JP6541428B2 - シート状物品形成装置及びシート状物品形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、任意形状のシート状物品を形成可能な装置及び方法に関する。
一般にプリンターと呼ばれる装置は、紙などの記録媒体上に画像を形成することで印刷物を得る。記録媒体としてはあらかじめ決まったサイズ、形状、膜厚、表面性等の性質を持つものを用意する必要がある。また、性質の異なる印刷物を得るには、当然ながら記録媒体を交換する必要があった。さらに記録媒体を搬送する困難さなどから、プリンターに使用できる記録媒体は、サイズや形状が規格化された定型のものに実質的に限定されていた。
サイズや形状が不定形の印刷物を得ようとした場合、あらかじめ切り込みのある定型の記録媒体に印刷しその後に切り離す、あるいは手作業もしくはカッティングマシンなどによって所望のサイズ、形状に切り出す、といった非効率的な方法が用いられていた。金型によってプレスする方法もあるが、これは大規模である、少量印刷に向かない、損紙が発生するなどの欠点を有する。
また印刷物に穴あけをする、インデックスを付ける、ミシン目を付ける、といった印刷物の付加価値を高める加工が存在する。こういった加工は手作業やフィニッシャーと呼ばれる装置によって行われるが、印刷物を得る工程と別個の工程を必要とする非効率的な方法であった。
一方で特許文献1に、電子写真方式の画像形成装置を用いて樹脂粉体による所望形状のシートを作成するシート作成方法及びシート作成装置が提案されている。
特開2011−191401号公報
特許文献1の方法は、所望の形状のシートを作ることができるため、上記の課題を解決する方法として有望である。しかしながら、作成したシートに画像を印刷するには、まずシートのみを作成したのち再搬送機構によってシートを再搬送し、次工程において形成した画像をシート上に転写しなければならない。
サイズや形状が不定形なシートを、その角度や位置、タイミング等を定められた状態で正確に搬送することは非常に困難である。このため次工程で形成される画像を、再搬送したシートに正確に位置決めして転写することは難しい。それゆえ特許文献1の方法では、任意形状のシートに対して画像が正確に位置合わせされた印刷物を得ることができない(つまりシートと画像のあいだの位置ずれが生じる)、という課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートと画像が一体となった任意形状のシート状物品を高精度かつ高速に形成可能な技術を提供することにある。
本発明の第一態様は、シートと画像が一体となったシート状物品を形成するシート状物品形成装置であって、画像を構成する第1の粉体像を形成する、少なくとも1つの画像形成ユニットと、シートを構成する第2の粉体像を形成する、少なくとも1つのシート形成ユニットと、前記画像形成ユニットで形成された前記第1の粉体像と前記シート形成ユニットで形成された前記第2の粉体像とが、互いに合わさるように転写される、像担持体と、前記像担持体上で合わされた前記第1の粉体像及び前記第2の粉体像を加熱することに
より、前記第1の粉体像より構成される画像と前記第2の粉体像より構成されるシートが一体となったシート状物品を形成する加熱手段と、前記シート状物品を前記像担持体から分離する分離手段と、を備えることを特徴とするシート状物品形成装置を提供する。
本発明の第二態様は、シートと画像が一体となったシート状物品を形成するシート状物品形成方法であって、画像を構成する第1の粉体像を形成する工程と、シートを構成する第2の粉体像を形成する工程と、前記第1の粉体像と前記第2の粉体像とが互いに合わさるように像担持体上に転写する工程と、前記像担持体上で合わされた前記第1の粉体像及び前記第2の粉体像を加熱することにより、前記第1の粉体像より構成される画像と前記第2の粉体像より構成されるシートが一体となったシート状物品を形成する工程と、分離手段によって前記シート状物品を前記像担持体から分離する工程と、を含むことを特徴とするシート状物品形成方法を提供する。
本発明によれば、シートと画像が一体となった任意形状のシート状物品を高精度かつ高速に形成することができる。
本発明の実施形態に係るシート状物品形成装置の構成を示す図。 シート状物品形成装置に装着されるカートリッジの断面図。 シート状物品の形成過程を示す図。 実施例においてシート状物品を形成するために使用したサンプル画像。 実施例3を説明する図。 実施例4〜6で使用した材料を示す図。 実施例4〜6で使用した材料を示す図。 シート状物品の形成過程を示す図。
以下に本発明に係るシート状物品形成装置の具体的な実施形態を図面に即して説明する。ただし以下に記す構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(装置構成)
本発明の実施形態に係るシート状物品形成装置を図1、図2に模式的に示す。シート状物品形成装置は、任意形状のシートと画像が一体となった物(これをシート状物品と呼ぶ)を作成するための装置である。一般的なプリンタが紙などのシート上に画像を印刷して印刷物を形成するのに対し、本実施形態のシート状物品形成装置は「画像」と画像を保持・固定する「シート」の両方を一括に形成する点に特徴がある。
図1に示すように、シート状物品形成装置は、電子写真方式でシート及び画像の形成を行うプリンタ部A1と、プリンタ部A1の制御及び画像処理を担う制御部A2とを有している。コンピュータB1は、シート状物品形成装置に対しシリアルケーブルやLANなどで接続されたクライアントコンピュータである。制御部A2は、コンピュータB1からシート形成用のデータD1と画像形成用のデータD2を受信すると、その入力されたデータ
D1、D2に基づきプリンタ部A1を制御してシート及び画像の形成を行う。
プリンタ部A1は、複数(本実施形態では5つ)の像形成ユニットU1〜U5を有している。複数の像形成ユニットU1〜U5は、「画像」の粉体像の形成に用いられるユニット(以下、画像形成ユニットと呼ぶ)U1〜U4と、「シート」の粉体像の形成に用いられるユニット(以下、シート形成ユニットと呼ぶ)U5を含む。なお、本実施形態では、複数(4つ)の画像形成ユニットU1〜U4と1つのシート形成ユニットU5を設けたが、ユニットの数はこれに限られない。画像形成に用いる粉体(トナーなど)の数に応じて画像形成ユニットの数を設定することができる。例えば、単色画像の場合は画像形成ユニットの数は1つでよい。一方、シート形成ユニットの数も任意である。例えば、複数のシート形成ユニットにより粉体像を重ねることで厚みのあるシートを形成することも可能である。
画像形成ユニットとシート形成ユニットは、用いる粉体の粒径や物性の違いに起因して構成上の違いが生じる可能性があるものの、基本的な構成、及び、像形成のプロセスが共通している。したがって以下では、共通する構成及びプロセスについては、画像形成ユニットとシート形成ユニットを特に区別せずに説明する。
像形成ユニットは、基本的な構成として、感光体1と、帯電ローラ(帯電手段)2と、現像装置(現像手段)4と、クリーニング装置9と、転写装置(転写手段)5とを有している。各像形成ユニットにおいて、感光体1は矢印方向に回転され、帯電ローラ2によって一様な電位Vdに帯電される。次にレーザー光学装置(露光手段)3からのレーザー光により露光され、感光体1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4によって現像し、粉体像として可視化する。可視化された感光体1上の粉体像は、転写装置5によって転写ベルト(像担持体)6に転写される。転写されずに感光体1に残存した粉体は、クリーニング装置9のクリーニングブレード9aにより掻き取られる。クリーニングされた感光体1は上述のプロセスを繰り返し、粉体像の形成を行う。
感光体1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、クリーニング装置9は、シート状物品形成装置本体に対し着脱可能なカートリッジ11として構成されている。シート状物品形成装置本体にはカートリッジ11の5つの装着部17a,17b,17c,17d,17eが用意されており、最大で5つのカートリッジ11を装着可能である。本実施形態では、上流側(図1の左側)から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成用のカートリッジ11が装着され、最下流にシート形成用のカートリッジ11が装着される。転写ベルト6が各像形成ユニットU1〜U5を通過するのに同期して、イエローの粉体像、マゼンタの粉体像、シアンの粉体像、ブラックの粉体像、シートの粉体像が順次転写ベルト6上に転写される。このとき、転写ベルト6の搬送速度と各像形成ユニットのプロセス速度の同期をとることにより、画像部分とシート部分とが高精度に位置合わせされた粉体像を得ることができる。
転写ベルト6上の粉体像は、加熱ローラ(加熱手段)7と加圧ローラ18によって加熱・加圧されることで、溶融、結着され、シート化される。続く冷却ローラ(冷却手段)8あるいはそれに至る過程で、シート化された粉体像は冷却されて硬化する。硬化した粉体像は、分離ブレード(分離手段)10によって、画像が形成されたシート状物品として転写ベルト6から分離される。
感光体1は導電性基体であるAlシリンダ上に、電荷輸送層としてアリレートを使った有機感光体が積層されて形成されている。帯電ローラ2は、導電性支持体である芯金に半導電性のゴム層が設けられている。
現像装置4は、粉体12を収容する現像容器13と、現像ローラ14と、供給ローラ15と、規制ブレード16を備える。粉体12は、画像を構成する粉体像を形成するための粉体(以後「画像形成用粉体」と呼ぶ)、又は、シートを構成する粉体像を形成するための粉体(以後「シート形成用粉体」と呼ぶ)である。供給ローラ15は現像ローラ14に接触して回転し、規制ブレード16はその一端が現像ローラ14に当接している。
画像形成用粉体としては、一般的な電子写真方式のプリンタや複写機で用いられるトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー)を好ましく用いることができる。本実施形態では、非磁性1成分の重合トナーであり、現像に際して負極性に帯電される負帯電性のトナーを用いる。この場合、感光体1も負に帯電され、感光体1上の露光された部分にトナーが付着する、いわゆる反転現像方式で画像形成が行われる。粒径は約5μmである。シート形成用粉体としては、熱可塑性樹脂などの材料を主たる構成材料とする粉体を好ましく用いることができる。画像形成用粉体とシート形成用粉体の粒径は任意に選択できるが、シートの厚みや強度を得たい場合にはシート形成用粉体の粒径は画像形成用粉体よりも大きくするとよい。シート形成用粉体は無色(透明)でもよいし、用途に応じて、無彩色(白、グレー、黒)又は有彩色に着色されていてもよい。なお、本明細書では説明の便宜から「シート」と「画像」を区別するが、シート形成用粉体で画像の一部を構成したり(例えば、シート形成用粉体の色を画像の構成色の一つに利用する)、画像形成用粉体でシートの一部を構成することもできる。
現像ローラ14は、導電性支持体である外径φ6mmの芯金に、導電剤が配合されたシリコーンゴム層が設けられている。さらにシリコーンゴム層の表層には粗し粒子と導電剤を分散させたウレタン樹脂をコーティングしている。現像ローラ14全体の外径はφ11.5mmである。供給ローラ15は、導電性支持体である外径φ5.5mmの芯金に、発泡ウレタン層が設けられており、供給ローラ15全体の外径はφ13mmである。
供給ローラ15と現像ローラ14の侵入量は1.2mmであり、供給ローラ15は、現像ローラ14との当接部において、お互いが逆方向の速度を持つような方向に回転する。供給ローラの発泡ウレタン層には、この周囲に存在する粉体12の圧力が作用し、さらに供給ローラ15が回転することで、粉体12が侵入する。粉体12を含んだ供給ローラ15は、現像ローラ14との当接部において現像ローラ14に粉体12を供給し、さらに摺擦することで粉体12に予備的な摩擦帯電電荷を与える。現像ローラ14に供給され電荷を持った粉体12は、現像ローラ14に強固に付着し、規制ブレード16に突入する。
規制ブレード16は厚さ80μmのSUS製のブレードであり、現像ローラ14の回転に逆らう向きに配置されている。この規制ブレード16により、現像ローラ14上の粉体12の高さは均一に規制される。また、規制ブレード16との摺擦によって所望の摩擦帯電電荷を得る。規制ブレード16を通過した粉体12は感光体1との当接部で現像に供され、現像されなかった粉体12は供給ローラ15によって剥ぎ取られる。
現像ローラ14には、その芯金から現像バイアスと称する電圧が印加される。供給ローラ15の芯金は現像バイアスと同電位とした。規制ブレード16には現像ローラ14の電位より200V低い電圧を印加した。この電位差は粉体12のコートを安定化させるためのものであり、ブレードバイアスと称する。
転写ベルト6は導電剤が配合されたポリイミドからなる無端ベルトであり、周長は1400mm、膜厚は約100μmである。この転写ベルト6は加熱ローラ7と冷却ローラ8に張架され、加熱ローラ7の駆動によって矢印の方向(図1では時計周りの方向)に回転する。
加熱ローラ7は、内部に組み込まれたカートリッジヒーターによって加熱可能な、SS41製のSTKM(機械構造用炭素鋼鋼管)からなる外径φ90mmのローラである。カートリッジヒーターにはWATLOW社製のファイヤーロッドカートリッジヒーターを使用する。加圧ローラ18は、導電剤が配合されたシリコーンからなる外径φ11.5mmのゴムローラである。当接荷重は2kgとする。
冷却ローラ8は、加熱ローラ7と同様のSS41製のSTKM(機械構造用炭素鋼鋼管)からなる外径φ90mmのローラであり、内部にはチラーによって冷却された水が循環可能になっている。チラーには東京理化器械株式会社製の冷却水循環装置CCA−1110を使用し、設定温度は20℃とする。
分離ブレード10は厚さ0.1mm、自由長20mmの金属板である。例えばカミソリを並べて配置したものを使うことができ、本実施形態ではフェザー安全剃刀株式会社製、品種コード099289を使用する。転写ベルト(像担持体)6に対する当接状態は、ベルトを削らない程度に調整される。
(シート状物品の形成過程)
図3(a)〜図3(d)に、本実施形態のシート状物品形成装置によるシート状物品の形成過程を模式的に示す。まず、図3(a)に示すように、画像形成ユニットU1〜U4により、転写ベルト6上に画像形成用粉体からなる第1の粉体像21が形成される。この第1の粉体像21は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラー画像である。次に、図3(b)に示すように、シート形成ユニットU5により、シート形成用粉体からなる第2の粉体像22が形成される。第2の粉体像22は、第1の粉体像21の後から転写ベルト6に転写されることで、第1の粉体像21と合わされる。第2の粉体像22の形状や大きさは任意であるが、第2の粉体像22により形成されるシートが、第1の粉体像21により形成される画像を保持・固定する役割を担う場合、第1の粉体像21と略同じかそれよりも大きくする。次に、図3(c)に示すように、第1の粉体像21と第2の粉体像22が一括に溶融、結着され、第1の粉体像21よりなる画像と第2の粉体像よりなるシートが一体となったシート状物品23が形成される。最後、図3(d)に示すように、シート状物品23が転写ベルト6から分離される。このように、本実施形態の装置によれば、任意形状のシート上に任意の画像が形成されたシート状物品23を一つのプロセスで作成することができる。
図8(a)〜図8(c)に、シート状物品の形成過程の他の例を模式的に示す。図3(a)〜図3(d)では、第1の粉体像21と第2の粉体像22を重ね合せて加熱・加圧することで、シート上に画像が積層されたシート状物品23を形成した。これに対し、図8(a)〜図8(c)では、第1の粉体像21と第2の粉体像22とを互いに重ならず且つ平面方向(転写ベルト6の表面に平行な方向)に隣接するように転写ベルト6上に転写する。平面方向に隣接とは、2つの粉体像の間の隙間が無いか、又は極めて小さい(加熱・加圧後に隙間が無くなる程度に小さい)ことを意味する。これを一括で加熱・加圧することにより、図8(c)に示すように、第1の粉体像21より構成された画像部分と第2の粉体像22より構成されたシート部分とが平面的に結合されたシート状物品23が得られる。図8(c)のように画像の背面にシートが存在しない形態は「白ぬき」と呼ばれる。図8(a)〜図8(c)の過程で白ぬきのシート状物品23を形成する場合には、第1の粉体像21と第2の粉体像22の厚みを略同じにすることが好ましい。例えば、画像形成用粉体とシート形成用粉体の粒径を略同じにすればよい。
図4は、後述する実施例において、シート状物品を形成するために使用したサンプル画像である。このサンプル画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーによる第1の粉体像と、シート形成用粉体による矩形の第2の粉体像からなる。このサン
プル画像では、第1の粉体像が存在する部分(第1の粉体像の背面)にも第2の粉体像は形成されており、いわゆる白ぬきになっているわけではない。サンプル画像の4隅には各色のトナーで描かれた十字があり、十字の交点が各辺からそれぞれ5mmの場所に位置するようになっている。これらの粉体像がシート化されたとき、この交点の位置を調べることによってトナー画像がシートに対して正しく位置決めされたかを評価することができる。
(実施例1)
シート形成用粉体として、中心粒径約5μmの高密度ポリエチレン(HDPE)よりなる粉体Aを用いた。粉体Aは以下のような方法で調整した。
材料には、株式会社プライムポリマー製のHDPE、ハイゼックス1300Jを用いた。大きさ5mm程度のペレットを市販のコーヒーミルで粉砕し、ふるいで分級して中心粒径約5μmの粉体を得た。次に日本アエロジル株式会社製のフュームドシリカRY300を、HDPE粉体に対して重量で1部混合し、コーヒーミルで外添した。
粉体Aを充填した現像装置4をもつカートリッジ11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの後段である、転写ベルト(像担持体)6の進行方向最下流の装着部17eに装着した。つまり、画像形成用の第1の粉体像を先に転写ベルト6上に転写し、その上からシート形成用の第2の粉体像を転写する構成である。加熱ローラ7の温度は180℃、転写ベルト6の走行速度は30mm/secとした。
上記の条件で、第1の粉体像と第2の粉体像とを重ね合わせ、図4のような画像を5cm角の大きさで出力した結果、トナー画像とシートが一体となった厚さ約5μmのシート状物品を得ることができた。十字のトナー画像は、シートに対してそのずれ量が100μm以内に正確に位置決めされていた。
(実施例2)
粉体Aと同様の手法で中心粒径約100μmのHDPEよりなる粉体Bを調整し、シート形成用粉体として用いた。その他の条件は実施例1と同じにした。
粉体Bの現像装置では、トナーの現像装置に比べ、現像ローラ14に対する規制ブレード16の当接部を先端より内側にし、またその当接角度を鋭角にした。粉体Bは通常の電子写真が想定するトナーに比べて非常に大きいが、これらの設定により現像ローラ14に均一に付着させることができ、その量は約3mg/cmであった。
上記の条件で、図4のような画像を5cm角の大きさで出力した結果、トナー画像とシートが一体となった厚さ約30μmのシート状物品を得ることができた。十字のトナー画像は、シートに対してそのずれ量が300μm以内に正確に位置決めされていた。シートが厚くなったことで、丸まったり、静電気で周囲の物体に貼り付いたりすることが軽減され、取り扱い性が良好となった。
ある程度厚みのあるシートを形成するためには、大粒径の粉体を用いることが効果的である。小粒径の粉体で多層の画像を形成するのは、像が乱れたり、現像や転写がうまくいかないなど、一般的には困難なことが多い。大粒径のシート形成用粉体を使用する場合は、トナーも大粒径にしても良いが、通常トナーは高価であるため特別の用途がない限り不要に大きくする必要はない。したがってシート形成用粉体は、トナーより大粒径であると良い。
(実施例3)
シート形成用粉体として粉体Bを用いた。粉体Bを充填した現像装置4をもつカートリッジ11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの前段である、転写ベルト6の進行方向最上流の装着部17aに装着した。つまり、実施例3は、シート形成用の第2の粉体像を先に転写ベルト6上に転写し、その上から画像形成用の第1の粉体像を転写する構成である。その他の条件は実施例1と同じにした。
上記の条件で、図4のような画像を5cm角の大きさで出力した結果、トナー画像とシートが一体となった厚さ約30μmのシート状物品を得ることができた。しかしトナー画像はぼやけており、その一部はシートの背面まで貫通していた。
この原因を調べるために、転写ベルト6にシート形成用粉体とトナーによる粉体像を形成し、加熱ローラ7を通過する前の粉体の様子を光学顕微鏡で観察した。その結果、図5に示すように、トナー40がシート形成用粉体41の上部だけでなく転写ベルト6上にも多く存在することが分かった。シート形成用粉体41の粒径がトナー40より大きいため、シート形成用粉体41の空隙からトナー40が転写ベルト6まで転写したと考えられる。したがって、トナー40より大粒径のシート形成用粉体41は、トナー40よりも後に転写ベルト6に転写されると良いことがわかった。
実施例2と実施例3で明らかなように、シート形成用粉体41はトナー40より大粒径であるのが好ましく、且つ、トナー40より後に転写ベルト(像担持体)6に転写されると良い。これにより、取り扱い性が良好で、且つ、画像乱れのない高品質なシート状物品を得ることができる。
(実施例4)
シート形成用粉体に好適な物性を調べるために、図6(a)に示した材料を50μmの厚さのシートに加工してその性質を調べた。図6(a)中、HDPEは高密度ポリエチレン、PPはポリプロピレン、POMはポリアセタール、COCは環状オレフィン・コポリマーの略である。シートは、各種材料の粉体あるいはペレットを、50μmのスペーサを設けたホットプレスで加熱、加圧することで作成した。作成されたシートはいずれも適度な「腰」があり、かつ折り曲げても割れが発生せず、シートとして優れた性質を示した。
「腰」は断面二次モーメントと弾性率から与えられる量である。このうち断面二次モーメントはシートの厚さと形状から与えられる量であるから、腰に関するシート形成粉体に必要な物性は「弾性率」であることが分かる。折り曲げによる割れは、折り曲げ部の外側が内側より引き延ばされて発生する破断が起点と考えられる。したがって折り曲げによる割れに関するシート形成粉体に必要な物性は「破壊ひずみ」であることが分かる。
図6(a)には本実施例で使用した材料の弾性率と破壊ひずみも示してある。弾性率は曲げ弾性率であるが、データが不足しているものは引張弾性率で代用した。本実施例で作成したシートはいずれもシートとして優れた性質を示し、いずれも高い弾性率と一定以上の破壊ひずみを持つことが分かった。
(実施例5)
図6(b)に示した弾性率の低い材料を50μmの厚さのシートに加工してその性質を調べた。シートの作成方法は実施例4と同様である。図6(b)中、LDPEは低密度ポリエチレン、EEAはエチレン・アクリル酸共重合体、LLDPEは直鎖状低密度ポリエチレンである。作成されたシートは折り曲げても割れは発生しなかったが、腰が弱く丸まりやすかった。
(実施例6)
図6(c)に示した破壊ひずみの小さい材料を50μmの厚さのシートに加工してその性質を調べた。シートの作成方法は実施例4と同様である。図6(c)中、PSはポリスチレンである。作成されたシートは適度な「腰」があったが、折り曲げると割れが発生した。
図7に実施例4〜6で使用した材料の弾性率と破壊ひずみの関係を示す。横軸が弾性率(MPa)であり、縦軸が破壊ひずみ(%)である。実施例4で用いた材料を黒丸、実施例5で用いた材料を白三角、実施例6で用いた材料を白四角でプロットした。この実験結果から分かるように、シート形成用粉体の主たる構成材料はその弾性率が大きいと良く、好ましくは1GPa以上であると良い。またシート形成用粉体の主たる構成材料はその破壊ひずみが大きいと良く、好ましくは10%以上であると良い。
(本実施形態の利点)
以上のように、本実施形態の構成によれば、画像形成用粉体の粉体像とシート形成用粉体の粉体像とを転写ベルト6上(像担持体上)で互いに合わせ、それらを加熱して一体化することで、シートと画像が一体となったシート状物品を直接に作成できる。しかも、画像形成用粉体の粉体像とシート形成用粉体の粉体像とを同じ像担持体上に連続して転写するため、画像とシートの位置合わせを正確に行うことが容易となる。また、シートそのものも成形されるため、シート状物品形成装置に与えるシート形成用データD1のデザイン次第で任意の形状のシートを得ることができる。
このとき、画像形成用粉体の粉体像を先に転写し、その上に重ねてシート形成用粉体の粉体像を転写する、という順番を採用すれば、画像乱れの少ない高品質なシート状物品を形成することができる。また、シート形成用粉体の粒径を画像形成用粉体の粒径よりも大きくすれば、十分な厚みと強度をもち、取り扱い性に優れたシート状物品を得ることができる。
画像形成用粉体としてトナーを用いるようにすれば、一般的なプリンタや複写機のトナーを流用できるため、粉体開発にかかるコストを抑えることができる。一方、シート形成用粉体の主たる構成材料として熱可塑性樹脂を用いることで、画像形成用粉体とシート形成用粉体とを同じ加熱プロセスで溶融・結着することができるので、装置構成の簡易化及びプロセスの単純化を図ることができる。
シート形成用粉体の主たる構成材料の弾性率を1GPa以上とすることで、十分な腰のあるシートを形成することができる。さらにシート形成用粉体の主たる構成材料の破壊ひずみを10%以上とすることで、折り曲げによる割れが発生し難いシートを形成することができる。
また、本実施形態では、分離ブレード10によってシート状物品の剥離を補助するので、シート状物品の剥離ムラや剥離時の破損を抑制し、高品質なシート状物品を得ることができる。さらに、加熱ローラ7と分離ブレード10のあいだに冷却ローラ8を設けたので、転写ベルト6上のシート状物品が剥離位置に到達する前に確実に硬化し、剥離ムラや剥離時の破損の発生を一層抑制することができる。
U1,U2,U3,U4:画像形成ユニット、U5:シート形成ユニット、6:転写ベルト(像担持体)、7:加熱ローラ(加熱手段)、21:第1の粉体像、22:第2の粉体像、23:シート状物品

Claims (13)

  1. シートと画像が一体となったシート状物品を形成するシート状物品形成装置であって、
    画像を構成する第1の粉体像を形成する、少なくとも1つの画像形成ユニットと、
    シートを構成する第2の粉体像を形成する、少なくとも1つのシート形成ユニットと、
    前記画像形成ユニットで形成された前記第1の粉体像と前記シート形成ユニットで形成された前記第2の粉体像とが、互いに合わさるように転写される、像担持体と、
    前記像担持体上で合わされた前記第1の粉体像及び前記第2の粉体像を加熱することにより、前記第1の粉体像より構成される画像と前記第2の粉体像より構成されるシートが一体となったシート状物品を形成する加熱手段と、
    前記シート状物品を前記像担持体から分離する分離手段と、
    を備えることを特徴とするシート状物品形成装置。
  2. 前記第1の粉体像が前記像担持体に先に転写され、前記第1の粉体像に合わせて前記第2の粉体像が転写される
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート状物品形成装置。
  3. 前記第2の粉体像を形成する粉体の粒径は、前記第1の粉体像を形成する粉体の粒径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状物品形成装置。
  4. 前記第1の粉体像を形成する粉体は、トナーである
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  5. 前記第1の粉体像が前記シートの一部を構成し、又は、前記第2の粉体像が前記画像の一部を構成する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  6. 前記第2の粉体像を形成する粉体の主たる構成材料は、熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  7. 前記第2の粉体像を形成する粉体の主たる構成材料の弾性率は、1GPa以上である
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  8. 前記第2の粉体像を形成する粉体の主たる構成材料の破壊ひずみは、10%以上であることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  9. 前記画像形成ユニット及び前記シート形成ユニットは、電子写真方式により粉体像を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  10. 前記加熱手段と前記分離手段のあいだに、前記像担持体上の前記シート状物品を冷却して硬化させる冷却手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載のシート状物品形成装置。
  11. シートと画像が一体となったシート状物品を形成するシート状物品形成方法であって、
    画像を構成する第1の粉体像を形成する工程と、
    シートを構成する第2の粉体像を形成する工程と、
    前記第1の粉体像と前記第2の粉体像とが互いに合わさるように像担持体上に転写する工程と、
    前記像担持体上で合わされた前記第1の粉体像及び前記第2の粉体像を加熱することにより、前記第1の粉体像より構成される画像と前記第2の粉体像より構成されるシートが一体となったシート状物品を形成する工程と、
    分離手段によって前記シート状物品を前記像担持体から分離する工程と、
    を含むことを特徴とするシート状物品形成方法。
  12. 前記第1の粉体像を形成する工程において、前記第2の粉体像を形成する粉体より粒径が小さい粉体を用いて前記第1の粉体像を形成し、
    前記第1の粉体像と前記第2の粉体像とが互いに合わさるように像担持体上に転写する工程において、前記第1の粉体像を前記像担持体上に転写した後、前記第1の粉体像に重ねて前記第2の粉体像を転写する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシート状物品形成方法。
  13. 前記第1の粉体像と前記第2の粉体像とが互いに合わさるように像担持体上に転写する工程において、前記第1の粉体像と前記第2の粉体像を互いに重ならず且つ平面方向に隣接するように前記像担持体上に転写する
    ことを特徴とする請求項11に記載のシート状物品形成方法。
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