JP6541499B2 - マイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層ウェハを用いたマイクロデバイスの製造方法に関する。
センサや液体吐出ヘッドなどに代表されるMEMS(Micro Electoro Mechanical System:微小電気機械)デバイスの製造においては、複数のウェハの積層構成が用いられることがある。例えば加速度センサなどにおいては、基板の積層構成がデバイス構造の真空封止や構造体の支持のために用いられることがある。また、液体吐出ヘッドや圧力センサなどにおいては、積層されたウェハ自体が構造体を備えている場合もある。この場合、穴や溝のような、完成時に何かしらの機能を果す構造物が設けられたウェハ同士が接合されるので、ウェハが薄厚であるほど破損の懸念が高まり、歩留まりも低減しやすい。
特許文献1には、3枚のウェハを積層接合した後、中間のウェハを機械加工によって積層方向に切断することにより、2層構造を有する2つのウェハを同時に生成する方法が記載されている。特許文献1に記載された方法によれば、専用の支持基板などを用いなくても、2層以上の積層ウェハを、歩留まりの高い状態で効率的に製造することができる。
特開平6−112451号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、切断処理を機械的な加工で行うため、ウェハの欠けや割れが発生することがある。この場合、ウェハ内に穴、溝、キャビティのような微細な構造物が予め形成されていると、これら構造物まで破損してしまう懸念が生じる。また、特許文献1に記載の方法では、切断後の切断面を研磨し洗浄することを前提としているが、ウェハ内部に構造物が予め形成されている場合には、研磨や洗浄の工程を介して、内部の構造物をダメージのない状態で表面に高精度に露出させるのは難しい。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものである。よってその目的とするところは、厚薄の積層ウェハを用いたマイクロデバイスを、歩留まりの高い状態で効率的に製造することである。
そのために本発明は、第1の基板と第2の基板が積層されて構成されるマイクロデバイスの製造方法であって、2つの前記第1の基板を、仮接着層を介して、互いの面を接着する仮接着工程と、一対の前記第1の基板の仮接着面とは反対の面に対して、閉塞穴、溝、凹部、あるいは前記仮接着層に至るホールの加工、もしくは前記第1の基板の厚みを薄くする加工の少なくともいずれかを行う加工工程と、加工が施された前記第1の基板の面に、前記第2の基板を接合し、前記第1の基板と前記第2の基板とを積層する積層工程と、前記仮接着層を剥離する剥離工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、機械的な切断処理を施すことなく、2つの積層基板を分離することができるので、基板内の構造物を破損することなく高精度に露出させることができる。結果、従来に比べ、目的の製造物を歩留まりの高い状態で製造することが可能となる。
(a)〜(h)は、第1の実施形態における積層ウェハの製造工程図である。 (a)〜(h)は、第2の実施形態における積層ウェハの製造工程図である。 (a)および(b)は、ウェハの接合状態を示す図である。 仮接着層を剥離する様子を示す図である。 仮接着層を剥離する様子を示す図である。 (a)〜(j)は第2の実施形態における積層ウェハの製造工程図の別例である。
以下、図面を参照しながら、本発明に使用可能な積層ウェハ構造を有する液体吐出ヘッドの製造方法について具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜(h)は、第1の実施形態における液体吐出ヘッド用の積層ウェハの製造工程図である。通常、円形状平面のウェハには複数のマイクロデバイスがレイアウトされるが、ここでは、1つのマイクロデバイスに相当する領域に着目し、その断面図を示している。
まず、図1(a)に示すように、第1の基板101を2つ(2枚)用意する。次に、図1(b)に示すように、これら2つの第1の基板101を、仮接着層102を介して、互いの面を接着する。仮接着層102は後に剥離することを前提とする層であり、フォトリソグラフィーによるパターン形成や、エッチング、ウェハ接合、洗浄等の工程には耐えるが、所定の剥離工程では容易に剥離可能な接着剤で形成する。仮接着層は後で剥離してしまうため比較的安価な材料であることが好ましい。一例としては熱可塑性樹脂からなる基板固定用のワックス材や各種レジスト材、加熱により自己発泡する接着シートなどが挙げられる。第1の基板101については特に限定されるものではないが、一般的には、100μm以上で600μm以下の厚みを有するシリコン基板が好ましい。特に、8インチのシリコン基板であることが好ましい。この際、取り扱い時の破損を回避するため、例えば1000μm程度の厚みを有する第1の基板101を用意し、図1(b)のように接着した後、600μm以下の目的の厚みまで両側を研削したり研磨したりしてもよい。
次いで、図1(c)および(d)に示すように、第1の基板101のそれぞれに液体供給ホール103となる貫通穴を順番に形成する。具体的には、フォトレジストを塗布した後に穴部が形成されたマスクを介して露光し、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはサンドブラストのような機械的加工によって、穴部の位置に液体供給ホール103を形成する。この際、仮接着層102は、ウェハを吸着する際のリークを防止したり、片側の第1の基板101に対する加工の影響がもう片側に及ばないようにするためのストップ層の役割を果たしたりする。
次に、図1(e)に示すように、第2の基板100を2つ用意する。第2の基板100は、流路部材107と素子基板109が積層されて成り、流路部材107には、液滴の出口となる吐出口106と吐出口106まで液体を導く流路105が形成されている。但し、これら吐出口106および流路105は、必ずしもこの段階で形成されている必要はなく、後の工程で形成することもできる。一方、素子基板109には、個々の流路105に接続し液体を供給する溝状の供給路108、吐出口106から液体を吐出させるエネルギを発生させるためのエネルギ発生素子104、および不図示の電気配線などが形成されている。
そして、これら2つの第2の基板100を、図1(f)に示すように、先に接着した第1の基板101の仮接着層102側の面(接着面)とは反対の面にそれぞれに接合する。これによって、第1の基板と第2の基板とが積層される。この接合には、様々な手法を用いることが可能であるが、仮接着層102への熱ダメージを考慮すると、比較的低温での接着が可能なUV硬化樹脂や熱硬化樹脂からなる接着剤110を用いることが好ましい。図1(f)に示す工程より、仮接着層102を挟む二組の積層基板111が形成される。
続いて、図1(g)に示すように、仮接着層102を2つの第1の基板101より剥離し、2つの積層基板111を分離する。仮接着層102が熱可塑性樹脂である場合は、構造物全体を樹脂の軟化温度以上に加熱し双方の基板をスライド剥離させればよい。また、仮接着層102が特定の溶剤に溶解する場合には、当該溶剤に浸漬して溶解剥離すればよい。さらに、仮接着剤が自己発泡タイプの接着シートの場合には、指定の温度に加熱した後、そのまま剥離してもよい。
その後、必要に応じて仮接着層102の残渣を洗浄し、第1の基板101と第2の基板100を接合する接着剤110の最終硬化処理等を行うことにより、図1(h)に示すような、二組の液体吐出ヘッド基板が完成する。
以上説明した本実施形態によれば、第1の基板101を2層重ねた厚みと強度のもとで、液体供給ホール103の形成やエッチング、更に第2の基板100の接着のような工程を行うことができる。そして、2つの積層基板111を分離するために仮接着層102に対し特許文献1に記載されているような機械的な切断処理を施さなくてよいので、液体供給ホール103のような構造物を破損することを抑制できる。さらに仮接着層102の剥離後には第1の基板の底面を高精度に露出させることができる。結果、従来に比べ、目的のマイクロデバイスを歩留まりの高い状態で製造することが可能となる。
以下、本実施形態に基づいて実際に液体吐出ヘッドを製造した場合の具体例を説明する。
まず、図1(a)に示すように、第1の基板101として、厚さ300μmのシリコンウェハを2枚用意した。次に、Dynatex社製のシート状仮止め接着剤(Wafer Grip)をこれら2枚の第1の基板101で挟み、図1(b)のような仮接着層102を形成した。そして、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用いて、減圧状態において120℃で接合し、第1の基板101の互いの面を、仮接着層10を介して接着した。
次に、片側の第1の基板101の表面に、東京応化工業社製のフォトレジスト(THMR−iP5700HR)を塗布し、フォトマスクを介して露光および現像することにより、レジストパターンを形成した。そしてその後、SPPテクノロジーズ社製ドライエッチング装置(ASE−PEGASUS)を用い、ボッシュプロセスによるドライエッチング加工を施すことにより、上記穴の位置に貫通穴となる液体供給ホール103を形成した(図1(c))。更に、もう片側の面にも上記と同様の処理を施し、同様に液体供給ホール103を形成した(図1(d))。ドライエッチングを行う際、仮接着層102が配備されているので、吸着リークは確認されなかった。また、以上の工程は、厚さ300μmのシリコン基板を2枚重ねた状態、すなわち600μm以上の厚みの基板に対して行っているので、その強度は1枚の場合よりも十分強く取り扱い易く欠けや割れなども確認されなかった。
次いで、第2の基板100を用意し、UV硬化型の接着剤(株アデカ製:KR−827)をスクリーン印刷により塗布した後、接着剤110にUV光を照射し重合反応を開始させた。本実施例において、UV光の照射は、ウシオ電機製プロキシミティ露光装置(UX−3000)にi線(365nm)バンドパスフィルターを装着して行った。
次に、図1(d)の状態の第1の基板101の片面に接着剤を塗布した第2の基板100を当接させ、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用いて、室温にて1000Nの圧力をかけて両者を接合した。接合は、先に照射したUV光により接着剤の硬化が進まないうちに速やかに実施した。そして、もう片側の面にも同様の接合を行った。これにより、図1(f)のような積層構造体が得られた。この際、接合用の冶具を工夫すれば、両方の第1の基板101に対し、第2の基板100を同時に接合することも可能である。
その後、上記積層構造体に対し、100℃環境で120分の熱キュアを行うことにより、接着剤110(KR−827)を完全に硬化させた。接着剤110は完全に硬化するが仮接着層102には変化が現れないような、それぞれの接着剤の材料と熱キュア時の温度を予め定めておいた。よってこの際、仮接着層102に変化はなく、ずれや剥がれは確認されなかった。
次いで、150℃のホットプレート上で仮接着層102を軟化させた。そして、図4に示すように、2つの積層基板111を互いにスライドさせることにより、それぞれの第1の基板101より仮接着層102を剥離した。その後、それぞれの積層基板111を95℃に過熱された専用の洗浄液に浸漬し、さらにIPA(イソプロピルアルコール)でリンスすることにより、接合面に残っていた仮接着層102を完全に除去した。以上により、液体吐出ヘッド用のマイクロデバイスとなる積層基板111を2つ同時に得ることができた。
(第2の実施形態)
本実施形態においても第1の実施形態と同様、2つの基板を積層させた構成の液体吐出ヘッドを製造する例を用いて説明を行う。
図2(a)〜(h)は、本実施形態における液体吐出ヘッド用の積層ウェハの製造工程図である。第1の実施形態と同様、1つのマイクロデバイスに相当する領域についての断面図を示している。
まず、図2(a)に示すように、第1の基板201を2つ用意する。第1の基板201は後の素子基板となる領域であり、エネルギ発生素子204のほか、後に液体供給路となる凹部207および不図示の電気配線などが形成されている。
そして、これら第1の基板201を、互いの面(互いのエネルギ発生素子204)を対向させるように配置し、仮接着層202を介して接着する。この際、図2(b)に示すように、仮接着層202の接着剤は、第1の基板201の凹部207にも充填される。なお、接着剤については第1の実施形態と同じものを用いることができる。第1の基板201については、第1の実施形態と同様、100〜1000μm程度の厚みを有するシリコン基板が有用であるが、目的よりも厚みのある状態で用意し、接着してから目的の厚みになるまで研削や研磨を行ってもよい。シリコン基板は、8インチのシリコン基板であることが好ましい。
次いで、図2(c)に示すように、第1の基板201のそれぞれに液体供給路208を形成する。形成方法は第1の実施形態と同様でよい。すなわち、フォトレジストを塗布した後に穴パターンが形成されたフォトマスクを介して露光し、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはサンドブラストのような機械的加工によって、穴部に接続する位置に液体供給路208を形成する。この際、仮接着層202は、ウェハを吸着する際のリークを防止するなど、両側の第1の基板201に対する加工が互いに影響しないようにするためのストップ層の役割を果している。
次に、図2(d)に示すように、第2の基板200を2つ用意する。本実施形態における第2の基板200は、液体供給路208に液体を供給するための液体供給ホール203が予め形成されている。但し、液体供給ホール203は、必ずしもこの段階で形成されている必要はなく、後の工程で形成することもできる。
そして、これら2つの第2の基板200を、図2(e)に示すように、先に接着した第1の基板101のそれぞれに接合する。この接合についても第1の実施形態と同様、仮接着層202で用いた材料よりも低温で接着可能なUV硬化樹脂や熱硬化樹脂からなる接着剤210を用いる。このようにして、第1の基板201と第2の基板200とを積層する。その後、図2(f)に示すように、仮接着層202を2つの第1の基板201より剥離し、2つの積層基板211を分離する。第1の実施形態と同様、仮接着層202が熱可塑性樹脂である場合は、構造物全体を樹脂の軟化温度以上に加熱し双方の基板をスライド剥離させればよい。また、特定の溶剤に溶解するのであれば当該溶剤に浸漬して溶解剥離すればよい。さらに、仮接着剤が自己発泡タイプの接着シートの場合には、指定の温度に加熱することでそのまま剥離すればよい。
その後、それぞれの積層基板211に対し、必要に応じて仮接着層202の残渣の洗浄、および接着剤210の最終硬化処理等を行った後、第1の基板201の側に、図2(g)に示すように、流路部材205を積層する。流路部材205は、液体供給路208から供給された液体をエネルギ発生素子204の位置まで導くための流路と、エネルギ発生素子204に対応する位置に配備され液滴の出口となる吐出口206とを備えているが、これら構造体は積層後に形成してもよい。以上により、図2(h)に示すような、2組の液体吐出ヘッド基板が完成する。
なお、以上では、積層基板211を分離した後に、それぞれの積層基板211に対し、接着剤の最終硬化処理や流路部材の積層処理を行ったが、この順番は特に限定されるものではない。図2(e)で示すように、2つの積層基板211が仮接着されている状態で、接着剤210の最終硬化処理を行ったり流路部材205の積層処理を行ったりすることもできる。
以上説明した本実施形態によれば、第1の基板201を2層重ねた厚みと強度のもとで、液体供給路208の形成やエッチング、更に第2の基板200の接着のような工程を行うことができる。そして、2つの積層基板211を分離するために仮接着層202に対し特許文献1に記載されているような機械的な切断処理を施さなくてよいので、液体供給路208のような構造物を破損することを抑制できる。さらに仮接着層202の剥離後には第1の基板の表面を高精度に露出させることができ、エネルギ発生素子204や凹部207のような構造物が破損されることも抑制できる。結果、従来に比べ、目的の製造物を歩留まりの高い状態で製造することが可能となる。
以下、本実施形態に基づいて実際に液体吐出ヘッドを製造した場合の具体例を示す。
まず、図2(a)示すように、第1の基板201として、吐出エネルギ発生素子204となるヒータおよび後に液体供給路となる凹部207および不図示の電気配線などが形成された厚さ400μmの基板を2枚用意した。
次に、まず一方の第1の基板201の、吐出エネルギ発生素子204および凹部207が配備される側面に、接着剤として日化精工社製スペースリキッドTR2 60412を塗布し、ホットプレートにて140℃で加熱乾燥した。その後、当該塗布面をもう一方の第1の基板201の吐出エネルギ発生素子204および凹部207が配備される側面に接触させ、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用いて、減圧状態において130℃で互いの面を接着した。減圧状態で加熱接合することにより、2つの第1の基板201に形成された凹部207にも接着剤が入り込み、図2(b)に示すような充填された仮接着層202が得られた。
次に、片側の第1の基板201の表面に、東京応化工業社製のフォトレジスト(THMR−iP5700HR)を塗布し、穴の空いたマスクを介して露光および現像することにより、レジストパターンを形成した。その後、SPPテクノロジーズ社製ドライエッチング装置(ASE−PEGASUS)を用い、ボッシュプロセスによるドライエッチング加工を施すことにより、上記穴の位置に凹部207に接続する液体供給路208を形成した。さらに、もう片側の面にも上記と同様の処理を施し、同様に液体供給路208を形成した(図2(c))。ドライエッチングを行う際、仮接着層202が配備されているので、吸着リークは確認されなかった。また、以上の工程は、厚さ400μmのシリコン基板を2枚重ねた状態、すなわち800μm以上の厚みの基板に対して行ったので、その強度は1枚の場合よりも十分強く、取り扱いにも優れ、欠けや割れなども確認されなかった。
次いで、基板を貫通する液体供給ホール203が形成さている第2の基板200を用意し、UV硬化型(遅延硬化型)の接着剤(アデカ製:KR−827)をスクリーン印刷により塗布した後、接着剤にUV光を照射し重合反応を開始させた。本実施例において、UV光の照射は、ウシオ電機製プロキシミティ露光装置(UX−3000)にi線(365nm)バンドパスフィルターを装着して行った。
次に、図2(c)の状態の第1の基板201の片面に接着剤を塗布した第2の基板200を当接させ、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用いて、室温にて1000Nの圧力をかけて接合した。接合は、先に照射したUV光により接着剤の硬化が進まないうちに速やかに実施した。そして、もう片側の面にも同様の処理を行った。これにより、図2(e)のような第1の基板201と第2の基板200とを積層した積層構造体が得られた。この際、接合用の冶具を工夫すれば、第1の基板201の両方に対し、同時に第2の基板200を積層することも可能である。
その後、上記積層構造体に対し、100℃環境で120分の熱キュアを行うことにより、接着剤210(KR−827)を完全に硬化させた。接着剤210は完全に硬化するが仮接着層202には変化が現れないような、それぞれの接着剤の材料と熱キュア時の温度を予め定めておいた。よってこの際、仮接着層202に変化はなく、ずれや剥がれは確認されなかった。
次に、図2(e)の状態にある積層構造体を、図5に示すように剥離液501に浸漬した。ここでは剥離液501としてキシレンを用いた。これにより、仮接着層202の材料(スペースリキッド)が溶解されるので、これを剥離し、2つの積層基板211を分離した。分離後も、引き続きキシレンによって浸漬洗浄し、仮接着層202の面に残る接着剤を完全に除去した。
その後、仮接着層202が剥離された面に対し、東京応化工業社製ドライフィルムフォトレジスト(TMMF)のラミネートおよびパターニングを繰り返すことにより、流路と吐出口206が形成された流路部材205を積層した。これにより、図2(h)に示す2組の液体吐出ヘッド基板が得られた。
続いて、図6(a)〜(j)を用い、第2の実施形態に基づく液体吐出ヘッドの別の製造形態について説明する。まず、図6(a)に示すように、第1の基板2枚を用意した。第1の基板601には、吐出エネルギ発生素子609、東京応化工業製ポジレジスト(ODUR1010)からなる液体流路型材602、吐出口603が形成されエポキシ樹脂からなる液体流路形成部材604、電気配線等が形成され、その厚みは725μmである。吐出口603は液体流路型材602によって閉塞された閉塞穴になっている。なお、液体流路形成部材604が形成されている面には、後に仮接着剤の剥離や洗浄が容易なるように撥水処理を施している。
次いで、図6(b)に示すように、一方の第1の基板601にソマール社製の熱発泡型接着シート(ソマタックTE)を加圧ラミネートした。その後、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用い、減圧状態において、もう一方の第1の基板601と室温で加圧接合した。これにより、2つの第2の基板601の間に仮接着層605を形成した。
次に、ディスコ社製研削装置(DFG8540)を用い、第1の基板601を図6(c)に示すように、片側ずつ研削し厚みを調整した。具体的には、両側の厚みを725μmから300μmまで薄加工した。
次に、第1の基板の薄加工した面に、東京応化工業製のフォトレジスト(THMR−iP5700HR)を塗布し、フォトマスクを介して露光および現像することにより、レジストパターンを形成した。その後、SPPテクノロジーズ社製ドライエッチング装置(ASE−PEGASUS)を用い、ボッシュプロセスによるドライエッチング加工を施すことにより、上記穴の位置に貫通穴と成る供給口606を形成した。さらに、もう片側の面にも上記と同様の処理を施し、同様に供給口606を形成した(図6(d))。ドライエッチングを行う際、仮接着層605が配備されているので、吸着リークは生じなかった。また、供給口606を形成する工程は、厚さ300μmの第1の基板を2枚重ねた状態、すなわち600μm以上の厚みの基板に対して行うことになるので、その強度は1枚の場合よりも十分強く、欠けや割れなども生じなかった。
次いで、図6(e)に示すような2つの液体供給壁で構成される第2の基板607を2つ用意し、ウェハ接合用ポリマー接着剤(ダウ・ケミカル社製:CYCLOTENE)をスクリーン印刷により塗布した後、ホットプレートにて100℃で加熱乾燥した。これにより、図6(f)に示すように、第2の基板607の表面に接着層608が形成された。
次に、図6(d)の状態にある第1の基板601の一方に、図6(f)のように接着層608が形成された第2の基板607を当接させ、EVG社製の接合装置(EVG520IS)を用いて、130℃にて7000Nの圧力をかけて接合した。そして、もう片側の面にも同様の処理を行った。これにより、図6(g)のような積層構造体が得られた。この際、接合用の冶具を工夫すれば、第1の基板601の両方に対し、第2の基板607を同時に接合することも可能である。
その後、上記積層構造体に対し、ホットプレートにて190℃に加熱することにより、仮接着剤(ソマタック)を自己発泡させ、仮接着層605を剥離し、2つの積層基板610を分離した(図6(h))。更に、それぞれの積層基板610を乳酸メチル溶液に浸漬することにより、第1の基板601に予め形成されていた液体流路型材602を除去した。これにより、図6(i)に示すように、供給路611から供給口606を介して流入された液体を、吐出口603まで続くための流路612が形成された。その後、それぞれの積層基板610を、200℃に加熱し接着層608を完全に硬化させることにより、図6(j)に示すような液体吐出ヘッド基板が二組み得られた。
ところで、以上では、1対2個の液体吐出ヘッド用のマイクロデバイスに着目して説明してきたが、通常このような積層基板は、図3(a)および(b)に示すような円形のウェハを用いて一括製造される。すなわち、図3(a)のように、第1の基板101の仮接着および第2の基板100の接着を行い、層構成を完成させた後に、ダイシング処理を行って個々のチップに分離する。但し、図3(b)のように、仮接着された第1の基板および2つの第2の基板のそれぞれをダイシング加工で分離した後、それぞれのチップで第1の基板に対する第2の基板の接着を行うことも可能である。
また、以上では、同時に製造される2つの積層基板は等しい厚みおよび構造を有する形態で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。仮接着される2つの第1の基板も、それぞれの第1の基板に接着される2つの第2の基板も、互いに異なる厚みや構造を有するものであっても本発明の効果を得ることはできる。後に分離する2つの基板を、剥離可能な接着剤により仮接着することによって基板全体の厚みを増大させ、その後の取り扱いやすさを向上させることができればよい。
100 第2の基板
101 第1の基板
102 仮接着層

Claims (11)

  1. 第1の基板と第2の基板が積層されて構成されるマイクロデバイスの製造方法であって、
    2つの前記第1の基板を、仮接着層を介して、互いの面を接着する仮接着工程と、
    一対の前記第1の基板の仮接着面とは反対の面に対して、閉塞穴、溝、凹部、あるいは前記仮接着層に至るホールの加工、もしくは前記第1の基板の厚みを薄くする加工の少なくともいずれかを行う加工工程と、
    加工が施された前記第1の基板の面に、前記第2の基板を接合し、前記第1の基板と前記第2の基板とを積層する積層工程と、
    前記仮接着層を剥離する剥離工程と
    を有することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  2. 前記加工工程は、ウェットエッチング、ドライエッチング、機械的な加工、の少なくともいずれかを含んでいる請求項1に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  3. 前記積層工程において、前記第1の基板の厚みは100μm以上かつ600μm以下である請求項1または2に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  4. 前記マイクロデバイスは、液体吐出ヘッド用の積層基板であり、
    前記第1の基板には液体を供給するための供給口が形成され、
    前記第2の基板には、液体を吐出する吐出口と、前記供給口から供給された液体を前記吐出口まで導く流路と、前記吐出口から液体を吐出させるエネルギを発生させるためのエネルギ発生素子とが備えられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  5. 前記マイクロデバイスは、液体吐出ヘッド用の積層基板であり、
    前記第1の基板には、液体を吐出させるエネルギを発生させるためのエネルギ発生素子と、当該エネルギ発生素子まで液体を導く流路とが備えられ、
    前記第2の基板には前記流路に液体を供給するための供給口が備えられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  6. 前記エネルギ発生素子は、前記第1の基板の前記仮接着層に接触する面に予め形成されている請求項5に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  7. 前記仮接着工程によって仮接着される前記2つの第1の基板は、厚みまたは構造が異なっている請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  8. 前記積層工程によって積層される前記2つの第2の基板は、厚みまたは構造が異なっている請求項1ないし6のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  9. 第1の基板と第2の基板が積層されて構成されるマイクロデバイスの製造方法であって、
    2つの前記第1の基板を、仮接着層を介して、互いの面を接着する仮接着工程と、
    前記第1の基板における前記面とは反対の面に、第1の構造を形成する加工工程と、
    前記加工工程によって前記第1の構造が形成された前記第1の基板の面に、前記第1の構造とは異なる第2の構造が形成されている前記第2の基板を接合し、前記第1の基板と前記第2の基板とを積層する積層工程と、
    前記仮接着層を剥離する剥離工程と
    を有することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  10. 前記第1の構造は、前記第1の基板に対する貫通穴、閉塞穴、溝、凹部の少なくともいずれかを含んでいる請求項9に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  11. 前記第2の基板は、複数の基板が積層して形成されている請求項9または10に記載のマイクロデバイスの製造方法。
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