部材3の傾斜角度に対応した角度を有する座金4cと、によって構成されている。
座板4aは、マンホールAに形成した貫通孔2の全開口面を覆うことが可能な大きさを有する曲面状に形成されており、貫通孔2に対向する面には該貫通孔2に挿入される筒部4dが突設されている。従って、貫通孔2に弾性材6を充填した後、筒部4dを挿入して座板4aを取り付けると共に座金4cを介して袋ナット4bを締結したとき、貫通孔2の開口面は座板4aによって覆われる。そして、座板4aが貫通孔2に対し何れかの方向にずれようとしたとき、筒部4dが貫通孔2の内周面と接触してずれを防ぐことが可能である。
マンホールAを上記の如く構成することによって、マンホールAに浮力が作用したとき、アンカーとなる支持部材3の先端3a、及び支持部材3が硬化層5を介して安定地盤である地山Dに定着していることから、マンホールAに対する安定した支持を実現することが可能である。
即ち、マンホールAに浮力が作用したとき、この浮力に応じて支持部材3に引張力が作用するが、支持部材3の先端3aが異形に形成されていると、この異形部分が地山Cに引っ掛かるようにして所謂アンカーとなる。このため、マンホールAの浮上を確実に防止することが可能である。
更に、支持部材3の周囲に定着した硬化層5が形成されることでこれらがアンカーとなり、支持部材3に作用する引張力に応じて支持部材3と硬化層5との間、及び硬化層5と地山C、埋戻し土砂層Dとの間に摩擦抵抗が生じる。このため、生じた摩擦抵抗がマンホールAの浮上を阻止する抵抗として作用し、効果的にマンホールAの浮上を防止することが可能となる。
次に、本工法について具体的に説明する。先ず、図1、図2に示すように、マンホールAを中心とし、埋戻し土砂層Dの外周に於ける地山Cであって、マンホールAに接続された管路Bを回避し得る複数の位置に地山Cの地耐力を調査するボーリング穴Eの位置を設定する。本実施例では、マンホールAの中心軸1aを中心とし、管路Bに対し夫々45度の角度を持った2本の線1bを想定し、この線1b上の4か所にボーリング穴Eの位置を設定している。
マンホールAの中心軸1aからボーリング穴Eまでの距離については特に限定するものではないが、図7に示す支持部材3の中心軸1aに対する傾斜角度θと、予め想定した支持部材3の長さとに応じて設定することが好ましい。また、ボーリング穴Eの深さも同様に特に限定するものではないが、前記した支持部材3の中心軸1aに対する傾斜角度θと、予め想定した支持部材3の長さ、及びマンホールAに於ける貫通孔2の地表からの深さ、に応じて設定することが好ましい。
また、ボーリング穴Eの径も限定するものではなく、地山Cの地耐力を調査する際に採用した調査方法を最適に実施し得る径であれば良い。通常の調査方法では、直径が50mm程度のボーリング穴Eを形成することで充分である。
上記の如くしてボーリング穴Eの位置と調査すべき深さ、特に支持部材3の挿通深さを想定し、該深さを基準として浅い方向及び深い方向の範囲を設定した後、夫々の位置をボーリングして地山Cに設定した範囲の深さに於ける地耐力を調査する。地山Cに対する地耐力の調査方法は特に限定するものではなく、通常行われている調査方法を採用することが可能である。
上記の如くして地山Cの深さ方向に於ける所定範囲の地耐力を調査した結果に基づいて、アンカー位置を設定する。支持部材3を挿入する地山Cが充分に大きい地耐力を有する場合、該支持部材3の先端3aの周囲にグラウト材を充填して球根状に形成し、或いは前述したビットやフック等の異形状にして充分な強度で地山に定着させることで、点状のアンカーとすることが可能である。
また、支持部材3を挿入する地山Cの地耐力に難があるような場合、支持部材3と地山Cとの間にグラウト材からなる硬化層5を形成して充分な摩擦抵抗を発揮させることで、面状のアンカーとすることが可能である。この場合、地山Cと硬化層5との摩擦係数と、支持部材3に想定した引張力とのよって硬化層5の長さを設定し、設定された長さを実現し得るように支持部材3の長さを設定することが必要である。
上記の如くして支持部材3の先端3aの形状を設定し、或いは支持部材3の地山Cに対する挿入深さを設定することで、アンカー位置を決定することが可能である。尚、支持部材3の先端3aを球根状に形成する場合、支持部材3からグラウト材を充填しても良く、またボーリング穴Eからグラウト材を充填しても良い。
次いで、マンホールAの側壁に貫通孔2を形成する。この作業は、マンホールAの内部に図示しないコアカッターを予め設定された角度で設置し、このコアカッターを回転させつつ押し当てることで行う。
次いで、図3(a)に示すように、マンホールAに形成された貫通孔2に対向させて削孔用のケーシング11を設置し、該貫通孔2を貫通させて埋戻し土砂層D、地山Cに向けて削孔する。ケーシング11は、貫通孔2の径よりも僅かに小さい外径を有する円筒状に形成され、先端部に土砂層D、地山Cを削孔する切刃11aが設けられている。またケーシング11は、図示しない駆動装置によって駆動されるように構成されている。
そして、ケーシング11を予め設定された角度で斜め下方に保持し、切刃11aを含む先端部分を貫通孔2を通して埋戻し土砂層Dに臨ませる。その後、ケーシング11を矢印方向に前進させて、埋戻し土砂層Dを貫通して地山C内に進行させる。尚、ケーシング11を用いてマンホールAの側壁に貫通孔2を形成することも可能である。
また、ケーシング11によって削孔すると同時に掘削した土砂をケーシング11の内部空間から排出する。掘削した土砂を排出する場合、ケーシング11の内部に外部から水を供給し、この水のマンホールAへの排水に伴って排出することが可能である。また、ケーシング11の内部にスクリューを設けて排出しても良い。
ケーシング11を予め設定された長さ(深さ)まで進行させて、埋戻し土砂層D、地山Cを削孔する。このとき、ケーシング11がボーリング穴Eと交差することが好ましい。しかし、ボーリング穴E及びケーシング11による埋戻し土砂層D、地山Cに対する削孔が現場での作業であり、両者が正確に交差する保障はない。このため、ボーリング穴Eにグラウト材を充填して閉塞する処理を単独の作業として行うことが必要になる場合と、後述する削孔に対するグラウト材の充填作業とを同時に行える場合とがある。
上記の如くしてケーシング11によって埋戻し土砂層D、地山Cに対し削孔した後、同図(b)に示すように、ケーシング11の内部に所定長さの支持部材3を挿通する。このとき、支持部材3がケーシング11の略中心に位置するように、該支持部材3の外周にリング状のカラー(図示せず)を取り付けることが好ましい。
次に図4(a)に示すように、ケーシング11をマンホールAに引き戻しつつ、地山C、埋戻し土砂層Dに硬化層5を形成するためのグラウト材となるセメントミルク5aを充填する。このとき、支持部材3に形成された穴を通して供給したセメントミルク5aを先端3aから排出して充填することが可能である。また、ケーシング11の内部に支持部材3と共に図示しないホースを挿入し、該ホースを介して供給されたセメントミルク5aを充填することも可能である。
更に、地山C、埋戻し土砂層Dに対するセメントミルク5aの充填は、支持部材3及びケーシング11の両方から充填することも可能である。このように、セメントミルク5aの充填方法は、採用する支持部材3やケーシング11の寸法、或いは支持部材3の先端3aまでの長さ等の条件を考慮して適宜選択することが好ましい。
また、地山C、埋戻し土砂層Dに対しセメントミルク5aを充填する際に、ボーリング穴Eに対し、グラウト材としてのセメントミルクを充填する。このように、ケーシング11による削孔に対するグラウト材の充填と、ボーリング穴Eに対するグラウト材の充填を同時に行うことによって、作業を円滑に進行させることが可能となる。
尚、ボーリング穴Eにグラウト材としてのセメントミルクを充填する場合、必ずしも地表まで充填する必要はなく、地表に近い部分は掘削した土砂を埋め戻すことで閉塞しても良い。しかし、ボーリング穴Eに於ける支持部材3と交差した位置、或いは交差しないまでも接近した位置、に対応する深さ方向の範囲にはグラウト材としてのセメントミルクを充填しておくことが好ましい。ボーリング穴Eに充填されたグラウト材は、経時的に硬化し、硬化層10が形成される。
特に、ボーリング穴Eと支持部材3とが交差していないような場合、ボーリング穴Eとケーシング11による削孔にセメントミルクを充填することで、夫々に充填されたセメントミルクを地盤に浸透させて両者を一体化させることが好ましい。
本実施例では、セメントミルク5aを充填する際にケーシング11を引き戻したが、ケーシング11をマンホールAに引き戻すか否かは限定するものではなく、マンホールAの周辺に存在する埋戻し土砂層Dの性状に対応させて決定することが好ましい。例えば、埋戻した土砂層が周辺の自然土砂層に充分になじんで安定地盤である地山Cとして存在するような場合、ケーシング11をマンホールAに引き戻して良い。
しかし、埋戻し土砂層Dがまだ周辺の自然土砂層に対し充分になじまず液状化する可能性を有するような場合、ケーシング11をマンホールAに引き戻すことなく埋め殺しすることが好ましい。そして、ケーシング11を埋め殺しする場合、該ケーシング11の側面には多数の穴を形成しておき、充填されたセメントミルク5aが穴を介して埋戻し土砂層D、地山Cに浸出し得るようにしておくことが好ましい。
地山C、埋戻し土砂層Dにセメントミルク5aを充填する際に、マンホールAの側壁に形成された貫通孔2は空間の状態としておく。即ち、セメントミルク5aを一度貫通孔2の外周面側の上部レベルまで充填して該貫通孔2を略充満させ、充満したセメントミルク5aが硬化し始めたとき、貫通孔2の内部に存在するやや硬化したセメントミルク5aをはつって排除することで、貫通孔2を空間の状態としておく。
その後、同図(b)に示すように、経時的にセメントミルク5aが硬化して硬化層5が構成される。硬化層5は支持部材3と地山Cとに定着し、支持部材3に作用する引張力を地山Cに伝えると共にアンカーとしての機能を発揮するものである。
支持部材3の周囲に硬化層5が構成された後、図5に示すように、マンホールAの貫通孔2に弾性材6を充填して支持部材3の後端3bを貫通させる。更に、貫通孔2のマンホールAの内周面側に座板4aを配置して支持部材3の後端3bを挿通し、筒部4dを貫通孔2に挿入する。次いで後端3bに座金4cを挿通し、支持部材3の後端3bに袋ナット4bを螺合して予め設定されたトルクで締結する。
このように、支持部材3の後端3bを取付部材4を介してマンホールAの側壁に対し予め設定された力を作用させて取り付けることで、マンホールAに作用する浮力を側壁と座板4aとの摩擦を介して支持部材3に伝えることが可能である。
上記の如き工程を経ることで、図6、図7に示すように、支持部材3を介して地山Cに接続されたマンホールAを構成することが可能である。
尚、支持部材3を略水平方向に配置する場合であっても、上記の如くした本工法で実現することが可能である。
本発明に係るマンホールの浮上防止工法は、既設のマンホール或いは新設のマンホールの浮上を防止する構造を構成する際に利用して有利である。
A マンホール
B 管路
C 地山
D 埋戻し土砂層
E ボーリング穴
1a 中心軸
1b 線
2 貫通穴
3 支持部材
3a 先端
3b 後端
4 取付部材
4a 座板
4b 袋ナット
4c 座金
4d 筒部
5 硬化層
5a セメントミルク
6 弾性材
11 ケーシング
11a 切刃

Claims (6)

  1. 地中に埋設されているマンホールの周囲に於ける埋戻し土砂層の外周の地山で且つ該マンホールに接続されている管路を回避し得る複数の位置の深さ方向の地耐力を調査する工程と、
    前記工程で調査した地山の地耐力の結果に基づいてアンカーの深さとマンホールからの距離を含むアンカーとすべき位置を決定し、その後、マンホールの側壁に貫通孔を形成すると共に、前記埋戻し土砂層を貫通して前記アンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程と、
    前記貫通孔から前記穴に支持部材を挿通して先端をアンカーとすべき位置に到達させると共に後端を前記マンホールの側壁から突出させる工程と、
    前記支持部材を挿通した前記穴にグラウト材を充填する工程と、
    前記穴に充填されたグラウト材が硬化した後、前記支持部材の後端を取付部材を介して前記マンホールの側壁に取り付ける工程と、
    を有することを特徴とするマンホールの浮上防止工法。
  2. 前記地耐力を調査する工程が、埋戻し土砂層の外周の地山に対しボーリング穴を形成して調査することを特徴とする請求項1に記載したマンホールの浮上防止工法。
  3. 前記地耐力を調査する工程で埋戻し土砂層の外周の地山に形成されたボーリング穴に、グラウト材を充填することを特徴とする請求項2に記載したマンホールの浮上防止工法。
  4. 前記マンホール外周の埋戻し土砂層を貫通してアンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程は、前記マンホールの側壁に形成された貫通孔の径と等しいか又は小さい径を持った円筒状のケーシングを用いて行い、
    前記ケーシングの内部に支持部材を挿通した後、グラウト材を充填することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
  5. 前記マンホール外周の埋戻し土砂層を貫通してアンカーとすべき位置に到達する穴を形成する工程は、前記穴を斜め下方に形成して埋戻し土砂層を貫通させてアンカーとすべき位置に到達させるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
  6. 前記穴に充填されたグラウト材が硬化した後、前記支持部材の後端を取付部材を介して前記マンホールの側壁に取り付ける工程に先立って、前記マンホールの側壁に形成された貫通孔と前記支持部材とで構成された空間に弾性材を充填することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載したマンホールの浮上防止工法。
JP2013271069A 2013-12-27 2013-12-27 マンホールの浮上防止工法 Active JP6249440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271069A JP6249440B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 マンホールの浮上防止工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271069A JP6249440B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 マンホールの浮上防止工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015124566A JP2015124566A (ja) 2015-07-06
JP6249440B2 true JP6249440B2 (ja) 2017-12-20

Family

ID=53535478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271069A Active JP6249440B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 マンホールの浮上防止工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6249440B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113006149A (zh) * 2019-06-28 2021-06-22 褚宇为 一种市政公路工程用自适应防高度差井盖及方法
CN115369929B (zh) * 2022-09-22 2023-07-28 中国五冶集团有限公司 一种后浇抗浮锚杆施工方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK200100035A (da) * 2001-01-10 2002-07-11 Soerensen Peder Hoven Gennemløbsbrønd
JP4392453B2 (ja) * 2008-05-20 2010-01-06 中央開発株式会社 地中埋設体の浮上抑止方法および埋設構造
JP2010150799A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Miyama Ind Corp 浮上がり防止付マンホール
JP2010150798A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Miyama Ind Corp 浮上がり防止付マンホール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015124566A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5265500B2 (ja) 杭の中掘工法、基礎杭構造
CN104234055B (zh) 一种预制桩后注浆装置及其工艺
CN105239563A (zh) 一种后注浆配套旋挖钻机干法成孔灌注桩结构及施工方法
JP2010236323A (ja) 現場造成による基礎杭構造及び基礎杭の構築方法
CA2942801C (en) Method for installing metal piles in permafrost soil
JP2009036010A (ja) 沈下防止杭の造成方法及び沈下防止杭
KR20160025260A (ko) 선단지지력이 강화된 복합말뚝 및 이의 시공방법
JP5882143B2 (ja) 地下構造物の浮上防止杭及び地下構造物の浮上防止工法
CN105297757A (zh) 一种流砂层桩基施工方法
JP5542529B2 (ja) ハイブリッドアンカーおよびアンカー工法
JP4946695B2 (ja) 二重管式杭頭構造の構築方法
JP6249440B2 (ja) マンホールの浮上防止工法
JP5919675B2 (ja) 複合基礎杭及び複合基礎杭の構築方法
JP2013164103A (ja) 埋設管構造、及び埋設管構造構築方法
KR20110136139A (ko) 복합파일을 이용한 지하골조구조물 시공방법
KR20120102480A (ko) 선단 지지력이 강화된 phc 말뚝 및 이를 이용한 phc 말뚝 매입 공법
JP6414871B2 (ja) マンホールの浮上防止構造及び工法
JP6542587B2 (ja) マンホールの浮上防止工法
CN108677939A (zh) 一种桩端后注浆失效处置方法及装置
JP2015132125A (ja) 開端鋼管杭及びその施工方法
KR20140147247A (ko) 기존 건물과 일체 거동을 위한 기초슬래브의 보강 공법 및 보강 구조
KR101436846B1 (ko) 부력방지앵커를 구비한 피에이치씨 말뚝구조
JP2017197910A (ja) 土留壁構造の構築方法および土留壁構造
JP4911242B2 (ja) 既設重力式岸壁の改修補強構造
JP3619841B2 (ja) 杭の定着施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6249440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250